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女性活躍(その3)(なぜ日本は「女性の生産性」が極端に低いのか、無責任な「女子力」願望が強要する女性の社畜化) [経済政策]

女性活躍については、昨年3月30日に取上げた。今日は、(その3)(なぜ日本は「女性の生産性」が極端に低いのか、無責任な「女子力」願望が強要する女性の社畜化) である。

先ずは、元外資系証券の著名アナリストで現在は小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が1月6日付け東洋経済オンラインに寄稿した「なぜ日本は「女性の生産性」が極端に低いのか 男性と「同一労働」をさせる覚悟、する覚悟」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・日本は「成熟国家」などではない。まだまだ「伸びしろ」にあふれている。 著書『新・観光立国論』で観光行政に、『国宝消滅』で文化財行政に多大な影響を与えてきた「イギリス人アナリスト」にして、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社社長であるデービッド・アトキンソン氏。
・彼が「アナリスト人生30年間の集大成」として、日本経済を蝕む「日本病」の正体を分析し、「処方箋」を明らかにした新刊『新・所得倍増論』は、発売3日で2万5000部のベストセラーとなっている。その中から、「日本人女性の生産性」について解説してもらった。
▽生産性ランキング低下と日本人女性
・書籍を上梓すると、やはりその評判は気になるものです。つい、アマゾンのレビューなどを何度も確認してしまいます。 その中に「日本経済低迷の原因は、女性が怠け者だから」というタイトルの、「星5つ」のレビューがありました。高評価はありがたいのですが、私が言いたかったのはそういうことではありません。誤解を生んでしまったままでは女性の皆様に申し訳ないので、本稿では、女性の生産性についてあらためて考えていきたいと思います。
・まず「日本経済が低迷しているのは、生産性を向上させてこなかったから」というのはまぎれもない事実です。「GDP=人口×生産性」というのは動かし難い真理であり、1990年代以降の日本は人口が増えていないのですから、生産性を向上させなければ経済が低迷するのは当たり前です。この単純な議論に、難解な経済理論は不要です。
・では、なぜ日本の生産性は低いのでしょうか。記事への反応を見ていると、「会議が長い」「サービス残業」「規制」などが問題だと指摘されています。しかし、データを分析すると、為替と物価水準と労働人口を調整した1人あたりGDPベースで日本が先進国最下位になっている理由は、別のところにあることがわかります。
・日本の生産性が他の先進国と比べてここまで低い理由の約半分は、「日本人女性の生産性の低さ」で説明できます。男性の働き方を改善することによって生産性を上げることも可能ですが、一番期待できるのは女性の働き方改革です。
・では、「日本人女性の生産性が低い」のは、なぜでしょうか。 国税庁によると、1979年度の女性の平均給与は男性の平均給与の51.1%。一方、2014年度の調査では、52.9%。35年間で、女性の社会進出は劇的に進んだにもかかわらず、実のところ男女格差はほとんど改善されていないというのは、驚くべきことです。
・事実、同じ時期の米国の数字を見ると、1979年の女性の給与は男性の62.3%でしたが、2014年になると82.5%になっています。これは米国において、女性が男性と同じような仕事に就く割合が増えてきたことを意味します。 男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の比率の推移。日本は他の先進国と比較して、男女格差の改善が大きく遅れている(出所:アメリカ経済統計局、国税庁データより筆者作成)
・ちなみに、この数字は同一労働における数字ではなく、収入そのもののギャップです。海外では、男女間の収入格差の議論になると、同一労働が進んでいるので、同一労働における数字が引っ張り出されますが、日本は同一労働におけるギャップよりは、そもそも他の先進国に比べて男女が同一労働をしている割合そのものが低いということを、この収入ギャップが示唆しています。
・他の先進国では、女性の社会進出が進んでいるだけではなく、同一労働をする割合も増えているので、女性の生産性が著しく向上しています。それに比べて、日本は女性の社会進出自体は進んでいますが、生産性の高い職に就く割合が低いままなので、労働人口に占める女性労働者が増えれば増えるほど、生産性を圧迫するのです。その分、海外とのギャップは広がっていきます。
▽日本人女性の生産性が低い原因は何か
・このような話をすると、「日本人女性の収入が低いのは非正規雇用が多いからだ」と、雇用形態を重視する人がいますが、その考え方は「結果論」にすぎません。男性と同じ仕事をして、同じ生産性を上げているにもかかわらず、「非正規だから」女性の給料が低いのならば、企業からすれば、女性は利益率の高い人材として重宝されるはずですし、企業の利益率が大きく改善するはずです。しかし、日本企業のさまざまなデータを見ても、そのような傾向は確認できません。
・ということは、女性たちがもらっている収入は、実はその生産性にふさわしいものである可能性が高いのです。そうであるならば、女性労働者の比率が上がっても、日本人全体の生産性が改善しないということにも説明がつきます。へたをすれば、女性の労働参加は生産性のマイナス要因になりかねません。
・ただ、断っておきますが、私は日本の生産性が高くないことの「犯人」が女性たちだ、などと言っているわけではありません。かといって、女性たちがやっている仕事が正しく評価されていない、もっと給料を上げるべきだと言っているわけでもありません。これまでの分析でも、男女間の収入ギャップを単純な給料水準の「差別」ととらえるのは妥当ではないことは明らかです。
・私がここで強調したいのは、日本社会の中で、女性に任されている仕事が、そもそも付加価値が低いものが多いのではないかということです。たとえば、銀行の窓口業務を行っているのがほとんど女性行員だという事実からもわかるように、これまで日本企業において女性の潜在能力は明らかに過小評価され、労働力として有効活用されてきませんでした。付加価値の低い仕事を機械化して、足りないと言われている他の仕事で女性に活躍してもらったほうが良いでしょう。
・もちろん、女性には結婚や育児というライフイベントがありますので、男性のように組織内で責任を追及されるポジションにつきたくないという人もいるかもしれません。 ただ、それはあくまでひとつの事例にすぎません。前回の記事(日本を「1人あたり」で最低にした犯人は誰か)で指摘したとおり、やはり最大の問題は「経営者の意識」にあるでしょう。日本人女性の収入は、男性の約半分です。他の先進国の女性の収入が男性の約8割ですから、驚くほど少ないと言えます。
▽女性の生産性を高めるべき3つの理由
・ここまで、女性の生産性の低さを指摘してきました。では、なぜ女性の生産性を高める必要があるのでしょうか。それには、大きく分けて3つの理由があります。
・第一に、日本は女性にも充実した福祉制度を導入していることです。福祉制度の恩恵を受けるのであれば、それに見合った「貢献」をしていただかないと、理屈に合いません。この福祉制度を男性だけで維持するのは、計算上すでに限界に近づいています。日本にとって、女性の生産性向上は不可欠なのです。女性は男性と同じような福祉制度の恩恵を受けたいならば、男性と同じような負担をすることが求められます。
・第二の理由は人口減です。福祉制度の負担が増え続ける中、人口増が期待できないなら、生産性向上によってそれをまかなうしかありません。当然ながら、女性の活躍も重要になります。
・第三の理由は移民の問題です。現役世代の人口が減る中で、生産性を上げることができなければ、福祉を支えるためには移民を入れるしかありません。しかし、移民にはさまざまな副作用があることは、欧州が証明しています。福祉を諦めるか、外国人を増やすか、女性の生産性を高めるか。選択肢は、この3つしかないのです。
・日本でも最近、「女性の活躍の場が大事だ」「保育所を増やせばいい」という言説をよく見かけますが、そういうかけ声や表面的な対策では、この問題は解決できません。かけ声だけで変わるほど甘いものではありませんし、保育所を増やして共働きに出ても、その仕事が付加価値の低いものであれば、日本の生産性はそれほど上がりません。「生産性を上げるために保育所が必要だ」という主張ならばわかりますが、「生産性は上げません、でも、保育所は用意します」ということでしたら、効果は薄いと言わざるをえません。
・私は、保育所などを活かすためには、経営者を「女性を有効活用せざるをえない『窮地』」に追い込むようにしなくてはいけないと考えています。窮地とは、生産性を上げるよう、外部からプレッシャーをかけることです(参考:日本を「1人あたり」で最低にした犯人は誰か)。
▽女性を活用せざるを得ない「窮地」をつくり出す
・実際、女性の給与水準が高いデンマークは、国が小さいので常に窮地に陥っており、いつもそれを乗り越える戦いを余儀なくされています。また、女性をフル活用している米国は、国全体がROE至上主義なので、ある意味で常に自分たちで「窮地」という状況をつくり出し続けているとも言えます。
・これらの国から学ぶべきは、「女性の活躍が大事だ」という理念を掲げさえすれば、それが自動的に実現されるわけではないということです。利益を高めていくために女性をフル活用しなければいけないという状況に陥っていることが、結果として「女性が活躍する社会」をつくっているだけなのです。
・米国が自らに課した「窮地」という状況をうまく活用しているのは、リーマンショックから回復して、株価が史上最高値を更新したことからも明らかでしょう。それと比較して、バブル期に隆盛を誇ったという過去の実績はすごくても、いまだに日経平均が低いままの日本企業が、これまでシビアな目標を設定してきたかといえば、甚だ疑問だと思わざるをえません。
・日本企業では、経営者が生産性を上げる努力をしなくても、会社が買収されることも、経営者の首が飛ぶこともほとんどありません。これは、あまりにも「甘い」のではないでしょうか。日本の経営者にも、「女性活用」への覚悟が求められます。
・もちろん、女性にも、男性と同一労働をするという意識改革が必要です。報道によると、若い世代でも「専業主婦」志向が高止まりしているそうですが、そのような意識は変えなければなりません。 また、「日本の文化」「伝統的な家族」などといって、女性の社会参加に否定的な意見もありますが、そう言うなら、瀕死に陥っている社会福祉制度をどうするのかという問題に答えていただく必要があるでしょう。
・さらに、女性に同一労働を求めると出生率がさらに下がるという指摘もありますが、それはデータに基づかない感覚的な指摘にすぎません。海外だけではなく、国内でも、有職女性のほうが出生率が高くなるというデータがあります。 女性の生産性を高めるか、移民を迎えるか、社会保障を諦めるか。私には、答えは明らかだと思います。
http://toyokeizai.net/articles/-/152294

次に、健康社会学者の河合薫氏が1月17日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「無責任な「女子力」願望が強要する女性の社畜化 女性特有の視点、気遣い…そんなもんないワ!」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・ここのところ女性社員を対象とした講演会やセミナー、懇談会、フィールド・インタビューが続いた。企業も、業種も、年齢も違う女性たちなのだが、彼女たちに共通していたことがひとつだけあり、少々困惑している。
・いや、困惑ではない。 彼女たちの話を聞けば聞くほど、女なんだか男なんだか、オバさんなんだかオジさんなんだか“正体不明”になってしまった私は(苦笑)、彼女たちが気の毒になってしまったのだ。 その“共通していたこと”とは……、彼女たちが一様に「女性」という言葉で語られるテクストに抱いていた「憎悪」です。
・これまでにもさまざまな角度から、“女性活躍”だの“女性が輝く社会”など、“女性”だけに特化したやり方の問題点を指摘してきた。 ところが、問題「点」と絞れないほど問題は複雑化していて、20代から40代、さらには50代に至るまで「画一化された女性活躍像」にプレッシャーを感じ、出口の見えない廻廊に迷い込んでいたのである。
・たぶん…、周りの人たちには、彼女たちがナニに悩んでいるかはわからないと思う。 だって、絶対に口にしないから。 遠回しには言うかもしれない。でも、決して根っこを明かすことはない。 であるなら、なんで私に打ち明けたかのかって?
・“モヤちょい”したからです。 はい、モヤちょいです。具体的な質問を、ちょいちょい投げかけることで、モヤモヤを引き出す方法が、“モヤちょい”であります。 実は昨年末、女性誌の編集者の方たちと飲んだときに、 「女性たちは『こんなこと思ってしまったり、モヤモヤしてていいんだろうか?』って考えちゃうんです。ブラックな自分が顔を出すことに、罪悪感を覚える。だから、上手くちょいちょい突ついてもらえて、やっと自分の気持ちが話せるんですよね。河合さんの連載(日経ウーマンオンライン「 河合薫の「女性のリアル人生相談」」)、ニケさんにちょいちょいするでしょ?だから面白いんです」 というようなことを言っていたのだ。 そこでモヤちょいを実際やってみたところ、「話を聞いてもらって、私のモヤモヤがやっとわかりました」と涙をポロポロ流す女性まで出てきてしまいまして。
・男性にも是非、モヤちょいで明らかになった彼女たちのホンネを聞いてもらいたいと思った次第です。 テーマは「女性たちの心の叫び」。ただし、心の叫びは属性により多種多様。そこで今回は、その中の一つだけを取り上げ、その他は今後、さらに深化させてから紹介します。 では、“モヤちょい”第一弾をお聞きください。
▽「女性ならではの視点…なんて期待されても」
・「私は今年、31歳です。会社には同年代の女性はたくさんいますけど、管理職の女性は少ないです。結婚はしたいですけど、彼氏はいません。河合さんはいろんな方をインタビューしているそうですが、他の会社の独身女性ってどうしてるんでしょうか?」
・「どうしてるって、どういうことですか???」(河合)
・「……私、仕事はずっと続けていきたいと思っていますし、普通に暮らせればいいんです。でも、私、普通じゃないみたいなんです」
・「えっと……。普通じゃないというのは、どういうことなのか具体的に話してもらえますか?」(河合)
・「女性は結婚して、子どもを産んで、それで働くのが普通なんです。私は結婚していないし、子どももいない。会社に居場所がない。そう感じることが度々あります」
・「でも、まだ31歳ですよね?」(河合)
・「はい。結婚したいとは思っていますけど、ものすごく結婚したいわけではないし、この先結婚できる保証もない。それに……周りの男性たちからは“女子力”を期待されますが、私にはこれといった女子力もありません」
・「女子力……?女性らしく振る舞うことを期待されるってことですか?」(河合)
・「いろいろです。女性ならではの視点、女性ならではの気づかい、女性ならではのコミュニケーション力です」  「そんなに期待されてもね。“女性ならでは”なんて言われても困りますよね(笑)」(河合)  「そうなんです。本当、困るんです。……私、バリキャリでもないので、上司からは何か楽しいことはないのか、ってしょっちゅう言われます。前向きに、楽しくないとダメなんでしょうか?」
・「(笑)私なんて外ではこんなですけど、普段は家から出ることもなく、地味~に暮らしてますよ~」(河合)
・「え、そうなんですか?毎日バリバリ生きてるんだと思ってました。あ、すみません(苦笑)。実は先日、一般職だった40歳の女性がいきなり管理職になりました。女性活躍の一環だそうです。 その女性が一般職だったときには、たまにランチに一緒に行ってたんですけど、今は行けなくなってしまいました。忙しくてランチをとる時間がないんだそうです。その人の上司も女性なんですけど、ものすごい“ハイスペック”な人で。結婚して子育てもして、それでうちの会社で初の女性部長なったんです。 彼女は部長から『後輩たちのロールモデルになりなさい』って言われているらしく、人が変わったように仕事しています」
▽育児休暇?時短勤務?そんなの独身女性には関係ない
・「その人にも子どもがいるんですか?」(河合)
・「中学生ですけどいます。会社は彼女のように子育てもし、一般職だった人でも管理職になれるというロールモデルを作って『女性が活躍する会社』をアピールしたいんです。 育児休暇や時短勤務を充実させることを、『女性の働きやすい職場』って言うんですよね? でも、私のように独身で、活躍する気もないと全く関係ない話です。女性をひとくくりにしないで欲しい。独身者には何の恩恵もないわけですから。 男性の場合は、バリバリ出世を目指していく人もいれば、一生ヒラで終わる人もいます。結婚してない人だっているし、子どものいない人もいる。なのに、なぜ女性はひとくくりにされてしまうのでしょうか。元気に、明るく、おしゃれして、女性目線の意見を言って。子育ても仕事もがんばらないと、ダメダメ人間のように思われます」
・「そうね~。働け!って言われてんのか、子ども産めって言われてんのか、わけわからないですよね。産めや増やせやの時代に通じる脅迫的なモノがありますよね~」(河合)
・「このまえ、どうしても終らせなきゃいけない仕事があって、休日出勤したんですね。そしたら、たまたま上司も来ていて『そんなにがんばらなくていいのに』って言われてしまったんです。 私は別にがんばったわけでもなんでもなく、家にパソコンがなく会社でしかできないから出社しただけなんです。おそらく上司は休日に会社以外、行くとこないのか?っていう意味で言ったんだと思います」
・「ごめんなさい。ちょっと理解できないんですけど……」(河合)
・「会社なんか来てないで、彼氏見つけて結婚しろってことです。ストレートに言うとセクハラになるから言わないだけです。でも、周りには私のような生き方は理解されない。ひょっとすると休日出勤する心意気があるなら、普段からもっとバリバリやる気を見せろ、ってことなのかもしれません……」 
・以上です。 彼女の心の叫びをリアルに感じて欲しくて、実際のやりとりを出来る限りそのまま再現したのだが、わかっていただけただろうか? おそらくみなさんは、「周りのこと気にし過ぎ」だの、「結婚なんてひょんなことからできる」だの、「婚活とかすればいいじゃん」とか、アレコレ思ったに違いない。 でもね、30になるとみんな悩むのですよ。かくいう私もそうだったから。
▽「お天気おねえさん」の頃、毎晩泣いていました
・30代の頃は「私は何かの病気かもしれない」と、自分で自分のことが心配になるほど毎晩泣いていた(苦笑)。スッチーを辞め、久米宏さんの横で天気予報をやり、他人からみれば「絶好調じゃん」と思われていたのに、とにかく不安で。 子どもを絶対欲しいとも思わなかったかわりに、絶対欲しくないとも思わなかった。友人たちが子どもを産み、家庭を作っているのに、私は何をやっているんだろう?と。
・私は「普通じゃない」と感じることも多かった。中学生のときに日本に帰ってきてから、「日本人の普通」に散々窮屈さを感じていたのに、何故か「女性の普通」にひっかかった。 矛盾する気持ちに折り合いを付けるために、「テレビに出てる人が普通だったらおもしろくない。誰も見ない。だから普通じゃなくていいんだ」と必死で思い込もうとしたり……。 なので、彼女が会社で居場所がないという気持ちも、なんとなくわかるのです。問題は、それが30代に限ったことじゃないってこと。
・件の女性の話にも登場していたけど、「後輩のロールモデルなれ!」だの、「パイオニアになれ!」だの上から言われ、釈然としない思いを抱えていた40代もいたし、 “ハイスペック女性上司”の存在そのものが、プレッシャ—になっていた人もいた。 この辺りはまたいずれ詳しく取り上げるとして……。
・とにかく彼女たちはみなさんが想像する以上に、
 +女性=結婚、出産
 +女性=女子力
 +女性の活躍=管理職
 +女性の働きやすい職場=育休・時短勤務の充実
 +女性=休日はプライベートを充実させる etc、etc…… といったキーワードで女性を語るテクストに辟易している。
・「働く女性はこうに違いない」という見方が強くなってきていることに憤り、戸惑い、疲弊しているのだ。 「女性が働きやすい職場問題」や「女性活躍問題」はデリケートな部分もあり条件反射的に反応する人がいるので、念のため断っておくけど、私は女性たちに“風”が吹き始めたことはおおいに歓迎している。今進んでいる政策や取り組みを否定する気はさらさらない。
・いかなる変化もすべての人に一様には起こらない。なので変化の途中で生じるしわよせが、一部の人(独身女性や男性)にいってしまうこともあるだろう。 なのでモヤモヤ自体はあって当然である。問題はモヤモヤの中身ではなく、「そんなこと思っちゃいけない」と罪悪感をいだき、「そんなこと考える自分はダメな人」と自己否定するほど、女性の画一化が暴力的に広がっていることだ。このままでは“吹きだまり”にはまる女性が量産される。
▽「みんな」の先に「女性」がいる
・ワークライフバランス―。おそらくこの言葉を知らない人はいないはずだ。 生活と家庭の調和と略されるワークライフバランスの始まりは、いわゆる「女性の働きやすい職場」を目指したものだった。 1980年代、アメリカでは技術革新による産業構造の変化で、高度なスキルを持った女性たちが労働市場に求められるようになった。  もっと女性たちに働いて欲しい―、と女性を積極的に雇用し、育児と仕事を両立できるようにと保育サポートを中心に行う企業が増えていった。これらは「ワーク・ファミリー・バランス」や「ワーク・フレンドリー・プログラム」と呼ばれた。
・ところが、この取り組みは思うようには広がらなかった。独身者や子どものいない女性、あるいは男性たちから「子育て女性だけが福祉を受けられるなんて、不公平だ」という不満が相次いでしまったのだ。 そこで「いかなる人も恩恵を受けられるように」と、すべての従業員の私生活に配慮した制度やメニューが作られ、「ワークライフバランス」と呼ばれるようになる。
・介護支援、従業員の私的な悩みに対処するカウンセリング、従業員の心身の健康に寄与するフィットネスセンターの開設、生涯学習などの支援などの施策を整備し、ワーキング・マザー以外の従業員も広く利用できるようにしたのである。
・従業員の不満は改善したものの、実際にはワークライフバランスを取り入れたのは一部の企業のみ。あくまでも「福祉的な取り組み」であったために企業はできるだけコストをかけたくないと考え、働く人たちも「困っている人だけが利用するもの」と考え利用を躊躇した。ワークライフバランスは、風前の灯火と化したのである。
・ところが米フォード財団の調査研究がきっかけとなり、再びワークライフバランスに注目が集まった。 「仕事の再設計」をすれば、会社が掲げる業務目標を達成しながら、従業員にも私生活を充実させるだけの時間の余裕をもたらすことができるとする報告書を、米フォード財団が1993年から3年間かけて行った調査研究をもとに発表したことで、いっきにワークライフバランスが広がったのだ。
・ワークライフバランスとは「福祉政策」ではなく、企業の生産性を高めるもの。会社も従業員もウィンウィンになるような「仕事の再設計」が、ワークライフバランス。 ワークライフバランスが可能となるような「仕事のやり方」を考えるという視点が革新的で、人びとを魅了したのである。
・「仕事の再設計」というトレーニングプログラムはチーム、個人、管理職、経営トップが一丸となって次の3段階を実行することにより、従業員のワークライフバランスを実現する。
 (1)仕事と理想的な従業員像についての既存の価値観・規範を見直す。
 (2)習慣的な仕事のやり方を見直す。
 (3)仕事の効率と効果を向上させ、同時に仕事と私生活の共存をサポートするための変革を行う。
・プログラムを完成させるには、従業員からの要望と企業からの要望を一つひとつ丁寧に組み合わせる作業が重要になる。実に手間のかかる作業だ。その作業はまるで「ジグソーパズルを行うのと同様である」と言われるほど、頭と労力を使う。
・もし、本気で「女性の働きやすい職場」を目指すなら、仕事の再設計をやらなきゃダメ。今のように「ムード」や「福祉」でやっていたのでは、ウィンウィンならぬ、フヒ~フヒ~。女性たちは疲弊し、不満を蔓延させるばかりか、企業もいずれヘタっていく。 それに男性たちだって、女性たちと同じように、閉塞感を抱いているんじゃないだろうか。
・「男性の場合は、バリバリ出世を目指していく人もいれば、一生ヒラで終わる人もいます」には笑ってしまったけど、男性は男性で、「女性は結婚するっていう選択があるからいいよな」 と鬱屈する。 “ハイスペック上司”に辟易している男性もいるし、「そこそこ働いて、食べて生きていければいい」という人は圧倒的多数だ。社畜という言葉を彼らが多用するのも、ザ・昭和の仕事観への反発である。
・企業が目指す“女性の働きやすい職場”が、“社畜を量産する職場”にならなぬよう、ムードではなく根本的な問いかけから始めないと……。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/011300087/?P=1

アトキンソン氏についてはたびたびこのブログで紹介しており、最近では1月26日に紹介した。日本の生産性の低さについて、女性の側面から述べたのが今回の記事だ。 『日本は女性の社会進出自体は進んでいますが、生産性の高い職に就く割合が低いままなので、労働人口に占める女性労働者が増えれば増えるほど、生産性を圧迫するのです。その分、海外とのギャップは広がっていきます』、というのは元アナリストらしい理論的な分析だ。 『女性を活用せざるを得ない「窮地」をつくり出す』、との提言はその通りだ。コーポレート・ガバナンス改革で、機関投資家も最近は経営陣に時には厳しく迫るようになりつつあるとはいえ、まだまだ甘いのだろう。ただ、これは、百年河清を俟つようなものかも知れない。
河合氏の記事にある  『女性をひとくくりにしないで欲しい』、というのは、我々男性陣が気付かずにいる点だと、反省させられた。 『ワークライフバランス』、の歴史や意味についてもおかげで理解できた。 『企業が目指す“女性の働きやすい職場”が、“社畜を量産する職場”にならなぬよう、ムードではなく根本的な問いかけから始めないと……』、との結びはさすがだ。
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