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財政投融資改革のその後(1)全体としては「道半ば」 [経済政策]

日本郵政の問題を3日にわたり取り上げてきたが、今日はマスコミでは殆ど報道されずやや専門的過ぎるきらいはあるが、「第二の予算」とされる財政投融資(以下「財投」と略記)の改革の進捗状況を取り上げたい。というのも、これは日本郵政の問題と以下にみるように密接に関連しているため。財投改革前は郵貯、簡保などの資金は資金運用部に預託され、財投の資金を調達する「入口」となっていた。「出口」として資金の供給を受けてきたのは政策金融機関(政府系金融機関)、道路公団などの特殊法人、地方自治体などであった。「入口」に集まった資金を如何に使うかで「出口」が決まる側面が強く、「国民から預かった資金で無駄な道路ばかり作っている」などといった批判も強かった。そこで、様々な「構造改革」に熱心だった第二次橋本政権が財投改革を取上げ、小泉政権発足時の2001.4に改革がスタートした。郵貯、簡保などの預託義務を廃止、財投の資金調達は代わりに、国債と同一条件の財投債で一括して市場調達。財投機関は財投から借入れる他に、個別に格付を取得した上で財投機関債で市場調達することとなった。財投機関債を導入した狙いは、コスト面では財投からの借入れより国債への上乗せ金利や発行費用などが0.1%前後必要と若干コスト高にはなるが、情報開示を通じた市場評価により事業運営を規律づけることにあった。

これまでの状況をみると、財投の規模(計画額)は、改革前の2000年度の37.5兆円から2007年度には14.2兆円まで圧縮されたが、金融危機や震災対応で増加、これら対応がなくなった2014年度でも16.2兆円と高止まりしている。財投債の発行額は、改革1年目の2001年度の43.9兆円から2014年度には16.0兆円に圧縮。肝心の財投機関債の発行額は、2001年度の1兆円からピークの2004年度でも5兆円、2014年度では4.2兆円と低迷、財投機関債を発行する財投機関の資金調達に占める比重も2014年度で22%に過ぎない。財投機関債発行でガバナンスを効かせようとしても、財投機関にとっては調達コスト高で発行するインセンティブがない、というという元々の制度設計上の矛盾による壁は厚いようだ。また、財投機関は従来から政府保証を受けることで政府保証債も発行しているが、保証があると財投機関の信用力格差が反映されず、資金調達が安易に流れがちなため、1997から政府保証の付与をできるだけ抑制するとしてきた。しかし、政府保証債の発行額は、2001年度の3.7兆円から2014年度も4.1兆円と、抑制とは程遠い姿である。総じて改革は大甘にみても「道半ば」といえよう。なお、明日は、財投機関のちの政策金融機関改革を取上げる予定。


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