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中国での日本人拘束問題 スパイ(?)(その2)なぜ「日中友好人脈」が [外交]

中国での日本人拘束問題 スパイ(?)については、昨年11月11日に取上げたが、今日は (その2)なぜ「日中友好人脈」が である。

先ずは、8月3日付け日経ビジネスオンライン「なぜ中国は日本人をスパイ容疑で逮捕し続けるか 「日中友好人脈」潰しの動き、その意図を読む」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・中国で、また一人、日本人がスパイ容疑で捕まった。中国では日本の諜報戦に対する警戒が高まっている。中国で日本人スパイがそんなに暗躍しているというのだろうか。日本人には想像もつかない中国の報道から見える中国の日本人スパイ観がある。
▽相次ぐ不当逮捕、また一人…
・今回逮捕されたのは、某日中友好団体の理事長(59)。中国で国家安全危害にかかわる容疑で拘束されていることを中国外交部が7月30日に確認した。一部で、実名でも報道されているのだが、私自身、特にこの件について団体側に直接取材していないし、団体側も正式に発表しておらず、彼の安全にかかわることでもあり、あらぬ中傷を受ける可能性もあるので匿名のままでいきたい。
・この団体は2010年に創設されて比較的新しいのだが、彼自身は30年以上、中国とのかかわりをもつ典型的な日中友好人士である。団体の目的は日中両国の青年交流を通じて中国の緑化、植樹活動を支援することである。 彼が中国と本格的に関わり始めたのは1983年。中華全国青年連合会の招待を受けて上海、北京を訪問後、東北の戦争跡地も訪問した。まだハルビンの731部隊跡などが公開される前のことだ。この訪問団は戦後初めて、日中戦争跡地を訪問した日本の代表団だった。
・その後、97年から北京外語大学教授、中国社会科学院中日関係研究センター客員研究員などの中国の教育・研究職に、足かけ6年就いていた。思想的には社民党系の左派リベラルだが今年4月から日本衆議院調査局国家基本政策調査室の客員調査員でもあり、中国情勢、朝鮮問題についての分析調査も行っていた。5月には「中国の外交」をテーマに講演を行っていたが、これが今回の逮捕と関係があるのでは、とみられている。
・衆院調査局は議員の立法活動に必要な資料や勉強の機会を用意しサポートする部局である。そこから講演やリポートを頼まれることは、専門家ならば普通にある。こんなことでスパイ容疑と言われたら、学者や専門家は普通に中国をフィールドに研究活動することもままならないだろう。私からみれば、昨年から表面化している一連の“日本人スパイ”逮捕と同様、不当逮捕である。
・ただ、今回話題にしたいのは、彼が実際に何をしたのか、何かしたのか、ということではなく、近年急激に目立つ中国の日本人スパイイメージに対する喧伝とその裏にある意図について、だ。
・彼が植林などの日中友好事業にかかわってきたこともあり、中国では「日中友好の仮面をかぶったスパイが30年も潜んでいた!」といったニュアンスでさかんに報道されている。私自身は「日中友好」という言葉自体はあまり好きではないが、それでも中国との友好に身を捧げていた少なからぬ人たち、中国的に言えば「井戸を掘った人」の功績を踏みにじるような報道がなぜ今、増えているのだろう。まずは、今回の事件についての報道ぶりを見てみよう。
▽“中国通”スパイは以前から浸透?
・例えば新京報紙のウェブサイト版。 「なんとういことか。日本のスパイが中日友好交流団体にひそんでいたのか? 少なからぬネットユーザーは驚き、心ふさいだ。あんなに言っていた友好はどこにいったのだ?  だが実のところ、外交通のあるアカウントは『そんなに驚くことではない。“中国通”を騙る日本のスパイというのは以前から中国に浸透しているのだ』と語る。
・最も有名なのは37年間の長きにわたってスパイ活動をしていた日台経済人の会理事長の阿尾博政。彼は経済学者の身分で中国に潜入。 阿尾博政は中国政府官僚のアレンジで少なからぬ軍事施設と武器を視察し、記念撮影を口実に中国最新鋭の軍用車両や最新型戦闘機の写真なども撮った。報道によると1982年から諜報活動を開始し、日本陸上幕僚監部に150編以上の中国に関するリポートを提出。2009年に彼は日本で自身の諜報活動についての書籍を出版している」 ここで引用されている阿尾博政著『自衛隊秘密諜報機関‐青桐の戦士とよばれて‐』(講談社 2009年)は、それなりにその世界を知っている人からすれば、ほとんど創作に近いトンデモ本と評価されている。小説や漫画の資料にするならともかく、メディアとして多くの反証論文もあるこの本を根拠に、日本の諜報活動を語るのは無理があろう。 さらに新京報は、過去に日本のスパイがいかに暗躍してきたかという例を次のように挙げている。
▽どれだけ日本に凄腕スパイがいるのか?
・①2015年5月、50歳代の日本人男性が、中国でスパイ活動に従事したとして浙江省で起訴されている。温州・南麂列島の軍事施設周辺の写真を撮っていたところ身柄拘束され、9月に正式に逮捕された。南麂列島は釣魚島(日本の尖閣諸島)西北300キロに位置する。
・②1996年、日本の北京駐在武官が軍事機密を窃取したとして中国から強制退去となった。当時、日本武官と米国武官が海南省に行き、中国海軍の最新潜水艇の情報を探っていたという。中国安全部に逮捕され取り調べを受けたところ、軍事機密を映した写真とビデオが見つかった。
・③2002年10月26日には日本の駐在武官、天野寛雅が寧波の軍事管制区で海軍官兵に逮捕された。この後、天野は強制退去となった。
・④国家測絵局(測量局)によれば、2011年5月、各地の測量行政主管部門が展開した抜き打ち検査19000回のうち、3000件以上の違法案件が見つかったが、その中で日本国籍者がかかわる件が非常に多いという。
・⑤2010年2月、日本人が環境視察の名目でGPSを持ち込み、新疆ウイグル自治区のタルバガダイ地区など85か所にわたる軍事管制区を違法に測量していた。
・⑥2014年9月、甘粛省の秦嶺山付近で、日本人国籍の容疑者を拘束。解放軍第二砲兵基地と中国爆撃機工場を秘密に測量する準備をしていたという。
・⑦2006年、中国政府は中日経済新聞の創始者、日本国籍の原博文を逮捕。1995年から日本の外務省のために中国情報を収集、指導者の健康状態など大量の中国機密文書のコピーを提供したという。
・⑧2013年12月、寧波市象山出身の中国人・陳威が海軍東海艦隊のある倉庫で写真撮影して拘束された後、取り調べで寄田を名乗る日本人男性からの指示を受けての活動であったことを自白。陳威は海外でビジネスを通じて寄田と知り合い、活動費を受け取って寄田の諜報活動に協力していたという。寄田は、写真撮影のほか、浙江省海洋局の職員や海洋研究に従事している人物とのコネクションづくりを要請していたという。
・⑨中国社会科学院弁公庁主任助理の陳輝が日本外交官に外交政策に関する国家機密を渡したことで2006年6月、国家機密漏えい罪で有罪となった。彼の逮捕一か月前に、中国社会科学院公共得思索研究センター副主任の陸建華も国家安全にかかわる容疑で逮捕された。
・どれだけ日本に凄腕スパイがいるんだ、というような印象の記事だが、このうち、本当の意味で諜報活動と言えるのは②、③くらいではないだろうか。いずれも武官の本来の仕事であり、彼らは退去させられたが、拘束はされていない。ちなみに、近年の駐在武官の方々から話を聞くに、最近はこうした果敢な情報収集活動は行っていないというか、許可されないそうだ。
・だがそれ以外は本当にスパイといっていいのか。①の事件に関しては、以前このコラムの「中国のスパイ取り締まり強化に怯むな」でも触れている。この男性以外に、神奈川県在住の元脱北者のNGO関係者、札幌在住の元航空会社社員、東京在住の日本語学校経営者の女性ら4人が相次いで遼寧省や北京で拘束されたことは記憶に新しい。 愛知県男性が起訴されたあと、日本語学校経営者女性も起訴されているが、起訴事実は2人とも明らかにされていない。この4人については、いわゆる情報周辺者(業務上、深い情報を知りえる立場)であり、それを他人に漏らしうる立場かもしれないが、それはスパイとはいえない。 いずれにしろこのレベルをスパイ扱いしていたら、東京でいったい何千人の中国人情報周辺者を拘束せねばならないだろうか。
▽ポケモンGOもスパイ目的?
・また、違法GPS利用の容疑者に日本人が多いといわれているが、トレッキングや登山のために持ちこんだGPSをスパイ利用と言いがかりをつけられて没収されたり、取り調べられているケースもかなり含まれていると思われる。 北京周辺の山岳地帯は万里の頂上跡など地図にも載っていない遺跡も点在しており、トレッキング趣味のある人はGPSを頼りに、こうした山岳地帯に行きがちだ。だが、それは実は違法であり、そうした山岳地帯の思わぬところに軍事施設もあるので、スパイ容疑をかけられやすい。ちなみに中国の地図アプリは、微妙にずらすなど細工をしてある。正確な地形情報、地図情報は中国では国家機密である。だから、中国ではポケモンGOの世界的流行はスパイ目的ではないか、といった言説がまことしやかに流れるのである。
・別の記事、人民日報傘下にある環球時報も見てみよう。 「…(今回拘束された日中友好人士をかつて取材したことがある)日本華僑新聞編集長の蒋豊は28日に環球時報の取材をうけてこう語っている。 『日中友好交流団体からスパイが出てくるのは一向に不思議ではない。おそらく、これが日中友好交流団体から出てくるスパイとしては最後の一例ではないはずだ。いかなる団体も、スパイが利用する仮の姿になる可能性がある。』… 
・たとえ日本政府がスパイを派遣したことを否定しても、日本はこの数年の間に対外人力情報資源(ヒューミント)建設に力を入れており、外務省国際情報統括官組織、内閣情報調査室、公安調査庁などを利用して対外情報収集に力を入れている。昨年4月日本政府は、日本版MI6設立の提案書を提出している。中国は日本にとって一番防備すべき国の一つであり、自然、日本の情報収集の重点対象となるのである」 
・蒋豊編集長のこのコメントはブーメランである。日中友好交流団体の情報周辺者をいちいちスパイ扱いしていたら、彼自身も明らかな情報周辺者であり、疑われる立場だ。しかも過去に実際、「週刊文春」でスパイ疑惑を報じられたこともある。この疑惑について昔、本人に直接訪ねたところ、大いなる誤解であり、筆者の富坂聰氏にも抗議して了解してもらっていると主張しているが、それならなおのこと、情報の境界にいる善意の人々を陥れるような言動は控えるべきであろうといいたい。
・このほかにも、日中友好人士がスパイ!といった見出しの報道があふれ、日本人への警戒感をあおっている。強引な日本人拘束と起訴、さらにまだまだ日本人スパイが暗躍しているようなニュアンスの報道。そんなに日本政府が諜報活動に熱心に取り組んでいれば心強い限りなのだが、実際のところは逆で、日本の対中国情報の収集能力は以前よりも劣化しているように私は思う。スパイ騒動は、むしろ習近平政権の対日外交姿勢の在り方によるものと私は見ているのだが、どうだろう。
・目的の一つは、環球時報が触れたとおり、今、日本で外国人による情報収集や特務活動の予防が議論されており、その重点対象が明らかに中国人であることへのけん制があるとみられる。
▽当局の都合次第で、日本人も、親日派も
・さらに、中国社会科学院日本研究所の呉懐中の環球時報へのコメントが興味深い。 「平時、日本人たちと交流しているとき、彼らは中国のいろいろな方面の情報に非常に興味を持ち、いろんな内幕話を聞く。中日双方の関係が比較的良好ならば、こうした方法で中国情報を仕入れるのはさらにたやすいだろう。現在、双方の関係がうまくいっていないので、日本は中国情報の必要性がさらに高まっており、人を利用したスパイ行為もやらざるを得ないのだろう」
・このコメントの裏を読めば、日中関係が良好ならば普通にやり取りされる情報も、関係が悪くなった今は、かつては普通の情報のやり取りであったものが、スパイ行為に認定されかねない、という情報周辺者の不安が垣間見える。要するに、もともとスパイ扱いされなかった人たちが、習近平政権になってからはスパイ扱いされる可能性が強まったということでもある。
・もう一歩、うがった見方をすれば、私は習近平政権にとって過去に日中が築いた人間関係が邪魔になっているのではないか、と疑っている。 主に80年代から始まった日中の蜜月が培った人間関係は、主に胡耀邦につながる人脈、つまり共産主義青年団人脈が主流だ。今回、拘束された日中友好交流団体理事長も共青団関係組織がカウンターパートになることが多かったようだ。習近平個人には日本政府や民間人との人脈パイプはほとんどない。夫人の彭麗媛は共青団出身であり、80年代の日中青年交流にも参加しているのでそれなりの人脈があるが、習近平周辺ではそれがほぼ唯一といってよい日本とのつながりだろう。
・習近平の権力闘争の主なターゲットはすでに上海閥から共青団派に移っているが、その権力闘争と日中間の人脈つぶしは全く関係がないと言えない気もする。昨年に拘束された4人の日本人のうち2人は権力闘争に巻き込まれた可能性も仄聞している。 共青団系の政治家で失脚して汚職と情報漏えいで無期懲役判決を受けた令計画は弟が機密情報をもったまま米国に亡命した。令計画は日本にもそれなりの資産を持っており、妻が日本へ逃亡する計画もあった。
・いずれにしても今、スパイ容疑で拘束されている日本人のほとんどが不当逮捕であると私は見ている。日本人が優秀な諜報能力があったのは戦前の話だ。だが、習近平政権の強硬な対日外交や日本への警戒感や権力闘争などを背景に、あいまいなスパイの定義を使って日本人を拘束することは、対日牽制や国内の親日派に揺さぶりをかける一つの手段となっている。
・だが、そんな政権の都合で、長きにわたって築かれた日中の民間の交流の成果が傷つけられていいのだろうか。それでより大きな不利益を被るのは日本や日本人よりも、中国と中国人の方ではないだろうか。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/080200058/?P=1

次に、8月4日付け現代ビジネス「スパイ容疑で中国に拘束!「華麗なる中華人脈」をもつ日中交流の草分けが一体なぜ…?」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽中国との関わりが、はるかに深い人物
・「中国大使館でこの人のことを知らない人はいない」(中国事情痛)といわれる日中友好団体の理事長(59)が、7月中旬、渡航先の北京で中国の治安当局に国家安全危害容疑をかけられて拘束された。 2014年11月、習近平政権は、共産党体制を脅かす存在を除去することを目的に、「反スパイ法」を制定。それに基づく容疑があったとして、昨年から今年初めにかけて日本人4人を逮捕、うち2人を起訴した。
・団体理事長も「スパイ」と見なされたわけだが、これまでの4人が様々な事情で中国との関わりを深くし、日本の公安調査庁の協力者となっていたのに比べると、団体理事長と中国との関わりは、はるかに深く、長く、そして重い。
・そのためか、「中国の権力抗争に巻き込まれたのではないか」(団体理事長の知人)という観測さえ流れている。 団体理事長が拘束されるまでの中国との関係を振り返ってみよう。 団体理事長は、大学院修士課程を修了後、労働組合専従を経て、日本社会党の竹内猛代議士、秋葉忠利代議士の秘書となる。中国との関係は、83年、中華全国青年連合会の受け入れにより初訪中してからなので30年以上に及び、訪中歴は200回を超える。 語学力と中国人脈を買われ、95年8月、村山富市首相が「侵略戦争の反省と非戦の誓い」を世界に表明した「村山談話」の際には、中国との折衝役などを務めた。
・以降、中国との関係をさらに深め、97年には北京外国語大学の教壇に立ち、大学教師のかたわら、北京社会科学院などの研究員を務めた。その人脈を伝えるのが、2000年10月、北京で開いた自身の結婚披露宴で、張香山党中央対外連絡部顧問、劉徳有元文化次官ら有力な対日関係者らが出席した、という事実だ。
▽日中交流の草分け、のハズが…
・現在は、自身が立ち上げた日中の青年交流を目的とした団体理事長であり、拓殖大学客員教授、創価大学講師、日中協会理事、北京市社会科学院中日関係研究センター客員研究員などを務める。 特筆すべきは、今年4月から衆議院調査局の客員調査員になっていること。正式には、「衆議院調査局国家基本政策調査室兼北朝鮮による拉致問題などに関する特別調査室」の客員調査員であり、その名刺も持つ。
・つまり団体理事長は、日中交流の草分けであり、30数年にわたる関係の間には、「代議士秘書」「首相側近」という公的立場を持ち、今も衆議院の委託を受けた調査員なのである。 拘束の事実を受けて菅義偉官房長官は、7月28日、「日本政府は、いかなる国に対してもスパイ行為をしていない」と述べた。であるならば、政府にはスパイ容疑が何であったのかを質す義務がある。
・団体理事長の今回の訪中目的は、外交助言シンクタンクの新外交イニシアティブと中国外交部の中国国際友人研究会が、11月3日と4日に開く「日中の新しい外交を考える研究会」(仮称)の事前折衝。団体理事長は、新外交イニシアティブの顧問のような形で同行した。 7月11日、新外交イニシアティブのメンバー3人とともに北京に到着して、11日、12日の両日、中国国際友人協会のメンバーと懇談した。その過程で、中国共産党対外連絡部の外郭団体である軍縮協会副所長、日中関係史学会幹部らとも面談。いずれも団体理事長の中国人脈である。 新外交イニシアティブのメンバーは13日に帰国。団体理事長は、13日以降は別行動を取り、15日朝、ホテルをチェックアウトし、午後5時北京発のチャイナエアラインで帰国するはずが搭乗していなかった。
▽権力争いに巻き込まれた?
・これだけの歴史と人脈を持つ中国通に、内閣情報調査室、公安調査庁といった調査情報セクションが、接触しないわけがない。 当然、中国サイドも、太い対中パイプを持ち、中国大使館には顔パスで入れたという団体理事長の「立場」も知っていただろう。 「村山談話」にも関係した「友好人士」として認定され、自由な行動を許されていたはずの団体理事長が、突然、中国の治安当局が、「看過できないようなスパイ活動」を行ったとも思えない。
・考えられるのは、新スパイ法を制定した習近平国家主席が率いる太子党系(元高級幹部子弟)と、胡錦涛前国家主席の出身母体である共青団系グループが、激しい権力争いを展開していること。そして、団体理事長の人脈が共青団系であることだ。「権力争いに巻き込まれた」という観測が広がるのも無理はない。
・日本政府の対応は遅く、拘束された日本人開放へ向けた熱意が感じられない。 これまでに拘束されているのは、①北朝鮮からの脱北者である神奈川在住50代の男性、②中国相手に人材派遣や貿易を行う会社で役員を務める愛知県在住50代の男性、③大手航空会社を退職後、日中の交流事業を手掛けてきた北海道在住60代の男性、④東京の日本語学校で事務長を務める日本に帰化した東京在住50代の女性、の4名だ。
・折衝窓口の外務省や公安調査庁の“抑え”が効いているのか、保秘が徹底されており、所属していた会社や組織はもちろん、「家族の声」さえ表に出ることはない。
▽真相解明を急げ
・今回の団体理事長も、所属していた団体のホームページは閉じられ、団体が同居していた民間会社は、「郵便物を預かるぐらいで、資本も人的交流もいっさいない」と、素っ気ないが、今回は、真相解明と救出支援に向けた動きが始まりそうだ。 団体理事長と30年以上のつきあいがある「村山談話の会」の藤田高景理事長がいう。 「日中友好のために全人生をかけた人。スパイ容疑なんて、とても信じられない。『救う会』のようなものを立ち上げ、対策会議を開き、政府に働きかけていくつもりです」 政府は、本気の対応を迫られている。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49363

昨年取上げたケースとは異なり、今回拘束された人物は典型的な日中友好の有名人のようだ。もっとも、なかには、『37年間の長きにわたってスパイ活動をしていた日台経済人の会理事長の阿尾博政』が書いた本については、『ほとんど創作に近いトンデモ本と評価されている』、のようにとんでもない人物も紛れ込んでいるようだ。『トレッキングや登山のために持ちこんだGPS』、というのも不注意極まる話だ。
現代ビジネスの方が、今回拘束された人物について詳しいが、読めば読むほど、なぜ拘束されたのかが、分からなくなる。やはり、『太子党系と共青団系グループの権力争いに巻き込まれた?』と考えるしかなさそうだ。それにしても、一連の日本人拘束問題では、日本政府は”抑え”はしっかりやっているようだが、釈放に向けた動きは一切見えてこない。冷たい印象も受ける。ところで、日本側でも中国人をスパイ容疑で捕まえたという話は聞かない。少なくとも産業スパイは掃いて捨てるほど大勢いる筈だが、何故か見逃されている。欧米とロシアの間では、一方がスパイを摘発すると、直ちに他方もスパイを摘発、お互いにスパイを交換することで、幕を引くのが一般的だ。どうも、日本政府は「やられっ放し」のような気がする。安部首相の威勢の良さは、この問題ではどこへ行ったのだろうか。
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