SSブログ

医療問題(その9)(名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」、肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない 肺がんのスペシャリストに聞く(予防編)、がんに特化したセンター病院はがん治療に最良か 肺がんのスペシャリストに聞く(治療編)) [社会]

医療問題については、9月19日に取上げたが、今日は、(その9)(名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」、肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない 肺がんのスペシャリストに聞く(予防編)、がんに特化したセンター病院はがん治療に最良か 肺がんのスペシャリストに聞く(治療編)) である。

先ずは、9月19日付け現代ビジネス「名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」 メリットよりデメリットのほうが大きい」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽焦ってやると必ず後悔する
・「私は外科医なので、様々な手術をしてきましたが、今は基本的に人の身体を傷つける手術は、できるだけ避けるべきだと考えています」 こう語るのは、帯津三敬病院名誉院長の帯津良一氏(81歳)。そんな帯津氏が「自分が患者なら受けたくない手術」として挙げたのが食道がんの手術だ。
・「私が40代後半の頃、食道がんの手術をした患者さんに『先生だったら、この手術を受けましたか?』と聞かれたことがあります。当時の私は手術こそが最も有効な手段だと思っていたので、自信満々に『もちろん受けますよ』と答えました。 しかし、今はそうは思いません。あまりにも身体への負担が大きすぎるため、その後の患者さんの人生、QOL(生活の質)を大きく損なってしまうからです。特に首から上の手術をすると人相までも変わってしまう」
・健康増進クリニック院長の水上治氏(69歳)も同じ意見だ。 「食道がんの場合、『食道亜全摘術』(食道とリンパ節を切除し、胃を持ち上げて残っている食道とつなぎ合わせる)という大手術になるため、医者の腕によって大きな差が出ます。 中村勘三郎さん('12年、食道がんの手術後死去。享年57)のように、合併症の危険もある。術後死や後遺症を考えると、60歳を超えてからは受けたくない」 最悪の場合、食べられなくなり、寝たきりになることも考えられる。にもかかわらず、腕試し感覚で、食道がんの手術をしたがる医者は少なくない。しかし、医者自身がその手術を受けるかといえば、答えは「NO」だ。
・食道がん同様に、多くの60歳以上の医師が受けたくないと答えたのが、膵臓がんの「膵頭十二指腸切除術」だった。 大腸がんの権威で、神奈川県立がんセンターの赤池信氏(68歳)ですら膵臓がん手術には否定的だ。 「治癒切除率の低さと術後合併症の頻度、QOLを考慮すると正直、自分なら受けたくない。手術の代わりに重粒子線治療を選択したい。
・他にも膀胱がんに対する人工膀胱造設術は避けたいですね。理由は自己管理が非常に困難で、常に尿漏れが続くからです」 前立腺がんの手術も「受けない」と答えた医者が多かった。大阪大学人間科学研究科未来共創センター教授で循環器内科医の石蔵文信氏(62歳)が語る。「前立腺がんや甲状腺がんは進行が遅いので、手術せずとも、そのまま人生を終えられる可能性が高い。実際80歳以上で亡くなった男性を調べてみると、多くの人に前立腺がんが見つかっています。 最近はPSAという前立腺がんマーカーの数値がちょっと高いとすぐに『手術しよう』と言われますが、海外の論文では手術のやり過ぎを指摘する声も多い」
・がんと並んで、医者が受けたくない手術として挙げたのが脳の手術。たとえば、脳ドックで未破裂脳動脈瘤が見つかったと言われたら、不安で手術を受けようと思う人もいるだろう。 だが、はるひ呼吸器病院病理部長の堤寛氏(65歳)は、無理に手術するほうが危険だと主張する。 「脳ドックによって、脳に小さな動脈瘤が見つかるケースがよくあります。 『破裂したら大変ですから、今のうちに取り除きましょう』と言う医者がいますが、私なら放置します。手術による死亡率が5%程度あるのに対し、10年以内に破裂する確率は1~2%程度と言われています。 高齢者は、無理に手術した場合と、そのままにした場合で寿命が変わらない可能性が高い。ちなみに脳ドックは日本でしかやっていません」
・脳と同じく、神経に影響を及ぼす可能性があるのが頸椎の手術だ。 「頸椎は神経が集中するものすごくデリケートな部分です。『手が痺れる』といった症状で手術に踏み切る人がいますが、良くなったという声をほとんど聞かない。 手術をしても痺れと痛みは残るし、よりひどくなる可能性はいくらでもある。私も自分で歩けるうちは絶対に受けない」(秋津医院院長の秋津壽男氏・63歳)
・さらに前出の堤氏は「自分なら大動脈瘤の人工血管置換術は受けたくない」と語る。 「手術の際、血栓が詰まって脳梗塞や心筋梗塞になって死亡する確率が10~20%ほどあり、たとえ手術を乗り越えたとしても、体力のない高齢者の場合、寝たきりの状態になる可能性も大きい。 実際、私の義父が担当医から胸部の大動脈瘤で手術を勧められたと聞き、私が『もし先生のお父さんが患者だったら手術をしますか』と問うと『しません』と答えました。 自分の家族にはやらない手術をなぜ勧めたのか。もっと患者のことを真剣に考えてほしいと憤りを感じましたね」
・前出の秋津氏は、扁桃腺の摘出手術、盲腸の手術、胆石の手術、白内障手術は、ギリギリまで逃げ回って受けないという。 「もともと扁桃腺自体は邪魔者ではなく、免疫の要になっている部分なんです。盲腸も同じです。以前はほかの手術のついでに取ったりしたのですが、いまは盲腸があったほうが、腸内環境がよくなると研究結果が出ています。
・白内障は徐々に悪くなっていく病気なので、本当に生活に支障をきたしてからでも十分に間に合う。 胆石も同様。昔は胆石が刺激になって胆嚢がんになるとされていましたが、いまは関係ないことがわかっている。炎症を起こしていない人は、知らん顔して死ぬまで持っておいたほうがいい」
▽腰痛で手術してはいけない
・遅らせても大丈夫な手術は、なるべくやらずに様子を見る。特に高齢者で残りの人生を考えた場合、これも立派な治療法の一つだ。 高齢者の多くが悩まされる腰痛。手術をすればすぐに良くなりますよと、甘い言葉を囁く医者もいるが「私は整形外科医ですが、脊柱管狭窄症(腰痛)の手術は受けたくない」と語るのは、望クリニック院長の住田憲是氏(71歳)だ。 「MRIやレントゲンの画像だけで診断して、治療費を稼ぐために、手術を勧める医者が多すぎる。そもそも腰痛は神経を含む腰以外の複合的な問題があることも多く、手術することでさらに苦しむ患者さんも少なくありません」
・医者の言うことを鵜呑みにして手術を受ければ、幸せになれないばかりか、余命を縮めることになる。常に疑問を持つことが大切なのだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52831

次に、10月10日付け日経ビジネスオンライン「肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない 肺がんのスペシャリスト、順天堂大学鈴木教授に聞く(予防編)」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問、+は回答内の段落)。
・喫煙率が下がり続けているのに、肺がんによる死亡者数が増え続けている。自覚症状が出にくい肺がんは、気がついた時には「手遅れ」となるリスクも高い。毎年の健康診断で胸部X線写真を撮っているからといっても安心できない。では、どうしたらいいのか。率直な疑問を、肺がんのスペシャリスト、順天堂大学医学部の鈴木健司教授に話を聞いた。
――「肺がん」と聞くと、タバコを吸っている人がなる病気だというイメージがあります。「自業自得だ」なんていう声も聞きますが、実際はどうなのでしょうか。
・鈴木:医学の進歩によって、胃がんや肝臓がんは早期に発見することができるようになりました。そのため胃がんで死ぬ人は横ばい、肝臓がんで亡くなる人は2000年代に入って減少に転じています。ところが、肺がんで亡くなる人は増加の一途をたどっています(下の図の赤い線)。今や、日本国内でがんによる死亡者数は肺がんがトップになってしまいました。
+タバコとの関係はどうか。日本で喫煙率のピークは1965年、昭和40年頃です。当時の成人喫煙率は80%ぐらいありましたが、今は20%を切っています(2016年「国民健康・栄養調査」によると、男性が30.2%、女性が8.2%だった)。 タバコを吸う人は確実に減っているのに、肺がんになる人は確実に増えている。だから今、肺がんになるのはタバコを吸っていない人がほとんどということになります。
――そうなんですか!知り合いが肺がんになったと聞いたら、「タバコを吸い過ぎたんだな」と思ってしまいがちですが、そうではないということですね。
・鈴木:そうです。この情報はもちろん厚生労働省も把握している。けれども、世間にはあまり知られていません。禁煙運動に水を差すので言わないという考えもあるのかもしれませんが、もうちょっと広く知ってもらった方がいいと思うんですね。
▽肺がんは自覚症状が出にくい、発見された時には手遅れ
――喫煙率は下がっているのに、肺がんの罹患率は上がっている原因は分かっているのですか。
・鈴木:残念ながら分かっていません。 肺がんは大きく分けると2種類に大別されます。「扁平(へんぺい)上皮がん」と「腺がん」です。 このうち扁平上皮がんは喫煙が発症の原因とされています。タバコの煙が肺に入ってきて、気管支が3つに分かれる辺りに扁平上皮がんができます。腫瘍ができると喀血(かっけつ=咳の中に血が混じる)するので、割と早く分かります。昔は扁平上皮がんにかかる人は多かったけれど、喫煙率が下がってきたので、最近では扁平上皮がんにかかる人は減ってきています。
+一方、増え続けているのが腺がんという、肺の末梢にできるがんです。肺というのは感覚神経を持たないので、がん組織が大きくなっても痛みはありません。扁平上皮がんと違って喀血もしない。だから自覚症状もない。おまけに「タバコを吸っていなければ自分は肺がんにならない」という頭があるでしょう?
▽健診の胸部X線写真は「ほとんど意味なし」
――はい。今日、先生に会うまでずっとそう思ってきました。
・鈴木:だから発見が遅くなり、死亡率が高いのも肺がんの特徴です。だいたい死亡率は80%~85%といわれています。 では、どうやって見つけるか。健康診断などで、胸部のレントゲン写真を撮りますよね。それで大丈夫だと言われれば安心しちゃう。でも、実はそれが一番、危ないわけです。
・公益財団法人「東京都予防医学協会」が運営している「東京から肺がんをなくす会(ALCA)」という組織があります。その健診は年に2回、CT(低線量ヘリカルスキャンマルチスライスCT)、喀痰細胞診(痰の中にがん細胞が混じっていないかを確認する検査)、胸部X線撮影の3つをやります。これまでに、数十万人を検診してきた実績があります。
・ALCAの面白いところは、世界でも唯一、スモーカーでも入会できることです。通常、喫煙者はスクリーニングから除外されてしまいます。だから非常に実験的な取り組みと言えます。 これまでの調査の結果、胸部CTだけで見つかった肺がんがあります。喀痰細胞診だけで見つかった肺がんもあります。しかし、胸部レントゲンだけで見つかった肺がんというのは「ゼロ」なんです。 どういうことかと言うと、レントゲン写真で写っているがんというのはCTでも分かるし、痰でもがん細胞が検出される。だから胸部レントゲン写真は要らない、とと言えます。
――会社などでは年に1度の健康診断で、X線で胸部写真を撮りますが、あまり意味がないということですか。
・鈴木:肺がんを発見するという目的なら、そうとも言えます。効果的なのは胸部のCTを撮ることです。ノンスモーカーだったら、5年に一遍でいい。20歳でも肺がんになる人がいるので、成人したら5年に1回のペースで定期的に胸部のCTを撮ってもらいたいですね。
・一方、スモーカーは半年に一遍でも助からない人は助からない。喫煙していると、悪性度の高いがんが発生する可能性が高くなるからです。特に女性には極力、タバコを吸わないでもらいたい。通常、男の人の方が女性よりも予後(手術後の回復度合い)が悪い。つまり、治りにくいと言われています。ただ、タバコを吸う人同士で比べると、女性の方が予後は悪いです。
▽どうしても吸いたいなら葉巻か電子たばこ
――何か要因は分かっているんでしょうか。
・鈴木:タバコの中の発がん物質が、女性のX染色体、もしくは女性ホルモンと悪い相互作用を引き起こすことが学術的にも分かってきています。だから最近、若い女性がダイエットの目的でタバコを吸ったりするのは、絶対に止めてもらいたいですね。妊娠のことを考えても、良いことは1つもありません。
――どうしてもタバコが止められない人は、どうすればいいですか。
・鈴木:いろいろ方法はあります。例えば、葉巻はあんまり肺がんと関係ないと言われているんですね、量を吸えないから。タバコだとチェーンスモーキングになるでしょう。葉巻というのは吸っても結局、煙があんまり肺に入ってこないし、すごく時間がかかる。だから肺がんの発症とは、あんまり関係ない。
+最近増えている電子タバコは、紙巻きタバコよりはましでしょう。ニコチンだけを液体にして気化して吸うので、どうしても吸いたいんだったら、まだ電子タバコの方がいいでしょう。 繰り返しになりますが、タバコは止めた方がいいですよ、絶対に。先ほども申し上げた通り、肺は痛みを感じないので肺がんは見つけにくい。自覚症状が出るまで肺がんが進行していたら、もはや手遅れなのです。手術でどんなにきれいに摘出できたとしても、リンパ節に転移しているようであれば再発します。喫煙していると、肺がんの悪性度は確実に悪くなります。
▽肺がんを予防するためのポイント
 +タバコを吸わないから肺がんにならないとは限らない
 +ただ、喫煙が肺がんの悪性度を高めることは科学的に明らか 
 +胸部レントゲン写真だけでは肺がんを見つけきれない
 +非喫煙者であれば5年に1回のペースで胸部CT検査を受ける
 +どうしても禁煙できない人は電子たばこか葉巻を吸う
▽手術する前にリスクが分かる
・鈴木:肺がんが見つかったならば、CTスキャンでグレーディングができるようになりました。 
――グレーディングとは何ですか。
・鈴木:予後因子を解析できるようになったということです。CTの画像を見ることで、比較的治りやすいがんなのか、治りにくいがんなのかというのが、手術をする前にある程度分かるようになってきました。 だからその予後に応じて、治療の方針を決めることになります。肺がんに対しては、放射線治療と抗がん剤の投与、そして手術によるがん組織の摘出が対処法となります。
+肺がんがなぜ人の命を奪うかというと転移するからです。転移する場所はだいたい5カ所。脳、肝臓、副腎、骨、そして片方の肺であることが分かっています。転移している、もしくは転移が予測されている場合には、抗がん剤を投与します。 手術で取れるようだったら摘出します。しかし、がん細胞が心臓に密着していると摘出は難しいので、放射線治療に切り換えます。ただ、放射線と肺というのは非常に相性が悪いのです。
――相性が悪い、とはどういうことですか。
・鈴木:スポンジを火であぶるようなもの、と言えばイメージしやすいでしょうか。放射線を照射すると肺の組織がボロボロになって、機能しなくなってしまいます。だからできるならば、手術できれいに取った方がいい。肺がんの治療ガイドラインも、今そうなっています。 進行している肺がんに対しては、放射線、抗がん剤をやった後に手術とか、総動員してやる。そうすると手術はすごく難しくなる。リスクが高くなるので、外科医としてはあまりやりたがらない。そのため、全国から順天堂大学医院に来る患者が増えています。
――肺がん患者の「最後の砦」のようになっているということですか。
・鈴木:そうですね。だいたい2つのパターンがあって、1つは病変がすごく大きくて取れそうもないというパターン。病変が大きいと放射線治療もやりにくい。照射しなければならない部分が広くなってしまうからです。 もう1つが病変は小さいけれども、その患者さんの心臓が悪い、あるいは腎臓が悪い。そういうリスクがあると、手術自体は簡単なんだけれども、手術そのものに耐えられない。
+専門的には「耐術能」とも言うんですが、そういう場合もリスクが高くなるので、術後合併症(手術などの後に、それらが原因になって起きる病気)が起こって患者さんが亡くなってしまうリスクが高まります。それを恐れて、手術を回避しようとする外科医もいます。そういう、オペをしてもらえなくてウチに来る患者さんもいらっしゃいますね。
+やっぱり、医者と患者さんとでは、情報の非対称性がすごく大きいのが実情です。医師から言わせてもらえば、患者さんを誘導することは容易なんです。どんなに簡単に終わる手術でも、患者さん側から「手術は結構です」と言わせることができます。別に、うそを言うわけではありません。例えば0.1%の確率で起きることでも、言い方によって患者さんはより深刻に受けとめる。結果として、手術は回避されることになります。  ただ、そのこと自体は決して、医師が責められることではないと思っています。私もそうですが、外科医として、自分でできない手術まで引き受けることはできません。やってはいけないことだとも思います。
――人の命を預かる責任がある、からですか。
・鈴木:そうです。やっぱり、自分ができる範囲で引き受けるしかないと思っています。 「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」──私はこの孫子の言葉が大好きで、まさに手術の神髄を言い得ていると思っています。各外科医、各施設によって身の丈に合った臨床、手術を展開することが肝要だということです。
+例えば、順天堂大学病院でできることと、国立がんセンターでできることも違います。私はがんセンターに10年以上も勤務していましたので、よくわかりますが、がんセンターには、循環器専門医はいないし、糖尿病の専門医もいません。順天堂は総合病院なので、リスクの高い方の手術にも対応できます。市中病院だと、もっとリスクは負うことはできません。
+繰り返しになりますが、身の丈に合った治療をするということが大事です。そして患者さんには、正直に言わないといけない。うちはここまでしかできないから、高度な医療をお望みなら(別の)あの病院に行ったらどうですか、と。そういうシステムが、今はないんですよ。
――街中の小さな診療所であれば、地域の大病院に紹介する制度もあります。
・鈴木:開業医の先生方は、レピュテーション(信頼)が大事です。あそこに行ったら良くなった、という評判が積み重なって地域で不可欠な存在となります。 ただ、地域の中核病院と言われるような病院は、プライドもあるし、患者をお断りすることもやりにくい。「あそこへ行ったら結局、がんセンターを紹介されちゃった」と言われたら、それはそれでレピュテーションが落ちちゃうわけです。だからこそ、病院間できちんと患者を紹介し合うような仕組みを、制度として作った方がいいと思います。
+最近も地方の国立大学で起きてしまいましたが、経験があまりない医師が無理な治療を試みて、問題になりました。本人は一生懸命にやっていたんでしょうが、身の丈に合った医療をしないと被害を受けるのは患者さんです。これは絶対に、避けなければなりません。
――医療ドラマでは、医師の虚栄心から無理な手術に走るというのは良くある筋書きですが、実際の現場でも似たようなことが起きているのですね。
・鈴木:医学の世界だけではなくて、原理原則というのはどこも同じです。やはり「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」に尽きます。この言葉はまさに真理を突いていて、患者さんの体、病気の進行度、自分の力量、同時に自分の病院のキャパシティーを知って初めて、自分たちでオペできるかどうかが決まります。
+だから全国からいろいろな問題を抱えて、順天堂大学にいらっしゃる方がいます。手術前は本当に心配していた患者さんも、僕らとリスクを共有して、一緒に乗り越えていこうというような治療をした場合は、ほとんどうまくいきます。だから、無理なものは最初から無理だということはちゃんと言います。 (次回に続く)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/092900266/?P=1

第三に、上記の続きとして、10月16日付け日経ビジネスオンライン「がんに特化したセンター病院はがん治療に最良か 肺がんのスペシャリスト、順天堂大学鈴木教授に聞く(治療編)」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問、+は回答内の段落)。
・数あるがんの中でも日本で最も死亡数が多いのが肺がんだ。痛みを感じない臓器ゆえに発見できた時には「手遅れ」となるリスクも高い。しかも、健康診断でも見つけにくいという厄介ながんだ。そこで肺がんのスペシャリスト、順天堂大学医学部の鈴木健司教授に「治療」について聞いた。(前回から読む)
――前回、がん治療は病院間の連携を促す仕組みが必要だと伺いました。
・鈴木:がんというのは、年齢が上がるほど発症する確率が高くなる病気です。高齢化が進む日本で、がん患者が増えるのは必然とも言えます。 高齢になると当然、他の疾患に罹患している確率も高くなります。糖尿病や脳梗塞の既往もあれば、心筋梗塞を患っている患者さんもいます。そうなると合併症を注意しなければなりませんが、そのようなリスクを持つがん患者の方にはがんに特化したセンター病院に行かれることはおすすめできません。
▽がんセンターは“元気な”がん患者向き
――がんと診断されたら、がんの専門病院にお世話になりたいと思いがちですが…… 
・鈴木:一般の方々がそのような考えをお持ちなのは無理からぬことです。ただ、病院にはそれぞれ役割があります。 いわゆるがんセンターというのは、治験(新しい医薬品や医療機器の承認を得るために行われる臨床試験)を実施することが重要な役割となっています。治験を成功させるためには患者さんをセレクトしなければなりません。新薬が本当に効くかどうかをテストするので、合併症リスクが高い患者さんは対象から外されます。
+変な言い方に聞こえるかもしれませんが、“元気な”がん患者を相手にするのが、がんセンターの本来の役割なのです。つまり、心筋梗塞を患っていたり透析をしていたりする患者さんには向いていないのです。  実際、がんセンターの将来向かう先はそうなっています。がんセンターというのは、通常の病院ではできないような臨床試験や治験をやるところだと。
+誤解を招かないように申し上げますが、がんの治療にかけては、がんセンターは非常にレベルが高い。私もがんセンターに10年以上勤務していたのでよく分かっています。だからこそこれから大事になっていくのは、大学病院を中心とした総合病院が、がん治療のレベルを上げていかなければならない、ということです。
▽糖尿病患者の手術はなぜ難しいのか
――病院はどこも同じではなく、それぞれ役割分担があるということですね。
・鈴木:そうです。治験をするのはがんセンター。一方、リスクの高い高齢の方の手術は総合病院でやった方が安全です。これまでがんの治療レベルはがんセンターの方が高かったので、患者さんとしてもがんセンターでやってほしいという意向が強かった。 だけど、我々のように総合病院もレベルを上げることによって、がんセンター以外でもちゃんとしたがんの治療ができるようになるのが一番良いと思うんですね。
――合併症に関して。例えば糖尿病を患っている方の手術というは、オペする立場からすると、何が、どう難しいのでしょうか。
・鈴木:糖尿病というのは血糖値が高いということは皆さんご存じでしょう。血糖値が高いから余分なものが尿に出るということで糖尿病と呼ばれています。ただ、糖尿病の正体というのは血管の炎症であるということです。「Vasculitis(血管炎)」である、と。だから、糖尿病の患者さんは新生血管が起きない。
+血管が新しくできないと何が問題か。例えば、肺がんの手術では気管支を切除した後に、糸で気管支同士を縫い合わせます。この傷が治るにはまず、気管支の両方から新しい血管が伸びて来て、そこにファイブロブラスト(線維芽細胞)が集まり、ファイブロブラストが分泌するコラーゲンなどによって繊維化という現象が起こり、ガチッと気管支同士がくっつく。
+この創傷治癒のプロセスにおいて、血管新生が起きることが不可欠です。だが、糖尿病の患者さんの場合、これが起きない。血管が炎症を起こしているからです。だから、糸で縫い合わせても、気管支同士がくっつかないのです。
――糖尿病患者は傷が治りにくい、と言われるのはそういう理由からなのですね。
・鈴木:手術療法で大前提となるのは、創傷治癒機転があるということです。傷が治らないので、患部がグチュグチュと化膿して、下手をすると壊疽(えそ)を起こして足を切除しなければならないこともあります。 これは肺がんに限らず、どこの外科手術でも同じです。切ったところが治らなければ手術は成り立たないから、糖尿病というのは非常にリスクが高いといわれているんですね。
――糖尿病の患者さんは日本でもたくさんいますが、そのような人の手術は何か特別な糸を使ったりするのでしょうか。
・鈴木:糖尿病患者を手術する場合、「周術期管理」が必要となります。手術前と手術後で血糖値を厳格にコントロールすることによって、合併症を減らせるというエビデンスがあります。血糖値をきちんとコントロールすれば、糖尿病の患者さんでも傷がちゃんと治ってくるということです。
+ただ、血糖値のコントロールというのはかなり難しくて、日内変動があるんですよ。糖尿病になると食事の後に血糖値が200(ml/dl)を超えることがある。この200を超えないようにインスリンを打って頭(上限)を抑えるわけですが、あんまり抑え過ぎちゃうと血糖値が下がりすぎてしまう。糖尿病って低血糖の方がずっと危ない。意識がなくなり、下手をすれば死んでしまうこともあります。
+要するに、血糖値は上げすぎず、下げすぎず、最適な領域でコントロールする必要があります。ただ、非常に安全域の狭い管理をやるためには、やっぱり経験のある医師が一定数いないとだめなんです。
▽高齢化時代こそ総合病院の出番が増える
――順天堂大学病院のような総合病院であれば、糖尿病の専門医もいるので患者の手術前、手術後もきちんと血糖値をコントロールできるということですか。
・鈴木:はい。手前味噌になりますが、順天堂の糖尿病科のレベルは世界的に見てもかなり高いと言えます。私は10年以上もがんセンターでオペしてきたのでよく分かります。糖尿病の専門医の数は圧倒的に順天堂の方が多く、レベルが高い。
・他の疾患でも同じです。例えば心臓のペースメーカーが入っている患者さんをがんセンターで手術しようとしたら大騒ぎです。ME(臨床工学技士)を外から呼んで、仮に手術中に心臓が止まっても対応できるようにしておく必要があります。順天堂なら、(MEが常駐しているので)普通に手術ができます。
+透析患者さんもそうです。昔、がんセンターで透析をしているがん患者の手術がありました。がんセンターには透析ができる設備がなかったので、月島の別の病院に患者を搬送して透析を受けてもらって、それで築地(がんセンターの所在地)に戻して手術をするなんてことをしていました。でも、順天堂なら一カ所で対応できます。
――複数のメディカルスタッフ(医療専門医)が連携して1人の患者に対応する、チーム医療が提供できるということですね。
・鈴木:そうです。誤解を招きかねないので申し上げますが、これはがんセンターが良いとか、悪いとかいう問題ではないのです。高齢化の時代を迎えて、がんになる人も高齢者の割合が増える。そうなると必然的に、総合病院じゃないと安心した対応ができなくなるということです。
+逆に言うと、患者さんががんセンターで手術を受けることに固執し過ぎると、総合病院だったら手術できるものも「できない」と言われてしまう可能性があるということです。前回も申し上げましたが、大きな病院間で患者を紹介し合う制度がない。 すると、どうなるか。がんセンターで「だめだ」と言われたら、ほとんどの人は「もうだめだ」と思ってしまうでしょう。これは良くありません。
+大事なことなので何度も申し上げますが、合併症をお持ちの患者さんは総合病院で手術した方がいい。そういうことは、医者が患者にきちんと説明しないといけません。これは私が、総合病院に属する医師だから申し上げているのではありません。
+そこで問題となるのが、各病院における治療レベルです。手術というのは、やればやるほど上手くなるものなのです。医者にとって症例数を重ねることが一番重要です。 ただ、がんセンターに比べると、都市部の大きな大学病院でさえも、がんの患者数は10分の1ぐらいになってしまう。普通の市中病院とがんセンターを比べた際、手術のクオリティーに差が出るのは、こなした症例数に圧倒的な差があるからです。
▽日本には呼吸器外科の「専門医」が1000人以上もいる
――手術をすればするほど、外科医として習熟度が上がる。
・鈴木:肺がんに関して言えば、胃がんと比べて手術の数が少ない。だから1年間に200件以上やっている病院は、全国でも9カ所しかありません。 例えば地方のある病院で年間、150件の手術を手掛けているとしますよね。そこに外科医が5人いるとする。そうすると1人当たり年間に30件でしょう。ということは、手術は2週に一遍しか回ってこない。
+ところががんセンターは、僕がいたときは年間に713件あって、これを3人でやっていたんです。だから1年間に200〜300件の手術をしていました。 天皇陛下の執刀医として知られる天野篤先生(順天堂大学医学部付属順天堂医院長、同医院心臓血管外科教授も兼ねる)もよく言いますけれども、医者が一人前になるにはだいたい1000件の手術をこなさなければならない。それで3000件までやってもまだ患者さんから学ぶことがあると。まだフィフティー・フィフティーなんですね。5000件になるとようやくほぼ100%、患者さんに還元できる。患者さんから学び尽くして、あとはもうどんな人にも対応できるようになるのです。私も全く同感です。  その基準で言うと、年間30件しかオペできない人が1000件やるには、30年でも足りません。
――それは現実的ではないですね。
・鈴木:これが日本の呼吸器外科の現状なのです。胃がんとか大腸がんというのは手術数がものすごく多いから、一般病院でもそれなりの症例数を経験できる。 これはちょっと語弊があるから慎重に言いますが、きちんと経験を積んだ呼吸器外科医によって手術が行われていないということなんですね。
+ちなみに呼吸器外科の専門医というのは、肺がんの手術を5年間に100件の術者か助手をやれば取れます。「専門医」と言っても、その程度なのです。だから天野論理でいうと、3000件のオペ経験がある医師は日本国内では非常に限られている。3000件とか5000件なんて、たぶん日本に数人ぐらいしかいないんですね。
――先生は今、どれぐらいですか。
・鈴木:僕はこれまで、4500件ぐらいの経験があります。 ちなみに英国には胸部外科医は75人しかいません。15年前はわずか19人だったそうです(David Waller氏からの私信による)。英国でも肺がんが増加したので増えたのですが、それでも人口が約6000万人の英国でその程度です。だから大英帝国呼吸器外科学会というのは存在しません。それだけしかいないので、学会が成り立たないのです。だから欧州に枠を広げて、欧州呼吸器外科学会ならあります。
+一方、日本の呼吸器外科専門医は1434人です。人口の数で比べると、いかに日本の呼吸器外科医が多いかがわかります。日本には独特の事情があり、英国と同じ数で良いと言うことはありません。しかし1434人の認定のされ方、教育には改善の余地があります。
+これも誤解していただきたくないのですが、日本のレベルが低いということではないのです。日本はすごくレベルを高く保っているんだけれども、それにしても「専門医」と呼ばれる人が多過ぎますよね。 (次回に続く)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/101000267/?P=1

第一の記事で、 『「自分が患者なら受けたくない手術」』、として、 『食道がんの手術・・・膵臓がんの「膵頭十二指腸切除術」・・・膀胱がんに対する人工膀胱造設術・・・前立腺がんや甲状腺がん・・・未破裂脳動脈瘤・・・頸椎の手術・・・大動脈瘤の人工血管置換術』、さらには、『扁桃腺の摘出手術、盲腸の手術、胆石の手術、白内障手術・・・腰痛手術』、と多いのに驚かされた。 『私は外科医なので、様々な手術をしてきましたが、今は基本的に人の身体を傷つける手術は、できるだけ避けるべきだと考えています』、自分の医者から手術を勧められても、他の医者からセカンド・オピニオンをとるなど慎重に臨んだ方がよさそうだ。
第二の記事で、 『タバコを吸う人は確実に減っているのに、肺がんになる人は確実に増えている・・・この情報はもちろん厚生労働省も把握している。けれども、世間にはあまり知られていません。禁煙運動に水を差すので言わないという考えもあるのかもしれませんが、もうちょっと広く知ってもらった方がいいと思うんです』、との指摘は、喫煙者である私には「それみたことか」と喜んだが、後ろの方で、 『喫煙が肺がんの悪性度を高めることは科学的に明らか』、という指摘で、改めて危険性の高さを再認識させられた。
第三の記事で、 『がんセンターは“元気な”がん患者向き』、 『高齢化時代こそ総合病院の出番が増える』、というのは初めて知ったが、なるほどと納得した。 『きちんと経験を積んだ呼吸器外科医によって手術が行われていないということなんですね。 ちなみに呼吸器外科の専門医というのは、肺がんの手術を5年間に100件の術者か助手をやれば取れます。「専門医」と言っても、その程度なのです。だから天野論理でいうと、3000件のオペ経験がある医師は日本国内では非常に限られている・・・それにしても「専門医」と呼ばれる人が多過ぎますよね』、というのはなんとも心もとない限りだ。
タグ:医療問題 (その9)(名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」、肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない 肺がんのスペシャリストに聞く(予防編)、がんに特化したセンター病院はがん治療に最良か 肺がんのスペシャリストに聞く(治療編)) 現代ビジネス 名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」 メリットよりデメリットのほうが大きい 私は外科医なので、様々な手術をしてきましたが、今は基本的に人の身体を傷つける手術は、できるだけ避けるべきだと考えています 帯津三敬病院名誉院長の帯津良一氏 「自分が患者なら受けたくない手術」 食道がんの手術 QOL(生活の質)を大きく損なってしまうからです 膵臓がんの「膵頭十二指腸切除術」 膀胱がんに対する人工膀胱造設術 前立腺がんの手術 前立腺がんや甲状腺がんは進行が遅いので、手術せずとも、そのまま人生を終えられる可能性が高い 未破裂脳動脈瘤 脳ドックは日本でしかやっていません 頸椎の手術 良くなったという声をほとんど聞かない 大動脈瘤の人工血管置換術 扁桃腺の摘出手術、盲腸の手術、胆石の手術、白内障手術 腰痛で手術 日経ビジネスオンライン 肺がんは喫煙者だけがなる病気ではない 肺がんのスペシャリスト、順天堂大学鈴木教授に聞く(予防編) 喫煙率が下がり続けているのに、肺がんによる死亡者数が増え続けている 順天堂大学医学部の鈴木健司教授 この情報はもちろん厚生労働省も把握している。けれども、世間にはあまり知られていません。禁煙運動に水を差すので言わないという考えもあるのかもしれませんが、もうちょっと広く知ってもらった方がいいと思うんですね 肺がんは大きく分けると2種類に大別 扁平(へんぺい)上皮がん 腺がん 東京から肺がんをなくす会(ALCA) CT(低線量ヘリカルスキャンマルチスライスCT 喀痰細胞診 胸部X線撮影 胸部レントゲンだけで見つかった肺がんというのは「ゼロ」 喫煙していると、悪性度の高いがんが発生する可能性が高くなるからです 喫煙が肺がんの悪性度を高めることは科学的に明らか 放射線と肺というのは非常に相性が悪いのです 順天堂大学病院でできることと、国立がんセンターでできることも違います がんセンターには、循環器専門医はいないし、糖尿病の専門医もいません。順天堂は総合病院なので、リスクの高い方の手術にも対応できます がんに特化したセンター病院はがん治療に最良か 肺がんのスペシャリスト、順天堂大学鈴木教授に聞く(治療編) 日本で最も死亡数が多いのが肺がんだ 痛みを感じない臓器ゆえに発見できた時には「手遅れ」となるリスクも高い 高齢になると当然、他の疾患に罹患している確率も高くなります そうなると合併症を注意しなければなりませんが、そのようなリスクを持つがん患者の方にはがんに特化したセンター病院に行かれることはおすすめできません がんセンターは“元気な”がん患者向き がんセンターというのは、通常の病院ではできないような臨床試験や治験をやるところだと 糖尿病の正体というのは血管の炎症 糖尿病の患者さんは新生血管が起きない 創傷治癒のプロセスにおいて、血管新生が起きることが不可欠 尿病の患者さんの場合、これが起きない 糖尿病患者を手術する場合、「周術期管理」が必要 患者さんががんセンターで手術を受けることに固執し過ぎると、総合病院だったら手術できるものも「できない」と言われてしまう可能性があるということです 医者にとって症例数を重ねることが一番重要 がんセンターに比べると、都市部の大きな大学病院でさえも、がんの患者数は10分の1ぐらいになってしまう 日本には呼吸器外科の「専門医」が1000人以上もいる 呼吸器外科の専門医というのは、肺がんの手術を5年間に100件の術者か助手をやれば取れます。「専門医」と言っても、その程度なのです だから天野論理でいうと、3000件のオペ経験がある医師は日本国内では非常に限られている。3000件とか5000件なんて、たぶん日本に数人ぐらいしかいないんですね 日本の呼吸器外科専門医は1434人 それにしても「専門医」と呼ばれる人が多過ぎますよね
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。