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「官製相場」の増殖 [経済政策]

13日付けの日経新聞に「「官製相場」の増殖が心配だ 介入を過信、改革遅らす」とのコラムが掲載された。「官製相場」の例として、①日本国債の格付を中国や韓国より低く格下げした米格付会社ムーディーズに対し、安倍首相がしっかり働きかけるよう指示したこと。②財政再建を日銀の黒田総裁から促されても、成長優先で、経済界へ賃上げを要請。③日銀の国債やETFの大量購入で、円安や株高、国債金利低下を助け、国債や株の市場では公的年金の株購入とあわせ「官製相場」が語られる。しかし、この結果、日銀の資産は膨らみ、GDP比では60%を超え、米欧の中央銀行の2倍以上。日銀の財務体質を弱めたうえ、国債購入を減らす際に金利高を招く心配があるーーなどを挙げた。
①の格付会社への財務省の働きかけは、以前からやっても効果がなかったもので目新しさはない。
②の賃上げ要請は本ブログでも4月4日で取上げた。
③の財政再建問題は、黒田総裁とその背後の財務省の意向を反映したものだが、国債やETFを大量購入する異次元緩和により、金利高騰、さらには円暴落などのリスクが高まっていることは間違いない。
これに関連して、3日付けの日経新聞では「公的資金、株買い越し 最大の5兆円 昨年度、年金・日銀・かんぽ 相場押し上げ存在感、株価形成にゆがみも」と報じている。公的資金の内訳では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の買い越しが3兆円、日銀1.7兆円などとしている。1992から数年間行われた年金福祉事業団、郵貯資金などによる「株価維持策(PKO)」は年2兆円ペースだったのに比べ、その威力は確かに大きい。しかし、「カンフル剤」を本来、市場は一時的にマヒした際に用いるのであればともかく、それが常用されるとなると、その副作用は深刻なものになる危険性を孕んでいることを忘れてはなるまい。
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