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ビジット・ジャパン(インバウンド)戦略(その4)「星のや東京」の狙い、「爆買い」失速、三越銀座店、鳴り物入り免税店の悲しい現状) [社会]

ビジット・ジャパン(インバウンド)戦略については、5月18日に取上げたが、今日は、(その4)「星のや東京」の狙い、「爆買い」失速、三越銀座店、鳴り物入り免税店の悲しい現状) である。

先ずは、7月20日のBSフジ プライムニュース「訪日外国人を取り込め 日本観光の潜在力とは “観光立国”への秘策」のうち、「星のや東京」に関連した部分を紹介しよう(▽は小見出し、+は段落)。
・(ゲスト: 星野佳路 星野リゾート代表、デービッド・アトキンソン 小西美術工藝社社長)
▽「観光立国・日本」への秘策 「都心に日本旅館」の狙い」
・秋元キャスター:「まずは東京大手町に新しくオープンしました、新しい形の日本旅館の『星のや東京』の狙い。今後の展開について聞いていきたいと思います。まず料金ですが、部屋は、桜、百合、菊の3種類ありまして、1泊1室7万8000円から。1番いいお部屋が10万5000円からということですね。部屋数は全部で84部屋。部屋の広さは41㎡から83㎡。ホテルとの大きな違いですけれども、お客さんが玄関で靴を脱ぐということです。エレベーターの中も含めて、館内大半が畳敷きとなっています。地下1500mから湧き出る温泉が引かれていて、最上階に露天風呂もあるということですけれども、星野さん、なぜ東京の真ん中に日本旅館をつくろうと思われたのですか?」
・星野氏:「よくそういう質問を受けるんですけれど、東京は日本の代表ですからね。日本の代表の都市の真ん中に、日本旅館がない方がおかしいと思っているんですね。今、見ていただくと、日本のホテル業界は外資系、特にラグジュアリーと言われるカテゴリーは、外資系の運営ホテル会社に圧倒されているんですよね。日本もホテル業界が日本を飛び出して海外に行こうとした時期もありました。ただ、この分野、ホテル業界の分野でどちらかと言うと日本の企業は劣勢に立たされていたんですね。それがなぜかと考えると、私達は好むと好まざるとに関わらず日本文化を背負っていまして、日本人がホテルを運営する、日本の会社がホテルを運営する時には日本らしさというのは期待されるんです。ですから、東京ももちろん、そうですけれども、私達が外資の西洋ホテルと対等に戦っていくには、これまで日本の歴史が培ってきた日本旅館を現代の旅行者に合った形に変えていく。格好良くしていくという方法しかないと思っているわけですね。
+先ほど、靴を脱いでいただくという話が出たんですけれど、脱いでいただく意味合いというのは、旅館と西洋ホテルの違いとして、私はパブリックスペースのあり方があると思っているんです。旅館の場合のパブリックスペースというのはセミプライベートです。西洋ホテルの場合、プライバシーというのは部屋の中だけです。部屋を一歩出る時は鍵を持たなければいけないし、正装をしなければいけないという感覚があるんです。ところが、日本旅館の場合というのはもともと浴衣を着て歩いていく。裸足ですね、かつ昔の旅館というのは鍵もなくて、簡単に外と中の出入りがあって、外が何か自分の家のようにセミプライベートな感じですね。完全プライベートではないですけれども。それが西洋ホテルと日本旅館の違いだし、日本旅館の実は心地良さだと思っているんですよ。それを実現したいんですね。果たして部屋から外に一歩出た時のプライベート感を演出するために、私達は各フロアに、実はお茶の間をつくっているんです、集える場所ですね」
・反町キャスター:「部屋ではないところにコモンスペースみたいなイメージですか?」
・星野氏「そうです。6部屋しか、1フロアにないですけれども、その人達が自由に使えるお茶の間をつくっていまして、そこにスタッフもいるのですが、自由にいらしていただき、仕事するのもよし、お茶を飲むのもよし、お酒を飲むのもよし、時間帯ごとに違ったお菓子を提供し、季節ごとに違った室内を提供すると。これが日本旅館の良さだと思っています。部屋の中と外とのプライベートとパブリックの境が曖昧であるというのが日本旅館の良さで、それがリラックスにつながると思っているんですけれどもね」
・秋元キャスター「そのへんは外国人からするとどうなのですか?ちょっと居心地悪いと感じとかはしませんか?」
・アトキンソン氏:「いや、あまりそういうふうには思わないです」
・反町キャスタ:ー「アトキンソンさんは大丈夫かもしれないけれども、普通のアメリカ人や外国人の方は?そうでもないですか?」
・アトキンソン氏:「そうでもないと思いますね。日本旅館のところで、私の解釈ですけど、戦前のあり方と戦後のあり方があると思うんですね。そうすると、外国人としてなかなか通用しない部分は、要するに、旅館側が全てを決める。それに従うという部分はなかなか通用しないです。だから、寝る時間、起きる時間、部屋で食べる時間、食べるもの。明日の朝、何時に起きる、何時に布団を上げる、何時に出るというのを、全部決めているスタイルです、そういうシステムは通用しない。
+もう1つ問題になるのは、全部決まっているので、たとえば、この部屋に3人が泊まるとか、4人が泊まるとか、1人あたりということなのに、泊まるスペースとして(金額が決まっているのは)ぼったくりではないのという考え方になるんです。ですから、自分達の考え方は1部屋いくらということで、そこにご飯代とかが入っていないからだと思いますけれども、ああいう戦後の旅館のやり方で、この部屋には2人だろうが、4人だろうが、5人だろうがほとんど1人あたりそんなに変わらないです。とりあえず泊まるスペースの料金がどうなっているのというところです。なぜあれは極端に安くならないのかという部分ですね。これも通用しない部分です。ですから、星野さんに聞きたいぐらいですけれども、自分としては、戦前は1か月旅館に泊まって、ああいうふうに小説をつくった。現在のやり方は戦後の止まってしまったやり方ではないですかね」 
・星野氏:「泊食分離のことをおっしゃっています?」
・アトキンソン氏:「はい」
・星野氏「食事が価格の中に含まれてしまって、1人あたり料金になっているというところに少し慣れないところがある?」
・反町キャスター:「1泊2食付2万5000円みたいなやつ?」
・星野氏:「そうですね。4人で泊まっても、2万3000円ぐらいにはなるんですけれども、本当は倍になったのだから半分にしてもいいのではないかと。つまり、どこからどこまでが部屋の料金で、どこからどこまでが食事の料金かわからない。曖昧になっているところ、セット料金になってしまっているところに外国人の人から見ると不透明さがあるし、長期滞在しにくくなると。それは確かに日本の地方の旅館は、我々もそうですけれども、経営してきた中で課題は課題だと思っています。ただ、1泊2食料金が未だに日本人は好きなのも事実ですよね。ですから、『星のや』は日本全国でルームチャージと言うんですけれども、1泊1部屋いくらという料金体系に変えてったんですけれど。かつ旅館内のレストランで食べる人もいれば食べない人もいると。軽井沢の『星のや』の場合は半分以上が食べないですね。軽井沢の町の中にいっぱいレストランありますので、そこに行って食べていただいているんですけれども、そうすると、確かに売上げは減るのですが、その分連泊しやすくなるんですね。3泊、4泊する方も出てくるということで、これも旅館の変えていかなければいけない経営のあり方だと思いますね」
▽日本の「おもてなし」
・秋元キャスター:「変わっていかなければいけないという中で、ここだけは、日本旅館としては譲ってはいけないよというのは何かありますか?」
・星野氏:「それは大浴場には素っ裸で入らなければいけないというところは変えてはいけないですよ。私は、そこは異常にこだわっているんです。個人的な思い込みですよ。個人的な思い込みだけれど、おもてなしはそういうものですよ。日本文化として日本人が見ておかしいと思うものはダメだと思っているんです。たとえば、アメリカで、寿司と言って最近、牛肉が乗っている寿司がありますけれど、あれは日本人から見ておかしいと思うではないですか。だから、日本旅館も日本人の目から見ておかしいと思うものはまずいと思います」
・反町キャスター:「アトキンソンさん、どうですか?旅館と言ったら大浴場だ、全員裸だと、これは受け入れられるものですか?」
・アトキンソン氏:「受け入れられる人もいれば、受け入れられない人もいるんですよ」
・星野氏:「受け入れられない人もいると言いますけれど、私は30年前に、アメリカに留学をしていた時に生魚を食うという人はいなかったですからね。寿司は食べないと皆言っていたんですよ。それがいまや、私の同級生、皆、寿司を食っていますからね。変わるのではないですか?」
・アトキンソン氏:「変わらないと思うんです。ただ、同じように、小西美術の若い人は、日本人でも大浴場に行って、裸になって、知らない人の前で云々ということは結構、拒否している日本人は増えているんですよ。そういうのは各部屋に内風呂というのですか、付けている、そういうのもある。それはともかくとして、1番言いたいのは、受け入れる人もいれば、受け入れない人もいるんですけれど、多様性なので全部、無理やりにこれを飲めというのはないですよ、いろんなものがあって初めて成り立つものなので。よく聞かれる、1番やりたいこと、やらなければいけないことは何ですかということは、その質問は絶対におかしいですよ。いろんなタイプがあって、いろんな人が選択をして、それが全部揃っていれば、観光大国になりますけれども、こうしなければいけないということはないです。
+もう1つはあるのは、自分として気になるところですけれども、海外から来た人は本物を体験したいということが1番強いですね。星野さんのご指摘の通りで、残念ながら旅館だとか、日本文化で偽物が、海外では牛肉(の寿司)だとか、偽物が増えているのですが、国内も増えているんですよ。ですから、この間びっくりしたのですが、大きな神社さんに行ったら、いきなり畳の上に座って、参拝しているのを見ていたら、その畳、畳ではなく、プラスチックでできているんだなと思ったんですよ。そういうのが結構出たりしているんですよね。ああいうふうに、お茶であっても、これが日本文化ですと。私はお茶をやっているんですけれど、いや、どう見ておかしいよ、と言うんですね。この間、あるところに行って、有名な料亭に行ったら、障子の2枚が逆になっていました。あとお花が全然違うだとか、この掛け軸のかけ方はないでしょうと」
・反町キャスター:「障子が逆とはどういうことですか?」
・アトキンソン氏:「幹が上です。逆になると不吉なことになっちゃう。そういうのがいろいろあるんですよ。結構、そういうのを見ているんですよ。だから、私としては、今の、星野さんのご指摘の1番重要なところですね、日本に外国人が来ることによって、もう1回、日本文化の素晴らしいところ、本物に目覚めていただきたいというところがあります」(以下、省略)
http://www.bsfuji.tv/primenews/text/txt160720.html

次に、元銀行員で経営コンサルタントの小宮 一慶氏が8月5日付け日経Bpnetに寄稿した「中国人観光客の「爆買い」が失速! インバウンドブームは終焉を迎えるのか?」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・昨年末あたりから、中国人観光客による「爆買い」の勢いが急に衰えてきたと感じています。はっきり言えば、もはや爆買いは終了しているのではないでしょうか。 観光局の「訪日外客統計」によると、今年6月の訪日外国人観光客数は、前年同月比23.9%増の198万6000人。このうち中国からの観光客数は、前年同月比26%増の58万2500人です。中国人観光客自体は増えているのです。1-6月ではなんと前年同期比41%の伸びです。 ところが、これから見ていきますが、日本の小売業販売額や全国百貨店売上高などの指標は大幅に落ち込んでいます。なぜでしょうか。いくつかの要因が重なり、中国人観光客の単価が急減しているのです。 今回は、中国人観光客による爆買いの実状を考えます。
▽「爆買い」の終焉で小売業の売り上げは減少
・中国人観光客による爆買いの状況を見るために、まずは日本国内の小売業全体の動きを見てみましょう。 「小売業販売額」は、昨年11月からほぼ前年比マイナスの数字が続いています。 特に中国人観光客は、高級腕時計や宝飾品、絵画などの高級品を買い漁っていたことが話題になりました。主に高級品などの消費を示す「全国百貨店売上高」を見てみますと、同じく昨年11月あたりから前年比マイナスに転じ、今年4月は同マイナス3.8%、5月は同マイナス5.1%、6月は同マイナス3.5%と、大幅に悪化していることが分かります。やはり、こちらも落ち込んでいるのです。 ちなみに、いずれも2月はプラスの数字になっていますが、これはうるう年の影響によるものです。
・ただ、冒頭でも触れましたように、中国人観光客自体は増えています。しかも前年同期より40%以上も伸びているわけです。  観光客の数は増えているのに、小売業販売額は落ち込んでいるということは、「客単価が落ちている」と考えられます。
▽百貨店の高額商品に打撃
・6月の「全国百貨店売上高」の「商品別売上高」によると、やはり「美術・宝飾・貴金属」は前年同月比マイナス9.2%と大幅に減少しています。また、構成比は0.3%と非常に低いですが、「家電」も同マイナス23.7%と大幅に落ち込んでいます。 一方で、比較的単価の安い「化粧品」は同7.6%と増加しているのです。以上のことから、やはり中国人観光客が化粧品などの手頃な商品を購入している様子が窺えます。
・百貨店大手の三越伊勢丹の決算にも、これが大きく影響しています。2017年第1四半期(2016年4-6月期)決算を見ますと、売上高は前年同期より4.9%減の2946億円。本業の儲けを示す営業利益は、同比47.7%減の60億円となりました。
・先ほど、百貨店全体として売上高が落ち込んでいることを確認しましたが、やはり三越伊勢丹でも同様の傾向が見られるのです。  この主な原因は、株価低迷や給与増加スピードの鈍化などにより日本全体の消費が盛り上がらないということもありますが、中国人観光客による爆買いの終了、単価の減少が大きいと考えられます。
▽化粧品を中心とした免税販売に商機
・同じく百貨店大手の高島屋の2017年2月期 第1四半期(2016年3-5月)決算を見ますと、売上高は前年同期比と変わらず2193億円。営業利益は3.2%増の76億円となっています。ほぼ横ばいです。 同社は、中国の大手オンライン旅行会社と提携して、営業を強化したことが功を奏しました。これによって、化粧品を中心とした免税販売額が前年比2桁増と大幅に伸びたのです。高島屋の場合は、戦略勝ちと言えるでしょう。
・このように、各社の戦略によって明暗は分かれていますが、百貨店全体としては、これまでのように爆買いに期待するのは難しい状況になりつつあることは間違いありません。
▽爆買いが減少した3つの理由
・なぜ、爆買いの勢いが失速してしまったのでしょうか。 一つは、中国経済が長期的な減速傾向にあるということです。最近の中国の成長率を見ますと、2015年7-9月期は前年比6.9%、10-12月期は6.8%、2016年1-3月期は6.7%。4-6月期は6.7%と、じわじわと減速してきていることが分かります。2013年の7.7%と比べても減速していますが、もう少し長い時間で見ると、以前は10%成長が続いていましたから、成長スピードが大きく鈍化していると言えます。  中国政府は2016年の成長率目標を6.5~7.0%としており、下半期は上半期以上に減速するのではないかと考えられます。減速は止まらないのです。
▽「人民元の防衛」も爆買い失速に拍車
・二つめは、中国政府が人民元の防衛に動いているということです。 中国経済の減速により、人民元安が進んでいます。昨年7月には1人民元=20円あたりで推移していましたが、その後どんどん人民元安が進み、一時は1人民元=15円程度まで下落しました。6月23日の英国のEU離脱も、人民元安の追い風となっています。 そこで中国政府は人民元を買い支えようとして、人民元買い・外貨売りをしています。中国の外貨準備は、4兆ドルあった2014年をピークに減少の一途を辿り、6月末時点では3兆2100億ドルとなっています。ピークより8000億ドル程度落ちているのです。
・こういった背景もあり、中国政府としては、「国民に海外であまりお金を使わせたくない。外貨流出は避けたい」と考えているのです。 中国政府は今年4月8日から、高級腕時計の関税の税率を30%から60%に、酒や化粧品などの税率も50%から60%に引き上げました。 さらに、今年1月。中国で約6億人に普及しているという「銀聯カード」の引き出し制限を設けました。海外で外貨を引き出す上限額を、カード1枚あたり1年間で最高10万元(約150万円)までとしたのです。 これも全て、「海外でお金を使わせないため」の策です。これが、中国人観光客が日本での消費を抑えている大きな原因になっています。
▽2年間で25%も人民元安が進んだ
・三つめは、円高人民元安です。先ほども触れましたが、1人民元=15円台まで元安が進んでいます。2年前、1人民元=20円だった頃と比べますと、25%も安くなっているわけです。つまり、日本で買い物をする場合、25%も割高になってしまうということです。 元安が進むと、転売目的の購入者も減少します。現地との価格差がそれほどなくなり、転売益を得にくくなるからです。電化製品の売上高が落ち込んでいる背景には、転売購入が減っていることも原因としてあるのではないでしょうか。
・以上のことから、中国人観光客による客単価は大幅に落ち込んでいるのです。いくら訪日客数が増えても、彼らは日本で高額品を買わなくなり、化粧品や魔法瓶などの手頃な商品に目を向けているというわけです。  これが日本の百貨店や家電量販店などにも影響が及び、小売業全体の業績にも影響しています。この傾向は一時的なものではなく、中長期的に続くのではないでしょうか。
▽「闇民泊」がホテルの宿泊料に影響
・もう一つ、私が気になるのは「闇民泊」の動向です。これは個人的な意見ですが、闇民泊の存在によって、ホテルの宿泊費が落ち着いているのではないかと思うのです。 私は出張で、月に数回は大阪のホテルに宿泊します。昨年では1泊5万~6万円した部屋(もちろん私はそんな高い部屋には泊まりません)が、今では2万円を超えることはまずありません。特定のホテルに限らず、同じ傾向が各所のホテルでも見られるとの話を聞きます。 この理由は、「闇民泊」ではないかと私は考えています。部屋の貸し主が旅館業法で必要となる営業許可がない状態で客を宿泊させることです。
▽「闇民泊」の本格規制は始まるのか
・先ほども述べたように、訪日客数は伸びているのですから、一般的に考えれば、ホテルは昨年より混雑し、価格が上昇するはずです。ところが、現状では逆に安くなり、ホテルの稼働率も下がっています。 大阪あたりでは、古くなったビルを中国人が一棟買いして、それを闇民泊として使っているという話も聞きます。京都や東京でも似たような話があるようです。
・闇民泊は違法営業ですが、日本政府はある程度、放任している部分があるのではないでしょうか。というのは、昨年、外国人観光客の急増で都市部のホテルがほとんどとれなくなったことがありましたが、企業やビジネスマンから強い不満の声が上がっていたのです。 郊外まで足を伸ばさなければ宿泊できず、料金も上がっていました。これでは、出張などできません。 ここで政府が闇民泊を制限してしまったら、また同じ問題が起こる可能性があります。特にリーズナブルな価格帯のホテルが高値になってしまうでしょう。
・こういった背景から、闇民泊の数は増えているにも関わらず、時々見せしめのように摘発するだけ、という状況になっているのです。こちらの法規制についても、大きな注目点の一つではないでしょうか。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/129957/080400076/?P=1

第三に、10月8日付け東洋経済オンライン「三越銀座店、鳴り物入り免税店の悲しい現状 中国人店員の接客に不満の声も」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・“爆買いバブル”の減速が、いよいよ深刻化している。 10月1日から始まった、中国の国慶節に絡んだ大型連休。今年も多くの中国人が日本へ向けて旅立った。訪日観光客に人気の銀座も、この連休中は多くの観光バスや、キャリーケースを引く観光客が溢れた。 その一方、三越銀座店の空港型免税店「Japan Duty Free GINZA」は、あまりにも閑散としていた。空港型免税店とは、消費税だけでなく関税や酒税、たばこ税まで免除される免税店。今年1月末に、沖縄県を除く初の店舗として銀座店の8階にオープンした店舗だ。ところが、今や高級ブティックには文字通り人っ子1人おらず、中国人女性に人気の美容家電を販売する特設コーナーでは、商品を手に持った女性販売員が所在なさげに立ち尽くしている。高級感溢れるお酒とタバコの売り場には、1月下旬の開店当初はなかった「じゃがポックル」や「キットカット」などのお菓子が、うず高く積まれていた。
▽初年度売り上げは目標の半分未満
・同店の業績は、開業当初から低空飛行を続けている。三越銀座店の免税店を運営する合弁会社の筆頭株主、日本空港ビルデングの発表によると、2~4月の売上高は、当初計画の35%程度と大幅に未達。直近の7、8月でも大きな改善は見られない。初年度の目標売上高を130億円と掲げていたが、その半分にも到達しない可能性は濃厚だ。
・そもそも、百貨店における免税売上高は、今年4月から直近の8月まで5カ月連続の前年割れが続いている。日本百貨店協会の発表によれば、8月の免税売上高は、前年同月と比べて73%。購買客数は依然として増えているものの、円高の進行や中国政府による関税引き上げの影響をもろに受けて、高級時計や高級ブティックの商品の売れ行きが著しく鈍っているのだ。
・底堅いのは、化粧品やお菓子などの単価が低い商品ばかり。さらに、本国に持ち帰って転売行為をするブローカーによる購入も、「4月以降は目に見えて減ってきた」(三越銀座店の宝飾売り場の販売員)。その結果、百貨店全体で免税品の購買単価は3割程度落ちこんでいる。
・さらに、観光客たちが空港型免税店での買い物に魅力を感じていないという現状もある。「Japan Duty Free GINZA」の場合、店舗の8階という立地の悪さに加え、日本にやってくる中国人が多く利用する関西国際空港や茨城などの地方空港では、買った商品を受け取れないという点がネックとなっている。
・接客面での不満もある。年に数回日本を観光するというある20代の中国人女性はこう語る。「せっかく日本に来たのに、免税店にいるのは中国人の店員ばかり。接客のレベルも日本人に比べると低く、雑な扱いを受けたことがある」「地方の小さなお土産屋さんで、中国語の通じない店員さんと話した方がずっと楽しい」。三越銀座店を含め、都心の大型百貨店では訪日客への対応策として、外国語を話せるスタッフの雇用を増やしているが、良かれと思ってしたことが、かえって裏目に出てしまっているのだ。
・こうした状況を受けて、店舗側も手を打っていないわけではない。「中国現地の代理店にアプローチしたり、売れ筋のお菓子を新たに導入したりしている」(日本空港ビルデング)。 加えて、目立ったのは日本語の看板だ。「どなたでもご自由にご覧いただけます」――。銀座通り沿いの入り口に掲げられた免税店の広告には、大きな文字で日本語が書かれていた。 実は、空港型免税店は出国1カ月以内の日本人も利用が可能で、当初計画では4割程度を占めると予想していた。しかし実際は、1割ほどと想定以上に利用者が少なかった。そこで、「日本人にもっと知って欲しい」と、周知を強化しているという。とはいえ、これから出国しようとする日本人にとって、免税店での買い物を空港で荷物として受け取ることがどれだけ魅力があるについては疑問が残る。
▽2店目を新宿にオープンか
・こうした厳しい状況にも関わらず、会社側は当初から構想していた2店目の出店を諦めていない。今年1月の銀座店開店当初は、「今年度中に伊勢丹新宿店の周辺に2店目を開業したい」(三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長)と発表していたものの、「今年度に出店するという動きは把握していない」(三越伊勢丹)、と一時はトーンダウン。
・やはり取りやめたのかと思いきや、「来年の4月中には新宿店近くの「パークシティ」(駐車場などがある施設)に免税店を開業する予定だと聞いている」(百貨店業界関係者)ともっぱらのうわさなのだ。
・小売店に詳しいフロンティア・マネジメント代表の松岡真宏氏は、百貨店が訪日客のモノ消費に依存しすぎていることに警鐘を鳴らす。「百貨店での爆買いは終了したといわれているが、むしろこれからが勝負だ。日本人よりも速いスピードで、中国人はモノからコト消費へ移っていく。百貨店は、外商事業などの中で、良い旅行先や旅館を沢山知っているのだから、それを活用しない手はない。日本の人口が減っていく中で、もう終わったものにせずにしっかりとした市場に育てていかなくてはいけない」(松岡氏)。
・現在、日本を訪れる訪日観光客の数は増加し続けている。直近の8月でも、前年同期比を13%も上回る204万人がやってきた。百貨店の国内消費が低迷する今こそ、かれらの購買力を百貨店が取り込むための方策を、今一度抜本的に考え直す時期に来ている。
http://toyokeizai.net/articles/-/139498

「星のや東京」についての星野氏の説明は、「日本らしさ」を追及するの余り、やや傲慢で思い上がった姿勢が強過ぎる印象を受けた。玄関で靴を脱ぐ、宿泊と食事のセット料金、大浴場などは、アトキンソン氏も指摘するように、抵抗感がある欧米人は少なくないだろう。初めは物珍しさでなんとかなるにしても、リピータがどれだけ現れるかに注目したい。
小宮氏の記事にある、『「爆買い」が失速』、については、既に新聞でも繰り返し報道されているので、目新しさはないが、私が注目したのは、「闇民泊」である。これが、『ホテルの宿泊料に影響』、というのには驚いた。ただ、宿泊料を押えている要因には、「闇民泊以外にも、クルーズ船での来航者増加もあるのではなかろうか。
三越銀座店の『免税店の悲しい現状』、については、さもありなんである。『出国1カ月以内の日本人も利用が可能』、とはいっても、日本人がわざわざ利用するとは思えない。元外資系投資銀行のアナリストの松岡真宏氏が、『中国人はモノからコト消費へ移っていく。百貨店は、外商事業などの中で、良い旅行先や旅館を沢山知っているのだから、それを活用しない手はない』、と指摘しているのはさすがであるが、そうしたネットワークを活用していくのは、現実には容易なことではないだろう。
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