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日銀の異次元緩和政策(その3) [経済政策]

今日は日本銀行の異次元緩和政策(その3)である。注目された今日の日銀の金融政策決定会合では、現在の緩和政策維持と、2%の物価目標の達成時期をエネルギー価格の影響がほぼなくなる「16年度前半ごろ」と、これまでの「15年度を中心とする期間」から後ずれさせたようだ。
さて、今日の本題としては、アベノミクスを「アホノミクス」と徹底批判している同志社大大学院教授の浜矩子氏が、27日付けの日刊ゲンダイのインタビュー記事「エコノミスト浜矩子氏が看破する「チーム・アベ」の欺瞞」を取上げよう。そのポイントは概ね以下の通り。
・黒田総裁は、ETFなどリスク資産の購入、国債の大量買い上げで、日銀の財務体質を悪化させ、通貨価値を不安定にさせようとしているのに、通貨価値の番人として機能し続けようとするのは、大きな矛盾
・自国通貨を安く誘導していくのも、中央銀行の政策として考えられず、金融政策の名に値しないことをやっている
・市場にカネを流し込むことで資産インフレ=バブル状態をつくり出し、デフレから脱却しているかのごとき雰囲気を醸し出し、浮かれ気分をつくり出すシナリオ
・その一方で、国債の値崩れ防止も図る。円安誘導によって、時代錯誤的な輸出主導型の経済成長を図り、点数を稼ぐ。何とか達成した株価2万円だから世の中はシラケていて、「2万円? だから?」という感じ。どの世論調査を見ても、景気回復の実感がない人は7割を超えているし、実質賃金は下がる一方。GDPもパッとせず、何一つとして思惑通りになっていない
・ECBのドラギ総裁は、ユーロ消滅の事態を回避するために何でもやるんだと吐露し、不本意ながら中央銀行道から大きく逸脱したことをやらなければならない状況にあると説明。FRBのバーナンキ前議長も、相当にむちゃなことをやっていると分かっていた。そういうバンカーとして当然の思いを全部すっ飛ばし、喜々としてやっているのが日銀
・2%を達成したら、その時点で日銀は異次元の緩和をやめなければならない。緩和をやめれば、日銀という買い手を失う国債は暴落。やめなければ、「財政ファイナンスではない」との説明が真っ赤なウソだったとバレ、日本のクレディビリティーは失われ、結局、国債は暴落
・量的緩和策は、それをやめられた時に初めて「成功した」といえる。正常な状態に戻す策は、世界の主要国が同時に鎖国することぐらい。もちろん、非常に危険なやり方で、ハイパーインフレを引き起こすリスクも高い
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159319

最後のポイントはいわゆる量的緩和の「出口」の問題で、黒田総裁はこれを時期尚早として封印している。既に出口にさしかかった米国ですら踏み切れない状態が1年近く続いている。まして、深刻な財政問題を抱える日本では「出口」は国債の暴落以外にはなさそうだ。
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