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新安保法制(その7)衆院通過を踏まえて [国内政治]

新安保法制については、7月15日のブログで取上げたが、16日に衆院通過したこともあり、今日はその7として取上げたい。
まずは、17日付け日刊ゲンダイ「今さら政権批判…安保“A級戦犯”マスコミと野党の重大責任」のポイントを紹介したい。
・これほど国民が反対しているのに「安保法案」があっさり衆院を通過してしまったのは、大マスコミと野党の責任が大
・安倍内閣が「集団的自衛権」について憲法解釈を変更する閣議決定を行ったのは、昨年夏。あの時、大手メディアが一斉に批判の声を上げていたら、安保法案が国会に提出されることもなかっただろう
・「大手メディアの危機感のなさは酷すぎます。法案が国会に提出された後もノンビリしていた。慌てて批判を始めたのは、3人の憲法学者が『憲法違反だ』と国会で指摘してからです。安倍内閣が閣議決定した昨年夏、メディアが本気で反対のキャンペーンを張っていたら、昨年末の衆院選で自民党が圧勝することもなかったと思う。大新聞とテレビは責任を自覚すべきです」(政治評論家・本澤二郎氏)
・野党もだらしない。ここまで国民の反対運動が盛り上がったら、普通は内閣支持率が20%を割り込むものだ。なのに、いまだに40%もあるのは、野党への期待が低いからだ。「これだけ敵失が続いても、政権交代のムードが広がらないのだから、どうしようもありません」(本澤二郎氏)  
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161844/1

次に、政治ジャーナリストの松井雅博氏が、18日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「安保法案強行採決!安倍総理に虚を突かれたのは国民の責任」のポイントを紹介したい。
・安倍総理は長年自らの政治信条をはっきりと国民に示し、説明を続けてきていた。昨夏、集団的自衛権の行使を閣議決定したときにも散々マスコミが報道し、つい7ヵ月前に衆議院を解散して総選挙もやっている。その上で安定多数の議席を得て、今回の法案を可決
・そもそも「強行」だったのか? 安倍政権に国民は舐められていた。集団的自衛権の行使を容認した閣議決定から1年の月日を経て、多額の税金をかけて総選挙までやって、なお「理解が深まっていない」というのは、むしろ有権者の怠慢のようにも思う
・国会議事堂の周囲に何万人もの人が集まっても、結局彼らは「ごく一部」の人でしかないことを与党はよく知っている。大多数の人々は、政治なんかに全く関心もなく、すぐに忘れてしまう。「あなた」は政治家から舐められているのである
・砂川事件をめぐる奇妙な解釈。日本が集団的自衛権を行使することに前向きなアメリカの学者(コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授)でさえ、「安倍総理が完全に憲法を無視している」と懸念。客観的に見て、政府の見解は滅茶苦茶。安倍政権は、安保法制の合憲性を語る根拠として砂川判決を引用したが、どこをどう読めばこれが集団的自衛権を認めたことにつながるのか不明
・最高裁の砂川判決は、「わが憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではない」とし、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」と述べた。安倍政権は、この文言をもって「集団的自衛権も合憲」と主張
・この砂川判決は、憲法9条2項が「その保持を禁止した戦力とは、わが国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力をいうものであり、……外国の軍隊は、たとえそれがわが国に駐留するとしても、ここにいう戦力には該当しない」
・砂川事件はあくまでも日米安保条約を「高度の政治性を有するもの」として合憲とした判決であって、自衛隊について述べた判決ではない
・権力機関を縛るための道具であるはずの憲法だが、そもそも有権者が憲法を読んだことさえなければ、立憲政治そのものが単なる形式的なものということになる。それでも「憲法は憲法」と開き直って、戦後70年間不磨の大典として崇められてきた現行憲法も、ついに賞味期限が切れようとしているのかもしれない。安倍総理は「あなた」の不信感や無気力を突いたのである
・集団的自衛権は本当に必要か? 「あなた」も議論や覚悟を怠っている。安全保障というのは起こり得るリスクを想定するところから始まる。だが、リスクは想定し始めるとキリがない。今回の安保法制の実効性とコストはどうだろうか。集団的自衛権を認めれば、日本の安全を守ることができるのか。そして、それに伴うコストは1000兆円もの借金を抱える日本にとって、支払えるものなのか。いったい、いくら防衛費を増やせば中国や北朝鮮と正面から戦える軍事力を持つことができるのだろう。中国と戦争が始まると本気で考えている人が、どれだけいるのだろう
・本件は、これらの議論をした上で国民に問うべき課題ではなかったか。なぜなら、戦争が起きたとき、死ぬのは安倍総理でも、安倍総理の親族でも、国会議員の先生方でもない。「あなた」だからだ。守られるのも死ぬのも「あなた」なのだ
http://diamond.jp/articles/-/75213

第三に、選択7月号の記事「成立しても使えない「安保法制」 禍根残した安倍「場当たり答弁」」のポイントを紹介したい。・安倍首相は、5月24日の記者会見で、「一般的に海外派兵は認められないという立場は維持」。5月20日の党首討論では、「海外の領土、領空、領海に戦闘行為を目的とした派兵はしない」、唯一の例外は湾岸国の領海が重なって公海がなく、迂回路もないホルムズ海峡での機雷掃海をあげた。海外派兵出来ない根拠は、集団的自衛権「新3要件」のうち、「必要最小限にとどまる」とした第三要件
・「言い間違いでもいいか」と公明党幹部はほくそ笑んだ
・国際社会は新車の外観しか見ないから、米国は自衛隊に過剰な期待を抱き、中国は不快感を示す。その車が実は走らないと分かった時、米国は失望、中国は野心を膨らませる恐れ

第一、第二のマスコミと野党の責任、国民にも責任があるとの指摘はもっともであり、私は特にマスコミのだらしなさを改めて痛感した。第三の安倍首相の「場当たり答弁」は、いいかげんな答弁がもつ将来の危険性を鋭く指摘しており、留意しておくべきだろう。
タグ:日刊ゲンダイ 今さら政権批判…安保“A級戦犯”マスコミと野党の重大責任 新安保法制 集団的自衛権 憲法解釈を変更する閣議決定 昨年夏 大手メディアが一斉に批判の声を上げていたら 安保法案が国会に提出されることもなかっただろう 大手メディアの危機感のなさ 慌てて批判を始めたのは、3人の憲法学者が『憲法違反だ』と国会で指摘してから 衆院選で自民党が圧勝することもなかった 内閣支持率がいまだに40%もあるのは、野党への期待が低いからだ 松井雅博 ダイヤモンド・オンライン 安保法案強行採決!安倍総理に虚を突かれたのは国民の責任 安倍政権に国民は舐められていた 有権者の怠慢 ジェラルド・カーティス教授 「安倍総理が完全に憲法を無視している」と懸念 政府の見解は滅茶苦茶 合憲性を語る根拠として砂川判決を引用 砂川事件はあくまでも日米安保条約を「高度の政治性を有するもの」として合憲とした判決 自衛隊について述べた判決ではない 権力機関を縛るための道具であるはずの憲法 賞味期限が切れようとしているのかもしれない 安倍総理は「あなた」の不信感や無気力を突いた 安全保障というのは起こり得るリスクを想定するところから始まる リスクは想定し始めるとキリがない 安保法制の実効性とコストはどうだろうか コストは1000兆円もの借金を抱える日本にとって、支払えるものなのか いくら防衛費を増やせば中国や北朝鮮と正面から戦える軍事力を持つことができるのだろう 中国と戦争が始まると本気で考えている人が、どれだけいるのだろう これらの議論をした上で国民に問うべき課題 戦争が起きたとき、死ぬのは 「あなた」だからだ 選択7月号 成立しても使えない「安保法制」 禍根残した安倍「場当たり答弁」 一般的に海外派兵は認められないという立場は維持 海外の領土、領空、領海に戦闘行為を目的とした派兵はしない」、唯一の例外は湾岸国の領海が重なって公海がなく、迂回路もないホルムズ海峡での機雷掃海をあげた 海外派兵出来ない根拠は、集団的自衛権「新3要件」のうち、「必要最小限にとどまる」とした第三要件 言い間違いでもいいか 公明党幹部 国際社会 新車の外観しか見ないから 米国は自衛隊に過剰な期待 中国は不快感 その車が実は走らないと分かった時 米国は失望、中国は野心を膨らませる恐れ
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