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金融規制・行政(その2)(金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める、金融庁・森長官が廃止 「ノーパンしゃぶしゃぶ局」の黒歴史、証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力" 「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる) [金融]

金融規制・行政については、3月3日に取上げたが、今日は、(その2)(金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める、金融庁・森長官が廃止 「ノーパンしゃぶしゃぶ局」の黒歴史、証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力" 「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる) である。

先ずは、8月25日付け日経ビジネスオンライン「金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める 森信親長官が3年目に突入し「総仕上げ」へ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽強権を振るった「副作用」が深刻に
・金融庁の森信親長官の3年目がスタートした。これまで進めてきた金融行政の改革の総仕上げを行うことになる。日本の金融機関はバブルの崩壊で抱え込んだ不良債権を一掃し、ほぼ健全な資産状態に回復した。一方で、金融ビジネスの多様化や世界的な低金利に伴い、従来型の貸金業務では収益を稼げない構造問題に直面している。国内でも地方銀行や信用金庫・信用組合、農協など、金融機関の再編淘汰は進んでおらず、「オーバーバンキング」の状態が続いている。金融機関に「自立」を求める森流改革は成功するのだろうか。
・「金融庁、検査局を廃止 金融機関との対話重視」。8月22日に日本経済新聞がそう報じると、関係者の間からは驚きの声があがった。「遂に、そこまで踏み込んだか」と森流改革の本気度を思い知らされたというのだ。 銀行などに立ち入り検査する「強権」は金融庁の金融機関に対する権力の源泉である。金融機関の経営者が金融庁の意向に逆らわず、従順に行動してきたのは、この金融庁の強権によって牙を抜かれてきた歴史があるからだ。
・検査を巡って金融庁の怒りを買い、他行との合併を迫られた銀行を見て、多くの銀行経営者が震え上がった。その主戦場が「検査」であり、それを担ってきたのが「コワモテ」の検査局だったのだ。それを廃止するというのだから、金融関係者が目を疑うのも無理はない。
・だが、金融庁が検査で強権を振るった「副作用」も大きかった。金融機関の経営の自主性が薄れ、すべて金融庁の意向を忖度する、形を変えた「お上頼み」が蔓延してしまったのである。金融庁の指導はしばしば「箸の上げ下ろしまで口を出す」と批判されたが、一方で、地方銀行の経営者などは、箸の使い方を自ら考えない風潮が広まった。
・そこにメスを入れようとしているのが森流の改革で、金融行政の大きな方針は明確に示すものの、各行の経営は自ら考えて行えという方向を示してきた。それが遂に、検査局の廃止という組織体制の見直しにまで及び、方向性が一段と明確になったのである。これに合わせて、銀行経営者が最も気にしてきた「金融検査マニュアル」も廃止されることになった。
▽組織再編で「企画機能」を強化する
・もちろん、金融庁の権力の源泉である「立ち入り調査権」を放棄するわけではない。検査局は監督局に統合し、監督局が立ち入り調査権を握ることになる。ただ、従来から監督局が行ってきた金融システムを維持するための、金融機関の経営チェックと統合され、検査・懲罰型から対話・経営改善型へと金融庁の関わり方が変わっていくことになる。記事の見出しに「金融機関との対話重視」とあったのは、このためだ。
・組織体制の見直しに踏み込んだのにはもう一つの狙いがある。金融庁設立以来の悲願である「企画機能」の強化だ。検査局を廃止して監督局に統合する一方で、これまであった「総務企画局」を改組して「総合政策局」を作る。名前の通り、総合的に政策を立案・運用する局とし、他省庁の官房と同様の機能を持たせる。金融システムの安定を目的に、金融機関や資本市場の監督方針などを検討する機能を担う。総務企画局の仕事の中でも、市場のルールづくりや企業情報の開示などについては名称を変更して「企画市場局」として引き継ぐ。
・本来は、「総合政策局」を追加で新設したいところだが、行政改革の一環で局の数を増やせないため、検査局と監督局の統合で局をひとつ減らし、その枠を総合政策局に当てる。 組織改正は金融庁発足以来、20年にわたる悲願ともいえるが、財務省には「財金一体」を求める声が今もくすぶる。20年前に金融庁が発足する前までは財政と金融行政は大蔵省が一体で扱っており、その体制に回帰したいと考える向きがある。20年前の「財金分離」の改革の揺り戻しだ。
・第2次安倍内閣になって金融担当大臣は財務大臣が兼務しており、金融庁幹部と財務省幹部の交流人事も復活している。そんな中で、金融庁に強固な企画部門ができれば、金融庁の独立性が一段と高まることになるだけに、今後の組織改正では議論になる可能性もある。組織改正は調整や政治判断などを経て年末までに固まり、2018年の夏の人事に合わせて新体制に移行される見通しだ。
・森体制は3年目を迎えて「最強の布陣」になっている。次官級の金融国際審議官は氷見野良三氏が続投。氷見野氏は世界の銀行監督機関である国際決済銀行(BIS)バーゼル委員会の事務局長を務めた経験もあり、金融の世界では国際的に知名度が高い。総務企画局長の池田唯一氏は4年目に突入、遠藤俊英・監督局長、三井秀範・検査局長もともに3年目に入った。
・金融行政は特に専門性が問われるが、それぞれの分野に精通したベテラン揃いの布陣になっている。1、2年でポストを交代していくケースが圧倒的に多い霞ヶ関の中では、極めて異例の体制になっているわけだ。幹部が長期にわたって代わらないことには「人事の滞留」「上が重くて若手が登用されない」といった批判も根強いが、森改革の総仕上げを行うには絶好の、重厚な布陣になっているといえる。
▽金融機関の行動原理を変えられるか
・問題は、こうした金融庁側の「変化」に伴って、金融機関のトップの意識や行動がどれだけ変わるかだ。  「地銀のトップの大半は、このままでは将来がないと言いながら、リスクをとって自ら何か新しい事をやろうという気概はない」。地銀の経営相談を受けるコンサルタントは、こう語る。「隣の銀行は何をやろうとしているか、と聞かれる。横並びの発想から抜けられない」というのだ。 金融庁も地銀経営者らに、自ら考えて収益モデルを再構築するよう迫っているが、動きが鈍い事に苛立っている。
・森長官の右腕である改革派幹部のひとりは、「バランスシート上は問題がなくても、収益力からみて将来性のない地銀などには、今後、厳しく対応することになるだろう」と予告する。つまり、検査上はパスするような銀行でも、明らかに将来性がなければ、強く経営指導していくということだ。
・果たしてそれが、再編を求めることなのか、淘汰も辞さないということなのか、現段階では分からない。ただこのままではジリ貧が予想される金融機関を放置しておくのは、将来の金融システムに禍根を残すことになりかねない。 従来の貸金業務や決済機能に依存した金融機関経営がこのままではもたないことは明らかだ。資産運用など、顧客のリスクで手数料などの収益を上げるモデルでしか低金利下で生き残るのは難しい。とはいえ、資産運用に当たれる人材が育っている地銀などはまだまだ少数だ。
・現状は、低金利が続いているものの、企業の倒産件数が大幅に減るなど、景気回復基調に支えられ、金融機関の収益は何とか維持可能な状況だ。だが、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが終わり、景気が下り坂になれば、再び不良債権が拡大し、銀行経営の足を引っ張る環境に変わる可能性もある。
・そうなった時に、金融庁はどう金融機関と「対話」するのか。森長官体制では厳しく自立を迫るというが、その方針は次の長官以降にも引き継いで行けるのか。「対話重視」はともすると、旧来の護送船団方式のように、お上が銀行を助けるスタイルを容認することになるかもしれない。そんな逆戻りを許さないためにも、3年目の森長官体制では、金融機関の「自立モデル」が目に見える形の成果として現れてくることが求められそうだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/238117/082400057/?P=1

次に、8月30日付けNEWSポストセブン「金融庁・森長官が廃止 「ノーパンしゃぶしゃぶ局」の黒歴史」を紹介しよう。
・金融行政改革の豪腕で知られる森信親・金融庁長官(60)が振るった大ナタに、注目が集まっている。森長官率いる金融庁は、金融機関の不良債権を厳しくチェックしてきた「検査局」を来年夏までに廃止し、監督局に統合する方針を固めた。
・「不良債権処理を迫る検査局は『金融処分庁』と言われた古い体制の象徴。それを廃止し、金融機関との対話を重んじていく方針に変えていくというのは、まさに森改革の集大成です」(金融ジャーナリストの浪川攻氏) 
・検査局には、もう一つの隠された歴史がある。検査局の前身は、1998年の「ノーパンしゃぶしゃぶ接待事件」に関わった旧大蔵省の金融検査部だ。金融検査部の官僚らが、本来チェックする対象であるはずの大手銀行から接待を受け、情報を渡していたこの事件は、金融検査部官僚2人が収賄容疑で逮捕されるなど、一大スキャンダルへと発展した。 その際、検査部への批判が噴出したため、検査部が金融庁に移管され、2001年に検査局になったいきさつがある。
・実は森長官も、この事件に関わっていた。当時大蔵省にいた森氏は事件の際、検査部ではなかったものの銀行から供応接待を受けたとして戒告処分を食らっていた。 「森長官は、ノーパンしゃぶしゃぶの影が残り、自身の“黒歴史”にも関わる検査局を潰したかったのではないかと噂する人もいる」(金融庁関係者)
・任期3年目の森長官は菅義偉・官房長官はじめ官邸からの信頼も篤く、黒田東彦・総裁が来春任期を終えることにともない、次期日銀総裁の候補として名前が挙がっている。 「森長官は総裁候補としてマスコミに出る度に『名前が挙がるのは嬉しいけどね~』とまんざらじゃなさそうな顔をしている」(同前) 黒歴史を消し去り、さらなる栄光のキャリアへ進むつもりか。
http://www.news-postseven.com/archives/20170830_607977.html

第三に、マネックス証券 執行役員の大槻 奈那氏が8月28日付け東洋経済オンラインに寄稿した「証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力" 「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・AI(人工知能)の進化とともに消滅するといわれる職業の一つが、企業の収益や株価を予想する「証券アナリスト」である。しかし、証券アナリストは、AIの進化を待たずして、その大半が淘汰される可能性が高まっている。MiFID II(ミフィッド2)という、新型爆弾のような名前の、金融の新規制の影響だ。
・これにより、来年1月から、投信や投資顧問などの運用会社は、外部からのリサーチ(調査)購入を原則として禁止される。運用会社は、例外規定の下でリサーチ購入を続けるだろうが、それでも需要縮小は必至だ。この規制の影響で世界の証券アナリストは半数以下になるという試算もある。同時に、株価を左右する企業の収益予想自体も大きく変わりそうだ。ミフィッド2の"殺傷力"はどの程度なのか。
▽世界の証券会社を襲った衝撃
・「ミフィッド」(Markets in Financial Instruments Directive) という規制は、欧州版の「金融商品取引法(金商法)」のことである。2007年11月に、投資家保護を主眼に施行された。日本の金商法と同様に、運用会社や証券会社に対し、投資家に合った取引商品の提供や、取引の透明化などを義務づけている。 そこまでは日本にも見られる自然な流れで、まったくサプライズはない。しかし、2014年6月に公布された改正法「ミフィッド2」が示した手数料規制の大幅な厳格化は、世界の大手金融機関を震撼させた。
・対象となるのは、欧州の投資家のおカネを預かる運用会社と、これらに対してリサーチを提供する証券会社。それ以外の地域の金融機関は対象外なのだが、現在、世界中でミフィッド2の要件を満たせるよう手数料体系の見直しが行われている。各地域で別々の対応をすると透明性が失われるうえ、将来的にはミフィッド2的な規制が世界標準になるとみられているためだ。
・リサーチにかかわる料金体系はどう変わるのだろうか。現在、運用会社が証券会社に支払う手数料は、主に「ブローカーポイント」という評価ポイント制で決められている。運用会社は、毎月または四半期ごとに各証券会社にポイントをつけ、その総点に応じて株式の売買手数料を支払う。
・この「ポイント」にはさまざまな評価項目がごちゃまぜに入っている。主なものは、アナリストのリサーチ提供、株などの売買の執行、投資先企業や重要人物などとの会合の設定などだ。ただ、定性評価が多いため、運用に直結しない要素、たとえば、運用会社と証券会社のアナリストやセールスマンとの親密度なども何となく含まれている。
・ところがミフィッド2では、運用会社が外部リサーチを購入することは「原則として禁止」とされた。購入されたリサーチが本当に投資家のためになっているのかが不透明なためだ。 ただしこれには例外規定がある。例外的に認められるリサーチの購入のためには、運用会社は、どんなリサーチにどれくらい支払ったかを、おカネを預けている人や企業に対して明示しなければならない。リサーチ費用の年度予算は事前に決めることが義務づけられ、その予算を各チームに割り当てることになる。このため、データの必要性やその情報がもたらす価値がこれまでよりも厳しく精査されることになる。
▽一部の証券会社の"お品書き"は強気
・ミフィッド2は、500ページにわたる複雑な法律で 、証券会社の間でもまだ戸惑いの声が多い。それでも、年明けの適用まで、あと4カ月しか残されていない。 このため、すでにいくつかの証券会社は、運用会社に課す手数料の体系案を提示している。世界の平均は、アナリスト・リポート購読料だけで、運用会社1社当たり年間800万円程度である 。アナリストへのミーティングや個別分析の依頼については、さらに1回につき数万円〜数十万円の別料金を要求するとみられる。
・もっとも、これらのアナリスト料金の"お品書き"は証券会社によってかなりバラツキがあるようだ。たとえば英国のバークレイズは、リサーチのサービスレベルを「金」・「銀」・「銅」の3種類に分け、運用会社1社当たり年間400万円から5000万円を要求すると報じられている 。 しかし、これらの証券会社の価格設定は、運用会社の予算とまだそうとうギャップがあるとみられる。ある世界最大級の運用会社は、年間調査費用を5.5億円以下とする予算を公表した。事前には、この20倍の110億円程度とも予想されていたので、想定外の低さだ。
・現在、運用会社が証券会社などに支払っているリサーチ料金は、預かり資産に対して年0.05~0.07%程度とみられる。しかし、今回提示されたこの運用会社のリサーチ予算案は、預かり資産に対してわずか0.0001%だ。この運用会社は特に節約型だとみられるが、ほかの運用会社でも、予算は預かり資産に対して0.01%に満たない額が提示されている。
・これらの予算案の詳細はまだ不明だが、おそらく現在支払っているリサーチ料金よりもかなり少ないとみられる。AIを活用したり、新たに人材を採用したりして、運用会社自身の調査機能を充実させることで証券会社への支払いを抑制しつつあることが背景にある。
▽リサーチ料金は3割程度減少との試算も
・あるコンサルティング会社は、ミフィッド2施行後は、リサーチ料金が3割程度減少すると試算する 。しかし、この試算はまだ甘いかもしれない。報じられている大手運用会社のリサーチ予算は、現在の数分の1とみられる。だとすると、世界全体のリサーチ料金は3割減どころか5割以上減少する可能性もある。
・現在、世界には6000人弱のアナリストがいるとみられる。多い企業では、1銘柄について数十人が同じような決算リポートを出している。たとえば、米国のアップル社を調査しているアナリストは60人もいる 。世界で毎日8000通ものリサーチリポートが発行されるが、読まれるのはわずか数%といわれる。いずれにしても、アナリストの数は整理される方向だったと思われるが、ミフィッド2でその動きに拍車がかかりそうだ。
・ミフィッド2の影響は、アナリストの失業だけではない。世界の株式市場にとって大きな影響の出る可能性がある。 もちろん、プラス面もある。現在、運用会社は収益の1割前後をリサーチ料金として証券会社に支払っているもようだ。しかし、前述のとおり、支払いには投資成績に直結しない要素も暗に含まれている。今後運用会社がこれらを削って、低コストで高パフォーマンスを上げられるなら、おカネを託す投資家にとってはありがたい話だ。
▽おカネを払わない個人は情報が得られない
・ただし、懸念材料も多い。まず、アナリストリポートの開示範囲が狭くなる可能性が高い。これまでは、一部の大手証券会社のリサーチリポートは、その証券会社の顧客でなくても、ネット上など何らかの形で読むことができた。しかし今後は、多額の支払いを行う顧客からのクレームが怖いので、顧客以外はリポートを見ることができないように工夫が凝らされるだろう。同様にアナリストのメディアに対するコメントも自粛が促され、個人投資家と機関投資家との情報格差が大きくなる可能性もある。
・また、短期的な株価の変動を予想するようなリポートが増えそうだ。リポートの成果を、なるべくわかりやすい形で示す必要があるためだ。長期的視点に立った深い内容でも、すぐには投資収益に結び付つかないようなリサーチは減少する可能性もある。
・また、小型株への対応は証券会社によって大きく分かれるだろう。外国人投資家相手の証券会社は、より多くの大手運用会社から評価される必要があるため、ニッチな小型株に関するリポートを圧縮するだろう。一方、国内系はむしろ小型株の分析を充実させて、外資系との差別化をはかると考えられる。
・いずれにしても、証券アナリストは、世界的にリサーチ予算圧縮の憂き目に遭うと予想される。各業界担当3〜5人程度の精鋭のアナリストたちは、どの証券会社からもひっぱりダコになるものの、そうでない多くのアナリストは淘汰されていくだろう。
・「変化する者だけが生き残れる」とは、進化論を唱えたダーウィンの言葉とされるが、証券アナリストも例外ではない。激変に適応していかないと、AIと戦う機会すら与えられずに淘汰されるかもしれない。
http://toyokeizai.net/articles/-/185842

第一の記事にある 『検査を巡って金融庁の怒りを買い、他行との合併を迫られた銀行を見て、多くの銀行経営者が震え上がった』、とは検査先の資料を隠したとして、検査忌避で刑事告発され、公的資金注入を回避するため、東京三菱銀行との合併を余儀なくされたUFJ銀行のことであろう。 『「バランスシート上は問題がなくても、収益力からみて将来性のない地銀などには、今後、厳しく対応することになるだろう」』、と個々の地銀経営者の「無為無策」ぶりを批判するが、異次元緩和で金利の利回り曲線(イールドカーブ)をフラット、或いはマイナスにまで崩した状態を続けていることが、銀行の収益力を奪った主因であることを無視した乱暴な議論だ。銀行はマクロ的にみれば、短期金利が低く、長期金利が高いというイールドカーブを活用して、短期で調達、長期で運用することで、利鞘を確保するが、この収益構造の基本が異次元緩和で崩れたままになっている。無論、ミクロ的には優良企業の発掘、育成などによる貸出増加といった部分もあり、金融庁はこれを求めているが、マクロ的動向に左右される部分の方が大きいのではなかろうか。
第二の記事では、 『任期3年目の森長官は菅義偉・官房長官はじめ官邸からの信頼も篤く、黒田東彦・総裁が来春任期を終えることにともない、次期日銀総裁の候補として名前が挙がっている』、とのことだが、異次元緩和の「出口」での大混乱が生じる可能性が強いことから、完全に「ババ」を掴むことになるのではなかろうか。銀行にとっては、利回り曲線の復活そのものは好材料だろうが、大混乱の影響も無視できない。
第三の記事の著者は、メリルリンチ日本証券で銀行担当シニアアナリストを務め、現在もマネックス証券でチーフ・アナリストをしているだけに、このrテーマは自分自身にとっても重大な問題だ。もともと、アメリカでエンロンのワールドコムが突如、破綻した際に、アナリストのあり方が問題になった。これら2社からの投資銀行部門の発注を狙っている大手証券会・銀行のアナリストが、これら2社に喜ばれるような「買い」推奨のレポートで、最終的に投資家に大損害を与えた。このため、アナリストは投資銀行部門のためでなく、投資家のために中立的な立場で活動できるような仕組みが求められた。今回の問題は、収入に直接絡むだけにより深刻だ。  『現在、運用会社が証券会社などに支払っているリサーチ料金は、預かり資産に対して年0.05~0.07%程度とみられる。しかし、今回提示されたこの運用会社のリサーチ予算案は、預かり資産に対してわずか0.0001%だ。この運用会社は特に節約型だとみられるが、ほかの運用会社でも、予算は預かり資産に対して0.01%に満たない額が提示されている』、というのでは確かに大変だろう。 『激変に適応していかないと、AIと戦う機会すら与えられずに淘汰されるかもしれない』、は悲痛な叫びだ。
タグ:金融庁 東洋経済オンライン 証券アナリスト 日経ビジネスオンライン Newsポストセブン 大槻 奈那 金融規制・行政 (その2)(金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める、金融庁・森長官が廃止 「ノーパンしゃぶしゃぶ局」の黒歴史、証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力" 「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる) 金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める 森信親長官が3年目に突入し「総仕上げ」へ 森信親長官 従来型の貸金業務では収益を稼げない構造問題に直面 再編淘汰は進んでおらず、「オーバーバンキング」の状態が続いている 検査局を廃止 金融機関との対話重視 検査を巡って金融庁の怒りを買い、他行との合併を迫られた銀行を見て、多くの銀行経営者が震え上がった 「副作用」も大きかった 経営の自主性が薄れ、すべて金融庁の意向を忖度する、形を変えた「お上頼み」が蔓延 金融検査マニュアル」も廃止 組織再編で「企画機能」を強化 地銀のトップの大半は、このままでは将来がないと言いながら、リスクをとって自ら何か新しい事をやろうという気概はない 隣の銀行は何をやろうとしているか、と聞かれる。横並びの発想から抜けられない バランスシート上は問題がなくても、収益力からみて将来性のない地銀などには、今後、厳しく対応することになるだろう」 金融庁・森長官が廃止 「ノーパンしゃぶしゃぶ局」の黒歴史 金融処分庁 1998年の「ノーパンしゃぶしゃぶ接待事件」 旧大蔵省の金融検査部 金融検査部官僚2人が収賄容疑で逮捕 検査部が金融庁に移管され、2001年に検査局になったいきさつがある 任期3年目の森長官は菅義偉・官房長官はじめ官邸からの信頼も篤く 黒田東彦・総裁が来春任期を終えることにともない、次期日銀総裁の候補として名前が挙がっている 証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力" 「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる AI(人工知能)の進化とともに消滅 MiFID II(ミフィッド2) 来年1月から、投信や投資顧問などの運用会社は、外部からのリサーチ(調査)購入を原則として禁止される 運用会社は、例外規定の下でリサーチ購入を続けるだろうが、それでも需要縮小は必至 欧州版の「金融商品取引法(金商法)」 2014年6月に公布 改正法「ミフィッド2」が示した手数料規制の大幅な厳格化は、世界の大手金融機関を震撼させた 現在、運用会社が証券会社に支払う手数料は、主に「ブローカーポイント」という評価ポイント制で決められている 「ポイント」にはさまざまな評価項目がごちゃまぜに入っている アナリストのリサーチ提供、株などの売買の執行、投資先企業や重要人物などとの会合の設定などだ 例外的に認められるリサーチの購入のためには、運用会社は、どんなリサーチにどれくらい支払ったかを、おカネを預けている人や企業に対して明示しなければならない 運用会社に課す手数料の体系案を提示 世界の平均は、アナリスト・リポート購読料だけで、運用会社1社当たり年間800万円程度 ある世界最大級の運用会社は、年間調査費用を5.5億円以下とする予算を公表した。事前には、この20倍の110億円程度とも予想されていたので、想定外の低さだ 運用会社が証券会社などに支払っているリサーチ料金は、預かり資産に対して年0.05~0.07%程度とみられる。しかし、今回提示されたこの運用会社のリサーチ予算案は、預かり資産に対してわずか0.0001%だ。この運用会社は特に節約型だとみられるが、ほかの運用会社でも、予算は預かり資産に対して0.01%に満たない額が提示されている リサーチ料金は3割程度減少との試算も 低コストで高パフォーマンスを上げられるなら、おカネを託す投資家にとってはありがたい話だ おカネを払わない個人は情報が得られない 「変化する者だけが生き残れる」 進化論を唱えたダーウィンの言葉 証券アナリストも例外ではない。激変に適応していかないと、AIと戦う機会すら与えられずに淘汰されるかもしれない
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