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日本年金機構 年金情報流出事件(その2) [国内政治]

日本年金機構年金情報流出事件については、6月21日に取上げたが、今日はその続報である。

まず、6月25日付け日刊ゲンダイ「幕引きは許されない「漏れた年金問題」まだ残る“6つ”の疑惑」を紹介しよう。そのポイントは以下の通り。
(1)名ばかりの検証委:6月4日に設置してから3週間近く経ってもなお、いつまでにどんな対策を打ち出すのか、時期を全く明言していない。本気で検証するつもりがあるのか
(2)お粗末な謝罪文:機構は謝罪文で〈(流出が確認された情報は)お客様の「基礎年金番号」「お名前」「生年月日」「住所」〉と明記。漏れてもいない住所を漏れたといい、対象者の不安をいたずらにあおってしまった。最初に出した謝罪文では、〈改めてご連絡申し上げます〉と書き、電話詐欺の“アシスト”をしたと批判を浴びた
(3)返答できない“窓口”:相談窓口としてコールセンターを設置。ところが、詳細を問い合わせても“答えない”。その理由は、「どの情報が流出したか整理できていない」から。“窓口”設置は「仕事しています」という見せかけか
(4)担当係長“消息不明”:5月8日に情報流出が発覚してから、17日間にわたって、上司に相談もせず、たったひとりで問題に対処したという厚労省担当係長は、これまで一度も公の場に姿を現していない
(5)流出拡大の可能性:流出した125万件とは別に、機構から海外のサーバーに大量にデータが送信されていた疑いはその後、どうなったのか。機構に問い合わせるも、「警察の捜査に関わるので返答できない」(広報担当)と答えるのみ。情報流出拡大の可能性は消えていない
(6)公表のタイミング:機構は22日に事実を発表、謝罪文を発送。実際はもっと早い時期から対象者の詳細を把握していたはず。この日は国会の会期延長や日韓国交正常化50周年など、大きなニュースが報じられていた。自分たちのニュースが小さい扱いになる時を見極めていた疑い
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161106/1

次に、7月6日付けの朝日AERA「年金情報流出事件で庶務係長が背負った十字架 「隠蔽」なら政権は瓦解」は、さらに隠蔽したのは係長以外にもいると事件の広がりを報じている。そのポイントは以下の通り。
・厚生労働省上層部は「知らなかった」と言い張るが、それにしては不自然。係長から上司へ報告は17日後。感染したパソコンが外部と通信を始めたのを「内閣サイバーセキュリティセンター」(NISC)がキャッチ、厚労省の情報政策担当参事官室に通報。参事官室の職員は、年金局事業企画課に連絡、K係長が受け、機構の経営企画部に事実確認と対応を求めた
・機構は、不審メールを受信した九州ブロック本部のパソコンからLANケーブルを抜き、ウィルス対策業者に解析を依頼、全職員に注意喚起。翌日、業者から「新種のウィルスを発見」との報告。機構は11日にK係長にウィルス検出の経緯を報告したが、K係長は課長ら上層部に報告せず
・18日に機構へのサイバー攻撃が始まり、不審メールの通報が相次いだ。機構は翌日、警察に捜査を依頼、一連の事態を厚労省に報告したが、またしても情報はK係長止まり
・厚労省の内情を知る人は「トラブル絡みの危ないことはまずは上に報告というのが役所の常識。係長が1人で抱え込むなどあり得ない」。K係長は4月に着任したばかりだが、役所の”作法”はわかっているベテラン
・上司への報告は17日も経った25日。23日には機構の東京本部のパソコン19台が大量に情報を外部に発信しているのが発見
・信じ難いことに、情報政策担当参事官室も流出情報の報告を怠る。NISCからの第一報を受けた職員は参事官に情報を上げず。手順書では官房長に報告の要。22日には再度NISCから通報があったが、参事官には伝わらず、25日に漸く伝わり、大臣にはさらに3日後の28日
・28日には、警視庁から「流出データ発見」の連絡。これで事態は一変。個人情報流出が露見する恐れがハッキリして、大臣に連絡
・「機構と年金局は一体で、問題処理を機構だけがやっていたなんて考えられない」(行田参院議員)。厚労省は労働者派遣法改正案を抱え、審議への悪影響を考え隠蔽を画策した可能性。「薄井副理事長と樽見審議官の間で「ウィルスの感染はよくあること」と穏便に済まそうとしたが、捜査当局が流出情報を発見したので筋書きが狂った」(関係者)
・組織的隠蔽だと政権の致命傷に。社会保険庁解体時に、年金情報は政府のネットワークから外され、機構のセキュリティ管理は民間に委託。外部から攻撃を受けやすいシステムを放置。第一次安倍内閣で安倍首相と塩崎官房長のコンビは「消えた年金などない」と突っ張ったことが裏目に出て、政権瓦解

AERAの記事は、政権に不都合な事実は報道しない一般の新聞には出てないが、情報政策担当参事官室も絡んでいるとすれば、厚生労働省を舞台にした重大な隠蔽工作が行われたことになる。一般のマスコミでの報道や国会議員の追及に期待したいところだが、「ないものねだり」なのかも。
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