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機能性表示食品制度(その2) [経済政策]

機能性表示食品制度については、前回は6月1日に取上げた。半年強過ぎた今日は(その2)である。

先ずは、10月16日付けJBpress「「カラダによい水」は薬にも毒にもならない 謎多き「機能水」の正体(前篇)」を紹介しよう(▽は小見出し。Qは質問、Aが回答)。
・普段どんな水をお飲みだろうか。インターネット調査会社GMOリサーチが2013年に行った「飲料・ミネラルウォーターに関する実態調査」では、日本の20代・30代のうち、水道水をそのまま飲んでいる人は31.2%だったという。一方、浄水器の水、またはミネラルウォーターを飲んでいる人は合わせて43.2%。水道代とは別にお金を払って水を飲んでいる人のほうが多いわけだ
・では、お金を払って水を飲んでいる人は、どんな水をお飲みだろうか。 選択肢の1つに、「健康効果を期待させる水」がある。水に何らかの物質を溶け込ませたり、加工処理を施したりして、健康効果があるように紹介している水のことだ。これらの水を「機能水」と呼ぶこともある
・実際こうした水の宣伝では「美と健康の可能性を秘めた」「カラダによい」「体内環境をサポート」などの文句が見られる。「どうせなら、体によさそうな水を選ぼうか」といった気分で、「機能水」を選んで飲み続けている人もいることだろう
・けれども、「機能水」は、本当に“機能”するのだろうか。「機能水」はもちろん医薬品ではないし、ほとんどは特定保健用食品(トクホ)にも機能性表示食品にもなっていない。そして見た目は単なる水にしか見えない。そんな水から、本当に企業の宣伝するような健康効果を得ることはできるのだろうか
・こうした疑問を専門家に投げかけてみた。応じてくれたのは元杏林大学保健学部准教授の平岡厚氏。杏林大学に在職中の2002年から14年、健康効果を高める作用があると宣伝されている水について、本当にその健康効果を得ることができるかを試験して検証した経験の持ち主だ
・今回の前篇では、平岡氏が試験対象とした「活性酸素を消去する成分が含まれており、体内で抗酸化作用を示す」とする水や、「水分子のクラスターサイズ(集合規模)が小さく、生体組織への吸収率が高い」とする水について、果たしてそのような効果はあったのかを聞くことにする
・後篇では、これら以外の製品も含めて、巷で出回っている「機能水」の現状を整理し、飲み水との付き合い方を尋ねることにする
▽抗酸化作用を宣伝する水、体内での効果はなし
・Q:そもそも、なぜ「健康によい」と宣伝される水の実相を検証しようと考えたのですか?
・A:1997年から98年ごろ、水を電気分解すると原子状の水素(H)が生じ、それが、がんや糖尿病を抑えると九州大学の白畑實隆氏が主張していました。白畑氏は、水溶液中に含まれる原子状の水素を「活性水素」と呼んでもいました。 けれども、原子状の水素が、安定的に水の中に存在することはありえないというのが科学的な常識です。それで、白畑氏の主張を反証しようと考えたわけです
・Q:平岡さんは2012年に「『飲むと健康に良い』と宣伝されている諸水製品類の実態の検討」という総説論文を発表しましたね。活性酸素を消去する成分が含まれていて体内で抗酸化作用を示すと宣伝される水と、水分子のクラスターサイズが小さく生体組織への吸収率が高いと宣伝される水について、それぞれ検証したと聞きます。まず、抗酸化作用を示すと宣伝される水について、どのような試験をしたのですか?
・A:「活性水素による抗酸化作用がある」と宣伝されている市販の水を含む4点について、本当に抗酸化作用があるのかどうかを、試験管内で確かめてみました
・Q:結果はどうでした?
・A:強力ではありませんでしたが、ある程度の抗酸化作用は確かに見られました。けれども、白畑氏の言う「活性水素」は生じていませんでした。抗酸化作用は、電気分解によって普通に生じる水素ガス、すなわち分子状の水素(H2)や、水溶液中の水素ガスの影響を受けたバナジウムイオンといった他の物質によるものという説明で済むものでした。 白畑氏はその後、「活性水素」は電気分解のときに電極から剥がれ落ちた金属の表面に吸着したものであって、水に溶けたものではないと述べ始めました。そうであれば、科学的に非常識な話であるとは必ずしも言い切れなくなります。白畑氏は、とても強い電圧をかけて電気分解をしたようです。私のほうは普通の電気分解の条件で試験しましたが、やはり「活性水素」は生じませんでした。 いずれにしても、「活性水素」という言葉は、水に溶けた物質として存在しているような誤解をあたえるため、不正確だと思います
・Q:「活性水素」は普通の試験条件では生じなかったものの、他の物質によって抗酸化作用は示されたとのことでした。では、人がその「機能水」を飲めば、抗酸化作用を得られるのですか?
・A:それについても、健常者の協力者に、試験管内試験でもっとも抗酸化作用のあった水を飲んでもらい、普通の水との比較などから飲用効果を確かめてみました
・Q:結果はどうでしたか?
・A:統計的に有意な飲用効果は検証できませんでした
・Q:試験管内の試験では抗酸化作用があったのに、人の体内では抗酸化作用は見られなかったというわけですか。それは、どうしてなのでしょう?
・A:被験者が酸化ストレスの亢進していない健常者であったという理由はありえます。また、有効成分の濃度の問題や、それが作用すべき体の部位まで到達しなかったか、到達しても働かなかったということもあるでしょう。試験管内の試験と、生体内の試験で結果が異なるのはよくあることです。抗酸化作用の強いポリフェノールやビタミンCなどでも、体に摂り入れたところですべてが体内に吸収されるとは限りませんからね)
▽ナノクラスター水はナノクラスターになっていない
・Q:もう1つの、水分子のクラスターサイズが小さいことで生体組織への吸収率が高いとする水を対象とする試験についてもお聞きします。インターネットでも、水のクラスターサイズを小さくした「ナノクラスター水」などという製品名をよく見ます。まず、「クラスター」というのはなんなのでしょうか?
・A:クラスターは分子の集団のことです。例えば、水(H2O)分子は数個から数十個のクラスターを形成しています。これは、水分子中で正に帯電した水素原子と、その近くの他の水分子中で負に帯電した酸素原子が互いを引き寄せる作用によって起きる現象です。 1気圧では、水が沸騰する温度は100℃、氷に凝固する温度は0℃ですが、もし仮に、水の分子がクラスターを形成していないとなると、沸騰点は-80℃に、凝固点は-110℃にまで下がってしまうはずです
・Q:そのクラスターサイズが小さく生体組織への吸収率が高いと宣伝される水については、どんな試験をしたのですか?
・A:クラスターサイズを小さくしたとする4社6製品の市販水について、沸騰点と凝固点を調べました。クラスターサイズが小さくなっていれば、沸騰点と凝固点は下がるはずです
・Q:結果はどうでしたか?
・A:水道水などと変わらず、どれもほぼ沸騰点は100℃、凝固点は0℃でした。つまり、水分子のクラスターが小さくなっていないということです
・Q:クラスターが小さくなっているかいないかは、沸点と凝固点を調べれば分かるとのこと。それなのに、なぜ「ナノクラスター水」を売るメーカーは、「クラスターが小さくなっている」と宣伝しつづけるのでしょうか?
・A:かつて、酸素の核磁気共鳴(17O-NMR)スペクトルというデータを見ることにより、水分子のクラスターサイズを直接計測できるのではないかという話があったのです。ある研究者が、その方法でいくつかの水溶液系のクラスターサイズを計測したところ、クラスターサイズが小さいほうが水の味がよいことが示されたと主張しました。 しかし、他の研究者が追試をした結果、結局その方法では計測できないということになったのです。それにもかかわらず、近年の健康ブームの中で、メーカーは「計測できる」とする最初の論文を根拠に、クラスターサイズを小さくすることができたとして、「ナノクラスター水」を販売するようになったわけです
・Q:仮に、水のクラスターサイズを本当に小さくすることができたら、その水はメーカーが宣伝するように、「生体組織への吸収率が高いため健康によい」のでしょうか?
・A:まず、クラスターを小さくすることは、地球上の水の物性を変えることに等しく、そんなことはできないと思います。仮に小さくすることができたとしても、それが体によいかどうかはまた別の話です
▽企業は“グレーゾーン”の表現で宣伝
・Q:抗酸化作用やナノクラスター化を宣伝する水を製造または販売する企業のホームページを実際に覗いてみると、健康効果に期待してしまうような文言が見られますね(下の表はリンク先参照)
・A:健康効果の実証がないものを健康効果があるとして宣伝すれば、法律的にまずいのですが、企業は“グレーゾーン”的な表現で宣伝しています。「何々と言われています」とか「みなさんの健康を願って販売します」とかいった表現です
・Q:もし、企業が自分たちの水の健康効果に自信をもっているなら、トクホに申請するといった手もあると思います
・A:仮に効果を実証できる自信があっても、多くの企業は中小企業ですし資金力があまりないのでしょう。だから“グレーゾーン”の表示が多くなるのだと思います
・Q:しかし、宣伝文句を見たら、「飲めば健康になる」と考えてしまう人もいるのでは?
・A:そうなのかもしれません。けれども、こうした類の水のほとんどは、"薬にも毒にもならない”ものです。つまり、飲んだとしても体に悪影響はほとんどない。すると、行政などの取り締まる側も放っておいてもいいかとなってしまう。そういう現状があるのだと思います)(後篇へ続くが、後篇の紹介は省略。リンク先参照)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44991
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45054

次に、12月4日付けJBpress「機能性表示食品を検証! 問われる国の関与のあり方」を紹介しよう(▽は小見出し)
・2015年4月に始まった機能性表示食品制度。11月30日時点で機能性表示食品の受理件数は151製品となった。制度開始まもない6月に「機能性表示食品に早くも安全性の問題が浮上」という記事を書いたが、その後、店頭でも機能性表示食品を見かけるようになってきた。小売店の取扱いの状況なども見つつ、施行後の状況を振り返ってみたい
▽続々と登場する機能性表示食品
・消費者庁ホームページによると、11月30日の時点で機能性表示食品の受理件数は151製品となっている
・当初は、サプリメントや飲料の届出が目立っていたが、最近は加工食品も登場している。例えば、「丈夫な骨の維持に役立つ」などと表示したフジッコの大豆食品「蒸し大豆」や、「中性脂肪が気になる方に」などと表示したマルハニチロの加工食品「さけフレーク」などだ
・機能性表示食品のノンアルコールビールも話題となった。キリン「パーフェクトフリー」とアサヒ「スタイルバランス」が6月に相次いで発売された。いずれも機能性関与成分は難消化性デキストリン。「脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収をおだやかにする」などと表示されている
・流通ではイオンがプライベートブランド(PB)商品で20品目程度の申請を予定しているという。すでに5 月に「難消化性デキストリン配合 コーラ」を届出ている。「食後血糖の上昇を抑制する機能があると報告されています」などと表示されている
・このところ消費者庁の届出情報の更新頻度が高まり、1カ月余りで30品目を超える機能性表示食品が追加されている。届出はすでに400件を超えているとの報道もある。当初は大企業からの届出が目立っていたが、中小企業からの届出も出てきている。今後も新たな機能性表示食品が登場しそうだ
▽生鮮食品も登場
・9月には初の生鮮食品の届出が2件あった。9月8日にJAみっかび(静岡県浜松市)の「三ヶ日みかん」と、野菜を生産するサラダコスモ(岐阜県中津川市)の「大豆イソフラボン子大豆もやし」が受理された
・生鮮食品の受理は初めてで、産地や小売店では消費者に付加価値を認められるのではないかと期待しているようだ。消費者庁によると、他にも多数の生鮮食品の届出があったという
・生鮮食品を原料とする機能性表示食品も登場した。大塚製薬は、大麦に豊富に含まれる水溶性食物繊維「大麦β‐グルカン」の働きに着目した「大麦ごはん」の2商品を9月1日に発売している。「糖質の吸収を抑える」「コレステロールを低下させる」「おなかの調子を整える」という3つの機能を表示している
・また、JAかごしま茶業からは「べにふうき緑茶」を原料とするティーバッグも販売されている。べにふうき緑茶に含まれる「メチル化カテキン」はハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減することが報告されている
・カゴメ株式会社からは「カゴメトマトジュース食塩入り」など4品も届けられている。トマトに含まれるリコピンには血中HDL(善玉)コレステロールを増やす働きが報告されている。 他にも、葛の花由来のイソフラボン、コメ由来のグルコシルセラミド、甘草由来のグラブリジンなど、植物由来の物質を活用した製品が登場している
・生鮮の機能性表示食品の発売も始まっている。上述したJAみっかびの「三ヶ日みかん」の出荷が11月4日、浜松市北区三ケ日町で始まった。初日は早生ミカン約260トンが静岡県内や中京などの市場に出荷されたという。 都内の百貨店に入荷予定があるか尋ねたところ、「年が明けてからの入荷の予定。いまのところ、贈答用ではなく、バラ売りか袋詰めにして販売する方向」だという。今後の販売状況に注目したい
▽売上がアップした商品も
・機能性表示食品となったことで売上が増加するケースもあった。ライオンは11月9日、「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」の発売後3カ月(2015年7~9月)の売上が、同年4~6月3カ月間に対し1.2倍、顧客獲得数は前年同期比2.4倍に増加したと発表した。2007年から同品は発売されているが、「内臓脂肪を減らすのを助け、高めのBMIの改善に役立つ」と機能性を表示することでリニューアルした
・アサヒフードアンドヘルスケアのサプリメント「ディアナチュラ ゴールド」も売上を順調に伸ばしているという。「ディアナチュラ」シリーズでは、「ヒザ関節の動きの悩みを緩和」「中性脂肪を減らす」「眼の調子を整える」などと複数の機能性を表示する食品を発売した。「ディアナチュラ」ブランド全体の今年1月~10月売上高は、前年同期比30%増になっているという
・また、ファンケルの目のサプリメント「えんきん」の8月の売上高は計画比で2.5倍、前年同月比では5倍だった。年間売上高30億円を見込んでいるという
▽認知度は高まるも本格的な販売はこれから
・電通が20~60代の全国の男女1000人を対象に実施した「機能性表示食品に関する消費者意識調査2015」によると、消費者における機能性表示食品制度や食品の認知は79.1%と8割近くに上ったという。  「現時点でのユーザーは、トクホユーザーとの重なりが大きい」ものの、「トクホに比べると、国の承認ではないという点での安全性評価、信頼感が低い」という
・筆者が11月中旬に店頭で機能性表示食品の販売状況を見たところ、スーパーや百貨店での取扱いはまだ少ないように感じた。都内のスーパーで店員に尋ねたところ、「うちの店舗にはまだ置いてありません」との回答で、商品名と陳列場所を把握していないような状況だった
・ドラッグストアでは、「機能性表示食品」のPOPを設置してある店舗もあり、他の小売業に比べると消費者への訴求を重視している印象だ。都内のドラッグストアでは、「店頭でいま扱っているのはサプリメントを中心に10~15品程度。今後、取扱いは増える予定」とのコメントがあった
・筆者が店頭ウォッチングしたところ、機能性表示食品は、他制度の「栄養機能食品」や「トクホ(特定保健用食品)」と混在して置かれており、パッケージをよく見なければ「機能性表示食品」であることが分かりにくい。消費者への認知度は高まりつつあるが、店頭での設置状況をみると、まだまだこれからという印象を受けた
▽問われる国の関与の在り方
・機能性表示食品は、届出制になっているため、科学的根拠の乏しいものを排除できない可能性があることについては、6月の記事「機能性表示食品に早くも安全性の問題が浮上」でも述べた
・機能性表示食品制度では、事業者が安全性や機能性に関する製品情報を販売前に届出て、販売60日前に公開し、広く国民に周知することで製品の品質を担保するとしている。つまり、発売前に問題点を見つけて指摘することができるのが、機能性表示食品制度の「要」なのだ。そこで、問題が見つかったときに消費者庁がどのように対処するかが課題となってくる
・このところ、機能性表示食品の運用を厳格化する意見が相次いでいる。10月22日、河野太郎消費者行政担当相は、「トクホ」の審査で安全性が確認されなかった食品が「機能性表示食品」として提出された事例について、「分かりにくさは整理する必要がある」と言及した。 あくまで個人的な意見としながらも、「安全という観点から、トクホがだめなら、機能性もだめというルールがあってしかるべきではないか」と、制度運用の見直しを示唆したという
▽科学的根拠のレベルにばらつきも
・食品の機能性評価は「製品で行う臨床試験」か「製品もしくは成分で行う研究レビュー(システマティックレビュー)」のいずれかになる。10月31日までに122商品が受理されているが、このうち「研究レビュー」によるものが102件と、圧倒的に多い
・システマティックレビューとは、自分に都合の良い文献のみを集めたりせず、関連する国内外の研究を網羅的に収集し精査することだ。質の悪い論文は除外するなど総合的に評価する必要がある。しかし、各社の研究レビューの質には差が生じているようだ
・食情報を提供する消費者団体「foodcom.net」が6月25日に発信した記事「FOOCOMが6月19日、消費者庁に機能性表示食品について申し入れ」によると、システマティックレビューをして採択された論文の一部には、「論文精査の結果、除外されるべきであり、レビューをやり直すべきだ」と指摘したものもあったという
・さらに記事では、「論文、システマティックレビュー等から言える効果と、届出表示にまず、乖離がある」としており、表示に問題のある商品もあったという。同記事では、研究の質はかなりの部分が事業者のモラルと消費者の判断に任されたものになっており、消費者庁は事業者に対し改善を促すべきだと主張している
・消費者庁は、10 月 31 日までに届出のあった機能性表示食品の研究レビューの検証事業を始め、消費者庁から民間に委託し、学識経験者などで構成するワーキンググループを設置・運営するという。制度を適正に運用するために、制度全体の課題を抽出することが目的だが、「実質的な審査になるのではないか」という懸念の声もあるようだ
・もっとも、研究の質については来年度からハードルが上がる。「CONSORT声明」とよばれる国際的にコンセンサスの得られた指針などに準拠した形式で、専門家が水準に達したと認める「査読付き論文」に掲載されていることが要求されるのだ。引き続き、今後どのような届出があるのか注目していきたい
▽消費者の見る目が養われるように
・機能性表示食品制度のねらいの1つは、怪しげな健康食品を淘汰することだった。制度に乗った商品であれば、安全性や機能性に関する情報がすべて公開され、商品の選択は消費者の判断に委ねられる
・とはいえ、事業者から一般向けに公開されている情報を一般人が内容を理解するのはかなり難しい。まして、研究の“質”まで分析し「本当に効果があるのか」どうか検証するのは至難だ
・消費者団体が科学的根拠についての疑問を投げかけているが、多くが疑義に対する回答が得られておらず宙に浮いたままだ。疑義に対する解決方法が不明確であることは、この制度の課題だろう。 また、この制度では消費者教育が最も大切だと思われるが、肝心な消費者に対する普及啓発の部分が抜け落ちているように思う
・消費者庁食品表示企画課は消費者委員会本会議で「今年度、消費者教育関連の調査事業を行っており、来年度以降、本格的に短期的とか中長期的な消費者への普及啓発活動を行っていこうと思っている」とコメントしているが、具体的な内容についてはまだ明かされていない。企業モラルに委ねるだけでなく、私たち消費者も判断力を養うべきだと思う
・消費者庁は、11月17日、機能性表示食品制度に関する消費者意向調査事業を実施するため公告を出した。民間に委託し、グループインタビューと3000名以上を対象にした大規模インターネット調査を行う。機能性表示食品の商品表示や、機能性や安全性などの公開情報を、消費者がどのように捉えているかを検証し、消費者が誤認することなく提示されているかなどを調べるのが目的だ
・消費者庁は機能性表示食品の制度の施行後2年を目途に施行状況を検討し、必要な措置を講じるとしている。現在の制度はいくつもの課題を抱えたままだ。消費者意向調査などの結果を踏まえ、消費者にとって分かりやすい制度になってほしいと願う
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45427

初めの記事にある「ナノクラスター水」については、「グレーゾーン」を通り越して「虚偽記載」なのではなかろうか。ちなみに、こうした広告を一切、信用していない筆者は、水道水を飲んでいる。
次の記事で、本来は信頼性の高い「システマティックレビュー」にもいいかげんなものがあるのには驚いた。記事では「消費者の見る目が養われるように」とあるが、消費者教育などいまからいくら予算をつぎ込んだところで、仮に成果出てもかなり先になる筈だ。まずは、現在の一般消費者が「見る目」を十分持ってないということを前提に、広告には厳しい目の規制をかけることが先決なのではなかろうか。
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