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大口病院での点滴殺人事件 [社会]

今日は、いまだ未解決の 大口病院での点滴殺人事件 を取上げよう。

先ずは、多摩大学大学院教授、医師の真野俊樹氏が昨年10月10日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「日本の病院が犯罪に弱い、根本的な問題点」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・横浜市の大口病院で「内部犯行」が疑われる入院患者の死亡事故が相次いで発生した。そもそも日本の病院は海外の病院に比較すると、来訪者を管理するセキュリティチェックのみならず、病院内での「相互監視」については、甘い点が多々見られる。(多摩大学大学院教授真野俊樹)
▽海外と比べると犯罪に弱い日本の病院
・横浜市神奈川区の大口病院で、点滴に界面活性剤が混入され男性入院患者2人が死亡するという事件が起きた。現在、「連続殺人事件」として捜査が進められている。非常にショッキングな事件であり、事件当時の状況などから見て「内部犯行」が疑われている。
・筆者は医療ツーリズムなどを研究しているため、世界各国の病院を見学する機会が多い。海外の病院を見学してみて、つくづく感じるのは、日本の病院は犯罪に対しての対応が極めて弱いということだ。 実際、警視庁のデータによれば、平成27年度に東京都内の病院では、病院、診療所等の建物に侵入し、金品を盗む「病院荒らし」が89件も発生しているのだ。
・犯罪の対象は、金品の盗難だけではない。麻薬類や劇薬指定の薬を含む医薬品の盗難、新生児の誘拐、クレーマーやモンスター患者による職員への暴行など幅広い。
・日本の医療機関は、地域の重要なインフラとして開かれた存在であり、「性善説」に基づいて患者や見舞客、職員らの管理がなされている。それは日本の医療機関の良い点であると筆者は考えるが、今後、盗難だけでなく、痛ましい事件が相次げば、病院のセキュリティ対策は抜本的に見直されることになるだろう。
▽病院は「安全ではない」場所 子ども誘拐もザラにある新興国の病院
・そこで、海外の病院セキュリティ事例を紹介したいと思う。これらすべてが日本の医療機関に適用できるものではないが、海外と国内の実情を比較することにより、見習うべき点はぜひ参考にすべきだと思うからだ。
・まず、病院についての安全に対する認識が日本と海外では異なる。そもそも、海外では病院は来訪者や入院している人にとって「安全な場所ではない」と考えられているのだ。 特に、新興国の病院では子どもの誘拐事件はザラである。以前に訪れたインドネシアの病院では、「子どもを探してください」という張り紙が貼られていた。病院内での新生児の誘拐は、決して珍しいことではない。
・これは極端な例としても、先進国においてもセキュリティ対策が取られている。 例えば、シンガポールのタントクセン病院(Tan Tock Seng Hospital)を見てみよう。この病院はシンガポールで2番目の規模と170年の歴史を持つ政府系病院で、病床数は1500床。45の診療科のほか、脳や心臓などの16の専門センターを持ち従業員が8000人もいる巨大病院である。
・写真は、この病院の入り口である。入退出をチェックするゲートがあり、入館証がないと、誰も入ることができない。 日本の病院を見慣れた方にとってはかなり違和感があるであろう。 しかし、よくよく考えてみれば、日本においても、企業や官庁では、このようなセキュリティチェックはおなじみの光景だ。単に考え方を変えれば良いのではないだろうか。
▽ソウルの産科の大病院には子ども誘拐防止のアラーム設備が設置
・ソウルでは、「ビッグ5」と呼ばれる1000床以上のベッドを持つ巨大病院が最先端医療を行い、それらを中心に患者争奪戦が激化している。ビッグ5とは、サムスン病院、セブランス病院、ソウル国立大学病院、アサン病院と、カトリック系の聖母病院である。
・しかし、ほかの病院も努力している。例えば、病院の国際認証規格であるJCI(joint commission international)認証を取得している点では、ソウルには高麗大学病院、イナ大学病院、そして梨花大学病院がある。梨花大学病院でも韓国のJCI取得病院の常で、玄関先には大きなJCIのマークがあり、一方では、韓国の病院認証のマークが飾ってあった。 梨花大学病院は、病床数は769、ICUが54(新生児用を除く)、手術室は15、出産室が10、透析病床が24といった規模である。
・競争環境が激しいために、大学病院といえども得意分野を明確にしている。この病院の場合には「女性に対する医療」ということである。つまりこの病院の特色は、女性にフォーカスしているところである。 産科病棟にはJCIの指示もあってであろう、子ども誘拐防止のアラーム設備があったのには驚かされた。
・日本人は均質性の高い社会で、国や周りの安全に対して自信を持っていた。ましてや、かつては「聖域」とされた病院内で事件が起きるとは考えられない、というのが本音かもしれない。 しかし、時代は変わった、海外からの不法滞在者も増えたし、日本人の価値観も多様化した。海外の病院セキュリティへの考えをある程度は見習い、取り入れていかなければならないであろう。
▽セキュリティチェックはハードだけでなくソフトも重要
・では、こういったセキュリティに関するハードウエアを導入すれば事足りるのであろうか。 決してそうではないと、筆者は考える。今回の大口病院のような「内部犯行」説が疑われるようなケースでは、来訪者を管理するセキュリティシステムは、あまり有効とはいえない。監視カメラの病室への設置も患者のプライバシーを考えると容易にできるものではない。 ハード面だけではなく、ソフト面も重要なのである。
・そもそも日本の病院では、院内での「ガバナンス」が効いていないのではないか。特に欧米の病院に比べると、お粗末な状況と言えよう。 ここでいうガバナンスとは、「相互監視」のような意味で用いている。確かに病院には医師や看護師のような国家資格を持った専門家が多い。しかも、大半の人たちが使命感や倫理観を持って働いている。だからといってその良心にのみ任せてよし、とする時代は残念ながら終わった。いまや「性善説」では通用しなくなっているのだ。
▽医療事故防止の観点からもガバナンスが重要
・大口病院のような事件とは少し関係のない話だが、2015年4月に手術を受けた患者の相次ぐ死亡が発覚し、開院後わずか1年で閉院に追い込まれた「神戸国際フロンティアメディカルセンター」の事件があった。この病院で生体肝移植の手術を受けた9人のうち5人。患者と執刀医師の間ではそれなりに説明がなされて、患者は納得して手術を受けたのであろうが、死亡率があまりにも高すぎたために「無理に手術を行ったのではないか」と糾弾されてしまったのだ。
・この事件は、主治医というか執刀医が一人で、手術の適応を決めて実施していたために起こったといえる。 今年7月末に調査報告書が出た群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術等による医療事故もしかり。手術後に患者が相次いで死亡した医療事故だが、手術前の十分なインフォームドコンセント(患者にリスクを含めた丁寧な治療方針の説明をして、同意を得ること)をはじめ、医療行為における意思決定の透明性、情報公開などのガバナンスの欠如が生んだ悲劇といえるだろう。
・病院内での医療従事者、職員の犯罪だけではなく、医療事故防止の観点からもガバナンスは重要となる。 ガバナンスにおける「相互監視」の対象は、むろん、医師だけではない。同じことは看護師や薬剤師など、他の病院職員の業務にも当てはまるだろう。
・大口病院においては、患者死亡の事件が発覚するまで、看護師の服が破られたり、カルテの紛失、飲み物への異物混入など異常な事態が複数回あったにもかかわらず、適切な措置がなされなかった。ガバナンスはないに等しいものだったのである。 これからの病院は、ハード面でのセキュリティ対策のみならず、内部でのガバナンスを徹底させる必要がある。そして、それが病院内の犯罪だけでなく、種々の医療事故を起こさないために必要なことなのである。
http://diamond.jp/articles/-/104139

次に、昨年10月13日付けダイヤモンド・オンライン「病院内犯罪はなぜ起こる?元殺人担当刑事の“院内ポリス”に聞く」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問、Aは横内氏の回答、+は回答内での段落)。
・大口病院(横浜市神奈川区)の入院患者連続殺害事件は、世間や病院関係者に大きな衝撃を与えた。そもそも病院は、犯罪者の立場から見れば非常に「無防備な場所」であるといわれ、最近は元刑事などの警察OBをセキュリティ担当として配置する病院も増えてきた。その草分けとなった東京慈恵会大学では“院内交番”と呼ばれる24時間体制の渉外室を設置している。初代室長として勤務した元警視庁捜査一課管理官の横内昭光氏に話を聞いた。(医療ジャーナリスト木原洋美)
▽全国の大学病院では初だった“院内交番”の横内氏
・9月に明るみになった大口病院の入院患者殺害事件は、容疑者逮捕に至らぬまま2週間以上が過ぎようとしている。捜査関係者の弁によれば「被害者は二ケタ」にのぼる可能性もあるという。日頃から、同院を利用してきた近隣住民にとってはたまったもんじゃないし、同院とは縁がない一般市民でも、市中の病院でこんなにも凶悪な連続犯罪が割と簡単に実行されできてしまったことに衝撃を覚えた人は少なくないと思う。 病院とは、こんなにも無防備な場所なのか?どうしたら、安心・安全な場所にできるのか?
・次々と湧き起こる疑問と不安を、病院における防犯のスペシャリスト横内昭光氏にぶつけてみた。 横内氏は、元警視庁捜査一課管理官(殺人捜査担当)。定年退職後、警察OBとして全国の大学病院では初めて、東京慈恵会医科大学に就任し、“院内交番”と呼ばれる、24時間体制の渉外室の初代室長として勤務した。現在、“院内交番”は、全国の国立病院、大学病院等に開設されている。
▽病院は泥棒にとって「修業の場」 無防備で仕事しやすく病院専門の泥棒も
Q:病院は、本当は危険な場所なのでしょうか。
A:危険というか、無防備な場所ですね。入院患者、見舞客、付き添い家族など、不特定多数の人が昼夜を問わず常に出入りしている。夜間は正面出入口が閉まっているとしても、緊急の出入口は開けられており、自由な出入りが可能です。しかも白衣にマスクなど、医療従事者の格好をしていたら、職員との区別もつきません。 「病院は街の中と同じ。コンビニもあるし、消防署のような部署もある。犯罪も起こる可能性が常にあるのだから、“院内交番”も必要」と、最近、ある医療関係者が話していました。
Q:どのような犯罪が起きていますか。
A:窃盗犯(泥棒)にとって、病院は“修業の場”です。病院ほど盗みを働きやすい場所はない。病室は基本的に出入り自由ですし、どこに貴重品があるのかが一目瞭然。セーフティボックスなんて、ドライバー1本で簡単に開けられますからね。検査などでベッドから離れる時間を狙って犯行におよぶ、病院専門の窃盗犯もいます。
+一般的に、薬や医療器具の窃盗は、医療従事者、すなわち内部の人間による犯行が大半です。自殺や殺人の目的で危険薬が持ちだされる事件も起きています。大口病院の事件でも、院内の点滴が犯行に使われた疑いがありますね。
+患者や医師を狙った傷害・殺人事件も多いですよ。「医療ミスがあった」と思い込んだ精神疾患の患者に医師が射殺された事件や、入院中の男性が暴力団の組員に人違いで射殺された事件など、たくさんあります。余命を宣告されたがん患者が、自暴自棄になり、看護師らを道連れとして殺害したこともありました。 犯罪に至らないまでも、悪質クレーマーや院内暴力の事例は、日常茶飯事です。
▽犯罪にはすべて前兆があるが 患者の目を見ない医師は気がつかない
Q:それらの犯罪に、共通点はありますか。
A:犯罪にはすべて兆し、前兆があります。精神的な病を持つ人は、なんら前兆のないところから突然、犯行におよぶこともありますが、一般的な人は、必ず兆しを残しているものです。 クレームや不満を言っているうちは、まだ凶器は持って来ません。しかし凶行におよぶ頃には、口では言わず、目で訴えるようになります。
+「俺の病気治してくれよ」とか、「私の話を聞いてちょうだい、助けてよ」ってね。命や健康にかかわる場ですから、深刻度も高い。 そこで医師なり、病院なりが上手く対応していないと、次の外来の時には凶器を持ってくる。殺意が芽生え、準備をするのです。 そういう意味では、病院はやはり怖い。ところが、被害者になる可能性が一番高い医師が、結構、他人事なんですよ。危機感が薄い。
Q:危機感が薄いのはなぜだと思いますか。
A:一つには、患者さんの目を見ていないのだと思います。診察の際など、目を見ていれば、敵意を持っているか否かは、すぐにわかるでしょう。忙しすぎるからなのかもしれませんが、パソコンの画面ばかり見て、患者さんの顔を見ない医師は増えていると聞いています。
+もう一つは「性善説」が基本姿勢であることです。診療行為は相手が反社会勢力だろうが誰だろうが関係なしに、目の前の患者を治すことに集中して行うので、殺人を犯すかもという視点では見ません。もちろん、看護師らのスタッフに対しても、チームで動いていますから、信頼関係を大切にします。
+病院のサポート体制の問題も大きいでしょうね。どこの病院でも、院内のトラブルについて、医師や職員にアドバイスやサポートを行っているかといったら、そうではない。病院によって温度差があります。
Q:大口病院事件でも、前兆がありましたね。
A:白衣の切り裂きや、看護師の飲料に漂白剤のようなものが混入されるなど、事件につながる予兆はありましたよね。それを警察に通報せず、行政に連絡したのは問題です。病院というところは昔から、警察に届けたがらない体質がある。抵抗があるんですね。
▽殺人は恨み、妬み、つらみの「三み」が動機 「事件の発覚」が犯人の狙いだったのか?
Q:犯人の心情をどう推察しますか。
A:事件が発覚し、警察の捜査が入ったことで、犯罪の目的は達成できたと満足しているかもしれませんね。当初は、警察に相談しなかったので、犯人としては苛立っていたと思います。
+殺人というのは、恨み、妬み、つらみの「三み」が動機で起こるものです。 だから、今回の事件の犯人も誰かに、三みのうちのいずれかの感情があるのでしょう。院長か、4階にいる職員か、患者さんか、誰に対してかはわかりませんが。
+さらに、トラブルを起こしても、警察に届けない、そういう体質・体制に不満を抱いている可能性も大きいですね。事件が発覚しないで、患者さんだけが死んでしまったのでは、犯人は消化不良。事件が発覚したことで、犯人は拍手しているのではないでしょうか。
+それからね、昔から、放火犯と毒殺は、“女性犯罪”といわれています。 力の弱い女性でも人が殺せますしね。「できたら自分がいない時に死んでほしい」、という心理が働いているような気がします。
Q:こうした事件を防ぐには、どうしたらよいでしょう。
Q:大口病院には、病棟に監視カメラがなかったことが問題になっていますが、患者さんのプライバシー保護を考えるとカメラの設置は慎重に行われるべきでしょうね。さらに、「監視されている」と意識させることが、スタッフ同士の信頼関係に影響を与え、病院全体の雰囲気がギスギスしたものになることも懸念されます。  防犯システムや警備の導入も当然考えられますが、それよりも大切なのはやはり、兆しを大切にすることだと思います。兆しを見逃さず、速やかに手を打ち、対応する。
+兆しを見つけるために重要なのは、基本的なコミュニケーションです。相手の目を見て話す、院内で困っているような人や見慣れない人を見かけたら声をかける、ミスや不備を指摘されたら素直に謝る、相手の立場になって考え、一言でもいい、思いやりの言葉をかけてあげる……などです。
+大口病院の場合も、誰かが、病院のなかで不満を抱いていた。恨み、妬み、つらみの「三み」を抱いていたわけです。その矛先が、患者さんという一番弱い人へと向けられた。これは、あってはいけないことです。
+“院内交番”で私は、医師や職員の個人的な相談にも乗っていました。病院の職員に限らず、人は誰しも、いろいろな悩みを抱えながら仕事をしています。警察官も同様です。例えば、悩みを持ちながら、警官が拳銃を持って仕事をしていたら危険です。警察官が拳銃で自殺をする事件だって起きていますよね。同じように、異性関係やら借金やら、悩みを持つ医師や職員が悩みを抱えて仕事していれば、医療ミスや犯罪を起こす確率は高くなるのではないでしょうか。
+普通の社会と同じように、病院内でも、いじめ、セクハラ、パワハラなど、さまざまなトラブルが起きています。病院が特別なわけではありません。 職員をサポートしてあげることは、患者さんを守る事にもなるのです。
▽医療従事者はあくまでも性善説であるべき トラブル発生時には素早い、適切な対応を
Q:性善説ではなく、性悪説で防犯対策を行う必要性はありませんか。
A:いやいや、医療従事者はあくまでも性善説でいるべきです。その上で、病院の安心・安全を守るために、我々のような警察OBを活用していただきたい。  “院内交番”のように、気軽に相談できる関係をつくっておけば、大口病院で起きたような、「警察に届けるべきかどうか迷うトラブル」が発生した場合にも、素早く、適切な対応が可能になるでしょう。
+大口病院事件の場合も、早い段階で、警察に通報するなど、毅然とした対応がなされていれば、犯行のエスカレートに歯止めがかかり、事件は未然に防げたかもしれません。
・医師の心構えに「病を見ずして人を見よ」という言葉がある。犯罪捜査や防犯の基本も「犯罪を見ずして人を見よ」なのかもしれない。
http://diamond.jp/articles/-/104453

第三に、昨年12月31日付け日刊ゲンダイ「大口病院点滴殺人 進展なく病院も捜査もクローズの恐れ」を紹介しよう。
・迷宮入りなのか。9月に男性患者2人が死亡した大口病院(横浜市)の点滴殺人事件。同病院では、7~9月の約3カ月で48人が死亡していることも判明した。外部から侵入し、点滴袋に毒物を混入させたとは考えにくく、内部犯行説が有力だったが、「決め手になる証拠に乏しく、捜査はずっと難航しています」(捜査事情通)。
・連日、病院前に大挙していたマスコミの姿も、今はどこにもない。 「捜査線上に数人浮上していますが、院内に監視カメラも設置されておらず、点滴袋の指紋も業務をしていれば付着するもので、決め手にはなりません。被害者に対する怨恨など動機も判然としない。犯人の自白も期待できそうにない。迷宮入りもちらつきます」(前出の捜査事情通)
・大口病院は12月いっぱいで入院棟を閉鎖。収入が伸びない一方で、警備費用などの負担が増え、経営が苦しくなったからだという。病院関係者がこっそり明かす。 「事件以降、新規の外来は受け付けていません。現在通院している患者さんに関しては“当分”の間、診察はしますが、いずれ完全に閉鎖することになるかも……」 捜査までクローズではシャレにならない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/196725

第一の記事では医師の立場から、『海外と比べると犯罪に弱い日本の病院』、『セキュリティチェックはハードだけでなくソフトも重要』、『日本の病院では、院内での「ガバナンス」が効いていないのではないか。特に欧米の病院に比べると、お粗末な状況と言えよう』、などの指摘は説得力があってさすがである。
第二の記事では、“院内ポリス”という珍しい立場から、警察官ならではの指摘も面白い。 『病院は泥棒にとって「修業の場」 無防備で仕事しやすく病院専門の泥棒も』、 『犯罪にはすべて前兆があるが 患者の目を見ない医師は気がつかない』、などはなるほどである。特に、『パソコンの画面ばかり見て、患者さんの顔を見ない医師は増えていると聞いています』、との指摘は、私が通院している大病院でもその通りだ。 『殺人は恨み、妬み、つらみの「三み」が動機 「事件の発覚」が犯人の狙いだったのか?』、との指摘も専門家ならではのものだ。 『医療従事者はあくまでも性善説であるべき』との指摘はやや意外な感じもしたが、それは自分のような“院内ポリス”がもっと増えればいい、という警察出身者ゆえのバイアスがかかっているのかも知れない。
第三の記事によれば、大口病院は閉鎖の方向にるようだが、ガバナンス欠如という身から出たサビだろう。これを契機に、今後、日本の病院でもガバナンスをしっかりさせるための意識付けになってほしいものだ。
タグ:入院棟を閉鎖 迷宮入りもちらつきます 大口病院点滴殺人 進展なく病院も捜査もクローズの恐れ 日刊ゲンダイ 医療従事者はあくまでも性善説であるべき トラブル発生時には素早い、適切な対応を 殺人は恨み、妬み、つらみの「三み」が動機 「事件の発覚」が犯人の狙いだったのか? 「性善説」が基本姿勢であることです パソコンの画面ばかり見て、患者さんの顔を見ない医師は増えていると聞いています 犯罪にはすべて前兆があるが 患者の目を見ない医師は気がつかない 病院は泥棒にとって「修業の場」 無防備で仕事しやすく病院専門の泥棒も “院内交番”と呼ばれる24時間体制の渉外室を設置 東京慈恵会大学 病院内犯罪はなぜ起こる?元殺人担当刑事の“院内ポリス”に聞く 医療事故防止の観点からもガバナンスが重要 日本の病院では、院内での「ガバナンス」が効いていないのではないか。特に欧米の病院に比べると、お粗末な状況と言えよう セキュリティチェックはハードだけでなくソフトも重要 病院は「安全ではない」場所 日本の医療機関は、地域の重要なインフラとして開かれた存在であり、「性善説」に基づいて患者や見舞客、職員らの管理がなされている 海外と比べると犯罪に弱い日本の病院 日本の病院が犯罪に弱い、根本的な問題点 ダイヤモンド・オンライン 真野俊樹 点滴殺人事件 大口病院
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