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東京都知事選挙(その1)小池百合子氏と “在特会との蜜月”、都議会のドンへの猪瀬元知事の“爆弾”、候補者擁立の舞台裏 [国内政治]

舛添東京都知事の問題については、7月5日に取上げた。今日は、東京都知事選挙(その1)小池百合子氏と “在特会との蜜月”、都議会のドンへの猪瀬元知事の“爆弾”、候補者擁立の舞台裏 である。

先ずは、7月9日付け日刊ゲンダイ「小池百合子氏が表情こわばらせた “在特会との蜜月”問う声」を紹介しよう。
・都知事選挙に向け暴走が止まらない小池百合子氏。8日は外国人特派員協会で“流暢な英語”をアピールだ。 会場は160人もの大入りで、約30人の外国人記者が参加。冒頭の20分は小池氏がすべて英語でスピーチした。
・「Two policy platform of Tokyo are Diver-City and Smart City」(東京をダイバーシティーとスマートシティーという2つの軸でつくっていきたい) 「of the people, for the people, by YURIKO KOIKE」 決めゼリフやジョークも織り交ぜたスピーチは確かにうまい。
・その後の質疑応答では、「私は日本の伝統である“根回し”ができないので、突然の立候補になった」「防衛大臣の時、(逮捕された)事務次官と戦った。自民党のベテラン議員から叩かれた」「死文化していた女性登用の閣議決定を私が問題提起して、アベノミクスの“女性活躍政策”に反映させた」などと自分をほめまくり。  ある外国人記者が、「ゆくゆくは首相になるつもりはないのか」と持ち上げると、「今は知事になることを考えている」とまんざらでもない様子。外国人記者は、なぜか小池氏に好意的だ。
・“シャンシャン会見”で終わろうとしていた時、ジャーナリストの江川紹子氏の質問が空気を一変させた。 「ヘイトスピーチ対策法が成立した。自治体の首長としてどう取り組むのか。小池さんは野党時代の2010年、ヘイトスピーチをやってきた“在特会”関連の講演をされていますが、事実ですか」 
・小池氏は一瞬表情をこわばらせたが、キッパリとこう言った。 「対策法にのっとってやるべきことはしっかりやっていきます。いろいろな講演に出ていますが、在特会がどういうものか存じ上げませんし、主催された団体と在特会の関係も知らない。したがって在特会の講演をしたという認識はありません」 当時、講演会の案内には〈演題:「日本と地球の譲りかた」講師:「小池百合子衆議院議員」主催:「そよ風」協賛:「在日特権を許さない市民の会 女性部」〉とハッキリ書いてある。 “潔さ”をウリにするオンナにゴマカシは似合わない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185408/1

次に、7月15日付け日刊ゲンダイ「都議会のドンに“爆弾”投下 猪瀬元知事「遺書」告発の狙い」を紹介しよう。
・ネットなんて見ないけど、まったくの事実無根。コメントする立場にありません!」  “都議会のドン”の事務所はカンカンになって一方的に電話を切った。怒りの矛先は元都知事の衝撃の告発である。
・ニュースサイト「News Picks」は13日夜、〈猪瀬直樹が語る「東京のガン」〉と題したインタビュー記事を掲載。2011年7月に自民都議が“ドン”のいじめに遭い、自殺に追い込まれた――という内容だ。猪瀬氏が爆弾発言を炸裂させた。
・名指しで攻撃されたのは自民の内田茂都議(77)。05年から都連幹事長に君臨する“ドン”だ。自殺した都議とは当時、葛飾区選出の樺山卓司氏(享年63)。5期務めたベテランだった。 猪瀬氏はこれが証拠とばかりにインタビュー記事の掲載に合わせ、自身のツイッターに樺山氏の「遺書」を投稿(写真左)。「父は憤死した」と連絡してきた娘にみせてもらったという。〈人間性のひとかけらもない内田茂。来世では必ず報服(ママ)します!〉などと壮絶な殴り書きが確認できるが、当時から都議会の一部では“抗議の自殺”と囁かれていた。自民党関係者が言う。
・「当時は民主党政権下で、都議会の議席は与野党拮抗。自民は民主都議を激しく切り崩し、11年4月の補選の結果、民主所属の議長を除けば、野党をようやく1議席上回った。その直後に樺山氏が命を絶って、再び野党に実質的な過半数を奪い返されたのです」 多数派工作を担ったのは内田氏だ。落選中も都連幹事長に居座る“ドン”に「現職じゃないクセに」と、不快感を覚える同僚もいたという。
・自殺から5年。恨みをつづった遺書の噂はくすぶっていたが、まさか、かつての東京都のトップが暴露するとは……。猪瀬氏は自殺の経緯を「学校のいじめ」に例え、〈都議会議員の集まりの中で嫌がらせ的に罵倒されたり、議長になれたのにならせてもらえなかったり、ギリギリといじめ抜かれた〉と語った。
・都知事選の告示前日の自民党都連への“爆弾投下”は敵対する小池百合子を大いに喜ばせただろう。インタビューでも小池氏に「期待したい」とエールを送った猪瀬氏は、徳洲会5000万円事件で公民権停止中の身だ。小池氏が都知事になっても副知事などの公職には就けない。“ドン降ろし”のためなら無償ボランティアも覚悟か。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185774/1

第三に、7月25日付けダイヤモンド・オンライン「都知事選候補者擁立の舞台裏、自民も民進も大混乱!」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・舛添要一前都知事の後釜をめぐって各党が火花を散らしている。7月14日の告示では野党統一候補の鳥越俊太郎氏、自民党の推薦を得た増田寛也氏、自民の推薦を受けずに立候補する自民党の小池百合子氏らの出馬が明らかになった。各党の思惑が絡み合い、三つ巴の戦いとなった今回の東京都知事選。その舞台裏を政局に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。
▽「自民党という巨大組織と戦う!」メディア戦術に長けた小池氏の作戦とは
・政治資金問題をきっかけに、舛添要一前都知事が辞任を申し出てからおよそ1ヵ月。後任を決める東京都知事選の候補者が出揃った。なかでも、今回の選挙戦の軸となる鳥越氏・増田氏・小池氏については、自民・民進両党の足並みが乱れたため、正式な立候補に至るまでには紆余曲折があったという。
・「まず、分裂選挙となった自民党は、早くから推薦者選びで党内がゴタついていました。舛添氏の辞任表明で次の都知事選挙が現実的になってきたころから、出馬したいという人が蠢きだしたのですが、その筆頭格が小池百合子元防衛相です。しかし、彼女は党内の森喜朗氏や安倍首相周辺の幹部にとっては『目の敵』。そのため、自民党は当初、小池氏ではなく、総務省事務次官を退官したばかりで、アイドルグループ『嵐』の櫻井翔の父親でもある桜井俊氏を擁立しようと働きかけていました」(鈴木氏)
・ところが、党幹部が桜井氏に出馬の要請をするより早く、小池氏が出馬を表明したのである。 これまで5つの政党を渡り歩き、「政界渡り鳥」と揶揄されることもある小池氏。自民党入りした直後も森派に所属するも、トップの森氏ではなく同派閥の小泉純一郎氏に接近するなど、勝ち馬に乗ろうとする姿勢が党内からの反発を生む原因になったが、そうしたしたたかさが今回も発揮されたようだ。
・「ある野党幹部が、『小池氏は、自分が先手を取れば桜井氏も慎重になって出馬要請を断ると踏んだ』と話していましたが、案の定、桜井氏は不出馬の意向を伝えました。そこで本来なら、自民党は世論調査でも断トツの支持を得た小池氏を推して一本化するところですが、党内の反小池勢力が都議団や区長会に根回しをして、前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏を担ぎ上げたのです」
・一方、5日に都連会長の石原伸晃氏に推薦を依頼したが、すげなくされた小池氏。それでも翌6日には「むしろしがらみなく戦える」と、推薦なしでも出馬に踏み切ることを明言した。かくして、自民党は分裂選挙へと突入したのである。そして、14日の告示後は、巨大政党を見方につけた増田氏と、それに対抗する小池氏という構図で攻防を繰り広げている。
・「メディア戦略に長ける小池氏は、自民党と戦う姿をあえて前面に押し出しています。世間に巨大組織に虐げられ、その組織に立ち向かう姿を見せることで、無党派層の支持を集める狙いがあるのでしょう」  推薦依頼のためにマスコミが待ち受ける自民党都連に自らおもむいたかと思えば、その推薦依頼を取り下げに再度都連に足を運び、報道陣の前で「これからの戦いで推薦をちょうだいするのは、なかなか難しい」と状況を説明する。こうした、自民との対立を強調するかのような言動も衆目を集めるための演出だとすれば合点がいく。
・「対して、増田氏を立てた自民党も『小池氏のバックには怪しい団体や組織がいる』といった情報を東京選出国会議員が流したり、市民連合の一部を自民党側に引き込んで増田氏の票を伸ばそうとするなど、対小池側への動きを強めています」
▽潔く身を引いた古賀氏 涙を流して辞退した宇都宮氏
・一方、自民党候補の当選を阻止せんとする野党は、統一候補を立てて勝負に挑んだ。 「実は、舛添前都知事が辞任を表明した6月下旬には、民進党幹部らは候補者のリストアップを始めていた」と、鈴木氏。その時すでに他の候補者とともに、石田純一氏や鳥越俊太郎氏の名前も挙がっていたのだ。
・「一度は出馬の意向を表明した石田氏も、各党を交えての話し合いが先延ばしになるうちに、仕事の契約期限などの問題が浮上したため辞退することになりました。そこへ、東京の民進党関係者を仲介に出馬を打診されていた鳥越氏が名乗りを上げたのです」 そこから一気に鳥越氏擁立へと野党内でも話がまとまったわけだが、こうした擁立劇の裏で、「野党統一候補」を実現させるために自ら出馬を断念した人物もいる。
・「そのひとりが、元経産省官僚の古賀茂明氏。民進党執行部が鳥越氏擁立に向けて動き出していた11日、古賀氏は民進党東京都連から出馬の要請を受けていました。しかし、11日夜に岡田代表が、野党統一候補として鳥越氏を擁立したと伝えると、古賀氏は潔く身を引いたのです」 古賀氏は民進党都連から正式に出馬要請があった時も、自分が候補になることよりも統一候補を立てることが重要だと話していたという。その古賀氏は、12日の鳥越氏が立候補を表明した会見会場に飛び入り参加。鳥越氏と固く握手をするなどの演出をし、野党統一候補を応援していく姿勢を見せたのである。
・「そして、今回の都知事選で立候補を取り下げたもう1人の人物が、元日弁連会長の宇都宮健児氏。2012年の都知事選挙に初出馬し、98万票を獲得して2位につけた同氏ですが、当時から野党票を集約させるべきとの考えがあったようです。今回も、告示前日の13日まで自身の出馬を明言していましたが、ギリギリになって辞退を申し出ました。共産党幹部の話によると、熱烈な支援者に対して涙を流しながら、統一候補を優先させる旨を伝えていたそうです」
▽小池氏、増田氏、鳥越氏の三つ巴で終盤へ  スキャンダルで無党派層を取り逃がす候補者も
・こうして、野党4党や出馬を断念した2氏の承認を経て、鳥越氏の出馬が決まったわけだが、統一候補擁立がここまで遅れたのは民進党執行部と、同党の都連の連携のまずさに一端があるという。 「都連はいわば都知事の下につく現場の人間。当然、自分たちで候補を選びたいと思うわけですが、執行部は野党政党同士の調整を理由に自分たちが主体で候補者選びを進める気でいた。しかも、都連側と執行部は情報交換をするなどして話をすり合わせることをしなかったため、11日に鳥越氏と古賀氏で候補者がバッティングするなど、大きく足並みが乱れたのです」
・そうしたなかで、宇都宮氏や古賀氏が自らの立候補ではなく『野党統一候補擁立』を優先したことが、事態をすみやかに立て直すことにつながり、統一候補擁立の遅れをカバーするにいたったのだ。
・こうしてみると、今回の候補者擁立をめぐっては、分裂選挙に及んだ自民党だけでなく、民進党も執行部と東京都連とで思惑が入り乱れ、大きく揺れ動いたのだ。 「候補者選びが党のお家の都合で難航すると、そこをついて無党派狙いの候補者が出てくるのがお決まり」と、鈴木氏が言うように、告示の2日前にはジャーナリストの上杉隆氏が出馬を表明し、会見では「もう党利党略はうんざり」と声高に訴えた。
・「ただ、都知事選は知名度が高い候補者ほど有利に働くといわれており、現時点では自民党との戦いで聴衆に訴える小池氏や、元ジャーナリストの鳥越氏は無党派層の支持を得やすい。また、大政党が推す増田氏は組織票が見込まれるため、今はこの3氏が接戦しているといえます」 
・とはいえ、都知事選は告示から投票日までの期間が長く、選挙期間中に候補者のスキャンダルが出ないとも限らない。今回も早速、「週刊文春」が鳥越氏の女性スキャンダルを大々的に報道し、話題になっている。「そうなると、無党派が一気に他候補者に流れることもある」と、鈴木氏は語る。 増田氏、小池氏、鳥越氏の3名が混戦を極めると予想される今回の都知事選挙。そこに、他の候補者がどこまで食い込めるかーー。今回の都知事選の候補者数は過去最多の21人。7月31日の投開票までは何が起こるかわからない。
http://diamond.jp/articles/-/96478

今回の都知事選挙は「気乗りがしない」ので、スルーするつもりだったが、「文春砲」までが登場したので、取上げざるを得なくなった。小池百合子氏を外国人記者が持ち上げるなかで、“在特会との蜜月”をあえて質問した江川紹子氏は、さすがである。
都議会のドンが、樺山卓司氏をイジメたのが同氏の自殺の背景、との猪瀬元知事の“爆弾”については、真偽のほどは不明だが、大いにありそうな話ではある。
候補者擁立の舞台裏については、正直、ウンザリだ。特に、民進党の迷走は改めて失望させられた。宇都宮氏や古賀氏が身を引いたのは立派だが、私が期待していた宇都宮氏の辞退は残念でもある。
「文春砲」については、鳥越氏が2002夏に、マスコミ志望の女子大生を富士山麓の別称に誘い、関係を迫ったが、激しく抵抗され、関係は成立しなかったらしい。こんな昔の話で、関係は成立しなかったのであれば、鳥越氏が自分の言葉で説明すれば、かなりの選挙民は許してくれるような話だ。にも拘らず、自分では一切、説明をせず、著名弁護士に告訴の話だけをさせるというのでは、まるで舛添氏と同じで、大いに失望させられた。
なお、下記の日刊ゲンダイによれば、増田氏は旧建設省出身で「地方自治に精通した実務家」と称しているが、岩手県知事の12年間で、借金を1.4兆円と倍増させたようだ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185172
明日は、東京都知事選挙についての小田嶋氏の見解を紹介するつもりである。
タグ:東京都知事選挙 (その1)小池百合子氏と “在特会との蜜月”、都議会のドンへの猪瀬元知事の“爆弾”、候補者擁立の舞台裏 日刊ゲンダイ 小池百合子氏が表情こわばらせた “在特会との蜜月”問う声 小池百合子 外国人特派員協会 “流暢な英語”をアピール 外国人記者は、なぜか小池氏に好意的 江川紹子氏の質問が空気を一変させた ヘイトスピーチをやってきた“在特会”関連の講演をされています 都議会のドンに“爆弾”投下 猪瀬元知事「遺書」告発の狙い 猪瀬直樹が語る「東京のガン」 News Picks 自民都議が“ドン”のいじめに遭い、自殺に追い込まれた 内田茂都議 樺山卓司氏 抗議の自殺 ダイヤモンド・オンライン 都知事選候補者擁立の舞台裏、自民も民進も大混乱! 鈴木哲夫 ▽「自民党という巨大組織と戦う!」メディア戦術に長けた小池氏の作戦 彼女は党内の森喜朗氏や安倍首相周辺の幹部にとっては『目の敵』 小池氏は、自分が先手を取れば桜井氏も慎重になって出馬要請を断ると踏んだ 党内の反小池勢力が都議団や区長会に根回しをして、前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏を担ぎ上げたのです 潔く身を引いた古賀氏 涙を流して辞退した宇都宮氏 6月下旬には、民進党幹部らは候補者のリストアップを始めていた 石田純一氏 鳥越俊太郎氏 古賀茂明 宇都宮健児 都連側と執行部は情報交換をするなどして話をすり合わせることをしなかったため、11日に鳥越氏と古賀氏で候補者がバッティングするなど、大きく足並みが乱れたのです 週刊文春 鳥越氏の女性スキャンダルを大々的に報道 増田氏 地方自治に精通した実務 岩手県知事の12年間で、借金を1.4兆円と倍増させた
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