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受動喫煙対策法案問題(自民党「愛煙家」議員暗躍で骨抜きに、小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略、加熱式タバコまで槍玉 受動喫煙議論は「まとも」なのか) [国内政治]

今日は、受動喫煙対策法案問題(自民党「愛煙家」議員暗躍で骨抜きに、小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略、加熱式タバコまで槍玉 受動喫煙議論は「まとも」なのか) を取上げよう。

先ずは、4月4日付けダイヤモンド・オンライン「自民党「愛煙家」議員暗躍!受動喫煙対策法案は骨抜きに」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・森友学園問題や南スーダンの自衛隊の日報問題など課題の多い第193回通常国会のなかで、政府が成立を目指そうとしている1つの法案がある。2020年の東京五輪に向けて制定を目指す受動喫煙対策法案だ。受動喫煙の制限促進に好意的な世論を考えれば、速やかに制定してもおかしくないこの法案。だが、自民党内の強硬な反対もあり、法案成立の目途は見えていない。この法案を巡る自民党内の動きについて、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。(取材・文/清談社)
▽自民一強の弊害がここにも 遅々として進まない法案成立
・厚生労働省が制定を目指す受動喫煙対策法案。当初の案では、「官公庁、競技場、社会福祉施設」の建物内は禁煙、そして「医療機関、小中学校」の建物も含めた敷地内は全面禁煙。それに加えて「飲食店やホテル、旅館などサービス業の施設」「駅や空港、バスターミナル」に関しては、建物内は禁煙とするものの、これらの施設に限っては例外として「喫煙室」の設置を認めるという内容であった。違反した場合は、自治体が勧告を行い、罰則が科されることになる。
・だがこの案は、たばこ農家や飲食店を支持団体に持つ議員たちからの反対に遭っている。その結果、厚生労働省は、3月1日に「延べ床面積30平方メートル以下のバーやスナックなどの小規模店舗」を例外にするという修正案を公表した。
・この動きについて、鈴木哲夫氏はこう解説する。 「よく永田町の論理などと揶揄されますが、今回の法案についても、永田町の感覚は一般社会と遊離しています。自民党一強の弊害とも言えますが、いまや自民党議員の多くは、社会の空気や風を読もうとする感覚を持っていません。国民の8割近くが非喫煙者で、受動喫煙の制限促進を望む圧倒的な世論の存在を無視しているんです」 「今回、自民党の動きはとにかく遅い。『飲食店が潰れる』ことを理由に反対するくらいならばまだマシで、なかには『煙草を吸うのは憲法で保障されている権利だから』と主張する議員もいるほど。憲法で保障されている権利について言及するならば、受動喫煙で健康に悪影響を受ける非喫煙者たちの権利はどうなるのか、という話になるのですが…」
▽今なお愛煙家率が高い自民党 「できれば法案は出てきてほしくない」
・なぜ、そこまで自民党は受動喫煙の制限に後ろ向きなのか。そこには党内のある事情が邪魔をしているという。 「実は単純な話で、自民党内の喫煙率が一般社会よりも断然高いからなんです。どこでも煙草を吸いたい、規制されたくない、と思っている愛煙家の議員がたくさんいます」(鈴木氏) 「なかでも、1日約60本吸うヘビースモーカーの竹下国対委員長は『煙草大好き人間としては、全エリアで禁煙にすると言われたら、どうやって生きていけばいいのかという思いだ。できれば法案は出てきてほしくない』と公言するほど。本来なら法案成立の前線指揮官であるはずの国対委員長がこの姿勢では、審議が進むはずがありません」(同)
・代表的な自民党内の愛煙家議員は、ほかにも野田毅前税調会長、大島理森衆議院議長、麻生太郎財務大臣、石破茂元幹事長(いずれもたばこ議連所属)など大物揃い。確かに受動喫煙対策法を強引に進めるのは難しそうだ。
・では、議論の舞台となっている、永田町の受動喫煙対策はどうなっているのだろうか。 「政界は圧倒的な男性社会ですから、元々、喫煙者が多かった。かつては、委員会室でも吸うことができたくらいです。強行採決が予想されるような場合には、凶器になる可能性もあるからと、事前に委員長席近くの灰皿が片付けられていました」(鈴木氏)
▽このままでは今国会での成立が危ぶまれる
・「さすがに今では分煙対策が進み、分煙ボックスが設置されていますが、それでも、国会内の各会派の控室や、各議員の事務所がある議員会館の部屋は、それぞれの判断で喫煙できます。また、国会内での分煙は進んでも、政治が動くのは、昼の国会ではなく、夜の会合です。そういう場面では、いまだに愛煙家たちが幅を利かせているのが実態です」
・受動喫煙対策法案を推進する側の塩崎恭久厚生労働大臣は、3月3日の参院予算委員会で、与党議員からの批判的な質問に対して、「妊婦、子ども、がん患者らの健康が、喫煙の自由よりも後回しにされる現状は看過できない」と一歩も譲らない姿勢を見せるなど、情勢は膠着したまま。果たして法案の成立は今後どうなるだろうか。
・「厚生労働省が出した修正案に対しても『地方には30平方メートル以下の店はほとんどない』と主張するなど、反対派の議員たちは強硬な姿勢を崩していません。自民党内の法案の改正手続きは、このままいくとゴールデンウィーク頃まで伸びる可能性もあり、場合によっては6月18日に閉会する今国会での成立も危ぶまれます」(鈴木氏)
・現行の健康増進法は、法律上罰則がない「努力義務」にすぎない。日本の受動喫煙防止対策は世界的に見て、最低レベルなのが実態である。 このような悲惨な現状を覆して、20年の東京五輪に向け、受動喫煙の制限を推進することができるのか。今、日本の政治家たちの国際感覚が問われている。
http://diamond.jp/articles/-/123485

次に、5月18日付けダイヤモンド・オンライン「小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・自民党のたばこ議連に押し切られ、骨抜きにされた厚労省の「受動喫煙防止法案」が、来月から始まる都議会選挙の争点になりそうだ。バトルを仕掛けたのは小池百合子・東京都知事。「しがらみだらけ」のたばこ容認派の政治家たちは、「しがらみなき政治」を標榜する小池都知事にとって格好の獲物なのだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
▽「たばこ」が争点になる都議会戦 小池百合子が仕掛ける“ガチ勝負”
・もしかして今回の選挙は、日本人が初めて「たばこ」というものと真剣に向き合う契機になるかもしれない。 厚生労働省が飲食店や居酒屋も原則禁煙とする健康増進法改正案をまとめたものの、自民党「たばこ族」の激しい反発にあって今国会での成立が絶望的になるなかで、その無念さを晴らすかのような形で小池都知事が、厚労省案に近い受動喫煙防止条例を都議選の「公約」にすると表明したのである。
・これを受けて、自民党東京都連も国政と異なる対応策を出すと表明。さらに、民進、公明も追随することで、来月から始まる都議選自体が「受動喫煙対策バトルの第2ラウンド」のような様相を呈している。 個人的には、この動きは非常に興味深い。日本初の「たばこ」が争点となる選挙になるかもしれないからだ。
・これまでも「受動喫煙」が争点になる選挙がなかったわけではないが、ほぼ例外なく公約として掲げられる時点で形骸化されている。神奈川県に住んでいる方ならばわかると思うが、「受動喫煙防止条例」なるものがあっても、小さな飲食店ではごく普通に子どもや妊婦の横で、愛煙家がプカーっとやっているのが現実なのだ。
・しかし、今回は違う。厚労省が掲げた「屋内原則禁煙」というベンチマークがあるので、そこへどれだけ寄るか、もしくは離れるかで各政党のスタンスが「見える化」される。これまでのようにシレッとした顔で骨抜きにすることは難しい。 また、選挙後には「望まない煙を吸い込む」という被害がどれだけ減ったのかというKPIを、有権者自身が測定できることも大きい。「待機児童問題、一刻も早く解決します!」「受動喫煙防止対策、がんばります!」と選挙期間中に喉を枯らして訴えたけれど、当選したら是々非々で、という「ゆるやかな公約違反」が通用しない「ガチ」の公約なのだ。
▽あの蓮舫氏もダンマリを決め込むたばこを巡る「大人の事情」とは
・では、そのようなセメントマッチ(真剣勝負)を、なぜ小池都知事は仕掛けたのかというと、3つの理由がある。まず、ひとつ目は、ここを争点化することに成功すれば、都民ファーストの会が圧勝する可能性が出てくるからだ。
・各政党が受動喫煙防止対策を出すということだが、自民党東京都連は、ほぼ間違いなく厚労省案と懸け離れた「骨抜き案」を出してくるだろう。党厚労部会で了承がとれなかったものを、東京都連が「公約」として掲げられるほど、自民党は自由な組織ではない。 では、民進党ならばできるかというとこれもビミョーだ。ご存じのようにこの党は「労組票」をなくすと、またごそっと議席を失ってしまう。JT労組や飲食業関連の組合のことを念頭に置けば、厚労省案など支持できるわけがない。自民党の決定には脊髄反射のごとく反対する蓮舫さんたちが、なぜか受動喫煙防止対策に関しては大騒ぎをしないのは、そういう「大人の事情」があるのだ。
・一方、都民ファーストの会はテレビでおなじみの音喜多駿都議をはじめ、受動喫煙防止を訴えてきた議員が多い。小池都知事が「共闘」を宣言している公明党も同様で、「がん対策」の流れから受動喫煙防止に熱心な女性議員が多く、かねてからたばこの害にまつわる勉強会も開催している。 つまり、現時点で「厚労省案」に準じた受動喫煙防止対策を政策として実現できそうなのは、これら「小池派」だけなのである。豊洲新市場移転問題や待機児童問題など、どの政党も主張は似たりよったりであるなかで、このテーマでは、明確に「差別化」できる。
・また、もしこの受動喫煙防止対策が大きな争点となった場合、自民党が「割れる」という事態も起きる可能性がある。自民党都連の有力支援団体のひとつである東京都医師会の尾崎治夫会長が言う。 「医師会はこれまで自民党を応援してきたが、受動喫煙防止という一点だけはどうしても不協和音が出てしまう。自民のなかでも厚労省案のような厳しい規制に賛成だという若手議員も少なくない。そこで次の都議選では、私たちが考える医療政策について全候補者へアンケートを送って、その結果を参考にして推薦を決めようと考えている」 その医療政策の中には、厚労省案に準じる受動喫煙防止対策が含まれている。つまり、「たばこ」をめぐる議論が大きく盛り上がっていくと、自民党東京都連の候補者内でもさまざまな主張をする者が現れ、「分裂選挙」の様相を呈していく恐れがあるのだ。 こうなれば、「小池派」が俄然有利になるというのは説明の必要がないだろう。
▽全国的にはたばこ容認派が多いが 東京に限れば原則禁煙派が多数
・いや、待て待て、仮に「受動喫煙防止対策」が争点化されたとしても、厚労省案のように屋内原則禁煙を掲げた条例が有権者に支持されるかどうかは別の問題だろ、という意見があるだろう。 確かに、産経新聞とFNNが合同でおこなった世論調査では、厚労省案を支持したのは37.6%にとどまり、「喫煙」「分煙」「禁煙」を選んだ上で表示を義務付ける自民党たばこ議員連盟の対案を支持する声が60.3%に達している。
・この結果を受けて、自民党のたばこ議連メンバーは「受動喫煙対策は国際的な潮流というが、むしろ国内世論はわれわれを支持している」(産経ニュース4月9日)として勝利宣言をしたほどだが、この調査が「全国」を対象としていることを忘れてはいけない。
・実はそれこそが、小池都知事が「たばこ戦争」を仕掛けた2つ目の理由だ。 2015年5月28日、国立研究開発法人国立がん研究センターと、がん対策情報センターたばこ政策研究部が出した「東京オリンピックのたばこ対策について都民アンケート調査」では、東京オリンピックに向けて罰則つきの規制を求める意見が過半数を占め、都民の4分の3はなにかしらの規制の導入が必要だと回答しているのだが、ここで注目すべきは、75.5%に及ぶ人が「受動喫煙防止のために分煙は効果がない」と述べていることだ。
・実際、受動喫煙に分煙は効果なし、というのは科学的に立証されている。厚労省案もこれに基づいて、「原則禁煙」を掲げてきた。都民の7割が「分煙は効果なし」と思っているということは、裏を返せば7割の都民が厚労省案に近い、都民ファーストの会の公約を受け入れる土壌があるということだ。
・全国区の話ならば、先ほどの世論調査のように勝機はないが、東京都民の多くは「分煙への不信感」を持っている。この層を「票田」とすることができれば一気に風をつくることができるというのは、松沢成文・神奈川県知事時代の選挙を見れば明らかだろう。
・もちろん、「分煙不信」の75.5%のすべてが、厚労省のような「全面禁煙」を望んでいるわけではなく、そのうちの36.2%は、「効果はないと思うが、喫煙者と非喫煙者が共存する現状では分煙はやむを得ない」と答えている。つまり、「分煙は効果がないのはわかっているけど、飲食店も困るだろうし、愛煙家もいるわけだからしょうがないじゃん」という自民党的な「意見」が多いのである。 じゃあ「飲食店原則禁煙」なんて訴えて選挙を戦うのは、かなりリスキーじゃないかと思うかもしれないが、むしろここが都民ファーストの最大の「勝機」となる。
▽しがらみだらけの政治家は小池都知事の格好の標的
・先ほどの分煙を消極的に支持している36.2%というのは、わかりやすく言うと、「たばこの害はわかるけど、世の中にはいろいろ“しがらみ”があるんだから」という、いわば物わかりのいい考え方をする人たちだ。 実はこの考え方は「たばこ」というものの本質をついている。害はあって世界的には問題視されているけど、日本では財務省と「たばこ事業法」に守られている。食事中はたばこの煙なんて吸いたくないという人もいれば、食後の一服がたまらんという人もいる。つまり、「たばこ」というものは「しがらみ」の権化のような存在なのだ。
・これこそが、小池都知事が「たばこ」を争点に選んだ最大の理由である。 都知事選に出馬した際、「組織やなんらかのしがらみを越えて、この都知事選に邁進していく」という第一声を上げたことからもわかるように、小池氏は都知事になってからずっと「しがらみのない政治家」というブランディングを続けている。 正義のヒーローの価値を高めるには、「悪」の存在が必要不可欠であるように、「しがらみのない政治家」の価値を高めるには、正反対の存在である「しがらみだらけの政治家」にも光を当てなくてはいけない。
・選挙期間中に「都議会のドン」を名指しで批判し、知事になったら豊洲新市場の地下ピットをわざわざ「謎の地下空間」と言い換え、石原慎太郎氏と一戦をまじえたのも、オリンピック会場問題で森喜朗さんという、これまた「しがらみ感」の強い政治家を向こうに回したのも、すべては「しがらみのない小池百合子」というブランディングのため、という見方もできるのだ。
・そのような「しがらみ」との戦いのなかで支持を拡大してきた小池都知事にとって、「受動喫煙防止対策」がどのような意味を持つのか考えていただきたい。 「屋内全面禁煙は国際的にも大きな流れで、どの国も大きな混乱なく導入されており、飲食店の売り上げは減るどころか、むしろ増えていますよ」という厚労省側の説明を、「海外の話なんか知るか!日本は特別な国なんだから関係ねぇんだよ!」と突き返す自民党の「たばこ族」は、特定の業界にとっては立派な代弁者であるが、一般国民にとっては「しがらみ」の塊にしか見えない。 つまり、「しがらみハンター」である小池都知事にとって格好の獲物なのだ。
▽禁煙をゴリ押しするIOCとWHOも小池都知事の応援団に
・東京都の受動喫煙防止条例は、舛添要一前都知事が自民党東京都議団の厳しい反発を受けて即座に引っ込めた経緯がある。今回の厚労省案はそもそも、IOC(国際オリンピック委員会)やWHO(世界保健機関)という「外圧」を受けて、官邸主導で進められた。にもかかわらず、自民党のたばこ族が騒ぎ始めたら案の定というか、紛糾してしまった。
・これまでの都知事も官邸も、そして自民党も「しがらみ」で断念せざるを得なかった、「たばこ」というタブーに躊躇なく切り込むというのは、小池都知事の「しがらみなき政治家」のブランディングをより確かなものにする、というのは言うまでもないだろう。 15日の自民党厚労部会で、塩崎恭久厚生労働相は「まったく厚労省案のままでいくことはあり得ない」と述べ、自民党案に歩み寄る考えを示したという。
・以前もこのコラムで述べたが、IOCと WHOは「オリンピック開催」というニンジンをぶらさげて、次々と開催都市の「全面禁煙化」に成功させてきた。その政治的圧力たるやすさまじく、日本よりも数倍したたかな外交を展開する中国やロシアもあっさり屈したほどだ。
・「ニンジンはいただくが、お前らのルールには従わないぜ」というのが自民党たばこ議連の主張。ついに厚労省までそちらへ流れてきて、またもやしがらみに屈するのかと思われたタイミングで、颯爽と現れたのが、小池都知事なのだ。 「スモークフリー五輪」を掲げるIOCやWHOにとって、自民党案は到底承服できる内容ではない。1ミリたりとも譲歩しないのは会場問題でも明らかで、彼らも小池都知事の応援団になるだろう。
・また、法案通過の道が完全に閉ざされたら、「日本全体で屋内100%全面禁煙とする国際水準の受動喫煙防止法や条例の制定が不可欠」として署名活動をおこなっている日本医師会などの医療系団体や、嫌煙家たちが今の勢いをそのままに、都民ファーストの会支持へ回ることも考えられる。 「小池劇場」の舞台が整いつつあるのは間違いないようだ。
http://diamond.jp/articles/-/128464

第三に、百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏が6月2日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「加熱式タバコまで槍玉、受動喫煙議論は「まとも」なのか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽厚生労働省 VS 自民党 出口が見えないタバコ規制論争
・受動喫煙対策の切り札と見られていた「加熱式タバコ」までもが、健康増進法改正案の議論に翻弄されている。そこに絡む思惑とは? 健康増進法の改正案で、厚生労働省と自民党が衝突している。争点はタバコだ。これまでも喫煙者は肩身の狭い思いをしてきたわけだが、今回の法案で厚生労働省は、かなり踏み込んで規制を強化してきた。当初案では、基本的に公共の建物内を原則禁煙としてきたのだ。 要するに、これまでのように灰皿が置かれた居酒屋から分煙が進んだ喫茶店まで、「パブリック」と呼ばれる建物の中での喫煙は不可能になるという案である。
・この厚生労働省の法案に、自民党の議員は真っ向から反発した。その後の調整で一部の例外や時限規定を盛り込む譲歩案が提示されているが、まだモメている。今国会でこの健康増進法の改正ができるかどうかは、微妙なところである。 さて今回、厚生労働省が強硬なのには1つの理由がある。WHO(世界保健機構)から日本の受動喫煙防止対策が進んでいないと批判されているのだ。そしてそのすぐ背後には、IOC(国際オリンピック委員会)がいる。2020年の東京オリンピックまでに、オリンピック開催国の責務として国際レベルのタバコ規制を要求しているのだ。
・これまでの五輪開催国では、ブラジルや中国ですらIOCの要求を飲み、開催都市での禁煙を実行してきた。東京も例外ではないし、その規制も以前の他の開催都市より厳しくしようというわけだ。 そして厚生労働省側も、2020年に突然、喫煙を禁止するのでは喫煙者の対応も難しいということで、時限を切って少しずつ規制を強化したいというのが、現在の思惑のように見える。だから今国会で、健康増進法の改正を行いたいわけだ。
・一方で、意外に思われるかもしれないが、法律を決める国会議員にはタバコ族が多い。これは族議員的な業界代表の意味ではなく、議員個人として愛煙家が多いという意味だ。 当然と言えば当然だが、政治家の仕事は様々な利害関係者からの意見を調整することである。通常の仕事と比べれば、ストレスは大きい。タバコで一服することで平静を取り戻すということが、生活習慣として結構重要なのだ。 そういうわけで、冒頭にお伝えしたように、官僚と議員の間でこのタバコに関する法案の綱引きが、大きな問題になっているのである。
▽加熱式タバコには本当に受動喫煙リスクがあるのか?
・さて、この健康増進法について、陰でもう1つ重要な論争が起きている。アイコス(IQOS)やブルームテックなど、今ブームになっている「加熱式タバコ」の扱いをどうするかだ。 加熱式タバコというのは、従来のタバコのようにタバコの葉を燃やすのではなく、ペースト状にしたタバコの葉を加熱して、蒸気を吸いこむタイプの新製品である。市場では外資のフィリップモリスが先行し、日本たばこ(JT)がその後を追っている。
・実は、タバコが健康に有害であるという根拠の大半は、タールが体内に入ることによる。タールが発生するのは、タバコやタバコの巻紙を燃やすからだ。加熱式タバコではタールが出ない。タバコのニコチン成分だけを蒸気にして吸う。だから喫煙者にも、受動喫煙の可能性がある周囲の人たちにも、従来のような健康被害は出ないのではないかと期待されている。
・実際私の周囲を見ると、紙巻きタバコからアイコスに乗り替えた知人たちによる加熱式タバコへの評価は高い。切り替えて数週間で「健康になってきた」と口をそろえて言うのである。「同じタバコで健康も何もないだろう」と私は思うのだが、喫煙者の立場からすると、タールが体内に入らないことは「不健康の中での健康の度合い」が全然違うそうなのだ。
・さて、今年2月の段階で塩崎厚生労働大臣は、これら加熱式タバコについて「受動喫煙規制の対象外」という見解だったが、3月にその見解が一転して、「加熱式タバコも規制対象」ということになってしまった。 加熱式タバコは、喫煙家にとっても、受動喫煙の影響を受けるタバコを吸わない人にとっても、健康の切り札になるのではないかと言われてきた。先ほど述べたように、タバコ規制の最大の根拠は、副流煙と呼ばれる紙巻きたばこを燃やすことで出る煙が有害で、それを吸いこんだ周囲の人の健康が害されるという懸念だった。
▽政治の思惑に翻弄されそうな加熱式タバコの不確かな未来
・そのような健康被害をなくすために開発された加熱式タバコを規制外とするか、それともタバコはタバコとして一律規制するかは、実に政治的な問題である。法律をどちらにするか次第で、未来が結構違ったものになる。 仮に、加熱式タバコだけはパブリックな場所で吸っても良くて、規制もそれほど厳しくない法律になると、現在のタバコ需要の大半は加熱式タバコに移行することになるだろう。一方で、加熱式タバコも同じ規制を受けることになれば、紙巻きタバコは商品としてまだまだ延命することになる。健康だけを考えれば、紙巻きタバコがなくなる未来をつくったほうがよいはずだ。
・にもかかわらず、官僚の一存で「加熱式タバコは規制外」とされたあたりに、今回の騒動の根っこがありそうだ。 厚生労働省の改正案では、「今後健康への影響を十分に調べ、影響がない場合は規制対象から外す」と言う内容になっている。市場で先行するフィリップモリスの調査で、「健康への影響はかなり低い」という結果が出ているのだが、厚生労働省としてはまだ調査が十分ではないので、「とりあえず今は禁止して後から見直したい」という方針だ。
・論理的には、そのことでアイコスの販売ペースは落ち、紙巻きタバコは商品として延命されることになるだろう。国民の健康を考えたら、これはちょっと不可解な方針だが、ひょっとして官僚は加熱式タバコで出遅れている日本たばこ産業の経営への影響や、アメリカ製の加熱式タバコを購入しづらい我が国の国会議員の立場を忖度しているのではないか。いや、それはちょっと勘繰りすぎだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/130298

コメントする前に私の立場を明らかにしておきたい。50年以上の愛煙家ではあるが、近年は1日3、4本に節煙をしており、比較的長時間の禁煙も苦にならなくなったこともあり、当初の厚労省に賛成である。第一の記事では、 『今回の法案についても、永田町の感覚は一般社会と遊離しています。自民党一強の弊害とも言えますが、いまや自民党議員の多くは、社会の空気や風を読もうとする感覚を持っていません。国民の8割近くが非喫煙者で、受動喫煙の制限促進を望む圧倒的な世論の存在を無視しているんです』、 『現行の健康増進法は、法律上罰則がない「努力義務」にすぎない。日本の受動喫煙防止対策は世界的に見て、最低レベルなのが実態である。 このような悲惨な現状を覆して、20年の東京五輪に向け、受動喫煙の制限を推進することができるのか。今、日本の政治家たちの国際感覚が問われている』、などの指摘はその通りで、喫煙議員たちの行動には、私も首を傾げざるを得ない。
私は小池都知事は支持していないが、第二の記事で、 『小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」』、とは敵ながら天晴れだ。確かに 『しがらみだらけの政治家は小池都知事の格好の標的』、となり、 『「小池劇場」』がまた勢いを増すのは、腹立たしいことだ。
第三の記事で、加熱式タバコについて、 『「とりあえず今は禁止して後から見直したい」という方針』、になったのは、 『加熱式タバコで出遅れている日本たばこ産業の経営への影響・・・忖度しているのではないか』、との見方には、なるほどと納得させられた。
いずれにしろ、共謀罪法案では国際法制へのキャッチアップを大義名分にしながら、受動喫煙対策では国際的潮流に背を向けるというのは、自民党政権の身勝手そのものだ。
タグ:鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 受動喫煙対策法案問題 (自民党「愛煙家」議員暗躍で骨抜きに、小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略、加熱式タバコまで槍玉 受動喫煙議論は「まとも」なのか) 自民党「愛煙家」議員暗躍!受動喫煙対策法案は骨抜きに 自民一強の弊害がここにも 遅々として進まない法案成立 たばこ農家や飲食店を支持団体に持つ議員たちからの反対に遭っている 「延べ床面積30平方メートル以下のバーやスナックなどの小規模店舗」を例外にするという修正案 今回の法案についても、永田町の感覚は一般社会と遊離しています。自民党一強の弊害とも言えますが、いまや自民党議員の多くは、社会の空気や風を読もうとする感覚を持っていません 今なお愛煙家率が高い自民党 「できれば法案は出てきてほしくない」 このままでは今国会での成立が危ぶまれる 小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略 小池都知事が、厚労省案に近い受動喫煙防止条例を都議選の「公約」にすると表明 厚労省が掲げた「屋内原則禁煙」というベンチマークがあるので、そこへどれだけ寄るか、もしくは離れるかで各政党のスタンスが「見える化」される ここを争点化することに成功すれば、都民ファーストの会が圧勝する可能性が出てくるからだ 自民党が「割れる」という事態も起きる可能性 全国的にはたばこ容認派が多いが 東京に限れば原則禁煙派が多数 しがらみだらけの政治家は小池都知事の格好の標的 禁煙をゴリ押しするIOCとWHOも小池都知事の応援団に 「小池劇場」の舞台が整いつつあるのは間違いないようだ 加熱式タバコまで槍玉、受動喫煙議論は「まとも」なのか これまでの五輪開催国では、ブラジルや中国ですらIOCの要求を飲み、開催都市での禁煙を実行 「加熱式タバコ」の扱いをどうするかだ 加熱式タバコも規制対象 今後健康への影響を十分に調べ、影響がない場合は規制対象から外す 加熱式タバコで出遅れている日本たばこ産業の経営への影響や、アメリカ製の加熱式タバコを購入しづらい我が国の国会議員の立場を忖度しているのではないか
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