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沖縄問題(その2) [国内政治]

沖縄問題については、本欄の7月6日に取上げたが、今日は(その2)である。

辺野古移設問題は、1カ月休戦となり、沖縄県と政府が目下、集中協議中らしい。

先ずは、その前の沖縄慰霊の日についての、6月26日付け日刊ゲンダイ「沖縄慰霊の日 「安倍帰れ!」コールを海外メディアが一斉報道」のポイントを紹介したい(移設休戦とは無関係)。
・6月23日の沖縄全戦没者追悼式に安倍首相が登壇すると、会場からヤジが巻き起こった。民意無視のトップに沖縄の人々は怒りをぶつけたのだが、その抗議の声を海外メディアが大々的に報じている
・24日付の英有力紙「タイムズ」は〈安倍首相は追悼式で怒りの群衆によって、ヤジられ、嘲笑された〉と伝えた。英有力紙「ガーディアン」は〈平和憲法を読み替えようとし、最低水準の支持率に達した「国家主義者」の安倍に“帰れ”や“戦争屋”の叫びが投げかけられた〉と追随
・英BBC放送も〈首相がヤジられるのは、日本ではまず絶対起こらないことだ〉とリポート。AFP通信やロイター通信なども抗議のヤジを全世界に一斉配信。〈なぜ、安倍首相に「帰れ!」と言っている人々を映さないんだ〉と、AFP東京支局の副支局長にツイートされたNHKとは大違い
・「いずれの論調とも沖縄県民に同情的で、安倍首相の振る舞いはあまりに乱暴でおかしいという視点で伝えています。タイムズやガーディアン、BBCの影響力は英国内にとどまらず、全世界が注目するオピニオンリーダーです。国際社会の安倍首相に対する視線は、ますます厳しくなるでしょう」(元外務省国際情報局長の孫崎享氏)
・ガーディアンは安倍を「国家主義者」とキッパリと断じたが、「仏版ニューズウィーク」と称される週刊誌「ヌーベル・オプセルバトゥール」の論調は強烈だ。5月21日号で「安倍晋三の隠された顔」という特集記事を掲載。4ページにわたって〈閣僚の3/4が、歴史修正主義で権威主義の極右団体、「日本会議」に属している〉と指摘。日本会議の夢は〈個人に天皇への全面服従を押し付けた1890年代の帝国時代の法にできるだけ早く近づくこと〉と分析した上で、〈大多数の国民は日本会議の思想に反対でも、アベノミクスに気をとられていて、安倍首相と日本会議の思惑通りに事が運ぶ可能性は十分ある〉と危惧
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161145

次に、8月15日のNHKのETV特集「“書きかえられた”沖縄戦~国家と戦死者・知られざる記録~」のポイントを紹介したい。
・NHKが入手した沖縄戦に関する国の内部資料には、実態と違う住民たちの“死の理由”が記されていた。なぜそうした事態が起きたのか。いま関係者たちが重い口を開きはじめている。日本の戦後補償をめぐる知られざる歴史をひも解く
・沖縄では「根こそぎ動員」の命令下、様々な形で住民が戦場に駆り出された。手製の対戦車爆弾を背負わされて攻撃させられた学生。戦傷者援護法で、軍人・軍属と遺族には1人年3万円(現在196万円)が支給。一般国民の被害援護はなし。東京大空襲犠牲者遺族による国家補償請求は却下
・沖縄の戦死者は、軍人・軍属28千人、一般住民94千人。援護法の対象を軍に協力した「戦闘参加者」56千人にも拡大。その3割、20千人近くの申請事由が「壕の提供」。実際には、自主的に提供した者などおらず、兵隊たちが住民を追い出したのが実態
・対象拡大には、元陸軍参謀、馬渕中佐が現地を訪問、調査した調書が影響。「個人の非常用食料を徴発と称して強奪、これが皇軍のなれの果てか、かえすがえすも残念」との感想も。調書では、日本軍に巻き込まれた者、日本軍により殺害された者にも拡大すべきと提言したが、ここまでは受入れられず、拡大は戦闘参加者までに限定
・琉球政府の援護課職員は、申請書を代筆、遺族たちへの聞き取り調査で申請事由にあてはまらない場合には、「壕の提供」にした。これだと命令部隊名の記入不要。厚生省も沖縄は特殊(戸籍がなく、申し立てによる他ない)として暗黙の了承
・米軍の命令で日本軍に投降を呼びかけ、日本軍に殺された場合でも、嘘で「戦闘参加者」にして、年金を受給したケースも。今さら真実が言えないと、遺族は口を閉ざした。公的な記録とは異なる沖縄戦の実態
・他方で、子供からまで食料を強奪する軍人の姿に反発、「軍に協力した形」は嫌だとして、戦闘参加者になるのを拒んだ人間も多い

沖縄慰霊の日についての、住民の反発はテレビでは多少報道された記憶があるが、日経新聞は一切、伝えず。まして、海外のマスコミ報道を伝えた日本のメディアはなかったように思う。「御用メディア」の面目躍如である。「閣僚の3/4が、歴史修正主義で権威主義の極右団体、「日本会議」に属している」には今さらながら、驚かされた。
他方、上記のETV特集は沖縄戦の悲惨さ、日本国軍隊のあり方について、改めて考えさせられる見どころが多い内容だった。特に、馬渕中佐の感想は印象深かった。
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