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英国EU離脱問題(その5)精神科医の見方、国民投票のリスク、5つの罪 [世界情勢]

昨日に続いて、英国EU離脱問題(その5)精神科医の見方、国民投票のリスク、5つの罪 を取上げよう。

先ずは、精神科医の和田秀樹氏が6月28日付け日経Bpnetに寄稿した「英国のEU離脱と「やってみないとわからない」思考」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽変化を求める力が働いたEU離脱
・6月23日に行われた、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は直前の予想を覆して、離脱派の勝利に終わった。  キャメロン首相は辞任し、東京株式市場に続き、ニューヨークでも大暴落が起き、市場の混乱はしばらく続くかもしれない。
・せっかくロンドンが欧州の金融の中心地になり、日本を含む海外企業も英語圏であることもあって、英国に欧州の拠点を置く会社も多かったわけだから、英国経済の大ダメージが予想されている。  それを甘受してまで、自分たちのことは自分たちで決めたいという独立心の表れという解説が根強い。 ただ、私はそうではない力も働いているのではないかと考えている。 要するに変化を求める力だ。
▽方針転換は一方通行のものではないという発想
・既存の政治体制では、今の閉塞感や不景気などは解決しない。だから、今と違う政治体制とか、既存の政党の発想をしない政治リーダーが求められる。 おそらく、米大統領選におけるトランプ人気にしても、サンダースの善戦にしても、その文脈で考えられるだろうし、欧州の各地で、排外的な政治家や政党が台頭してきているのも同様の文脈に思える。
・米国においては、米国第一主義や相続税の廃止を唱えるトランプの人気ばかりが注目されるが、まったく逆の、社会主義者を自称するサンダースも予想外の根強い人気を集めた。 日本人の目から見たら、EUを離脱したら大変なことになる、トランプみたいな大統領になったら大変なことになると考えるのだろうが、私の見るところ、民主主義の長い歴史をもつ欧米の人間はもっとしたたかだ。 要するに、EU離脱にせよ、トランプ型の大統領にせよ、一方通行のものではないと思っているのではないか?
▽時の政権や政策など長い歴史でみれば一過性のもの
・日本の場合、国鉄の民営化であれ、郵政の民営化であれ、事前の議論は激しかったが、なってしまえば、元に戻そうという話にはならない。JRになって、首都圏や京阪神の人間の大半はよかったというが、地方の路線は減らされ続けている。今でも株の過半は国がもっているのだから、JR再国有化を掲げる政党が勝てば、もとに戻せるのだが、そんなことを想像する人間はほとんどいないだろう。
・たとえばブリティッシュ・エアウェイズは、民営だった会社を国が買って国営化したが、サッチャーが再び民営化している。ルノーも同様の歴史だが、国営の時代に米国アメリカン・モーターズを買収したりもしている。 欧州の共産党にしても、フランスやイタリアでは政権与党になったこともある。
・時の政権や政策など長い歴史でみれば一過性のもので、ダメなら選挙という手段でまた変えればいいという発想がどこかにあるように思えてならないのだ。 今回のEU離脱で、スコットランドの独立派が息を吹き返しているという報道もあるが、彼らにしても、一回負けたから終わりという風に思っていないのだろう。 条約などにしても、国の体制や相手国との力関係が変われば、すぐに改正をしようとする。
▽「金持ち増税」だってやってみないとわからない
・私の見るところ、英国がEUを離脱して、経済が本当にボロボロになったら、また英国国内で、EU再加盟派が台頭してきて、国民投票で、再加盟を決めるのではないか?そうなったら、EUだって拒む理由はない。逆に離脱しても思ったほど経済がボロボロにならず、移民の流入がなくなることで失業率が本当に下がれば、このまま離脱しておこうという判断になるだろう。
・トランプにしても、一度、彼みたいな人に大統領をさせて、意外に雇用が増えたり、治安がよくなったりで、うまくいったら4年後も当選ということになるが、失敗だったら、4年後にやめさせればいいという考えは十分成り立つ。 決断や変化が一方通行のものでなく、また元に戻せると思えれば、思い切った選択がはるかにやりやすくなるだろう。
・実際、政治体制などというものは、そうなったらどうなるという事前の予測が当たるとは限らない。やってみれば問題点が見えてくることがあるし、思わぬメリットが生まれるかもしれない。
・たとえば、消費税の増税をやめて、金持ち増税をすればいいという考えがある。 それに対して、そんなことをすると金持ちが逃げていくという批判がある。 しかし、これだってやってみないとわからない。
▽うまくいかなければもとに戻す
・ある年代以上の金持ちは、地方税と合わせて最高税率88%を経験しているし、外国に移住すれば、言葉も通じず、自分からみておいしいものが食べられず、治安も悪いということであれば、多少税金が高くても日本でがまんする金持ちのほうが多いかもしれない。 これだってやってみないとわからないことだ。 問題は、それがうまくいかなかったときの対応だ。うまくいかなければもとに戻すのでないと、次にうまくいく道を探れない。
・99年に金持ちの税金を下げたほうが、金持ちが消費や投資にお金を回すので、景気がよくなるという判断で、高所得者の大減税を行った。所得税の最高税率は50%から37%に引き下げられ、地方税と合わせると15%の減税になった。その年の日経平均株価は、13779円で始まり、年末の終値は18934円だった。 これだけをみると、この減税は大成功ということになるのだが、翌年から日経平均株価は下がり続け、2003年の4月には7603円にまで下がっている。  株価だけでなく、不況は沈静化せず、金持ちに金を持たせても、あまり景気回復に効果がないと総括してもよさそうなものなのに、もとに戻すという話は一度もなく、98年の末には300兆円に満たなかった国際残高は600兆円も増えている。
▽日米安保を破棄しても国は滅びない
・戦前の日本は国力を上げることで不平等条約を改定し続けることを国是のようにしていたのだが、戦後は、一度決めたことは変えてはいけないと思いすぎている嫌いがある。  沖縄で悲惨な事件が続き、話題になっている日米地位協定にしても、民主党政権も含め、時の政権は、常に改正に及び腰のようだ。あるニュースのコメンテーターが言っていた話だから真偽が確認できないが、米国は多くの国と地位協定を結んでいるが、一度も改定がなされていないのは日本だけだそうだ。
・日米安保のようなものでさえ、破棄したら国が亡びるように思っている人が多いが、フィリピンは米軍を追い出しても、中国と領海問題が生じている程度で、本土の攻撃は受けていない。試しにやめてみて、実際に被害を受けるようなら、再び、米国に泣きを入れても、おそらくは再び条約を結ぶのはそう難しくないだろう。思ったより、中国なり、近隣諸国がおとなしければ、お金も浮くし、人的被害はなくなる。
・要するにやってみないとわからないこと、仮にやってダメでも元に戻せばすむことに対して日本人は予期不安が強すぎるように思える。  結局、こんなに長期不況が続いていても、財政政策や金融政策のような、これまでも何度も行われたような「無難な」政策しか行えていない。企業や金持ちに増税して経費を大幅に認めて、消費を刺激するとか、社会保障を逆に充実させて、お金を使いやすくするとか、試せることはいくらでもある。やってダメなら次の手を打てばいいだけだ。3年やってダメなら変えるということでも、20年あれば、7つのことが試せる。
・ただ、国レベルで、それを変えろというのは、よほど日本中のマスコミが変わらない限り無理だろう(無理と決めてかかるのも、「やってみなければわからない」思考に反するのだが)。  しかし、個人レベルなら、「やってみなければわからない」「だめなら元に戻せば済む」という思考パターンをもつことは可能なはずだ。
▽ダメならもとに戻せばいい
・前回、それを「おめでたい人」と呼んだわけだが、少なくとも、そういう思考パターンを持つだけで、フットワークも軽くなるだろうし、いろいろなことにチャレンジできる。 トヨタの「カイゼン」というのも、思い付きでもいいから試せることは試して、ダメなら元に戻すを繰り返すことで、世界一効率のいい職場を実現したという。 前回、「おめでたい人」の勧めを書かせてもらったが、「ダメならもとに戻せば済む」「ダメなら次の手を打とう」という身軽さもあえて条件に入れさせてもらった。いくら「おめでたい」からといって、失敗することが想定できないのでは、タダの「バカ」になってしまいかねない。
・サバイバルのための思考という観点でいけば「やってみなければわからない」と「ダメなら元に戻す、次にいく」はセットであるべきだろう。 もし英国の人たちが「ダメならもとに戻せばいい」と、こちらが考えているより気軽に考えているのなら、その例なのだ。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/306192/062700035/?P=1

次に、経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏が6月29日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「国民投票で国論二分の大問題を決めることのリスク」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽ブレグジット可決がもたらす真のリスク
・6月23日(木)に英国で行われた、英国のEU離脱を問う国民投票は、「ブレグジット」(Brexit:ブリテンとエグジットを組み合わせた造語)が可決する結果となり、世界の資本市場は大荒れとなった。 ブレグジットの決定が英国及び世界にどのような帰結をもたらすのかは、今のところ「よく分からない」と言うしかない。
・今後、辞任を表明したキャメロン首相の後任者が決まり、EUに離脱の通知を行い、その後離脱に関する条件交渉が行われて、2年後、又は、当事者が延長に合意した場合にはそのもっと後に離脱の条件が決定するというのが、大まかなスケジュールだ。
・EU側は、英国に早期の離脱条件交渉入りを求める強硬な態度を見せているが、英国側は交渉を主導する首相が決まっていないのだから、これは無理というものだろう。 交渉の当事者が共に冷静で合理的であればという前提の下に考えると、恐らく当初は今後も離脱を目指す国が出ることを嫌うEU側が強硬な態度を取るものの、交渉の終結が近づくにつれて、英国を経済的側面ではEUに残すに近い結果が両者から模索されることになるのではないだろうか。
・例えば、英国からの輸入にEUが関税を掛けることも、EUからの輸入に英国が関税を掛けることも、両当事者にとって不利益である。経済的な繁栄を重視しなければならないはずの、交渉の両当事者が、不利益な結果を選ぶとは考えにくい。EU側の体面が保たれるなら、英国に優しい条件に落ち着き、それがEUにとっても好結果なのではないか。 これが、現時点で合理的に考え得る、最も楽観的な決着だ。
・しかし、交渉に当たる政治家にも官僚にも、それぞれ「国民の全般的経済厚生」以外の当事者の個人的利害(政治家の人気など)もあれば、経済以外の交渉の取引材料に経済的条件が使われる可能性があるし、また、そもそも交渉当事者が経済的損得の意味での合理性を理解していない可能性もある。
・他方、悲観的なシナリオは、おそらくは英国とEUとの交渉の過程の「いつなのかは、わからないいつかの時点で」、EU内で離脱を指向する国が出て来て、通貨統合が崩壊するリスクが高まることだ。この場合、例えば財政的に弱いと目される国の国債が売られることになるが、いわゆるギリシャ危機にあっては、経済規模が小さいギリシャの問題でさえあれだけの混乱を資本市場にもたらした訳だから、大きな金融機関が破綻する可能性が十分ある。そして、イタリアやスペインのような国の場合、政府が金融機関を支えきれない可能性がある。
・もともと、市場の統合までは良かったとしても、財政を各国に委ねながら、通貨を統合したユーロというシステムには無理がある。加えて、振り返ってみると、欧州の金融機関は、不動産バブル崩壊による不良債権の処理を先送りしたまま、ECB(欧州中銀)による金融緩和で延命してきたのであり、その内実は脆弱なはずだ。それこそ「リーマンショック級」の巨大な混乱が訪れる可能性がある。
・厄介な問題は、これがいつ訪れのるかが分からないことだ。どこかの国で、EU離脱に向けた国民投票の「気運が高まる」だけで、資本市場は反応を始める可能性があり、大手金融機関のバランスシートに修復不可能な歪みが生じ、それが表面化する可能性がある。世界経済は、言わば、いつ発作が襲うか分からないような慢性病の病巣を欧州に抱えており、致命的な発作につながりかねない症状の進行を見せたのが今回のブレグジット可決だ。 ブレグジット以降の世界の金融市場は、常に後者の心配と付き合わねばならなくなった。
▽国民投票はいい仕組みか?
・ブレグジットが可決して、そもそもキャメロン英首相が、この問題で国民投票を行ったこと自体が失策だったのだという意見がある。また、実際に可決が決まった後で、賛成票を投じた英国民の一部に「本当にこんなことになるなら、賛成票を入れるのではなかった」という後悔の念が生まれている、という報道もある。後者は、ブレグジットと同要領の造語で「ブリグレット」(Bregret。regretは後悔)と呼ばれているらしい。
・投票が終わってみると、英国民の間ではEU離脱への賛否を巡って深刻な対立感情が残ったようにも見えるし、スコットランドの英国からの独立問題が再燃する可能性が生じてきた。 キャメロン氏が、国民投票という手段を採らなければ、こうした問題が直ちに表面化することはなかったはずだ。
・国論を二分するような問題を国民投票に掛けてはいけない、ということなのか、国論が二分される大問題である以上国民投票で決めるのが正しいということなのかは、政治家の信条に関わる問題だ。 国民にとって正しいことを行うのが政治家の役割であり、その為に最も適切な手段を選ぶことが、政治家としては正しいのだとキャメロン氏が考えているとすれば、やはり、彼は間違えたのだろう。
・彼が間違えた理由は、「まさか、負けるとは思っていなかった」、「国民を説得できるはずだと思っていた」ということに尽きるのだろう。負けない国民投票なら、これを実施することを公約に掲げて、EU離脱派の勢力を一時的に取り込むことは、かつての彼にとって合理的だった(セコイけれども…)と考えることはできる。
▽「大事なのは経済だよ!」が通用しない
・些か下品な表現だが、かつて「It’s the economy, stupid !」(大事なのは経済だよ、お馬鹿さん!)という言葉があった。ビル・クリントン元大統領が大統領選挙の際に使ったキャッチ・フレーズで、当時効果的であった。わが国でも、経済こそが大事なのだ、ということを表現する際に時々引用される(だから筆者も思い出した)。
・しかし、少なくとも英国経済全体の利害から見た時に「不利」なはずのEU離脱が、投票者の半分以上の賛意を得たということは、「大事なのは経済だよ!」が英国民に通じなかったということだろう。 今回の英国の「民意」には、二種類の説明の可能性がある。
・まず、経済的繁栄の利益を、一部の者が独占してしまった場合、残りの多数の国民が経済上の損得に重要な関心を持たなくなり、EU官僚への反感や、移民への悪感情などが経済上の損得を上回る問題だと感じられることだ。しかし、収益が悪化した企業は、人員の整理や賃金の引き下げによるコストダウンを目指すのが当然だ。在英企業の収益が圧迫されたり、成長が低下したりした場合、利益の恩恵に与っていないと考える層の経済的状態も今より一層悪くなるというのが、経済的には普通の予想だろう。 一つには、英国民の多くが、こうした「経済的には普通の予想」を理解していなかった可能性がある。
・もう一つの可能性は、自分も損をすると分かっていても、儲けている連中が損をすることが望ましいと思う、一種の処罰ないしは嫉妬の感情を持ったことだ。
▽米大統領選も似た状況
・行動経済学で研究されているテーマの一つに「最終提案ゲーム」と呼ばれているものがある。例えば、A、B二人の被験者がいる場合「Bが同意した時にのみ、Aに1000円を渡す。ただし、AはBに対して、1000円もらった場合、幾らかの金額をBに渡すことを予め約束していい」という条件で、Aが幾ら提示するか、またその提示をBが受け入れるか否かを問う、といった実験が行われる。
・経済合理的な解は、Aは1円以上を提示すれば、Bは提案を拒否しない方が儲かるので必ずBはこれを受け入れるはずなので、Aが1円を提示し、Bがそれを受け入れるだろうというものだ。 しかし、各所で行われている実験では、Aは自分が貰える金額の30%から50%の間くらいの気前のよい金額を提示する場合が多く(Bの拒否が怖いからとも言える)、Bの側では自分が損をするにもかかわらず、20%程度までの提示額では半数以上が提案を拒否する、といった結果が出ることが多い。
・Aの得る物が何に起因するのか、といった状況にもよるが、仮に自分が少々損をしても他人が大いに富むことを阻止したいという気持ちが、多くの人間には、なにがしかある。 個人間の大きな経済「格差」が顕在化して、固定してきた、という印象を多くの人が持つ場合、「経済全体にとって得なこと」が選択されなくなる可能性が、大いにあるということだ。
・もっとも「経済のパイを拡大して、それを適切に分配すれば皆の状態が良くなるのだから、そうしないのはバカだ」という説明が、その社会にとって常に正しいとは言えない。「そのやり方でない方が、気持ちがいい」と思うメンバーが過半数いるなら、それが正しいと決める素朴な民主主義が適切な場合もある。
・今回の英国の国民投票が置かれた状況は、次の大統領選挙に向けて米国が直面している状況と似ている可能性があるし、経営者の報酬ばかりを引き上げる一方、ROE向上に圧迫されて一般社員の賃金が上がりにくい現在の日本企業と社会にあっても、遠からず問題となる状況かもしれない。
http://diamond.jp/articles/-/93862

第三に、6月28日付けかんべえの不規則発言を紹介しよう。
・Brexitから5日目ともなると、いろいろな事情が呑み込めて参ります。さすがにこれだけの悲劇となると、誰か1人の責任に帰せるような単純な問題ではなくて、偶然にもいくつもの要素が重なり合って発生しているのですね。
 ●第1の罪:もともと「保険のかかっていないギャンブルを平気でする」性癖があるデービッド・キャメロン首相が、必要もないのに国民投票をやると言い出した軽率の罪。
 ●第2の罪:そのキャメロンの盟友かつ腹心であるジョージ・オズボーン財務相が、急激な緊縮政策によって国民の分裂と離反と、移民への反感をもたらした吝嗇の罪。
 ●第3の罪:首相になりたいという政治的野心のために、途中から離脱派に転じたボリス・ジョンソン元ロンドン市長が、私利私欲に走って国策を誤った不誠実の罪。
 ●第4の罪:あることないことを笑顔で言いふらす「にやけた堺雅人」ことナイジェル・ファラージ英国独立党党首が、哀れな有権者を扇動し、脅迫し、騙した虚偽の罪。
 ●第5の罪:残留を目指す党の方針に沿って努力すべきところを、ふん、俺はEUなんて嫌いさ、とサボタージュを決め込んでいたジェレミー・コービン労働党党首の不作為の罪。
・あと2人こじつけると「7つの大罪」が出来上がります。まあ、それ以外にもタブロイド紙とか、ユーロクラットの鈍感さとか、ほかにもいっぱい問題はありますからね。
・つくづく政治の世界は怖いです。他山の石とせねばなりますまい。とりあえず安倍首相は、「おー、危ないあぶない。国民投票って怖いんだあ」と受け止めているのではないでしょうか。
http://tameike.net/diary/june16.htm

和田氏が指摘する「時の政権や政策など長い歴史でみれば一過性のもの」、はその通りだが、「うまくいかなければもとに戻す」というのは問題の大きさによる面もあるのではなかろうか。EU離脱問題は法制や社会制度も含めた極めておおきな問題であり、簡単に「もとに戻す」わけにはいかないような気がする。そもそも、変化には、「もとに戻す」ことが可能な「可逆的変化」だけでなく、それが不可能な「非可逆的変化」もある。「金持ち増税」や日米安保・地位協定の改定などには異論はないが、EU離脱問題はそうはいきそうにないと思う。また、日本の財政・金融政策が「無難」としているが、少なくとも異次元緩和に代表される金融政策は、大きなリスクを抱えた「難あり」であることは、これまでからこのブログで繰り返し取上げてきた通りである。
山崎氏が『世界経済は、言わば、いつ発作が襲うか分からないような慢性病の病巣を欧州に抱えており、致命的な発作につながりかねない症状の進行を見せたのが今回のブレグジット可決』と指摘したのは、その通りだ。「最終提案ゲーム」は初めて知ったが、やはり人間の合理性には限界があることを再認識させられた。
かんべえ氏の5つの罪の指摘は、状況を上手く表しているので、息抜きをかねて紹介した次第である。
明日も英国EU離脱問題をさらに深掘りするつもりである。
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