日経コラム「「日本スゴイ」で大丈夫？ 自己陶酔なら歴史も歪む」

本日付けの日経新聞10面の中外時評欄で「「日本スゴイ」で大丈夫？ 自己陶酔なら歴史も歪む」と題したコラムが掲載された。久しぶりに皮肉の効いた面白い記事だったので、やや長くなるがその一部だけを紹介すると、「戦後70年、社会の閉塞感の裏返しか、自信回復の表れか。排外主義や偏狭なナショナリズムに通じるとすればちょっと危うい。・・・極端から極端に振れたり、自慰と自虐が同居したりする日本的心性の一端が昨今の「日本スゴイ」なのかもしれない。ただしそれも、いまの日本への自画自賛だけならまだいい。問題は、さきの戦争をめぐる「過去褒め」。いわく「アジアの国々はあの戦争によって独立を果たしたり、そのきっかけをつかんだりした」「欧米の植民地支配から解放してくれた日本軍進攻を現地の人々は歓迎した」「日本統治時代の教育を懐かしがる老人があちこちにいる」。こんな言説が目立つようになった。・・・過去を直視すれば、それは日本にとって都合のよい部分にすぎないことがわかる。・・・自己陶酔で過去を歪（ゆが）めてはなるまい」というもの。
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150405&ng=DGKKZO85250420T00C15A4TY7000

明らかに安倍首相周辺が検討している戦後70年談話を意識した出色のコラムで、他ならぬ日経新聞が掲載したことにいささか驚かされた。このコラムの前半部分に関連して、「日本スゴイ」を煽っているのが、政府を挙げての近年の「クール・ジャパン戦略」である。これについては、ググったところ大きな問題がありそうなので、明日に回したい。ご期待を乞う。

タグ：日本スゴイ　戦後70年談話 クール・ジャパン 安倍首相 ナショナリズム　排外主義