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PKO日報問題(稲田大臣辞任で終わらせてはいけない「日報隠ぺい」本当の問題点、国会に呼ぶべきもう一人は前田忠男陸幕監部防衛部長だ、自衛隊の日報問題 責任はすべて政府にあり) [国内政治]

今日は、PKO日報問題(稲田大臣辞任で終わらせてはいけない「日報隠ぺい」本当の問題点、国会に呼ぶべきもう一人は前田忠男陸幕監部防衛部長だ、自衛隊の日報問題 責任はすべて政府にあり) を取上げよう。これまでは、「安倍内閣の問題閣僚等」として7月2日などで取上げていたが、稲田大臣辞任を踏まえ、タイトルを変更したものである。

先ずは、問題の発端となった開示請求をしたジャーナリストの布施 祐仁氏が8月3日付け現代ビジネスに寄稿した「稲田大臣辞任で終わらせてはいけない「日報隠ぺい」本当の問題点 これではトカゲの尻尾切り、だ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・稲田朋美大臣の辞任にまで発展した自衛隊「日報隠蔽問題」。発端は、ジャーナリストの布施祐仁氏がその開示を防衛省に求めたことにあった。布施氏本人が、一連の経緯を振り返りながら、この問題が稲田氏の辞任で「幕切れ」となることに、強い危惧を表明する。
▽どちらにせよ大問題
・7月28日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題に関する特別防衛監察の結果がようやく公表された。 私が昨年2度にわたって行った情報公開請求に対して、陸上自衛隊が当時日報が行政文書として存在していたにもかかわらず意図的に開示しなかったことを、情報公開法の開示義務違反および自衛隊法の職務遂行義務違反と認定した。つまり、日報が違法に隠蔽されていた事実が明らかになったのである。
・他方、最も注目されていた稲田朋美防衛大臣の隠蔽への関与については、非常にあいまいな結論にとどまった。「すでに廃棄した」と説明していた陸上自衛隊内の「日報」が、実際は保管されていた事実について、稲田氏が書面による報告を受けたり、非公表を了承した事実はなかったと結論付けた。
・ただ、監察結果は「陸自における日報データの存在について(稲田氏に対して)何らかの発言があった可能性は否定できない」とも指摘しており、稲田氏が陸自に日報データが保管されていた事実を早い時期から知っていたのではないかとの疑惑は晴れない結果となった。
・監察結果公表後の記者会見(辞任会見にもなった)でも、稲田氏は最後まで、「報告を受けたという認識は今でもない」と自身の関与を否定した。これに対して、ある記者が「複数の部下の方が、(2月)13日も15日も確かに報告したと証言している。それを大臣は信用できないと、嘘の証言だと言うのか」と質問すると、「その点については承知していない」とかわした。
・いずれにせよ、稲田氏の主張と陸自側の主張は食い違ったままだ。真実は一つしかない。稲田氏の主張が虚偽ならば、陸自の日報保管について報告を受けながら、その後も「陸自では適正に廃棄された」と虚偽答弁を続けたことになる。逆に、稲田氏の主張が真実ならば、陸自側が大臣を辞任に追い込むために、虚偽の情報を流したことになる。
・どちらにせよ大問題であり、稲田氏が大臣を辞任したからといって、このまま真相をうやむやにしてはならない。稲田氏、そして隠蔽に関与した防衛省・自衛隊の関係者の出席の下、国会の場で徹底した真相究明を行うべきだ。現在、与党が閉会中審査への稲田氏の参考人招致を拒否しているが、このまま真相を明らかにすることなく幕引きを図れば、防衛省・自衛隊に重大な禍根を残すことになるだろう 
・なお、防衛省・自衛隊が組織ぐるみで陸自の日報保管の事実を非公表としたことについて、政権や与党に近い人たちから「問題ないことをメディアが無理やり騒ぎ立てているだけだ」といった言説が流されているのは見過ごせない。 たとえば、稲田氏の後任に内定したと報じられている自民党の小野寺五典元防衛相は、7月22日に出演したテレビ番組で、「隠蔽と言われていますが、すでに公表されているものと同じものが別のところにも残っていましたってことです」と、あたかも大した問題ではないかのようなコメントをしている。
・確かに、陸自側が稲田氏に陸自の日報保管について報告したとされる2月13日、15日の時点では、すでに統合幕僚幹部で保管されていた日報が公表されていた。よって、陸自に保管されていた日報を改めて開示する必要がないのは当然だ。しかし、それと、陸自保管の事実を公表しなくても良いというのは別問題である。 なぜなら、陸自にも日報があった事実を公にしないということは、それまで通り、「開示請求時点で、陸自の日報は既に廃棄されていた」と虚偽の説明を続けることを意味するからだ。
・そもそも、3月15日にNHKが陸自にも日報が保管されていたことをスクープしなければ、特別防衛監察は行われず、筆者の情報公開請求に対して違法な隠蔽が行われていた事実が明らかになることもなかった。隠蔽の事実は、永遠に闇に葬られていたかもしれないのだ。「非公表は問題なかった」と言っている人たちは、それでも良かったと考えているのだろうか。
▽強い違和感
・私も正直、自分が行った2本の情報公開請求が、よもやこんな「大事件」になるとは思ってもいなかった。もし、防衛相・自衛隊の最高幹部たちが2月13日と15日の会議で、陸自の日報保管の事実を隠すのではなく公表することを決めていれば、大臣と事務次官と陸上幕僚長が揃って引責辞任するような前代未聞の危機的な状況にはなっていなかったはずだ。
・防衛相・自衛隊の最高幹部たちは「危機管理のプロフェッショナル」だ。当然、「隠す」ことのリスクは十分に理解していただろう。それでもなお、リスクを冒して隠す道を選んだところに、今回の日報問題の本質が潜んでいると私は思っている。
・彼らは、何としても、「陸自では内規に従って日報は廃棄していた=情報公開請求に対して日報を開示しなかったことは隠蔽ではない」という説明ラインを維持しようとした。最初の隠蔽を隠すために、大きなリスクを冒して隠蔽の上塗りをしてしまったのである。これは、最初の隠蔽を発覚させないことが、彼らにとっていかに重要だったかを示している。
・最初の隠蔽は、昨年7月に行われた。7月初め、自衛隊が活動する南スーダンの首都ジュバで政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘が勃発した。海外メディアは、戦車や戦闘ヘリも出動して激しい戦闘が行われ、数百人の死者が出ていると報じていた。しかし、日本政府は現地の状況について「散発的な発砲事案」「自衛隊に被害なし」とだけ発表し、「武力紛争は発生しておらずPKO参加5原則も崩れていない」と結論付けていた。
・このギャップに疑問を抱いた私は7月16日、現地の陸自部隊が上級部隊である中央即応集団(CRF)司令部に報告したすべての文書を防衛省に開示請求した。今回公表された特別防衛監察の結果報告書によれば、開示請求を受けてCRFの担当者は日報を含む複数の文書を特定したが、上官であるCRFの堀切光彦副司令官(当時)が「日報が該当文書から外れることが望ましい」との意図をもって開示の対象から外すように指導したという。
・そして、9月中旬、私には「人員現況」という、その日に活動した隊員の人数だけが記されたA4用紙1枚の簡易な報告用紙だけが開示された。その時は、現地で戦闘が起きているというのに、これしか報告していないのかと強い違和感を持った。
・その後、現地の部隊が「日報」を作成している情報をつかみ、9月下旬に、今度は「日報」と特定して改めて開示請求を行った。これに対しても、CRFは7月の前例を踏襲して日報を開示しないことを決定し、陸上幕僚監部と統合幕僚監部もこれを了承して12月初め、「既に廃棄しており文書不存在」として私に不開示を通知した。
・だが、この時点では、該当する日報は「陸上自衛隊指揮システム」上の掲示板に行政文書として存在していた。このデータが消去されたのは、自民党行革推進本部長の河野太郎衆院議員が防衛省に日報の再探索を求めた後の12月中旬であった。いわば、「証拠隠滅」のためのデータ消去であった。
▽リスクを冒してでも…?
・もし、私の開示請求が適正に処理されていれば、早ければ9月中旬には日報は開示されていたことになる。日報には、自衛隊宿営地近傍での激しい戦闘状況や、自衛隊が戦闘に巻き込まれる可能性について、現地部隊が認識していたことが記されていた。 当時、安倍内閣が進めようとしていた最重要政策の一つが、安保関連法に基づく新任務の南スーダンPKO派遣部隊への付与であった。もし9月中旬に日報が開示されていれば、9月末に始まった臨時国会で大議論になり新任務の付与は実現しなかったかもしれない。逆に言えば、その危険性があったからこそ、日報は隠蔽されたのではないか。
・特別防衛監察の結果報告書は、CRF副司令官が日報を開示しないよう指示した理由について「部隊情報の保全や開示請求が増えることを懸念した」と記しているが、7月29日付の朝日新聞は、ある防衛省幹部の話として、日報に書かれた現地の治安状況がPKO参加5原則を満たしていない可能性が高かったことが隠蔽の「本当の理由」であったとの見方を紹介している。
・動機はともかく、結果的には、本来国民に情報公開されるべきであった日報が隠蔽された上で、自衛官のリスクをより高める「駆け付け警護」などの新任務付与が閣議決定された事実が特別防衛監察によって明らかになったのである。これは、新任務付与の正当性そのものが揺らぐ事態である。
・防衛省・自衛隊が日報を隠蔽した背景には、安倍内閣の「派遣継続ありき」「新任務付与ありき」の姿勢があったと指摘せざるを得ない。官邸の「結論ありき」の姿勢が、新任務付与という政策の決定プロセスに「ゆがみ」をもたらした。政府が当初からジュバの治安状況について正確に情報公開していれば、CRFが日報を隠蔽する動機など生じなかった。
・その意味で、今回の日報問題では安倍首相をはじめ、内閣の責任が厳しく問われなければならないと思う。「トカゲの尻尾切り」で済ませてはならない。 陸自にも日報が保管されていた事実を隠蔽した防衛省背広組と陸上幕僚監部の最高幹部たちは、いずれも安倍内閣が力を入れていた新任務の付与を実現させた「功労者」であった。彼らは、その正当性に傷がつくことを恐れた。だから、絶大なるリスクを冒してでも、日報の隠蔽が発覚することを回避しようとしたのだろう。
・そして、新任務付与の正当性に傷がつくのを恐れたのは、稲田大臣あるいは安倍首相も同じだったのではないか。
▽もう一つの大問題
・今回、日報が公表されたことで、もう一つ重大な事実が明らかになった。それは、南スーダンに派遣される隊員の家族に対する虚偽の説明である。 私は、昨年10月に陸自第9師団(司令部=青森市)で開かれた「家族説明会」の説明資料を開示請求によって入手した。そこに記されている南スーダンの治安状況と、同時期に現地部隊が日報で報告している治安状況が、非常に重要な点で食い違っているのだ。
・この図のように、家族説明会では8月1日時点の治安状況について、「衝突」が発生しているのは南スーダン北部で「首都ジュバを含む南部3州は平穏」と結論付けている。だが、同日の日報では、北部だけでなく、ジュバ周辺の数ヵ所で「戦闘」が起こっていることが報告されている。
・実は、この家族説明会の説明資料は当初、北部での「衝突」を「戦闘」と表記していた。それを知った稲田防衛相(当時)が「誤解を与えるから」と直接、書き直すことを指示したという。ジュバ周辺での戦闘については当然稲田氏にも報告は上がっていたが、それを正確に記述することは指示せず、単に「戦闘」を「衝突」と書き換えることだけを指示したのである。
・このようにして、稲田氏および防衛省は、家族の南スーダンへの派遣を前に不安を抱え、現地の治安状況や活動のリスクについて正確な情報を求めていた隊員の家族をも裏切ったのである。 本来開示されるべき日報を隠し、派遣隊員の家族にも虚偽の説明を行って、新任務の付与を行って青森の部隊を中心とした第11次隊を派遣したことは、国民はもとより、派遣隊員とその家族への背信行為であったと指摘せざるを得ない。
・海外の治安不安定な地域に派遣している部隊にどのような任務を与えるかという政策判断には、隊員の命がかかっている。その意味で、他の省庁の政策判断以上に、決定プロセスの公正さが求められる。そのプロセスに「不正」があっては絶対にならない。 現実には戦闘や武力紛争が発生しているのに、その情報を隠蔽したり虚偽の説明をして、憲法上「武力行使」ができない自衛隊を派遣するのは、国家による最大の「不正」と言ってもよいと思う。
・結果的に、新任務が実行されることなく、一人も死傷者が出ることもなく撤収を完了したから良かったものの、仮に最悪の事態が生じていたら、政府は何と説明していたのだろうか。 安倍首相は2月1日の衆院予算委員会で、南スーダンで自衛隊に死傷者が出た場合、首相を辞任する覚悟を持っていると答弁したが、首相が辞めても亡くなった隊員の命が返ってくるわけではない。取り返しがつかないからこそ、任務付与の政策決定プロセスに「不正」は絶対にあってはならない。
・加えて、自衛隊の任務遂行の結果に最終的に責任を負うのは、この国の主権者である国民である。自衛隊員は「服務の宣誓」にあるように、「国民の負託にこたえ」てリスクのある任務に就くのである。しかし、今回のように重要な情報が隠蔽されてしまったら、国民はその結果に責任を負うことができない。
・このような「不正」を二度と繰り返さないようにすることこそ、今回の日報問題の今後への教訓とすべきである。そのためには、「文民保護」のためには「紛争当事者」になることも辞さない国連PKOの現状と憲法9条の関係も含めて、自衛隊の海外派遣のあり方、日本の国際貢献のあり方についての本質的な議論が必要だ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52482

次に、元レバノン大使の天木直人氏が8月11日の同氏のブログに掲載した「国会に呼ぶべきもう一人は前田忠男陸幕監部防衛部長だ」を紹介しよう。
・日報問題の混乱の原因は、防衛省という組織を統率できなかった稲田前防衛相の無能さ、無責任さが原因である。 だから稲田前防衛相の出席拒否が批判されるのは当然だ。 しかし、今度の日報問題で明らかになったもうひとつの深刻な問題は、陸上自衛隊によるシビリアンコントロールの逸脱疑惑である。
・その事がいかに深刻だったかについて、発売中の週刊エコノミスト最新号(8月15・22日号)の「東奔政走」で、平田崇浩毎日新聞編集委員が書いている。 8月3日の内閣改造で稲田防衛大臣が交代させられることはもはや確定していたのに、そうはさせじと陸自は稲田大臣の首を取りに行ったのだと。 つまり河野統幕議長の後任に決まっていた岡部陸上統幕議長を引責辞任に追い込んだ稲田防衛相を許せないというわけだ。
・日報隠しの責任を陸自だけに押しつけて終わらせようとするのは許せないというわけだ。 だから、稲田大臣は知っていたと、あらたなリークをして、国会虚偽答弁の責任を浮上させ、内閣改造を待たずに辞任せざる得ない状況に稲田大臣を追い込んだのだ。
・このリークを、岡部統幕長が行うはずはない。 陸自のトップとしての矜持が許さないからだ。 このリークは、岡部統幕長の引責辞任に我慢がならない陸自の将校たちが行ったのだ。 その衝撃を防衛省OBは平田記者に、「2・26事件とは言わないが、戦前の旧軍なら銃殺刑だ」とまで言ったらしい。
・平田氏は、こう書いている。 「陸自幹部たちは『銃殺刑』にならず、防衛省トップの首をとる『成功体験』を手にした。自衛隊の発足から67年。戦後民主主義の中から育まれた文民統制に大きな禍根を残した」と。 これは物凄い書き方だ。
・日本の文民統制の弛緩はここまで進んでいるのだ。 それでは内部情報をリークした陸自幹部とは誰か。  私は間違いなく前田忠男・陸上幕僚監部防衛部長はその一人であると思っている。 前田部長は、目黒の陸自幹部学校で開かれた「陸自フォーラム」の主催者あいさつで、「陸上自衛隊が隠ぺい組織ではという報道もあったが、そういうことは一切ない」と語っている(8月9日朝日)。
・この発言を、きのうの国会閉会中審査で、共産党の井上哲士議員が質問したのに対し、小野寺防衛相は、「自衛隊への信頼回復が重要な時期にまことに残念で、注意喚起をした」と答えている。 野党は稲田前防衛相を非難するのもいいが、陸自幹部の国会招致を求め、陸自のシビリアンコントロール逸脱を徹底追及すべきだ。 それが事実なら、安倍内閣は吹っ飛ぶ。 安倍首相を追い込むのは、稲田防衛相よりも、陸自幹部の謀反である(了)
http://kenpo9.com/archives/2004

第三に、元空将補の横山 恭三氏が8月21日付けJBPressに寄稿した「自衛隊の日報問題、責任はすべて政府にあり 隊員の犠牲を覚悟せずにPKOに自衛隊を派遣すべきでない」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・現在、16カ所に各国から約11万人の国連PKO(以下、PKOという)が派遣されているが、2008年以降は毎年100人以上が犠牲となっている。ちなみにPKOが開始された1949年から現在(2017年7月13日)までの犠牲者の総数は3599人である。
・国別ではインド163人、ナイジェア150人、パキスタン142人など9カ国で100人以上の犠牲者を出している。9カ国の中に先進国ではカナダ、フランスおよび英国の3カ国が入っている*1。 今やPKOに参加する場合には犠牲を覚悟しなければならないのが実態である。ラフダール・ブラヒミ元国連事務総長特別代表は「人々を守るためにPKOは存在している。戦闘が多発する中、各国には犠牲を覚悟してもらわなければならない」と言明している*2。
・ところが、我が国では、「戦闘」という言葉が書かれた南スーダン派遣施設部隊日々報告(通称「日報」という)を巡って国会を巻き込む上を下への大騒ぎである。
▽国際社会と日本で著しい認識の差
・我が国政府の認識では犠牲を伴わないPKO活動を前提にしているように思われる。このように国際社会と我が国のPKOに対する認識の差は非常に大きい。 PKOは、安全保障理事会(以下、安保理という)で決議されるマンデート*3(派遣団の目的や任務を規定)に基づき派遣される。 近年、軽装備のPKOのマンデートに文民保護(地元住民、国連職員、NPO職員など)の任務が加えられるようになってきた。その結果、PKO要員の安全確保など様々な問題が生じることとなった。
・直近の事例では、派遣の途中でマンデートが変更され、任務に文民保護が加わった国際連合南スーダン派遣団(UNMISS)における軍司令官の更迭がある。 新聞報道によると、2016年7月に生起した南スーダン首都ジュバ市内での戦闘に際し、UNMISS司令部近傍において戦闘が発生し国連関連機関が襲撃されたため、国連関連機関がUNMISSに対して警護を要請したが、UNMISSは、対応能力がないとして要請を却下した。
・このため、市民などの虐殺を阻止できず、7月の3日間で保護施設にいた20人以上の避難民を含め、少なくとも73人が死亡したと言われる。国連事務局は、UNMISSの対応が不十分であったとしてUNMISSの軍司令官を務めるケニア軍中将を更迭した。 しかし、ケニア政府は、そもそも国連がUNMISSへ必要な人員と装備を割当てなかった責任を転嫁したものだ、として強く反発しケニア部隊を撤退させてしまった。
・この事例の問題点は2つある。1つは、住民が戦闘に巻き込まれたり、攻撃の対象になったりしている紛争地域に派遣されている軽装備のPKOに対して文民保護の任務が付与されたことである。これまでは、受入れ国政府が実施する文民保護を支援することがPKOの任務であった。 もう1つは、文民保護の任務を与えられながら、軍司令官に任務遂行に必要な戦力(兵力・装備)が与えられていないことである。
・PKOは、いつから、どうして、このように変容してしまったのであろうか。この疑問に答えるのが本稿の目的である。本稿がPKOの現状の理解と我が国のPKO参加のありかたを考える一助となれば幸いである。
・最初に、PKOの位置づけについて述べる。国際連盟の失敗を踏まえて創設された国際連合は、国連軍を核とする集団安全保障制度を導入し、戦勝五大国を常任理事国とする安保理に大きな責任と権限を付与し、かつ常任理事国に拒否権を付与した。 しかし、常任理事国に拒否権を付与したことにより、拒否権が乱発され、正規の国連軍はこれまで一度も編成されなかった。国連軍に代わり、国際社会の平和と安全の維持に取組んできたのがPKOと多国籍軍(または有志連合軍)である。
・PKOは、国連憲章が予定した安保理による国際の平和および安全の維持(第7章に定める集団安全保障制度)が十全に機能しなかったのを受けて、国連が世界各地の紛争地域の平和の維持を図る手段として実際の慣行を通じて行ってきたものである。
▽国連憲章に明文規定のないPKO
・PKOは国連憲章に明文の規定はない。そこで、国連PKOは憲章第6章の「紛争の平和的解決」と同第7章の「軍事的強制措置」の中間に当たる「6章半の任務」と言われることがある。 従前は安保理がPKOの展開を承認する決議を採択する際、憲章の具体的な条文を援用することはなかった。しかし、近年、安保理は、受入れ国の政府が治安や公序を維持できないような不安定な紛争地域へのPKO派遣を承認する際に憲章第7条を援用するようになった。 ちなみに、憲章第7章を最初に援用したPKOは、1993年3月安保理決議によって設立された国連第2次ソマリア活動(UNOSOMⅡ)である。
・次に、PKOの武力行使に関する基本原則について述べる。PKOの伝統的な基本原則は以下の3つであった。
 (1)当事者の合意(Consent among the parties to the conflict )
 (2)中立性と公平性(Neutrality and Impartiality of the UN forces deployed)
 (3)自衛のための武力行使(Use of force by UN personnel only in cases of self defense)
・しかし、冷戦の終結後、紛争の形態が変容する中で、伝統的な基本原則では任務の遂行ができないという認識が生まれ、「マンデート防衛以外の武力不行使(マンデート防衛のための武力行使)」が含まれるようになった。
・そして、2008年に作成されたキャップストン・ドクトリンにより正式に、次のように改訂された。
 (1)当事者の同意(Consent of the parties)
 (2)公平性(Impartiality)
 (3)自衛とマンデート防衛以外の武力不行使(Non-use of force except in self-defence and defence of the mandate)
・「マンデート防衛のための武力行使」が追加された背景には、PKOが、民兵、犯罪集団、その他民間人に脅威を与えたりする略奪者が存在する環境に派遣されるようになったことがある。 このような状況において、安保理はPKOに対し、攻撃の危機が迫っている民間人を保護したり、国家当局による法と秩序の維持を支援したりするために「マンデート防衛」のための武力行使を認めたのである。 ただし、他の説得方法が尽くされた上での最後の手段としてのみ、武力を行使すべきであり、実際に武力を行使する際も、常に自制を働かせなければならないとされている。
・次にPKOが変容する契機となった出来事とそれに関する報告書について簡単に述べる。 従前のPKOは、停戦後に派遣されるのが原則であったが、特に冷戦後は、すべての紛争当事者間の停戦合意が存在しない場合、あるいは停戦合意があっても紛争当事者がこれを遵守しない場合があり、住民を含む文民保護や武力行使にかかわる多くの問題が顕在化した。
▽PKOを変容させてきた国連
・例えば、住民が戦闘に巻き込まれたり、攻撃の対象になったりした場合に、とりわけ軍事要員に対して認められた武力行使が極めて制限的なものであったことから住民を保護できず、PKO部隊の目の前で残虐行為が繰り広げられたり、あるいは大量虐殺に発展したりした。
・国連は、このような出来事を契機としてPKOを変容させてきたのである。それらの2つの出来事を紹介する。 1つ目は「ルワンダ虐殺(1994年6月)」である。ルワンダ紛争に対応し、国連は1993年10月安保理決議により、国連ルワンダ支援団(UNAMIR)を設立し、当初1428人の軍事要員をルワンダに展開した。 マンデートは、停戦監視、暫定期間の治安監視、地雷撤去支援、紛争当事者間の軍隊統合化の監視、難民帰還と定住の監視、人道的援助、武器保管地域の治安維持などであった。
・現地情勢の悪化に伴い、安保理は、1994年5月、安保理決議によりUNAMIRの規模を5500人へ増員することと、マンデートに難民の保護、安全地域(safe area)の設置への貢献および人道援助物資配布の間の安全確保が追加された。 さらに、マンデートにおいて、国連憲章第7章を援用することなく、住民、人道活動スタッフへの脅威を排除するための武力行使が自衛行為として認められた。
・しかし、UNAMIRの増員は、加盟国からの自発的提供がなく、遅々として進まなかった。この間すなわち5月22日から27日までの間に、25万人から50万人もの大量の住民が組織的に虐殺された。 最終的にルワンダ紛争で約80万人の住民が殺害された。後に関連する報告書(ルワンダ・ジェノサイド報告書)が国連に提出された。
・その中で、同報告書は、「非強制的PKOであったとしても、ジェノサイドに直面した場合には、武力行使原則を超える行動をとる義務があったという教訓を示している。 ジェノサイドを阻止するための武力行使は、ジェノサイドに直面して中立の立場はあり得ず、国民の一部を抹殺しようとする試みに対して公平な立場もあり得ないし、国際社会がジェノサイドに対処するにはそれなりの必要な手段を用いた行動が必要であった、という理由で肯定されるというものである*4」と述べている。
・2つ目はスレブレニツァの虐殺(1995年7月)である。1992年2月国連保護軍(UNPROFOR)が停戦監視を任務とする従来型PKOとして派遣された。その後、任務はボスニア・ヘルツェゴビナにおいての人道援助物資の輸送支援や、飛行禁止区域や安全地域の監視へと拡大された。
▽スレブレニツァに関する事務総長報告
・しかし、国連保護軍(UNPROFOR)には停戦協定の遵守を当事者に強制する権限や任務は与えられておらず、さらに必要な軍事力も与えられていなかった。 そこで、安保理は、1993年10月安保理決議により、UNPROFORに要員の安全と移動の自由を保証するために、第7章を援用しつつ武力行使を含めた必要な措置を、自衛のために取ることを認めた。
・そうこうしていると1995年7月11日、イスラム系住民が多数を占めるボスニアの町スレブレニツァをセルビア人武装勢力が急襲し、イスラム教徒の成人男性や少年約8000人を連れ去り殺害し、遺体を集団墓地に埋めるという事件が発生した。 当時、スレブレニツァは国連保護下にあり、国連保護軍(UNPROFOR)の200人のオランダ兵士が駐留していたが、軽装備だったため、セルビア人の急襲を阻止できなかった。
・スレブレニツァ虐殺はオランダにおいても長期間にわたる論争を引き起こした。オランダ政府は2002年に調査報告書を公表し、オランダ政府が部分的に責任を認め、2002年4月、当時の内閣は総辞職した。 1999年11月、国連事務総長は、『スレブレニツァに関する事務総長報告』を国連総会に提出した。同報告は、「PKOと戦争を混同してはならないのであって、今後二度と再び、停戦・和平合意のない地域にPKOを派遣してはならないこと、安全地域は非軍事化されなければならず、紛争当事者の合意がなくかつ信頼すべき軍事的抑止手段が付与されない場合には、安全地域を設置してはならないこと*5」などを指摘した。
・次に、「国際連合平和活動に関するパネル報告書(通称ブラヒミ報告)」について述べる。 上記の2つの事件およびその報告書を受けて、2000年8月「国際連合平和活動に関するパネル報告書(通称ブラヒミ報告)」が国連事務総長に提出された。
・同報告書は、安定的な停戦合意などのないまま不安定な状況に介入する複雑な平和活動について、過去10年にわたり、国連は、失敗を繰り返してきた、という現状の認識を述べ、平和維持活動に関しては、次の勧告を行っている。  ●国際連合平和活動に関するパネル報告書における重要勧告*6
・55.平和維持の理念と戦略に関する重要勧告(展開される平和維持活動要員には、プロとしてそのマンデートを完遂する能力だけでなく、強固な交戦規則(robust rules of engagement)により、和平合意の約束を破るなど、暴力によってこれを骨抜きにしようとする勢力から自分自身、その他の派遣団の要員・組織、および派遣団のマンデートを守る能力も与えなければならない。
・64. 明確で信頼性のある達成可能なマンデートに関する重要勧告のまとめ
(a) パネルは、安保理が国連主導型の平和活動による停戦または和平合意の実施に合意する前に、かかる合意が国際人権基準との一貫性や具体的な任務(tasks)と期限(timelines)の達成可能性など、派遣団の派遣の可否にかかわる条件を満たしていることを確認するよう勧告する。
(b) 安保理は、事務総長が加盟国から、兵員及び平和構築要員を含むその他不可欠な支援要員の提供の確約を受けるまで、大規模な兵力を伴う派遣団を承認する決議を草案にとどめておくべきである。
(c) 潜在的に危険な環境へ派遣団を派遣する場合、安保理決議は、明確な指揮系統と取り組みの統一性をはじめ、平和維持活動の諸要件を満たすものとすべきである。
(d) 事務局は、派遣団のマンデートを策定または変更する場合、安保理が要望することではなく、安保理が知る必要のあることを伝えねばならず、また、平和維持活動への部隊提供を約束した国々に対しては、その要員の安全に影響する事項に関する事務局の安保理へのブリーフィング、特に派遣団の武力行使(use of force)に影響を及ぼす会合への出席を認めるべきである。
・以上のように、報告書などにおいて、停戦・和平合意のない地域にPKOを設置してはならない、住民を虐殺から保護すると約束する以上は、必要な手段でこれを担保すべきであるなどが指摘されている。 それにもかかわらず、国連は、相変わらず、停戦・和平合意の曖昧な地域に軽装備のPKOを派遣し、文民保護の任務を命じている。
・大規模な迫害・大量殺害の可能性のある地域に軽装備のPKOを派遣することは正しいことであろうか。  しかしこれが現実であり、国連の限界を示している。それゆえ、安保理決議によって加盟国に必要な権限を授権し、加盟国が多国籍軍を編成・派遣し、平和・秩序の回復・維持などに従事する事例が依然として続くのである。
・最後に我が国のPKO派遣に関する筆者の所見を述べる。 PKOは、停戦監視を目的とする第1世代PKO紛争後の国家再建の支援を目的とする第2世代、および紛争地域における民間人保護を目的とする第3世代PKOに類別される。 筆者は、派遣部隊隊員の生命が危険にさらされる可能性のある第3世代PKOに自衛隊を派遣すべきでないことを提言する。
・それでも第3世代PKOに自衛隊を派遣せざるを得ない状況になった場合、政府は国民に対して自衛隊を派遣する意義を説明するとともに、犠牲者および遺族などに対する福利・厚生面を充実させることはもちろん、犠牲を最小限にする措置を講じた上で犠牲を覚悟していることを国民に明らかにするべきである。 その措置には派遣部隊の編成・装備の見直しなどが含まれる。
▽施設部隊ではなく普通科部隊の派遣を
・ブラヒミ報告の重要勧告では、「平和維持活動要員には、プロとしてそのマンデートを完遂する能力」を有する隊員を選定すべきことを推奨している。その能力には戦闘能力や戦術判断能力などが含まれる。 我が国は、第3世代PKOにおいても施設部隊を派遣しているが、施設部隊の編成・装備は第2世代PKOのマンデートには適合しているが、第3世代PKOのマンデートには適合しているとは言い難い。
・そこで、筆者は施設部隊(工兵部隊)に変えて普通科部隊(歩兵部隊)を派遣するなどによる第3世代PKOのマンデートに適合した能力を確保することを推奨する。しかし、普通科部隊を派遣するには、参加5原則の見直しや憲法の禁ずる武力行使との整合性の確保などの様々な課題の解決が不可欠であろう。
・さらに、犠牲を最小限にする措置として、国連が指示すべき事項と派遣国(PKO部隊)が決定すべき事項を明確にすることも重要である。これについて若干敷衍する。 事務総長は当該PKOの最高責任者であるが、ほとんどのPKOでは事務総長特別代表が当該PKOに関する最高指揮権*7を有する。 軍事部門司令官は活動の軍事面に責任を有し、活動業務に関して各国派遣部隊を作戦指揮*8する。 各国のPKO部隊(Peace Keeping Forces)は、各国政府との慎重な交渉で決められた条件で活動に参加し、国連の作戦指揮下にある間も、それぞれの政府の全般的権限に服しているとされる*9。
・我が国の派遣部隊は憲法の許す範囲でしか行動できないため他国の派遣部隊と同様な行動ができない。従って、政府は、派遣された部隊ができること、できないことを事前に国連と調整しておくとともに、撤退時期の決定権はわが国あることを確実にしておくことが重要である。
・要するに、憲法改正が議論されている今こそこれらの課題に真正面から取り組むべきであり、これらの課題が解決できるまで、我が国は第3世代PKOに自衛隊を派遣すべきでない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50814

第一の記事で、 『稲田氏の主張が虚偽ならば、陸自の日報保管について報告を受けながら、その後も「陸自では適正に廃棄された」と虚偽答弁を続けたことになる。逆に、稲田氏の主張が真実ならば、陸自側が大臣を辞任に追い込むために、虚偽の情報を流したことになる。 どちらにせよ大問題であり、稲田氏が大臣を辞任したからといって、このまま真相をうやむやにしてはならない・・・与党が閉会中審査への稲田氏の参考人招致を拒否しているが、このまま真相を明らかにすることなく幕引きを図れば、防衛省・自衛隊に重大な禍根を残すことになるだろう 』、というのはその通りだ。 『防衛省・自衛隊が日報を隠蔽した背景には、安倍内閣の「派遣継続ありき」「新任務付与ありき」の姿勢があったと指摘せざるを得ない。官邸の「結論ありき」の姿勢が、新任務付与という政策の決定プロセスに「ゆがみ」をもたらした。政府が当初からジュバの治安状況について正確に情報公開していれば、CRFが日報を隠蔽する動機など生じなかった。 その意味で、今回の日報問題では安倍首相をはじめ、内閣の責任が厳しく問われなければならないと思う。「トカゲの尻尾切り」で済ませてはならない』、 『海外の治安不安定な地域に派遣している部隊にどのような任務を与えるかという政策判断には、隊員の命がかかっている。その意味で、他の省庁の政策判断以上に、決定プロセスの公正さが求められる。そのプロセスに「不正」があっては絶対にならない。 現実には戦闘や武力紛争が発生しているのに、その情報を隠蔽したり虚偽の説明をして、憲法上「武力行使」ができない自衛隊を派遣するのは、国家による最大の「不正」と言ってもよいと思う』、などの指摘は正論だ。
第二の記事で、 『陸自幹部たちは『銃殺刑』にならず、防衛省トップの首をとる『成功体験』を手にした。自衛隊の発足から67年。戦後民主主義の中から育まれた文民統制に大きな禍根を残した』、とは由々しい事態だ。 『陸自幹部の国会招致を求め、陸自のシビリアンコントロール逸脱を徹底追及すべきだ』との主張には大賛成だ。
第三の記事は、PKOの性格の変化を 『停戦監視を目的とする第1世代PKO、紛争後の国家再建の支援を目的とする第2世代、および紛争地域における民間人保護を目的とする第3世代PKO』とした上で、 『我が国は、第3世代PKOにおいても施設部隊を派遣しているが、施設部隊の編成・装備は第2世代PKOのマンデートには適合しているが、第3世代PKOのマンデートには適合しているとは言い難い・・・我が国の派遣部隊は憲法の許す範囲でしか行動できないため他国の派遣部隊と同様な行動ができない。従って、政府は、派遣された部隊ができること、できないことを事前に国連と調整しておくとともに、撤退時期の決定権はわが国あることを確実にしておくことが重要である』、との主張はクリアである。ただ、PKOで問題になった2例をみると、国連もいいかげんな責任転嫁が目立つ。今後は、PKO派遣要請がありそうな場合は、憲法の制約から第3世代PKOのマンデートは達成出来ない旨を説明し、逃げ回るべきだ。それでも逃げ切れない場合でも、横山氏が主張するように役割、位置づけを明確にした上で、国民に対しても犠牲もあり得ることを説明して派遣するしかないのではなかろうか。
タグ:PKO ボスニア・ヘルツェゴビナ 天木直人 ルワンダ虐殺 JBPRESS 週刊エコノミスト 現代ビジネス 同氏のブログ 横山 恭三 PKO日報問題 (稲田大臣辞任で終わらせてはいけない「日報隠ぺい」本当の問題点、国会に呼ぶべきもう一人は前田忠男陸幕監部防衛部長だ、自衛隊の日報問題 責任はすべて政府にあり) 布施 祐仁 稲田大臣辞任で終わらせてはいけない「日報隠ぺい」本当の問題点 これではトカゲの尻尾切り、だ 自衛隊「日報隠蔽問題」 発端は、ジャーナリストの布施祐仁氏がその開示を防衛省に求めたことにあった 特別防衛監察の結果 意図的に開示しなかったことを、情報公開法の開示義務違反および自衛隊法の職務遂行義務違反と認定 稲田朋美防衛大臣の隠蔽への関与については、非常にあいまいな結論 稲田氏が陸自に日報データが保管されていた事実を早い時期から知っていたのではないかとの疑惑は晴れない結果 稲田氏の主張と陸自側の主張は食い違ったままだ 稲田氏の主張が虚偽ならば、陸自の日報保管について報告を受けながら、その後も「陸自では適正に廃棄された」と虚偽答弁を続けたことになる。逆に、稲田氏の主張が真実ならば、陸自側が大臣を辞任に追い込むために、虚偽の情報を流したことになる 与党が閉会中審査への稲田氏の参考人招致を拒否 このまま真相を明らかにすることなく幕引きを図れば、防衛省・自衛隊に重大な禍根を残すことになるだろう 最初の隠蔽を隠すために、大きなリスクを冒して隠蔽の上塗りをしてしまったのである 今回の日報問題では安倍首相をはじめ、内閣の責任が厳しく問われなければならない 隊員の家族に対する虚偽の説明 今回のように重要な情報が隠蔽されてしまったら、国民はその結果に責任を負うことができない 国会に呼ぶべきもう一人は前田忠男陸幕監部防衛部長だ 平田崇浩毎日新聞編集委員 陸自幹部たちは『銃殺刑』にならず、防衛省トップの首をとる『成功体験』を手にした。自衛隊の発足から67年。戦後民主主義の中から育まれた文民統制に大きな禍根を残した 自衛隊の日報問題、責任はすべて政府にあり 隊員の犠牲を覚悟せずにPKOに自衛隊を派遣すべきでない 2008年以降は毎年100人以上が犠牲 今やPKOに参加する場合には犠牲を覚悟しなければならないのが実態 我が国政府の認識では犠牲を伴わないPKO活動を前提 市民などの虐殺を阻止できず、7月の3日間で保護施設にいた20人以上の避難民を含め、少なくとも73人が死亡 UNMISSの軍司令官を務めるケニア軍中将を更迭 国連憲章に明文規定のないPKO スレブレニツァの虐殺 オランダ政府が部分的に責任を認め、2002年4月、当時の内閣は総辞職 国際連合平和活動に関するパネル報告書 ブラヒミ報告 停戦監視を目的とする第1世代PKO 紛争後の国家再建の支援を目的とする第2世代 紛争地域における民間人保護を目的とする第3世代PKO 筆者は、派遣部隊隊員の生命が危険にさらされる可能性のある第3世代PKOに自衛隊を派遣すべきでないことを提言 施設部隊ではなく普通科部隊の派遣を 我が国の派遣部隊は憲法の許す範囲でしか行動できないため他国の派遣部隊と同様な行動ができない 政府は、派遣された部隊ができること、できないことを事前に国連と調整しておくとともに、撤退時期の決定権はわが国あることを確実にしておくことが重要である NHKが陸自にも日報が保管されていたことをスクープ 当時、安倍内閣が進めようとしていた最重要政策の一つが、安保関連法に基づく新任務の南スーダンPKO派遣部隊への付与であった もし9月中旬に日報が開示されていれば、9月末に始まった臨時国会で大議論になり新任務の付与は実現しなかったかもしれない。逆に言えば、その危険性があったからこそ、日報は隠蔽されたのではないか 特別防衛監察の結果報告書 本来国民に情報公開されるべきであった日報が隠蔽された上で、自衛官のリスクをより高める「駆け付け警護」などの新任務付与が閣議決定された事実 新任務付与の正当性そのものが揺らぐ事態 防衛省・自衛隊が日報を隠蔽した背景には、安倍内閣の「派遣継続ありき」「新任務付与ありき」の姿勢があったと指摘せざるを得ない 自衛隊の任務遂行の結果に最終的に責任を負うのは、この国の主権者である国民 8月3日の内閣改造で稲田防衛大臣が交代させられることはもはや確定していたのに、そうはさせじと陸自は稲田大臣の首を取りに行ったのだと 河野統幕議長の後任に決まっていた岡部陸上統幕議長を引責辞任に追い込んだ稲田防衛相を許せないというわけだ 稲田大臣は知っていたと、あらたなリークをして、国会虚偽答弁の責任を浮上させ、内閣改造を待たずに辞任せざる得ない状況に稲田大臣を追い込んだのだ 前田忠男・陸上幕僚監部防衛部長 国際社会と我が国のPKOに対する認識の差は非常に大きい 近年、軽装備のPKOのマンデートに文民保護(地元住民、国連職員、NPO職員など)の任務が加えられるようになってきた。その結果、PKO要員の安全確保など様々な問題が生じることとなった 南スーダン派遣団(UNMISS)における軍司令官の更迭 国連関連機関がUNMISSに対して警護を要請したが、UNMISSは、対応能力がないとして要請を却下 ケニア政府は、そもそも国連がUNMISSへ必要な人員と装備を割当てなかった責任を転嫁したものだ、として強く反発しケニア部隊を撤退させてしまった 安保理はPKOに対し、攻撃の危機が迫っている民間人を保護したり、国家当局による法と秩序の維持を支援したりするために「マンデート防衛」のための武力行使を認めたのである UNAMIRの増員は、加盟国からの自発的提供がなく、遅々として進まなかった この間すなわち5月22日から27日までの間に、25万人から50万人もの大量の住民が組織的に虐殺された スレブレニツァをセルビア人武装勢力が急襲し、イスラム教徒の成人男性や少年約8000人を連れ去り殺害し、遺体を集団墓地に埋めるという事件が発生 国連保護軍(UNPROFOR)の200人のオランダ兵士が駐留していたが、軽装備だったため、セルビア人の急襲を阻止できなかった 派遣せざるを得ない状況になった場合、政府は国民に対して自衛隊を派遣する意義を説明するとともに、犠牲者および遺族などに対する福利・厚生面を充実させることはもちろん、犠牲を最小限にする措置を講じた上で犠牲を覚悟していることを国民に明らかにするべきである
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