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安倍首相訪米問題(第三報) [外交]

安倍首相訪米問題では、4月20日の25日の2回にわたって取上げたが、今日は米国議会演説も終了したところで、第三報として取上げたい。
先ずは、元外務省高官の天木直人氏が4月25日付けブログで「米国議会演説の実現にユダヤロビーを頼った安倍首相の衝撃」と、「オバマ大統領とゴルフひとつできない安倍首相」の2つである。
ユダヤロビーを頼ったことに関して、ブログでは触れられてないが、安倍首相が先の中東訪問で、IS(イスラム国)に日本人が2人捕らえられていることを知りながら、イスラエル首相とイスラエル国旗の前で共同記者会見し、日本はISと戦う側にあることを強調した。これが人質殺害にどの程度影響したかは不詳だが、安倍首相の米国議会演説を促進する材料として利用した可能性があるかも知れない。
http://www.amakiblog.com/archives/2015/04/25/#003250

第二は、在米の保守派ジャーナリストの日高義樹氏が、演説前の4月29日付けZAKZAKで「安倍首相の訪米に期待なし 米メディアや米国民との間に大きな隙間」と題して伝えた内容である。「安倍首相は今度の訪米でTPPについて話し合うことが重要と考えているようだが、民主党の有力な大統領候補、ヒラリー・クリントン氏も労働組合や民主党の意向を配慮して何の発言もしていない」、「戦後70年という区切りにも米メディアの関心はあまりない。むしろ冷戦が終わって25年という方に比重がかかっている」。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150429/dms1504291000003-n1.htm

第三は、保守派の評論家の小林よしのり氏が自身のブログ4月30日付けで、「安倍首相の米議会演説は愚劣でバカバカしい」と題して、以下のように痛烈に批判。
・「民主主義の輝くチャンピオンを大使として送って くださいました」とか、「日本にとって、アメリカとの 出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした」 とか、よくこんな醜悪な媚びを連発できるものだ
・安倍首相は「民主主義はアメリカからの贈り物」と思っているらしいが、とんでもない自虐史観
・やたら民主主義を強調するくせに、辺野古の 基地問題も、安保法制も、すべて米国と先に決めてしまい、 国会審議は後回しでいいと言うのだから、 どこが民主主義なんだ!?
http://yoshinori-kobayashi.com/7535/

第四は、5月1日の日刊ゲンダイ記事「安倍首相の演説が笑いモノに「8割の米議員わからず」の声も」である。そのポイントは以下の通り。
・米メディアが安倍首相を笑いモノにしているのは、安倍首相が英語で書かれた原稿をひたすら棒読みしただけでなく、原稿に日本語で「顔を上げ、拍手促す」「次を強く」などと、あんちょこが書かれていたからだ。「ウォールストリート・ジャーナル」などが、あんちょこペーパーを大きく報じている。アメリカ人記者たちは、「まるで中学生の英語スピーチ大会だ」と笑い合っているそうだ。素直に日本語でやればよかったのだ。
・テレビでみた国際ジャーナリストの堀田佳男氏の感想は、『リズムが悪すぎて意味がわかりませんでした。米議員の半分以上がスピーチを聞かずに、紙を見ていた。文節の切り方がおかしいし、リズムもない。単語ひとつひとつを明確にしようということなんでしょうが、8割の議員がわからなかったでしょう』
・米議会ではスタンディングオベーションは習慣で、タイミングもあらかじめ決まっている。ありがたがっているのは、何も知らない日本のメディアと、おめでたい安倍首相だけ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159518

エピソードとしては、5月1日の産経新聞によれば、米下院のエド・ロイス外交委員長(共和党)が「性奴隷の侮辱に苦しんだ女性たちに謝罪するべきだった」と非難する声明を出したが、実は欠席していたことが判明。ニュースサイトが「同盟国に不当な言いがかり」と逆に批判されたようだ。
http://www.sankei.com/world/news/150501/wor1505010045-n1.html

日本の首相であれば米議会演説を日本語でやるべきとの指摘は、4月30日のBSフジの討論番組で、元財務官の榊原英資氏も指摘していた。背伸びのしすぎであろう。今後の焦点は、8月の「戦後70年談話」であるが、今日の日経新聞夕刊は安倍首相が、米議会演説では触れなかった「植民地支配と侵略」や「心からのおわび」について、認識の基調は歴代首相発言を継承する立場を強調したとのこと。「戦後70年談話」ではバンドン会議や米議会での演説のような「間接話法」は通用しないだけに、どのように継承するのか「お手並み」拝見である。
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