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自民党勉強会での暴言問題(報道威圧問題)(その2) [メディア]

自民党勉強会での暴言問題(報道威圧問題)については、6月29日の本欄で取上げたが、その後も議論が盛り上がっているようなので、今日はその2として取上げたい。

まずは、当日の発言や議員のバックグランドなどを報じた7月4日付けのダイヤモンド・オンライン記事「マスコミを懲らしめたい政治家とメディアの呆れた応酬」のポイントを紹介したい。
・大西英男議員(東京16区)『マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのがいちばんだ。文化人や民間人が不買運動、日本を危うくするマスコミはとんでもないと経団連などに働きかけてほしい』
・井上貴博議員(福岡1区)『スポンサーにならないのがマスコミにはいちばん堪える。私も青年会議所理事長のとき、委員会をつくってマスコミを叩いた』
・長尾敬議員(比例近畿ブロック)『沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。 沖縄の世論は歪み、左翼勢力に完全に乗っ取られている』
・良識ある為政者なら「マスコミを懲らしめよう」などとは露ほども思ったりはしないものだ。表現の自由・報道の自由などという口はばったいことは言いたくないが、たとえマスコミの報道にコノヤローと思っても、報道に横槍を入れる、規制に乗り出す、圧力を加えることは、民主主義のルールから大きく逸脱する行為だからである。ましてや、懲らしめるなどという発想は、下品下劣きわまりない
・大西議員をかつて秘書としていた深谷隆司元通産相は「昨年4月、上西小百合さんに『まず自分が子どもを産まないとダメだ』とヤジり、問題になったでしょ。あのとき、彼から謝罪の電話がありました。私は『二度と起こすな』と注意したのに、またやるとはね。勉強会の冒頭の映像が流れた際、彼の顔がチラッと見えた。そのとき“何かしでかさなきゃいいが”と思ったんです。悪い予感が当たってしまった」
・ボンボン議員・井上議員はやっぱりボンボンで、商工会議所の理事長時代には委員会を設けマスコミを叩いた、なんて偉ッそうに語っていたくせに、この問題が報じられて以降、記者さんの取材から逃げまわり、雲隠れを決め込んでいるそうです
・長尾議員をよく知る民主党関係者は、「もともとは民主党で、三回目の選挙(2009年)で初当選。すると、当時野党だった自民党の安倍さんや城内実といった“右寄り”の人と急接近。12年の総選挙直前に民主党を離党し、無所属で立候補。すると、選挙期間中、安倍さんが応援演説に来て、長尾さんを自民党の公認にすると発表。許し難い裏切りですよ」。最初は与党(当時)の民主党にいながら、次の選挙でヤバいとなると沈みゆく民主党をとっとと捨て自民党に寝返った不届き者
http://diamond.jp/articles/-/74448

この記事の(下)では百田発言を紹介
・政策無し精神論だけ議員の長尾敬氏が精神論だけで発言すると、作家の百田尚樹氏が応えた
・〈沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。沖縄のどこかの島が中国に乗っ取られたら目を覚ますはずだ〉
・〈もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りには何もない。民家はあったが、田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで、何十年もかけて基地の周りに住みだして。1970年くらいの普天間基地の航空写真があるが、基地の周りは田んぼだらけだ。そこを選んで住んだのは誰やねん、と言いたくなるんですけども〉
・〈基地の地主が六本木ヒルズの住む大金持ちなんですよ〉
・〈沖縄の米兵がレイプ事件を犯したことがある。過去何例もある。けれども、沖縄県に住む米兵が犯したよりも沖縄県民自身が起こしたレイプ犯罪のほうがはるかに率が高い。こういうことは絶対に言わないですね〉
・〈左翼の煽動に立ち向かう言語とデータを持って対抗しないといけない〉
なお後半の朝日などの批判は省略
http://diamond.jp/articles/-/74449

次に、元三菱総合研究所理事でエコノミストの高橋乗宣氏による、7月3日付け日刊ゲンダイ記事「標的は個人から報道機関に」のポイントを紹介しよう。
・時の政権にとって都合の悪い人物をメディアから排除する。そんなシステムが、この国には厳然としてあるようだ
・小泉内閣時代のころ、竹中平蔵大臣が旗振り役を務めた構造改革路線に異を唱える専門家が次々とメディアから姿を消していった。現政権下でも安倍首相の戦前回帰路線を批判する評論家たちが、揃ってパージされた印象
・今年3月の「報道ステーション」降板騒動の渦中に、元経産官僚の古賀茂明氏は「官邸から圧力があった」と明言したが、政権に不都合な人物を世の主流から遠ざける仕組みが存在するのは間違いなかろう
・こうした政権内部の“公然の秘密”をエスカレートさせたのが、自民党の勉強会で飛び出した「言論封殺」発言ではないか
・重要なのは安倍首相のシンパたちが揃って、政権に批判的な沖縄の2紙を「潰す」ことに肯定的なことだ。これまで排除の対象は政権の意に沿わない個人にとどめていたが、いよいよ、報道機関そのものまで標的に定めたとも言えよう
・報道機関には政治の実態を国民にキチッと伝える使命がある。国民に正しい情報が伝わらなければ、健全な民主国家とは言えない。だから政府・与党に対する報道は賛否両論、いろいろとあっていい。多様な報道から何を選択するかは国民の自由であり、それが民主主義の基本の「キ」である
・政権に批判的な報道に枠をはめ、自分たちに不都合な真実は国民に伝えなくても構わない。そう言わんばかりの安倍一派は、やはり戦前の言論統制への回帰を目指しているとしか思えない
・「言論の自由」が民主主義に不可欠であるというイロハすらわきまえていない議員に、民主国家ニッポンの政治活動に携わる資格などない。問題の勉強会に出席した安倍首相と親しい37人の議員は潔く身の処し方を考えるべきだ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161364/1

さすが、高橋乗宣氏の指摘は、『三バカ大将』とされた3議員や百田尚樹氏の発言よりも、背景にある安部政権の体質を鋭く、深く突いており、大いに参考になった。
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