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日銀の異次元緩和政策(その19)ヘリコプターマネー論議3 [経済政策]

日銀の異次元緩和政策については、8月3日に取上げた。ヘリコプターマネー論議については、3月26日、5月9日に取上げたが、今日は、(その19)ヘリコプターマネー論議3 である。

先ずは、7月22日付け東洋経済オンライン「ヘリコプターマネーは、どうして危ないのか 金融政策は物価をコントロールできなくなる」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・これまで「机上の空論」扱いされてきた政府・日本銀行による「ヘリコプターマネー政策」(以下、ヘリマネ)が全国紙の一面を飾り、ありうる政策の選択肢として堂々と議論されている。本当に投入されるとしたら、2013年4月開始の異次元金融緩和、2016年1月に導入が発表されたマイナス金利政策を上回る衝撃度である。
・ヘリマネ政策の主唱者の一人であるベン・バーナンキ前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が12日に来日し、安倍晋三首相と会談したために、先週はヘリマネが市場の話題をさらった。7月28、29日に開かれる日本銀行の金融政策決定会合を控え、「日本でもヘリマネ政策が導入されるのではないか」とマーケットの憶測を呼んでいる。 菅義偉官房長官が記者会見で「検討している事実はない」といくら否定しても、市場は浮き足立ったまま。黒田東彦日銀総裁が直前まで「考えていない」と言っておきながらマイナス金利政策を導入した過去を考えると、「あるかも」と市場関係者が考えるのは無理もないのかもしれない。
・ヘリマネ観測だけが原因ではないだろうが、為替市場は7月15日に1ドル=105円台まで円安方向に大きく振れた。英国がEU離脱を決定した後、一時1万5000円台を割っていた日経平均株価は7月11日の週、5営業日の続伸となった。
▽「金融政策が尽きてしまったら」という問答
・ヘリコプターに乗って空から紙幣をばらまく。そのイメージがわかりやすく、かつ鮮烈であることから、ヘリマネ政策は非常時の究極策だと受け止められている。昨年ごろから欧米の経済論壇ではこの政策の是非が活発に議論されている。 そもそもヘリマネ政策とは何なのか。ミルトン・フリードマン教授の言い回しを使い、広範にわたる減税とそれを補う中央銀行の紙幣増刷を組み合わせた「デフレに対抗するための究極的な戦略」の可能性について問題提起したのが、バーナンキ氏だった。
・バーナンキ氏はFRB理事に就任した直後の2002年に行ったスピーチの中で、デフレ脱却策の一つとしてヘリマネ政策を提案している。ただ、回顧録『危機と決断』(邦題)の中では「ヘリコプター・ベンというナンセンスを一掃」すべくその後活動したと記しており、当時の講演には半ば悔恨の念もあるようだ。 今年4月には自身のブログの中で、「Fedにはどんな手段が残されているか」と題し、マイナス金利政策、長期金利ターゲット政策に続く3番目の手段として、ヘリマネ政策を検討の俎上にのせている。バーナンキ氏は「足元の米国経済は成長を続けており、雇用も創出しているが、これから2、3年のうちに経済が大きく減速する可能性は排除できない。そのときに、金融政策の道具箱(the monetary toolbox)の中に何が残されているか」と問いかけている。政策当局者の間で「金融政策の手段が尽きつつあるのではないか」いう懸念が浮上していることが、こういう問いを立てた背景にある。
▽「返さなくてもよいおカネ」という虫のよい話
・バーナンキ氏によると、ヘリマネ政策とは「マネーストックの恒久的な増加によってファイナンスされた拡張的財政政策」を指す。「ヘリコプターマネー」という言い方だと非現実的な響きがあるのでMFFP(Money-Financed Fiscal Program)と呼んでいる。ヘリマネ政策にはさまざまなバージョンがあるようだが、つまるところ従来の財政・金融政策との大きな違いは、「借金」(debt)でなく「銀行券」(money)で財源を手当てし、大規模に財政出動(減税や歳出拡大)する点にある。
・借金でなく、銀行券でファイナンスするとは、調達した資金を返済しないことを意味する。銀行券で調達するので、発行体(この場合は日銀)からすると、債券(国債)や株式で資金調達するときのように利払いや配当の負担もない。 通常の財政政策は政府が国債を発行して歳出をまかない、国債は民間や海外投資家が引き受ける。財政を拡張しすぎると国債金利が上昇し、借り過ぎを抑制するメカニズムが自然に働く。また、当然のことだが、国債は借金なので将来返済することを想定している(日本は借り換えを繰り返し、現在60年かけて償還している)。国の借金はいずれは税収を財源に返済することになるので、現在の多額の借金は将来の増税を連想させる。それゆえ、消費刺激効果も限定的になる。
・しかし、ヘリマネはこうした経済的な規律を一切、取り払ってしまう。政府は中央銀行(日銀)に国債を引き受けさせてお金を受け取り、中央銀行は国債を永久に保有し続ける。 将来も返済(償還)を予定しておらず、それゆえ将来の増税もないので、本当にそうかは別として、家計は安心して消費を増やし、物価も上昇していくのだという。バーナンキ氏の定義にならえば、「マネーストックの恒久的な増加=借金を将来にわたって返済しない」点がこの政策のミソなのだ。
・だが、ヘリマネ政策が効果を生むには、その規模にもよる。たとえば、インド中央銀行のラグラム・ラジャン総裁は「そのような手段をとらなければならない意図を心配し、人々は消費に回さずに貯蓄し、その結果狙った効果は出ない」と批判していると伝えられている。
▽バーナンキが懸念したヘリマネの重大な問題
・仮に、日本で1億2000万人全員に1人10万円ずつ配るとすれば、12兆円かかる。これは取り沙汰されている秋の補正予算の規模だが、1人10万円を配っても消費ではなくおそらく貯蓄に回り、狙った刺激効果は出ないだろう。また、低所得の年金受給者1100万人に3万円ずつ配る政策は「バラマキ」だという批判を浴びたが、国民全員に10万円配るのは壮大なバラマキなので正当化できるというわけなのだろうか。
・では、一桁増やして1人100万円ならどうか。100万円をポンと渡されれば、無駄使いをしたくなりそうだが、これには120兆円もの財源が必要になる。GDP(国内総生産)の約4分の1で、国の年間予算の1.2倍の規模である。しかも、一度きりの政策ではなく、毎年継続的に配らないと持続的に消費を刺激したり、デフレから脱却することは難しそうだ。 日銀がお札を刷ることで120兆円を調達すれば、財源の心配をしなくてもよい。しかしそうしたことを続ければ、通貨価値の暴落=ハイパーインフレーションを招く恐れがある。そんなことが政治的に本当に実現可能で、しかもそこまで極端なことをするほど足元の日本経済は深刻なのだろうか。
・バーナンキ氏はブログの中で、ヘリマネ政策を実行するにあたって二つの問題があると論じている。一つは技術的な問題だが、より深刻なのは二つ目に挙げているガバナンスに関する問題だ。民主主義社会において、ヘリマネ政策のように、財政政策に類する極端な政策を誰がどうやって決定するかを問いかけている。これは中央銀行の独立性や金融政策と財政政策の関係に関する重大な問題提起をはらんでいる。
・中央銀行(日銀)に独立性が認められているのは、戦時中から戦後にかけての経験があるからだ。第一次世界大戦後のドイツでハイパーインフレーションが起きたのは、中央銀行が政府の債務を負担し、通貨を大量に発行したことが原因だ。また、一般に政府にはインフレを起こすことで課税と同様の効果(インフレタックス)を生じさせようという誘惑が働くので、中央銀行に独立性を与えることでそれを防ぐ狙いもある。日本のように公的債務の残高がGDP比200%超と先進国で突出して大きく、しかも財政赤字縮小の道筋が定かでない国にとって、金融政策は財政政策との関連でとらえる視点がとりわけ重要だ。
▽日本はフィスカルドミナンスに陥った
・しかし、アベノミクス以降の日銀と政府の関係をみていると、こうした懸念が現実のものになりかねない危うさがある。 白川方明・前日銀総裁はその著書の中で、金融政策と財政政策の関係について、2つのケースに分けて説明している。一つは独立性を保障された中央銀行が物価安定を目的として金融政策を運営する一方、財政当局は健全な財政運営を行うケース。もう一つは中央銀行に独立性がなく、政府も健全財政にコミットしないケースだ。
・前者では先に触れたように、今日の減税は明日の増税予想を生み、財政政策は景気に中立的になるため、中央銀行は金融政策によって物価をコントロールできる。 しかし、後者では中央銀行による財政赤字ファイナンスが発生し、中央銀行は結局財政に追随して金融政策を決定せざるを得なくなる。どんなに中央銀行の独立性を与えられていたとしても、中央銀行は財政破綻を回避せざるを得ず、結果的に財政状況が物価を決める状況になる。これを「フィスカルドミナンス」(財政従属)といい、ドイツのハイパーインフレはまさにこれによって起きた。
▽財政健全化の約束は空文化
・ひるがえって足元、日本で起きようとしていることをみると、後者が妥当するように見える。外形的には、日銀が独立して金融政策を決定している(日銀の政策委員会が政府から独立して金融政策の目標と手段を決めている)ようにみえるが、安倍首相の経済ブレーンから、金融政策の動きを予想する発言が出たり、ヘリマネ政策を推奨する発言が公然と飛び交ったりする。その一方、消費増税の先送り決定に象徴されるように、日本では増税は事実上不可能になり、財政健全化の約束は空文化している。
・ゼロ金利下では金融政策は有効性を失い、財政政策の出番であるのはその通りだろう。しかし、それが健全財政を続けるドイツではなく、毎年数十兆円を垂れ流し、財政規律のない日本で議論されているのが物悲しい。 日本はまさにフィスカルドミナンスに陥りつつある。
http://toyokeizai.net/articles/-/128012

次に、元銀行のエコノミストで信州大学教授の真壁昭夫氏が8月9日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「日銀が露呈した「金融政策の限界」という異常事態」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽揺らぎが発生している日銀と金融市場の信頼関係
・今後の世界経済と金融市場の行方を占う上で最も重要なファクターは、米国の大統領選挙などの情勢だろう。恐らく、それと同じくらい重要な要素は、主要国の金融政策だろう。 米国の米大統領選挙で、仮に共和党の候補であるドナルド・トランプ氏が当選すると、その影響はかなり大きいはずだ。今のところ、英国のEU離脱決定後の金融市場の混乱はひとまず収束した。しかし、ユーロ圏での反EU政党の躍進、英国とEUの離脱交渉の動向など不透明要素は枚挙に暇がない。 ただ、政治の動きは気まぐれな人々が決めることを考えると、その展開を予見しづらい。「気にはなるが結果を見ないと動けない」というのが、多くの投資家の本音だろう。投票結果を確認し、その都度、対応を決定するのが現実的だ。
・一方、金融政策に関しては、ある程度の見通しを立てることができる。特に、英国のEU離脱決定後、主要国は先行きへの懸念を払しょくすべく、金融政策を重視して景気を支える姿勢を示している。 従来は利上げの可能性もあったイングランド銀行(BOE)は、国民投票を境に金融緩和を志向した。欧州中央銀行(ECB)も追加緩和を進める可能性がある。年内の利上げの可能性を残した米連邦準備理事会(FRB)でさえ、ドル高、国際的な金融市場への配慮から、今後の政策運営には慎重だ。各国中銀の判断が、株価、金利(債券)、外国為替レートに影響し、ボラティリティ(価格変動率)は高まりやすい。
・そうした状況下で注目されるのは日銀だ。これまでサプライズ型の政策運営を行ってきた日銀と、株式や為替など金融市場の見方との間に溝が広まりつつある。冷静に考えると、日銀と金融市場の信頼関係に揺らぎが発生しているとも言える。日銀は、早期に市場との相互信頼の関係を再構築すべきだ。
▽金融緩和による景気回復には限界があり 限界という異常事態は修正の必要がある
・金融政策の基本的な役割は、金融システムの安定化や経済活動の円滑化を図ることだ。ただ、経済の発展段階によって、具体的な役割は少しずつ異なる。 例えば、わが国の高度経済成長期(1954年~73年)、重化学工業を中心に多くの産業が設備投資などのための資金を必要としていた。この中で、日本銀行は市中の銀行に対して資金を積極的に供給し、産業界の資金需要に応えた。
・1970年代初頭のオイルショックの時に景気が過熱しインフレのリスクが懸念されると、日銀は金利を引き上げて資金の需要を抑制し、景気の持続性を高めようとしてきた。これが、“物価の安定と金融システムの安定を支えることで経済の発展に貢献する”という、主要中央銀行の目的の根幹にある考えだ。 基本的に金融政策が機能するのは、モノに対する需要が堅調であり、それが物価の上昇につながる状況だといえる。このようにして金融政策が経済成長を支えられる場合、多くの国民は成長がもたらす幸福感を謳歌することができるだろう。
・一方、昨今の金融政策の役割は相当に拡大してきたといえる。世界経済の状況を俯瞰すると、各国の輸出は低迷している。これは需要が弱く、期待インフレ率も高まりづらいことを示している。 日銀は利下げや量的緩和、そしてマイナス金利などの導入によって短期から長期、超長期の金利を低下させようとしている。それによって、需要のみならず、株式などリスク資産の価格をも刺激しようとしている。例えば、株価が上昇すると、わたしたちは先行きに対して楽観的になり、お金を使うことに前向きになることがある。これが“資産効果”だ。
・ただ、こうした積極的な金融緩和は永続的に続けられるものではない。例えば、金融機関が日銀に国債を売却しなくなると、量的緩和策は続けられない。マイナス金利に関しても、金利の急低下が金融機関の収益を圧迫し、長く続けられる政策とは言えない。需要が低迷する経済環境下、金融の緩和で景気を回復させることには限界がある。限界という異常な事態はどこかで修正される必要がある。
▽財政ファイナンスが進むと止めるのは困難 際限ない金融緩和は国民の幸福感を低下
・7月の金融政策決定会合で、日銀は“質・量・マイナス金利”の3次元での追加緩和を期待した市場を裏切り、上場投信(ETF)の買い入れ倍増を軸とする追加措置を決定した。また、日銀は9月の会合で経済や物価情勢、これまでの金融政策の効果を総括的に検証すると表明した。
・この“検証”が何を意味するか、よくわからない。市場参加者は「3次元での追加緩和の見送りは、日銀が限界を認めたことの表れだ。マイナス金利凍結など金融政策の修正が進むのでは」と考え始めている。 修正の可能性がある一方、更なる金融緩和が進むかもしれない。7月の決定会合後、黒田総裁は金融政策の修正の可能性を表向きは否定している。それだけに、更に強力な、際限なき金融緩和が進む可能性は排除しきれない。その筆頭格がヘリコプターマネーだ。
・これは理論上、金融政策と財政政策を融合し、同時に進める政策だ。政府が国債を発行し、日銀はそれを引き受ける。同時に、国債と引き換えに、新しく刷ったお札(通貨)を政府に渡す。これで無制限な通貨供給が可能になる。この時、国債の発行者(政府)=保有者(日銀)であるから、実質的に政府債務残高は増えない。
・このような政策が進むと、政府が対価を求めず国民に現金などを給付する(ばらまく)ことへの期待が、一時的に景気の高揚感をもたらすかもしれない。しかし紙幣の乱発は悪性インフレのリスクを高める。 もっとも、デフレ環境下にあるわが国で、すぐに高率のインフレ=ハイパーインフレが進行するとは言いづらい。ただ、インフレはある時に急上昇することがあり、コントロールが難しい。
・そればかりか、いったん財政ファイナンスが進むと、止めるのは困難だ。財政ファイナンスで景気支援や軍備調達を進めた高橋是清は、財政の緊縮を進めようとした結果、軍部の怒りを買い2・26事件で暗殺された。また、最終的に国の借金を返済するのは国民だ。つまり、際限ない金融緩和は国民の幸福感を低下させることにもなりかねない。
▽強弁を続け市場の虚を突こうとする日銀を市場参加者は警戒している
・そのような際限なき金融緩和のリスクを考えると、9月の会合での検証は金融政策を修正するチャンスだ。日銀はサプライズ重視の金融政策の限界を認めるべきだ。そして、強弁を排し、本音ベースでのコミュニケーションを進めて市場との信頼関係を回復すべきだ。
・2013年4月の量的・質的金融緩和は、2年を念頭に2%の物価を達成する、“短期決戦型”の金融政策だ。2014年の消費増税が景況感を悪化させ始めると、日銀は“サプライズ演出”をも重視した。2014年10月の追加緩和、2016年1月のマイナス金利導入は、投資家を驚かせて半ば強制的に金利低下、円安の圧力を高めようとした。これは、機能が停滞した筋肉に電気ショックを与えて無理やり動かそうとすることに似ている。
・短期決戦とサプライズ重視の金融政策をもってしても、わが国の需給ギャップはプラスには転じていない。足許では物価の基調が下ぶれている。この中、市場は政策の限界を懸念している。一方、黒田総裁は「追加緩和に限界なし」と依然、強気だ。
・そして、強弁を続け、市場の虚を突こうとする日銀を、市場参加者は警戒している。強弁が発せられるほど、市場の警戒心は高まり中銀への信頼は低下するだろう。信頼回復を選択するかは日銀の判断次第だ。日銀に対する市場の信頼がさらに弱まれば、際限なき金融緩和が経済を壊す恐れもある。
・すでに、債券ディーラー、ファンドマネージャーらは日銀が景気を支えるよりも、期待を裏切りボラティリティーを掻き立てる存在になりつつあるとみなし始めた。この状況は主要国の中でも例がない。日銀は市場を圧迫するほどの行き過ぎた金融政策を進めてしまった。その修正は、異常な事態が正常に戻ることを意味する。
・今なら修正は可能だ。そして、それは必要だ。日銀は、短期決戦とサプライズ重視の政策スタイルを改めて市場との信頼関係を回復するか、際限なき金融緩和に踏み込み出口を閉ざすかの分岐点に立っている。日銀が原点に立ち返り、金融政策の役割への期待を考え直すべきだ。それができるかどうかが、今後の経済を大きく左右するだろう。
http://diamond.jp/articles/-/98283

7月下旬の金融政策決定会合では、まだヘリコプターマネー政策までは踏み込まなかったようだが、政府は経済対策で28兆円もの大盤振る舞いを決定している。実質的にはヘリコプターマネー政策に近いともいえる。第一の記事が指摘しているように、『日本はまさにフィスカルドミナンスに陥りつつある』。
第二の記事で、9月の会合で、これまでの金融政策の効果を総括的に検証、『更に強力な、際限なき金融緩和が進む可能性は排除しきれない。その筆頭格がヘリコプターマネーだ』、『インフレはある時に急上昇することがあり、コントロールが難しい。・・・いったん財政ファイナンスが進むと、止めるのは困難だ』、『日銀は、短期決戦とサプライズ重視の政策スタイルを改めて市場との信頼関係を回復するか、際限なき金融緩和に踏み込み出口を閉ざすかの分岐点に立っている』、との見解には全面的に賛成だ。9月の会合で日銀がこれまでの誤りを率直に認めて、「出口」へと向かうことを期待したい。
タグ:日銀の異次元緩和政策 東洋経済オンライン (その19)ヘリコプターマネー論議3 ヘリコプターマネーは、どうして危ないのか 金融政策は物価をコントロールできなくなる ベン・バーナンキ前FRB(米連邦準備制度理事会)議長 安倍晋三首相と会談 、「日本でもヘリマネ政策が導入されるのではないか」とマーケットの憶測を呼んでいる ヘリマネ政策は非常時の究極策 ミルトン・フリードマン デフレに対抗するための究極的な戦略 Fedにはどんな手段が残されているか マイナス金利政策、長期金利ターゲット政策に続く3番目の手段として、ヘリマネ政策を検討の俎上にのせている ▽「返さなくてもよいおカネ」という虫のよい話 、「借金」(debt)でなく「銀行券」(money)で財源を手当てし ヘリマネはこうした経済的な規律を一切、取り払ってしまう 家計は安心して消費を増やし、物価も上昇していく しかもそこまで極端なことをするほど足元の日本経済は深刻なのだろうか ヘリマネ政策のように、財政政策に類する極端な政策を誰がどうやって決定するかを問いかけている 日本はフィスカルドミナンスに陥った 財政健全化の約束は空文化 真壁昭夫 ダイヤモンド・オンライン 日銀が露呈した「金融政策の限界」という異常事態 これまでサプライズ型の政策運営を行ってきた日銀と、株式や為替など金融市場の見方との間に溝が広まりつつある 日銀と金融市場の信頼関係に揺らぎが発生 金融緩和による景気回復には限界があり 限界という異常事態は修正の必要 財政ファイナンスが進むと止めるのは困難 際限ない金融緩和は国民の幸福感を低下 日銀は9月の会合で経済や物価情勢、これまでの金融政策の効果を総括的に検証すると表明 更に強力な、際限なき金融緩和が進む可能性は排除しきれない。その筆頭格がヘリコプターマネーだ 紙幣の乱発は悪性インフレのリスクを高める インフレはある時に急上昇することがあり、コントロールが難しい いったん財政ファイナンスが進むと、止めるのは困難だ 強弁を続け市場の虚を突こうとする日銀を市場参加者は警戒 日銀は、短期決戦とサプライズ重視の政策スタイルを改めて市場との信頼関係を回復するか、際限なき金融緩和に踏み込み出口を閉ざすかの分岐点に立っている
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