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加計学園問題(その2)(民進党に特大ブーメラン再び!、前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」、前川vs官邸、異例バトルの知られざる舞台裏) [国内政治]

加計学園問題については、5月25日に取上げたが、今日は、(その2)(民進党に特大ブーメラン再び!、前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」、前川vs官邸、異例バトルの知られざる舞台裏) である。

先ずは、5月25日付けダイヤモンド・オンライン「民進党に特大ブーメラン再び!加計学園を応援した過去」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・第2の森友学園としてエキサイトしている加計学園問題。しかし、民進党の過去を丹念にたどっていくと、なんと彼らこそが加計学園を応援していた過去があったことがわかる。またもや特大ブーメランの雰囲気が濃厚だ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
▽獣医一族出身の民進党・玉木氏は安倍首相を追及する資格ナシ
・蓮舫氏らが「内閣総辞職に値する」「首相も国会議員もやめるべき」とエキサイトしている「加計学園問題」に、またまた「ブーメラン」の兆しが出ている。 安倍首相に「仲のいい友達のための特区指定を急がせたんだろ!」と厳しく追及をしていた玉木雄一郎・民進党幹事長代理が、実は父も弟も獣医という一家で、獣医学部新設に強く反対をしている「日本獣医師連盟」から100万円の献金を受けており、昨年の日本獣医師会の集会で「おかしな方向にいったら食い止めます!」と予告をしていたことが明らかになって、「立場が違うだけでやっていることはほぼ同じ感」が出てしまっているのだ。
・それだけではない。民進党の「加計学園疑惑調査チーム」が主張する「ストーリー」では、文科省でも自民党内でも慎重意見の多い獣医学部新設を、安倍首相が強引に推し進めているということは、加計学園とズブズブだからだ、というものだ。ところがこのロジックでいけば、安倍首相と仲良く「VR蓮舫」の餌食になりそうな者が「身内」にいたのだ。
・民進党の高井崇志衆院議員である。 高井氏は昨年4月26日、衆院地方創生に関する特別委員会で、中国、四国地方の獣医師が足りず、地域によって偏っているとして、国家戦略特区を使って「岩盤規制」を突破するよう強く求めていた。さらに、この質問をした3日後の4月29日、高井氏は自身のホームページにうれしそうにこんな風に書き込んでいる。「愛媛県今治市に50年ぶりの新設をめざす「獣医学部」について。四国4県の大学には獣医学部が一つも無く、獣医師の偏在が問題になっています。地元の岡山理科大学が力を入れており、「これは何としても実現して欲しい」と山口俊一与党筆頭理事(徳島県選出)とともに、石破大臣に強くお願いしました」(高井たかしオフィシャルサイト)
▽実は旧民進党こそが今治市で獣医学部新設をゴリ押ししていた
・岡山理科大学を運営しているのはご存じ、加計学園である。5月21日の夕刊フジによると、この質問の少し前に、高井氏は江田五月・民進党最高顧問とともに、同大学の入学式に来賓として出席している。 「いや、こっちは地元のよしみで質問をしてあげたくらいでクリーンだ!安倍首相みたいに友だちのために権力を濫用したわけじゃない!」という怒りの反論が聞こえてきそうだが、こういう目くそ鼻くその水掛け論を続けていたら、さらなる特大ブーメランが蓮舫さんたちの後頭部に突き刺さる恐れが出てきてしまう。
・「加計学園疑惑調査チーム」も当然もう気づいていると思うが、「疑惑」の舞台となっている愛媛県今治市で、そもそも獣医学部の新設をゴリゴリ押していたのは、他でもない旧民主党だからだ。 経緯をおさらいしてみよう。今治市に「加計学園」が来るという話が表沙汰になったのは、第一次安倍政権下の2008年春のことだ。 「越智忍市長がこの日の会見で、学校法人加計学園から大学新設の希望を受けていることを明らかにした」(朝日新聞 愛媛県版 2008年3月4日)
・今治市と愛媛県はどうにか「特区」にしてくださいと政府に陳情するが、あっさりと却下される。その後、安倍首相は体調を崩して入院。獣医学部新設の特区話は立ち消えた。 しかし、暗礁に乗り上げたかに見えた「獣医学部新設」がその後、ゾンビのごとく息を吹き返す。そう、「政権交代」である。
▽旧民主党の政権奪取で加計学園のプランが復活
・民主党が政権を奪取したことで、これまでの自民党が独占していた官庁への口利きルートがガラッと変わったのである。それをうかがわせるようなエピソードが「愛媛新聞」に載っている。 当時、愛媛県は公共施設建設で、県産の木材をもっと使いやすくするように、建築基準法の改正を国へ求めていたが、「獣医学部新設」同様に突き返されていた。そのような規制緩和について議論をおこなう県の総務企画委員会の休憩中、横山博幸衆議院議員(当時は民主党県連幹事長)が、こんなことをおっしゃったというのだ。 「(国に)8回も提案してダメなら、別ルートの方がいいんじゃない?(民主党本部の)幹事長室が、どんどん(特区提案を)上げてこいと言っているから、こっちで上げようか」(愛媛新聞 2010年1月23日)
・自民は崩せなかった官僚の牙城を、我々民主党なら動かせるぞ、と暗に言っていたわけだ。是が非でも獣医学部をつくりたい県と市は藁にもすがる思いで、民主党愛媛県連に政府に対して強く要望したのは言うまでもない。
・麻生政権と打って変わって、民主党は快くそのリクエストに応じている。10年11月18日には県連が民主党本部の陳情要請対応本部に、国の来年度予算に対する愛媛県の要望を33件提出。そのなかで「都道府県連をあげて主体的に対応する案件」として9件を重要事項として取り上げているのだが、そこにはこんな項目がある。 《今治市で獣医師養成系大学を設置するための規制緩和》(2010年11月21日 朝日新聞 愛媛県版) 「あー、それはホラ、規制緩和を進めるのは当然だし、加計学園を優遇しているわけでもないし」という釈明があるかもしれないが、先ほど述べたように08年の時点で今治市と加計学園は二人三脚で国への働きかけをしている。「規制緩和=加計学園への優遇」ととられてもしょうがないのだ。
▽自民党も民進党も「同じ穴のムジナ」
・しかも、ゴルフを一緒にしている安倍首相が「グレー」というロジックがあてはまるのなら、この時期の民主党政権内に「グレー」呼ばわりされてしまう御仁がいることも忘れてはいけない。 鳩山内閣、菅内閣という2つの政権で内閣府政務官を務めた津村啓介衆議院議員である。 07年、岡山2区選出の津村啓介氏の企業献金はゼロだったが、一流報道機関である「朝日新聞」が調べあげたところ、「政権交代」を経てある変化があることがわかった。 「民主党県連代表として2009年の衆院選を戦い、内閣府の政務官を務めた元日銀マンの津村氏(岡山2区・当選3)。前年まではほとんどなかった企業・団体献金が、09年は県内の百貨店や建材会社など5社から計130万円、寄せられた。(中略)岡山理大などを経営する加計学園からも100万円のパーティ券収支があった」(岡山県版2011年1月18日)
・もともと加計学園の地元・岡山における「陳情ルート」は「学校法人加計学園国際交流局顧問」(逢沢一郎オフィシャルウェブサイトより)を務めている、自民党の逢沢一郎衆議院議員と決まっていた。「朝日新聞」がおこなった「金脈」調査でも「岡山理科大や倉敷芸術大学を運営する学校法人加計学園は逢沢氏側へ100万を献金していた」(岡山県版 2009年6月13日)とある。
・自民党議員への献金額と同じ100万円のパーティ券を民主党議員から買ったということは、新たな「陳情ルート」を開拓しようという動きに見えなくもない。大学運営という許認可ビジネスをおこなう者として、政府とのパイプを築こうというのは、ある意味で当然だ。
・断っておくが、筆者は津村氏が内閣府政務官という立場を使って何か便宜を図った、などと言いたいわけではない。少しでも規制緩和を進めてもらいたいと考える民間が権力へと寄り添う構図というのは、安倍政権でも民主党政権でもまったく変わらない、ということを申し上げたいのだ。
・ご本人たちからすれば、「パーティ券買ってくれただけで清い関係です」とか「ゴルフするだけで学校の相談なんて受けてませんよ」ということなのだろうが、悪意のある見方をすればいくらでも「黒い交際」に見える関係が民主党議員のまわりでもゴロゴロしている。 なぜそうなってしまうのかというと、自民党議員も民進党議員も、背中につけているゼッケンの色が違うだけで、ともにカネ集めと票集めに苦心して、ともに似たような人たちの世話になっている「同じ穴のムジナ」だからだ。
▽安倍首相の失態をあげつらう限り民進党のブーメラン体質は治らない
・自民の議員にあてはまる問題は、たいがい民進の議員にもあてはまる。その現実から目をそらして、どういうわけか自分たちだけは「清く正しく美しく」だと思い込んでいるところに、民進党ブーメラン大量生産問題の本質がある。
・これまで振り返ってきたように、今治市の「獣医学部新設」は10年近く前から地元では水面下で進められてきた構想であり、その「地ならし」に民主党が大きな役割を果たしたのは明らかだ。「安倍首相がゴルフ仲間に頼まれてサクッと規制緩和を進めた」というストーリーは、ワイドショー的には「第2の森友学園」なんて感じでもてはやされるが、それが「民進党いいね!」に結びつくわけではないのだ。
・今回の「流出文書」のなかで、「官邸の最高レベル」というニュースで繰り返しリピートされた言葉の少し前に、実は「成田市ほど時間はかけれらない」という表現があることは、あまり知られていない。これはこの4月、38年ぶりに医学部新設となった国際医療福祉大学を指している。こちらも「国家戦略特区」の指定を受けて進められたものだが、医学部新設に反対する医師会の抵抗や、文科省の「岩盤規制」に阻まれ、13年に成田市が手を上げてから4年かかってどうにか開校にこぎつけた。
・そもそも「国家戦略特区」は13年に安倍政権になってから成長戦略の柱として掲げてきたが、遅々として進まず、マスコミにコケにされ続けてきた。だから、政権のメンツのためにも、「成田市ほど時間をかけられない」のである。
・「週刊文春」で文部科学省前次官がこの文書を「本物」だとした。筆者もそう思う。しかし、「成田市ほど時間をかけられない」という言葉の背景にある事情を鑑みれば、「総理のご意向」は蓮舫さんたちが主張しているようなことではないのだ。 そしてもう想像がつくだろうが、この医学部新設ということを言い出したのも、やはり民主党政権である。日本医師会が大きな支持基盤である自民党にとって、医学部新設はご法度。その「タブー」を破ってくれたのが、民主党政権であり、安倍政権はその遺産を「流用」していると言えるのだ。
・「官邸が強引に進める規制緩和は、なにか裏があるに違いない」、と詰め寄るということは、「岩盤規制」に挑んだという数少ない民主党政権の功績に、自ら泥を塗る行為でもある。 民進党には、そういう「自爆ネタ」をいつまでも追いかけるのはやめて、議員定数削減とか憲法改正問題などの実のある追及をお願いしたい。
http://diamond.jp/articles/-/129323

次に、5月26日付け日刊ゲンダイ「加計学園問題 前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」」を紹介しよう。
・「黒を白にしろと言われる」――。加計学園をめぐる問題で、すべてを知る立場にあった文科省の前川喜平前次官が、政権中枢からの“圧力”を暴露した。およそ1時間にわたる記者会見で語られたのは、「総理のご意向」によって「公平公正であるべき行政が歪められた」ことへの怒りと反省だった。
・安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の獣医学部新設が「総理の意向」で進められたことを示す文科省の内部文書を官邸は怪文書扱い。 この文書について「本物だ」と断言する前川氏がメディアの取材に応じると、安倍官邸はスキャンダル情報を読売新聞にリークして、潰しにかかったとも報じられている。 さらには、菅官房長官は会見で「地位に恋々としがみつき、最終的にお辞めになった方」と前川氏をおとしめる人格攻撃まで。官邸がここまでエゲツないことをしなければ、前川氏も大々的に記者会見まで開いて洗いざらいブチまけることはなかったのではないか。
・「後輩たちや、お世話になった大臣、副大臣にこの件でご迷惑をおかけすることになる。その点では大変に申し訳ないと思うが、あったことをなかったことにすることはできない」 冷静な口調ではあったが、腹をくくった覚悟が伝わってきた。会見で前川氏が強調したのは、「行政が歪められた」という点だ。それは公僕の矜持として、どうしても看過できなかった。すべてを明らかにすれば、国民の理解を得られると確信して、会見を開いたのだろう。
・前川氏によれば、国家戦略特区の制度を使って、加計学園の悲願だった獣医学部の新設が認められたプロセスには重大な疑義があるという。本来のルールをねじ曲げて、加計学園に特別な便宜が図られたとしか見えないのだ。
・国家戦略特区で獣医学部の新設を認めるにあたり、2015年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」では4つの条件が示されていた。 ①既存の獣医師養成ではない構想が具体化すること ②ライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること ③それらの需要について、既存の大学学部では対応が困難であること ④近年の獣医師の需給の動向を考慮しつつ全国的な見地から検討すること
・要するに、既存の獣医学部では対応できないニーズに応える獣医師を養成する場合にかぎり、新設を認めるということだ。ところが、加計学園の獣医学部は「需要の根拠が薄弱で、既存の大学でできないのか検証されていない。条件すべてに合致していない」(前川氏)という。
・政府が決めた4つの条件をまったく満たしていないのに、昨年8月に国家戦略特区を担当する大臣が石破茂氏から山本幸三氏に交代した途端、一気に獣医学部の新設が動き始めた。問題の「総理のご意向」文書が作成されたのも、昨年9月から10月だ。
・「石破氏は4条件を厳しくチェックしようとしてたし、獣医師会に近い麻生大臣も獣医学部の新設に反対していた。それを覆し、自分たちが閣議決定したルールさえ無視して進めることができるのは、安倍首相の強い意向だとしか思えません。4条件から逸脱していること自体が、友人のために特別な便宜を図った証拠と言える。加計学園は特区事業者に認定される前の昨年10月に、新設予定地のボーリング調査も行っています。すべて『加計学園ありき』で動いていたのです」(ジャーナリストの横田一氏)
・ここまで状況証拠がそろい、国民の間にも「行政が歪められた」ことへの疑念が広がっている。前川氏自身も「応じる」と言っている以上、証人喚問ですべてを明らかにするしかない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206178/1

第三に、5月28日付け東洋経済オンライン「前川vs官邸、異例バトルの知られざる舞台裏 背景には「文部科学省利権」の争奪戦がある」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・「在職中に共有してきた文書だ」「辞職するまでは当事者として携わっていた」 愛媛県今治市で新設される獣医学部を巡る加計(かけ)学園問題。前川喜平前文科事務次官は5月25日に記者会見を開き、朝日新聞が5月17日に報じた「総理のご意向メモ」など一連の文書を「本物」だと明言した。
・前川氏が緊急に記者会見を開いたのは、これらの文書を「怪文書」と切り捨てる官邸に反撃する意図と思われる。 しかも官邸は22日付けの読売新聞朝刊で、前川氏が文科事務次官時代に新宿・歌舞伎町の「出会い系バー」に通っていたことを”書かせている”。
▽「調査なら1回か2回じゃないか」
・”書かせている”と推測できる理由は、この問題については官邸も当事者であることがわかったためだ。この記事について菅義偉官房長官は当初、「事実関係は政府としては承知していない」とシラを切っていた。つまり、まったくの無関係を装っていたが、前川氏が会見において杉田和博官房副長官から叱責を受けたことを明かすと、26日の定例会見で「杉田氏から、事実だったので厳しく注意した、という報告をあった」と認めた。
・その報告はかなり詳細なものだったようで、出会い系バーへ行った理由として「テレビ番組で見た女性の貧困をリサーチするため」と主張する前川氏に対し、菅氏は意味深な笑いを浮かべながら「調査(で出会い系バーに行く)なら、1回か2回じゃないか」と述べている。 ここで浮上する謎は、前川氏の私的な行動がなぜ官邸に把握されていたのかという点だ。
・夕刊フジは「前川氏が行った出会い系バーを警察が内偵しており、そこで前川氏が利用していたことが発覚した」と報じている。つまり「偶然説」だ。一方では、官邸が警察に前川氏の行動確認をとらせていたとの話もある。前川氏を叱責した杉田氏は警察庁出身だ。 偶然なのか、あるいは内偵していたのか。どちらであるかは分からないが、もし前川氏が官邸から狙われていたとしたら、その理由は何なのだろうか。  実は官邸と前川氏の間には、かねてから複数の確執があった。
▽新国立競技場をめぐる確執
・そのひとつが新国立競技場問題だ。東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となるべき新国立競技場は、解体工事の段階でトラブルが発生。加えて聖火台が見落とされた設計ミスや当初の1300億円から大きく上回ってしまった建設費用など、文科省の力不足による混乱が明らかにされた。
・前川氏は新国立競技場整備計画が白紙撤回された後、文科審議官として新国立競技場整備計画経緯検証委員会の事務局長を務めている。しかし官邸は新国立競技場の管轄を文科省から取り上げ、内閣官房に「再検討推進室」を設置。これを仕切るのは国土交通省出身の和泉洋人首相補佐官だ。
・国交省は公明党が大臣ポストを持っており、和泉氏は公明党との関係が深い。とりわけ住宅局長時代に冬柴鐵三国交相に仕えたことは、そのきっかけとなったと言われている。 さらに和泉氏は野田佳彦政権時に内閣官房参与(国家戦略担当)を務めた後、安倍晋三政権でも政府に残り、首相補佐官に昇格した。その辣腕で、新国立競技場を文科省から取り上げたことになる。
・官邸と前川氏には、もうひとつの確執があった。高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉問題だ。 政府が原子力関係閣僚会議を開き、「もんじゅ」の「廃炉を含めた抜本的な見直し」を表明したのが2016年9月21日。これを受けて高速炉会議が設置され、原子力産業関係者も参加。文科省が管轄していた「もんじゅ」問題はそれ以降、経済産業省が主導することになった。
・経産省は安倍首相の政務秘書官である今井尚哉氏の古巣。今井氏は資源エネルギー庁次長を務めたこともある。今井氏の叔父である今井敬元経団連会長も、一般法人日本原子力産業協会会長を務めるなど、今井一族は原子力に深いかかわりを持つファミリーといってよいだろう。 「もんじゅ」の後継高速炉について、安倍首相は2014年5月に訪仏した際、オランド大統領(当時)との間で「民生用原子力分野における協力の強化」を確認し、2030年代に第4世代原子炉ASTRID計画の実施を約束した。
▽文科省は「もんじゅ」廃炉に抵抗
・しかしASTRID計画は日本の負担が大きく、その前途も容易ではない。これを見越してか、文科省は「もんじゅ」廃炉に抵抗を続けていた。有馬朗人元東大総長を座長とした「『もんじゅ』の在り方に関する検討会」を立ち上げ、2016年5月27日に報告書を出させた。その内容は「運転再開に向けた体制を検討することができる最後のチャンス」としながらも、実際にはアリバイ作りの範疇にとどまっている。
・そして翌6月には前川氏が文科事務次官に就任。文科省のトップとして、「もんじゅ」問題に取り組まなくてはならなくなったのだ。 ここで前川氏の出自に触れておきたい。同氏の閨閥を見ると、原子力行政と極めて深い関係があるのだ。前川氏の妹は中曽根弘文元文部大臣に嫁いでおり、日本に原子力発電所を導入しようとした中曽根康弘元首相と縁戚関係で繋がる。さらに前川氏が秘書官として仕えた故・与謝野馨元文部大臣は、中曽根元首相の紹介で日本原子力発電に1963年から1968年まで勤務した後、中曽根氏の秘書を務め、政界に転じた人物だ。日本原子力発電とは電力会社9社と電源開発の出資によって1957年に作られた会社で、「もんじゅ」建設にも深く関与した。
・奇しくもその「もんじゅ」の廃炉の発表と、前川氏の出会い系バー通いが官邸に把握され、杉田副長官から叱責を受けていた時期が重なっている。そのため、「『もんじゅ』の廃炉を進めるために、前川氏の行動確認が行われたのではないか」との憶測も流れている。
・あくまで憶測に過ぎない。しかし、複数の証言によると、前川氏は官邸から見て「扱いにくい人物」だったことは間違いない。そこから見えてくるのは、官邸において強い実権を持つようになった省庁が弱い省庁を喰い尽くしている光景だ。なお加計学園問題で「総理のご意向」を忖度し、文科省に獣医学部新設の圧力をかけたと言われる藤原豊審議官も経産省出身だ。さらに安倍昭恵夫人に付きそう常勤の「夫人付き秘書」のうち3人は経産省からの出向者。官邸では経産省が断トツの勝ち組と言えるのだ。
・「総理のご意向メモ」の流出は、こうした勝ち組省庁に対する「負け組」文科省からの反撃なのだろう。前川氏の孤軍奮闘で終わるのか、それとも文科省の現役官僚からさらなる告発があるのか。そのあたりが今後の焦点になりそうだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/173721

『民進党に特大ブーメラン再び』、の記事については、 『獣医一族出身の民進党・玉木氏は安倍首相を追及する資格ナシ』、 『実は旧民進党こそが今治市で獣医学部新設をゴリ押ししていた』、 『旧民主党の政権奪取で加計学園のプランが復活』、などについては事実なのだろうが、だからといって 『自民党も民進党も「同じ穴のムジナ」』、というのは言い過ぎだ。ただ、民進党が下のレベルで動いたケースと、今回の安部首相が担当大臣の首をすげ替えてまで諮問会議を強引に通した(第二の記事)ケースを一緒くたにして論じるのは、おかしい。民進党もブーメランなどに脅えることなく、違いを明確にして正々堂々と追及すべきだ。
第二の記事で、 『政府が決めた4つの条件をまったく満たしていないのに、昨年8月に国家戦略特区を担当する大臣が石破茂氏から山本幸三氏に交代した途端、一気に獣医学部の新設が動き始めた。問題の「総理のご意向」文書が作成されたのも、昨年9月から10月だ。「石破氏は4条件を厳しくチェックしようとしてたし、獣医師会に近い麻生大臣も獣医学部の新設に反対していた。それを覆し、自分たちが閣議決定したルールさえ無視して進めることができるのは、安倍首相の強い意向だとしか思えません』、と指摘しているのには同感だ。なお、山本幸三地方創生大臣については、学芸員が「観光のがん」と発言したことで、このブログで小田嶋氏の見解を紹介している。今にして考えれば、安部首相が山本大臣を守った背景には、こうした論功があったのかも知れない。
第三の記事で、官邸による前川氏の「出会い系バー」通いのリークは、いかにも菅義偉官房長官らしい。そんな下劣な情報操作に加担する読売新聞は、自ら一流紙ではないと宣言したようなものだ。ただ、新国立競技場問題にしろ、「もんじゅ」廃炉問題にしろ、文科省がおおきなチョンボを重ねてきたことは事実だ。 『「総理のご意向メモ」の流出は、こうした勝ち組省庁に対する「負け組」文科省からの反撃なのだろう』、との指摘は正しいのかも知れない。しかし、国会での証人喚問に応じると主張している前川氏に対し、いまだにその必要なしと強弁する菅長官の厚顔ぶりには、驚かされる。
タグ:前川氏が強調したのは、「行政が歪められた」という点 この文書について「本物だ」と断言する前川氏がメディアの取材に応じると、安倍官邸はスキャンダル情報を読売新聞にリーク 権中枢からの“圧力”を暴露 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 民進党に特大ブーメラン再び!加計学園を応援した過去 日刊ゲンダイ 加計学園問題 前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」 自民党も民進党も「同じ穴のムジナ」 黒を白にしろと言われる 前川喜平前次官 「石破氏は4条件を厳しくチェックしようとしてたし、獣医師会に近い麻生大臣も獣医学部の新設に反対していた。それを覆し、自分たちが閣議決定したルールさえ無視して進めることができるのは、安倍首相の強い意向だとしか思えません 文科省の内部文書を官邸は怪文書扱い 「総理のご意向メモ」の流出は、こうした勝ち組省庁に対する「負け組」文科省からの反撃なのだろう 実は旧民進党こそが今治市で獣医学部新設をゴリ押ししていた 政府が決めた4つの条件をまったく満たしていないのに、昨年8月に国家戦略特区を担当する大臣が石破茂氏から山本幸三氏に交代した途端、一気に獣医学部の新設が動き始めた 旧民主党の政権奪取で加計学園のプランが復活 高井崇志衆院議員 玉木雄一郎・民進党幹事長代理が、実は父も弟も獣医という一家で、獣医学部新設に強く反対をしている「日本獣医師連盟」から100万円の献金を受けており、昨年の日本獣医師会の集会で「おかしな方向にいったら食い止めます!」と予告を 獣医学部の新設を認めるにあたり、2015年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」では4つの条件 加計学園 新国立競技場をめぐる確執 前川vs官邸、異例バトルの知られざる舞台裏 背景には「文部科学省利権」の争奪戦がある 読売新聞 実は官邸と前川氏の間には、かねてから複数の確執 加計学園の悲願だった獣医学部の新設が認められたプロセスには重大な疑義 証人喚問ですべてを明らかにするしかない 加計学園問題 (その2)(民進党に特大ブーメラン再び!、前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」、前川vs官邸、異例バトルの知られざる舞台裏) 特大ブーメランの雰囲気が濃厚 加計学園問題で「総理のご意向」を忖度し、文科省に獣医学部新設の圧力をかけたと言われる藤原豊審議官も経産省出身 文科省は「もんじゅ」廃炉に抵抗
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