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トランプ大統領(その23)(「トランプは密約をしていた」 トランプ政権の最大のリスクが雲散霧消した、欧米で台頭する「白人至上主義」は「「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義、白人至上主義、トランプ氏の奇策 歴史的な移民改革の扉開くか) [世界情勢]

トランプ大統領については、8月26日に取上げた。今日は、北朝鮮との関係以外の問題について、(その23)(「トランプは密約をしていた」 トランプ政権の最大のリスクが雲散霧消した、白人至上主義、欧米で台頭する「白人至上主義」は「「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義、白人至上主義、トランプ氏の奇策 歴史的な移民改革の扉開くか) を取上げよう。

先ずは、投資銀行家のぐっちーさんが8月26日付け東洋経済オンラインに寄稿した「ぐっちーさん「トランプは密約をしていた」 トランプ政権の最大のリスクが雲散霧消した」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・みなさま、お盆はいかがお過ごしでしたか?日本は相変わらず平和でしたが、アメリカはもうグチャグチャになっておりました。
▽「トランプ政権はアメリカ・ファースト」は本当か
・8月12日、バージニア州・シャーロッツビルでの白人至上主義と反対派の衝突に対し、8月15日にドナルド・トランプ大統領は「双方に非がある」と発言しました。メディアのみならず、共和党内部からも非難轟々となり、これだけでも大騒ぎだったのですが、極めつけは18日になんと、スティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問が辞任(事実上の解任)してしまったわけです。
・これまでトランプ大統領を思想的に支えてきた人物で、これでいわゆるトランプ人脈としてはマイケル・フリン(更迭時は大統領補佐官、以下同)、ショーン・スパイサー(報道官)、ラインス・プリーバス(大統領首席補佐官)、アンソニー・スカラムッチ(広報部長)といった「アメリカ・ファースト」を謳ってきた連中がいたわけですが、彼らホワイトハウスの要職が次々に解雇されたうえに、バノンとなるともう、これはトランプ大統領がホワイトハウスのマネジメントができていないと言われても仕方ありません。
・日本のメディアはトランプ政権の「アメリカ・ファースト」こそがトランプ政策の中核だ、というような報道の仕方をしますが、実際はそうでもない。この「トランプ人脈」と、いわゆる「グローバリスト」(伝統的な共和党の考え方に近い人脈)、そして「MMT」(ジェームズ・マディス国防長官、ハーバード・マクマスター大統領補佐官、レックス・ティラーソン国務長官)と呼ばれる軍人派がそれぞれぶつかりあい、全く収拾がつかなかった、というのが真相です。
・現在のところ、実際には影の将軍として権力を示しつつあるジョン・ケリーが首席補佐官というポストに入ってきたときから、軍人による影響力がかなり強くなりつつあり、彼自身、どうも自身が首席補佐官で入ってきたときにその引き換えにバノンを切る、というような密約があったのではないか、と言われているようです。
▽「ケリー将軍」の影響力はかなり大きそうだ
・ケリー自身は海兵隊大将で、輝かしい軍歴を誇り、あらゆるレベルで尊敬を集める人物です(アメリカでマリーン Marine というのは一種独特の響きがあり、出身者自体、国民から大変な尊敬を集めるのですが、その大将となればすさまじい地位があるわけです。「NCIS」などというマリーンを取り扱ったテレビドラマ(NCISは海軍犯罪捜査局のこと)が全米ベストセラーになっているくらいです)。
・実際ケリーは過去、トランプ大統領からの首席補佐官就任の依頼を何度も断っており、なぜ最終的に受けたか、と言えば、やはりアメリカという国のために自分は忠誠を尽くす、というマリーンとしてのプライドがあったことと、このバノン解任という条件をトランプ大統領がのんだ、と言う話には十分に説得力があります。
・当然、ケリーは軍人つながりであるいわゆるMMT(マクマスター、マティス、ティラーソン)に対しては強烈なシンパシーを持っていることは間違いなく、特にマクマスターとは長年の盟友関係にあり、最近特に激しく激突していたバノンとマクマスターの関係を見れば、どちらかを解任する、というのは実は自然な流れでした。
・その中で、ケリーが首席補佐官として入ってきて、当然盟友のマクマスターと手を組む、というのも「十分あり」なわけ、です。一時期マクマスター解任、と言うような話が出てきて、そうはいっても幾らなんでもバノンは切れないだろう、と大多数のメディアは考えたんだろうと思いますが、こうしてバノンを切ったところを見ると、「ケリー将軍」の影響力はかなり大きいと見たほうが良さそうです。
・ということで、全く終わる気配のない「トランプ劇場」ですが、結局はMMT、及びグローバリストと呼ばれるグループが主導権を握りつつあり、いわゆる「アメリカ・ファースト」を叫んでいたトランプ人脈と言われる人たちは「切腹」させられた感があります。 
・昨年トランプ政権に対するコメントに書いた通り、どうも西郷隆盛的な役割を果たし(不満分子をすべて連れて戦争をしかけ、城山で全員切腹してしまい、結果的に新政府に対する不満分子が一掃された)、結局は共和党の伝統的政治手法(軍人、グローバリスト、多国籍企業が中心)に戻ってくる、という当初の予想が当たりそうな気がします。それにしてもアメリカ・ファーストという明らかに共和党にはなじまない政策ではあったのですが、トランプ人脈の人たちがこうして次から次と切られるとなると、トランプ大統領の求心力が落ちるのは当然です。
・最近バノンとマクマスターが一番対立していたのはアフガニスタン問題です。「撤退するべきだ」とするバノン・トランプに対し、「増派するべき」としていたのがマクマスター。その線上にマクマスター辞任という話が出てきたのですが、ケリーの後押しで結局バノンが解任、そして21日にはトランプ大統領自身がアフガニスタン駐留の継続を発表しました。結果としてこれで、マクマスター・マティスのいわゆる軍人ラインにトランプ大統領が乗ったことが明らかになりました。
▽トランプ政権は安定する可能性すらある
・ここから先は、考え方は二つあります。 トランプ人脈はバラバラになったものの、まだ「トランプファミリー」(長女のイバンカ・トランプ及び、その配偶者であるジャレッド・クシュナー)は健在です。
・一方、力を増した軍人、グローバリスト、大企業などの従来からの共和党支持者が力をもつなら、議会で主導を握っているわけですから、政権としてはむしろ安定化する可能性すらあります。
・リスクは先日のシャーロッツビルでのトランプの発言で、共和党内の影響力の強い、ユダヤ系議員がどうでるか、という点に尽きると思います。一時、ゲーリー・コーン国家経済会議委員長兼経済担当大統領補佐官の辞任もうわさされましたが、彼はユダヤ系なので「人種差別に関する発言には耐えられない」と言った、とも伝えられました。また、人種差別発言に対しては力を持ちつつある軍人系の人達からも反対の声が出てきており、ここで彼らが一枚岩になる可能性は十分で、反トランプの機運が一気に盛り上がる可能性も一方ではあります。
・マーケットが妙に静かなのは、どうもこの前者のシナリオを見ているようで、であればウォールストリートにとっては実に居心地がいい政権が出来上がることになります。
・貿易問題も同様で、最も強硬だったバノン自身がいなくなってしまい、伝統的共和党志向に戻ってくる、ということになれば、それほど強硬なこと(スーパー301条の適用など)を言う理由はなくなってきます。ああいう強硬な貿易政策はすべてアメリカ・ファーストの人々が主張していたことですから、誰もいなくなってしまい、親分までいなくなってしまうなら、もう共和党としては無理してやる必要のない政策と言えるでしょう。そもそもTPP(環太平洋経済連携協定)に賛成していたのは共和党なんですからね、どうするんでしょうか。
・いずれにせよ、マーケットはこれらのことから「安定」と読み取っているのが今の姿といえるでしょう。マクロ経済統計も非の打ちどころがないくらい良いわけですし、株価も絶好調。裏付けになる企業決算もIT業界を中心にまさに「快進撃」を続けており、一番のリスクである「トランプがなんか変なことをやるかもしれない」というリスクがバノンと共に霧消した今、マーケットが混乱する理由はむしろなくなった、というのが正解でしょう。しばらくシートベルトサインは消したまま飛行を続けられそうです。
http://toyokeizai.net/articles/-/186028

次に、9月13日付けNHK時論公論「白人至上主義」(別府 正一郎 解説委員)を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽始めに
・建国以来、人種差別撤廃の歩みを進めてきたアメリカで、白人が最も優れた人種だと主張する白人至上主義団体がかつてないほど公然と活動するようになっています。各地で、これに抗議するデモ隊と衝突し、8月には死者が出るなど対立はエスカレートする一方です。自由や平等というアメリカが掲げる理想はどうなっているのか。アメリカ社会で先鋭化する対立とその波紋について解説します。
▽解説のポイント
・①まず、「白人至上主義団体の実態」を見ます。 ②次に、「アメリカ社会に広がる衝撃」を分析します。 ③最後に、この問題が「世界に与える影響」について考えます。
▽バージニア州での衝突
・先月(8月)12日、アメリカ南部のバージニア州のシャーロッツビルに全米の注目が集まりました。 各地から、白人至上主義などを掲げるグループのメンバー数百人が集結し、これに抗議するグループと殴りあうなどして15人がけがをしました。また、抗議のデモ隊に、車が突っ込んで女性1人が死亡し、19人がけがをしました。
▽白人至上主義団体とは
・白人至上主義団体には様々なグループがあります。
 +南北戦争後にできたKKK、クー・クラックス・クラン。黒人へのリンチ事件などを繰り返した秘密結社で、白い三角形の頭巾で知られています。
 +また、ネオナチといわれるグループ。
 +さらに、最近目立つようになっている「オルト・ライト」。オルトは「代替」を意味する「オールタナティブ」という言葉を短くしたもので、「もうひとつの右翼」と呼ばれています。その名の通り、伝統的な右翼とは一線を画し、若い白人男性がネットでつながっているようなグループです。「白人は神に選ばれた人種だ」などという優越思想を掲げている点ではほかのグループと共通しますが、アメリカの人口構成で30年後には白人が半分以下に転じると予測されていることへの危機感を前面に出し、白人こそが、差別是正措置によって損をしていると被害者意識を丸出しにしているのが特徴です。
・様々な人種が暮らすアメリカでは、いずれもきわめて少数の過激な団体と考えられていましたが、シャーロッツビルに大挙したのです。専門家やメディアは、「こうした人種差別グループは存在していたが、ここまで公然と活動するようなことはかつてなかった」と驚きをもって受け止めています。
▽その規模と拡大の背景
・アメリカのNPO「南部貧困法律センター」では、特定の人種や集団を攻撃する団体を「ヘイト・グループ」と呼んで、全米で917団体あることが確認されたとしています。これは過去の調査と比べても、多い方だということです。しかも、実態を把握しにくい、ネット空間だけで活動するグループも多く、実際には、さらに多いと分析しています。
・拡大の背景には、トランプ大統領の誕生があると指摘されています。オルト・ライト運動の中心人物にしても、「本人が望もうが望むまいが、トランプ大統領は仲間だ」と話しています。グローバル化の影響で苦境に立たされる白人貧困層の境遇を理解する人物を当選させることが出来たと考え、勢いづいているのです。
▽アメリカ社会に広がる衝撃
・では、なぜ、白人至上主義団体とその活動が、アメリカ社会に衝撃を広げているのでしょうか? アメリカは、法の下の平等を掲げながらも、アフリカから連れて来られた黒人奴隷制度が歴然と存在し、平等は白人だけのものという大きな矛盾を抱えてスタートした国です。しかし、1860年代の南北戦争で、奴隷制度の存続を主張した南部連合が敗北し、奴隷解放が実現しました。また、1950年代、60年代の公民権運動では、差別の撤廃が進みました。問題があるからこそ、自由や平等という理想を追い求めるのがアメリカという国のあるべき姿なのだ、と考えられているなかでは、白人至上主義は、国の理念への挑戦と受け止められるのです。
・こうした中で、バージニア州で白人至上主義団体が集結したのは、南北戦争で南軍を率いたリー将軍の銅像を公園から撤去する計画に反対するためでした。 リー将軍や南軍兵士の銅像などは、南部を中心に、1500件あまりが確認されています。おととし、南部サウスカロライナ州の教会で、人種差別的な考えを持ち、南軍の旗を好んでいた白人の男が、教会で黒人の男女9人を殺害する事件を起こしたことをきっかけに、こうした銅像などを撤去する動きが出ています。
・しかし、白人至上主義を掲げる団体は、銅像などは人種差別の象徴ではなく、あくまで南部の誇りを示す歴史的な遺産だと主張しています。
▽問題を拡大させるトランプ大統領の発言
・トランプ大統領の発言も衝撃を広げました。 衝突を受けて、トランプ大統領は、当初、白人至上主義団体を明確に非難したなかったものの、批判が強まると、衝突の2日後にはKKKなどを名指しで非難しました。しかし、その翌日の8月15日、「一方のグループは悪かったが、もう一方のグループも非常に暴力的だった。双方に責任がある」と述べました。
・白人至上主義が国の理念にも反するものだとされる中で、相対的に論じたことで擁護したとの印象を与え、差別は絶対に許されないものだという規範が崩れているとして、強い批判を招きました。
▽先鋭化する対立
・ただ、白人至上主義団体に対抗する勢力の中にも過激な主張を掲げる団体が一部で目立つようになっているのも事実です。 そのひとつが、「ファシズムへの反対」を意味する「アンチ・ファシズム」を短くした「アンチ・ファ」と呼ばれる極左集団です。その実態は詳しくは知られていませんが、1月のトランプ大統領の就任式の日に、首都ワシントンで暴動を起こしたことで注目されました。
・また、「黒人分離主義」などの過激な思想を掲げる黒人の団体も急速に増えています。 黒人が白人と結婚することに反対するなど、ほかの人種との共存を否定しています。 アメリカ社会での対立はいっそう、先鋭化しています。「パンドラの箱」が開いてしまったかのようだ、と表現する専門家もいます。
▽世界への波紋
・最後に、この問題の世界への影響について考えてみたいと思います。 国連の人種差別撤廃委員会は、バージニア州での衝突後、トランプ大統領を念頭に、「アメリカ政府の最も高い地位にいる高官が、人種差別に基づく発言や事件が広がっていることについて、明確に拒絶し、非難していないことに困惑している」とした上で、「そうした対応が、世界のほかの国や地域にとっても、悪しき前例になるのではないかと深く懸念する」との声明を発表しました。
・様々な人種が暮らすアメリカは、様々な民族や宗教から成る世界の縮図のような国でもあります。それだけに、アメリカで、人種差別をあからさまに表現する風潮が広がることで暴力や混乱が生じれば、世界のほかの国への悪影響が懸念されているのです。
・公民権運動を率いたキング牧師は、徹底した非暴力主義を貫きながら、法や制度に風穴を開けて差別の撤廃を進めると共に、人種間の和解も目指してきました。 時代背景は違えども、当時も経済格差は深刻な問題でした。アメリカが、世界に範を示すことが出来るのは、自由や平等それに共存という理想を追い求めているからこそだということを、今一度、思い起こしてもらいたいと思います。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/279641.html

第三に、作家の橘玲氏が9月19日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「橘玲の世界投資見聞録:欧米で台頭する「白人至上主義」は「「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・南北戦争で南軍の英雄だったロバート・リー将軍の銅像を市内の公園から撤去しようとする計画に白人の極右団体などが反発し、アメリカ南部のバージニア州シャーロッツビルに集結した際に、極右の若者が反対派に車で突っ込み死者1名と多数の負傷者が出た。この事件に対し、トランプ大統領が「一方の集団は悪かったが、もう一方の集団もとても暴力的だった」などと“喧嘩両成敗”的な発言をしたことで、「人種差別」とのはげしい非難にさらされることになった。
・シャーロッツビルに集まったような「極右」の白人たちは、アメリカのエリートから「レイシスト」のレッテルを貼られて毛嫌いされている。だが『ニューヨーク・タイムズ』のコラムニスト、デイヴィッド・ブルックスは、彼らを「保守的な白人アイデンティティ主義者」と呼び、人種差別と共通する部分もあるが、両者は同じものではないと述べている。
・米国公共宗教研究所の調査では、共和党員の約48%が米国のキリスト教徒が多くの差別を受けていると思い、約43%は白人が多く差別を受けていると考えているのだという。この調査を受けてブルックスはいう。 「人種差別というのは、ほかの人が自分より劣ると感じることだ。白人アイデンティティ主義は、自分が虐げられていると思うことなのだ」(朝日新聞2017年9月8日付朝刊「コラムニストの眼」)。
・「白人アイデンティティ主義」は人種主義の一種ではあるものの、それを一概に「人種差別」と決めつけることはできない。彼らは、「自分が白人であるということ以外に、誇るもの(アイデンティティ)のないひとたち」なのだ。
▽「白人は差別されている」
・朝日新聞8月29日付朝刊の「再びうごめく白人至上主義 デモ衝突で犠牲者 米に深い傷」は、今年4月にアパラチア山脈の町、ケンタッキー州パイクビルで行なわれた白人至上主義団体の集会を金成隆一記者が取材し、シャーロッツビルの事件を受けて掲載したものだ。
・パイクビルは人口7000人ほどで、「住人の98%超が欧州白人」「子どもの3人に1人、高齢者の5人に1人が貧困層」「トランプ氏の得票が8割を超えた」という、典型的な「貧しい白人たち」の町だ。ここで白人至上主義の団体が集会を開くのは、現状に不満を抱える白人労働者を勧誘するためだ。
・彼らは腰に銃やナイフを携行し、ライフル銃を担ぐ者もいる(アメリカは憲法で国民が武装する権利が認められている)。KKK(クー・クラックス・クラン)や、ナチスと似た「国家社会主義」「神の兵士」「戦うキリスト教徒」を名乗る団体もいる。その異様な姿は、まさに「白人至上主義」そのものだ。
・ところが記者の質問に対して、団体幹部は自分たちの主張をこう説明する。 「米国で白人は優遇されてきたと言われるが、この一帯を車で走れば、違うとわかる。彼らの声は代弁されていない。エリートに見捨てられた白人だ」 「白人やユダヤ人のエリートに虐げられているのは(黒人やヒスパニックら)人種的な少数派と思い込む人が多いが、この産炭地では白人も被害を受けている。帝国主義時代の植民地のようだ」 ここからわかるのは、ブルックスが指摘するように、彼らが「白人は差別されている」と考えていることだ。
・町での示威行動のあと、「白人至上主義」団体は山奥の私有地での集会に移動した。金成記者がこの集会を取材した場面はきわめて興味深いので、その部分を引用しよう。 会場は白人ばかり。記者は好奇の目にさらされたが、日本から来たと自己紹介すると彼らの態度が変わった。敬礼する者もいる。
・KKKの名刺を差し出してきた若者が言った。「私は(戦前の)帝国主義時代の日本を尊敬している。みんなも同じだ。どの民族にも固有の文化があり、尊重されるべきだ。日本は模範だ」 
・白人の優越を信じているのかと質問すると、口々に否定した。「日本人にIQテストで勝てないのは自明だ」。一人が冗談っぽく答えると、隣の男性がまじめな顔で続けた。「私の本業は自動車の修理工だが、日本車の方が米国車より優秀だ。白人の方が優れているというつもりはない。ただ、それぞれの民族が固有の土地を持つべきだと言っているだけだ。
・「白人の優越」を否定し、「日本は模範だ」「日本車の方が米国車より優秀だ」という彼らは、はたして「白人至上主義」なのだろうか。 このやりとりでわかるのは、そもそも彼らは自分たちが「人種差別」をしているとは思っていないことだ。そんな彼らに「レイシスト」のレッテルを貼って批判しても、話がかみ合わないのは当たり前なのだ。
▽「白人至上主義」は「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義
・KKの若者は日本人の記者に「日本は模範だ」といったが、同じように、日本のような国を目指している「極右」の政治家がいる。フランスの国民戦線(FN)党首マリーヌ・ルペンだ。 風刺雑誌『シャルリー・エブド』襲撃事件のあと、朝日新聞のインタビューに応じたマリーヌは、「(両親が外国人でもフランスで生まれた子どもは国籍を付与される)出生地主義の国籍法を改定し、二重国籍を廃止すべきだとしたうえで、「めざすは(どちらも実現している)日本のような制度」と明言してる。EU加入とユーロ導入で通貨主権を失ったことを嘆き、「日本はすばらしい。フランスが失った通貨政策も維持している。日本は愛国経済に基づいたモデルを示しています」とも述べている。さらに、国民戦線の新世代を代表する政治家(仏北部エナンボモン副市長)は、「今は安倍晋三氏の自民党に近い政策の党だ」と自分たちを紹介している(2015年1月27日付朝刊「マリーヌ・ルペン「国民戦線」党首インタビュー」/インタビュアー国末憲人)。
・大西洋をはさんで同じようなイデオロギーが台頭しているのは偶然ではない。それは、「右翼の多文化主義(マルチカリチュラリズム)への反転」ともいうべき奇妙な事態だ。 マリーヌの父親であるジャン=マリー・ルペンが党首だった1980年代に、国民戦線は白人至上主義を離脱し、多文化主義に転換したとされる。
・フランスのオールドリベラル(共和主義者)は、宗教は私的なもので、公的な場では人種や宗教に関係なくだれもが「フランス人」として振る舞わなければならないとして、ムスリムの女子生徒が学校でヴェールを着用すること法で禁じている。それに対してイスラーム主義団体は、自分たちの文化や伝統・宗教を尊重することを求めて「同化政策」を批判している。
・意外なことに、国民戦線はイスラーム急進派の主張に賛同し、ムスリム女性がヴェールをかぶる権利を認めるし、イスラーム法(シャリーア)も尊重する。すべてのひとが、自分にもっともふさわしい「文化」のもとで暮らす権利をもっているとするからだ。それを世俗的で無味乾燥な社会に変えようとするエリートたちの「グローバル資本主義」こそが、彼らの共通の敵なのだ。
・フランスの大統領選では、ルペンと同じく、左翼党のジャン=リュック・メランションがEUからの離脱を唱えて、第1回投票で20%近い票を集めた。米大統領選でのトランプとバーニー・サンダースの関係も同じで、「極右」と「極左」は反グローバリズム、反エリート主義で通底しているのだ。
・ではどこかちがうかというと、左派の多文化主義者はフランス社会のなかで、すべてのひとが自分たちの文化・民族・宗教をアイデンティティとして生きる権利をもっていると主張するのに対して、右派の多文化主義者は、文化や伝統・宗教の異なる集団が共生することは困難なので、「フランス人はフランスで、ムスリム移民はイスラーム国家で」それぞれの幸福を追求すればいい、と主張することだ。
・フランスの右派知識人は「人種主義」を捨て、いまやそれぞれの文化のちがいを尊重するよう求めている。ただし彼らの認識では、北アフリカからの移民の流入と同化政策によって“マイノリティ”として危機にさらされているのはフランス人(白人)であり、だからこそフランス的な共同体を守らなければならない。なぜならフランス人は、そこでしか幸福になれないのだから(中野裕二『フランス国家とマイノリティ』国際書院)。
・すぐにわかるように、フランスの右派知識人の主張は、アメリカのトランプ支持者とまったく同じだ。「白人至上主義」というのは、「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義のことなのだ。
▽ホワイト・ワーキング・クラスの死亡率が増加している理由
・2002年にジャン=マリー・ルペンが大統領選の決選投票に残ったことにフランスのリベラルな知識人は驚愕し、はじめて「極右」の思想と真剣に向き合うことなった。それから15年遅れて、いまではアメリカのリベラルな知識人が、「なぜ自分たちの国の大統領がドナルド・トランプなのか?」を自問している。
・トランプを支持する白人労働者階級は、アメリカでは、「White Trash(ホワイトトラッシュ/白人のゴミ)」として蔑まれている。だが彼らに「人種差別」「性差別」のレッテルを貼るだけでは、問題はなにひとつ解決しないと考えるリベラルが現われた。いま必要なのは、彼らを馬鹿にしたり、茶化したりすることではなく、理解することなのだ。
・カリフォルニア大学法科大学院で労働法を講じるジョーン・C・ウィリアムズの『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』は、そうした試みのひとつだ。 ウィリアムズはこの本のなかで、「ワーキング・クラスとは、どんな人々なのか?」「なぜ、ワーキング・クラスは大学に行こうとしないのか?」「ワーキング・クラスは人種差別主義者なのか?」から、「なぜ、民主党は共和党に比べて、ワーキング・クラスの扱いが下手なのか?」まで、さまざまな疑問に誠実にこたえようとしている。
・すでに繰り返し指摘されているように、アメリカでは「階級」間の経済格差の拡大が顕著で、ホワイト・ワーキング・クラスの生活は苦しくなっている。彼らの家計所得は、第二次大戦後の30年間で2倍になったが、それ以降はほとんど増えていない。1970年には、貧困率10%の地区に暮らす白人の子どもは全体の25%に過ぎなかったが、2000年には40%に達した。
・だがもっとも象徴的なのは、ホワイト・ワーキング・クラスの死亡率が増加していることだ。アメリカでも世界でも平均寿命が延びつづけているというのに、彼らの平均寿命は短くなっているのだ。 プリンストン大学のアン・ケース教授とアンガス・ディートン教授は、白人の低学歴層で平均寿命が短くなっている主な原因はドラッグ、アルコール、自殺だとして、これを「絶望死」と名づけた。
・2人によれば、25~29歳の白人の死亡率は2000年以降、年率約2%のペースで上昇しているが、他の先進国では、この年代の死亡率はほぼ同じペースで低下している。50~54歳ではこの傾向がさらに顕著で、米国における「絶望死」は年5%のペースで増加しているという。
・誰が「絶望死」しているのかも、データから明らかだ。アメリカでは、高卒以下のひとびとの死亡率は、あらゆる年代で全国平均の少なくとも2倍以上のペースで上昇しているのだ。 アメリカの裕福な白人は、貧困層、有色人種、性的少数者(マイノリティ)に同情する一方で、ホワイト・ワーキング・クラスを馬鹿にし、無視してきた。だが気づいてみれば、彼らこそがアメリカ社会でもっとも不幸で、もっとも苦しんでいるひとびとになっていたのだ。
・だがウィリアムズは、ホワイト・ワーキング・クラスの苦境を強調して、彼らを「弱者」として扱うのは逆効果だという。 ウィリアムズのリベラルな同僚は、「私たちには彼らを助ける道徳的・倫理的義務がある」と述べた。だがこれは、トランプ支持者を激怒させるだけだろう。
▽ホワイト・ワーキング・クラスにとっての幸福は円満な家庭を築くこと
・トランプを支持するホワイト・ワーキング・クラスをひと言でいうならば、「アメリカの伝統に根づいた“善きひとびと”」だとウィリアムズはいう。 彼らは敬虔なキリスト教徒で、教会のつながりを大切にする。子どもに高等教育を受けさせないかもしれないが(彼らはそもそも「エリート」を信用しない)、職業人として自立し、自分と家族の生活を支えるよう強く促す。
・彼らの人生の目標は、大富豪になることでもなければ、仕事で「自己実現」することでもない。ホワイト・ワーキング・クラスにとっての幸福とは、円満な家庭を築くことだ。 学歴もなければ特別な技能や才能ももたない彼らは「アメリカンドリーム」から排除されているが、そのこと自体を不満に思っているわけではない。幸福な家庭生活を通じてアメリカの伝統に結びつくことで、「道徳的成功」を主張できるのだから。
・ホワイト・ワーキング・クラスの怒りがスーパーリッチではなく、有色人種の貧困層に向かうのは、彼らが「アメリカの伝統」をないがしろにし、家庭を顧みずに税金でのうのうと暮らしている、と思っているからだ。 たとえば、一日じゅう家にいる貧困層の既婚の母親は、中間層の既婚の母親の2倍以上いる(貧困層は60%、中間層は23%)。フルタイムで働くワーキング・クラスの母親は60%近くいるが、貧困層の母親は42%しかいない。託児所に子供を預けている世帯のうち、貧困層は30%の世帯が助成を受けているが、ワーキング・クラスはほとんどの世帯が助成を受けていない(3%程度)。
・これはすべて事実だが、詳細を調べると事情はすこし異なる。 貧困層に対する育児助成は散発的で、涙が出るほど少ない(1時間につき2ドルという場合もある)。貧困層の母親が家にいるのは、最低賃金があまりに低いために働くとかえって損をするからだ。さらに、貧困層の男性がフルタイムの仕事をなかなか見つけられないのは、パートタイムにすれば雇用主が医療保険を支払わずにすむからなのだ。
・問題はアメリカの社会保障制度が破綻し、機能不全を起こしていることにあるが、ホワイト・ワーキング・クラスは「システム」に責任を負わせることをたんなる言い訳として嫌う。たとえどのような逆境でも、努力によって切り開くことができるはずだ。それをやろうとしないのは、「怠惰」以外のなにものでもないのだ。
・そのためアメリカでは、失業者給付や障害者給付は「これまでの(危険な)労働の対価」と見なされるが、生活保護のような所得制限のある給付を受ける者は「怠け者」の烙印を押され、バッシングの標的にされる。これは日本のネット上で頻繁に炎上する「ナマポ(生活保護)」バッシングと同じ構図だ。
・だが皮肉にも、彼ら誇り高きホワイト・ワーキング・クラスは、いまや仕事を失い、貧困層に落ちつつある。  そのときヒラリー(民主党の伝統的リベラル)は、「困っているならお金をあげましょう」と提案し、トランプは「アメリカに製造業を復活させ、君たちの誇りを取り戻す」と約束した。実現可能性がどうあれ、ホワイト・ワーキング・クラスがどちらに投票するかは自明だろう。
・そんな彼らに対して、エリートの白人リベラルはどのような態度をとるべきだろうか。 ウィリアムズの指摘で重要なのは、「恵まれた白人は、恵まれない白人に人種差別の責任を転嫁することで、人種差別から距離を置こうとしている」というものだ。白人のリベラルが同じ白人に「レイシスト」のレッテルを貼ってバッシングするのは、自らの「内なる人種差別」を免責するお手軽な方法なのだ。
・ウィリアムズの提案は、そうした不愉快な事実から目を背けることなく、またホワイト・ワーキング・クラスを「貧しくかわいそうなひとたち」と同情するのでもなく、ともに理解できるように自分たち(白人エリート)が変わるべきだ、というものだ。 これはリベラルとして、とても良心的な立場だと思う。もっとも、その誠実さが受け入れられるかどうかはかなりこころもとないが。
http://diamond.jp/articles/-/142244

第四に、9月15日付けロイターがみずほ総合研究所欧米調査部長の安井明彦氏へのインタビューを掲載した「オピニオン:トランプ氏の奇策、歴史的な移民改革の扉開くか=安井明彦氏」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・野党・民主党案の事実上の丸のみとなった9月初旬の米財政合意は、既存政治への挑戦を掲げつつも、主義主張の面では民主党との共通点が多いトランプ大統領の特色をあらためて際立たせたと、みずほ総合研究所の安井明彦・欧米調査部長は語る。
・ただし、ディール重視であるがゆえに、今後も民主党と連携を模索するとは限らず、10月中旬にも行われる予算関連決議で早々に袂(たもと)を分かつ可能性もあるとみる。逆に歩み寄りを続ける場合、移民問題を巡る歴史的な「ビッグディール」の実現が期待される一方で、与党・共和党の分裂加速もあり得ると指摘する。  同氏の見解は以下の通り。
▽トランプ大統領の原点回帰
・連邦政府債務上限の3カ月適用停止などを柱とする9月初旬の米財政合意は、民主党案のほぼ丸のみとなった。この電撃合意は主に2つの点で、選挙当初に想定されていたトランプ大統領のイメージをよみがえらせたと思う。 第1に、主義主張の面では民主党に近い部分が多い点だ。共和党は「小さな政府」を標榜していることで知られるが、トランプ氏は選挙当時、民主党的な財政拡大政策への好意を示していた。同氏が強調している「アメリカ第一」の保護主義にしても、本来は民主党の得意とするテーマだ。実際、民主党の主力議員たちは現在、トランプ大統領の保護主義について「手ぬるい」と批判している。
・第2に、既存政治への挑戦だ。選挙時にトランプ氏が訴えていたことは「ワシントンを変える」とのスローガンだ。大統領就任後、移民制度改革や医療保険制度改革法(オバマケア)改廃などの議論のかじ取りを共和党のリーダーシップに任せてきたが、うまくいかないので、民主党に歩み寄ったのが真相かもしれないが、少なくとも歴代の共和党大統領のように、自党の利益やメンツを最優先しない点は明確に示した。
・実は、この点では、共和党の主張を取捨選択して取り入れたクリントン大統領(民主党)に似ている。その対議会戦術は、共和・民主の政策スタンスを両端に置いて、その2点を結んだ基線の中央の真上にホワイトハウスの主張を位置付けたことから、「三角測量」と呼ばれた。トランプ大統領がそこまで戦略的に動いているとは思えないが、全く異質の共和党大統領であることは間違いない。
▽最大の論点は移民問題
・このなると、興味深いのが、米国民の最大の関心事である移民問題で、果たして民主党とのビッグディールもあり得るのかという点だ。  周知の通り、トランプ大統領は、オバマ民主党政権下の2012年に大統領令で導入されたDACA(幼少時に親とともに不法入国した若者の在留資格を認める制度)について、法的根拠を欠くとして、半年後の来年3月末までに議会が立法措置を講じなれば廃止する方針を示している。寛容な移民政策を党是とする民主党は廃止に強く反発しているが、実はトランプ大統領自身も、法的裏付けを条件に、DACA存続には含みを持たせてきた。トランプ大統領の選挙当時の公約であり、こだわりも強い国境警備の強化と引き替えに、民主党とのディールが模索されている。
・トランプ大統領は、財政協議が決着した直後に、物理的な「国境の壁」の建設にはこだわらず、これ以上の不法移民の入国に対する強力な取り締まりと引き換えにDACAの存続を考慮する方向で、早々に民主党指導部との合意を取り付けた。共和党内には異論も強いスタンスだが、財政協議と同様、トランプ大統領が素早く動いた格好だ。もしもトランプ大統領が本当に物理的な「国境の壁」建設ではなく、水際での取り締まり強化で矛先を収めるならば、すでに入国済みの移民に対しては寛容な政策を保持する一方、これから不法入国を試みる他国民に対しては厳しい措置を講じるというアメとムチの内容で、民主党と折り合う可能性はある。
・こうした包括的かつ立法措置を伴う移民制度改革は、ブッシュ共和党政権もオバマ民主党政権も標榜したが成し遂げられなかったことだ。仮にこのビッグディールが実現すれば、トランプ大統領にとっては文字通り最大のレガシー(歴史的な遺産)となり得る。  野党・民主党案の事実上の丸のみとなった9月初旬の米財政合意は、既存政治への挑戦を掲げつつも、主義主張の面では民主党との共通点が多いトランプ大統領の特色をあらためて際立たせたと、みずほ総合研究所の安井明彦・欧米調査部長は語る。
▽二大政党政治が変貌する可能性
・しかし、前述したように、肝心要のトランプ大統領にそこまでの一貫した対議会戦術があるのかは不透明だ。トランプ政権のもう1つの特徴を挙げれば、ハファザード(Haphazard)、すなわち行き当たりばったりの政策運営であり、前述した財政合意も、単にまとまりを欠く共和党に対していら立ちを募らせ、ディールを急いだだけの可能性もある。
・意外と、その真意は早い段階で分かるかもしれない。10月中旬にも行われる予算決議がリトマス試験紙となりそうだ。  やや技術的な話になるが、米上院本会議の法案審議では、「フィリバスター」と呼ばれる議事進行妨害が認められており、これを防ぐには60票の賛成票が必要になる。つまり、法案成立の実質的ハードルは60票であり、共和党の議席(52議席)では足りない。
・しかし、予算決議の審議プロセスでは、1)税制、2)債務上限、3)社会保障などの義務的経費の3項目に限って、フィリバスターを回避できる「財政調整法」の適用が認められている。共和党側が望めば、単純過半数(50議席とペンス副大統領の1票)で法案を通過させることが可能になる(財政調整法の適用決定も単純過半数で可能)。
・ちなみに、次回の予算決議では、税制についてのみ財政調整法の適用を決める予定だが、仮にここに債務上限も加えることになれば、今後の債務上限議論から民主党を外すことを宣言するに等しい。反発は必定で、移民問題でのビッグディールは遠のきそうだ。
・逆に債務上限が次回の予算決議に追記されなければ、トランプ政権と民主党との連携は今後も続く可能性が残る。その場合、トランプ政権が選びそうなシナリオは、税制改革については共和党主導で進めさせ、債務上限問題や全体的な予算づくりでは民主党に歩み寄りつつ、移民問題でのビッグディールを狙うことではないか。 仮にそうなれば、移民政策について穏健派と保守派の隔たりが大きい共和党の分裂は決定的となり、二大政党制を根幹とする米国の政治力学が大きく変わるかもしれない。
http://jp.reuters.com/article/opinion-trump-akihiko-yasui-idJPKCN1BQ0V1

第一の記事で、 『結局はMMT、及びグローバリストと呼ばれるグループが主導権を握りつつあり、いわゆる「アメリカ・ファースト」を叫んでいたトランプ人脈と言われる人たちは「切腹」させられた感があります』、とのことらしい。今日の日経「新聞によると、小池都知事による国政新党の名称に「ファースト」が入らなくなりそうだが、こうした本家アメリカの変化を織り込んで修正したのだろうか。 『貿易問題も同様で、最も強硬だったバノン自身がいなくなってしまい、伝統的共和党志向に戻ってくる、ということになれば、それほど強硬なこと(スーパー301条の適用など)を言う理由はなくなってきます』、ということであれば、日本も一安心できるのかも知れない。
第二の記事で、 『白人至上主義団体に対抗する勢力の中にも過激な主張を掲げる団体が一部で目立つようになっているのも事実です。 そのひとつが、「ファシズムへの反対」を意味する「アンチ・ファシズム」を短くした「アンチ・ファ」と呼ばれる極左集団です・・・「黒人分離主義」などの過激な思想を掲げる黒人の団体も急速に増えています・・・アメリカ社会での対立はいっそう、先鋭化しています。「パンドラの箱」が開いてしまったかのようだ、と表現する専門家もいます』、というのは困ったことだ。トランプは自分の誤りにいつ気づくのだろうか。
第三の記事で、 『「白人至上主義」は「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義』、とのウィリアムズ氏の指摘は新鮮だ。 『ホワイト・ワーキング・クラスの死亡率が増加していることだ・・・白人の低学歴層で平均寿命が短くなっている主な原因はドラッグ、アルコール、自殺だとして、これを「絶望死」』、  『「白人の優越」を否定し・・・そもそも彼らは自分たちが「人種差別」をしているとは思っていないことだ。そんな彼らに「レイシスト」のレッテルを貼って批判しても、話がかみ合わないのは当たり前なのだ』、 『白人のリベラルが同じ白人に「レイシスト」のレッテルを貼ってバッシングするのは、自らの「内なる人種差別」を免責するお手軽な方法なのだ』、(白人エリートは) 『不愉快な事実から目を背けることなく、またホワイト・ワーキング・クラスを「貧しくかわいそうなひとたち」と同情するのでもなく、ともに理解できるように自分たち(白人エリート)が変わるべきだ』、などの指摘も、意外は大いに考えさせられる。
第四の記事で、 『9月初旬の米財政合意は、民主党案のほぼ丸のみとなった』、のには驚かされた。 『選挙当初に想定されていたトランプ大統領のイメージをよみがえらせたと思う』、との指摘はその通りだ。 『移民問題で、果たして民主党とのビッグディールもあり得るのかという点』、は確かに今後の注目点だろう。
タグ:スティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問が辞任(事実上の解任) ダイヤモンド・オンライン 橘玲 アメリカ政府の最も高い地位にいる高官が、人種差別に基づく発言や事件が広がっていることについて、明確に拒絶し、非難していないことに困惑している 国民戦線はイスラーム急進派の主張に賛同し、ムスリム女性がヴェールをかぶる権利を認めるし、イスラーム法(シャリーア)も尊重する 白人至上主義 イスラーム主義団体は、自分たちの文化や伝統・宗教を尊重することを求めて「同化政策」を批判している NHK時論公論 白人至上主義団体 この産炭地では白人も被害を受けている。帝国主義時代の植民地のようだ 結局はMMT、及びグローバリストと呼ばれるグループが主導権を握りつつあり、いわゆる「アメリカ・ファースト」を叫んでいたトランプ人脈と言われる人たちは「切腹」させられた感があります 白人こそが、差別是正措置によって損をしていると被害者意識を丸出しにしている ・フランスのオールドリベラル(共和主義者)は、宗教は私的なもので、公的な場では人種や宗教に関係なくだれもが「フランス人」として振る舞わなければならないとして、ムスリムの女子生徒が学校でヴェールを着用すること法で禁じている それほど強硬なこと(スーパー301条の適用など)を言う理由はなくなってきます。ああいう強硬な貿易政策はすべてアメリカ・ファーストの人々が主張していたことですから、誰もいなくなってしまい、親分までいなくなってしまうなら、もう共和党としては無理してやる必要のない政策と言えるでしょう 東洋経済オンライン 白人至上主義は、国の理念への挑戦 ホワイト・ワーキング・クラスの死亡率が増加 恵まれた白人は、恵まれない白人に人種差別の責任を転嫁することで、人種差別から距離を置こうとしている ホワイト・ワーキング・クラスにとっての幸福は円満な家庭を築くこと オルト・ライト ネオナチ kkk 自由や平等という理想を追い求めるのがアメリカという国のあるべき姿 。「白人至上主義」というのは、「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義のことなのだ 公民権運動 ぐっちーさん「トランプは密約をしていた」 トランプ政権の最大のリスクが雲散霧消した 国連の人種差別撤廃委員会 白人の低学歴層で平均寿命が短くなっている主な原因はドラッグ、アルコール、自殺だとして、これを「絶望死」と名づけた 失業者給付や障害者給付は「これまでの(危険な)労働の対価」と見なされるが、生活保護のような所得制限のある給付を受ける者は「怠け者」の烙印を押され、バッシングの標的にされる 人種差別と共通する部分もあるが、両者は同じものではないと述べている フランスの右派知識人の主張は、アメリカのトランプ支持者とまったく同じだ 世俗的で無味乾燥な社会に変えようとするエリートたちの「グローバル資本主義」こそが、彼らの共通の敵なのだ 高卒以下のひとびとの死亡率は、あらゆる年代で全国平均の少なくとも2倍以上のペースで上昇 「アメリカ・ファースト」を謳ってきた連中がいたわけですが、彼らホワイトハウスの要職が次々に解雇されたうえに、バノンとなるともう、これはトランプ大統領がホワイトハウスのマネジメントができていないと言われても仕方ありません いずれもきわめて少数の過激な団体と考えられていましたが、シャーロッツビルに大挙したのです。専門家やメディアは、「こうした人種差別グループは存在していたが、ここまで公然と活動するようなことはかつてなかった」と驚きをもって受け止めています 保守的な白人アイデンティティ主義者 のぐっちーさん (その23)(「トランプは密約をしていた」 トランプ政権の最大のリスクが雲散霧消した、欧米で台頭する「白人至上主義」は「「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義、白人至上主義、トランプ氏の奇策 歴史的な移民改革の扉開くか) トランプ大統領 ・貿易問題 トランプ政権は安定する可能性すらある 欧米で台頭する「白人至上主義」は「「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義 橘玲の世界投資見聞録 国民戦線は白人至上主義を離脱し、多文化主義に転換 右翼の多文化主義(マルチカリチュラリズム)への反転 大西洋をはさんで同じようなイデオロギーが台頭しているのは偶然ではない マリーヌ・ルペン ▽「白人至上主義」は「(マイノリティとなった)白人の文化を尊重せよ」という多文化主義 そんな彼らに「レイシスト」のレッテルを貼って批判しても、話がかみ合わないのは当たり前なのだ 白人のリベラルが同じ白人に「レイシスト」のレッテルを貼ってバッシングするのは、自らの「内なる人種差別」を免責するお手軽な方法なのだ アメリカ社会での対立はいっそう、先鋭化しています。「パンドラの箱」が開いてしまったかのようだ 奴隷解放 そもそも彼らは自分たちが「人種差別」をしているとは思っていないことだ 「白人の優越」を否定 日本車の方が米国車より優秀だ。白人の方が優れているというつもりはない 10月中旬にも行われる予算決議がリトマス試験紙 トランプ政権のもう1つの特徴を挙げれば、ハファザード(Haphazard)、すなわち行き当たりばったりの政策運営 拡大の背景には、トランプ大統領の誕生があると指摘 仮にこのビッグディールが実現すれば、トランプ大統領にとっては文字通り最大のレガシー(歴史的な遺産)となり得る すでに入国済みの移民に対しては寛容な政策を保持する一方、これから不法入国を試みる他国民に対しては厳しい措置を講じるというアメとムチの内容で、民主党と折り合う可能性はある トランプ大統領自身も、法的裏付けを条件に、DACA存続には含みを持たせてきた 米国民の最大の関心事である移民問題で、果たして民主党とのビッグディールもあり得るのかという点 歴代の共和党大統領のように、自党の利益やメンツを最優先しない点は明確に示した 既存政治への挑戦 主義主張の面では民主党に近い部分が多い 電撃合意は主に2つの点で、選挙当初に想定されていたトランプ大統領のイメージをよみがえらせたと思う ディール重視 主義主張の面では民主党との共通点が多いトランプ大統領の特色 野党・民主党案の事実上の丸のみとなった9月初旬の米財政合意 リー将軍の銅像を公園から撤去する計画に反対 、「黒人分離主義」などの過激な思想を掲げる黒人の団体も急速に増えています 、「ファシズムへの反対」を意味する「アンチ・ファシズム」を短くした「アンチ・ファ」と呼ばれる極左集団 オピニオン:トランプ氏の奇策、歴史的な移民改革の扉開くか=安井明彦氏 安井明彦 ロイター ジョーン・C・ウィリアムズ 白人至上主義団体に対抗する勢力の中にも過激な主張を掲げる団体が一部で目立つようになっているのも事実 ・トランプ大統領の発言も衝撃を広げました
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