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企業不祥事(その14)電通(新入社員過労自殺6)(電通社長出廷で考えた「責任と責任」、電通過労死事件「罰金50万円」は軽すぎないか) [企業経営]

企業不祥事(その14)電通(新入社員過労自殺6)については、1月10日に取上げた。今日は、(電通社長出廷で考えた「責任と責任」、電通過労死事件「罰金50万円」は軽すぎないか) である。

先ずは、健康社会学者の河合 薫氏が9月26日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「電通社長出廷で考えた「責任と責任」 経営者と従業員、両方が果たして仕事は回る」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・今回は「責任と責任」について考えてみる。 ん? 「責任と義務」の間違いでは?? いいえ、これでいいのです。と、ちっとも答えになっていないのだが、とにかく書き進めます。
・先週の金曜日(9月22日)、電通の山本敏博社長が東京簡易裁判所に出廷した。 罪状は「労働基準法違反」。2015年12月に過労自殺した新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)らに違法な残業をさせた、「違法残業事件」である。 スーツ姿で入廷した山本社長は、高橋まつりさんのお母様に向かって深く一礼し、緊張した面持ちで証言台に立った。
・検察側の冒頭陳述によれば「36協定」の上限を超える残業をした社員毎月1400人前後(2014年度)。東京オリンピック・パラリンピック関連業務を担当する機会を失わないために、36協定の上限時間を最大75時間から100時間に引き上げ、形式的に違反の解消を図るなど、極めて悪質だった。
・最終意見陳述で山本社長は、「社長として重大な責任を感じている」と謝罪。 「当社の最大の誤りは、『仕事に時間をかけることがサービス品質の向上につながる』という思い込みを前提にしたまま、業務時間の管理に取り組んでいたことにあると考えております」 と反省の弁を述べた。(以上のソースは朝日新聞のこちらとこちら)
・この“事件”の経緯をおさらいしておく。 起訴状によると、電通は2015年10~12月、高橋さんら社員4人に対し、労使間協定で定めた1カ月の残業時間の上限を最大で約19時間超えて働かせたとし、法人としての電通と当時の上司の部長を書類送検。上司らは不起訴処分にされる一方で、法人としての電通は労働基準法違反罪で略式起訴となった。
・しかし、東京簡裁には電通社員の出退記録など大量の証拠が押収されており、書面の審理だけでは不十分と判断。そこで今回の公開裁判となったのである。
▽法人の“顔”としての社長の出廷
・今回、“法人”という無責任な集合体に責任を科すだけではなく、山本社長というひとりの人間の出廷により「法人の顔」が明らかになったのは画期的だと思う。と同時に、なぜ、もっと早く今回のような裁判を行なわなかったのかが悔やまれてならない。 「いくら謝罪を受けても事実は消えない。娘が戻ってこないむなしさがある」 閉廷後の記者会見で高橋まつりさんのお母さんがこうコメントしたとおり、まつりさんは帰ってこないし、同社では何人もの命が失われている。
 +1991年に、電通に入社して2年目の男性社員(当時24歳)が、自宅で自殺。男性社員の1か月あたりの残業時間は147時間を超え、上司からのパワハラもあり、遺族が会社に損害賠償請求を起こした。裁判は遺族に1億6800万円の賠償金を支払うことで結審。
 +2013年には、当時30歳で病死した男性社員についても、長時間労働が原因の過労死として労災が認定された。
・法人の代表として、社長が裁判所に顔を見せるまでの26年間、トップにいた方たちは、この死をどう考えていたのか。 労働基準法が何のためにあるのか? 法律違反の責任が、誰にあるのか? 高橋まつりさんの事件が起きた2015年時のトップは、訃報をどんな気持ちで聞いたのか? 過労死ラインギリギリで働かされている人たちは、“トップであるアナタ”に、命を搾取されているということをどう考えているのか?
・聞きたいことは山ほどある。 だが、「現社長の山本氏が公開の法廷の場に立った」という事実が、日本中のトップの意識改革に繋がればいいと、心から願うばかりだ。 実は東京ではあまり報じられていなのだが、大阪では今年に入ってから略式起訴命令を不相応等とする判断が相次いでいる。
・4月には、全国規模でレストランを運営する企業が、従業員7人に月40時間超の違法残業をさせたとして、社長が出廷した。 「社員の勤勉さに甘えてしまった」 こうトップは謝罪したが、同社は過去7年間に長時間労働や残業代の未払いを理由に、労働基準監督署から18回もの改善指導を受けていたのだ。 ……いったいどれだけ甘えていたんだ? 
▽トップが個人的に責任を問われるケースも
・さらに、近畿や東海にスーパーマーケットを展開する企業も、法人として労働基準法違反罪に問われ、“顔”である社長が出廷。 「反省している」 とこちらも謝罪したけど、過去11年間で31回も、労働基準監督署から是正勧告を受けていたというのだから、開いた口がふさがらない。 ……いったい法律を何だと思っていたのだろう?
・ちなみに大阪でのこれらの裁判は、すべてひとりの裁判官によるものとの報道もある。 この裁判官はきっと「過労死や過労自殺を撲滅する責任がある」と考えてくれたのかも、と個人的には受け止めている。  「ま、まさか、これから先、経営者が法人の顔としてだけではなく、個人として罪を問われるなんてことはないよね?」 いいえ、ある、と思う。 だって、・2007年8月、居酒屋チェーン(従業員3000人超、東証一部上場企業)に入社した男性(24歳)が急性心不全で過労死し、両親が損害賠償の支払いを求めて会社と代表取締役ら役員4人を提訴。 地裁、高裁とも遺族の訴えを認め、会社と役員に約7860万円の支払いが命じられ、役員の個人責任が認められたのだ。  裁判で、この会社のトップは 「外食産業界においては(略)1カ月100時間とすることは、むしろ一般的」 と反論。
・同社は、「1年のうち6か月は月100時間を可能」とする労使協定を結んでいて、会社側が自ら提出した勤務時間の資料から、ほぼ全員が「月300時間働く状況」だったことが判明しているのに、 「(過労死した男性が勤めていた)店舗は、他と比べて特に忙しいわけではない。平均的な忙しさの店舗で、社員の負担も平均的な店舗だった」(by 社長) 「これは普通のこと」(by 社長)と言い張ったのである。
▽企業経営者らの無責任な発言
・それだけではない。 「労働時間の設定が過労死基準に縛られることは、取締役にとっては経営判断の放棄であり、むしろ会社に対する善管注意義務の懈怠とさえなりうる。[経営]判断の合理性と裁量の範囲は、その会社が属する業界の経営において通常求められる内容と程度が基準となるべき」 と、自らを正当とする論を展開した。
・さらに、亡くなった男性のご遺族によれば、お通夜に届いた社長の電報には、 「天命とは申せ、これからの人生が始まろうとしているのに、今日はお別れをしなくてはならい宿命に、涙尽きるまで流れる涙を止めることができません。辛いお別れですが、どうか早く生まれ変わりになられ、この世にかえられることをお祈り申しあげ、謹んで西の空を仰ぎ、合掌し、お見送りをいたします」 と書いてあり、長時間労働をさせていた責任の「せ」の字もなかったのである。
・「1年のうち6カ月は月100時間の残業を可能」とする労使協定。 「労働時間の設定が過労死基準に縛られること」への反論。 ふむ。実に勝手で、無責任極まりない言い草なのだが、これってどこかで見た事があるような気がしてならない……。
・そう、アレです、アレ。 「残業上限100時間」 「(残業の上限を決める制度は)企業への影響を考えれば容認できない」(by 榊原経団連会長)。 ……なんとも。今政府が進めようとしている「働き方」の内容とまったく同じ。 つまり、先の卑劣な“事件”をおこしたトップが必ずしも“特別に卑劣なトップ”とは言い切れない現実が、日本社会のど真ん中に蔓延っているのである。
・なんてことを書くと 「いつも経営者ばかり非難する!」  と口を尖らせるトップが必ずいるけど、なんのためのトップなのか? 経営者とは何なのか? むしろその答えを教えて欲しい。 だって日本で過労死や過労自殺が繰り返される理由が、そこにあるわけで。
・お国が変わればこういう経営者が殺人罪で罰せられるのは、極めて当たり前のことだったりもする。 たとえば、あのカルロス・ゴーン氏も、“殺人罪”に問われそうになったことをご存知だろうか? 2007年に自動車メーカー「ルノー」で、4カ月間に3人が自殺。 自殺者が残したメモには「会社が求める仕事のペースに耐えられない」と書かれ、遺族の証言から「毎晩、書類を自宅に持ち帰り、夜中も仕事をしていた」と、サービス残業が常態化してことも判明。 「日本の『過労自殺』という経営手法までフランスに持ち帰ったのか」と問題視され、ゴーン氏は早急に手を打ち、労働時間や職場環境を改善したのである。
▽超時間労働もパワハラも「トップの責任」という意識を
・「労働者である以前に人間である」ーーー。 この“当たり前”が徹底されている欧州では、長時間労働だけではなく、パワハラ(モラハラ)などすべての「労働者の人権を侵害する」企業側の行為が雇用者の責任になる。 トップは罪を問われ、罰金の支払いを命じられることが通例なのだ。
・つまり、日本ではやっと「長時間労働」の責任が、“法人の顔”である経営者に問われるスタート地点に立ったが、「パワハラ」も同じように問題にする必要がある。 過労死はいわゆる突然死で、カラダを酷使され限界を超えた末の死であるのに対し、過労自殺は長時間労働の影響以上に、パワハラなど職場でのストレス要因が強く関連する。
・たとえ過労死ラインに達していなくとも、効率だけを重視する企業経営は、過度なプレッシャーを従業員に与え、それに堪えられなくなったとき、人は「死」という悲しい選択をする。それが「過労自殺」だ。 長時間労働もトップの責任なら、パワハラもトップの責任。 「法人」という人格は、その顔であるトップに宿ることをもっともっと謙虚に捉え、アナタの一存で救える命があることを胆に銘じて欲しい。
・「社長になったときに、『こりゃあ困ったことになったぞ』と思いましたね。だって、社員と社員の家族が今の生活を守っていけるようにしなきゃいけないわけです。その責任の重さを考えるとね。うれしいなんて気持ちはなかったですよ。社員と家族が路頭に迷うようなことになったら、私の責任ですから……」 以前、対談した大手企業の社長さんはこのように話してくれたことがある。 そして、こう続けた。 「だからね、社員にも責任を果たして欲しいんです。私は入社式で『仕事が楽しくないとか戯言をいうな』と。『会社はお金をキミたちに払っている。カネをもらえて楽しめるところがあるなら、私にも紹介してくれ』とね」
・社長さんの言葉を部分的に取り上げると、「ブラック企業」と騒ぎ立てる人たちもいるかもしれない。 でも、「社長の責任に対し、社員は責任に答える」ーーー。これは至極当たり前のことだ。 と同時に、「社長も責任を負う、社員も責任を負う」ことは一貫性の経験であり、人間の生きる力であるSOC(Sense of Coherence)を育む大切な行為だ。 一貫性の経験とは「ルールや規律が明確で、価値観の共有」がなされている状態のことで、「職務保証(=job security)」と同義だ。
▽責任を「お互いが守る」と確信できること
・職務保証は、日本で広く理解されている終身雇用とは若干異なる。 「会社のルールに違反しない限り、解雇されない、という落ち着いた確信」 「その労働者の職種や事業部門が、対案も予知も計画もないままに消滅することはない、という確信」 といった2つの確信を労働者が持ったときに成立する。 つまり、「社員と社員の家族の今の生活を守ろう」という姿勢は、トップが「職務保証」を全うしようとする覚悟であり、雇用されている自分(=社員)も「ルールに違反しない」という責任を全うしなくてはならない。
・「会社を存続させる」という共通認識のもと、自らに課せられた責任を果たした結果、「昇進」や「昇給」が認められたり、自分の「能力を発揮する機会」を会社が準備してくれれば、それらがすべて働く人たちの「生きる力」「たくましさ」につながっていく大切なリソースなってゆくのだ。
・なんてことを書くと、なんだが「現実の日本の職場」とかけ離れている気がして、複雑な気持ちになってしまうのだが、仕事とは本来、人の生きる力を育む行為であり、職場とは「自律的な欲求充足に加えて、共同的な欲求充足をもたらすことが可能な貴重な場」であると私は信じているし、そのために経営者も従業員も、それぞれの責任を全うして欲しいと思う。
・だって、それが大切な人の命を守ることであり、働くことは本来楽しいことだから。 ニーチェは「職業は人生の背骨である」と言い、マズローは「仕事が無意味であれば人生も無意味なものになる」とした。私は「職場とは人生の明日をつくる」空間だと考えている。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/092500123/?P=1

次に、社会保険労務士/CFPの榊 裕葵氏が10月14日付け東洋経済オンラインに寄稿した「電通過労死事件「罰金50万円」は軽すぎないか 現行の労働法規では抑止力になりえない」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・社員に違法な残業をさせたとして労働基準法違反の罪に問われた裁判で、東京簡易裁判所は10月6日、電通に対し、「罰金50万円」の判決を言い渡した。
▽「罰金50万円」がペナルティになりうるのか?
・この判決に対して複数の知人に意見を聞いてみたところ、「電通規模の会社にとって50万円の罰金は軽すぎる」という感想で一致した。電通といえば、売上高8000億円超、本業の儲けを示す営業利益が1300億円を超える大企業である。私自身も、一市民としての感覚では同感である。
・労働基準法における罰則は、企業規模別に定められているわけではないので、現行法に照らし合わせた法的な意味では「罰金50万円」という判決は妥当になってしまう。とはいえ、実質的に考えると、刑事罰の本来の目的である「抑止力」という観点からしても、「罰金50万円」という処分は電通規模の会社に対して実効性があるとは言えない。
・この点、たとえば独占禁止法を見ると、罰金のほかに課徴金というペナルティ制度が設けられている。カルテルなどの違反行為を行った期間の売上高に対し、一定のパーセンテージを乗じて計算されるという、売上高比例で計算されて企業に科されるものである。だからこそ、企業規模に応じた実効性のあるペナルティとして機能している。
・国を挙げた「働き方改革」が叫ばれる中で、労働基準法においても、どのような基準や計算式になるかは議論を重ねなければならないが、売上高や従業員数など企業規模に応じた実効性のある罰金制度は必要かもしれない。企業規模に応じたペナルティを科せば、過重労働やパワハラなどに対する実質的な抑止力として機能するのではないだろうか。
・ただ、それが実現したとしても、過重労働やパワハラを防止するうえで、現状の労働基準法では根本的な抑止力になりきれない。それは、過重労働などを命じた「個人」に対する処罰が軽いからである。 今回の裁判で罰金50万円の判決が下ったのは、電通という「法人」に対してだ。労働基準法上の刑罰は「個人」と「法人」の両方に科することができるが、これまでの運用を見ると、「個人」が起訴されたり刑罰を科されたりした例は極めて少ない。 実際、電通事件において、過労自殺した新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)の上司を含む幹部社員は「起訴猶予」という処分になり、法的には前科もつかない扱いとなった。
・このような実務上の運用に盲点がありそうだ。 現行の労働基準法の枠組みにおいても、部下に違法な長時間労働を命じた上司や、それを会社ぐるみで黙認した幹部社員には6カ月以下の懲役を求刑することができる。それにもかかわらず、司法手続きの実務運用として、ほとんどが起訴猶予処分として処理されるため、過重労働などに対する実質的な抑止力が働いていないということだ。
・もし、労働法の個人への罰則が厳格に運用されていて、高橋さんの上司が「こんな過酷な残業をさせて、高橋さんに何かがあったら、私は懲役刑を受けて刑務所に入らなければならないかもしれない」という認識を持っていたら、どこかで歯止めがかかり、高橋さんの命が救われたかもしれない。
▽個人の責任はどこへ?
・「法人」というのは法的に作り上げられた疑似人格であり、その法人に罰金が科されたとしても、法人の構成員は誰も直接的に痛みを感じることはない。電通事件に限らず、一般的に長時間残業を命じた上司は「立場上、仕方がなかった」などと、組織との関係を持ち出し、自己弁護に走ってしまいがちである。 もっと言えば、罪の意識すら持たない上司もいるようだ。私が過去にある個人から相談を受けたケースがある。彼は精神疾患で休職に追い込まれたが、追い込んだほうの上司から「君のメンタルが弱かったからこういうことになったのだ」と言われて非常にショックだったという話を聞いた。
・企業経営者や幹部社員に、部下の命や心身の健康を預かっているのだという自覚と責任を持って労務管理に取り組んでもらうよう、法的側面から促していくには、悪質性の高い労働基準法違反事件に対しては、法人に罰金刑を科すだけにとどめず、個人の責任をしっかりと問いただしていく必要がありそうだ。
・理想論としては、罰則などなくとも、「会社と社員」「上司と部下」が対等な立場でお互いを尊重し合い、働きやすい職場づくりが行われることである。
・しかしながら、現実的には「会社と社員」「上司と部下」には歴然とした力関係に差があり、すべての会社や上司が社員や部下のことを考えて労務管理を行っているとは言えないので、立場の弱い社員を守るためには法律の力が必要である。過重労働による心身の傷病や、過労自殺の被害者を1人でも減らすため、抑止力を高めるという観点での実効性を鑑みたうえでの労働法規の見直しは議論の余地がある。
http://toyokeizai.net/articles/-/192808

第一の記事で、 『法人としての電通は労働基準法違反罪で略式起訴となった。 しかし、東京簡裁には電通社員の出退記録など大量の証拠が押収されており、書面の審理だけでは不十分と判断。そこで今回の公開裁判となったのである』、というのは一歩前進ではある。ただ、 『大阪では今年に入ってから略式起訴命令を不相応等とする判断が相次いでいる』、最終的にどうなったのかの記述がないのが残念だ。 『過去には以下のような事件があり、社長が個人的な責任を問われた』、とあるが、ここでの社長の個人的な責任はあくまで、民事上の損害賠償責任であって、刑事上の責任ではない。電通事件では民事上の損害賠償請求は、私におぼろげな記憶では、まだこれからの段階にある筈。 『全国規模でレストランを運営する企業』、の社長の 『「労働時間の設定が過労死基準に縛られること」への反論』、が  『「(残業の上限を決める制度は)企業への影響を考えれば容認できない」(by 榊原経団連会長)。 ……なんとも。今政府が進めようとしている「働き方」の内容とまったく同じ。 つまり、先の卑劣な“事件”をおこしたトップが必ずしも“特別に卑劣なトップ”とは言い切れない現実が、日本社会のど真ん中に蔓延っているのである』、というのは、なんとも強烈な産業界トップへの皮肉である。 『カルロス・ゴーン氏も、“殺人罪”に問われそうになった・・・「ルノー」で、4カ月間に3人が自殺』、というのは初めて知った。どのように逃げ切ったのだろうか。  『超時間労働もパワハラも「トップの責任」という意識を』、との主張には大賛成だ。最後の 『責任を「お互いが守る」と確信できること』、というのはキレイ事過ぎる感もあるが、無難なまとめ方ではある。
第二の記事で、 『刑事罰の本来の目的である「抑止力」という観点からしても、「罰金50万円」という処分は電通規模の会社に対して実効性があるとは言えない・・・企業規模に応じたペナルティを科せば、過重労働やパワハラなどに対する実質的な抑止力として機能するのではないだろうか』、というのはその通りだ。 『実務上の運用に盲点がありそうだ。 現行の労働基準法の枠組みにおいても、部下に違法な長時間労働を命じた上司や、それを会社ぐるみで黙認した幹部社員には6カ月以下の懲役を求刑することができる。それにもかかわらず、司法手続きの実務運用として、ほとんどが起訴猶予処分として処理されるため、過重労働などに対する実質的な抑止力が働いていないということだ』、という運用も、思い切った判決で打破していく必要がある。ただ、「前例主義」に良くも悪くも囚われている司法の壁は相当高そうだ。 
タグ:違法残業事件 高橋まつりさん カルロス・ゴーン氏も、“殺人罪”に問われそうになった 東京簡易裁判所に出廷 山本敏博社長 電通 東洋経済オンライン 電通社長出廷で考えた「責任と責任」 経営者と従業員、両方が果たして仕事は回る 日経ビジネスオンライン 河合 薫 (その14)電通(新入社員過労自殺6)(電通社長出廷で考えた「責任と責任」、電通過労死事件「罰金50万円」は軽すぎないか) 企業不祥事 違法残業 今政府が進めようとしている「働き方」の内容とまったく同じ。 つまり、先の卑劣な“事件”をおこしたトップが必ずしも“特別に卑劣なトップ”とは言い切れない現実が、日本社会のど真ん中に蔓延っているのである 「残業上限100時間」 「(残業の上限を決める制度は)企業への影響を考えれば容認できない」(by 榊原経団連会長) 。[経営]判断の合理性と裁量の範囲は、その会社が属する業界の経営において通常求められる内容と程度が基準となるべき 労働時間の設定が過労死基準に縛られることは、取締役にとっては経営判断の放棄であり、むしろ会社に対する善管注意義務の懈怠とさえなりうる 全国規模でレストランを運営する企業 大阪では今年に入ってから略式起訴命令を不相応等とする判断が相次いでいる 榊 裕葵 上司らは不起訴処分 これまでの運用を見ると、「個人」が起訴されたり刑罰を科されたりした例は極めて少ない 現社長の山本氏が公開の法廷の場に立った」という事実が、日本中のトップの意識改革に繋がればいいと、心から願うばかりだ 「電通過労死事件「罰金50万円」は軽すぎないか 現行の労働法規では抑止力になりえない」 この会社のトップは 「外食産業界においては(略)1カ月100時間とすることは、むしろ一般的」 と反論 マズローは「仕事が無意味であれば人生も無意味なものになる」 同社では何人もの命が失われている 会社と役員に約7860万円の支払いが命じられ、役員の個人責任が認められたのだ 現行の労働基準法の枠組みにおいても、部下に違法な長時間労働を命じた上司や、それを会社ぐるみで黙認した幹部社員には6カ月以下の懲役を求刑することができる 企業規模に応じたペナルティを科せば、過重労働やパワハラなどに対する実質的な抑止力として機能するのではないだろうか 「36協定」の上限を超える残業 山本社長というひとりの人間の出廷により「法人の顔」が明らかになったのは画期的 東京簡裁には電通社員の出退記録など大量の証拠が押収されており、書面の審理だけでは不十分と判断。そこで今回の公開裁判となったのである 司法手続きの実務運用として、ほとんどが起訴猶予処分として処理されるため、過重労働などに対する実質的な抑止力が働いていないということだ 刑事罰の本来の目的である「抑止力」という観点からしても、「罰金50万円」という処分は電通規模の会社に対して実効性があるとは言えない 男性(24歳)が急性心不全で過労死し、両親が損害賠償の支払いを求めて会社と代表取締役ら役員4人を提訴 私は「職場とは人生の明日をつくる」空間だと考えている 居酒屋チェーン 法人としての電通は労働基準法違反罪で略式起訴 ニーチェは「職業は人生の背骨である」 責任を「お互いが守る」と確信できること 超時間労働もパワハラも「トップの責任」という意識を 近畿や東海にスーパーマーケットを展開する企業
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