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日本企業のコーポレート・ガバナンス問題(その7)出光創業家の”乱” [企業経営]

日本企業のコーポレート・ガバナンス問題については、4月14日に取上げたが、今日は (その7)出光創業家の”乱” である。

先ずは、8月4日付け日経ビジネスオンライン「出光興産、統合反対の創業家が打ち出した「奇策」 予定調和の業界再編、一転白紙の恐れも」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・出光興産と昭和シェル石油が進める統合計画に暗雲が立ち込めている。3日、出光の筆頭株主でもある創業家の代理人弁護士が都内で会見を開き、創業者の長男で5代目社長も務めた出光昭介氏が昭シェル株を市場で40万株取得したと明らかにした。
・出光は昭シェルとの統合を前提に、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)が保有する昭シェル株を買い取る計画を進めていたが、創業家のこの動きにより計画を進めるのは困難になる可能性が高まった。 今年6月に開かれた出光の定時株主総会で、創業家は昭シェルとの統合について反対意見を表明していた。7月11日には総会後初めて会社側と創業家側で話し合いの場が持たれたが、両者が歩み寄ることはなく議論は平行線を辿っている。9月にも予定していた出光の昭シェル株買い取りまで硬直状態が続くと見られたが、創業家が攻勢に出た形だ。
・40万株は昭シェルの発行済株式数の0.1%程度。全体からすれば少数だが、それを創業家が保有したことにより、会社の計画が頓挫する可能性が出てくる。それはなぜか。 出光はRDSから相対取引で昭シェル株を直接買い取る計画を発表していた。その株式数は1億2526万1200株で、発行済み株式数の33.2%に当たる。金融商品取引法では、発行済み株式数の3分の1(33.3%)を超える割合で株式を取得する場合は、不特定多数の株主から株を買い取るTOB(株式公開買い付け)を実施する必要があると規定している。つまり出光はTOBなしに株を買い取れるギリギリのラインでRDSと合意していたわけだ。
▽封じられた条件交渉
・創業家が40万株の昭シェル株を保有したことで、その前提が崩れる。創業家は出光の株式の20%以上を保有する株主グループと見られ、出光の「特別関係者」に当たるためだ。 代理人弁護士によれば、保有株式数が全体の3分の1を超えるかどうかを判断する際は、会社が取得する株式だけでなく、特別関係者の保有分も加味する必要があるという。これに従うと、創業家を含めた「出光サイド」が保有することになる昭シェルの株式数は3分の1を超える計算になり、RDSとの直接取引はできなくなる。
・創業家は昭シェルとの統合を阻むため、敢えて同社株を保有し出光サイドの保有比率を3分の1以上にするという「奇策」に出た。出光は「想定していなかった」(広報CSR室)とコメントしており、今回の創業家の動きが寝耳に水だったことを認めている。
・もともと出光はRDSから昭シェル株を買い取った後でなければ、統合について具体的な協議はできない状況だった。関大輔・出光興産副社長は7月11日の会見で「昭和シェル株の取得まで具体的な絵が示せないが、それができれば(創業家の)不安を払拭できると思う」と話していた。創業家は出光が株を保有し既成事実を積み上げた上で条件交渉に持ち込まれることを恐れ、奇策に出たわけだ。
・TOBにより出光が昭シェルを傘下に収める道は残されているが、昭シェルはTOBによる買収には反対していると見られる。また「出光興産、創業家の乱が招いた三方塞がり」でも触れたように、TOBに踏み切るには多額の資金を必要とし、買収後ものれんの償却負担が重くのしかかる。海外展開などへの投資がかさみ、財務基盤が磐石とは言えない出光がTOBに踏み切るハードルは高い。「袋小路に陥ったとは認識していない」と会社側は話すが、追い詰められつつあるのは事実だ。
▽誰のための統合か、遅すぎた議論
・石油元売り業界では、出光・昭シェルと並行し、JXホールディングス・東燃ゼネラル石油も来年をメドに経営統合する計画を進めている。業界はJX・東燃と、出光・昭シェルの2強体制に突入する見通しで、足元では公正取引委員会による審査も進んでいる。仮に出光・昭シェルの統合が破談となったとしても、JX・東燃統合の審査には大きな影響はないと見られるが、2強体制を前提とした各社の戦略は見直しを迫られる可能性がある。
・石油需要は減少の一途をたどっており、2040年度には2000年度の半分近くまで需要は減る見通し。縮小する市場で生き残りを図るため、各社は再編を模索してきた。足元では、供給過多による安値競争に悩まされている。自社系列のガソリンスタンドでさばき切れない余剰在庫が安価で市場に出回り、巡り巡って元売りの収益を圧迫する状況に陥っている。再編が実現すれば「業界の秩序を保てる」と関係者は言う。「元売りの数が減れば、余剰となっている生産能力を減らしやすくなるし、競争環境が緩和するので利益も出やすくなる」(関係者)からだ。国もエネルギー供給構造高度化法で元売り各社に実質的な減産を一律で迫るなどして暗に再編を求めてきた。つまり2強体制の誕生は、業界にとっても、国にとっても「成果」となる。
・創業家側はこうした再編ありきの業界動向に真っ向から異を唱える。「再編が悪いとは言わないが、2社体制で雨宿りしようとしても、(需要縮小という)嵐が過ぎ去ることはない」。創業家の顧問弁護士を務める浜田卓二郎氏は会見でこう強調し、「そもそも2社体制で損をするのは消費者だ」と話した。同じような見方は株式市場からも出ている。「在庫を安値で販売するのは、競争という観点からすれば当然のこと。業界一律で減産したり、国の後押しで再編して価格の安定を図ったりして『業界の秩序』を優先することが消費者のためになるかは疑問だ」(業界アナリスト)。仮に創業家側の目論見通りに出光が独立路線に転じ、なりふり構わぬ販売攻勢に出た場合、「業界の秩序」は崩れるかもしれない。それが業界にとっては避けるべき事態としても、ガソリンなどの価格が下がれば消費者にとってはメリットとなる。
・もっとも、創業家の動きに諸手を挙げて賛成することもまた難しい。会見で紹介された「皆様へ」と題した出光昭介氏のメッセージでは、「異なった経歴の中で成立し働いている人々を、出光大家族の中に加え、(出光社員と)同様に面倒を見ていく事に私は非常に危惧の念を抱きます」と統合反対の理由を述べている。だが、両社の社風を一つにまとめていくことは、統合後に乗り越えるべき課題ではあるにせよ、統合を阻む理由にはなりにくい。この点で創業家側と会社側とでは認識に大きなズレがある。また、需要が縮小する中で、どうすれば出光が自主独立を維持したまま成長を続けられるか、創業家がその具体策を提示しているわけでもない。
・出光と昭シェルは水面下で統合の準備を進めており、「両社の関係部署の社員は週に一回以上、顔を突き合わせて話し合いをしている」(関係者)という。「統合に関するゴタゴタで社員は疲弊している。早期決着したい」と浜田氏は話すが、その「ゴタゴタ」は、現経営陣と創業家との意思疎通ができていれば起き得なかった。大株主、創業家と経営陣との関係はどうあるべきか、そして今回の統合が何のために、誰のためにあるのか。こうした根本的な議論が置き去りにされたままであることが、今回の「ゴタゴタ」の根本的な問題だ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/080300406/?P=1

次に、山口利昭法律事務所が8月8日付けビジネス法務の部屋に掲載した「出光創業家の株式取得で改めて考える「公開会社法待望論」」を紹介しよう。
・出光興産の創業者一族の方々が、昭和シェル石油さんとの合併に反対表明をされたことが話題になっています。28日の出光さんの定時株主総会ではすべての議案が可決されましたが、創業家の資産管理会社の代表者が議案質問の際に、合併反対表明をされたそうです(マスコミでは「代理人弁護士」とありますが、代理人ではなく「弁護士資格を有する社長さん」ですね。そうでないと創業家側のストーリーが立たないです)。29日の毎日新聞夕刊では「会社側が創業家の株式保有比率を低下させるために第三者割当増資を検討」と報じたため、会社側が(慌てて?)「そんなことは一切検討しておりません!」と適時開示を出しています。
・法律上の「主要目的ルール」に関する議論等はさておいて、私は創業家の株式比率を下げるために第三者増資を検討することは、いくら会社側の要望が強いとしてもタブー(禁じ手)だと思います(そんなことをすると全国のオーナー企業さんを敵に回すことになりかねません)。どうせやるなら(?)オモテ沙汰にならないように、巧く創業家を崩すことを検討すべきです。大塚家具さんやロッテさんではありませんが創業家一族だって一枚岩ではないかもしれません。また出光さんの株を保有する公益財団法人について、創業家の税務対策として活用しているのかどうか不明ですが、公益財団法人の評議員や理事と創業家との属人的な関係、同法人の資産である議決権行使に契約上の制限が課されていないかどうか、といったところも問題になるかもしれません(ちなみに出光興産さんの定款をみると、種類株式は発行されていないようですね)。
・日経新聞の論調は、2010年2月のキリンとサントリーの統合撤回のときとまったく同じ状況で、業界におけるシナジー効果が失われることへの懸念が示されています。しかし、私の個人的な意見としては、あのキリン・サントリー統合撤回のときに、当ブログのエントリーで(恥ずかしい経験談と共に)述べたのと同じく、創業家側の対応には共感いたします。勝ち負けのハッキリしていない上場会社の国策的統合は失敗する確率は極めて高いと思いますし、成功するとしてもそれは才覚や能力ではなく「神風(運)」に依拠するものと考えます(対立する中東の国と親密な関係にある2社に神風は吹くのでしょうか)。
・時代の要請によって変容はしていますが「大家族主義」を貫いてここまで経営をされてきた出光さんは、「ここぞ」というときに創業家が経営に口を出すのがむしろ当然のことではないでしょうか。私の経験上、経営者にモノが言えない従業員に代わってモノを言う(言わねばならない)のが創業家です。「創業家の乱」などと見出しが躍っていますが、これも株主主権主義ではなく、労働者主権主義を重視した普通のコーポレートガバナンスの在り方のひとつだと考えます。企業風土が変わればビジネスの種を伸ばす土壌(ガバナンス)の在り方も変わるのがむしろ当然だと思います。
・労働組合を作らない(会社は従業員の生活を保証するものであり、解雇もせず、給与は労働の対価ではない、との)出光さんの企業風土が、他の会社の風土と合うかどうか、それを最も判断できるのは(100年以上、この会社を経営してきた)創業家一族ではないでしょうか。そもそも創業者(佐一氏)が「財産と経営を一致させてこそ、会社は社会の公器としての責任を全うできる。株式会社など、いかがわしいものである。税務上しかたなく株式会社形態を採用しているにすぎない」と公言しておられた企業なので、その精神的支柱はいまも創業家にあると思います。創業家の支配力が単純に持株数だけではわからないということは、先日の大手流通グループさんやセコムさんの件でも明らかではないでしょうか。
・(30日午後 追記)臨時報告書によると、28日の出光興産定時株主総会において、社長に対する取締役選任議案の賛成率は53%だったそうです。創業家側の保有比率を34%とみても、多くの株主が合併に反対していることがうかがわれます。創業家の精神的支柱、100年企業の社風というバランスシートに乗らない「無形資産」の持ち分保有者の声は大きいなぁと感じます。
http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2016/06/post-3eac.html 

第三に、闇株新聞が8月17日付けで掲載した「出光興産の不毛な「内紛」」を紹介しよう。
・最近の株式市場では企業の「内紛」がやたら目につきますが、そんな企業はだいたい業績面でも株価面でも悲惨な状況となります。本日取り上げる出光興産も、一般株主を軽視した不毛な「内紛」を繰り広げています。
・出光興産は昨年(2015年)7月30日の取締役会で、昭和シェルの33.24%を保有する欧州石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルから全株を取得すると決議しました。取得価格はその時点の株価に約15%のプレミアムを乗せた1株=1350円(取得金額は1691億円)で、公正取引委員会による独占禁止法の許認可を得てから正式取得となり、それから両社は経営統合すると公表されていました。
・そして同年11月12日に、両社はその経営統合の形態を「合併」とすることに合意したようですが、その際に出光興産の現経営陣が出光昭介・名誉会長をはじめとする創業家に十分な説明をしたかどうかが問題となっています。 常識的に考えると、「合併」なら出光興産はロイヤル・ダッチ・シェルに約束した1691億円は支払っても、それ以外の株主には出光興産株式を割り当てるだけで資金負担が大幅に軽減されます。しかし創業家は持ち株比率が大幅に薄まるため「おいそれ」と承諾できるものではありません。まあ創業家も後から誰かに言われて気がついたのでしょう。
・さらに昭和シェルはロイヤル・ダッチ・シェルだけでなくサウジ・アラムコも14.96%の株主ですが、ロイヤル・ダッチ・シェルもサウジ・アラムコも日本の石油元売りに見切りをつけて撤退するため、アラムコだけが現金ではなく出光興産の株式を受け取る「合併」で承諾するはずがありません。
・つまり出光興産の現経営陣は創業家にもアラムコにも十分な根回しをせずに、安直に資金負担が少ない「合併」に決めてしまったような気がします。「買収」なら発行株数が変わりませんが、昭和シェルの全株式を買い取るため膨大な資金負担となるからです。
・6月28日に開催された出光興産の定時株主総会は、現経営陣の取締役選任と一部監査役の選任だけが議題で、「合併」の承認は年内に改めて開催される臨時株主総会に諮られることになっていました。 ところがその席で創業家の代理人である浜田卓二郎弁護士(元衆議院議員)が、議題でもない「合併」に創業家は反対である旨と、創業家は出光興産の33.92%を保有していると表明してしまいました。 これでは浜田卓二郎弁護士が「いったい何をやりたかったのか?」が全く理解できません。もし本当に33.92%を創業家が保有しているなら、「合併」の承認には出席者の3分の2以上の賛成が必要となるため全員が出席しても否決できてしまいます。つまりこの段階では黙っているだけでよかったはずです。
・ここで浜田弁護士の主張する33.92%には、出光文化福祉財団の7.75%と出光美術館の5.0%が含まれているはずですが、冠に「出光」がついているだけで創業家に味方するものと勝手に思い込んでいる可能性があります。創業家は現時点ではこの出光文化福祉財団と出光美術館の議決権行使のための意思決定プロセスをよく確認して、完全に味方に引き入れてしまうことが絶対に必要だったはずですが、どうもその前に浜田弁護士がスタンドプレーに走ってしまったような気がします。
・さらに浜田弁護士は8月3日になって、出光昭介・名誉会長が昭和シェル株式を40万株(全体の0.1%)取得したと発表しました。これは出光興産がロイヤル・ダッチ・シェルの保有する昭和シェル株式の33.24%を「相対」で取得する際、出光昭介氏が0.1%を取得したため出光興産は合計33.34%の昭和シェル株を取得することになり、TOBで全株主に公平な売却機会を与えなければならないという主張です。
・しかしこれも無理な「こじつけ」です。そもそも意見が対立している出光興産と出光昭介氏の持ち株を合計することに、何の意味もないからです。さらに出光興産とすればロイヤル・ダッチ・シェルから取得する昭和シェルの株数を0.1%分だけ引き下げればいいだけで、事実そのように検討しているようです。
・要するに出光興産を巡る一連の「内紛」には大義名分がなく、所詮は出光興産のサラリーマン経営陣と、亡くなった創業者(出光佐三氏)が偉かっただけのお金持ち創業家が、一般株主の利益など無視した「不毛な争い」を展開しているだけとなります。
・しかし一連の騒動で出光興産の株価は2483円(6月10日)から本日(8月17日)は1913円、昭和シェルの株価も1210円(6月9日)から本日は880円と、大幅に値下がりしています。また出光興産はロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル株式を1350円で取得する約束になっており、すでに大幅な評価損失となってしまっています。
・いずれにしても不毛な「内紛」の弊害は、出光興産と昭和シェルの一般株主にしっかりとツケ回されていることになります。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1805.html

日経ビジネスオンラインが指摘するように、『金融商品取引法では、発行済み株式数の3分の1(33.3%)を超える割合で株式を取得する場合は、不特定多数の株主から株を買い取るTOB(株式公開買い付け)を実施する必要があると規定』、を活用した創業家側の「奇策」はなるほどと感心させられた。『業界一律で減産したり、国の後押しで再編して価格の安定を図ったりして『業界の秩序』を優先することが消費者のためになるかは疑問だ」(業界アナリスト)』、との指摘もその通りだろう。『昭シェルはTOBによる買収には反対』しているというのも、日本的な「対等合併」の形にこだわっているためだろう。出光側が、TOBでは高くつくと忌避しているのは、無理もないところだ。
ビジネス法務の部屋が指摘するように、『創業家の株式比率を下げるために第三者増資を検討することは、いくら会社側の要望が強いとしてもタブー(禁じ手)だと思います』、さらに『経営者にモノが言えない従業員に代わってモノを言う(言わねばならない)のが創業家です。「創業家の乱」などと見出しが躍っていますが、これも株主主権主義ではなく、労働者主権主義を重視した普通のコーポレートガバナンスの在り方のひとつだと考えます』、はその通りだ。
闇株新聞が指摘する、『出光興産の現経営陣は創業家にもアラムコにも十分な根回しをせずに、安直に資金負担が少ない「合併」に決めてしまったような気がします』、は、もともとこの問題がこじれた最大の要因のようだ。アラムコの意向はまだ報じられてないが、彼らにとってはどうでもいい些事なのかも知れない。ただ、『TOBで全株主に公平な売却機会を与えなければならないという主張・・・これも無理な「こじつけ」です。そもそも意見が対立している出光興産と出光昭介氏の持ち株を合計することに、何の意味もないからです』、については、日経ビジネスオンラインでは、創業家を出光の「特別関係者」に当たるとみており、見方が対立している。『出光興産とすればロイヤル・ダッチ・シェルから取得する昭和シェルの株数を0.1%分だけ引き下げればいいだけで、事実そのように検討しているようです』、については、その場合、出光興産だけでは拒否権を確保できなくなる問題点もあるのではなかろうか。
いずれにしろ、創業家の持ち株比率が新会社では1/3未満となってしあうのであれば、創業家側としては、よほどの「お人好し」でない限り、抵抗するのは当然だと思う。今後の展開は大いに注目されるとことだ。
タグ:昭和シェル石油 日経ビジネスオンライン 出光興産 ロイヤル・ダッチ・シェル 闇株新聞 日本企業のコーポレート・ガバナンス問題 山口利昭 ビジネス法務の部屋 (その7)出光創業家の”乱” 出光興産、統合反対の創業家が打ち出した「奇策」 予定調和の業界再編、一転白紙の恐れも 統合計画に暗雲 出光昭介 昭シェル株を市場で40万株取得 定時株主総会で、創業家は昭シェルとの統合について反対意見を表明 出光はRDSから相対取引で昭シェル株を直接買い取る計画を発表していた。その株式数は1億2526万1200株で、発行済み株式数の33.2% 金融商品取引法では、発行済み株式数の3分の1(33.3%)を超える割合で株式を取得する場合は、不特定多数の株主から株を買い取るTOB(株式公開買い付け)を実施する必要があると規定 創業家は出光の株式の20%以上を保有する株主グループと見られ、出光の「特別関係者」に当たるためだ ・創業家は昭シェルとの統合を阻むため、敢えて同社株を保有し出光サイドの保有比率を3分の1以上にするという「奇策」に出た 昭シェルはTOBによる買収には反対 TOBに踏み切るには多額の資金を必要とし、買収後ものれんの償却負担が重くのしかかる 誰のための統合か、遅すぎた議論 JXホールディングス・東燃ゼネラル石油も来年をメドに経営統合する計画 石油需要は減少の一途をたどっており、2040年度には2000年度の半分近くまで需要は減る見通し 出光創業家の株式取得で改めて考える「公開会社法待望論」」 創業家の株式比率を下げるために第三者増資を検討することは、いくら会社側の要望が強いとしてもタブー(禁じ手)だと思います 「大家族主義」を貫いてここまで経営をされてきた出光さんは、「ここぞ」というときに創業家が経営に口を出すのがむしろ当然のことではないでしょうか 私の経験上、経営者にモノが言えない従業員に代わってモノを言う(言わねばならない)のが創業家です 。「創業家の乱」などと見出しが躍っていますが、これも株主主権主義ではなく、労働者主権主義を重視した普通のコーポレートガバナンスの在り方のひとつだと考えます。企業風土が変わればビジネスの種を伸ばす土壌(ガバナンス)の在り方も変わるのがむしろ当然だと思います 出光興産の不毛な「内紛」」 出光興産の現経営陣が出光昭介・名誉会長をはじめとする創業家に十分な説明をしたかどうかが問題となっています ロイヤル・ダッチ・シェルもサウジ・アラムコも日本の石油元売りに見切りをつけて撤退するため、アラムコだけが現金ではなく出光興産の株式を受け取る「合併」で承諾するはずがありません 出光興産の現経営陣は創業家にもアラムコにも十分な根回しをせずに、安直に資金負担が少ない「合併」に決めてしまったような気がします そもそも意見が対立している出光興産と出光昭介氏の持ち株を合計することに、何の意味もないからです。さらに出光興産とすればロイヤル・ダッチ・シェルから取得する昭和シェルの株数を0.1%分だけ引き下げればいいだけで、事実そのように検討しているようです
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