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歴史問題(4)(第3の敗戦、日本はなぜドイツに敗れたか?、なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟、丹羽 宇一郎元伊藤忠商事社長・元中国大使:いま聞かないと「戦争体験者」がいなくなる) [国内政治]

歴史問題については、1月3日に取上げた。今日は、(4)(第3の敗戦、日本はなぜドイツに敗れたか?、なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟、丹羽 宇一郎元伊藤忠商事社長・元中国大使:いま聞かないと「戦争体験者」がいなくなる) である。

先ずは、元日経新聞論説委員長の岡部 直明氏が8月1日付け日経ビジネスオンラインに掲載した「第3の敗戦、日本はなぜドイツに敗れたか? 戦後72年の冷厳な現実」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・戦後72年、日本は「第3の敗戦」に直面している。第2次大戦の敗戦国として、ともに「奇跡の経済復興」を遂げ、経済大国になった日独だが、いま日本はドイツに経済、外交、そして国際的な存在感で大きな差をつけられている。冷戦終結後の「第2の敗戦」に続く敗戦といえる。なぜこうも大差が生じたか。円安依存症から抜け切れず、財政規律を失い、成長戦略を編み出せなかったことが大きい。それ以上に、独仏和解を土台に欧州連合(EU)のリーダーとしての座を確かにするドイツに対して、日本はいまだに中韓と融和できず、アジアでの経済、外交の基盤を固められないでいるからだろう。
▽「世界のリーダー」との落差
・世界で最も信頼されているリーダーをあげるとすれば、それはドイツのメルケル首相だろう。トランプ米大統領が世界を混乱させ、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領ら強権政治家が目立つなかで、メルケル首相は自由社会のリーダーとして存在感を一層高めている。9月24日の総選挙で4選は確実視される。フランスのマクロン新大統領との独仏連携を通じて、EUのみならず、国際社会全体を主導することが期待されている。
・そんな「世界のリーダー」に対して、日本の安倍晋三首相は政治リスクにさらされている。北朝鮮危機のなかで、肝心の防衛相が辞任に追い込まれるなど失態は目にあまる。国家戦略特区での獣医学部選定には、不透明感がぬぐえない。忖度などという責任を希薄化するあいまいな言葉では説明できない。
・だいいち国家戦略特区が成長戦略の切り札になるとすれば、まるで中央集権の社会主義国家並みである。特区などという「出島」に頼らず、全国幅広く規制緩和を断行すべきだ。政治リスクを打開できなければ、世界への発信力も低下するばかりだろう。
▽財政優等生と財政劣等生
・ドイツを「財政優等生」とするなら、日本は残念ながら「財政劣等生」である。ドイツは財政収支の黒字化をとっくに達成している。ユーロの財政基準は財政赤字の国内総生産(GDP)比が3%以内だから、基準を超えている。ドイツ流の財政規律優先に不満がくすぶるほどだが、ユーロ圏の主要国はドイツにならって財政均衡をめざしている。
・これに対して、日本は基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標をいつまでたっても達成できない。基礎的財政収支は、とりあえず借金と利払いには目をつぶり、稼いだ分で暮らすという考え方だ。本来、短期目標なのに、日本では中長期目標とされてきた。ところが、2020年度の黒字化目標は早くも実現不可能だといわれている。この基礎的財政収支を財政目標にするのは、ユーロ危機の震源地であるギリシャくらいだ。そのギリシャでさえ、黒字化を実現しているのである。
・国と地方の長期債務残高のGDP比をみると、日本は2倍を超え、先進国中最悪である。名目成長率が名目長期金利を上回って上昇し続けないかぎり、債務残高は発散過程に入り、財政危機は深刻化する。
・ところが、日本では「財政ポピュリズム」がはびこっている。ただでさえ国際基準から遠い財政目標をさらに緩めようとしている。教育無償化や教育国債など歳出拡大要求は収まらず、消費税率引き上げをまた先送りしようとしている。こうして大量に発行される国債を日銀が市場経由で購入する事実上の「財政ファイナンス」が定着している。少子高齢社会のもとでの財政ポピュリズムは、日本の将来を危うくする。財政劣等生であるにもかかわらず、政治家にも官僚にも危機感が欠ける。そこにこそ危機の本質がある。
▽第4次産業革命でも出遅れ
・先端的な製造業と情報技術(IT)を組み合わせる第4次産業革命は、21世紀の産業の帰すうを決める。この新たな産業革命を先導したのは、ドイツだった。これまでの数次の産業革命で、ドイツはむしろ後発組に位置していた。第4次産業革命では、メルケル政権の産業政策とSAPなどIT企業の先駆的な役割が世界をリードした。 この産業革命の新潮流に日本は大きく出遅れている。ものづくりそのものの競争力に安住し、産業の新たな融合に可能性を見出そうとしなかったのは政策の大きな失敗だった。
・労働市場改革でもドイツの立ち上がりは早かった。英米に比べて労働市場の柔軟性に欠けるのがドイツの弱みだったが、地味なシュレーダー政権の労働市場改革がいまに生きている。ユーロ圏内で最も早く若年失業を防げたのは、伝統的な職業訓練に労働市場改革が加わったからだろう。この労働市場改革でも日本の立ち遅れは大きい。
▽「円安依存症」から抜け切れず
・戦後、日本とドイツはともに「奇跡の経済復興」を遂げた。それは日独両国国民の勤勉性だけでは説明しきれない。戦勝国米国の積極的な支援があったのを見逃すわけにはいかない。米国のマーシャル・プラン(欧州復興計画)は西独経済の再生を起点に、欧州全体の復興をめざすものだった。ドッジ・ラインは日本経済の安定と発展の土台になった。
・第1次大戦後の戦後処理は敗戦国ドイツへの過大な賠償請求を軸にしており、それがナチスの台頭を許す結果につながった。この苦い教訓から、敗戦国支援に重点が置かれた。そのうえに、ソ連台頭による共産勢力の伸長で冷戦が始まる。日独を西側のソ連圏に対する防波堤にしようとしていた。
・米政府が円レートを1ドル=360円と割安水準に設定したのは、日本の輸出競争力を底上げすることで経済復興を急がせるという狙いが込められていた。それが1971年のニクソン・ショックまで続いたことで、日本には「円安依存症」が根付いた。
・一方で、西独では「強いマルク」を望む声が根強かった。敗戦によるハイパーインフレの経験から自国通貨高を求めるようになっていた。1985年のプラザ合意後の政策協調で、日本が超低金利の維持を律儀に守ったのに対して、西独はいち早く利上げに動いた。日本の超低金利維持は、その後のバブルの発生とその崩壊、金融危機と真性デフレの進行につながることになる。
▽冷戦終結で「第2の敗戦」
・冷戦の終結による世界の大きな転換に日本はついていけなかった。グローバルな改革競争が始まるなかで、日本は過去の成功体験から抜け出せなかった。足元の金融危機の進行をどう食い止めるかに腐心し、世界の大きな潮流変化を見逃していた。
・中国など新興国で市場経済が浸透し始める。そして欧州では、ユーロ創設とEUの東方拡大による「大欧州」への動きが加速する。金融危機、デフレの進行による「経済敗戦」は、冷戦終結後のグローバルな展開に取り残されたことによって一層深刻化した。
▽明暗分けた近隣諸国との連携
・日本とドイツで明暗を分けたのは、近隣諸国と融和・連携ができたかどうかである。独仏の歴史的和解を土台にして、EUは進展した。ユーロ危機や難民問題など課題を抱えながらも、EUが「大欧州」の道を歩んでいるのは、そこに和解の精神があるからだ。 欧州統合の父、ジャン・モネの統合構想を受け入れたアデナウアー西独首相は「ドイツの首相は良きドイツ人であると同時に、よき欧州人であるべきだ」と強調した。この精神は歴代首相に引き継がれている。
・とくに、フランスとの連携しだいでEUの行方が決まる。メルケル・マクロンの「MMコンビ」は、先進国首脳会議(サミット)を創設して石油危機を打開したシュミット・ジスカールデスタン以来の強力コンビになるとみられている。
・これに対して、日本は戦後72年たっても、中国、韓国との和解を完全には実現していない。独仏和解のような平和への土台が東アジアにはない。たしかに、中国の海洋進出や韓国の慰安婦問題など中韓側に問題があるのは事実だが、偏狭なナショナリズムをあおるのではなく、融和の精神こそ発揮すべきである。東アジアでは、貿易、投資など経済相互依存はEU並みの水準に達している。日本が中韓と和解できれば、東アジアにもEU並みの巨大経済圏ができるはすだ。環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱したトランプ米政権を引き戻す吸引力にもなるだろう。
▽ドイツに再び学ぶこと
・戦後復興の過程では、互いにライバル視してきた日独だが、経済、外交で大差をつけられたいま、再びドイツに学び直すしかない。第一に、財政規律を取り戻すことである。成長重視はいいが、成長頼みではなく、歳出削減、増税で財政目標を達成するしかない。第2に、通貨安に依存しないことだ。円高のメリットを生かす強靭な経済構造こそめざす必要がある。第3に、近隣諸国との緊張を避けるため防衛予算は抑え、GDP比1%の原則を守ることだ。ドイツの信認は、北大西洋条約機構(NATO)内で応分の負担には応じるものの、軍事には慎重で大国フランスの前には決して出ないことによって、得られた。
・日本が磨きをかけるべきは、ソフトパワーである。唯一の被爆国、環境先進国としての発信力を高めることで、国際社会のリーダーであるドイツに一歩近づくことができるはずである。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/071400054/073000033/?P=1

次に、 ジャーナリストの矢部 宏治氏が8月5日付け現代ビジネスに寄稿した「なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟 内閣改造でも絶対に変わらないこと」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・私たちが暮らす「戦後日本」という国には、国民はもちろん、首相でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が数多く存在し、社会全体の構造を大きく歪めてしまっているという。 たとえば2016年、安倍晋三首相による「北方領土返還交渉」が、大きな注目を集めたが、日本での首脳会談が近づくにつれて事前交渉は停滞し、結局なんの成果もあげられなかった。なぜ、いつまでたっても北方領土問題は解決しないのか。はたして、この国を動かしている「本当のルール」、私たちの未来を危うくする「9つの掟」とは? 『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』の著者・矢部宏治氏が、「戦後史の闇」を解き明かす。
▽事実か、それとも「特大の妄想」か
・それほどしょっちゅうではないのですが、私がテレビやラジオに出演して話をすると、すぐにネット上で、「また陰謀論か」「妄想もいいかげんにしろ」「どうしてそんな偏った物の見方しかできないんだ」などと批判されることが、よくあります。 あまりいい気持ちはしませんが、だからといって腹は立ちません。自分が調べて本に書いている内容について、いちばん「本当か?」と驚いているのは、じつは私自身だからです。「これが自分の妄想なら、どんなに幸せだろう」いつもそう思っているのです。
・けれども、8月17日発売の新刊『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』をお読みになればわかるとおり、残念ながらそれらはすべて、複数の公文書によって裏付けられた、疑いようのない事実ばかりなのです。
・ひとつ、簡単な例をあげましょう。 以前、田原総一朗さんのラジオ番組(文化放送「田原総一朗 オフレコ!」)に出演し、米軍基地問題について話したとき、こんなことがありました。ラジオを聞いていたリスナーのひとりから、放送終了後すぐ、大手ネット書店の「読者投稿欄」に次のような書き込みがされたのです。
<★☆☆☆☆〔星1つ〕 UFO博士か? なんだか、UFOを見たとか言って騒いでいる妄想ですね。先ほど、ご本人が出演したラジオ番組を聞きましたが(略)なぜ、米軍に〔日本から〕出て行って欲しいというのかも全く理解できないし、〔米軍〕基地を勝手にどこでも作れるという特大の妄想が正しいのなら、(略)東京のど真ん中に米軍基地がないのが不思議〔なのでは〕?>
・もし私の本を読まずにラジオだけを聞いていたら、こう思われるのは、まったく当然の話だと思います。私自身、たった7年前にはこのリスナーとほとんど同じようなことを考えていたので、こうして文句をいいたくなる人の気持ちはとてもよくわかるのです。
・けれども、私がこれまでに書いた本を1冊でも読んだことのある人なら、東京のまさしく「ど真ん中」である六本木と南麻布に、それぞれ非常に重要な米軍基地(「六本木ヘリポート」と「ニューサンノー米軍センター」)があることをみなさんよくご存じだと思います。 そしてこのあと詳しく見ていくように、日本の首都・東京が、じつは沖縄と並ぶほど米軍支配の激しい、世界でも例のない場所だということも。 さらにもうひとつ、アメリカが米軍基地を日本じゅう「どこにでも作れる」というのも、残念ながら私の脳が生みだした「特大の妄想」などではありません。
・なぜなら、外務省がつくった高級官僚向けの極秘マニュアル(「日米地位協定の考え方 増補版」1983年12月)のなかに、 ○ アメリカは日本国内のどんな場所でも基地にしたいと要求することができる。 ○ 日本は合理的な理由なしにその要求を拒否することはできず、現実に提供が困難な場合以外、アメリカの要求に同意しないケースは想定されていない。 という見解が、明確に書かれているからです。
・つまり、日米安全保障条約を結んでいる以上、日本政府の独自の政策判断で、アメリカ側の基地提供要求に「NO」ということはできない。そう日本の外務省がはっきりと認めているのです。
▽北方領土問題が解決できない理由
・さらにこの話にはもっとひどい続きがあって、この極秘マニュアルによれば、そうした法的権利をアメリカが持っている以上、たとえば日本とロシア(当時ソ連)との外交交渉には、次のような大原則が存在するというのです。 ○ だから北方領土の交渉をするときも、返還された島に米軍基地を置かないというような約束をしてはならない。*註1 
・こんな条件をロシアが呑むはずないことは、小学生でもわかるでしょう。 そしてこの極秘マニュアルにこうした具体的な記述があるということは、ほぼ間違いなく日米のあいだに、この問題について文書で合意した非公開議事録(事実上の密約)があることを意味しています。
・したがって、現在の日米間の軍事的関係が根本的に変化しない限り、ロシアとの領土問題が解決する可能性は、じつはゼロ。ロシアとの平和条約が結ばれる可能性もまた、ゼロなのです。 たとえ日本の首相が何か大きな決断をし、担当部局が頑張って素晴らしい条約案をつくったとしても、最終的にはこの日米合意を根拠として、その案が外務省主流派の手で握り潰されてしまうことは確実です。
・2016年、安倍晋三首相による「北方領土返還交渉」は、大きな注目を集めました。なにしろ、長年の懸案である北方領土問題が、ついに解決に向けて大きく動き出すのではないかと報道されたのですから、人々が期待を抱いたのも当然でしょう。 ところが、日本での首脳会談(同年12月15日・16日)が近づくにつれ、事前交渉は停滞し、結局なんの成果もあげられませんでした。 その理由は、まさに先の大原則にあったのです。
・官邸のなかには一時、この北方領土と米軍基地の問題について、アメリカ側と改めて交渉する道を検討した人たちもいたようですが、やはり実現せず、結局11月上旬、モスクワを訪れた元外務次官の谷内正太郎国家安全保障局長から、「返還された島に米軍基地を置かないという約束はできない」という基本方針が、ロシア側に伝えられることになったのです。
・その報告を聞いたプーチン大統領は、11月19日、ペルー・リマでの日ロ首脳会談の席上で、安倍首相に対し、「君の側近が『島に米軍基地が置かれる可能性はある』と言ったそうだが、それでは交渉は終わる」と述べたことがわかっています(「朝日新聞」2016年12月26日)。 ほとんどの日本人は知らなかったわけですが、この時点ですでに、1ヵ月後の日本での領土返還交渉がゼロ回答に終わることは、完全に確定していたのです。
・もしもこのとき、安倍首相が従来の日米合意に逆らって、「いや、それは違う。私は今回の日ロ首脳会談で、返還された島には米軍基地を置かないと約束するつもりだ」などと返答していたら、彼は、2010年に普天間基地の沖縄県外移設を唱えて失脚した鳩山由紀夫首相(当時)と同じく、すぐに政権の座を追われることになったでしょう。
▽「戦後日本」に存在する「ウラの掟」
・私たちが暮らす「戦後日本」という国には、国民はもちろん、首相でさえもよくわかっていないそうした「ウラの掟」が数多く存在し、社会全体の構造を大きく歪めてしまっています。 そして残念なことに、そういう掟のほとんどは、じつは日米両政府のあいだではなく、米軍と日本のエリート官僚のあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としているのです。
・私が『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』を執筆したのは、そうした「ウラの掟」の全体像を、「高校生にもわかるように、また外国の人にもわかるように、短く簡単に書いてほしい」という依頼を出版社から受けたからでした。 また、『知ってはいけない』というタイトルをつけたのは、おそらくほとんどの読者にとって、そうした事実を知らないほうが、あと10年ほどは心穏やかに暮らしていけるはずだと思ったからです。 
・なので大変失礼ですが、もうかなりご高齢で、しかもご自分の人生と日本の現状にほぼ満足しているという方は、この本を読まないほうがいいかもしれません。 けれども若い学生のみなさんや、現役世代の社会人の方々は、そうはいきません。みなさんが生きている間に、日本は必ず大きな社会変動を経験することになるからです。
・私がこの本で明らかにするような9つのウラの掟(全9章)と、その歪みがもたらす日本の「法治国家崩壊状態」は、いま沖縄から本土へ、そして行政の末端から政権の中枢へと、猛烈な勢いで広がり始めています。  今後、その被害にあう人の数が次第に増え、国民の間に大きな不満が蓄積された結果、「戦後日本」というこれまで長くつづいた国のかたちを、否応なく変えざるをえない日が必ずやってきます。
・そのとき、自分と家族を守るため、また混乱のなか、それでも価値ある人生を生きるため、さらには無用な争いを避け、多くの人と協力して新しくフェアな社会をいちからつくっていくために、ぜひこの本を読んでみてください。 そしてこれまで明らかにされてこなかった「日米間の隠された法的関係」についての、全体像に触れていただければと思います。
・本書の内容をひとりでも多くの方に知っていただくため、漫画家の、ぼうごなつこさんにお願いして、各章のまとめを扉ページのウラに四コマ・マンガとして描いてもらいました。全部読んでも3分しかかかりませんので、まずは下に掲げたマンガを読んでみてください。 第1章「日本の空は、すべて米軍に支配されている」  第2章「日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある」・・・・
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52466

第三に、元伊藤忠商事社長・元中国大使の丹羽 宇一郎氏が8月6日付け東洋経済オンラインに寄稿した「いま聞かないと「戦争体験者」がいなくなる 「母は必死に座布団で焼夷弾の火を消した」」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・元伊藤忠商事社長、元中国大使の丹羽宇一郎氏が、太平洋戦争の体験者や軍事・安全保障の専門家に聴いて回り、教科書では学べない戦争の真実をまとめた『丹羽宇一郎戦争の大問題』が刊行された。  「今回お会いした方たちの中で、最も若い方が89歳。戦争体験者は年々いなくなる。戦争の真実を知るには、いまがラストチャンスである」と語る丹羽氏は、終戦時、まだ小学校に入学したばかりで、本当の戦争を知らないという。その丹羽氏が「いまだ忘れられない記憶」とは。丹羽氏にとっての戦争体験を語ってもらった。
▽火の海が私の戦争体験
・1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下されたとき、私は岐阜県瑞浪市近くの山間の集落へ疎開していた。私はその年、小学校に入学したばかりだった。したがって、8月6日に広島に、その3日後の9日に長崎に投下された原子爆弾のことを知ったのは後年のことである。
・私の記憶にある戦争体験は1945年3月の名古屋大空襲だ。米軍機の空襲を受け、母と兄弟5人で防空壕に逃げ込んだ。そのとき投下された焼夷弾のひとつは防空壕の入り口に落ちた。焼夷弾は発火し、防空壕の中に炎が吹き込んできた。そのため母は必死になって座布団で焼夷弾の火を消していた。
・その後、一家は焼夷弾の炎の道を縫うように走った。まるで道の両側に焼夷弾のろうそくの列があり、ろうそくの灯りに照らし出された道の上を艦載機の機銃に追われ走っているような光景は、いまでも鮮明に憶えている。戦後72年経ったいまでも時折、夢に見るほどだ。これが私にとっての戦争である。
・人の記憶はそれぞれの体験とともにある。私は、この8月に出版した『丹羽宇一郎戦争の大問題』の中で、何人もの戦場体験者のお話を聴いた。そのとき、それぞれの戦争の記憶は、それぞれの戦場体験によって大きく異なることを改めて実感した。
・私にとって戦争は空襲と艦載機の機銃と焼夷弾、火の海の中を逃げたことだが、戦場体験者にとっては、ある人は飢餓地獄が戦争の記憶であり、ある人は果てしない彷徨(ほうこう)が戦争の記憶であり、またある人は収容所生活が戦争の記憶であった。広島の被爆者にとって戦争とは原爆であろう。長崎の被爆者にとってもそうだと思う。沖縄戦を体験した人々にとっては、沖縄戦こそが戦争だ。
・戦争体験者は、その体験によって戦争のとらえ方もわずかずつ違う。私はこの本で、それぞれにわずかずつ異なる戦争の画像を重ね合わせ、戦争の真実の姿に近づこうと思っていた。しかし取材を始めて、改めて痛感したのは、いまや先の大戦で戦場に立った人々の数が本当に少なくなってしまったことだ。
▽原爆を使った罪、原爆を使わせた罪
・故田中角栄元首相は「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」と若い議員によく言っていたという。 われわれはいま貴重な戦争の語り部を失いつつある。体験の裏付けのない戦争論も非戦論もどこか弱く、空々しい。だが、それでもわれわれは追体験によって真実を推し量るという行為まであきらめてはいけない。
・私は広島平和資料館を初めて訪れたときの衝撃を忘れない。広島の原爆ドーム、長崎の浦上天主堂を直接目にしたときの印象も強い。広島平和資料館や長崎原爆資料館の展示物を見て、あの原爆による大惨劇を知れば、誰も戦争をしようなどとは思わないはずだ。 日本人はもとより、世界中の、国を率いる立場にある人々は必ず広島と長崎を訪れるべきである。なぜなら、そこには原爆を使った罪と原爆を使わせた罪、双方の政治家の罪を見て取ることができるからだ。
・原爆を使ったのはアメリカであり、当時の大統領ハリー・トルーマンである。アメリカは依然として公式には原爆を使った罪を認めていない。だが、原爆を使うことの罪は、資料館の展示物が雄弁に語ってくれている。
・では原爆を使わせた罪とは何か。すでに敗戦が明らかとなり、このまま戦争を継続すれば明らかに犠牲者が増えるとわかっていながら、終戦に踏み切らなかった当時の日本の指導的立場の者たちの不作為の罪である。 広島・長崎に原爆が投下された前年、1944年のマリアナ沖海戦で日本軍は壊滅的な損害を受けた。戦死者3500人、海軍は空母3隻と艦載機のほぼすべてを失った。この段階で太平洋の制海権、制空権は米軍のものとなったのである。マリアナ沖海戦と前後して、米軍はサイパン島、グアム島、テニアン島とマリアナ諸島を落とす。
・この3島が陥落したことによって、米軍の爆撃機は日本本土往復が可能になった。テニアン島は原爆を積んだB29が、広島に向かって飛び立った島である。 私は、原爆を落とした米国には大きな非があると思っている。それと同時に、日本の戦争指導者たちの見通しのなさ、国にとって最も重要な国民の生命に対する鈍感さ、決断するべきときに決断できない無責任さにも大きな罪があると、元経営者として心の底からそう思うのである。
▽マリアナ沖海戦後に50万人の民間人が犠牲になった
・戦前、海軍大学校の机上演習では、サイパン島を失えば日本に勝ち目はない、敗戦必至であり、サイパン島陥落後の戦争継続は想定していなかったという。これが戦前の海軍の常識だったのだ。 しかし、当時の日本の指導者たちは終戦に動こうとはしなかった。マリアナ沖海戦敗北の責任を取って東條英機内閣は退陣したものの、後を継いだ小磯國昭内閣も降伏・終戦という選択のないまま「一億玉砕」「一億特攻」というスローガンの躍る政治を推し進めた。
・マリアナ沖海戦の決定的な敗北で戦争をやめていれば、広島も長崎もなかったのである。そればかりか沖縄戦も、東京大空襲も名古屋大空襲もなかった。50万人といわれる民間人の死者のほとんどは助かったのだ。戦地の将兵の命も、多くが失われずに済んだであろう。
・戦前、戦中の日本の指導者たちは、勝算のない戦争を始め、そのうえ敗北必至の状況でさらに犠牲者を急速に増やす方向に国を進め、国民を導いていったのだ。これが為政者の罪でなくて何であろうか。
・戦時中の日本政府は、なぜ多くの犠牲者を出す前に、戦争をやめることができなかったのか。冷静に考えればありえない判断、ありえない政策を実行したのは、戦時という特異な状況の特異な出来事だったのだろうか。 実はそうともいえない。実際、企業の倒産事例を見ていると、経営者は必ずしも合理的な行動をとってはいない。日本では、近年減ったとはいえ年間に8000件以上の企業が倒産している。そのうち、多くの企業で経営危機に陥っても、なお悪あがきのような行動をとる現象が見られる。しかも、こうした現象は珍しくない。
・合理的に考えれば負債額を膨らませて倒産するよりも、負債を最小限にしたほうが会社を立て直すためにも有利だ。傷は浅いほうが回復は早い。しかし、倒産の危機に陥った経営者は、かえって傷を深くするような悪あがきをする。危機的な状況にあっては、今も昔も人の行動は変わらないようだ。 人命と経済的損失を同列に扱うことに批判はあろうが、経営においても、人は非常時になると当然のことが見えなくなる、冷静な判断ができなくなるということだ。
・今日の経営者がこうした行動を繰り返すということは、今日の国家を経営する為政者も同様に危機に瀕したら、やはり戦前と同様な絶望的な選択をする可能性はあろう。国を無謀な戦争へ突入させた国の経営者が、やめどきを見極められず、いたずらに被害を大きくさせる。現代の日本であっても、こうしたとんでもないリスクは消滅してはいないのだ。
・私は原爆資料館を訪れたとき、そのあまりにも苛烈な悲惨さに驚くとともに、ひとつの疑問も覚えた。それは、これほどまでに非人間的で残虐な兵器を使うことを許したトルーマン大統領の心の内がどうであったかである。 トルーマン大統領には第2次世界大戦終了後の世界をアメリカがリードするため、ソ連を牽制するために、原爆という圧倒的な破壊力を持つ兵器の存在を示す必要があったのかもしれない。それは国際政治としてありえよう。
・しかし、広島でいえば、たった1発で約14万人の人命を奪うような途方もない威力を持った爆弾を人間相手に使ったことへの悔恨が、人であり、市民であるトルーマン個人になかったとは思えない。もしなければ、言葉は悪いがトルーマンは天を畏(おそ)れぬ狂気の殺戮(さつりく)者である。
・また、原爆をつくった科学者たちは、広島、長崎の惨状を見ても、なお自分たちが原爆をつくったことを科学者として当然のことと思っていたのだろうか。彼らに後悔はなかったのだろうか。原爆は理論と実験どおりに正しく核分裂反応を起こし、想定に近いエネルギーを放出した。そこまでは科学だ。しかし、爆心地周辺に暮らす無辜(むこ)の人々の命を大量に奪った事実は、科学で済む話ではない。
・トルーマン大統領は、その後ソ連の核実験に対抗して水爆開発を進めたものの、朝鮮戦争のときには原爆使用という選択肢はあっても、彼が3度目の原爆の使用を許すことはなかった。 原爆が人類に対して直接使われたことは広島が最初であり、長崎が最後である。そして、未来にわたって核兵器が実戦で使われたという不幸な事実は、広島、長崎のみとなるであろうと私は信じている。そのためには不断の努力を必要とする。努力とは戦争をしない努力である。戦争をしなければ核が兵器として使用されることもない。
▽戦争の真実を追ってみるべきだ
・しかし、近年の世界情勢や、反中、嫌韓の世論を見ていると、日本が戦争当事国になる危険を感じることさえ禁じえない。私が最も危惧するのは、日本の世論に強硬論が目立つことである。 戦前の日本も国民感情が対米強硬論、対中強硬論へ先鋭化するとともに、その反動として親ドイツ、親イタリアの論調が高まった。結局、それが世界を相手にする戦争へ日本を突入させる要因の1つとなる。
・強硬論、好戦的な発言が飛び交う背景には、戦争体験者が少なくなったという問題があると思われる。戦争を知らない世代は、戦争というものを具体的にイメージできない。戦争を知らずに、気に入らない国はやっつけてしまえという勢いだけがいい意見にはどこかリアリティがない。彼らはどこまで戦争を知っているのだろうか。
・私自身も、戦争はわずかに記憶の片隅にある程度だ。それでも、冒頭に書いたように、時折、名古屋大空襲で炎の中を逃げる夢を見る。幼心の記憶が、いまも鮮明に脳に刻まれている。 中国や北朝鮮に対し強硬な意見を述べる人たちは、戦争の痛みも考えず、戦力の現実も知らないまま、勢いだけで述べているのではないか。戦争を知って、なお戦争も辞せずと主張するのなら、私とは相いれない意見ではあるが、それも1つの意見として聴こう。しかし、戦争を知らずに戦争して他国を懲らしめよという意見が人の道に反することだけは間違いない。
・われわれは、一度、戦争の真実を追ってみるべきだ。それは私とは意見を異にする人たちとともにやってもよい。そのうえでもう一度、日本の平和と防衛を考えてみるべきではないか。 2017年8月6日、72年前に広島に原爆が投下されたこの日に私が思うのは、唯一の被爆国である日本には、戦争をしない世界をつくる使命があるということだ。この一点に尽きる。
http://toyokeizai.net/articles/-/182215

岡部氏の記事で、 『日本はドイツに経済、外交、そして国際的な存在感で大きな差をつけられている。冷戦終結後の「第2の敗戦」に続く敗戦といえる』、 『明暗分けた近隣諸国との連携』、などの指摘はその通りだ。軍事費はドイツもトランプの圧力で増えそうだが、メルケル首相であれば、増えた形を出すだけの穏当なものだろう。しかし、安部政権の下では、日本は北朝鮮ミサイル対抗を大義名分にかなり増えそうだ。
矢部氏の記事にある、 『外務省がつくった高級官僚向けの極秘マニュアル(「日米地位協定の考え方 増補版」1983年12月)』、というのは初めて知った。国会で取上げられたことはあるのだろうか? これまで、日米間の問題で釈然としない問題の答が見つかった気がする。 『北方領土の交渉をするときも、返還された島に米軍基地を置かないというような約束をしてはならない』、となっており、谷内正太郎国家安全保障局長がロシアに伝え、 『プーチン大統領は、・・・日ロ首脳会談の席上で、安倍首相に対し、「君の側近が『島に米軍基地が置かれる可能性はある』と言ったそうだが、それでは交渉は終わる」と述べた』、というのであれば、今後のロシアへの日本側の経済協力は、安部の面子のためだけの無駄玉に終わってしまいそうだ。
丹羽氏については、民主党政権で中国大使となり、東京都の尖閣諸島購入計画について、「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と警告したのに、自由民主党などから「日本の国益を損なう」として更迭を要求され、その後退任。日中関係は警告通りに悪化したのは記憶に新しいところだ。記事のなかで、 『マリアナ沖海戦後に50万人の民間人が犠牲になった』、 『日本の戦争指導者たちの見通しのなさ、国にとって最も重要な国民の生命に対する鈍感さ、決断するべきときに決断できない無責任さにも大きな罪があると、元経営者として心の底からそう思うのである』、などの指摘は、ハト派財界人としての面目躍如である。中国大使としてもっと活躍してほしい人材が、自民党、外務省、一部マスコミの圧力で退任に追い込まれたのは、残念至極である。 『故田中角栄元首相は「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」と若い議員によく言っていたという』、というのは初めて知ったが、この言葉を今一度、かみしめてみる必要がありそうだ。
タグ:東洋経済オンライン 日経ビジネスオンライン 歴史問題 現代ビジネス 田中角栄元首相 岡部 直明 (4)(第3の敗戦、日本はなぜドイツに敗れたか?、なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟、丹羽 宇一郎元伊藤忠商事社長・元中国大使:いま聞かないと「戦争体験者」がいなくなる) 第3の敗戦、日本はなぜドイツに敗れたか? 戦後72年の冷厳な現実 日本は「第3の敗戦」に直面 日本はドイツに経済、外交、そして国際的な存在感で大きな差をつけられている。冷戦終結後の「第2の敗戦」に続く敗戦といえる 円安依存症から抜け切れず、財政規律を失い、成長戦略を編み出せなかったことが大きい。それ以上に、独仏和解を土台に欧州連合(EU)のリーダーとしての座を確かにするドイツに対して、日本はいまだに中韓と融和できず、アジアでの経済、外交の基盤を固められないでいるからだろう 世界のリーダー」との落差 財政優等生と財政劣等生 第4次産業革命でも出遅れ ものづくりそのものの競争力に安住し、産業の新たな融合に可能性を見出そうとしなかったのは政策の大きな失敗 円安依存症」から抜け切れず 西独では「強いマルク」を望む声が根強かった 冷戦終結で「第2の敗戦」 明暗分けた近隣諸国との連携 ドイツに再び学ぶこと 財政規律を取り戻すことである 通貨安に依存しないことだ 日本が磨きをかけるべきは、ソフトパワーである。 矢部 宏治 なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟 内閣改造でも絶対に変わらないこと 「戦後日本」という国には、国民はもちろん、首相でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が数多く存在し、社会全体の構造を大きく歪めてしまっているという 私たちの未来を危うくする「9つの掟」とは? 『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』 著者・矢部宏治氏 六本木と南麻布に、それぞれ非常に重要な米軍基地(「六本木ヘリポート」と「ニューサンノー米軍センター」)があることをみなさんよくご存じだと思います 外務省がつくった高級官僚向けの極秘マニュアル(「日米地位協定の考え方 増補版」1983年12月) アメリカは日本国内のどんな場所でも基地にしたいと要求することができる 日本は合理的な理由なしにその要求を拒否することはできず、現実に提供が困難な場合以外、アメリカの要求に同意しないケースは想定されていない 北方領土の交渉をするときも、返還された島に米軍基地を置かないというような約束をしてはならない 現在の日米間の軍事的関係が根本的に変化しない限り、ロシアとの領土問題が解決する可能性は、じつはゼロ 谷内正太郎国家安全保障局長から、「返還された島に米軍基地を置かないという約束はできない」という基本方針が、ロシア側に伝えられることになったのです その報告を聞いたプーチン大統領は、11月19日、ペルー・リマでの日ロ首脳会談の席上で、安倍首相に対し、「君の側近が『島に米軍基地が置かれる可能性はある』と言ったそうだが、それでは交渉は終わる」と述べたことがわかっています この時点ですでに、1ヵ月後の日本での領土返還交渉がゼロ回答に終わることは、完全に確定していたのです 普天間基地の沖縄県外移設を唱えて失脚した鳩山由紀夫首相 その歪みがもたらす日本の「法治国家崩壊状態」は、いま沖縄から本土へ、そして行政の末端から政権の中枢へと、猛烈な勢いで広がり始めています 日本の空は、すべて米軍に支配されている 日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある 丹羽 宇一郎 いま聞かないと「戦争体験者」がいなくなる 「母は必死に座布団で焼夷弾の火を消した」」 丹羽宇一郎戦争の大問題 火の海が私の戦争体験 母は必死になって座布団で焼夷弾の火を消していた 戦争体験者は、その体験によって戦争のとらえ方もわずかずつ違う いまや先の大戦で戦場に立った人々の数が本当に少なくなってしまったことだ 戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない 広島平和資料館や長崎原爆資料館 原爆を使った罪と原爆を使わせた罪、双方の政治家の罪を見て取ることができるからだ 原爆を使わせた罪とは何か。すでに敗戦が明らかとなり、このまま戦争を継続すれば明らかに犠牲者が増えるとわかっていながら、終戦に踏み切らなかった当時の日本の指導的立場の者たちの不作為の罪 マリアナ沖海戦で日本軍は壊滅的な損害を受けた。戦死者3500人、海軍は空母3隻と艦載機のほぼすべてを失った マリアナ沖海戦後に50万人の民間人が犠牲になった 後を継いだ小磯國昭内閣も降伏・終戦という選択のないまま「一億玉砕」「一億特攻」というスローガンの躍る政治を推し進めた 戦前、戦中の日本の指導者たちは、勝算のない戦争を始め、そのうえ敗北必至の状況でさらに犠牲者を急速に増やす方向に国を進め、国民を導いていったのだ。これが為政者の罪でなくて何であろうか 危機的な状況にあっては、今も昔も人の行動は変わらないようだ。 人命と経済的損失を同列に扱うことに批判はあろうが、経営においても、人は非常時になると当然のことが見えなくなる、冷静な判断ができなくなるということだ 国を無謀な戦争へ突入させた国の経営者が、やめどきを見極められず、いたずらに被害を大きくさせる。現代の日本であっても、こうしたとんでもないリスクは消滅してはいないのだ トルーマン大統領には第2次世界大戦終了後の世界をアメリカがリードするため、ソ連を牽制するために、原爆という圧倒的な破壊力を持つ兵器の存在を示す必要があったのかもしれない。それは国際政治としてありえよう たった1発で約14万人の人命を奪うような途方もない威力を持った爆弾を人間相手に使ったことへの悔恨が、人であり、市民であるトルーマン個人になかったとは思えない。もしなければ、言葉は悪いがトルーマンは天を畏(おそ)れぬ狂気の殺戮(さつりく)者である 原爆は理論と実験どおりに正しく核分裂反応を起こし、想定に近いエネルギーを放出した。そこまでは科学だ。しかし、爆心地周辺に暮らす無辜(むこ)の人々の命を大量に奪った事実は、科学で済む話ではない 近年の世界情勢や、反中、嫌韓の世論を見ていると、日本が戦争当事国になる危険を感じることさえ禁じえない。私が最も危惧するのは、日本の世論に強硬論が目立つことである 戦争を知らずに、気に入らない国はやっつけてしまえという勢いだけがいい意見にはどこかリアリティがない。彼らはどこまで戦争を知っているのだろうか 戦争を知らずに戦争して他国を懲らしめよという意見が人の道に反することだけは間違いない
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