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東京都の諸問題(その3)豊洲新市場移転2(豊洲市場と環境省・土壌汚染対策法の「怪しい関係」、石原元知事の責任、築地売却案のルーツ、東京地検特捜部の出番など) [国内政治]

東京都の諸問題については、9月24日に取上げたが、今日は、(その3)豊洲新市場移転2(豊洲市場と環境省・土壌汚染対策法の「怪しい関係」、石原元知事の責任、築地売却案のルーツ、東京地検特捜部の出番など) である。

先ずは、建築ジャーナリストの細野透氏が9月20日付け日経Bpnetに寄稿した「【緊急出稿】豊洲市場と環境省・土壌汚染対策法の「怪しい関係」」を紹介しよう(▽は小見出し、+は段落)。
▽土壌汚染地に食品市場の建設を許容する技術者は皆無
・豊洲市場では目下、建物の地下を空洞にした決定プロセスが、大きな問題になっています。実は、土木学会・建設マネジメント委員会・環境修復事業マネジメント研究小委員会が、2013年に、豊洲への市場建設について調べていました。土木学会は建築学会と並んで、建設関係者に大きな影響力を持つ、有力な学会です。
・その具体的な内容は、日本大学理工学部土木工学科に2013年4月に提出された、下池季樹氏による学位請求論文、『土壌汚染対策事業の最適なマネジメント手法導入に関する研究』に掲載されています。この論文は審査に合格し、同氏には2013年10月に工学博士の学位が授与されました。 執筆者の下池季樹氏は、土壌汚染対策事業の現場管理に従事している技術者ですが、それと同時に土木学会・環境修復事業マネジメント研究小委員会の小委員長という立場にありました。そして同論文自体は、小委員会のメンバーと協同して、調査・研究した成果に基づいています。したがって、個人の論文であると同時に、土木学会小委員会による豊洲事業への見解であるとも受け取れるのです。
・同論文の中に、豊洲市場と土壌汚染対策法の「怪しい関係」が記されています。同法を管轄するのは環境省で、小池百合子都知事は元環境大臣でした。小池知事は「怪しい関係」に気がついているのでしょうか。
・まず、歴史を振り返る必要があります。土壌汚染およびその対策事業が本格的に注目されるようになったのは、1986年から1991年までのいわゆる「バブル景気」のころに、都市における工場跡地の再開発などが盛んに行われるようになった時期でした。 しかし工場跡地の再開発に際して、ヒ素や重金属などによる土壌汚染が発覚し、周辺住民とのトラブルや開発計画の中止などの問題が多発しました。それに対応するために、土壌汚染対策法が2002年に成立し、翌年施行されました。しかし、対策事業の前例が少ないため、具体的なマネジメント手法が不足していました。
・土木学会小委員会は、「土壌汚染対策事業における成功事例と失敗事例」「土壌汚染対策事業におけるマネジメント事例」などを研究するために、主に建設会社や建設コンサルタント会社などで働く技術者を対象にして、各種のアンケート調査を実施しました。 アンケート調査のうち、豊洲市場問題に関係する部分をピックアップします。
・「土壌汚染地域でも、適切な対策を施せば、何らかの土地利用は可能とする意見が多数を占めている。ただし、土地の利用方法については、事務所なら容認できるという意見が大半(54パーセント)で、次いで住宅(19パーセント)、倉庫(15パーセント)と続いた」(下池論文、図も下池論文)
・実際問題として、汚染土壌の跡地に建設された事務所ビルで働くのは、いくら汚染対策をしていたとしても、気持ちのいいものではありません。 また住宅ならいいと考える技術者が19パーセントいるようですが、汚染土壌の跡地にマンションを建設した場合には、いわゆる風評被害によって買いたたかれるリスクを内在します。すなわち購入者は不安な気持ちで生活することになります。
・そもそも豊洲市場は食品を扱う場所です。汚染土壌の跡地に、そんな施設の建設を認める技術者は存在しません。分類的には商業施設になるのですが、図を見れば分かるように、許容する回答者は0パーセントです。全員が反対しています。
・発注者から依頼されれば、建設事業に従事しなければならない立場にある建設技術者といえども、本音では汚染土壌の跡地に、食品市場を建設することを拒否しています。これは建設技術者の本能であり、守らなければならない倫理観でもあるのです。
・石原慎太郎元東京都知事、東京都中央卸売市場長を始めとする責任者たちは、なぜ道を誤って、「禁断の地」豊洲への市場建設に踏み切ったのでしょうか。
▽「土壌汚染対策法」の欠陥問題
・下池論文の末尾に掲載された「築地・豊洲の沿革年表」から、要点をピックアップしましょう(必要に応じて、筆者が加筆しました)。
 【築地市場の再整備が進んでいた時期】
  1988年─築地市場再整備基本計画策定、総工費2380億円を予定
  1993年5月─築地市場再整備起工祝賀会、鈴木都知事も列席し祝賀
  1995年4月─青島都知事就任、東京都市博中止決定
  1995年11月─東京都が突然、財政の逼迫を理由に再整備計画の見直しに言及
  1996年1月─築地市場現地再整備が予算を380億円執行した段階で工事中断
 【豊洲移転計画が浮上した時期】
  1998年6月─豊洲移転計画が浮上 東京都中央卸売市場長(宮崎哲夫氏)名の「臨海部への築地市場移転可能性にかかる検討結果について」が通知される
  1999年4月─石原慎太郎氏が都知事に就任
  1999年9月─石原都知事、築地を視察して、「古い、汚い、危ない」と批判
 【東京ガスが市場移転に難色を示した時期】
  2000年6月─東京ガスが市場移転に難色 土地所有者の東京ガスが、東京都に対して、市場移転に難色を示す文書を送付。「築地市場の豊洲移転は基本的に受け入れがたい。豊洲用地は工場跡地であり、土壌処理や地中埋設物の撤去等が必要。また大変な改善費用を要する」
  2001年2月─豊洲移転に関して、東京ガスと東京都の基本合意 難色を示していた東京ガスが、なぜ豊洲移転を受け入れたのか。残念ながら、「築地・豊洲の沿革年表」には、詳しい説明がない。
  2001年12月─「東京都卸売市場整備計画(第7次)」において、豊洲移転を決定
 【土壌汚染対策法の弱体化工作が表面化した時期】
  2002年5月─土壌汚染対策法制定・交付 ここから翌年の施行までの期間に、東京都と環境省の間で、豊洲を除外可能とする附則3条が「政策的に」付けられた事実を、民主党川内議員が突き止め、国会で質問。
  2003年2月─土壌汚染対策法施行、豊洲への法適用を除外する附則3条を付加  附則第3条「第3条の規定は、この法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場、または事業場の敷地であった土地については適用しない」。東京ガス豊洲工場はすでに使用が廃止されていたため、土壌汚染対策法が適用されないことになった。これを同法の弱体化工作と定義する。
▽「築地派」vs「豊洲派・石原慎太郎都知事」
・「築地・豊洲の沿革年表」を続けます。
 【豊洲汚染が再び争点になった時期】
  2006年 12月─「豊洲新市場整備等事業実施方針」公表
  2007年3月─日本環境学会による現地視察で基準1万倍の地下水汚染発覚
  2007年3月─東京都知事選告示、築地問題と豊洲汚染が争点に
  2007年4月─石原都知事は浅野史郎氏、黒川紀章氏らを破り3選
 【専門家会議と技術会議が設置された時期】
  2007年5月─第1回専門家会議開催
  2008年7月─第8回専門家会議が見解 大手メディアが「専門家会議が安全宣言」という“誤報”を配信。
  2008年8月─技術会議の設置 技術会議の中で、土壌汚染対策法の弱体化工作が「無効になった場合」の対処を議論。
 【日本環境学会の声明があった時期】
  2008年8月─日本環境学会が声明 築地市場の豊洲移転の凍結、土壌調査のやり直しを求める。
  2009年1月─不透水層の問題が発覚 都が地下水汚染が拡散しない根拠としていた「不透水層」に、存在を確認できない箇所が発覚。同時に不透水層内部からの汚染も発覚。
  2009年1月─豊洲の地下に杭1万8000本 不透水層を貫徹、穴だらけの不透水層であることが発覚。
 【石原都知事による移転強行宣言の時期】
  2009年7月─都議会議員選挙。民主党、移転反対を公約して大勝 民主党54人、自民党38人・公明党23人(合計61人)、共産党8人という結果。
  2010年7月─豊洲の盛り土に汚染発覚 汚染土壌の搬入、検査の手抜き、地下水による再汚染の疑い。
  2010年10月─石原都知事、議会との約束を破り移転強行を宣言 石原都知事は議会とどんな約束をしていたか。また、ここでいう議会とは民主党・共産党の62人だったのか。それとも、悪名高いドンが率いる、自民党・公明党の61人だったのか。残念なことに、「築地・豊洲の沿革年表」には、詳しい説明がない。
  2011年4月─石原都知事4選(2012年10月に辞職)
▽小池環境大臣は「土壌汚染対策法の弱体化工作」とは無縁
・「築地・豊洲の沿革年表」には情報が盛り沢山なのですが、その中で最も気になるのは、「土壌汚染対策法の施行時に附則3条が付加され、同法が弱体化された結果、豊洲への法適用が除外された」問題です。  東京都と環境省の、誰が、どんな目的で、土壌汚染対策法の弱体化工作をしかけたのでしょうか。そして、これによって、誰が得をしたのでしょうか。さらに難色を示していた東京ガスが、豊洲移転を受け入れたのは、弱体化工作の結果だったのでしょうか。あたり一面に「黒い霧」が立ち込めているような感じです。
・土壌汚染対策法を管轄するのは環境相です。すると気になるのは、小池都知事がかつて環境大臣だった事実です。 調べてみると、2002年5月に土壌汚染対策法が制定されたとき、環境大臣は小泉内閣の大木浩氏でした。また2003年2月に土壌汚染対策法が施行された際に、「豊洲への法適用を除外する附則3条」を付加したときの環境大臣は小泉内閣の鈴木俊一氏でした。
・これに対して小池氏が、小泉内閣の環境大臣だったのは2003年9月~2006年9月でした。よって欠陥問題には無縁です。すなわち「土壌汚染対策法の弱体化工作」について、堂々と調査できる立場にいることになります。小池都知事なら必ず調査するに違いありません。
・さて、豊洲市場の法的な立場は、結局どうなったのでしょうか。 「豊洲市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」の第8回会議録(2008年12月15日)の中で、東京都の担当者は次のように説明しています。 「私どもで考えています土壌汚染対策とは、まず土壌につきましては環境基準を超える汚染物質を除去するということです。それから、地下水についても環境基準以下に浄化していくような対策を、現在考えているということでございます」 「現在、豊洲新市場予定地につきましては、この土壌汚染対策法の対象にはなっていないんですけども、今後の土壌汚染対策のあり方といったものが今議論されている内容を見ますと、土壌汚染対策の対象になる可能性がございます。仮に土壌汚染対策法が改正されまして、同法の対象になる場合には、例えば環境基準を超えるような汚染物質が検出された土地につきましては、土壌汚染対策法としての区域に指定をされる。そのため対策が求められるということでございます」
・続いて2009年(平成21年)2月に作成された「報告書」には、「国が検討している土壌汚染対策法の改正も視野に入れて対策を策定している」と記されています。 具体的には以下の4点です。
+地下水の濃度──地下水については、対象区画の中心の1 地点で、『土壌汚染対策法に基づく調査および措置の技術的手法の解説』(H15.9環境省監修、財団法人土壌環境センター編)に準じて、試料採取を行ない、測定した濃度値とする。
+地下水の浄化確認──豊洲新市場予定地が同法の対象となった場合でも対応できるように、地下水の水質をモニタリングできる観測井戸を設置する。
+土壌の汚染濃度──実験の初期段階で、土壌汚染対策法施行規則第59 条に準じて、5地点から試料を採取し、その平均的な値を把握する。
+盛土の安全対策──盛土の調査は100立米毎に25物質(土壌汚染対策法で指定された特定有害物質)について行い、汚染が見つかった場合には汚染土壌は処理し、きれいな土を盛ること。
・この報告書通りに進行したかどうかは、小池百合子都知事が指導した緊急調査によって、近日中に明らかになるかもしれません。
▽行政機関の発注業務担当者は「情報公開」を最重視
・下池論文は、豊洲市場における土壌汚染対策事業の問題点も指摘しています。堅い話が続いたので、読者の皆さんもお疲れでしょうから、図を中心にした説明に切り替えます。
・まず有名になった「豊洲市場のインチキ構造図」です。市場建物の下部「2.5m+2.0m=4.5m」は、実際には盛土ではなく、コンクリートで囲われた空洞になっています(図は「パンフレット─豊洲新市場予定地の汚染物質処理に関する実験について─東京都中央卸売市場」から引用)。
・この図は9月20日現在、下のように修正されています。 豊洲市場の2点の図と比較しながら、土木学会小委員会が、行政機関・環境部門の発注業務担当者を対象にして、アンケート調査した結果を眺めてください(回答者は21都道府県庁、8政令指定都市。図は下池論文から引用)。
・行政機関の発注業務担当者が、環境修復事業を実施する際に重視するのは、1に「情報公開」(66.7パーセント)、 2に「リスクの軽減」(48.1パーセント)、3に「第三者への説明責任・折衝」(44.4パーセント)です。   それにもかかわらず、優秀な人材が多いはずの東京都庁の担当者は、豊洲市場の建設プロセスにおいて、なぜ情報公開に目を背けて、「臭いものに蓋」をしてしまったのでしょうか。
▽豊洲市場における土壌汚染対策事業マネジメントの問題点
・最後に、豊洲市場プロジェクトにおける、土壌汚染対策事業マネジメントの問題点を説明します(図は3点とも、下池論文から引用)。 この図は、豊洲市場プロジェクトについて、「事業構想から調査段階において、きちんとしたマネジメント体系がなかったために、迷走状態に陥ってしまった。PM方式が必要だった」と分析しています。 念のために「各マネジメントの定義」をつけ加えました(下の表)。
・なお、環境修復事業マネジメント研究小委員会は、土木学会の上部委員会に提出する活動報告書に、次のように記しています。 「豊洲の土壌汚染問題に関する意識調査を行うため、環境新聞社に協力を求め、当事者に対しアンケートやインタビューの準備を進めていた。しかし、この問題は単純ではないことが分かり、実際に実行した場合には、研究メンバーを含め社会に多大な迷惑を引き起こす恐れがあると考え断念した。その代わりに、主に土木学会関係者を対象とした意識調査を実施した。現在、一般国民向けのアンケートも実施している」  この記述には、土木学会の会員らしい律儀な心情が読み取れるのですが、思い切って一歩踏み出していれば、現在の混迷状態を打開する決定的な資料になり得ていたかもしれません。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/092000052/?P=1

次に、9月18日付け日刊ゲンダイ「食の安全より保身…石原元知事が「盛り土」ケチった事情」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・なぜ専門家会議が提言した「盛り土」が行われず、地下に空間がつくられたのか――。東京都の豊洲市場問題の大きな焦点だ。石原慎太郎元都知事は、「私はだまされた」「他人任せにしてきた」などと呆れた発言を繰り返しているが、当時の状況を調べてみると、工法変更の裏に経営危機に陥った「石原銀行」の存在があった。慎太郎氏の責任は重大だ。
・豊洲市場予定地で環境基準の4万3000倍という高濃度のベンゼンが検出された08年5月。土壌汚染対策について当時の慎太郎知事は定例会見でこう発言している。 〈もっと費用のかからない、しかし効果の高い、そういう技術があるかもしれない〉(08年5月16日) 〈技術的なことをリサーチするのは私たちの責任。いたずらに金をかけることで済むものじゃない〉(08年5月23日) その年の7月に専門家会議の最終報告で「盛り土」が提言されるのだが、それまでの過程で慎太郎氏が、汚染対策にかかる“カネ”をしきりに気にしていたことがわかる。安全よりも工費優先か、とツッコミたくなるが、費用を抑えるのは都民のためじゃない。ズバリ“保身”だ。
▽1400億円救済で針のムシロだった
・都庁の内情に詳しいジャーナリストの広野真嗣氏がこう言う。 「専門家会議の最終報告を愚直にそのまま実現しようとすると、費用は1000億円を超えると推計されました。タイミングの悪いことに、その直前の08年3月の都議会で経営不振だった『新銀行東京』について、1000億円の減資と400億円の追加出資を決めたばかりだった。そのため当局は、豊洲の土壌汚染対策について、新たな財政支出をなるべく抑えた上で、効果的な方法を模索せざるを得なくなったのです」
・慎太郎氏の“肝いり”で05年4月に開業した「新銀行東京」は、計画段階から都庁内で「自治体が税金を投入して銀行を経営して大丈夫なのか」と懸念された通り、多くの融資が不良債権化し、わずか3年で1016億円の累積赤字に転落した。事実上の倒産状態を救済するため、東京都は08年3月の議会に1000億円の減資と400億円の追加出資を提案。議場にヤジと怒号が飛び交う中、慎太郎氏が「都民の皆さまに、深くおわび申し上げます」と頭を下げ、提案を通してもらったのだった。
・1000億円の血税をドブに捨てた直後で、針のムシロの慎太郎氏だ。これ以上、都民に批判されないよう、豊洲問題でさらなる1000億円規模の支出は何としても避けたいと考えたのは、想像に難くない。 「そもそも石原知事は豊洲市場のことに関心がなかった」(都庁OB)という声もある。都民のための「食の安全・安心」にカネをかけるより、自分のメンツが大事。やはり豊洲問題の真犯人はこの男だ。無責任な態度は許されない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190140/1

第三に、9月27日付け日刊ゲンダイ「地検特捜部の真価問われる 豊洲「官製談合」疑惑に新証拠」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・さあ、東京地検特捜部の出番だ。 何から何までデタラメの豊洲新市場で、くすぶり続けているのが官製談合疑惑だ。 主要3施設の建築工事は2013年11月の1回目の入札で、大手ゼネコンに「予定価格が安すぎる」と一蹴された。その後、都当局がゼネコン側にヒアリングすると、翌14年2月の再入札で都は3施設の予定価格を計407億円、約1.7倍もつり上げ、いずれも99%超と異常な高落札率で大手ゼネコン各社が受注した。
・都は否定するが、ゼネコン側とのなれ合いが建設費高騰を招いた疑いは晴れない。さらに談合を裏付けるような新たな証拠も浮上している。 主要3施設が入札不調に終わった1回目に、豊洲の別施設は無事、落札にいたった。関東建設工業(本社・群馬県太田市)を代表とする中小ゼネコン4社のJV(共同事業体)が請け負った「管理施設棟」で、受注額は69億7714万円。落札率は実に99.99%に上った。
▽予定価格を大手が退け、中小が請ける不可解
・「管理施設棟と主要3施設では事業規模は違えども、都は国交省作成の同じ建設資材労務単価や積算基準を使って予定価格を算定します。資材や人件費の見積もり基準は一緒なのに、大手ゼネコンが退ける一方で中小が請け負うのはあり得ない。資材と人件費の条件が同じなら、大手ゼネコンの技術力をもってすれば、確実に中小より安く仕上げられます。入札が逆の結果に終わったのは不可解です」(都職員OBで、臨海部開発問題を考える都民連絡会の市川隆夫事務局長)
・予定価格は事前に公表され、入札と言っても競争相手がいないから、ほぼ100%の高落札率は当たり前。しかも土壌汚染対策を請け負ったのは青果棟、水産卸売棟、仲卸売棟の順に鹿島JV、大成JV、清水JVと、建物の落札JVと見事にリンクする。 土は盛らず、建設費だけは大盛りとは、ふざけた話だ。官製談合の公訴時効は3年で、リミットは迫っている。逃げ切りを許せば、特捜部の存在意義が問われる。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190522/1

第四に、9月27日付け日刊ゲンダイ「築地売却ありき」のルーツはアキバの“成功体験”にあり」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・まず跡地売却ありきで進められている築地市場の移転計画。銀座に隣接する23ヘクタールもの超一等地を売りさばくのが、豊洲移転の大前提となっている。築地の跡地を売却したら、都には莫大なカネが入ってくる。そうした利権絡みのウワサが絶えぬ“錬金術”のルーツはアキバにあった。
・JR秋葉原駅の西側に広がっていた「やっちゃば」を覚えている人も年々減っているだろう。かの地にあった神田青果市場(千代田区)が大田市場に移転したのは1989年のこと。世はバブル真っ盛り。地価高騰がピークに達していたころだ。約2・7ヘクタールの跡地も凄まじい評価額をはじき出し、実に約3844億5280万円。1坪当たり約4700万円という目玉が飛び出すほどの高値がついた。
・「神田市場の管理は築地市場と同じ、都の中央卸売市場という知事部局の担当です。その予算は『公営企業会計』として一般会計から切り離され、独立採算が大原則。都の予算には変わりありませんが、別のサイフを持たされているようなもの。神田市場は閉場する時、いったん市場の会計から都の一般会計に“売却”されています。市場会計には評価額通りの巨額の売却益が転がり込んだのです」(都庁OB) 市場会計の主な収入源は各市場の施設使用料で、当時は年間55億円前後で推移していた。その約70年分もの大金を濡れ手で粟でゲットしたのだ。市場役人の金銭感覚を狂わせるには十分の成功体験だったに違いない。
▽“都議会のドン”も一枚かんだ再開発
・ただし、跡地の一部には移転反対業者が残存建物にとどまり、市場役人は幾多の立ち退き訴訟の矢面に立つハメに。土地の完全な明け渡しは99年4月まで待たざるを得なかった。 時を同じくして石原慎太郎都知事が誕生。2000年末に跡地一帯を「IT産業の世界的拠点とする」と宣言し、翌01年末には跡地を民間に売却した上で、2つの高層ビル建設計画を発表した。跡地の再開発を巡っては石原氏と大手ゼネコンとの癒着疑惑が今なお週刊誌を賑わしている。 「05年のビル竣工時のセレモニーでは“都議会のドン”こと、内田茂都議が祝辞を述べた際、『千代田区議時代から秋葉原の再開発に尽力してきた』と紹介されていました」(都政担当記者))
・築地移転の正式表明は神田市場跡地の再開発計画発表と同じ01年12月。市場会計は、このころには赤字体質が災いし、ピーク時の92年度に3852億円あった「預金」を年々切り崩し、01年度末には429億円までガタ減りしていた。かくなるうえは「築地も売っちゃえ!」で、「夢よ、再び」を狙ったのだろうか。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190587/1

第五に、週刊文春10月6日号「石原慎太郎とドン内田 ”無責任コンビ”の癒着」のポイントを紹介しよう。
・石原は腹心の浜渦(石原を都知事選に引っ張り出した)を副知事にしようとして都議会と対立。小渕首相に相談、野中官房長官の仲介で築地の料亭で手打ち式。浜渦は江東区長に「(東京ガス)跡地を新市場に」と要望させた。01.7に移転合意。価格は東京ガスに譲歩を重ね、”きれいな土地”並みの1900億円に。
・石原は重要事項は浜渦に丸投げ、浜渦は”都庁のドン”に、内田らは警戒心。大手町の再開発案件で対立決定的に。04に千代田区の同意がないまま、合同庁舎跡地が事実上の随意契約で三菱地所などに払い下げる計画。都の外部監査が東京都社会福祉総合学院の運営に関する問題点を指摘したのが発端。内田の関与も呟かれ、民主党都議に質問させ、浜渦が違法性を示唆する答弁。百条委員会(委員長は内田の最側近)で調査したが、学校運営には問題がなく、逆にやらせ質問が追及され、浜渦解任、内田が”都議会のドン”に。
・知事と議会の二元代表制下で、都知事と”都議会のドン”が結託したことで、都政のチェック機能は失われた。新銀行東京問題も、石原は自民党に追求しないよう根回し、内田は「知事の道楽と思えば安いもんだ」。築地移転でも癒着、汚染対策費を1000億円から586億円に圧縮。石原は移転を強引に推進。09の都議選で、移転反対の民主党が第一党に。内田も落選したが、都連幹事長を続投、個室も用意。内田は民主党の都議を抱き込んで、11FYの移転関連予算を1票差で成立。豊洲の工事は内田が役員を務める親密企業が受注。ドンについて石原は沈黙。

細野氏によれば、土木学会のアンケートでは、汚染土地への市場移転を『許容する回答者は0パーセントです。全員が反対しています』、というのは当然の結果だろう。東京ガスが当初は市場移転に難色を示していたのが、その後、受け入れに転じた裏には、第5の記事にあるように、”きれいな土地#並みの価格で売却できたからであろう。本来は、売り手が負担すべき汚染対策費を買い手が負担する不自然な売却交渉の真相は、明らかにすべき重大な疑惑の1つだ。細野氏は、『最も気になるのは、「土壌汚染対策法の施行時に附則3条が付加され、同法が弱体化された結果、豊洲への法適用が除外された」問題・・・あたり一面に「黒い霧」が立ち込めているような感じです』と指摘しているが、同感だ。環境修復事業マネジメント研究小委員会が、豊洲の土壌汚染問題に関する意識調査を計画しながら断念した真の理由も知りたいところだ。
第二の記事が指摘している新銀行東京への1400億円の負担が、豊洲問題で、『「盛り土」ケチった』背景というのは、なるほどである。石原元知事の罪は本当に深いと、改めて痛感した。
第三の記事で、豊洲主要3施設の建築工事の第二回目の落札が、99%超と異常な高落札率、『官制談合の公訴時効3年』、ということであれば、東京地検特捜部には今度こそ存在感を示して欲しいものだ。
第四の記事で、『築地移転の正式表明は神田市場跡地の再開発計画発表と同じ01年12月』、ということであれば、『「夢よ、再び」を狙ったのだろうか』、というのもなるほどである。
第五の記事で、『都知事と”都議会のドン”が結託したことで、都政のチェック機能は失われた』、というのはその通りだろう。それにしても、民進党の議員が「やらせ質問」にまで加担するとは、情けない限りだ。
いずれにしろ、ジャーナリストの取材で、黒い霧が今後、少しでも晴れていくことを期待している。
タグ:週刊文春 日刊ゲンダイ 土壌汚染対策法 細野透 日経BPnet 東京都の諸問題 (その3)豊洲新市場移転2(豊洲市場と環境省・土壌汚染対策法の「怪しい関係」、石原元知事の責任、築地売却案のルーツ、東京地検特捜部の出番など) 【緊急出稿】豊洲市場と環境省・土壌汚染対策法の「怪しい関係」」 土壌汚染地に食品市場の建設を許容する技術者は皆無 土木学会・建設マネジメント委員会・環境修復事業マネジメント研究小委員会 アンケート調査のうち、豊洲市場問題に関係する部分 豊洲市場は食品を扱う場所です。汚染土壌の跡地に、そんな施設の建設を認める技術者は存在しません 小池環境大臣は「土壌汚染対策法の弱体化工作」とは無縁 豊洲への法適用を除外する附則3条」を付加 食の安全より保身…石原元知事が「盛り土」ケチった事情 慎太郎氏が、汚染対策にかかる“カネ”をしきりに気にしていたことがわかる 『新銀行東京』について、1000億円の減資と400億円の追加出資を決めたばかりだった 豊洲の土壌汚染対策について、新たな財政支出をなるべく抑えた上で、効果的な方法を模索せざるを得なくなったのです 地検特捜部の真価問われる 豊洲「官製談合」疑惑に新証拠 99%超と異常な高落札率で大手ゼネコン各社が受注 官製談合の公訴時効は3年で、リミットは迫っている 築地売却ありき」のルーツはアキバの“成功体験”にあり 秋葉原駅の西側に広がっていた「やっちゃば」 実に約3844億5280万円。1坪当たり約4700万円という目玉が飛び出すほどの高値 神田市場の管理は築地市場と同じ、都の中央卸売市場という知事部局の担当 都議会のドン”も一枚かんだ再開発 築地移転の正式表明は神田市場跡地の再開発計画発表と同じ01年12月 石原慎太郎とドン内田 ”無責任コンビ”の癒着 浜渦 副知事にしようとして都議会と対立 野中官房長官の仲介で築地の料亭で手打ち式 浜渦は江東区長に「(東京ガス)跡地を新市場に」と要望させた 価格は東京ガスに譲歩を重ね、”きれいな土地”並みの1900億円に 浜渦は”都庁のドン”に 大手町の再開発案件で対立決定的に 京都社会福祉総合学院の運営に関する問題点を指摘したのが発端 逆にやらせ質問が追及され、浜渦解任 知事と議会の二元代表制下 都知事と”都議会のドン”が結託したことで、都政のチェック機能は失われた 築地移転でも癒着、汚染対策費を1000億円から586億円に圧縮
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