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日本経済の構造問題(その3)(日本と仁丹を救うオッサンの「根拠なき確信」、なぜ、日本人は「空気」に左右されるのか?、薄利多売をやめなければ経済成長は望めない) [経済]

日本経済の構造問題については、1月26日に取上げたが、今日は、(その3)(日本と仁丹を救うオッサンの「根拠なき確信」、なぜ、日本人は「空気」に左右されるのか?、薄利多売をやめなければ経済成長は望めない) である。

先ずは、健康社会学者の河合薫氏が3月7日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「日本と仁丹を救うオッサンの「根拠なき確信」 仁丹曰く「案外、オッサンたちがこの国の希望かもしれない」」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・久々にいいニュースである。 昭和のオッサンたちの常備品だった「ひとつぶのんだら スーッとネ ジン ジン ジンタン ジンタカタッタッタタ~」の仁丹を製造する森下仁丹が、“第四新卒”の採用をスタートさせた。
・毎日新聞では「『第四新卒』おっさん、おばはんWANTED」 東京新聞では「森下仁丹が『第四新卒』採用へ おっさん、おばはん求む」  読売新聞では「求む中高年、森下仁丹が『第四新卒採用』」 日経新聞では「森下仁丹、50代中心の中途採用導入へ 幹部候補に 」 朝日新聞では……掲載なし(私が確認した限りでは……)。
・はい、そうです。ごらんのとおり“第四新卒”とは、おっさん、おばはんのこと。 森下仁丹の定義によれば、  「社会人としての経験を十分積んだ後も仕事に対する情熱を失わず、次のキャリアにチャレンジしようとする人材」をいい、「性別・年齢を問わず採用」 していくことを、第四新卒採用と呼ぶのだという。
・募集職種は、「食品・医薬品の営業、開発、製造および新規事業開発に関するマネージメント業務」で、前職での業種・職種は問わない、正社員採用(試用期間3カ月あり)。 求められる資質は「やる気」のみ!  そう。やる気だ。
・そこで今回は「やる気」についてアレコレ考えてみようと思う。 では早速(2週続きで動画からスタートになってしまった)、採用募集の動画をご覧ください。……泣けます! 「オッサンたちへ」 「あの頃は仕事がすべてだったんです。」  「ずっといた場所から出てみたい、そう思ったんです。」 「まだ、できると思うんです。」 「案外、オッサンたちがこの国の希望かもしれない。」 「オッサンも変わる。ニッポンも変わる。」
▽「瞬間、『やばいことしたな』と思ったものです(笑)」
・「案外、オッサンたちがこの国の希望かもしれない」――。 ふむ。いいコピーである。 「女性を輝かせる」前に「オッサンを輝かせろ!」と、私はこれまで幾度となく訴えていたので、やっとこういった会社が出てきたことが、率直にうれしい。
・現在、日本の総人口は約1億2700万人。そのうち大人人口(20歳以上)は約1億500万人。40代以上は約7700万人。これが2020年には約7800万人に増え、「大人の10人に8人」が40代以上になる。 つまり、「オッサンにニッポンを変えてもらわない」ことにはえらいことになる。「いやいや、あとは楽させてもらいますよ~」なんて50過ぎで、心の引退をされては現実問題として困るのである。
・で、ここで疑問がわくわけです。 「オッサンにやる気さえあれば、ニッポンは変わるのか?」と。 とかく昨今のオッサンたちはお疲れ気味。時折やる気を見せるものの「あの人、やる気だけはあるんだけど……」と、周りからちょっとばかりウザがられたり、やる気を見ればみせるほど周りのテンションを下げる“残念なオッサン”も少なくない。 いったいどんな「やる気」ならオッサン自身も、ニッポン(=会社)も変えることができるのだろうか?
・“オッサン”の連発で申し訳ないのだが、結論から述べると私はオッサンの「やる気」が、「人格的成長(personal growth)」というポジティブな心理的機能によるものなら、変わると確信している。 「人格的成長」とは「自分の可能性を信じる」気持ちのこと。専門家の中にはこれを「チャレンジ精神」と同一に扱う人もいるが、実際には異なる。 チャレンジ精神が、 自分の行動する力に価値を見出していることに対し、人格的成長は、自分の内在する力に価値を見出すもので、 先の動画でいえば 「まだ、できると思うんです」 という、実にシンプルかつ根拠なき確信である。
・そう。「根拠のなき確信」ほど、人間の底力を引き出す無謀な心の動きは存在しない。 実は森下仁丹の駒村純一社長も、自分の可能性にかけ、会社を変えたひとりだったのである(詳細は同社HPをご覧下さい。以下、抜粋して要約)。 
・駒村さんは元商社マン。イタリアに駐在した時には現地の出資先の社長も経験するなど、まさに順風満帆のキャリアを歩んだ人物である。 ところが、ある日ふと「このままではつまらない人生になってしまう」と感じ始める。引退に向けて安定した人生が約束されていたにも関わらず、だ。 そこで一念発起し、52歳で商社を退職したそうだ。 「早期退職の意向をメールで送ったときは、エンターキーを押した瞬間に、『やばいことしたな』と思ったものです(笑)。 (中略) 転職先が決まっていたわけではありません。まだまだ自分は一線で働きたいという思いだけで、退職を決めました」 駒村氏はこう語っている。
▽周りは敵ばかり
・退職後は、キャリアを生かし外資系企業を中心に就職活動を始めたが、就職先は決まらなかった。 無職となり5か月が過ぎようとしたとき、「経営状況が悪化している大阪の老舗企業が、経営の立て直しの人材を探している」と知り合いからオファーが届いた。それが森下仁丹だった。 「私には、そうした企業を黒字転換させてきた経験がある。自分のキャリアが生かせるかもしれない」 そう考えた駒村氏は、執行役員として入社。
・が、中に入って知った会社の現状は、想像以上に厳しいうえに社内には「やる気が失われていた」。 売り上げはピーク時の10分の1。それでも社員たちには「創業120年を超える老舗がつぶれるわけがない」と、危機感を全くもっていなかったのである。 そこで経営の立て直しを進めようとするのだが、「外から来たやつが何を言ってやがる」と反感を持つ人も多く、周りは敵ばかり。 「社内に蔓延する『つぶれるわけがない』という空気を変えるには、新しい風を入れるしかない」――。
・駒村氏は、外部の人材を積極的に起用し、管理職に抜擢。当然ながら、生え抜きの社員は猛反発。それでも氏はやり方を変えなかった。 「新しい人が来て結果を出していけば、それが刺激になる。会社が本気で変わろうとしているという危機感を持ってもらうためには、まず行動で示すことが大切でした。改革には痛みが伴う。その痛みを避けていては、前に進むことはできない」
・自分を信じ、中途採用を広げ、部長職の平均年齢も40代と大きく若返り、2006年には社長に就任。本社の工場敷地も売却し、財務状況を健全化させ、次のチャレンジをするための下地を整えた。 その結果、生まれたのが現在の経営の柱となっている、独自のシームレスカプセル技術。10年間で売り上げを倍にし、今に至っているのだという。
・「このままではつまらない人生になってしまう」という感覚は、まさしく「人格的成長」であり、「自分の内在する力に価値」を見出しているからこそ、「自分のキャリアが生かせるかもしれない」と考え、周りが敵だらけでも「会社を絶対に再生できる」と行動できた。 ただ、おそらく駒村氏自身が公言していない、「苦悩」や「情けない自分」との葛藤もあったはずだ。
▽「辞めなきゃよかった」という言葉が出そうになる
・前回(「やりがい搾取」の共犯?文科省公認の天職信仰)書いたとおり、すべてのサクセスストーリーは「後付け」で、そこには決して語られない、あるいは本人でさえも忘れてしまった「かっこ悪い自分」が例外なく存在する。 全くレベルは違うし、ここで個人的な話を持ち出すのはおこがましいのだが、私もそうだったから。前向きな気持ちで崖から飛び降りた先には、いくつもの鋭利な砂利が転がっていて。それを乗り越えるには節操なく自分の可能性を信じる気持ちと、痛みを痛みと思わないずぼらさが必要なのだ。
・私は「このままでいいのかな。もっとなんか出来るんじゃないかな。自分の言葉で伝える仕事がしたい」と、若気の至りで28歳のときスッチーを辞めたわけだが、実際に辞める決心をしたのは、「2年後の自分」を想像したときだった。 「2年後、今のままCAをしている自分と、他のことをやっている自分、どちらが魅力的か?」――。そんな問いがふとわいてきて、後者の自分に魅力を感じ、辞めた。 なぜ「2年後」で、なぜそういう問いになったのか、自分にも分からない。辞めたところでナニかが決まっているわけでもない。
・でも、「他のことをやっている自分の方が魅力的」という根拠なき確信が、辞めたあとの不安をワクワクした感情に変えたのである。 とはいえ、現実は想像以上に厳しい。 28歳の小娘に「自分の言葉」などあるわけがなく、元気いっぱい辞めたはいいけど、何も決まらない、進みたくても、前に進む道筋すらちっとも見つけられない自分がいて。
・スッチーの同期が「明日からロスだよ」なんて電話してくると、「辞めなきゃよかった」という言葉が出そうになり、でもその言葉を口にした途端、自分がどうにかなってしまいそうで、絶対に口にできなかったのである。  なので、気象予報士第1号となり合格当日にたまたま「ニュースステーション」に出演するまで、私は友だちと連絡をとっていない。 多分、潔く辞めたはいいけど「何者にもなれていない自分」が、ちょっとばかり恥ずかしかったんだと思う。
・ただ、そこに至るまで私が踏ん張れたのは、「それでいいんだよ。踏ん張れ」と背中を押してくれる人たちがいたからに他ならない。民間の気象会社で出会った気象庁のOBのおじいちゃんたち、社内でサポートしてくれた上司、そして、何よりも気象のずぶの素人の私を受け入れてくれた当時の社長さんがいたからこそ、私は砂利道をなんとか歩くことができた。
・そんなときに自分にできることといったら、気象の勉強をひたすらやることだけで。給料泥棒にならないよう、必死で勉強し、少しでも仕事の質をあげるべく努力することくらいしかできなかった。 おそらく駒村氏にも、痛みの伴う改革を断行するうえで応援団がいたのではないだろうか。同じように「会社の空気を変えなきゃ」と危機感を持ち、社外からきた駒村さんを信じ、駒村さんの可能性に賭けた人がいた。「敵」の中に数少ない応援団がいて、彼らがいたからこそ、駒村さんも自分に課せられた仕事の質を必死であげるべく努力したのだと思う。
▽「学び続ける覚悟」を持つこと
・人格的成長――。 「自分の内在する力に価値」を見出す、前に開かれた感覚である人格的成長は、あくまでも“今”を成長への通過点と捉え、不甲斐ない自分、自分に対する批判、といった向き合いたくない「自分の市場価値」を受け入れるまなざしを持ち、危機感を持つ感覚と言い換えることができる。 そして、目の前の仕事の「質」を高めるために、「自分にできること=学び」に励む。とにかく動く。アレコレ考えずにとにかく動く。自分をどうこうするのではなく、目の前の仕事を「少しでもいい仕事」にすべく努力する。その結果、人格的成長が強化されていくのである。
・つまり、真のやる気とは、結局のところ「学び続ける覚悟」を持つこと。 ほんのちょっとでもいいから、仕事の質を高めるべく勉強する。「自分の成果物」の価値を上げるべく邁進する。それが、結果的に自分を進化させ、「うん、成長したかも…」といった自負につながっていく。
・かなり前に本コラム(定年延長で激化する「“オッサン”vs若者」バトル)でも紹介したが、高齢者雇用を通じて生産性を10年で3倍まで向上させた「VITA NEEDLE社」(米マサチューセツ州のステンレス製のニードルやチューブといった特殊部品を製造する会社)の従業員もそうだった。 高齢者の方たちは、「自分を雇ってくれた会社」を信頼し、誠心誠意会社に尽くした。 自らの持つ能力と知見を最大限に生かし、積極的にスキルを磨き、社員同士で助け合い、互いにスキルを向上させ、自分の人生の集大成としてひたすら一生懸命働き、企業の生産性向上に寄与したのである。
・オッサンを求める「環境」に、「真のやる気」と「経験」という係数が加わればオッサンは化ける。でもって、オッサンが「環境」を変える。 これまで600名超の方たちをインタビューしてきたけど、いかなる状況になっても腐ることなく、自分を信じ、前に踏み出した“おっさん”たちがいた。
 +「まだ終わりたくない」と一念発起し転職を試みたものの、直後にリーマンショックが勃発。職安通いを強いられた元一流企業の部長53歳。
 +50代には仕事がないことに気付き、給与半減覚悟で小企業に転職したマンネン課長52歳。
 +「発展途上国で自分の技術を生かしたい」と英語学校に通い、青年海外協力隊に応募したメーカー勤務の男性49歳。
 +「もっと会社の役に立ちたい」と、誰も行きたがらない離島勤務を志願した部長さん53歳。
・中には私のインタビューに答えるうちに、「自分にももっとできることがあるのではないか」と前に踏み出した人たちもいた。 彼らはいずれも、誰もが知っている大企業に勤め、そこそこ出世していている人たちだったが、そういった属性を捨て、まる裸の「自分」に勝負をかけた人たちだった。 その“オッサン”たちは、みんなイイ顔をしていた。
・そんなオッサンたちを受け入れる質のいい環境が増える火付け役に、森下仁丹がなればいい、と心から願う。 ちなみに同社広報によれば、「社員数300人規模の会社なので採用は数人程度と考えていますが、3月6日午前中の時点で、応募数は約1000人に上っています」とのこと。おぉ!「やる気」に満ちたオッサンは、たくさんいるのだ。  オッサン、がんばれ! オバさん、がんばれ! はい、オバさんの私もがんばります!
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/030300094/

次に、2月20日付けダイヤモンド・オンライン「なぜ、日本人は「空気」に左右されるのか?『失敗の本質』が教える4つの罠」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・30年前の名著『失敗の本質』が今、熱い。日本軍の組織的失敗を分析した同書からは、行き詰った日本企業、日本社会の再生へのヒントが満載だ。今こそ、日本的組織の本質を問うべき時がきている。名著が分析した日本軍の敗因は数多くあるが、その中でも日本人の特性を象徴しているのが「空気」の存在。開戦時は多くの日本人が正確な情報を知らぬまま戦争に賛成していた。また、開戦後も軍部の暴走によって次々と非合理な作戦が実施された。なぜ、日本人は「空気」によって不可思議な判断をしてしまうのか。14万部のベストセラー『「超」入門 失敗の本質』の著者が、その秘密を読み解く。
▽それでも日本人は戦争を選んだ。戦争賛成派が多かった謎
・名著『失敗の本質』は、1939年に国境紛争として起こったノモンハン事件と、大東亜戦争における5つの軍事作戦の、計6つの作戦を日本軍の組織的な失敗例として取り上げて分析した書籍です。 戦争は私たち現代日本人にとって忌むべきものであり、二度と起こしてはならないことは明白です。暗く悲惨な戦争の歴史を振り返るとき、「平和」の大切さは一層重みを増してきます。
・しかし、多くの史実から太平洋戦争初期には、戦争に賛成する日本人が多かったことが指摘されています。よく言われるように、一部の軍人が戦争を始めたのではなく、戦争を選んだのもまた日本国民の総意であったと言えるのです。なぜ、あのときの日本人は、戦争に賛成してしまったのでしょうか。
・『証言記録兵士たちの戦争』(日本放送出版協会)等の書籍では、戦争初期に最前線に向かう日本の兵士は比較的楽天的で、日本軍が負けることなどまったく想像していなかったのを伺わせる証言が残っています。 また、『失敗の本質』で分析された各作戦においては、戦闘方法自体が効果を発揮していないにも関わらず、何度も同じ方法で部隊を投入して、敗北を重ねる姿が浮き彫りにされています。
・70年以上を経た今から見ても、日本軍がどうして「そういう方向」へ向かって行動したのか、わからないことが多々あります。そこには、危機的状況に陥ったときに合理的な判断を奪う、極めて日本人的な特性が見え隠れしています。 日本人は一つの目標が設定されたときには一致団結して立ち向かう強さを発揮しますが、逆にその強さゆえ、設定した目標自体を揺るがすような意見は徹底的に排除するような特性を持っています。戦時中、反戦思想を持つ国民を誰より強く糾弾したのも、同じ日本人の隣人でした。
・今でも、企業の不祥事や方向転換を拒んで経営破綻した企業のニュースを耳にするたびに、外側から見れば不思議に思えるようなことが多々あります。けれど、当事者からすれば、「そうせざるを得なかった」という極めて日本人的な組織の発想によって行動を左右されている事実があります。
・なぜ、日本人は開戦時、戦争に対して好意的だったのでしょうか。そして、開戦後、なぜ日本軍は合理的な判断ができなくなってしまったのでしょうか。今回は、『失敗の本質』で取り上げられている、日本人の判断に影響を与える「空気」の存在について紹介しましょう。
▽オセロの白が一瞬ですべて「黒」に変わる
・ロングセラーとなっている『「空気」の研究』(山本七平/文春文庫)に、興味深い事例が出てきます。海軍の伊藤長官と三上参謀が、戦艦「大和」の沖縄特攻について交わした会話です。伊藤長官は作戦検討の過程で醸成された「空気」を当初知らないため、「大和」の出撃を当然のごとく反対します。
・軍人から見れば「作戦として形を為さない」ことは明白だったからです。しかし、反対していた伊藤長官は、三上参謀の次の言葉で「空気」を理解するのです。
 三上参謀「陸軍の総反撃に呼応し、敵上陸地点に切りこみ、ノシあげて陸兵になるところまでお考えいただきたい」
 伊藤長官「それならば何をかいわんや。よく了解した」
・まるでボードゲームのオセロで、白の石がすべて一瞬で黒に変わるような瞬間です。合理的な思考から当然の反対を唱えていた伊藤長官は、まさに空気を理解しただけで一瞬のうちに結論を180度変えてしまいます。 この短い会話をどのように解釈するか、さまざまな見解があると思いますが、白か黒かをある一点の議論で染め抜いてしまい、本来白と黒が混在しているはずのものを一瞬にして一色に変えてしまったことは事実です。
・三上参謀の発言は「兵士が犠牲になっても大和特攻でその精神を見せるべき」という意図があると推測されますが、本来「大和の沖縄出撃」は、海軍とその乗組員が敢闘精神を発揮する、というだけの問題ではありません。 「大和」の沖縄出撃という大問題は、さまざまな要素を含んでいたはずです。海軍のメンツや覚悟もあったのでしょうが、他の要因「兵員の生命」「作戦成功率の問題」なども当然存在したはずです。
▽愚かな決定によって「白骨街道」が生まれた
・『失敗の本質』でも分析されているインパール作戦は、日本の第15軍司令官牟田口中将が中心となり、2000メートル以上の大山脈を越えてインドの国境地帯に進出する作戦ですが、補給の成算がないという、ずさん極まるものでした。 武器弾薬が極度に欠乏し、インパールへ向かった日本軍は追い込まれ、「銃を撃ってくる相手に石つぶてを投げて応戦した」場面もあったほどです。
・餓死者が続出する極限状態に陥ってもなお、河辺司令官と牟田口中将は撤退を決断できず、その2か月後にようやく撤退命令が出されると、日本軍が退却する道は、あまりに犠牲者が多いことで「白骨街道」と呼ばれます。 では、なぜこのような「驚くべき悲劇」を生み出す決断がなされたのでしょうか。何が愚かな決定をつくり出したのでしょうか?
▽「指揮官の個人的な熱意」は作戦遂行の判断材料か?
・牟田口中将は、ある日本軍参謀に「アッサム州かベンガル州で死なせてくれ」と語り、並々ならぬ熱意を訴えかけたとされています。また、上官である河辺司令官は私情から「何とかして牟田口の意見を通してやりたい」と考えていたようです。 しかし、ここで重要な点として、作戦遂行の可否を決断する際に、一指揮官の個人的な心情と上官との人間関係が「GOサインを出す」ための何割程度の根拠となるべきか、という問題です。
・当然のことですが、「軍事作戦」ですので、作戦の戦略的意義と勝算の有無こそが「GOサインを出すか否か」の判断基準の100%を占めるべきです。 同様に、戦艦「大和」が護衛の戦闘機のないまま沖縄へ向けて出撃する際にも、「作戦の成否勝算」よりも、海軍の「敵上陸地点に切りこみ、ノシあげて陸兵になる覚悟」によって上層部は「大和」特攻の「空気」を理解したのです。
▽議論の可否と関係ない「正論」で誤った判断を導く罠
・注意すべき点として、インパール作戦を熱望する牟田口中将や「大和」の沖縄特攻の主張には、小さな「正論」が含まれていることです。 (1)指揮官が作戦への積極性を持つ  (2)海軍側が、沖縄の上陸地点に乗り上げて陸兵になる強い覚悟
・このような、ある種「小さな正論」があることで、軍事的合理性や勝算、補給などの準備ができるかどうかなど、本来、作戦可否を決定する正しい比率を歪める悪影響を及ぼしているのです。 同じようなことは、実は日本の組織・社会では頻繁に起こっています。不祥事の隠ぺいがニュースとなるとき、「特殊な空気に包まれてしまった」という述懐がよく行われますが、この場合、「空気」は何かしらの説得的な効果を持って、不祥事を公表するより「黙っておいたほうがいい」と集団に思わせたということになります。本来、適切に行われるべき議論を封殺するのは、空気の得意技というところでしょうか。
・私たち日本人は、ある一つの事象を見て「全体像を類推する」ということをよく行います。座敷に上がる際に、脱いだ靴の揃え方で相手の性格を断じることもあるかもしれません。逆に言えば、身なりがきちんとしていることで、相手の行動を詳しく確認せずに「信頼できる人物」と思い込んでしまうこともあるでしょう。
・悪意を持ってこのような「歪んだ判断」を誘導するために、例えば靴の揃え方が悪いだけで、営業マンとして無能で出世させてはいけない人間だと断じることも可能です。
・空気の醸成とは、本来可否の判断に「関係のない正論」を持ち出して、判断基準を歪めることで間違った流れを生み出すことです。その影響は、以下の2つの形で及ぶことが多いようです。 (1)本来「それとこれとは話が別」という指摘を拒否する  (2)一点の正論のみで、問題全体に疑問を持たせず染め抜いてしまう
・悪意を伴った空気の醸成は、大東亜戦争のみではなく、現在の日本社会でも頻繁に見られる現象であり、正しい議論と判断を妨げるこの国の大きな足かせとなっています。一度皆さんも周囲で聞く議論をこの視点から眺めてみると、あまりの不条理さに驚くことになるのではないでしょうか。
▽正しい方向転換を妨げる空気を生み出す「4つの要素」
・本軍はなぜ、正しい方向転換ができなかったのでしょうか。なぜ、合理的な判断を妨げる「空気」というものが醸成されてしまったのでしょうか。 日本軍の作戦過程で何度も出現した「空気」について理解するために、現在、経営学等でも指摘されている、集団が誤った結論に飛びついてしまう心理的要因をもとに、以下の4つの要素にまとめてみましょう。
 (1)既にある多くの犠牲を取り戻したい心理(埋没費用)  サンク・コスト(埋没費用)は経済用語の1つでもあるのですが、簡単にいえば既に投下したが、回収不能だとわかったコストを意味します。 既に多くの犠牲を払ってしまったプロジェクトに対して、完成しても採算が取れないと(途中で)わかった場合でも、多くの人は投入した損失そのものを取り返すために、さらに損害を重ねることがあります。 日本軍の参謀たちは、ずさんな作戦計画で多数の兵士が犠牲となった戦場に、あくまで固執して部隊を投入しています。味方兵士の多大な犠牲を払ったことで、逆に勝つまで撤退できないと強く思い込む心理は、まさにサンク・コストの罠にはまっています。
 (2)未解決の問題への心理的重圧から逃げる  問題に対して解決策を見つけられない状態は、大変ストレスが溜まります。特定の集団が、ある問題に対して苦労して解決策を導いた場合、その解決策が実施の際に適切に機能しなくても、未解決の状態に戻りたくないという心理が働くことがあります。 当初組み上げられた「作戦計画」が上手くいかないことを認めると、未解決の状態へ逆戻りすることになります。この心理的重圧から逃げたいという欲求で、上手くいかない現実を認められない状態になるのです。
 (3)愚かな判断を生む人事評価制度  日本軍は「やる気を見せること・積極性」が組織内の人物評価として重視され、戦果や失敗責任については考慮される比率が低い集団でした。この歪んだ人事評価制度はのちに、無謀な作戦を実行し責任を取らない人物を日本軍の内部に増加させてしまい、敗北を決定的にします。 組織内政治、ゴマすりばかりが上手な人物が出世することになれば、実務能力があり判断の優れた人物が無能な人間の指揮下に入ることになり、前線の混乱と敗北は避けられないでしょう。 組織は内部で出世させる人物の「基準」によって、極端に無能になることもあれば、極めて優れた成果を生み出す集団にもなるのです。
 (4)グループ・シンク(集団浅慮)の罠  特定の集団内における関係性、立場などを客観的な事実より優先して物事を判断すれば、現実世界における目標達成力を失う原因になります。 歴史の長い老舗企業、巨大組織などで過去の関係性、肩書き、人間関係などが判断において大きな比重を占めるなら、その集団は外部における現実への対応能力を大きく損なうことになるでしょう。 ビルマ防衛の体制を崩壊させたインパール作戦では、牟田口中将が個人的な想いからインド国境への進軍をたびたび進言しますが、あまりの非合理さから日本軍内でも否定的な意見が相次ぎます。 しかし、牟田口と人間的な関係が深かった上司、河辺方面軍司令官は私情に動かされて無謀極まる作戦を止めませんでした。 非現実的な判断と行動の結果は、参加人員約10万のうち戦死者約3万、戦傷・後送者約2万、残存兵力約5万のうち半分以上が病人という「莫大な犠牲」で終わりました。
・以上が「空気」を生み出す4つの要素ですが、戦時中、日本人が合理的な議論を放棄して盲信してしまった事実は、大いに反省すべき点です。上層部の作戦に関わらず、大東亜戦争開始時には、戦争に反対する日本人より、戦争に肯定的だった日本人のほうが多かったこともまた事実なのです。 現代の日本企業においても、「空気」によって合理的な判断が妨げられている企業は数多く存在しているはずです。 敗戦という悲劇の歴史を忘れず、これからの日本と日本人は、「空気の欺瞞」を打ち破ることを肝に銘じるべきです。  ※この記事は、2012年4月17日に公開された記事を一部加筆修正したものです)
http://diamond.jp/articles/-/116655

第三に、ニッセイ基礎研究所 専務理事の櫨 浩一氏が7月31日付け東洋経済オンラインに寄稿した「薄利多売をやめなければ経済成長は望めない 日本は低収益・低賃金でいつまで頑張るのか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・日本では今後さらに高齢化が進む。これまでと同じように15~64歳までの人口を労働力の中核となる生産年齢人口だと考えていると、労働人口が大きく減少してしまうことは避けられない。
・国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」では、生産年齢人口は2015年の7728.2万人から2065年には4529.1万人へと大きく減少すると予想している。政府は、65歳以上の高齢者の就業促進や、子育てをしながら就業をすることがより容易になるような社会への転換で、労働力の減少を緩和しようとしている。 それでも現実に起こる労働投入量の減少は、みかけの労働力人口の減少よりもずっと深刻なものとなる恐れが大きい。
▽このままでは労働時間は短くなり、生産性も下がる
・第1の原因は、今後追加的に加わる労働力は一人当たりの就業時間が短いと予想されることだ。 高齢者が若い人達と同じように毎週5日間フルタイムで働くということは難しく、65歳を超えるさらに高い年齢層が働くようになれば、差はより顕著になるはずだ。 また、より多くの人が子育てをしながら働けるようにするためには、今までよりも柔軟な働き方を提供する必要があり、労働時間は短くなるだろう。働き方改革で長時間労働の解消を図っていることも加わって、就業者1人当たりの就業時間はより短くなるはずだ。
・第2の原因は、就業者の平均年齢が高くなることで労働時間1時間あたりの生産性を低下させる圧力が加わることだ。経験を積むことで向上する能力もあるが、加齢による体力や集中力の低下は避けられず、高齢者が1時間働くことと、若い世代が1時間働くことでは生産に与える効果が違うことは否定できない。
・労働力の減少が続く中で、日本で生活する人たちが豊かさを維持し、生活水準を向上させていくためには、生産性を高めていく必要がある。政府や経済団体、エコノミストの提言でも、生産性向上の重要性は誰もが一致して主張するところだ。 さまざまな生産性の指標の中でも労働生産性は単純明快で分かりやすく、多くの議論で使われている。たとえば就業者1人当たりのGDP(国内総生産)を考えてみよう。
・就業者数が変わらなければ、労働生産性が高まると日本全体のGDPが増えるが、他方でGDPが増えていれば必ず労働生産性は上昇している。経済成長には労働生産性の向上が必ず伴う。したがって、経済成長のために労働生産性を向上させると言う場合、どうやって労働生産性を高めるのかということを言わなければ、何も言っていないに等しい。
・労働生産性を高めるためには、より多くの機械を導入して生産効率を高めることが考えられる。自動化を進めるために就業者1人当たりの機械設備を増やせば労働生産性は高まるが、設備への投資や維持更新を行うために国内生産のより大きな部分を割くという負担も増える。設備投資の拡大で労働生産性を高める戦略には限界がある。
▽ICT投資よりもTFPが問題なのではないか
・今年の経済財政白書は、日本の生産性がアメリカ、スウェーデンのそれよりも1時間当たり15~20ドル程度も下回っているとし、ICT(情報通信技術)への投資の必要性を強調している。しかし、1994年を起点として2015年までの労働生産性の要因別(TFP<全要素生産性>、ICT資本装備率、非ICT資本装備率)の累積寄与度の差をみると、日本とアメリカとの生産性の差のほとんどはTFP(全要素生産性)要因によると述べている。
・スウェーデンに対しても、差の約3分の2はTFP要因で、約3分の1がICT資本装備率要因だ。米国との労働生産性の比較では、ICT投資はほとんど寄与しておらず、非ICT投資についてはむしろ差を縮小する要因となっている。白書は、中小企業についてICT投資の不足が低生産性の原因であることを強調しているが、日本経済全体としてみれば投資量が足りないことが、他の先進諸国に比べて労働生産性が低い原因とは言えない。
・TFPは生産の増加のうちで、労働投入や生産設備などの資本の投入で説明できない部分のことだ。生産拡大に対するTFPの寄与を決めるものは、新製品の投入、新しい生産技術の採用といった技術進歩であるとされている。 日本に求められているのは、米国の新興企業のようにもっと独創的な新製品を作り出したり、欧州の老舗企業のようにブランドイメージを高めて高値で売れる良い製品を作りだしたりすることだろう。
・日本企業はかつて就業者1人当たりの設備を増やして労働生産性を高め、低コストで大量生産を行うことで成功してきた。日米の経済成長の差の大部分を説明しているTFPの寄与の違いは、中進国から高所得国へと成長する過程でのこうした成功体験が今も忘れられず、依然として薄利多売という戦略に固執していることに原因の一つがある。
▽「円安志向」、「誘致の人数目標」も従来の発想
・海外の物が安く買える円高を嫌い、安値で海外に日本製品が売れる円安を好むのも、薄利多売の考え方が日本経済全体に染みついているからだ。しかし、今は同じ戦略を日本よりも賃金の低いアジアの新興国が採用しており、同一の土俵で戦えば、賃金の高い日本は最初から圧倒的に不利である。
・訪日外国人観光客への対応でも、外国人向けの運賃の割引などの制度を作って、より多くの外国人観光客を誘致しようとしているが、これも薄利多売戦略の亜種というべきだろう。世界中の観光客に人気のハワイでは考え方が逆で、カマアイナ・レートと呼ばれる地元住民向けの安い料金が設定されていることがある。ハワイ州の消費税率は5%弱だがホテル宿泊客には高いホテル税が賦課される。つまり観光客からは高い税を取って地元の人達の税金を安くしようという考え方だ。
・労働力の余剰があって失業が大きな問題となっていた時代であればともかく、人手不足の深刻化が懸念される中で、低収益・低賃金を武器に薄利多売という戦略を続けるのでは、経済成長はおぼつかない。良いサービスからは、それに応じた適切な料金を徴収するということをもっと真剣に考えていかないと、日本で生活する人たちの生活は貧しくなっていってしまうだけだろう。
http://toyokeizai.net/articles/-/182449

第一の記事で、森下仁丹が商社出身の社長の下で、危機感が乏しい社員たちのなかで、再生した話は初めて知った。社長の苦労は並大抵ではなかったろう。 『“第四新卒”の採用』、も上手くいって欲しいものだ。 『私はオッサンの「やる気」が、「人格的成長(personal growth)」というポジティブな心理的機能によるものなら、変わると確信している・・・「根拠のなき確信」ほど、人間の底力を引き出す無謀な心の動きは存在しない・・・真のやる気とは、結局のところ「学び続ける覚悟」を持つこと・・・オッサンを求める「環境」に、「真のやる気」と「経験」という係数が加わればオッサンは化ける。でもって、オッサンが「環境」を変える』、などの指摘は興味深く、確かにその通りなのかも知れない。河合氏の記事は、いつも通り、ユーモアに溢れ、傑作だ。
第二の記事で、 『日本人は一つの目標が設定されたときには一致団結して立ち向かう強さを発揮しますが、逆にその強さゆえ、設定した目標自体を揺るがすような意見は徹底的に排除するような特性を持っています』、 『正しい方向転換を妨げる空気を生み出す「4つの要素」・・・既にある多くの犠牲を取り戻したい心理(埋没費用)・・・未解決の問題への心理的重圧から逃げる・・・愚かな判断を生む人事評価制度・・・グループ・シンク(集団浅慮)の罠』、などの指摘は大いに考えさせられる。
第三の記事で、 『ICT投資よりもTFPが問題なのではないか』、 『生産拡大に対するTFPの寄与を決めるものは、新製品の投入、新しい生産技術の採用といった技術進歩であるとされている』、 『「円安志向」、「誘致の人数目標」も従来の発想』、などの指摘はその通りだ。
タグ:中進国から高所得国へと成長する過程でのこうした成功体験が今も忘れられず、依然として薄利多売という戦略に固執していることに原因の一つがある ICT投資よりもTFPが問題なのではないか このままでは労働時間は短くなり、生産性も下がる 薄利多売をやめなければ経済成長は望めない 日本は低収益・低賃金でいつまで頑張るのか 東洋経済オンライン 櫨 浩一 (4)グループ・シンク(集団浅慮)の罠 (3)愚かな判断を生む人事評価制度 (2)未解決の問題への心理的重圧から逃げる (1)既にある多くの犠牲を取り戻したい心理(埋没費用) 正しい方向転換を妨げる空気を生み出す「4つの要素」 空気の醸成とは、本来可否の判断に「関係のない正論」を持ち出して、判断基準を歪めることで間違った流れを生み出すことです ある種「小さな正論」があることで、軍事的合理性や勝算、補給などの準備ができるかどうかなど、本来、作戦可否を決定する正しい比率を歪める悪影響を及ぼしているのです 議論の可否と関係ない「正論」で誤った判断を導く罠 、「軍事作戦」ですので、作戦の戦略的意義と勝算の有無こそが「GOサインを出すか否か」の判断基準の100%を占めるべきです 作戦遂行の可否を決断する際に、一指揮官の個人的な心情と上官との人間関係が「GOサインを出す」ための何割程度の根拠となるべきか、という問題 インパール作戦 愚かな決定によって「白骨街道」が生まれた 合理的な思考から当然の反対を唱えていた伊藤長官は、まさに空気を理解しただけで一瞬のうちに結論を180度変えてしまいます 日本人は一つの目標が設定されたときには一致団結して立ち向かう強さを発揮しますが、逆にその強さゆえ、設定した目標自体を揺るがすような意見は徹底的に排除するような特性を持っています 『「超」入門 失敗の本質』 日本人の特性を象徴しているのが「空気」の存在 失敗の本質 なぜ、日本人は「空気」に左右されるのか?『失敗の本質』が教える4つの罠 ダイヤモンド・オンライン オッサン、がんばれ! オバさん、がんばれ! はい、オバさんの私もがんばります! ・オッサンを求める「環境」に、「真のやる気」と「経験」という係数が加わればオッサンは化ける。でもって、オッサンが「環境」を変える 真のやる気とは、結局のところ「学び続ける覚悟」を持つこと すべてのサクセスストーリーは「後付け」で、そこには決して語られない、あるいは本人でさえも忘れてしまった「かっこ悪い自分」が例外なく存在する 駒村氏は、外部の人材を積極的に起用し、管理職に抜擢。当然ながら、生え抜きの社員は猛反発。それでも氏はやり方を変えなかった 中に入って知った会社の現状は、想像以上に厳しいうえに社内には「やる気が失われていた」。 売り上げはピーク時の10分の1。それでも社員たちには「創業120年を超える老舗がつぶれるわけがない」と、危機感を全くもっていなかったのである ある日ふと「このままではつまらない人生になってしまう」と感じ始める。引退に向けて安定した人生が約束されていたにも関わらず、だ。 そこで一念発起し、52歳で商社を退職 元商社マン 駒村純一社長も、自分の可能性にかけ、会社を変えたひとりだった 。「根拠のなき確信」ほど、人間の底力を引き出す無謀な心の動きは存在しない オッサンの「やる気」が、「人格的成長(personal growth)」というポジティブな心理的機能によるものなら、変わると確信している 「女性を輝かせる」前に「オッサンを輝かせろ!」と、私はこれまで幾度となく訴えていたので、やっとこういった会社が出てきたことが、率直にうれしい 求められる資質は「やる気」のみ! 、“第四新卒”の採用をスタートさせた 森下仁丹 日本と仁丹を救うオッサンの「根拠なき確信」 仁丹曰く「案外、オッサンたちがこの国の希望かもしれない」 日経ビジネスオンライン 河合薫 「円安志向」、「誘致の人数目標」も従来の発想 (その3)(日本と仁丹を救うオッサンの「根拠なき確信」、なぜ、日本人は「空気」に左右されるのか?、薄利多売をやめなければ経済成長は望めない) 日本経済の構造問題
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