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「保育園落ちた」(待機児童、「保活」)問題(その4)(「ブラック保育園」の実態、姫路「わんずまざー保育園」の悪行、どろんこ保育園」の"不都合な真実"、保育園建設に反対する高齢者の末路) [社会]

「保育園落ちた」(待機児童、「保活」)問題については、昨年6月29日に取上げたが、今日は、(その4)(「ブラック保育園」の実態、姫路「わんずまざー保育園」の悪行、どろんこ保育園」の"不都合な真実"、保育園建設に反対する高齢者の末路) である。

先ずは、3月7日付け東洋経済オンライン「発覚!おぞましい「ブラック保育園」の実態 「保育園不足」に悩む自治体も事実もみ消し?」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・神奈川県にある認可保育園の園長だったみつこさん(仮名)は2016年、同保育園の運営会社を訴えた。みつこさんは2015年春にA社から採用され、園長として園の立ち上げから勤務していた。そのわずか1年後の提訴。いったい、何があったのか。
・現在60代のみつこさんは、保育経歴15年以上のベテランだ。民間の認可保育園長や児童発達支援施設の管理者を務めた経験がある。さらに、公立の障がい者施設、老人介護施設でも働き、福祉に関わり40年の人生である。
・みつこさんは小規模保育園が対象とする0~2歳児の子どもたちについて話す。「この年頃の子にはスキンシップが一番です。叱ることなんてありませんよ」「あふれるほど愛情を注げば、あふれた分、大人になったとき、その子は人に愛情を注げる人になる。それが私の保育理念です」。
▽保育園の園長になってから約半年後に適応障害
・こうして半世紀弱のあいだ社会福祉に人生をささげてきたみつこさんだが、園長として働き出してから約半年後の2015年10月に適応障害の診断を受けた。原因の1つは、A社での園長業務の中で毎月80~90時間にもおよぶ残業を続けたことにある。月80時間以上の残業は「過労死ライン」と呼ばれる。この状況で過労死が起これば、因果関係を認められる基準だ。
・そもそも、みつこさんの園には必要な保育士の人数がそろっていなかった。驚くべきことに、A社は他県の系列園で働く保育士を、みつこさんの園の職員に仕立てあげて自治体に届け出ていた。こうすることで、実際にはそこで働いていない人の人件費が、A社に補助金として入る。
・ただ、実際に職員は配置されていないために、現場では慢性的な人手不足が続いた。みつこさんは、園長としてどうにか現場を回すために一日中働いた。早番と遅番の保育業務を担当しながら、昼の時間帯に園長業務をこなす。残業だけでは間に合わず、持ち帰った仕事もある。
・みつこさんに、さらなる苦難が襲いかかる。きっかけは、就職後まもない2015年4月末ごろ、みつこさんのもとに、市内にある系列の大規模園の職員から「園児への虐待が疑われる職員がいる」という相談が寄せられたことだった。 さらに、5月のはじめには、地元住民からみつこさんの園への通報があった。 同じ市内にあるA社系列の保育園で、女性保育士が、園児に対して虐待ともとれる行為をしていたというのだ。
・その住民の話によると、近隣の公園で課外活動をしていた際、園児の1人が泣き出したが、付き添いの保育士が「そこでずっと泣いていなさい」と泣かせ続けたのだという。 同じ保育士はほかにも問題行動を起こしていた。「グーチョキパーで何作ろう」という手遊び歌があるが、その保育士は「グーとグーでパンチ!」と園児を叩いていたというのだ。そして園児がよろけると、ふざけた様子で「よろけてるー、お母さんには見せられないけれどねえ」と笑ったという。 その様子を見て「あれはなんだ?」と思った住民は、保育士のポロシャツに書かれた社名とマークを頼りに、みつこさんの保育園と区役所に問い合わせた。
▽昼寝できぬ子に「動いちゃだめ!」と脅し
・さらに、お昼寝の際、寝られない子はおんぶなどして他の子を起こさないようにするのが一般的だが、この保育士は「動いちゃだめ!」と子どもを脅すことで静かにさせていたという。 こうした事実を把握したみつこさんは、大規模園の職員たちとすぐさま市の保育課に通告。翌週に査察が入った。
・だが、A社はこうした虐待の事実を揉み消そうとした。この大規模園にはウェブカメラが設置されており、市はA社に対してそのデータを確認して報告するように指導。すると、A社本部は「音声がなく、映像だけなので虐待かどうかわからなかった」と報告(2017年2月7日のみつこさん側の裁判資料による)。結果、市はA社の報告を聞いただけで虐待はなかったと判断した(のちほど、業者がカメラの状態を確認したところ、スイッチすら入っていなかったことが判明した )。
・A社内で、虐待問題が正面から取り上げられることはなく、それまでみつこさんに相談していた大規模園の職員らもしだいに口をつぐむようになった。保育士の架空登録の問題も、みつこさんらが引き続き市に相談したことで露呈したが、過払いの人件費を返還するだけで手打ちとなった。
・そして、大規模園での虐待を通告したみつこさんは、A社本部からも、大規模園の園長からも目をつけられることになった。大規模園の園長からは、園長会や電話口で一方的に怒鳴られることが何度もあり、挨拶をしても無視された。
・長時間の残業もあり、みつこさんはストレスで体調を崩していった。固形物を一切食べられなくなり、体重が激減。結果、2015年10月には医師から「適応障害」と診断された。A社本部に診断書を送ったが、会社側は十分に取り合ってくれなかった。
・このような状態にあってもなお、みつこさんは自分が抜けると小規模園が立ち行かなくなると思って仕事を休まなかった。翌11月、医師が2回目の診断書に「大規模園の園長とは、別の人がやり取りをするように」と書いてようやく、他の保育士に対応が交代され、少しずつ体調は回復していった。12月には、A社の社長から「来年もよろしく」と声をかけられ、状況はいい方向に向かっているように見えた。
・ところが、2015年も終わろうとするころ、みつこさんはA社から翌3月で退職するようにと言われた。たしかに、採用時の雇用契約は、最大5年まで1年ごとに更新があるというものだ。ただ、A社側はみつこさんに、よほどのことがない限り契約の途中解除はないと伝えていたため、みつこさんは「次年度、更新なし」の決定に大きなショックを受けた。 保護者たちも驚き、本社あてに抗議の電話やファクスを送って“園長を辞めさせないで”と署名活動も行われた。しかし、A社の決定が覆ることはなかった。
▽「無難なあいさつをしないと、おかしなことになるぞ」
・3月、みつこさんにとって最後の保護者説明会が開かれた。説明会前、保護者からは「辞めないで」と泣かれ、社長につめよる保護者の姿もあった。だが、みつこさんは結局、会を欠席することになった。保護者説明会の直前、A社の本部職員から「保護者に無難なあいさつをしないと、おかしなことになるぞ!」と怒鳴られた。動悸が激しくなり、血圧が200以上に急上昇。顔面蒼白になって、たまらず病院に行くことになった。
・園を辞めさせられてから、みつこさんは地元の労働組合を通して、団体交渉を行った。平日の夕方にもかかわらず、保護者も子連れで参加して味方をしてくれた。しかしA社の対応はかたくなだった。みつこさんが適応障害のために大規模園の園長に会うことができず、園長会にも出席できなかったこと。これらを理由に「園長の資格がない」と判断したと主張し続けたのだ。
・みつこさんは解雇無効の提訴に踏み切り、現在も裁判が行われている。そして実は、みつこさんが契約解除をされた2016年3月には、虐待をしていた保育士と大規模園の園長も退職しているという。
・A社に関する取材を進めていくと、さらに驚くべき実態が明らかになった。A社が運営する保育園は大小合わせて10カ所以上あるが、その半数近くで園長が2年以内に辞めているのだ。A社を辞めた園長の1人は、「正義感が強く、本部に意見するような園長たちほど、解雇あるいは自主退職に追い込まれている状況がある」と言う。
・さらに、「名ばかり園長」もまかり通っていた。東京23区の場合、認可保育園の園長になるうえでは、認可園での勤務経験1年以上が条件となるが、A社は認可園の経験がまさに1年程度の保育士を園長にすることもあった。もともと園長にするつもりの人が経験不足だったとして、他園の園長にするつもりだった人を園長に据えたが、1年経つと「別の人を園長にするから」と降格人事がされた場合もあった。中には怒って辞めた園長もいたという。
・自主的に辞めた園長も、会社の都合で退職を強いられた園長もいるが、いずれも退職金は支払われていないようだ。園長が辞めるぐらいだから、保育士はもっと辞めている。毎月誰かが退職し、毎月別の人が採用されるような激しい入れ替わりが起こっている。
・だが、保育士たちが相手にしているのは子どもたちだ。パート保育士が各園にヘルプでまわされることも頻繁にあったが、コンビニのように「隣の店からちょっと手伝いに来た」と保育に入られても、子どもたちはついていかない。1歳児など、人見知りの激しい時期だと、大泣きされて逆に大変になることも珍しくはない。
・さらに、A社を退職したある保育士の話によると、みつこさんの園以外でも職員の架空登録と補助金の不正受給は行われていた。自治体の監査があるときだけ、周辺の園から保育士がかき集められ、偽装したシフト表も作られていた。
▽待機児童ゼロ」目指す自治体は、強く出られない
・保育園の監督責任は自治体(市区町村)にあるが、特に待機児童ゼロを目標とする自治体は事業者に甘い。A社系列の保育園が認可園化されるにあたって、目黒区の「文教・子ども委員会」の議事録(2016年10月12日)には、A社の問題をめぐる区議と保育課担当者とのやり取りが記されている。 区議が「不当解雇の問題を見ていくと、要は不正受給、架空保育士の問題が出てきているが、目黒区で今回認可する保育園では、そうした架空保育士の問題はないんでしょうね」と念押しするが、保育課担当者は「そういった問題はない」という返答を繰り返している。ただ、実際にはこの小規模園でも実際にいない保育士の登録があったことが確認されている。
・自治体には園を簡単に営業停止にはできない理由がある。保育の受け皿が突然なくなると、しわ寄せは園児や保護者にいくためだ。どうしても園の職員が足りない場合など、やむを得ず自治体職員が「見守り」として保育に入らざるを得ないこともある。
・こうした事情が運営会社を増長させるのは言うまでもない。「ここまでなら自治体から補助が得られる」と、悪質な事業者が自治体の足元を見て次々と参入しているのだ。 A社も拡大路線の事業者の1つであり、保育士の採用が間に合わないにもかかわらず、次々と新規保育所をオープンさせている。
・A社の元保育士は次のように語る。「公立の園でも、民間の園でも子どもの命を預かっているのは同じです。それなのに、公立の園だと1歳児4人に保育士1人など、手厚い配置になることがある。民間だと1歳児6人に保育士1人と、『最低基準』のままです。子どもがウンチしていてもオムツを替えられなくて『ちょっと待ってて』と言わなくてはいけない。切ないです。将来の日本を背負っていく0歳・1歳の子どもたちが、人として大切に扱われていないのはおかしい」と訴える。
・「自治体が認可している園なのだから、ちゃんと園に入って実態を確認するべきです。そうしないとA社はギリギリのところをすり抜けながら、これからも園を拡大していくと思います」。
http://toyokeizai.net/articles/-/161108

次に、3月23日付け日刊ゲンダイ「園児にわずかな食事…姫路「わんずまざー保育園」の悪行」を紹介しよう。
・兵庫県の保育園が園児にわずかな食事しか与えなかった問題。行政が認定を取り消す方針を固め、刑事告訴も検討する事態になり、騒動は拡大する一方だ。 この施設は姫路市飾磨区の私立認定こども園「わんずまざー保育園」(小幡育子園長)。正規の定員が46人のところ、市に隠れてさらに22人の子どもを受け入れていた。園児の合計は68人だ。22人の親は月に2万~4万円の保育料を払っていた。
・問題は園児の給食の量を減らして経費を浮かしていたこと。姫路市は今年2月2日の定期監査を実施した際に疑義を抱き、2月と3月に2回、抜き打ち検査を行った。 「園は民間業者から給食を配達してもらっているのですが、園児が68人なのに給食は46人分しか届けられないのです。そこで抜き打ち検査をしたところ、主に0~2歳児のおかずの量が少ないことが分かりました。スプーン1杯分くらいしかないのです。保育士の人数は10人ですが、これも少ない。規定では46人の園児に対して保育士を9・6人配置する決まり。これでは非正規で預かっている22人を面倒見きれないことになります。こうしたことから3月末までに認定保育園の認可を取り消す方針です」(姫路市健康福祉局監査指導課担当者)
・疑惑はまだある。保育士の人数を水増しして行政に申告していたことだ。県は園に対して2年間で約1億円の給付金を支給しているが、その一部が園による保育士の水増しによるものとみられている。そのため、姫路市は園を刑事告訴する方針という。
・さらに悪質なのが保育士の待遇だ。同園には“裏契約書”というものがあり、欠勤や遅刻、早退をした月は給与から1万円を減額すると記載されていた。 「同園の保育士さんたちの給料は最低賃金を少し上回る程度。月に4万円引かれた保育士もいました。このことも問題ととらえています。小幡園長は市に対して“将来の設備を充実させたかった”というような説明をしていました」(前出の姫路市担当者)
・市によると、同園が運転資金に困っていた様子はないという。給食を減らして浮いた分を貯め込んでいる見方がある一方で、近所に住む人はこう言って首をひねる  「毎日、わんずまざー保育園の前を通っていますが、この1年で大きくなったのですごいなと思ってたんです。周辺の土地を買ったのか、田んぼを埋めて園庭を2倍くらいに拡大、子どもが遊ぶ新しい建物も増築した。友人と、ずいぶんお金があるなと話していたところですが、食費をケチり給料を減額していたと知って、なるほどなと納得しました」
・姫路市によると、栄養失調になった園児はいないという。被害者が出なかったのがせめてもの救いだろう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201943/1

第三に、3月28日付け東洋経済オンライン「業界4位「どろんこ保育園」の"不都合な真実" 「偽装工作」で認可を取得していたことが判明」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログが象徴するように、保育園不足は今や深刻な社会問題だ。共働き家庭は、死にものぐるいで「保活」をし、自治体は保育園の増設に追われている。 保育の受け皿が拡大していく中で進むのが、保育園の「ブラック化」だ。補助金の不正受給、劣悪な保育、そして保育士たちの過酷な労働環境。姫路の認定こども園のケースでは、行政が積極的に指導を行った結果、全国初の「認定取り消し」となり、園長が4月以降の運営を取りやめる意向を示した。
・その一方、「待機児ゼロ」をうたう首都圏では自治体が保育園増設を優先し、こうした園にも目をつぶることがあるようだ。今回取り上げる社会福祉法人どろんこ会はその1例。特色ある保育理念を掲げて人気を博し、規模拡大を続ける中で多くの問題が生じている。その実態をリポートする。
・田植えや稲刈り、ヤギや鶏の世話を通して、自然にふれあい生命の大切さに気づく。食育活動では子どもたち自身がおだんごやケチャップなどを作っている――。ホームページを見ると、保護者が「わが子に経験させてやりたい」と思いながらも、都会生活ではなかなか味わえない活動の数々が、写真入りで紹介されている。
・社会福祉法人どろんこ会(東京・渋谷区)。「にんげん力を育てる」を理念としてかかげ、東日本を中心に展開する50以上の保育施設をはじめ、関連法人を含めれば100近い事業所を運営している。従業員数は1515人(2017年3月1日現在)にのぼる、業界第4位の大手だ。2015年度ごろから事業規模を急拡大させ、最近では年間で10園近く新規開園する年もある。
・自身の子育て経験をもとに1998年に保育園を開設し2007年にどろんこ会を立ち上げた女性理事長は、カリスマ経営者としても知られている。メディアへの露出や講演などにも積極的だ。その効果もあってか、わが子を入園させようとする保護者、そして保育士たちからの人気も高い。まさに、”理想的な保育園”といえるかもしれない。 しかし、規模拡大を優先させているためか、看過できない問題も生じている。認可を得るために「偽装工作」さえ行っているのだ。
▽「抱いていたイメージと違う」
・偽装工作について明らかにする前に、まずはその特徴的な運営ゆえに生じているゆがみについて触れる。 同園の日々の活動の一環として、9時から屋外で行われる「体験活動」「散歩」がある。悪天候の際に「風邪を引いてしまうのではないか」と現場保育士が訴えても、本部職員は無視。活動を強要するような指示が常態的に出されているという。 元職員は憤る。「機会を排除せずに自然体験をさせることが教育方針とはいえ、はき違えも甚だしい」。法人の教育理念に共感して就職した保育士たちの中には、「自分が抱いていたイメージと違う」と入社後数週間で退職した人も少なくない。
・さらに、本部の方針と異なる判断をすれば、高圧的な指示を受けたり、場合によっては報復人事がなされることもある。 法人本部の方針に異を唱えていたある職員は、体調不良で2日間園を休んだ。すると、「あなたは適応障害だから、病院に行って診断書をもらってきなさい」と命じられたという。この職員の場合はこの命令に従うことを拒否したが、別の職員が指示どおり受診して、「勤務先から病院に行って診断書をもらえと言われた」と伝えると、医師はその言葉どおり、適応障害の診断書を発行。職員が管理担当者に提出すると、診断書をもとに「自己都合での退職」を求められたそうだ。
・新規開園と、離職率の高さによって、現場の保育士の数は足りていない。積極的に採用広告を打ち、「1日に少なくとも数人は、中途採用をしている」(ある職員)ものの採用が追いつかず、現場では過重労働が常態化。体を壊した職員もいる。
▽「偽装工作」を裏付ける書類を入手
・雇用を巡るトラブルは、当事者の職員にとっては切実だろう。しかし、経営側にも言い分はあるはずであり、一方的に経営側を責めるのはフェアとはいえない。 が、経営側の責任を追及せざるをえない問題がある。新規園を開設するうえで必要となる備品の整備にあたり、極めてずさんな対応が取られていることが判明したのだ。
・どろんこ会が2016年4月に開設した「武蔵野どろんこ保育園」では、開園の際に都から設備の不備を指導されており、是正が求められていた。たとえば、事務所に薬品箱が設置されていない、2階の廊下に転落防止のためのさくが取り付けられていない、外階段への侵入防止のためのチェーンがかけられていないなど、指摘は全10項目にも及ぶ。
・不備が指摘されても、すみやかに是正すればそれでいい。しかし、本部の対応はその場しのぎに終始している。 「お疲れ様です。武蔵野どろんこの指摘事項対応ですが、清瀬などの周辺保育室から医務室関連物品、及び稼動間仕切り(原文ママ、可動間仕切りの間違いと思われる)を借りて、武蔵野どろんこに運び、写真をとり、(個人名)さんからの是正報告書に追記しておいてください」 これは、筆者が入手した法人幹部から本部職員向けに送られた業務命令メール(2016年2月16日付)の一部である。同日に送られた別の職員からのメールには、「是正を行った修正後の写真は22日(月)が東京都への最終期限となるようです。ここに間に合わなければ認可が受けられないとの事、宜しくお願い致します」ともある。こうした指示を受けた職員が写真を撮り、報告書が作成されたあと、物品類はもともとあった「周辺の保育室」に返却された。
▽設置工事業者が虚偽報告書を作成
・さらに驚かされたのは、実際にこの虚偽報告書を作ったのが、どろんこ会の職員ではなく、保育施設の設置工事を担当した業者であったということだ。複数施設の施工を請け負い、その見返りに虚偽報告書の作成に加担したということのようだ。
・どろんこ会本部がつじつま合わせだけの報告書を提出した結果、この保育施設は認可を受けた。2016年4月には開園し、すでに園児も通っている。しかし、翌2017年1月に消防庁が抜き打ちで監査を行った際に、現場の備品不備の状況が確認されている。 同園に通うのはゼロ歳〜就学前の園児たち。保育士が少し目を離したすきに、2階から落下してしまうことも十分ありうる。現実に大きな事故が起きたとき、どのように責任を取るつもりなのだろうか。
・一部の現場職員は法人幹部らに「ウソをつけと命令するのか」と問いただしたというが、法人側からの明確な説明はなかったという。 実際に事故が起きたときの対応も不誠実だった。ある認可園では、ここ1年以内に園児の見失い2件、園児の体にあざが確認された。職員による虐待が疑われる案件であり慎重な対応が必要だが、本部はこの問題を握り潰そうとした。
・本部の対応に不信感を覚えた保護者が、理事長に直接説明を要求。一部には署名運動を行った保護者もいた。これを受けて法人側は2017年2月、3月に事件のあった園で保護者会を実施し、掲示板でのお知らせを行った。しかし、法人内の園でこの情報が共有されることはなかった。 さらに、社会福祉法人である以上、自治体への報告義務があるが、虐待疑惑に関して園からの報告はなされていない。
▽誠実な説明と迅速な問題改善に期待
・保育の人材はどの法人でも不足している。保育士は「売り手市場」なのだ。そのため、以上のような保育の現状に疑問を抱いた保育士たちがどろんこ会を退職しても、受け皿は無数にある。こうして、どろんこ会の数々の問題は、これまで表ざたにならずに来た。
・法人側は、こうした問題をどう認識し、改善していこうと考えているのだろうか。筆者は、2日にわたって計4回電話で問い合わせたが、いずれも「広報担当者は席を外している」と取材には応じてもらえなかった。法人幹部からは、職員への一斉メールで、外部や保護者からの問い合わせに原則対応しないよう、指示が出ている。万全の体制で「取材拒否」を貫こうとしているようだ。
・どろんこ会が掲げている理念に魅力を感じている保護者、そして日々を楽しく過ごしている園児たちが数多くいることも間違いない事実だ。その期待を裏切ることがないよう、誠実な説明と迅速な問題改善を期待したい。
http://toyokeizai.net/articles/-/164543

第四に、3月15日付け日経ビジネスオンライン「保育園建設に反対する高齢者の末路 「脳の学校」の加藤俊徳社長医師・医学博士に聞く」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問)。
・少子化対策が急務となっている日本。とりわけ必要なのが「子育てしやすい環境」の整備であることに異論がある人はいないはずだ。だが今、その子育て施設を巡って、非常に気になる動きが広がっている。東京23区や関東近郊の様々な街で、新設予定の保育園が住民運動により建設中止や延期に追い込まれていることだ。反対の理由は「園児の声がうるさい」「環境が変わる」「迎えに来る親のマナーが心配」など様々。建設中止を訴える人の中には、物事の道理をわきまえているはずの高齢者も少なからず含まれる。
・団塊世代を中核とする今の高齢者の多くは、戦後まもなく生まれ、乳幼児死亡率の引き下げを目的とした国策の下、国を挙げて保護され大切に育てられたはず。「自分たちは守られておきながら下の世代を守ろうとしないのは筋が通らない」と思う若い世代も少なくないに違いない。一体、保育園建設に反対する高齢者は何を考えているのか。脳科学の専門家に話を聞いた。
――東京23区や関東近郊の様々な街で、新設予定の保育園が住民運動により建設中止や延期に追い込まれるケースが増えているそうです。
加藤:そうらしいですね。
――反対している人の中には、若者だけでなく、物事の道理をわきまえているはずの高齢者も含まれています。「園児の声がうるさい」「環境が変わる」「迎えに来る親のマナーが心配」など様々な理由が挙がっているようですが、一連の騒動を見ると、団塊の世代を中心とする今の日本の高齢者がおかしな方向に向かっている気がしてならないんですが。
加藤:その側面はあるでしょうね。私が脳科学者として、この保育所建設問題を知って立てた仮説は、日本の高齢者の脳が全体の傾向として「子供が苦手、嫌いな脳」になりつつあるのではないか、というものです。
――そんなことがあるんですか。
▽「子供が嫌いな脳」になった高齢者たち
加藤:人間の脳というのは、「慣れないこと」や「慣れない環境」に対しては、面倒くさがり、拒絶する性質があります。子供が多かった昭和の時代までは、日本人全員が、「街のあちこちで子供が飛び回り、声を上げて大騒ぎする環境」に慣れていました。
――放課後は日が暮れるまで元気に遊び回り、広場で野球をやって民家のガラスを割ったり、ため池の水門を勝手に空けて農家の人に大目玉を食らったり、みんなやんちゃでした。
加藤:ところが、平成に入り少子化が進むと、そうした風景が都会でも田舎でも急速に消えた。今や、多くの日本人にとって「大勢の子供が目の前ではしゃぎまわる環境」は、記憶の中にしかない、まさに「慣れない環境」なんです。
――脳は慣れないものを拒絶するから…。
加藤:当然、多くの人の脳は、「子供がいる環境や子供そのもの」を苦手、嫌いになっていきます。保育園が出来れば、そんな慣れない環境が忽然と目の前にできるわけですから、脳は嫌がります。
――保育園反対派を非難する人は、「少子化が進めば日本が滅ぶのに何を考えているのか」などと理屈で建設中止を訴える高齢者を攻め立てますが…。
加藤:恐らく反対派はそんな深いことを考えて建設中止運動をしているわけではないと思います。「脳に反対させられている」んですから。
――そういう「子供が嫌い、苦手な脳」になってしまった人は、自分の孫のような園児がちょこちょこ歩く姿を見ても、可愛いと思えないんですか。
▽自分の孫ですらそこまで可愛く思えない?!
加藤:思えなくなっていくと思います。今の高齢者は、街で子供と接する機会だけでなく、かつてのお年寄りに比べ自分の孫と接する時間すら少ないのではないでしょうか。背景にあるのは核家族化です。脳は、接する時間が少ない対象には慣れませんから、昔のお年寄りほど子供を可愛いとは思えなくても不思議ではありません。
――地域全体で子供を育てる文化が形骸化しつつある今は、高齢者のみならず若い世代でも同様の現象が起きているのでは。
加藤:そうやって「子供に慣れない、子供が嫌いな脳」を持つ大人が増えれば、保育園建設が滞るだけでなく、虐待など様々な社会問題が発生することになります。そうなれば、社会全体として対策が必要です。例えば、1995年から2001年にかけて私が滞在していた米国は、「大人と子供を分ける社会」です。子供をつれて大人が集まる場所、例えばダンスパーティーなどに行く習慣などはなく、子供は子供、大人は大人の社会の中で暮らしています。
――分かれて暮らしていると、「子供がいる環境」に慣れてない大人もいるから…。
加藤:子供が嫌いな大人が普通に存在します。レストランなどで子供が騒げば、もちろん笑顔で大目に見る大人もいますが、露骨に不愉快な表情をする大人もいます。こういう社会では、自ずと虐待も増えがちですし、放って置くと「子供が不得手な脳」を持つ大人が増えかねません。だから法律によって徹底的に虐待を封じようとするし、行政が主導を取って子育て施設なども優先的に建設していく仕組みになっています。街も学校を中心に設計され、少しでも社会の構成員が子供と接する時間を持つように工夫されています。
――なるほど。
加藤:そう考えると、今の日本の状況は非常に中途半端で危険と言えるかもしれません。人々の脳は欧米化し「子供が嫌いな大人」が増えている一方で、それに対応するための社会作りは遅れているからです。
――確かに虐待対策は後手に回っているし、保育園1つスムーズに作れません。
加藤:昭和の時代までの日本は、子供は「授かりモノ」と尊重され、社会全体で守り育てるのが当たり前の文化でした。今の日本の子供を巡る社会制度は、そういう昭和の文化を前提にしています。状況が変わってきた今、社会を根本的に作り変える時期に来ているのかもしれません。
――よく分かりました。しかし、それにしても、「子供が嫌いな脳」なんて種族保存を至上命題にしている生物として、おかしい気がするんですが。
加藤:そう、生物として成立していません。
――そんな脳になっちゃって、保育園建設に反対する高齢者の末路は大丈夫なんでしょうか。
▽保育園反対派の末路は、やっぱりあの病
加藤:大丈夫ではありません。ずばり認知症になる確率が高いと思います。というのも、保育園に声高に反対する人は、子供だけでなく人と接する時間自体が少ない暮らしを送っている可能性が高いと推察できるからです。そして認知症を引き起こす大きな要因は社会的孤立です。他人と対話し脳の記憶系や感情系の脳番地を刺激しないと、脳は成長しにくくなり認知症に向かってしまいます。
――確かに他人と活発に交流していれば、子供と接する時間もそれなりに増えるはずです。逆に言えば、脳が子供を嫌いになるほど子供との接点がないということは、同世代の交流も少ない、と。
加藤:それに、孤立していていれば、人の声を聞かなくなります。人の声を聞かないと聴覚はどんどん鋭敏になる。当然、子供が騒ぐ声も耳障りになりますから、余計、保育園建設に反対するようになっているのではないでしょうか。
――どうすればいいのですか。
加藤:子供に限らず他人と接する時間を増やすことです。友達と交流し話すことです。
――えっ、友達?! (注:聞き手に動揺が垣間見える理由は、「30~40代『友達ゼロ』は人としてダメか」参照)。
加藤:第三者と接すると脳は疲れますから、「一人の方が気楽」と言う人の気持ちも分かります。でも、冒頭にお話したように、脳は慣れないことはどんどん苦手になりますから、友人が少なく孤立した生活が長くなるほど、人と接するのが辛くなる。一刻も早く人と交流し、脳に刺激を与えることが必要です。
――友達を作る以外に、脳の感情系を刺激する方法はありませんか。例えばペットを飼うとか、2ちゃんでどこかの誰かと文字で話すとか、ゲームをするとかテレビを見るとか。読書は?
加藤:何もやらないよりはましでしょうが、生身の人間と話すのと比べると刺激が足りません。何を言い出すか予測のつかない相手との対話こそが脳にとっては、良い刺激となるんです。
――うーん…。あっ、じゃあAIやロボットは!
加藤:その点については可能性があります
――よし。 ご安心。「友達ゼロ」でも何とかなる!
加藤:実は、先日発表になったのですが、ソフトバンクの感情認識ヒューマノイドロボット「ペッパー」を活用した脳トレアプリ「Pepperブレイン」を監修させていただきました。ペッパー君と一緒に、脳トレを楽しんだり、脳機能の向上を目指したりするものです。実際にやってみるとよく分かるのですが、「パソコンの中のAIとの対話」とは全然違います。相手が三次元で、しかも人間のように身振り手振りを交えて反応してくれると、たとえ相手がAIでも脳の感情系はそれなりに刺激されると実感しました。技術が進化すれば、人間同様に、対話することで脳に刺激を与えるAIシステムやロボットも誕生するかもしれませんね。
――そうなれば「友達ゼロ」でも、認知症になる確率は確実に下がりますね。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/031400241/?P=1

第一から第三までは、ブラック保育園の例である。第一の記事にある 『市はA社の報告を聞いただけで虐待はなかったと判断した』、というのは、 『待機児童ゼロ」目指す自治体は、強く出られない』、という事情はあるにせよ、これでは「ブラック保育園」が野放しになってしまう。しかも、園長や保育士、さらには園児が犠牲になっている。行政としては、ゼロの目標達成が多少遅れるとしても、持続性のない「ブラック保育園」撲滅に注力すべきだろう。
第二の記事にある 『姫路「わんずまざー保育園」』は余りに悪質なので、『認定保育園の認可を取り消す方針』、らしい。姫路市の待機児童問題については分からないが、悪質なケースには厳しい処分も必要だろう。
第三の記事の『「どろんこ保育園」』については、理念そのものは素晴らしいが、設備不備の放置、園児虐待、本部による一方的な支配、などやはり「ブラック保育園」だ。全国的に展開している大手だが、ホームページには今回の問題は一切触れてないようだ。
http://www.doronko.biz/
第四の記事は、保育園建設に反対する高齢者の問題を脳科学者が分析したもので、『「子供が嫌いな脳」になった高齢者たち』というのは、なるほどと納得させられた。私自身は子供が大好きなので、これまでは反対している高齢者たちは「なんと身勝手なのか」と、全く理解できなかったが、これで一応は理解できた。 『孤立していていれば、人の声を聞かなくなります。人の声を聞かないと聴覚はどんどん鋭敏になる。当然、子供が騒ぐ声も耳障りになりますから、余計、保育園建設に反対するようになっているのではないでしょうか』、といった悪循環になっているとは困ったことだ。しかも、そうした高齢者は、『認知症になる確率が高い』、といのもさもありなんである。この記事を、保育園建設を説得する担当者に読ませれば、説得力が多少増すのではなかろうか。
タグ:子供に限らず他人と接する時間を増やすことです。友達と交流し話すことです 他人と対話し脳の記憶系や感情系の脳番地を刺激しないと、脳は成長しにくくなり認知症に向かってしまいます ずばり認知症になる確率が高いと思います 保育園反対派の末路 自分の孫ですらそこまで可愛く思えない?! 今や、多くの日本人にとって「大勢の子供が目の前ではしゃぎまわる環境」は、記憶の中にしかない、まさに「慣れない環境」なんです 人間の脳というのは、「慣れないこと」や「慣れない環境」に対しては、面倒くさがり、拒絶する性質があります 仮説は、日本の高齢者の脳が全体の傾向として「子供が苦手、嫌いな脳」になりつつあるのではないか 保育園建設に反対する高齢者は何を考えているのか 新設予定の保育園が住民運動により建設中止や延期に追い込まれていることだ 保育園建設に反対する高齢者の末路 「脳の学校」の加藤俊徳社長医師・医学博士に聞く 日経ビジネスオンライン 法人幹部からは、職員への一斉メールで、外部や保護者からの問い合わせに原則対応しないよう、指示 設置工事業者が虚偽報告書を作成 清瀬などの周辺保育室から医務室関連物品、及び稼動間仕切り(原文ママ、可動間仕切りの間違いと思われる)を借りて、武蔵野どろんこに運び、写真をとり、(個人名)さんからの是正報告書に追記しておいてください 事務所に薬品箱が設置されていない、2階の廊下に転落防止のためのさくが取り付けられていない、外階段への侵入防止のためのチェーンがかけられていないなど、指摘は全10項目にも及ぶ 武蔵野どろんこ保育園 備品の整備にあたり、極めてずさんな対応 本部の方針と異なる判断をすれば、高圧的な指示を受けたり、場合によっては報復人事 保育士たちの中には、「自分が抱いていたイメージと違う」と入社後数週間で退職した人も少なくない 女性理事長は、カリスマ経営者としても知られている どろんこ会 東日本を中心に展開する50以上の保育施設をはじめ、関連法人を含めれば100近い事業所を運営 田植えや稲刈り、ヤギや鶏の世話を通して、自然にふれあい生命の大切さに気づく。食育活動では子どもたち自身がおだんごやケチャップなどを作っている 業界4位「どろんこ保育園」の"不都合な真実" 「偽装工作」で認可を取得していたことが判明 欠勤や遅刻、早退をした月は給与から1万円を減額 “裏契約書 保育士の人数を水増しして行政に申告 園児が68人なのに給食は46人分しか届けられないのです 園児の給食の量を減らして経費を浮かしていたこと 私立認定こども園「わんずまざー保育園 行政が認定を取り消す方針を固め、刑事告訴も検討 園児にわずかな食事…姫路「わんずまざー保育園」の悪行 日刊ゲンダイ こうした事情が運営会社を増長させるのは言うまでもない 待機児童ゼロ」目指す自治体は、強く出られない 名ばかり園長 解雇無効の提訴 「次年度、更新なし」の決定に大きなショック 「適応障害」と診断 大規模園での虐待を通告したみつこさんは、A社本部からも、大規模園の園長からも目をつけられることになった 市はA社の報告を聞いただけで虐待はなかったと判断した 昼寝できぬ子に「動いちゃだめ!」と脅し 園児への虐待 他県の系列園で働く保育士を、みつこさんの園の職員に仕立てあげて自治体に届け出ていた 毎月80~90時間にもおよぶ残業を続けた 保育園の園長になってから約半年後に適応障害 立の障がい者施設、老人介護施設でも働き、福祉に関わり40年の人生 60代のみつこさんは、保育経歴15年以上のベテラン 神奈川県にある認可保育園の園長 発覚!おぞましい「ブラック保育園」の実態 「保育園不足」に悩む自治体も事実もみ消し? 東洋経済オンライン (その4)(「ブラック保育園」の実態、姫路「わんずまざー保育園」の悪行、どろんこ保育園」の"不都合な真実"、保育園建設に反対する高齢者の末路) 待機児童、「保活」)問題 保育園落ちた
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