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東芝不正会計問題(その30)(東芝の本当の危機、自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝、 瀕死の東芝に血税9000億円投入の裏) [企業経営]

東芝不正会計問題については、4月27日に取上げたが、その後も不可解な報道が続いている。そこで今日は、(その30)(東芝の本当の危機、自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝、 瀕死の東芝に血税9000億円投入の裏) である。

先ずは、ソフトベレーンの創業者の宋文州氏が5月12日付け宋メール 論長論短 No.294に掲載した「東芝の本当の危機」を紹介しよう。
・東芝の惨状は私が説明するまでもありません。しかし、不思議なニュースに皆さんは疑問を感じませんか。決算発表を何度延期しても監査法人の承認が得られず、それでも上場維持できることも不思議ですが、「命の綱」とされた半導体事業を高値で買うアジア企業をわざと避け、既に技術を持つ日米企業への販売に拘っているのです。
・その理由は「高度な技術の中国への流出を防ぐため」だと説明されていますが、「そんな高い技術を持っているならば、なぜこんな惨状になるのか」と素直に思いませんか?
・私が日本に来た1985年には中国は文化大革命の混乱を収めた直後で、中国の経済と技術は悲惨な状態でした。それでも日本での研究生活を通じてすぐ分かりました。「中国が経済と技術を重視する体制をとれば、先進国との差はすぐ縮められる」と。 理由は日本の上級生や同級生の研究能力です。優秀な人も居ますが、平均的な研究力、特に数学の理論力と外国文献の解読力が著しく低かったのです。
・この考察は私の創業につながります。米国で開発された大型計算機で運用する航空機や車の構造解析ソフトを、私はパソコンで土木構造物に簡単に使えるようにゼロから開発しました。この分野において私に勝てる日本人はいないと思いました。 日本になかった便利なソフトである上、従来ソフトの2割の値段で売ったため、東京大学、建設省の研究所、道路公団を含む日本の土木業界殆どに売れたのです。興味のある方は調べていただければすぐ分かりますが、20数年前に私が発売した2D-σや3D-σなどの土木構造解析ソフトはいまだに日本の土木業界で使われています。
・「数学と物理の基礎が優れた大学院出身の研究者に5年間の時間と所要の資金を与えればどんな先端技術でもなんとかなる」。これが私の経験から言えることです。 私の別荘の倉庫には今も当時の数式誘導の手書き原稿の一部を保存しています。英語の参考文献を読み漁ってコンピューターのプログラムに使えるように、独自の数式誘導と分解をしなければ、プログラムが作れなかったからです。 一番苦しかったのは自分の数式誘導の結果が部分的に文献と違うことです。わずか一文字、一つの符号が違っても、計算の結果には天と地の差があり、どちらが正しいかは独自の方法で検証しなければなりません。
・結局自分がミスした場合が多かったのですが、世界的権威の論文にも何回もミスが見つかりました。作者が書く際のミスなのか、印刷する際のミスなのかは分かりませんが、論文として読む分においては気付かないほどの小さい問題でも製品の開発となればとんでもない間違いをもたらします。
・だから高度な技術を使う製品においてはコピーやパクリはあり得ないのです。たとえサンプルがあってもそれを理論基礎から製品の設計、製造とメンテナンスの細部まで理解し、細かいミスも見つけ出す力がなければ、市場に出回る製品になり得ないのです。
・東芝の話に戻りますが、かつて東芝はNECや富士通などと同様に多くの先端技術を持っていました。しかし、それは当時の先端であり、米国に教えてもらったものが多く、東芝の技術者でなければ作れないものは皆無です。そもそも初期の東芝はGEの製品を真似して電気掃除機や冷蔵庫を作っていました。外形までそっくりでした。原発事故の原因の一つは東芝製と言いながら、中身はGEに任せたため当時の設計図も残っていないのです。これは東芝が市場価格を遥かに超えた値段で米国の原発会社を買った遠因でもあるでしょう。
・東芝の半導体技術はたしかに今のところはまだ中国メーカーをリードしていますが、十分な市場があって儲かると分かれば、中国メーカーは買うか自分で開発するか、方法が違ってもいずれその技術を手にします。東芝は既に同様の技術を持つ米国や日本の企業に売っても当然高く売れません。中国メーカーがそれを高く買うのは時間を買いたいからであって、開発不可能だからではないのです。
・残念ながら日本の政治家、官僚と企業家は文系出身が圧倒的に多いのです。研究開発をしたこともない人たちに限って技術を過剰評価するのです。それが技術を自慢しながら経営危機に追い込まれる日本の大手企業の遠因でもあります。危機に瀕しても古い思考回路から出られないことが東芝の本当の危機です。

次に、闇株新聞が5月16日付けで掲載した「自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝」を紹介しよう。
・東芝の迷走が続いていますが、その根本的要因は現経営陣に「生き残るための戦略」が全くなく「その場限りの取り繕い」に終始するため、日に日に自分の首を絞めているとしか思えないところです。本日はそこに絞って解説します。
・東芝は本日(5月15日)昼前、「2016年度通期業績見通しに関するお知らせ」なるIRを発表しました。上場企業は各四半期決算期末から45日以内に決算短信を発表することになっていますが、本来なら期日である本日に東芝はその決算短信も発表できなかったことになります。 何でも、これ以上PwCあらた監査法人との関係を悪化させたくなかったからだそうですが、まずこれが「奇妙」です。なぜなら決算短信自体は監査法人の「意見」が不要で、本決算の2016年度通期決算(2017年3月期)では、6月末までに監査法人の「意見」が表明された有価証券報告書を財務局に提出すればよく、まだ1か月半もあるからです。
・だいたい東芝は2016年度第3四半期(2016年10~12月期決算)も期日の2月15日から2度にわたり延期し、やっと4月11日に決算短信を発表しましたが、この時も2016年度から監査を担当するPwCあらた監査法人の「意見」が表明されていないまま発表しています。 通期決算(東芝なら今回の2017年3月期)以外の四半期決算は、決算短信と同時に四半期報告書を財務局に提出する必要があり、それには監査法人の「意見」が必要です。つまり東芝は2016年10~12月期決算では、この四半期報告書が提出できていないまま決算短信だけ発表したことになります。
・だったら本日も決算短信だけ発表してしまえばよかったはずです。決算短信とは迅速な情報開示のために東京証券取引所が提出を求めるものですが、これで決算短信発表のタイミングが難しくなってしまいました。 いくらこれまで東芝に対しては「寛大な措置」を続けていた東証でも、現在は(決算の遅れが理由ではありませんが)管理銘柄(審査中)に割り当てているため、それだけ東芝は自ら上場廃止に近づいてしまったことになります。
・だいたい東芝は3月29日に米子会社・ウェスティングハウス(以下WH)の破産法適用を申請して無理やり連結決算から外していますが、東芝はその瞬間からWHの損失負担を巡って米国側と「単独」で戦うことが必要となったはずです。 そういう状態でプライスウォーターハウスクーパース傘下のPwCあらた監査法人が、東芝の意向に沿った決算を承認するはずがありません。WHの損失負担を巡って米国側が不利になる恐れがあるからで、それでPwCあらた監査法人が承認を頑なに拒んでいるはずです。
・つまりこの期に及んでPwCあらた監査法人との関係を悪化させたくないなどと「気を遣っている」段階ではありません。どうせ6月末まで待っても承認されるはずがないため、有価証券報告書も提出できず今度こそ一発退場(上場廃止)となるか、ここでPwCあらた監査法人の要求を丸のみして今後WHの損失を無限に押し付けられるかの「2択」でしかありません。
・どうせなら2017年3月期決算でPwCあらた監査法人を解任し、仮監査法人を選定し(間に合えば6月末の株主総会で正式選任し)、念のために財務局に有価証券報告書の提出期限を1か月延長してもらい(これはたぶん認められます)、7月末までの2か月半で必死に決算処理を完了させるしか「生きる道」はなかったはずです。
・実際にその動きはあったようですが、東芝は4月末に漫然と諦めてしまいPwCあらた監査法人と「心中」することにしてしまいました。だったら余計に本日は決算短信を提出して東証との関係だけでも維持しておくべきだったはずです。決算短信には監査法人の「意見」が不要だからです。
・要するに東芝の現経営陣には、そういった生き残るために必要最低限の戦略もないことになります。 さらに奇怪なことに、本日IRした「2016年度通期業績見通し」では、4月11日の発表では8300億円になっていたWHに対する親会社保証と貸倒引当金の合計が、何の説明もなく9800億円に「増額」されています。 そこを記者会見でアナリストに質された平田専務取締役は「いやあ、把握できていませんでしたね」と答えただけだったようです。まるで他人事です。
・さらに本日は、半導体メモリー事業の分社化・売却について、協業先の米ウェスタンデジタルが「差し止め」を国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所に申し立てたとも報道されています。 これも他人事の現経営陣では、ますます泥沼に嵌ってしまうだけとなりそうです。かくして東芝は自ら「破滅」に向かっていくことになります。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2007.html

第三に、5月18日付け日刊ゲンダイ「法的整理を強気否定 瀕死の東芝に血税9000億円投入の裏」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・「(法的整理は)検討していない」――。今年3月末での5400億円の債務超過を発表した15日の会見で、東芝・綱川智社長はこう言い切った。半導体を共同生産している米ウエスタンデジタル(WD)から半導体事業売却中止を訴えられ、上場廃止も現実味を帯びる中、市場関係者は「なぜ“検討”まで否定できるのか」と首をかしげる。どうやら最後は安倍政権が「面倒を見てくれるだろう」と思っているらしい。強気の姿勢の根拠と言われるのが「日米原子力協定」だ。
・15日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、東芝の半導体事業売却をめぐり、日本政府が最大9000億円の債務保証を行うことを検討している――と報じた。半導体技術の海外流出を懸念し、債務保証によって政府系ファンドの産業革新機構を中心とした陣営の買収を後押しする狙いがあるという。菅義偉官房長官は否定したが、東芝救済の公的資金投入は既定路線という。
・ジャーナリストの横田一氏はこう言う。 「米調査会社によると、2016年の東芝の世界シェアはわずか3%。果たして数千億円単位の血税を投入してまで保護する必要があるのでしょうか。国は“技術の海外流出防止”を理由にしていますが、狙いは別にあると思います」
・ささやかれているのが、1988年に発効した「日米原子力協定」だ。「原子力の平和利用」を大義として日米両国の原子力分野の技術協力を約束した協定で、有効期間は30年。来年7月に期限を迎える。日本はこの協定のおかげで、非核保有国で唯一、国内にプルトニウムが貯蔵でき、再処理を許されている。協定を無事更新できるかどうかは「原子力ルネサンス」をうたう安倍政権にとって“死活問題”なのだ。
▽これは第二の東電だ
・平時なら淡々と期間が更新されるはずの協定なのだが、米国が注視しているのは、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の行方だ。東芝は、3月に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請したWH社を、連結対象から外す代わりに、約8000億円の債務保証をした。東芝本体が法的整理なんて事態に陥れば、債務保証も怪しくなり、WH社の経営再建は困難になる。大統領選でトランプを支持したラストベルトの労働者約8000人の雇用が失われることにもなりかねないのだ。
・元東芝技術者の後藤政志氏が言う。 「東芝がWH社への債務保証を果たさず、米国の怒りを買うようなことになれば、日米原子力協定の更新に影響が出る可能性があります」 安倍政権のホンネは何が何でも東芝の法的整理を避け、米国に迷惑をかけたくないだけ。協定を無事更新して、原子力利権を死守したいのだ。これじゃあ、ゾンビ・東電と全く変らない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/205523/1 

宋氏がソフトベレーンを創業前の20数年前に作った土木構造解析ソフトが、いまだに使われているとは、驚きだ。 『かつて東芝はNECや富士通などと同様に多くの先端技術を持っていました。しかし、それは当時の先端であり、米国に教えてもらったものが多く、東芝の技術者でなければ作れないものは皆無です。そもそも初期の東芝はGEの製品を真似して電気掃除機や冷蔵庫を作っていました。外形までそっくりでした。原発事故の原因の一つは東芝製と言いながら、中身はGEに任せたため当時の設計図も残っていないのです。これは東芝が市場価格を遥かに超えた値段で米国の原発会社を買った遠因でもあるでしょう』、 『日本の政治家、官僚と企業家は文系出身が圧倒的に多いのです。研究開発をしたこともない人たちに限って技術を過剰評価するのです。それが技術を自慢しながら経営危機に追い込まれる日本の大手企業の遠因でもあります。危機に瀕しても古い思考回路から出られないことが東芝の本当の危機です』、などの鋭い指摘はその通りだ。技術流出には気をつけるべきだが、技術の分野で国粋的になるのも考えものだ。
闇株新聞が 『現経営陣に「生き残るための戦略」が全くなく「その場限りの取り繕い」に終始するため、日に日に自分の首を絞めているとしか思えないところです』、との手厳しい指摘は確かにその通りと、同調せざるを得ない。 『WHの破産法適用を申請・・・プライスウォーターハウスクーパース傘下のPwCあらた監査法人が、東芝の意向に沿った決算を承認するはずがありません。WHの損失負担を巡って米国側が不利になる恐れがあるからで、それでPwCあらた監査法人が承認を頑なに拒んでいるはずです』、 『東芝は4月末に(新監査法人選びを)漫然と諦めてしまいPwCあらた監査法人と「心中」することにしてしまいました』、などの指摘もその通りだ。なにより気の毒なのは、だらしのない経営陣の姿を連日見せつけられる従業員だ。
日刊ゲンダイの記事にある「日米原子力協定」については、核燃料サイクル政策が破綻した以上、プルトニウムを返還する形に改定することにすれば、好都合の筈だ。なまじ国内に抱え込んでいると、核兵器転用論まで出てきて、国際的に孤立するだけだ。協定延長のための国費投入など、最悪の選択だ。
タグ:フィナンシャル・タイムズ 日刊ゲンダイ 闇株新聞 東芝不正会計問題 宋文州 (その30)(東芝の本当の危機、自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝、 瀕死の東芝に血税9000億円投入の裏) 宋メール 論長論短 東芝の本当の危機 半導体事業を高値で買うアジア企業をわざと避け、既に技術を持つ日米企業への販売に拘っている 高度な技術の中国への流出を防ぐため そんな高い技術を持っているならば、なぜこんな惨状になるのか 日本の上級生や同級生の研究能力です。優秀な人も居ますが、平均的な研究力、特に数学の理論力と外国文献の解読力が著しく低かったのです 土木構造解析ソフト 20数年前に私が発売 はいまだに日本の土木業界で使われています かつて東芝はNECや富士通などと同様に多くの先端技術を持っていました。しかし、それは当時の先端であり、米国に教えてもらったものが多く、東芝の技術者でなければ作れないものは皆無です 。そもそも初期の東芝はGEの製品を真似して電気掃除機や冷蔵庫を作っていました。外形までそっくりでした 発事故の原因の一つは東芝製と言いながら、中身はGEに任せたため当時の設計図も残っていないのです。これは東芝が市場価格を遥かに超えた値段で米国の原発会社を買った遠因でもあるでしょう 日本の政治家、官僚と企業家は文系出身が圧倒的に多いのです。研究開発をしたこともない人たちに限って技術を過剰評価するのです それが技術を自慢しながら経営危機に追い込まれる日本の大手企業の遠因でもあります。危機に瀕しても古い思考回路から出られないことが東芝の本当の危機 自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝 決算短信も発表できなかったことになります これ以上PwCあらた監査法人との関係を悪化させたくなかったからだそうですが、まずこれが「奇妙」です 決算短信だけ発表してしまえばよかったはずです WH)の破産法適用を申請して無理やり連結決算から外していますが、東芝はその瞬間からWHの損失負担を巡って米国側と「単独」で戦うことが必要となったはずです そういう状態でプライスウォーターハウスクーパース傘下のPwCあらた監査法人が、東芝の意向に沿った決算を承認するはずがありません。WHの損失負担を巡って米国側が不利になる恐れがあるからで、それでPwCあらた監査法人が承認を頑なに拒んでいるはずです 東芝は4月末に漫然と諦めてしまいPwCあらた監査法人と「心中」することにしてしまいました 東芝の現経営陣には、そういった生き残るために必要最低限の戦略もないことになります 協業先の米ウェスタンデジタルが「差し止め」を国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所に申し立てたとも 法的整理を強気否定 瀕死の東芝に血税9000億円投入の裏 強気の姿勢の根拠と言われるのが「日米原子力協定」 日本政府が最大9000億円の債務保証を行うことを検討 国は“技術の海外流出防止”を理由にしていますが、狙いは別にあると思います 「日米原子力協定」 来年7月に期限 非核保有国で唯一、国内にプルトニウムが貯蔵でき、再処理を許されている 原子力ルネサンス 協定を無事更新して、原子力利権を死守したいのだ
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