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安倍首相訪米問題(5) [外交]

安倍首相訪米問題については、このブログでも4月20日、25日、5月2日、3日と取上げてきたが、今日はその後の参考になる報道をその5として伝えたい。もう済んでしまったことを敢えて取上げるのは、その大きなツケをこれから国民が払わされるからである。なお、これまでのネーミングからすれば、第五報となるが、「誤報」となるのを避けるべく(5)とした。
まず第一には、5月3日付けの日刊ゲンダイ「訪米で浮き彫りに 安倍首相は誰のために政治をやっているか」と題する政治評論家の森田実氏の痛烈な批判である。そのポンイントは概ね以下の通り(下記リンクでは2頁目は何故か表示されないため、1頁目のみ)。
・安倍首相の政治行動は、他人から称賛されたいという虚栄心、手柄を上げたいという功名心、あるいは“A級戦犯”容疑者だった祖父・岸信介の名誉を回復したいという執念に尽きる
・一国のリーダーは、国益のために己をむなしくする必要があるのに、安倍首相には国民のためという発想が欠けている
・今回の訪米も酷かった。オバマ大統領の歓心を買うために、国益を度外視し、アメリカのために日米ガイドラインを見直し、自衛隊を差し出し、しかも国会での審議はこれからなのに、米国には勝手に成就を約束してしまう。TPP交渉も拙速に進めているし、ここまで自分本位の総理は戦後、初めてでしょう
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159523

第二は、5月7日付けダイヤモンド・オンラインの「日本は独立国か?「脱却」と「従属」二人いる安倍晋三」と題する元朝日新聞編集委員の山田厚史氏のこれまた痛烈な批判記事である。そのポンイントは概ね以下の通り。
・安倍政権は戦後「脱却」を叫びながら、行動は対米「従属」。ジキル博士とハイド氏のような「二重人格」こそ安倍政権の特質
・前回の訪米でオバマが示した「冷遇」は「政治姿勢を改めろ」というアメリカからのメッセージ。米国に逆らって長持ちした政権は日本にない。それも戦後レジーム。アメリカに付き従うことで良好な日米関係を築くことに努めてきた外務官僚に下工作を任せた段階で、米国主導はほぼ決まった
・新ガイドラインにより、日本国憲法の空洞化が一段と進んだ。際立ったのが「国権の最高機関」である国会の有名無実化。首相が「貢物」のように差し出した新ガイドラインは、自衛隊を米軍の補助部隊にし、活動範囲を世界に広げる。自衛隊とは、その名が示すように日本国を自衛する部隊のはずだった。「戦争には加わらない国」だった日本が「戦争に参加できる国」になる
・国家の在り方が大転換する約束を、国内で説明も議論もせず、アメリカの大統領に約束し、議会で演説。これで独立国なのだろうか。ガイドラインは日米安保条約を超えた内容。条約では日米が協力する地域を「日本及びその周辺」すなわち「極東」に限定。ガイドラインは、この制約を取り払い世界で協力できるようにした。本来は安保条約の改定が必要な課題
・有名無実化する憲法・国会。満州事変から太平洋戦争に至る15年戦争は軍部の謀略で既成事実が積み重ねられ、引くに引けないまま、大戦へとなだれ込んだ。権力の暴走に歯止めを掛けるのは国会とメディアの役割。その両者が弱体化。しかも国会議員も報道機関も国民から不信の目で見られるようになった。「国会なんてダメさ」「マスコミはウソばかり」といった風潮に付け込んで、権力者は主権在民を形骸化し、批判の爪を剥ごうとしている
http://diamond.jp/articles/-/71102

第三は、日刊ゲンダイの5月9日付け「オスプレイ3600億円は序章…安倍首相「隷属演説」の高い代償」と、5月10日付け「これも訪米歓待の代償…「米軍再編関係費」1.6倍になっていた」である。いずれも、訪米の代償が高いものになったことを伝えている。特に、オスプレイ17機と関連装備が推計30億ドル(約3600億円)というのは、法外に高いと専門家はみているようだ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159607/1
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159649/1

主要紙が、訪米に同行した記者による読むに耐えないような「提灯記事」で埋め尽くされ、上記の山田氏の指摘のように「権力の暴走に歯止めを掛ける」役割を放棄したのは、本当に危険な兆候と言わざるを得ない。
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