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東芝不正会計問題(その10) [企業経営]

東芝不正会計問題については、前回は9月17日に取上げたが、今日は(その10)である。

先ずは、やや古いが9月14日付け日経ビジネスオンライン「不正会計の東芝にアグレッシブな財務部長登場! シニア記者もあぜん」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・9月7日、東芝の決算発表である。3月決算の東芝の有価証券報告書の提出期限は本来6月末だから、実に2カ月以上も遅れたことになる。もちろんシニア記者は現場に向かった
・だが正直に申すと、今回、突撃レポートは見送るつもりじゃった。東芝の不正会計問題については、6月の「株主総会」、7月の「社長辞任会見」に続き、1週間前の「決算再延期会見」にも突撃している
・東芝の不正会計は日本の株式市場の透明性に泥を塗る、実にけしからん問題だが、いい年をして同じ会社に何度も何度も突撃していたのでは、何とかの一つ覚えと、若い者に笑われる
・幸い、この日の決算発表では大きなサプライズはないはずだった。そこで、ここはぐっと我慢して、シニア記者のシニアたるゆえんを世間にお見せしようと算段だったのじゃ
・「株主およびステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを、おわび申し上げます」 室町正志社長の謝罪で始まった決算発表。社長が担当役員にプレッシャーをかける場として、一躍有名になった「社長月例」を「業績報告会」という名前に変えていたことには驚いたが、それ以外に大きな驚きはなく「これなら突撃せずに済むわい」と、一人ほくそ笑むシニア記者であった
・「2015年度の業績予想もいまだ開示できず、社会的責任を痛切に感じております」  室町社長の締めくくりの言葉は、誠実な人柄がにじみ、好感の持てるものだった。おっしゃる通り。上場企業といえば、もはや公器。自らの都合で決算数字を捻じ曲げるなどあってはならぬことなのです。過ちを悔い改め、新しい東芝を作ろうというのであれば、小生も及ばずなら応援を惜しむものではありません
・だが次の瞬間、シニア記者の「優しい気持ち」を吹き飛ばす、恐るべき事態が発生した。  謙虚にマイクを置いた室町社長の後に登場した渡辺幸一財務部長は、不正会計の責任を取って歴代3人の社長が辞任したことも、当局から2カ月の猶予をもらって8月末に予定していた有価証券報告書の提出期限を守れず今日が再延期の発表であることも、市場関係者の多くが「本当にこれで全部膿を出したのか」と疑っていることも「お構いなし」で、攻めに攻めた
・「2014年度決算は、もろもろございましたが、実質的な営業損益は増益であります」  「原子力事業の2014年度の売上高は6200億円で前年度比10%増。STP(東芝が約600億円を投融資したが、パートナーが投資を凍結して宙に浮いている米国での原発建設プロジェクト)の減損がなかりせば増益です」   「電子デバイス部門も、減損処理がなかりせば、営業増益でありました」
▽「なかりせば」ってアナタ…
・何とアグレッシブな財務部長か。記者生活27年。雨の日も風の日も、照る日も曇る日も、四半期ごとにあまた企業の決算発表を聞いてきたシニア記者だが、渡辺氏はその中で「モースト・アグレッシブ」な御仁である。この活躍を読者にお伝えせねば、シニア記者の名が廃る
・「なかりせば」ってアナタ。その減損を「知らんぷり」してきたから、問題になっているんじゃないですか。5年以上の長きわたり利益を水増ししてきた会社の財務部長が「なかりせば」って。 シニア記者があんぐりと口を開けているうちに、記者会見は質疑応答に移った
・記者A「新たな修正の中に入っているウエスチングハウス(東芝が買収した米原発機器大手=WH)の55億円のコスト増ですが、これも不適切会計と考えてよいでしょうか」
・室町社長「これは後発事象なので不適切ではないと思いますが、米子会社に対するトップのプレッシャーがあったという意味では…」
・ここで室町社長の回答にかぶせるように、渡辺財務部長がしゃべり始めた。 「これは判断の違いでありまして、従来は1台ごとの工事進行基準で計上していたものを10台まとめて評価するという。グルーピングをしたときに判断の違いが出てくるという問題であり、まったくもって不適切とは言えないグレーな状況と考えています」
・自信満々で攻め続ける渡辺財務部長をあっけにとられた表情で見守る室町社長。質問は続く
・記者「室町社長は先週『期限の9月7日より前に(有価証券報告書を)提出したい』とおっしゃっていましたが、結局、期限ぎりぎりになりました。理由を教えてください」
・室町社長「できれば先週末に提出したいと思っていたのですが、予定通り進まず…」
・再び渡辺財務部長が割って入る。 「税金資産だけをとってもこれだけの案件がありまして、ひとつひとつその税効果を確認したわけですが、最後のところで再確認の必要が出て参りまして」
▽アグレッシブさに感じた危うさ
・あっぱれである。社長の発言を遮ってまで会社を守ろうとするその愛社精神。まことに見上げたものじゃ。 だが、長年多くのサラリーマンを見てきたシニア記者は、そのアグレッシブさに、歴代社長の「チャレンジ」と同じ危うさを感じもいたした。 渡辺財務部長殿、どうか御身を大切になさいますよう。シニア記者、衷心よりご忠告申し上げる
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/280248/091100008/?P=1 

次に、:田原総一郎氏が10月1日付け日経BPnetに寄稿した「独VW不正問題で改めて思う日本の「総括できない」体質」を紹介しよう(▽は小見出し)。
(冒頭省略)
▽続報に触れて「さすがドイツ」と感心
・「まさか、あのVWが……」。不正事件を耳にしたときは信じられないというのが正直な思いだった。新車販売台数でトヨタ自動車と激しく競り合うドイツの名門企業である。事件発覚後には「世界一」の呪縛がVWを焦らせたとの見方もされているが、しかし第一報に触れたときには、世界の自動車業界の信頼性を大きく揺るがす事件にもなりかねないため、驚き以外の何ものでもなかった
・ところが事件の続報に触れ、「さすがドイツ」と感心させられた。事件を徹底的に究明しようという姿勢が明確に示されたからだ。  ドイツの検察当局は9月28日、社外の告発に基づいて「排ガスのデータを改ざんして販売した詐欺容疑」で前社長の捜査をするとの声明を発表した。すでにVW本社から関係書類の押収を始めているといい、今後、関係者の事情聴取を進め、真相究明を徹底的に行う考えのようだ
・こうしたドイツの対応に比べると、日本はどうか。名門と呼ばれた東芝が税抜き前利益を水増ししていた「不適正会計」問題で、9月7日に発表された修正報告では、09年3月期から14年4~12月期までの約7年間の累計で、最終的な修正額は2248億円にも膨らんだ
・30日に開かれた東芝の臨時株主総会で、室町正志社長が「関係者の信頼を裏切り、市場を混乱に陥れたことを深く反省し、深くお詫び申し上げます」と陳謝したものの、株主からは怒りの声が多く上がった
▽第二次大戦を総括したドイツ、総括しない日本
・東芝の事件はどう考えても「不適切会計」ではなく、「不正会計」であり「粉飾決算」ではないかと思えるのだが、しかも、事件が報じられてからまだ日が浅いのに、事件はすでに一般の間では関心が薄くなっている
・VWと東芝、2社の事件を比べると、どうしてもドイツと日本という国の違いを感じずにはいられない。   ドイツは、第二次世界大戦の総括を徹底的に行った国だ。ナチスを率いたヒトラーという確信犯の存在があったため、総括しやすかったということもあるだろう
・しかし、徹底して総括し、独立回復後の西ドイツ政府は非ナチ化裁判をとことん行った。今もドイツはナチスの犯罪を許していない
・それに比べて日本は、昭和の戦争、つまり第二次世界大戦についての総括を、国としてついに行わなかった。連合国が東京裁判(極東国際軍事裁判)を開き、日本の指導者の戦争責任を問うたが、日本政府としては総括をしないまま終わっている。 このような国の違いを、VW事件に触れて改めて感じたのである
▽イラク戦争を間違いだったと総括した米国
・第二次世界大戦あるいは太平洋戦争と言ったら少し遠い出来事になるため、今の若い人たちにはピンとこないかもしれないが、「日本として総括しない」ということでは「近い戦争」でも同じだ
・近い戦争とは、2003年に米国がイラクに軍事介入し、フセイン政権を倒したイラク戦争のことである。米国のイラク攻撃に対し、ドイツやフランスは強く反対したが、日本は、当時の小泉純一郎首相が「アメリカの武力行使を理解し、支持する」と表明した
・このとき、実は外務省はイラク戦争に「不関与」の立場だった。外務省が作成した文書は「理解する」という表現に抑えられていたが、小泉首相自ら「支持する」という踏み込んだ文言を用いたのである
・これにより日本は「人道復興支援活動と安全確保支援活動」を目的として自衛隊をイラク南部のサマワへ派遣した。活動内容は給水、医療支援、学校等の復旧・整備などだった
・ところがその後、米国はイラクへの侵攻は間違いだったと総括する。そのため、共和党のブッシュ政権は終わり、イラク戦争に反対していたオバマ氏が大統領に選ばれ、政権交代が行われた。イラク戦争をめぐる議論は米国ではいまだに続いている
・しかし、首相が米国の武力行使を支持して自衛隊を派遣した日本はと言えば、何も総括していない。これは今後に残された大きな問題である
▽グレーゾーンに慣れた日本人の感覚に懸念
・VWの不正排ガス試験事件と東芝の不正会計事件を比べ、そこに浮かび上がる日本の「総括のなさ」、あるいは何ごとについても「水に流してしまう」体質を今、改めて感じている。 この日本のあり方はよくない。そう言わざるを得ないだろう
・私はドイツ人と何度か議論をしたことがあるが、彼らは「白か黒か」をはっきりつけようとする。ところが日本人には、白と黒の間に「グレー」という長いゾーンがあって、白黒をはっきりとはさせない
・多くの日本人はグレーゾーンの中で勝負している。だからこそ日本では生活しやすいと言えるのかもしれないが、グローバル化が進む世界の中で、日本人はグレーという環境に慣れ過ぎていないだろうか
・世界から見たらやや異質な、その感覚が、企業の海外活動、そして特に外交問題では影響が出てくるのではないかと懸念する。南シナ海問題や人権問題で双方が譲らない米国と中国、シリアのアサド政権をめぐり支持と不支持で対立するロシアと米国。このように世界各国の意思が鮮明になる中で、日本はどのように振る舞うのだろうか。今後、それが強く問われる
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/100463/100100032/?P=1

第三に、度々このコラムでも引用している元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏が10月5日付け現代ビジネスに寄稿した「東芝「粉飾決算」問題 メディアが報じない金融庁の「不正見逃し」疑惑と処分の行方?なぜ、誰もが消極的なのか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽「みんな、分かってたんじゃないの?」という疑念
・東芝は9月30日に臨時の株主総会を開き、11人の取締役のうち過半数の7人を社外の取締役にするなど、外部による経営への監視を強める対策を講じた
・マスコミは、当初「不適切会計」という用語で報道していた。独立系のメディアでは、この点の指摘は早くから行われきたが、大手紙ではようやく最近になって「不正会計」といっている。 これに対して、「不正会計」と言えなかったのは、東芝から広告費をもらっているからとか、東芝出身で、東京証券取引所会長を経て現日本郵政社長となった西室泰三氏を守るためだとか、いろいろな噂もあった
・たしかに、西室氏が東京証券取引所会長をやっていたのは、2005年6月から2010年6月であり、東芝が粉飾決算を行っていた期間(2009年3月期~2015年3月期の第3四半期)とダブっている
・こうした噂が飛び交う中、東芝問題は歴代3人の社長が辞任ということで終わりそうだ。その根拠となっている第三者委員会(委員長、上田広一・元東京高検検事長)による報告書をみても、なぜ3人の期間だけなのか、また監査法人である新日本監査法人への言及がない点など、不思議なことが多い
・そして、株価下落の損害賠償、役員の任務懈怠に対する株主代表訴訟などの民事訴訟は今後起こされるだろうが、刑事訴訟、行政処分はどうなるのだろうか
・少なくとも有価証券報告書虚偽記載による「金融商品取引法違反」、利益操作・背任で「商法違反」、金融庁による「課徴金納付命令」などが考えられる
・これらは、主務官庁の胸三寸であるが、「市場を欺く悪意は見えなかった」という観測気球が上がっているので、そうならない可能性が高いだろう。 なにか、触れたくないという空気があるようだ。日本を代表するエクセレントカンパニーなので「手を出しにくいのかな」と素人ながらに思っていた
・しかし、最近は「結局、みんな、うすうす東芝の不正をわかっていて見逃していたんじゃないの?」「みんな一蓮托生なのではないか?」と思うようになった
▽金融検査官の経験からわかること
・東芝の不正会計とVW(フォルクスワーゲン)の排ガス問題は、実力以上に見せかけを大きくしたという意味では、同じようなものだ。ただし、VW事件の発端はNPOからの連絡で米環境保護局が実際に調べたのに対して、東芝事件は、2月に証券取引等監視委員会が開示検査をしたのが端緒となっている。VW事件では外国当局、東芝事件では自国当局と、外国と自国という違いがあるが、ともに発端は当局による検査である
・しかし、大きな違いがある。VW事件では、米環境保護局がグゥの音も出ないほど調べているが、東芝事件では、すぐに第三者委員会が作られて、当局主導ではなくなってしまった
・この点、筆者はかなり不可解だった。というのは、筆者はキャリア官僚では珍しく金融検査官の経験がある。検査官は自分が検査している時にぶつかったヤマは、他の人ではなく自分で最後まで解明したいものだ
・実際、金融検査でヤマをあてることは滅多にない。それが、金融検査は健康診断のようなもので、「病気が見つかれば儲けもの」という言い方にもなっている。だからこそ、自分で探しあてたヤマは他の人に手を触れさせたくないのだ
・そうこうしているうちに、筆者のところに、「実は、金融庁は東芝を監査した新日本監査法人を検査していた」という情報が入ってきた。 筆者はこうした企業ものを書くことを業としているわけではないので、親しいマスコミ関係者にこの話をして、面白そうだから調べてみたらと話している
・その頃、それとは別に、朝日新聞の大鹿靖明記者から「金融庁が新日本監査法人を検査していたと聞いたが、金融庁の検査で(不正を)見逃すことがあるのか」という取材を受けた。  それに対して、金融庁検査は健康診断みたいなものだ、という一般論を話した。それは、ネットの上で一部読める(東芝〝粉飾決算〟問題と金融庁新日本の東芝監査をなぜ見逃していたのか
://webronza.asahi.com/business/articles/2015082000003.html)
・そこに書かれていることは、大鹿記者が取材したことで、筆者の知っていることとも矛盾しないので、おおよそ正しいのだろう。 ただし、このことはあまり知られていないので、筆者は、あるメディアからの依頼で、次のような趣旨の話を書いた(まずはご一読いただきたい
▽やたらと新日本監査法人を擁護していた第三者委員会
・〈 素人にはなぜかすっきりしない東芝問題。東芝が決算の利益を水増ししていたのは明らかになったが、大手新聞は当初「不適切会計」といっていた。そのうち「不正会計」といったところもあり、それはいいが、あいかわらず「不適切会計」で通していることもある。なぜ「粉飾」ではないのか不思議だ。   金融庁の傘下にある公認会計士・監査審査会の千代田邦夫会長ですら、東芝は「広い範囲で不正があり、明らかな粉飾決算にあたる」といっている。  しかし、東芝「粉飾」問題は一筋縄でいかない。たしかに粉飾したのは東芝であるが、東芝の決算を監査し、適正と言い続けてきた新日本監査法人にも問題がある。  粉飾を見抜けないなら監査法人は役立たずのはずだ。東芝粉飾問題での第三者委員会は、やたらと新日本監査法人を擁護していたのは気になるところだ。  どうやら問題は監査法人にとどまらなかったようだ。新日本監査法人が粉飾を見逃したのに、妙に悪びれなかったのには理由があった。  それは、新日本監査法人は、日本公認会計士協会からは1999年3月期と2014年3月期の、金融庁の公認会計士・監査委員会からは2011年3月期の、それぞれの東芝決算を抽出して検査を受けたが、いずれも適正と判断されたというのだ。   2011年3月期と2014年3月期は、東芝が粉飾決算を行っていた期間(2009年3月期~2015年3月期の第3四半期)に該当する。  冒頭の公認会計士・監査審査会の千代田邦夫会長は、東芝の一件を「粉飾決算」というが、自らが新日本監査法人を検査して見逃していたわけだ。  この件については、金融庁も公認会計士協会も「個別の検査についてはコメント出来ない」というが、どうやら、金融庁と公認会計士協会が、新日本監査法人のミスを見逃したのだから、新日本監査法人が東芝のミスを見逃したことについて、誰も批判できなくなったようだ。  そして、大元の東芝についても強いことをいえなくなり、結局モヤモヤ感が残っているわけだ〉
・ところが、そのメディアの担当者は、「こうした話は金融庁との関係でいろいろと差し支えるので困る」と私に伝えてきたうえで、ボツにしてしまったのだ
▽日本にとって大損失
・別にそのメディアに対して恨み辛みをいっているのではない。メディアも商業ベースで考えなければならず、金融庁を敵に回すのを得策でないと考えるのは自然である。 何より、金融庁が一枚絡んでいるという筆者の話は、複数のメディア関係者に伝えたが、誰も書いていないようだ(大鹿氏は独自につかんでいた)
・東芝事件の取材をしていれば、この程度の話は誰でも気がつくだろう。だから、みんな、うすうす東芝の不正をわかっていて見逃していたんじゃないの、と思う次第だ
・ただ、2月に証券取引等監視委員会が開示検査をしながら、その後に東芝の第三者委員会が作られ、当局検査から逃れていることについては、なんとなくわかった。それ以前の当局検査のチョンボを上書きせずに、「ないもの」として扱ったのだろう
・2月時点の開示検査で東芝の不正を見つけた検査官はさぞかし悔しい思いをしているだろう。検査官の判断なのか、幹部の判断なのか。開示検査を徹底的に行うのではなく、第三者委員会にした経緯はどうなっているのか、興味深い
・まさか、それが、刑事事件や行政処分にやや不熱心であることと関係はあるまいな
・東芝事件とVW事件、ともに当局検査が発端であるが、その後はまったく展開が異なっている
・金融検査官であった経験からいえば、ヤマは見つけたら徹底的に曝かないと、検査官のスキルが育たない。すると、次はヤマを見つけられなくなる。 それは大きな損失だろうことは、ひと言申しておく
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45666

シニア記者による記事は、いつもながらユーモアに溢れているが、財務部長のアグレッシブさには私も驚かされた。温厚そうな室町社長が、彼をどうするのかも注目される。
田原総一郎氏の指摘には、完全に同意する。「総括」できないことは、「歴史問題」が繰り返されることにも通じていると思う。
高橋洋一氏の記事を読んで、漸く金融庁が刑事告発など厳しい処分に消極的な理由がある程度、理解できた。金融庁の公認会計士・監査審査会が、新日本監査法人のミスを検査で見逃していたのでは、今さら新日本監査法人に対し強く出るのはメンツ上、やり難いのは分かる。ただ、金融庁は不良債権処理で、金融再生プログラムに沿ったハードランディング路線を採っていた時代は、前例(前回の検査結果)には囚われないとの強面でやっていた筈だ。メンツにこだわる必要もないのではなかろうか。
さらに、開示検査での問題発覚は、監査法人への検査とは一応、別物なので、徹底的にやってもよかった筈だ。やはり、名門中の名門企業ゆえの「お目こぼし」の結論が先にあったのかも知れない。
明日は、東芝の原子力関連の減損処理を取上げる予定である。
タグ:東芝不正会計 問題 日経ビジネスオンライン 不正会計の東芝にアグレッシブな財務部長登場! シニア記者もあぜん 東芝の決算発表 室町社長 誠実な人柄 渡辺幸一財務部長 攻めに攻めた アグレッシブさに感じた危うさ 田原総一郎 日経BPnet 独VW不正問題で改めて思う日本の「総括できない」体質 ドイツの検察当局 真相究明を徹底的に行う考え 第二次大戦を総括したドイツ、総括しない日本 イラク戦争を間違いだったと総括した米国 首相が米国の武力行使を支持して自衛隊を派遣した日本はと言えば、何も総括していない グレーゾーンに慣れた日本人の感覚に懸念 高橋洋一 現代ビジネス 東芝「粉飾決算」問題 メディアが報じない金融庁の「不正見逃し」疑惑と処分の行方〜なぜ、誰もが消極的なのか みんな一蓮托生なのではないか? 金融検査官の経験 自分で探しあてたヤマは他の人に手を触れさせたくない 新日本監査法人 日本公認会計士協会 公認会計士・監査委員会 東芝決算を抽出して検査を受けたが、いずれも適正と判断された 新日本監査法人のミスを見逃した 新日本監査法人が東芝のミスを見逃したことについて、誰も批判できなくなったようだ 大元の東芝についても強いことをいえなくなり、結局モヤモヤ感が残っている 開示検査
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