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孫崎亨、マーティン・ファクラー著「崖っぷち国家日本の決断~安倍政権の暴走と自主独立への提言」(日本文芸社、2015.2)の紹介(1) [外交]

今日は、元外務省高官の孫崎亨氏と、ニューヨーク・タイムズ(NYT)東京支局長マーティン・ファクラー氏の対談をまとめた「崖っぷち国家日本の決断~安倍政権の暴走と自主独立への提言」(日本文芸社、2015.2)を紹介したい。
第1章の「真実を伝えない日本のメディア」では、日米の比較を交えながら、日本のメディアを厳しく批判。そのポイントは以下の通り(主にファクラー氏の指摘)。
・ファクラー氏のSPEEDIに関する記事は、ピューリッツアー賞の選考対象に
・巨費をかけて日本がつくった素晴らしいコンピュータシステムがあったのに、パニックを起こすという理由で日本政府が公開せず。一番情報が必要なとき、普通に市民にその情報をあげず
・チェルノブイリの専門家の小佐古東大教授は、「SPEEDIの測定結果の公表が遅い」と記者会見で涙ながらに抗議し、内閣官房参与を辞任
・原発の危険を指摘したジャーナリストは抹殺されていく
・メディアと政権との密着については、アメリカにも同じような問題がある。9.11事件後、ブッシュ政権はイラクが大量の破壊兵器を隠していると難クセ。NYTを含めアメリカの各新聞はあまり批判的な立場を保たず、スクープ競争に。あとでそれが大問題となり、NYTなどの新聞で様々な改革が行われた
・スクープ合戦になると、「特ダネちょうだい」という形で取材先を批判できなくなる
・オリンパス粉飾決算事件では、最初に「FACTA」が報道、FT、WSJ、NYTも1面で報道、特に金融2紙は連日報道したのに、日経が記事にしたのは金融庁が動き出してから
・アメリカのジャーナリズムは、独立戦争などの激しい政治的対立の時代に生まれた。そのため、先頭に立って自ら社会問題を摘発する伝統
・ピューリッツアー賞は、誰も気づいていない社会問題や、皆が知っていたけれど誰も気づいていない深層部分に注目して、政府を追及したりすることが評価される
・これに対し、日本の新聞協会賞は、特ダネ、スクープが受賞対象。取材先とずっと仲良くして、批判をせず、特ダネをもらったところが勝つ。このことをオリンパス事件で痛感
・「記者クラブ」制度で、記者同士が話し合い、「みんなと肩を並べれば批判されない」という最も安全なジャーナリズム。アメリカにも記者クラブがあり、問題が全くない訳ではないが、取材先と密着すれば社会問題になる。密着しては離れるという具合にバランスを探っている。日本では密着状態が当たり前で、何も問題視してない
・「特定秘密保護法」の閣議決定時に、外国特派員協会の会長がこの法案の「撤回か大幅改訂」を勧告したのに、全く報道されず。報道記者がこれを知らないわけはないのに、報じなかったのは政府が望まないことは報道しないという自主規制があるから
・日本の大新聞のエリート記者の意識は官僚制度の一部分

ピューリッツアー賞と日本の新聞協会賞の違いなど、興味深い指摘を列挙していたら、長目になったので、続きは明日にしたい。
タグ:様々な改革 スクープ競争 特ダネ、スクープが受賞対象 基本的なコンセンサスを共同認識 パニックを起こすという理由で日本政府が公開せず 日本の大新聞のエリート記者の意識は官僚制度の一部分 、離脱にものすごい脅威と恐怖 1つの既得権益集団 ジャパン・ハンドラーたちに歓迎 アメリカでも数少ない イラク戦争に関った人は安全保障分野から立ち去った イラク戦争後 アメリカには「安全保障村」 勢力を失うどころか、伸ばしている 国土安全保障省 国防省 安全保障問題 国連のバックアップを必要としなくなり 軍事力を使う形で民主化を促進 積極的に世界を変えていこう 冷戦終了後 国連を中心にやってきた アメリカ パンドラの箱 フセイン政権を倒したから 日米・既得権益勢力の策謀  アメリカを牛耳るネオコンとジャパン・ハンドラーズの企み 政府が望まないことは報道しないという自主規制 全く報道されず 法案の「撤回か大幅改訂」を勧告 日本では密着状態が当たり前 密着しては離れる 最も安全なジャーナリズム みんなと肩を並べれば批判されない 記者クラブ 日本の新聞協会賞 アメリカのジャーナリズム 日経が記事にしたのは金融庁が動き出してから オリンパス粉飾決算事件 取材先を批判できなくなる 集団的自衛権 「特ダネちょうだい」 アメリカの各新聞 イラクが大量の破壊兵器を隠している 9.11事件後 原発の危険を指摘したジャーナリストは抹殺 SPEEDIの測定結果の公表が遅い 小佐古東大教授 一番情報が必要なとき、普通に市民にその情報をあげず 自ら社会問題を摘発する伝統 ブラックウォーター 外国特派員協会の会長 日本にも既得権益集団に近い権力構造的な組織 孫崎亨 マーティン・ファクラー 崖っぷち国家日本の決断~安倍政権の暴走と自主独立への提言 真実を伝えない日本のメディア SPEEDIに関する記事 ピューリッツアー賞の選考対象 閣議決定時 有志連合 海兵隊をハワイやグアムに移転させてもいいと主張 大問題 特定秘密保護法 イスラム社会との紛争が極端に過激になったのは ジム・ウェッブ ジョン・マケイン カール・レヴィン 日本では 秘密保護法
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