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「安倍晋三記念小学校」(森友学園)への国有地払い下げ問題(その7)(真相は財務省による「忖度」ではないか、財務省の通常あり得ない厚遇の背景、自浄できない自民党の限界、黒幕と名指しされた松井知事と財務官僚がやったこと) [国内政治]

「安倍晋三記念小学校」(森友学園)への国有地払い下げ問題については、3月15日に取上げたばかりだが、今日は、(その7)(真相は財務省による「忖度」ではないか、財務省の通常あり得ない厚遇の背景、自浄できない自民党の限界、黒幕と名指しされた松井知事と財務官僚がやったこと) である。

先ずは、立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長の上久保誠人氏が3月14日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「森友学園問題の真相は財務省による「忖度」ではないか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く取得した問題で、森友学園が小学校の設置認可を求めた申請を取り下げた。学園理事長の籠池泰典氏は、理事長を退任する意向を示したが、国有地売却を巡る「政治家の関与」は否定した。
・14億円相当の国有地が実質200万円で売却された不可解な経緯に、政治家の関与があるのではないかと、野党は厳しく追及してきた。森友学園の要望が次々と実現した背景に、政治家の口利きがないというのはあり得ないとする見方が広がる一方で、それを示す確たる証拠は未だに出てきていない。安倍晋三首相は「私と家内、事務所も一切関わっていないと申し上げた。もし関わっていたら私は政治家として責任を取る」と明言している。
・本稿は、安倍首相など閣僚級の政治家の関与はなかったのだろうと考える。むしろ「安倍首相に近い」とされる保守系の団体からの強い要求を、財務省が首相の意向を「忖度」して認めていったように思われる。しかし、安倍首相を支持しているとされる保守系の団体が、日本社会で不思議な影響力を持っているとするならば、それは「政治家の口利き」のような単純な話よりも、はるかに根が深く、嫌な問題になってくるのではないだろうか。
▽地方レベルの「政治家と保守系団体」の日常の付き合いとは
・森友学園と政治家が、実際にどこまで接触していたのかを推測してみるところから始めてみたい。一般的に考えて、日常レベルで様々な接触があったと考えるのが自然だ。日本の地方政治の日常を見れば、運動会など学校行事等に地方政治家や国会議員が、選挙対策として顔を出すのはよく知られていることだ。特に、自民党や維新の会のような「保守」であれば、一応思想的にも近い。塚本幼稚園に顔を出し、「教育方針が素晴らしい」などリップサービスを交えた来賓祝辞もしていた政治家がいたことは、容易に想像できることである。
・筆者は、大学のキャンパスが大阪にあるので、大阪の地方自治体・議会と若干なりとも交流がある。そこで、「維新の会」についての話を聞くことがある。ご存じの通り維新の会は、「既得権打破」「二重行政打破」を強く主張したきた。一方、「日本会議」のような、いわゆる「新しい保守」系の団体は、最近までいわば「マイナー」な組織に過ぎなかった。そういう意味で、同じくマイナーな存在同士であった、維新の会の地方議員と接近するのは容易に想像できる話だろう。
・維新の会は地方レベルではいろいろなバックグラウンドを持つ議員がいる。自民党から維新に移ったコテコテの「土建屋政治家」の古株議員もいれば、若手には、流行りの言葉でいえば「オルタナ右翼」のようなレベルの議員も少なくないようだ。彼らと「新しい保守」系の団体とは、思想的な親和性もあり、互いに警戒することはほとんどなく、むしろ惹かれ合うように接近していったように思われる。
・今回の件で、橋下徹元大阪市長や松井一郎大阪府知事など、維新の会のトップレベルと森友学園の深い関係が噂されている。しかし、それは松井知事の「面識がある程度」という説明を、素直に受け取っていいのではないだろうか。むしろ、それ以前の現場レベルでの、日常の付き合いがかなり密接にあったと考えるほうがいい。
▽地方政治家、鴻池氏、近畿財務局は動かず 財務省理財局で土地取得は決められた
・しかし、そんな日常的な付き合いが割と気楽に続いているうちに、森友学園側が「小学校を設置したい」と、いろいろな政治家に言い出すようになった。最初は地方議員に陳情を繰り返し、話がなかなか進まないと鴻池祥肇元防災担当相のような国会議員に陳情をしていったということだ。「学校の認可・設置に関する政治家への陳情」というだけならば、どこの地方でもよくあることで、「政治家が相談に乗る」「役所の担当者を紹介する」程度のことなら、別に珍しい話ではないだろう。ただし、今回はそれとは別次元の、土地取得に関するあまりに不可解な話がある。これについては、よくある話と片付けるわけにはいかないものである。
・今回の件に関しては、鴻池事務所に対する籠池理事長の「陳情報告書」の記録が出てきている。そこには、鴻池元防災相の元秘書・黒川治兵庫県議会議員(自民党)や、中川隆弘大阪府議会議員(維新の会)らの名前が出てくる。彼らは、再三再四に渡って、籠池理事長から「鴻池事務所につないでほしい」と依頼を受けていた。そして、「相談に乗ってあげてよ」という形で、鴻池事務所につないだという。ここまでは、まだ通常の陳情の範囲内だ。
・しかし、2016年3月に森友学園が、杭打ち工事を行う過程で新たな地下埋蔵物が発見されたことをきっかけに、資金不足のために土地を賃貸することから、突然購入に方針転換してからは、陳情攻勢のしつこさが尋常ではなくなった。報告書には、「うちはコンサル業ではありませんので」「うちは不動産屋と違いますので。当事者同士で交渉を!」「どこが教育者やねん!」「大阪府の担当者は、土地以外の(生徒募集)を一番懸念されているようですが」などと、籠池理事長のあまりにしつこい陳情に、鴻池事務所が呆れかえっていた様子が記されていた。
・そして、籠池理事長は、要求に応じない近畿財務局を飛び越えて、財務省理財局を訪れて直談判に及んだ。その際、理事長は鴻池事務所にアポ取りを依頼したが、断られていた。しかしノーアポで理財局に乗り込み、ゴミ処理代を8億1900万円とする内諾を得て、評価額9億5600万円の国有地を、1億3400万円で購入したのである。
・要するに、籠池理事長は地方・国の様々な政治家に接触し、近畿理財局にも掛け合ったが、国有地を安く購入することはできず、財務省理財局訪問のアポ取りさえ断られていた。理事長が理財局に直談判して、初めて森友学園の要求が通ったのである。つまり、地方議員も鴻池元防災相も、ルールに従って事務的に対応していた近畿理財局を動かすことはできなかったのだし、そもそも動かす気がなかったように思われる。全ては財務省理財局で決められたのであり、そこに政治家の関与、それも鴻池元防災相を超える「大物」が関与したかに焦点が絞られることになる。
▽安倍首相があえて保守系学校法人の土地取得に関与するとは考えられない
・要するに、突き詰めると「安倍首相夫妻が森友学園の土地取得に関与していたか」が焦点となるわけだ。しかし、筆者は「現時点では」安倍首相夫妻の直接的関与はなかったと考えている。安倍首相は、第一次政権(2006年9月~2007年9月)をわずか「365日」の短命政権に終わるという失敗を経験している。その一因は、「年金未納問題」や度重なる閣僚の「スキャンダル」などで支持率が低下し、求心力を失ったからだ。筆者は、スキャンダルが頻発したに背景には、「教育基本法改正」など、首相が保守的な信念を貫こうとして、左翼勢力を本気で怒らせたからだと考えている。
・安倍首相は、2012年12月に政権復帰するにあたって、この第一次政権期の失敗から様々な教訓を得ていた(本連載2015.3.5付)。それは、政敵に隙を与えないために、「守り」を固めるということだ。例えば、首相は、自身の保守的な思想信条を表明するのに、非常に慎重である。もちろん、「特定秘密保護法」(2013.12.6付)、「安保法制」(2015.9.19付)など、「やりたい政策」を実現してきた。それでも、「アベノミクス」による経済重視を打ち出して、愚直に政策実現を目指した第一次政権期と比べれば、相当に慎重に振る舞ってきたのだ(2014.12.18付)。
・そんな慎重な安倍首相が、保守系の学校法人の土地取得に関与するなど、危ない橋を渡るはずがないと思うのだ。本人ではなくても、スタッフが関与したというかもしれないが、本人以上にスタッフが慎重なはずで、ありえないことだ。もし本当に関与しているならば、即刻「内閣総辞職」に値する愚行であろう。
・従って、森友学園が「安倍晋三記念小学校」という名称を使って寄付集めをしたことに抗議したことや、「何度も何度も断ったのに、しつこかった」という首相の国会での説明は、嘘を言っていると決めつけることはできないと思う。日頃の首相の慎重な行動から理解できる範囲のものだ。
・一方、安倍昭恵夫人が、森友学園の小学校の名誉校長に就任し、講演会でその教育方針を賛美したことは、軽率であったと言わざるを得ない。しかし、擁護するわけではないが、端的に言えば、夫人が世間知らずで「天然ボケ」のお嬢様だったというだけの話だ。これも一般論になるが、政治家やその関係者に講演や取材の依頼は日々いろいろ来るものである。事務所は、相手の思想信条などあまり考慮せずに引き受けることはある。逆に、依頼を断るのは案外に難しいものである。
・そして、講演になれば、目の前に座っている人たちに、ある種の「リップサービス」をすることはよくあることだ。例えば、首相・閣僚レベルでも、有名な森喜朗氏の首相在任時の講演での発言「日本は神の国」や、麻生太郎財務相が「ナチスの手口をまねたらどうかね?(会場から笑いが起こった)」と口が滑ったりしたような話である(2013.8.30付)。
・それは、森氏や麻生氏が時代錯誤なとんでもない思想信条の持ち主だというより、その言葉だけ取り上げず、講演の前後の文脈も併せて聴けば、目の前の人を単純に笑わせただけだとわかる。安倍夫人の発言も、そういう類の話で、「今後気を付けてください」という厳重注意で済む話だ。それが直ちに、首相夫妻の土地取得やその他の便宜への関与の証拠というわけではない。「アッキード事件」というのは、明らかに限度を超えているだろう。
▽保守派は影響力があるという「空気」を断ち切らなくてはならない
・そうすると、誰が関与して森友学園の国有地取得が実現したのかだが、基本的には政治家は誰も「口利き」はしていないのではないだろうか。財務省理財局が、籠池理事長の直談判を自らの判断で受け入れてしまったのだ。要は、籠池理事長が安倍首相と「近い関係にある」と思い、安倍首相の意向を「忖度」して、理財局の判断だけで話を通してしまったのではないだろうか。
・これも一般論から入りたいと思うが、日本社会では、「うるさい人」がやってきたら、いちいち理屈で抵抗しないで、できるだけ触らない、関わらないということで話を通してしまうということがよくある。まして、権力を持つ人がバックにいるとなれば、なおさらである。
・籠池理事長が財務省理財局に直接乗り込んできて、「安倍首相がバックにいる」とか、あることないことを言って圧力をかけたことは容易に想像できる。理財局からすれば、本当に首相がバックにいるのかどうかはわからない。しかし、杓子定規に断った後で、本当に首相が出てきたら面倒な話になってしまう。
・麻生財務相が国会で「適切に処理した」と再三答弁しているように、国有地の売却自体は、財務省理財局の権限でできるもので、違法ではないのだろう。だから首相などに確認することもなく、通したということだろうか。それならば、至って「日本的な話」だということになる。
・しかし、もう一歩踏み込んで考えると、話はもっと深刻なものになるかもしれない。安倍政権が長期政権化していき、次第に首相が特定秘密保護法、集団的自衛権から共謀罪、そして憲法改正へと「やりたい政策」を着実に進めていくようになると、それを支持する「日本会議」など保守派が、なんとなく政界に影響力を持っているような「空気」が流れているように思える(2016.11.8付)。
・前述のように、政治家は地方でも中央でも、日常の活動において、日本会議の関連など保守的な団体に「いい顔」を見せて、その思想信条を素晴らしいなどと「リップサービス」を繰り返すようになっている。その空気は、中央の官僚組織の中心である財務省までもが、強く感じるようになっているのではないだろうか。そして、安倍首相に何も頼まれているわけではないのに、きっと首相が望むことだと「忖度」してやったことだとすれば、物事は単なる「政治家の関与」よりも、より根深く、面倒なものになるのではないだろうか。
・さらに言えば、籠池理事長と財務省が接触した時期は、安倍首相と財務省が「軽減税率」を巡って激しい攻防戦を繰り広げた後であった(2015.12.22付)。そして、首相がノーベル経済学賞の受賞者を官邸に招き、「消費増税延期のお墨付き」を得ようとした時期でもある(2016.4.12付)。財務省と首相の関係が悪化していた時期だったといえる。財務省が首相のご機嫌を取り、関係改善のために行ったことが、「首相を支持する保守的な団体の国有地取得に便宜を図ること」だったとすれば、大問題であろう。
・おそらく、この問題は籠池理事長の辞任と、小学校の認可申請取り下げで、幕引きを図る方向に向かうのだろう。安倍首相など「政治家の関与」も、確たる証拠は出てこないだろう。しかし、野党は追及の手を緩めるべきではない。前回論じたように、この機会に、自民党と保守派の不適切な関係を絶たせるべきである(2017.2.28付)。単なる政治家のスキャンダルという以上のより深刻な問題が、日本社会の地方の現場レベルから、中央政界・官界にまで静かに広がりつつあることを、見逃すわけにはいかないのではないだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/121086

次に、デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員の山田厚史氏が3月14日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「なぜ財務省は森友学園に通常あり得ない厚遇をしたのか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・虚偽答弁」で防衛相は辞任の瀬戸際。広告塔を務めた首相夫人は深手を負った。二人とも籠池泰典・森友学園理事長との交友がアダとなった。安倍晋三首相に馴染み深い「右派人脈」が、盤石と見られた長期政権を揺さぶっている。そしてもう一つ、森友学園によって自滅する権威がある。財務省。そもそも事件の発端は、国有財産だった。
・世間の怒りに火をつけた「タダ同然の払い下げ」を決めたのは財務官僚である。過去にも例がない奇妙な取引が実現した謎は、まだ解けていない。背後に垣間見えるのが消費増税を巡る官邸・自民党との関係だ。
▽タダ同然の払い下げ実現に財務省で働いた「特別の力学」
・9億5600万円と不動産鑑定士が評価した土地を、埋まっているゴミの処理費用と称して8億2200万円値引きして1憶3400万円で払い下げた。 既に払ったゴミ処理代1億3200万円を差し引くと、森友学園は200万円で大阪の豊中市に8770平米の土地を取得した。さらに学園には国土交通省から補助金として6000万円が出た。木造体育館への助成だという。破格の優遇である。普通の学校関係者は、こんなにちやほやしてもらえない。
・「特別の力学が働いたと思わざるを得ない」 作新学院理事長でもある船田元衆議院議員はブログにそう書いた。国有地の払い下げを受け新設校を開校した自らの経験と比べ、森友学園の場合は、迅速に格安な払い下げが決まった。「安倍総理大臣や昭恵夫人との関連は、自ら明らかにされること」とやんわり首相の説明不足を突いている。
・安倍首相も稲田防衛相も「土地売買には一切関与していない」と繰り返している。 関与とはどういうことを指すのか。財務省に電話して「籠池理事長の話を聞いてやってくれ」とでも言うことなのか。それとも「国有地を安く払い下げてやれ」と具体的に指示することか。それほど品格を欠く介入を総理大臣が直接やるとは思えない。
・財務省の役人に聞くと、首相官邸からの「要請」は珍しくない、という。高官から直接に連絡があったり、出向している財務省出身者を介しての紹介や問い合わせが来るという。 国会議員は日常活動の一環として役所への「口利き」をしている。有権者の事情を直接行政に取り次ぐのは政治家の仕事の一部とされてきた。
・「役人に、大きな声で要求をするのは、まだ力のない若手のやりかた」ともいわれている。ベテランになれば、「よろしく」「頼むよ」という穏やかな言葉に、断り切れない威圧を込める。さらに上を行くと、言葉はいらない。サインを読み取れない官僚は「×」である。
・財務省には天下の秀才が集まっている。仕事を早く、正確にこなす能力では優劣つけにくい。問われるのはセンスだ。 「ヤレと指示されて、できなければバツ。そんな役人はウチにはいない」。バブルのころよく聞かされた言葉だ。 「指示された仕事ができたからといって『○』にはならない。場合によっては、状況を読み、いま必要なことを判断して成果を示せるのが、できる役人」というのだ。
・銀行など民間ではこう言われてきた。 「調査役は課長になったつもりで。課長は部長の立場で考え、部長は役員の眼で…」 指示待ちはダメ、自分から案件を探し、リスクを取って成果を上げてこそ出世の道が開ける、という木下藤吉郎なみの「気働き」が説かれてきた。 過労死が問題になる民間では、もうそんな元気はなくなっているかもしれない。 しかし、政府中枢で局長・次官を目指すなら「気働き」「先読み」のセンスは必須だ。
▽財務省は政治家らに「番記者」ならぬ「番官僚」をつける
・「財務省には『番官僚』がいますよ」 教えてくれたのは閣僚経験のある学者だ。六本木の事務所で会った時、傍らに財務官僚がいた。その人が帰った後、「彼は私を担当する連絡係です。政治家でもない私にまで担当者をつけ、情報を届けてくれる。さすが財務省です」。 構造改革の旗を振るこの学者は、財務省には目障りな存在だが、「御用聞き」を張り付けて、動きをマークする。有力な政治家には『番』を貼り付け、関係を保ちつつ、取り込んでゆくというのが財務省の戦略だ。釣り針につけるエサは役所が握る権限や情報だ。
・「番官僚」には、担当の政治家が何を欲しがっているのかを嗅ぎつける嗅覚が求められる。情報、許認可、国有財産。裁量が及ぶ範囲で対応すれば「違法」にはならない。常日頃から「便宜供与」を続けることで、いざ国会対策という時に、財務省ネットワークが生きる。
・閣僚経験に乏しい安倍首相には、財務省との接点が希薄だ。父親の安倍慎太郎氏は外相・通産相が長く、秘書だった晋三氏は経産・外務の若手と交わり、当時の人脈が今も生きている。財務省にはそうしたつながりがない。パイプがないことで、政策的にも疎遠になりがちだ。
・そうした中で、第一次安倍内閣の時、首相秘書官として仕えた田中一穂氏は、貴重なパイプ役だった。 第二次安倍内閣が発足した時、田中氏は理財局長で、事務次官は同期の木下康弘。安倍首相の政権復帰で、田中氏は2014年7月、主計局長になる。 この時、次官になったのはやはり同期の香川俊介氏。予算配分を仕切る重要なポストに首相と親しい局長を充てることで、官邸との円滑な関係を保とうとした。 翌年7月、「安倍番」の田中氏が次官に昇格する。 異例の人事だった。79年入省の同期三人、木下、香川、田中が、たらい回しで次官になる。それほど、安倍官邸との接点を財務省は大事にした。
▽田中・迫田コンビの時代と消費増税、森友学園の符合
・田中一穂氏が主計局長・事務次官を務めた2014年7月から2016年7月までの2年間は、消費税増税を先送りしようとする安倍首相を、財務省が必死で引き留めようとする、壮絶なバトルが展開された時期だ。そしてこの時期に、大阪で森友学園が急展開する。
・首相夫人の昭恵さんが森友学園の幼稚園で「ファーストレディーとして」と題する講演をしたのが2014年4月。前年に籠池泰典理事長が用地取得に名乗りを上げた。 14年は、小学校の設立認可、国有地の払い下げへ準備作業が進んでいた。 資金が潤沢ではない森友学園が認可を取り、国有地を取得することは極めて難しい。府の私学審議会や国有財産地方協議会では「財務基盤の弱さ」が指摘された。門前払いもおかしくない案件が、スンナリ通り、短期間に決まった背景には、船田議員が指摘するように「大きな力」が働いた、と見るのが普通の感覚だ。
・この時期、財務省は防戦に必死だった。2014年4月、消費税が8%に引き上げられた。景気にブレーキが掛かる。官邸では首相が「財務省に騙された」と周辺に語る険悪な空気が広がった。2015年10月に予定される「10%引き上げ」に否定的な意見が持ち上がり、財務省は首相をなだめようと必死になった。
・森友学園が計画する新設小学校は「安倍晋三記念小学校」の名で寄付を募った。名誉校長に安倍昭恵さんが就任、講演には政府職員が同行し、教育方針を称賛する。どこから見ても「首相肝煎り」の小学校である。こうしたサインを財務省が見過ごすことはない。
・「主計局長になった田中さんの一番の仕事は、首相を怒らせない、機嫌をとることでした」と財務官僚は言う。  首相は11月、「消費増税を1年半延期」を打ち出し、総選挙の焦点にした。「憲法改正を争点から隠した」と言われた総選挙で、与党は安定多数を確保、「増税先送り」の味を占める。
・安倍首相に近いとされる人物がもう一人いる。首相の地元である山口県下関市出身の迫田英典・国税庁長官だ。伊藤博文以来、数多くの首相を輩出してきた旧長州藩の分厚い保守人脈は、官界人事にも影響力がある、とされている。 迫田氏は「山口人脈」で首相と知り合い、「安倍番」に加えられた。 田中主計局長が次官に就任した時、迫田氏は理財局長に抜擢、田中・迫田コンビで「安倍対策」を担うかたちになった。理財局長は、国有財産の管理の元締めである。 迫田局長の下で、「8億円の値引き」が決まり、「タダ同然の払い下げ」が進んだ。
▽“虚偽答弁”稲田防衛相にも財務官僚が「家庭教師役」
・森友騒動にはもう一人大事な脇役がいる。稲田朋美防衛大臣。答弁が一日でひっくり返るなど「虚偽答弁」が国会で問題になっているが、財務省にとって、「重要な工作対象」になっている、という。2014年9月に自民党政務調査会長になったことで「番官僚」が張りついている。自民党政調は党の政策を決める機関だが、経済政策に疎い。情報不足を補うのが財務官僚で、「家庭教師役」を務め稲田氏を取り込んだ。
・政調会長時代の稲田氏に「財政再建」を重視する発言が目立ったのは、その成果だ。安倍後を見据えた財務省の布石でもある。 森友学園の籠池理事長が自民党会館で握手した、というのは政調会長をしていた時期である。
・「政治家の関与」は、財務省が記録している「対応記録」を見れば分かることだ。しかし「処分された」(佐川宣寿理財局長)という。文書管理規定が定める保管期限を超えたから、と説明する。これが建前の話であることは多くの官僚が証言している。前回書いたが、政策立案過程を記録した文書は、情報公開を避けるため保存文書から外し、個人の「私的メモ」として残している、という。これは役人の常識という。 財務省は、交渉経過を隠しているのだ。都合の悪いことが書かれているからだろう。
・ 国会では佐川理財局長の鉄面皮な答弁が続いている。8億円の値引きは「法に従い、適切に処理しております」。ゴミ処理を確認したか、と問われても「契約上(状況を把握する)義務はなく、詳細は承知していない」。  注意深い役人が、法律に触れることをするとは思えない。世間が怒っているのは、普通はありえない厚遇を財務省が行ったのではないか、ということだ。法律問題ではない。なぜ財務省はこれほど森友学園の側に立って行政をしたのか、ということだ。
・疑念を晴らさない限り、財務省は信用ならない、という世論が沸騰するだろう。 法律に違反していないから問題ない、という強弁を続ける限り、財政再建や増税の訴えは、空しく響くばかりだ。 財務省は、誰を味方と考えているのか。
http://diamond.jp/articles/-/121426

第三に、政治評論家の田原総一郎氏が3月17日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「森友問題に見る、自浄できない自民党の限界」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・今、学校法人「森友学園」をめぐり、小学校の設置認可、小学校新設のための国有地の取り引きなど、数多くの問題が話題を呼んでいる。 中でも大きな問題は、森友学園が小学校を開設するにあたって、財務局が鑑定価格9億5600万円の国有地から地下のごみ撤去費として8億1900万円などが差し引かれた約1億3400万円で購入した。民進党によると、国は汚染土除去費用として1億3176万円を支払ったと指摘している。これを考えると、学園の負担はたった200万円ということになる。
・どうしてこんなことになったのか。これにはやはり、政治的関与があったのではないかと思わざるを得ない。国有地の問題も、なぜ売却費がこんなに下がってしまったのか。 この点に関しては、近畿財務局と学園側との交渉の記録や報告書がすでに破棄されていることが分かった。こんな大事な記録を破棄することなどあるのだろうか。第一、最終報告書は破棄したとしても、それを作成するための計算書は残っているはずだ。それを「破棄した」として提出しないというのは、「表に出すと非常に都合の悪いこと」だと疑われてもおかしくないだろう。
・まだ疑惑がある。森友学園が大阪府豊中市で建設中の小学校について、府私立学校審議会(私学審)に報告した校舎の建築費と、国の補助金を申請する際の建築費も食い違っている。 国有地の問題だけでなく、国民の疑惑をかき立てるような事柄が次から次へと起きている。その1つが、稲田朋美防衛大臣の言動だ。
・稲田氏は、国会で野党から「かつて弁護士として森友学園のための弁護活動をしたのではないか」と問われて、「同法人理事長の籠池夫妻から法律相談を受けたことはない。裁判を行ったこともない」と答えていた。提示された署名入りの書面についても「初めて見た。同じく弁護士である夫との共同の事務所であるから、連名で資料を出しただけだ」と説明した 。 ところが翌日、稲田氏はこれまでの発言を覆した。「記憶になかったが、やったことがある。弁護士の夫の代わりに出廷したのではないかと推測している」と訂正して謝罪した。
・こんなおかしなことがあるだろうか。記憶になかったというだけでは済まされない問題だ。国会答弁があまりにも軽々しすぎる。野党は当然、稲田氏の辞任を強く要求している。 さらには、稲田氏は籠池理事長夫妻から政治献金を受け取ったことまで露呈してしまった。常識的に考えれば、当然、稲田防衛相は辞任すべきだと思う。
・共同通信社が11、12日に行った世論調査によると、森友学園への国有地売却問題について、86.5%が「適切だと思わない」と回答したという。また、籠池氏を国会招致して説明を求めることに「賛成」と回答した割合も74.6%に上った。 さらには、政府が十分に説明していると思うとの回答は5.2%しかなく、「思わない」は87.6%に達したという。学園との関係をめぐる安倍晋三首相のこれまでの説明を「納得できない」と答えたのは58.3% という結果になった。 つまり、国民のほとんどが森友問題には疑惑を抱いているということだ。
▽籠池理事長はなぜ会見をドタキャンしたのか
・森友学園の籠池泰典理事長は3月9日、大阪府私学課による現地視察に立ち会った際、集まったマスコミに対して「悪意ある批判に対しては、園として今後も断固として戦う」と何度も絶叫した。 ところが翌日の夕方に開かれた記者会見で、籠池氏は一転して「苦渋の決断だが、認可の申請を取り下げる。理事長を退任する」と言った。
・これはどう考えればいいのか。前日まで「断固戦う」と言っていた人物が、なぜ翌日には申請を取り下げて、断腸の思いで理事長を降りると言ったのか。 これは何らかの政治的圧力がかかったのだと思わざるを得ない。15日も、籠池理事長は日本外国特派員協会の記者会見を行う予定だったが、直前に延期されることとなった。これも背景に何らかの圧力があったのではないかと感じる。
▽自民党は当初、籠池理事長の参考人招致を拒否
・これほど謎の多い森友学園問題について、野党は籠池理事長を国会への参考人招致を強く要請していた。ところが、安倍首相をはじめ自民党は当初、これを拒否した。 安倍首相は、「自分も妻も森友学園の問題には全く関与していない」と言っている。だが、本当にそうであるならば、籠池理事長の国会招致を最初から認めるべきだった。招致しないとする姿を見た国民の多くは「招致すると都合が悪いことが隠されているのではないか」と思っただろう。
・そんな中、16日に突然、籠池氏の国会招致で与野党が合意した。しかも、証人喚問で一致したという。なぜ自民党の方針が変わったのか。籠池氏による「爆弾発言」が飛び出したからだ。16日、大阪で参院予算委員会のメンバーによる現地調査が行われた。そこで実施された籠池氏への聞き取り調査で、彼は安部首相サイドから、建設費の寄付金として「100万円をもらった」と述べたという。菅義偉官房長官は即座に安倍首相による寄付を否定したが、もしもこれが事実であれば大問題だ。
・安倍首相は一切の関与を否定していた。もし関係があったとすれば辞任するとまで国会で答弁している。それだけに、今回の「名指し」での関係性をしっかりと否定するために、急遽証人喚問での合意がなされたようだ。
▽安倍首相に意見できない自民党
・結果的に、証人喚問が実現する見通しだが、自民党の対応は誉められたものではなかったように思う。どうしてここまで後手に回ったのか。それは、自民党内には安倍首相にそのような指摘をする者がいないからだ。これが一番の問題だ。
・かつて自民党内には主流派、反主流派、非主流派があった。僕が若い頃は、自民党の主流派と反主流派との激しい論争があった。反主流派・非主流派が存在していたからこそ、自民党には多様性がある。自由な意見が飛び交っていた。主流派の考えに異を唱え、対案を出して政策のバランスが保たれるというわけだ。実は、自民党の総理総裁は、党内での派閥争いに敗れて代わっていたのだ。当時は野党の追及などより、自民党内部での戦いの方が激しかった。
・ところが1996年の衆議院議員選挙から、中選挙区制に代わり小選挙区制が導入された。小選挙区制とは、1つの選挙区から1人だけが選ばれる制度だ。小選挙区制になると、自民党から立候補するためには、執行部からの推薦がないと公認されない。執行部が承認するということは、反主流派・非主流派であってはならない。こうして、主流派のみが存在する自民党、自由な意見が言えない自民党になってしまったのだった。
・僕は、ある自民党の幹部たちに「元の中選挙区制に戻すべきだ」と提言したことがある。彼らは「田原さんの言う通りだが、戻すのは反対だ」と答えた。 「なぜか」と再度問うと、「中選挙区制で選挙をすると、どうしても1回の選挙で1億数千万円の費用がかかる。すると、表に出せない金を集めざるを得ない」と言うのだ。中選挙区だと、選挙区内で自民党同士の戦いが生まれる。そうすると、いろいろとお金を使わなければならないらしい。だが、今は多くの議員がそのような選挙資金を持っていない。小選挙区制になったお陰で、そこまでの費用はかからなくなったという。
▽森友問題は、安倍政権の根幹を揺るがす可能性がある
・今回の問題でも、自民党内から「籠池理事長を国会に招致すべきだ」という意見がもっと早い段階で出ていいはずだ。だが、それはなかった。 自らの組織の中で、ダメなものはダメと言える「自浄作用」が働く組織でないと、与党として健全に機能しなくなるだろう。このまま国民の疑惑がどんどん深まれば、「自民党ではなく、民進党に票を入れよう」と考える人も増えるかかもしれない。
・今は残念なことに、党内で安倍首相に反対意見を言える人物がいない。中堅の議員たちに頑張って欲しいが、難しいようだ。 支持率も高く、自民党総裁任期の延長を決めて万全の状態で長期政権を狙っていた安倍首相。だが、今回の問題を軽視しては大やけどを負うことになる。 国民の声を無視し続ければ、その代償を、安倍政権だけでなく、自民党そのものが支払うことになりかねない。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/122000032/031600012/?P=1

第四に、3月16日付け日刊ゲンダイ「“籠池爆弾”の破壊力…この恥知らず内閣は確実に飛ぶ<中>」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽黒幕と名指しされた松井知事と財務官僚がやったこと
・「私学審議会を曲げたのはこの男」――。菅野氏が顔写真入りの用紙を掲げ、名指しで批判したのは、まず日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事だ。 府の私学審議会は15年1月、籠池理事長が開校を目指した小学校を「認可適当」と判断。当時は府教育長に認可権限が移る前で、松井が権限を保持していた。その1カ月前の審議会では、財務面も教育内容も森友は問題だらけとの懸念が噴出。その悪評が一転してのスピード認可だった。
・松井は「(申請者が)教育者なので性善説に立っていた」と被害者ヅラだが、籠池氏の要望を受け、12年4月に私立小の設置基準を緩和したのも松井だ。その後、私立小の設置申請は森友1件のみ。結果的に森友のための規制緩和となっている。
・ちなみに、籠池氏の要望は橋下徹氏が府知事だった11年に出された。維新を除名された上西小百合衆院議員は〈私が国会議員になった4年前、維新から「塚本幼稚園」を視察してその素晴らしさを広めろと命じられた〉と明かしている。
・橋下・松井コンビに率いられた維新は、籠池氏と“一心同体”同然なのに、今さら橋下も松井もスピード認可の背景に「国の圧力があった」と口を揃える。醜悪な責任逃れの上、大阪府は籠池夫妻の刑事告発まで検討している。
・「石原都政でさえ躊躇した、教育現場での国旗掲揚と国歌斉唱の義務を条例化し、違反した教員を懲戒の対象としたのが、橋下・松井コンビです。籠池氏の極右教育への共鳴も納得で、手のひら返しはそれこそ『徳目』に反します。これで捜査当局が動き出せば、あからさまな“口封じ”。橋下・松井府政ならぬ“腐政”の約10年間で、大阪では北朝鮮さながらの恐怖政治がまかり通るようになったのでしょうか」(政治学者・五十嵐仁氏)
・もう一人の“黒幕”も忘れてはいけない。菅野氏に「森友問題の発端をつくったのは、この男」と名指しされた迫田英典国税庁長官である。昨年3月、籠池氏が国有地の買い入れ要望を提出した当時、財務省理財局長として、国有財産の売買を決裁する重要ポストに就いていた。 近畿財務局が問題の国有地を8億円引きのディスカウント価格で、森友側に売却したのは昨年6月20日。迫田氏が国税庁長官に“栄転”したのは、その3日前だ。国有地売却の事実上の決裁者は、迫田氏と見なすのが妥当である。
▽そもそも、官僚が便宜を図った動機は何か
・迫田氏は一昨年の人事で、82年入省同期の福田淳一氏が次期事務次官最有力ポストの主計局長に就くまで、福田氏と次期次官レースを争っていた。国有地払い下げの手続きが着々と進められた時期とちょうど重なる。 また、消費税増税が宿願の財務省にとって、手続きが進んだ2014~16年は過去に例がないほど“惨敗”続き。安倍首相はこの間、増税時期を2度延期した。経産省出身の今井尚哉首相秘書官が、菅官房長官と一緒に官邸を牛耳る安倍政権は“経産省政権”と揶揄されるほど。当初、売却額さえ非公表にし、破格の激安価格で国有地を払い下げた過程は異例続き。前例踏襲が習性の官僚機構としては、あまりにも不自然なプロセスは、“財務省の組織を挙げた巻き返し”と考えれば腑に落ちます。首相夫人が名誉校長を務める学校法人に便宜を図って、政権に恩を売る意思が働いた可能性は十分にあり得ます」(五十嵐仁氏=前出)
・真相究明には松井知事と迫田氏、黒幕2人の参考人招致が不可欠だ。 今回の疑惑の核心は、国民の財産である国有地が、安倍首相周辺との関係を強調する学校法人に“タダ同然”で払い下げられた点にある。しかも疑惑の渦中の人物をたどっていくと、ほとんどが安倍につながっていく。 昭恵夫人が4月に開校予定だった「安倍晋三記念小学校」こと「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長を務めていたのは紛れもない事実だし、学校設置が認可された時の文科相は“お友達”の下村博文自民党幹事長代行だ。私立小の設置基準を緩和し、スピード認可を“後方支援”したとされるのは、安倍と昵懇な仲で知られる大阪府の松井一郎知事。
・おまけに売却交渉のすべてを知っているはずの当時の財務省理財局長の迫田英典国税庁長官は、安倍と同郷の山口県下関市出身で、「総理も俺も長州人」と吹聴しているらしい。籠池氏の訴訟代理人弁護士だった稲田防衛相は、“秘蔵っ子”なんて呼ばれ、安倍のエコひいきで重要ポストを歴任している。さらには、昭恵夫人だけでなく、安倍本人が森友学園の幼稚園で講演を予定していたことも明らかになった。政治評論家の森田実氏が言う。 「今回の国有地の払い下げ問題で複数の政治家や官僚が不可解な動きをしたのは明らかですが、“黒幕”はあくまでも安倍首相です。安倍夫妻が森友学園のバックにいたからこそ、財務省をはじめとする国の行政機関が忖度して動いた。時の権力者の顔色をうかがい、ゴマをすってポイントを稼ごうとするのは官僚の習性です。間接的とはいえ、安倍首相の意向が働いたことを見逃してはいけません」
・森友問題はあくまでも安倍晋三の疑獄なのだ。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201584

上久保氏の記事にある 『籠池理事長は、要求に応じない近畿財務局を飛び越えて、財務省理財局を訪れて直談判に及んだ』、 『籠池理事長が安倍首相と「近い関係にある」と思い、安倍首相の意向を「忖度」して、理財局の判断だけで話を通してしまったのではないだろうか』、 『政治家は地方でも中央でも、日常の活動において、日本会議の関連など保守的な団体に「いい顔」を見せて、その思想信条を素晴らしいなどと「リップサービス」を繰り返すようになっている。その空気は、中央の官僚組織の中心である財務省までもが、強く感じるようになっているのではないだろうか。そして、安倍首相に何も頼まれているわけではないのに、きっと首相が望むことだと「忖度」してやったことだとすれば、物事は単なる「政治家の関与」よりも、より根深く、面倒なものになるのではないだろうか』、、などの指摘は説得力がある。
山田氏が指摘する 『財務省は政治家らに「番記者」ならぬ「番官僚」をつける』、『79年入省の同期三人、木下、香川、田中が、たらい回しで次官になる。それほど、安倍官邸との接点を財務省は大事にした』、『田中・迫田コンビの時代と消費増税、森友学園の符合』、 『“虚偽答弁”稲田防衛相にも財務官僚が「家庭教師役」』、というのも大いにあり得る話だ。
田原氏は、 『政治的関与があったのではないかと思わざるを得ない』、と上久保氏の「財務省による「忖度」だけではないと指摘しているが、確かにその可能性もあろう。『森友問題は、安倍政権の根幹を揺るがす可能性がある』 との指摘はその通りだ。
日刊ゲンダイの記事にある 『松井は「(申請者が)教育者なので性善説に立っていた」と被害者ヅラだが、籠池氏の要望を受け、12年4月に私立小の設置基準を緩和したのも松井だ。その後、私立小の設置申請は森友1件のみ。結果的に森友のための規制緩和となっている』、『維新を除名された上西小百合衆院議員は〈私が国会議員になった4年前、維新から「塚本幼稚園」を視察してその素晴らしさを広めろと命じられた〉と明かしている』、などは維新の会がどっぷり浸かっているようだ。森田氏が指摘する 『“黒幕”はあくまでも安倍首相です。安倍夫妻が森友学園のバックにいたからこそ、財務省をはじめとする国の行政機関が忖度して動いた』、というのはその通りだろう。
今回は既に長くなったので、記事の小見出しの紹介に止めるが、3月17日付け日刊ゲンダイ「籠池証人喚問の行方は…本紙独占“安倍寄付”証言の全容<下>」には、『知りすぎた男、籠池理事長が“消される”懸念』、との穏やかならざる扇情的小見出しまでがついた記事が出るに至った。真偽のほどはともかく、証人喚問までの間も、まだまだ騒ぎは収まりそうもなさそうだ。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201688 
タグ:国有地払い下げ問題 森友学園 安倍晋三記念小学校 知りすぎた男、籠池理事長が“消される”懸念 籠池証人喚問の行方は…本紙独占“安倍寄付”証言の全容<下> 森友問題はあくまでも安倍晋三の疑獄なのだ 維新を除名された上西小百合衆院議員は〈私が国会議員になった4年前、維新から「塚本幼稚園」を視察してその素晴らしさを広めろと命じられた〉と明かしている 松井は「(申請者が)教育者なので性善説に立っていた」と被害者ヅラだが、籠池氏の要望を受け、12年4月に私立小の設置基準を緩和したのも松井だ。その後、私立小の設置申請は森友1件のみ。結果的に森友のための規制緩和となっている 松井一郎大阪府知事 私学審議会を曲げたのはこの男 黒幕と名指しされた松井知事と財務官僚がやったこと “籠池爆弾”の破壊力…この恥知らず内閣は確実に飛ぶ<中> 日刊ゲンダイ 森友問題は、安倍政権の根幹を揺るがす可能性がある 安倍首相に意見できない自民党 なぜ翌日には申請を取り下げて、断腸の思いで理事長を降りると言ったのか。 これは何らかの政治的圧力がかかったのだと思わざるを得ない 稲田氏は籠池理事長夫妻から政治献金を受け取ったことまで露呈してしまった 稲田朋美防衛大臣の言動 府私立学校審議会 これにはやはり、政治的関与があったのではないかと思わざるを得ない 森友問題に見る、自浄できない自民党の限界 日経ビジネスオンライン 田原総一郎 “虚偽答弁”稲田防衛相にも財務官僚が「家庭教師役」 迫田局長の下で、「8億円の値引き」が決まり、「タダ同然の払い下げ」が進んだ 迫田英典・国税庁長官 どこから見ても「首相肝煎り」の小学校である。こうしたサインを財務省が見過ごすことはない 田中・迫田コンビの時代と消費増税、森友学園の符合 79年入省の同期三人、木下、香川、田中が、たらい回しで次官になる。それほど、安倍官邸との接点を財務省は大事にした 第一次安倍内閣の時、首相秘書官として仕えた田中一穂氏は、貴重なパイプ役 財務省は政治家らに「番記者」ならぬ「番官僚」をつける 状況を読み、いま必要なことを判断して成果を示せるのが、できる役人 船田元衆議院議員 特別の力学が働いたと思わざるを得ない 背後に垣間見えるのが消費増税を巡る官邸・自民党との関係 なぜ財務省は森友学園に通常あり得ない厚遇をしたのか 山田厚史 単なる政治家のスキャンダルという以上のより深刻な問題が、日本社会の地方の現場レベルから、中央政界・官界にまで静かに広がりつつあることを、見逃すわけにはいかない 保守派は影響力があるという「空気」を断ち切らなくてはならない 。理事長が理財局に直談判して、初めて森友学園の要求が通ったのである。つまり、地方議員も鴻池元防災相も、ルールに従って事務的に対応していた近畿理財局を動かすことはできなかったのだし、そもそも動かす気がなかったように思われる。全ては財務省理財局で決められたのであり、そこに政治家の関与、それも鴻池元防災相を超える「大物」が関与したかに焦点が絞られることになる 籠池理事長は、要求に応じない近畿財務局を飛び越えて、財務省理財局を訪れて直談判に及んだ 地方政治家、鴻池氏、近畿財務局は動かず 財務省理財局で土地取得は決められた 安倍首相を支持しているとされる保守系の団体が、日本社会で不思議な影響力を持っているとするならば、それは「政治家の口利き」のような単純な話よりも、はるかに根が深く、嫌な問題になってくるのではないだろう 安倍首相など閣僚級の政治家の関与はなかったのだろうと考える。むしろ「安倍首相に近い」とされる保守系の団体からの強い要求を、財務省が首相の意向を「忖度」して認めていったように思われる 4億円相当の国有地が実質200万円で売却 森友学園問題の真相は財務省による「忖度」ではないか ダイヤモンド・オンライン 上久保誠人 (その7)(真相は財務省による「忖度」ではないか、財務省の通常あり得ない厚遇の背景、自浄できない自民党の限界、黒幕と名指しされた松井知事と財務官僚がやったこと)
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