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シャープ再建問題(その8)鴻海に振り回される惨状 [企業経営]

シャープ再建問題については、4月9日に取上げたが、今日は、(その8)鴻海に振り回される惨状 である。

先ずは、5月16日付けダイヤモンド・オンライン「シャープを翻弄、鴻海「進駐軍」の無理難題」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・『週刊ダイヤモンド』5月21日号の第1特集は「背徳のシャープ 液晶敗戦の全顛末」。経営危機に陥っていたシャープは、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)の傘下に入ることになりました。なぜ、創業100年を超える名門企業は転落したのか。ホンハイは本当にシャープを再生することができるのか。社内から聞こえてくる声を聞く限り、シャープの危機はまだ終わっていません。
▽シャープ支配を着々進めるホンハイ「進駐軍」
・三重県亀山市。シャープの液晶事業の“聖地”に、鴻海精密工業(ホンハイ)の郭台銘会長が突如として現れたのは、大型連休を控えた4月27日の夜だった。 亀山工場にあるテレビの組み立て工場1階の集会場に、液晶部隊をはじめ工場の管理職200人以上が疲れた表情で集まると、程なくして、軽く手を挙げながら登場した郭会長が口を開いた。
・「SDP(堺ディスプレイプロダクト)に出資して、4年がたとうとしている。3年連続で営業黒字になったことはとても喜ばしく、勤勉なSDPの社員を私は誇りに思う」 通訳を介しながらそう切り出すと、「翻って、今のシャープはどうか。ろくに設備投資もできず、銀行の管理下で自由な経営ができなくなっているではないか」と急に発言のボルテージが上がり、そこから2時間は、郭会長の“独演会”と化した。
・「何度も言うが、これは出資ではなく投資なんだ」 「あなたたちは、赤字に対する危機感が薄いのではないか」など、社員たちを叱咤する言葉が続く中、話はなぜか日本電産にも及ぶ。 「人材が日本電産に流れるような状態が続いている。あの会社は人を引き抜いて、シャープをつぶそうとでもしているのか!」と批判を始めたのだ。 折しもその2日前、日本電産はシャープの大西徹夫元副社長が顧問に就くという人事を発表している。シャープの元社長で、現在日本電産の副会長を務める片山幹雄氏が、優秀な人材を集めようと強力に裏で糸を引いていることが気に食わなかったわけだ。
・ただ、この郭会長の発言を、人材の流出を何としても食い止めようという思いから出たものとは、誰も受け止めなかった。 それもそのはずだ。4月2日の買収契約調印以降、郭会長をはじめホンハイチームは、大阪市の本社にたびたび乗り込んでは、「追加で2000人の人員削減が必要だ」と、強く経営陣に迫っていたからである。 「従業員の雇用維持」という文言が契約書にある以上、出資前に、あくまで現経営陣が自ら判断し、実行したことにしろと言っているに等しかった。
・郭会長の要求はそれだけではない。「夏までに、本社を堺工場に移転したらどうか」 「液晶関連の契約は今後、(ホンハイ傘下の)群創光電(イノラックス)を通してほしい」など、無理難題を次々と押し付けている。
▽創業100年超の名門企業はなぜ転落したか
・2014年12月。年の瀬が押し迫るころ、代表取締役・財務担当で副社長(当時)の大西徹夫が本社の経理スタッフを伴って、液晶事業の「総本山」亀山工場(三重県亀山市)に乗り込んだ。 「無理せんで」 液晶部門のスタッフは大西の言葉に耳を疑った。折しも、液晶の現場は、年明けの商戦に向けて中国市場での契約獲得に奔走していた真っ最中だ。
・さらに、当時、液晶を指揮していたのは同じく代表取締役で専務だった方志教和。年末に持病の腰痛の手術入院を控えていたとはいえ、事業トップの頭を越えて本社の財務担当役員が日常業務に直接介入するのは異例の事態だった。 急な大西の介入を境に、張り詰めていた営業部隊の士気が下がると同時に命令系統が乱れ、業績が急激に崩れ始めた。
・なぜ大西は液晶事業の足を引っ張るような愚行に出たのか。背景にはシャープ経営陣の醜悪な権力闘争がある。
・11~12年度のシャープの巨額赤字の元凶だった液晶事業は、13年度に415億円の黒字を計上。液晶だけで全社の営業利益の40%を稼ぎ出し、一転して「復活のけん引役」に祭り上げられた。14年4~9月期には中国のスマートフォン向け液晶で前年比5倍の売り上げを突破し、下期も一段と拡大する計画を立てていた。 シャープ復活の先頭に立った液晶事業は「花形部門」の地位を取り戻し、そのトップを務めていた方志には、主力行の一部から「社長にしたらどうか」との意見まで飛び出す。目立ち過ぎた方志を、社長の高橋興三や大西らは苦々しい目で見詰めていた。
・そんなとき、事態は急変する。14年10月、台湾のタッチパネルメーカー、勝華科技(ウィンテック)が経営破綻。同社経由でタッチパネルを装着して液晶を出荷していたシャープを直撃した。大口顧客の北京小米科技(シャオミ)向けの供給がストップ。間隙を縫って、ジャパンディスプレイ(JDI)が、タッチパネルを組み込んだ「インセル」型液晶でシャオミの取り込みに攻勢を掛けてきた。
・大西ら本社部隊は、この機を逃さず液晶事業に介入。「ウィンテックを経由するシャオミ向け液晶に損失は出るが一過性のもの」と液晶事業部門は説明したが、大西は受け入れず、「無理せんで、無理せんで」と、事業活動の足を引っ張り続けた。
・15年3月期決算で、液晶在庫と亀山・三重工場の減損で計1072億円の損失を計上。15年5月14日の決算発表で、連結最終損失2223億円の巨額赤字を計上した経営責任を取り、方志は6月の株主総会で退任が決まって失脚した。
・一方、2000億円を超える巨額の損失を出したにもかかわらず、社長の高橋の責任は一切問われなかった。財務責任者である大西は、代表取締役を外れたが、副社長執行役員として残留し、のうのうと生き延びた。(敬称略)
▽ホンハイ傘下でシャープは再生できるのか
・『週刊ダイヤモンド』5月21日号の第1特集は「背徳のシャープ液晶敗戦の全顛末」です。かつて「液晶のシャープ」で世界に名を馳せた名門企業はなぜ、身売りをするまでに転落したのか。社内外での取材を通して驚愕の事実が次々と浮かび上がってきました。
・身売りに至った背景には、身の丈を超えた過剰な液晶への投資を続けた経営判断のミスに加えて、醜悪な権力抗争に明け暮れて経営危機を放置した経営陣の無為無策があったのです。「誠意と創意」という同社の経営信条に対する背徳行為を目の当たりにして、多くの人材がシャープから去って行きました。
・そんなとき“救世主”として現れたのが、郭会長率いる台湾EMS(受託生産)大手のホンハイでした。しかし、冒頭のエピソードからもわかるように、ホンハイは、救世主どころか「進駐軍」として無理難題を突き付け、シャープを振り回しています。
・本特集では、台湾での現地取材で、年商15兆円の巨大企業ホンハイグループの全貌を明らかにするとともに、豪腕経営者・郭会長の素顔にも迫りました。 さらに、巨額投資で価格競争に走る中国勢や有機ELにシフトする韓国勢など、ディスプレイパネル産業に起こっている構造変化の現状と未来も展望しています。
・私が初めて触れたシャープ製品は、業界初の「一発頭出し機能」を備えたモノラルのラジカセでした。子どもながらに「すごい!」と感動したことを覚えています。あの輝きは、なぜ消えてしまったのか。果たしてよみがえるのか。本特集をぜひご覧ください!
http://diamond.jp/articles/-/91058

次に、闇株新聞が5月18日付けダイヤモンド社のZAI ONLINEに寄稿した「「シャープ」と「三菱自動車」、負け組として外資の傘下に入った両社を待つ悲惨な運命とは? 闇株新聞が考察する「徹底的な負け組」企業の今後」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・金融のプロも愛読する刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』には「今後の株式市場の勝ち組・負け組を考える」という人気シリーズがあります。最新号(2016年5月16日発行)では燃費データ不正を契機に日産自動車の傘下に入ることになった三菱自動車と、鴻海グループの傘下に入ったシャープを取り上げています。闇株新聞いわく「両社とも徹底的な負け組」であり、今後は「外資企業にいいように翻弄される運命が待っているだけ」とのこと。歴史ある大企業の未来は如何に!?
・今週は「悲惨な運命しか待っていない三菱自動車」と「早くも悲惨な運命が見えてきたシャープ」を取り上げます。 まず、外資傘下に入ったとはいえ(日産もルノー傘下の外資です)両社とも現時点ではその外資から未だ1円も投資資金を受けていません。にもかかわらず、すでに過半数の取締役を受け入れるなど「無条件降伏」です。 本来なら一般株主のために主張すべきところは主張して「交渉」しなければならないところですが、シャープ経営陣は「偶発債務」、三菱自動車経営陣は「燃費データ不正」の問題を覆い隠すため、どんな条件も呑んだのでしょう。
・すべては問題を引き起こした現経営陣の無能さと保身のためであり、一般株主の利益など全く顧みられていません。両社はその背景が驚くほどに似通っており、今後も似たような未来を辿るでしょう。ひょっとすると「負けっぷり」が少し軽減されるかもしれませんが、あまり期待しないことです。
▽資金を受け取る前に取締役ポストを明け渡し 鴻海のやりたい放題を許すシャープの絶望
・5月12日に発表されたシャープの2016年3月期連結決算は、営業収益が1619億円の赤字、最終純損益が2559億円の赤字となり、期末には312億円の債務超過に転落しました。この5年間の累計の赤字額は、何と1兆3880億円にも上ります。 この間、総額1080億円の公募増資(2013年10月)や2250億円の優先株発行(2015年6月)など必死の資本増強を繰り返すも債務超過は免れず、本年2月25日に総額4890億円の第三者割当増資(1株=118円)で鴻海に議決権の66%を売り渡し、傘下入りが決まりました。
参考:「鴻海、シャープ買収決定も、まだまだ終わりじゃない! Xデー「6月28日」以降に何を仕掛ける!?」(2016年4月4日公開記事)  参考:「鴻海(ホンハイ)傘下入り目前のシャープがしっぺ返しを食らいそうな巨額債務の存在」(2016年3月3日公開記事)
・ところが、機関決定の前日に「3500億円規模の偶発債務」が発覚、剛腕・郭会長に資本注入額を3888億円に減額されます。その上、まだ1円も払い込んでいない段階で取締役9人中社長含む6人を送り込まれ、現経営陣も1人を残し高橋社長以下全員を放逐。「手を付けない」と公言していた3000人規模の人員整理にも取り掛かると表明するなど、すっかり手の内に入れてしまいました。
・確かに鴻海は増資の保証金1000億円は支払ったようですが、それも使途を厳しく限定し、交渉が破談になればその金で液晶部門を買い取れる条項を設定していたようです。こういう状態になれば、もう鴻海にとってはもう何のリスクもありません。すでにシャープは完全に鴻海の支配、やりたい放題の状態になってしまいました。
・残念ですが、もう鴻海のやりたい放題を食い止める方法は残されていません。こうなったら過去5年で1兆3880億円の赤字を垂れ流したシャープを、郭会長がわずか3888億円の投資でどこまで立て直せるものか、お手並み拝見するしかないでしょう。
・郭会長はシャープの高精細・省エネルギー液晶「IGZO」に期待しているようですが、実は「IGZO」の特許はすべて開発を支援したJST(科学技術振興機構)が保有しており、シャープは2012年に実施権を取得しているだけです。またこの実施権はシャープの占有ではなく、サムスンも取得しているはずです。郭会長が「IGZO」を過大評価しているとすれば、ここに波乱の要因があるかも知れません。
(これ以降の三菱自動車関連部分は省略)
http://diamond.jp/articles/-/91403

第三に、5月23日付けダイヤモンド・オンライン「シャープ新経営陣の人選に見える鴻海流再建策の稚拙」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・シャープの次期社長に、鴻海精密工業の戴正呉副総裁が就く人事が内定した。社外取締役候補にはソニー出身者を充てるなどその布陣には、ホンハイの焦りと再建策の稚拙さが浮かび上がってくる。
・今年3月中旬。奈良県のホテル日航奈良で、ある会合が開かれていた。「枅川正也氏を偲ぶ会」。故枅川氏はシャープの元常務で、液晶事業の礎を築き上げた技術者だ。 故人に思いをはせながら、社員らが談笑する中で、皆が話題にしたのが、会合の発起人たちの顔触れだった。 シャープの水嶋繁光会長、ディスプレイカンパニーの伴厚志EVPの2人に加えて、鴻海精密工業のグループで、フォックスコン日本技研の矢野耕三社長の姿があったからだ。
・矢野氏は、故枅川氏の薫陶を受け、シャープで液晶の生産技術開発本部長まで務めた人物だ。 ただ、ホンハイとシャープが出資交渉で泥沼に陥っていた時期とあって、「俺に聞くなよ」と周囲の突っ込みをかわしつつも、この日ばかりはバツが悪そうだった。
・その1週間後。ホンハイは1000億円の出資減額をシャープに突き付け、それ以降、水嶋会長をはじめ首脳陣から、会合で見せたような笑顔は消えうせた。 出資減額で社内が大騒ぎになる中、ホンハイは日本での印象悪化を食い止めようと奇策に出る。それは、家具小売りのニトリホールディングスに売却した、シャープ本社ビルの買い戻しだった。
・指示をしたのは、ホンハイのナンバー2で、シャープの次期社長に内定している戴正呉副総裁。「創業者の記念館を建てよう」などと迎合してみせたが、シャープ側の反応は冷め切っていた。所有権が移った直後でもあり、実現するとは到底思えなかったからだ。 戴氏の思い付きに付き合わされたのは、本社ビルの売買手続きを担当した、みずほ信託銀行だ。3月下旬、ニトリ東京本部で「買い戻したいと言っていますが、売ってもらえませんよね」と切り出した信託銀担当者の口ぶりにも、ホンハイに振り回されている様子がにじみ出ていた。
▽次期社長の戴氏にのぞく不安定な言動
・ホンハイの知日派──。次期社長候補の戴氏をそう表現しすり寄るメディアもあるが、食事を共にしたことがある政府関係者は、「(郭台銘会長の)大いなるイエスマン。経営の能力?そんなものあるわけないでしょ」と手厳しい。 実際に、本社ビルの買い戻し提案をはじめ、その言動には不安を覚える部分が多いのも事実だ。
・4月2日の契約調印会見後、報道陣のぶら下がり取材に応じた戴氏は、ホンハイ傘下で液晶事業の群創光電(イノラックス)との連携策について問われると、「ホンハイの関連会社ではなく、郭会長の会社」「私は技術者じゃないから分からない」とけむに巻くだけで、中身のある話を一切しなかった。
・ 「シャープは日本の会社。次の社長は日本人が適任」と、郭会長の発言をなぞるように堂々と語りながら、何食わぬ顔で次期社長候補になるという言行不一致ぶりは、今も猛威を振るっている。 出資契約上の義務として、従業員の雇用維持を掲げたにもかかわらず、5月12日にシャープ従業員に送ったメッセージでは、「やはり人員の削減はすべき」「シャープの未来は今回の構造改革で決まる」などと呼び掛けている。
・さらに、公表資料に「グローバルで最大7000人程度の人員削減」と明記させながら、当日の昼すぎになって、慌てて「人員適正化」と修正させてもいるわけだ。 稚拙さがのぞく戴氏だが、脇を固める取締役の人選も心もとない。よりによって、シャープに不義理をされた過去を持つソニー出身の石田佳久氏が、社外取締役の候補になっているからだ。
・石田氏が、ソニーでテレビの部門長を務めていた当時のこと。シャープは液晶の堺工場(現堺ディスプレイプロダクト、SDP)で、ソニーのテレビ向けに液晶パネルの供給を約束しながら、エコポイント制度による活況を受け、自社への供給を優先。ソニーに対し、たびたび納入遅延を起こした。それが、ソニーによるSDPからの出資引き揚げにつながってもいる。 戴氏が、そうした石田氏の苦い経験を知らないはずはない。だが、ソニー製パソコンの製造受託をきっかけとした石田氏との関係性に頼り、“お友達内閣”を組閣しなければならないほど、人集めに苦労し焦っていたようだ。
・「これからはIGZO(酸化物半導体)だ」。そう叫びながら、その関連特許と技術で鍵を握る研究所にはいまだに顔すら出さず、自分の意に沿わない人間がいれば、人前で平然と名刺を破り捨てる郭会長と、忠実なイエスマンとして暗躍する戴氏。 そのツートップが、シャープをやりたい放題にかき回す中で、「沈黙は金」とばかりに黙認する高橋興三社長には、もはや誰も寄り付かなくなった。
http://diamond.jp/articles/-/91688

第四に、5月31日付けダイヤモンド・オンライン「シャープを攪乱する鴻海「オオカミ少年」談話の軽さ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・週明けの5月23日。シャープの社員に向けて、高橋興三社長と、鴻海精密工業の戴正呉(たいせいご)副総裁の署名が入った、ある談話が発せられた。 「出資に関する最新状況について」と題し、(1)6月末の出資完了を目指す(2)保証金1000億円のうち、約200億円を新規ディスプレイの開発設備に充てる(3)電子デバイス事業に300億円を投資することを検討する──などと突如として表明してみせたのだ。
・シャープ社員に依然として渦巻く、ホンハイへの不信感を払拭する狙いだったとみられるが、それにしてはあまりにも内容が薄っぺらく、出資実現の説得力に欠けるものだった。
・上滑りのメッセージは、ほかにもあった。 「シャープの現有カンパニーについては、事業撤退を行わないことを、両社は出資契約で合意している。太陽電池事業の再建についても、種々の方策を検討しており、黒字化の手応えを得ている」という文章だ。
・5月25日に、取引先企業などに向けて発表した談話でも、太陽電池事業について「完全にコミットしている」「事業の競争力強化にまい進する」と事業の継続をアピールしたが、一連のメッセージを受けて、胸をなで下ろした関係者が一体どれほどいたのか疑問だ。
▽オオカミ少年の本音
・そもそも、郭台銘(かくたいめい)会長をはじめ、ホンハイは4年前の出資契約の反故(ほご)に始まり、今回の出資交渉の過程でも、ありもしない優先交渉権を得たと報道陣の前で作り話をし、約束したはずの雇用維持もひっくり返すなど、自ら信用をなくす言動を繰り返してきた。
・太陽電池事業の継続についても、シャープの再生のためというよりは、事業の有力な買い手がおらず、撤退するにも一時的な処理損失が予想以上に大きいことに気付き、大きな判断を先送りしたというのが実態に近い。 実際に、4月2日に結んだ出資契約では、事業の一体性維持の例外として、太陽電池事業の構造改革に加えて「株主の最善の利益に即した事業一体の再編または処分を除く」というただし書きを、わざわざ盛り込んでいる。
・事業継続を確約し、現場の一体感を醸成したいのであれば、大きな拘束力を持つその文言を、修正してもいいはずだ。 しかし、ホンハイにその気配は今のところ一切なく、法的な責任を問われにくい談話という手段で、その場しのぎの言葉を並べ立てているように映る。
・そうした小手先の対応ばかりが目立ち、自ら遠心力を高めているホンハイ。 「嫌ならさっさと辞めろ」という経営スタイルが、誠意を経営信条に掲げる企業に溶け込む日は来るのだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/92092

シャープもこれまでからお粗末な迷走経営を続けてきたので、別にその肩を持つつもりはさらさらないが、鴻海に振り回される惨状を見ると、気の毒になってくるのは、不思議なものだ。
第一の記事にある大西前副社長が、担当外の亀山工場に乗り込んで指示、その後は日本電産に移ったといのも、ひどい話だ。「従業員の雇用維持」を約束した筈の郭会長が、現経営陣に2000人の人員削減をやらせようとするなど、『ホンハイは、救世主どころか「進駐軍」』の面目躍如といったところだ。また、郭会長の「何度も言うが、これは出資ではなく投資なんだ」との発言は、厳しい本音を突き付けたものだ。
第二の記事にあるように、『残念ですが、もう鴻海のやりたい放題を食い止める方法は残されていません』というのが現実だろう。「IGZO」の特許はJSTが保有、実施権はシャープだけでなく、サムスンも保有しているというのは、初めて知った。ただ、保有しているサムスンが、使いこなせるようになったかは不明だ。
第三の記事では、次期社長の戴正呉副総裁も、『(郭台銘会長の)大いなるイエスマン』で、役員布陣も「“お友達内閣”」というのでは、何やら前途多難の匂いがする。
第四の記事で指摘している『「嫌ならさっさと辞めろ」という経営スタイルが、誠意を経営信条に掲げる企業に溶け込む日は来るのだろうか』は、シャープの実態がそんな立派なものではなかったことが判明しているので、どう考えても「筆がすべり過ぎている」印象を受けた。私は、むしろ日本の電機業界のなかに、異質なホンハイが入ることで、新たな化学反応が起きることを期待したい。
タグ:シャープ再建問題 (その8)鴻海に振り回される惨状 ダイヤモンド・オンライン シャープを翻弄、鴻海「進駐軍」の無理難題 亀山工場 郭会長 工場の管理職200人以上 何度も言うが、これは出資ではなく投資なんだ 追加で2000人の人員削減が必要だ 「従業員の雇用維持」 出資前に、あくまで現経営陣が自ら判断し、実行したことにしろと言っているに等しかった 創業100年超の名門企業はなぜ転落したか 副社長(当時)の大西徹夫 事業トップの頭を越えて本社の財務担当役員が日常業務に直接介入するのは異例の事態 張り詰めていた営業部隊の士気が下がると同時に命令系統が乱れ、業績が急激に崩れ始めた 背景にはシャープ経営陣の醜悪な権力闘争 代表取締役で専務だった方志教和 身の丈を超えた過剰な液晶への投資を続けた経営判断のミス 醜悪な権力抗争に明け暮れて経営危機を放置した経営陣の無為無策 ホンハイは、救世主どころか「進駐軍」として無理難題を突き付け、シャープを振り回しています 闇株新聞 ZAI ONLINE 「シャープ」と「三菱自動車」、負け組として外資の傘下に入った両社を待つ悲惨な運命とは? 闇株新聞が考察する「徹底的な負け組」企業の今後 本来なら一般株主のために主張すべきところは主張して「交渉」しなければならないところですが シャープ経営陣は「偶発債務」 の問題を覆い隠すため、どんな条件も呑んだのでしょう すべては問題を引き起こした現経営陣の無能さと保身のためであり 資金を受け取る前に取締役ポストを明け渡し 鴻海のやりたい放題を許すシャープの絶望 3500億円規模の偶発債務 残念ですが、もう鴻海のやりたい放題を食い止める方法は残されていません IGZO 特許はすべて開発を支援したJST(科学技術振興機構)が保有 シャープは2012年に実施権を取得 サムスンも取得しているはず シャープ新経営陣の人選に見える鴻海流再建策の稚拙 次期社長 戴正呉副総裁 (郭台銘会長の)大いなるイエスマン 取締役の人選も心もとない シャープに不義理をされた過去を持つソニー出身の石田佳久氏が、社外取締役の候補 “お友達内閣”を組閣 シャープを攪乱する鴻海「オオカミ少年」談話の軽さ 出資に関する最新状況について 高橋興三社長と、鴻海精密工業の戴正呉(たいせいご)副総裁の署名 太陽電池事業の継続 シャープの再生のためというよりは、事業の有力な買い手がおらず、撤退するにも一時的な処理損失が予想以上に大きいことに気付き、大きな判断を先送りしたというのが実態に 「嫌ならさっさと辞めろ」という経営スタイルが、誠意を経営信条に掲げる企業に溶け込む日は来るのだろうか
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