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安倍外交(その2)(今ごろ慌てて中国「一帯一路」参加の大恥、横田空域返還交渉を断念した日本は世界の笑いものになる、エルサレム首都宣言でも「物言わぬ」日本外交 安倍政権の「普遍的価値」は看板倒れ) [外交]

安倍外交については、1月7日に取上げたままだったが、今日は、(その2)(今ごろ慌てて中国「一帯一路」参加の大恥、横田空域返還交渉を断念した日本は世界の笑いものになる、エルサレム首都宣言でも「物言わぬ」日本外交 安倍政権の「普遍的価値」は看板倒れ) である。

先ずは、11月20日付け日刊ゲンダイ「安倍外交のツケ 今ごろ慌てて中国「一帯一路」参加の大恥」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・ついに白旗か――。この5年間、中国を敵視し、「中国包囲網」を築こうとしてきた安倍政権。ところが、対応を一変させ、嫌いな中国が推し進める国家プロジェクト「一帯一路」構想に参加しようとシャカリキになりはじめている。
・河野太郎外相は18日、「一帯一路」について、「世界経済にメリットがある」と講演で明言。さらに、経団連の榊原定征会長など250人の財界人が、20日から中国を訪問し、「一帯一路」に対する日本企業の取り組みについて話し合う予定だ。
・「一帯一路」構想は、習近平肝いりの国家プロジェクト。海と陸の2つのルートでヨーロッパまでつなぐ現代版のシルクロード構想だ。「一帯」はユーラシア大陸を通ってヨーロッパまで鉄道を敷き、「一路」は東南アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパまで各地の港湾を整備して海路でつなぐ。5月に行われた「一帯一路」のフォーラムには、130カ国以上が代表を送っている。
▽トランプ大統領も強い関心
・世界各国が「一帯一路」に関心を強めているのは、巨額な利益を得られるチャンスだからだ。中国が整備する陸運ルートと海運ルートにうまく加えさせてもらえれば、企業の海外展開を加速させられる。 なにしろ「一帯一路」経済圏のGDPは、2400兆円に達する。中国と対立しているように見えるアメリカも、加わっている。
・「トランプ大統領がビジネスマン出身ということもあって、アメリカも一帯一路に強い関心を持っています。9月中旬には、一帯一路で連携しようと米中の企業関係者50人が北京の高級ホテルで密かに顔を合わせています。エネルギー、電力、建設、鉄道……業種はさまざまです。アメリカ側は、北京のアメリカ大使館が呼びかけたようです。ヨーロッパでは、ドイツが熱心に動いています」(外交関係者)
・日本は「このままでは取り残される」と慌てて動きだした形だ。しかし、いまから動きだして間に合うのか。元外交官の天木直人氏が言う。 「日本企業は相当な危機感を持っているはずです。ただでさえ、日本企業は国際競争力が低下しているのに、ビジネスチャンスを逃すことになりかねないからです。一帯一路の玄関となる東南アジアには、日本企業の拠点が数多くありますからね。安倍首相は、世界の動きを完全に見誤った格好です。どうせ一帯一路に参加するなら、もっと早く動くべきでした」  安倍外交は、ことごとく失敗している。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/218005/1

次に、元レバノン大使の天木直人氏が12月10日付けの同氏のブログに掲載した「横田空域返還交渉を断念した日本は世界の笑いものになる」を紹介しよう。
・ニュースの醍醐味はやはりスクープだ。 きょう12月10日の東京新聞が一面トップで大スクープを報じた。 日本政府は横田空域の返還交渉を米国に求めない方針である事が、外務省と国土交通省、そして在日米軍などの取材でわかったというのだ。
・横田空域とは、東京都心上空を含めた首都圏の広大で、高度の空域を、米軍が日米安保条約によって排他的に使用している空域の事である。 その空域を避けて民間航空機は飛行しなければいけないので危険極まりない。 そして、その危険性は、2020年の東京五輪に向け、羽田空港の国際線発着枠を増やすため、さらに高まる。 当然ながら、日本政府は米国政府と協議して来たはずだ。
・ところが、東京新聞の問い合わせに、外務省は「横田空域の削減(返還)は求めない」と答え、国交省は「2008年の削減で当面の航空需要には対応できており、これ以上の削減を求めるのは米軍の運用上もむつかしい」と答えたというのだ。
・一方で、在日米軍司令部は、「横田空域のいかなる部分に関しても、永久的な返還の実質的な交渉は行っていない」と答えたという。 これを要するに、日本政府は米国の大きな壁の前に横田空域の返還交渉求めても応じてもらえなかった、だから断念せざるを得なかった、ということだ。
・これは大スクープだ。 東京五輪に参加する世界中の国々の国民に、この事を知らせなければいけない。 このような主権放棄を許しているのは、世界広しといえども日本しかない。 そして、この主権放棄は、たんに日本国民の生命と安全を犠牲にするだけでなく、東京五輪に参加する世界中の選手や、東京五輪を見に来る世界中の国民の生命と安全を危険にさらすことになる。
・日本は、唯一の被爆国でありながら、米国の核の傘に守られているからといって、核兵器廃絶に反対して世界に恥をさらした。 恥さらしのついでに、この横田空域という恥さらしを世界に知らしめて、世界の圧力で、少なくとも東京五輪期間中だけでも横田空域の全面開放を米国と交渉して勝ち取るべきだ。
・その蟻の一穴が辺野古移設阻止につながり、歪んだ日米不平等条約の改定につながる事になる。  日本政府は横田空域の返還交渉を断念してはいけない。 それが出来ないようでは、何をやっても日本は世界からまともな国に見られない。 これ以上世界の笑いものにならないためにも、この東京新聞の一大スクープを活かさなければいけない。
・はたしてきょう12月10日の東京新聞のスクープ記事は、他のメディアが後追い記事を書いて、ひろく国民の知るところになって、世論を気にする対米従属の安倍首相を追い込む事になるだろうか(了)
http://kenpo9.com/archives/2960

第三に、東洋大学教授の薬師寺 克行氏が12月12日付け東洋経済オンラインに寄稿した「エルサレム首都宣言でも「物言わぬ」日本外交 安倍政権の「普遍的価値」は看板倒れ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・世界中の首脳たちが、「エルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館を移す」という米国トランプ大統領の決定に困惑し、異口同音に異議を唱え、非難の声を上げている。ところがひとり、日本の首脳だけが固く口を閉ざし、不安げにあたりを見回している。世界第3の経済大国であることを誇り、トランプ大統領との緊密な関係を自慢している日本が、この問題に対して黙り込んでいる異常な光景だ。
・米国のメディアを中心に、トランプ大統領の決定については、中東和平への具体的な道筋を描いての戦略的判断などではなく、中間選挙を有利に進めたいためなど内政が理由と報じられている。歴代の米大統領はイスラエルとパレスチナのトップ会談を設定するなど、和平実現に汗をかいてきた。トランプ大統領の決定はこうした努力を否定する自己中心的なものである。
・同時にこの決定は中東に新たな悲劇を生み出す。ガザ地区を実効支配するハマスの指導者は「インティファーダ―」(住民蜂起)を呼び掛け、すでに多くの死傷者が出ている。今後さらに無数の人たちが危険にさらされ、生活を破壊されるであろう。中東の地以外でのテロの可能性も高まっている。1人の人間の誤った決断が世界中を新たな混乱に陥れるのであるから、非難されるのは当然である。
▽先進国首脳が非難、行動的だったマクロン大統領
・各国首脳らの反応を見ると、親米国を含めほぼ例外なくトランプ大統領の決定を、「国連決議などに反する」「中東のみならず世界中を不安に陥れる」などと批判している。アラブ諸国が激しく批判するのは当然だが、英国のメイ首相、ドイツのメルケル首相、イタリアのジェンティローニ首相ら主要国も同じトーンで批判している。中でも行動的だったのはフランスのマクロン大統領で、トランプ大統領が正式に決定する前に電話で再考を促してさえいる。ロシアや中国も「状況を複雑化させる」などと懸念を表明している。
・それに対し日本政府は、菅義偉官房長官が記者会見で記者から繰り返し質問受けたが、「本件の動向については大きな関心を持っており、これからも注視して参りたいと思っております」などと書かれた紙を読み上げるだけで、政府としての評価は言わずじまいだった。河野太郎外相は「トランプ氏が恒久的な和平合意の促進への強固なコミットメントと二国家解決への支持を表明したことは評価する」と、ピント外れのコメントをしている。安倍晋三首相はこれまでのところ、この問題について一切、発言をしていない。そして、政府の反応に合わせてか、欧米に比べ日本のメディアの報道ぶりは極端に少ない。国民にとって中東はあまりにも遠く関心を持てない地域なのである。
・むろん日本政府が何も考えないでいい加減な対応をしているのではない。外務省などを中心にどう対応すべきか検討したうえでのコメントだろう。したがって意識的、意図的な判断停止、ノーコメントなのである。しかし、その理由をだれも公に説明はしていないから正確なことはわからない。
・おそらく北朝鮮の核ミサイル問題に直面している今、トランプ大統領の対応を批判することでこれまで築き上げてきた信頼関係を崩すわけにはいかないというのが最大の理由だろう。 パレスチナ問題は欧州の帝国主義や植民地支配の生み出した問題であり、日本には関係のない話である。一方で北朝鮮問題は直接の脅威であり、政策の優先順位は明らかだ。またトランプ大統領は、相手が外国の首脳であっても自らを批判する者に対して非常に激しい反応をしてきた。日本政府が欧州各国と同じように大統領の決定を批判すれば、機嫌を損ねてしまい、北朝鮮問題への対応で協力を得られなくなるかもしれない。そんなことは何としても避けなければならない。もちろん判断停止の姿勢をとれば、日本が国際社会で浮いてしまうことはわかりきっている。それよりも北朝鮮問題を優先するという判断だろう。
▽「安倍首相がトランプ大統領と親密」は本当か
・となると安倍首相が作り上げてきたトランプ大統領との信頼関係を疑ってみたくもなる。 昨年の米大統領選でトランプ氏が当選後、安倍首相は各国首脳に先駆けて就任前に会い、その後も繰り返し会談するとともに頻繁に電話で話し合い、大統領と最も親しい首脳であることを喧伝してきた。首相秘書官らは政治や外交の経験がまったくなかった大統領に対して安倍首相が指南役としてさまざまなアドバイスをし、大統領もそれを素直に受け入れていると強調していた。
・11月のアジア歴訪でも、大統領は安倍首相の発案である「自由で開かれたインド太平洋戦略」を気に入って、ベトナムの講演などで繰り返し発信してくれたなどと説明していた。それほどの信頼関係があるのであれば、なぜエルサレム問題でアドバイスをしないのだろうか。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱についても、日本政府は米国に苦言を呈することを控えている。「物言えぬ信頼関係」なのだろう。
・米国に対する日本の外交姿勢は冷戦中を含めしばしば「対米追随」と揶揄されてきた。1970年代には中国の国連加盟反対などで最後まで米国と歩調を合わせた。そのため各国からは、米国の対応を見れば日本がどうするかわかるとさえ言われてきた。しかし、貿易摩擦問題などでは米国と正面衝突してきた歴史もある。またアジアを中心に時に米国と対立しつつも日本独自の外交を展開してきた歴史もある。
・外務省幹部の1人は現在の状況について、「トランプが嫌がりそうなことは一切、言わないしやらない。戦後歴代政権の中で、最も米国への従属に徹した政権だろう」と話している。 残念なことに、物言わないのは米国に対してだけではない。例えばカンボジアだ。かつて日本は初めてPKO(国連平和維持活動)のため自衛隊を派遣し選挙実施と復興を支援した。いまカンボジアはフン・セン首相が野党を解党に追い込み独裁体制を敷きつつある。しかし日本政府は何の反応もしていない。ミャンマーで起きている少数民族ロヒンギャの迫害問題に対しても日本は目立った動きを見せていない。
▽対北朝鮮以外は視野にない「外交小国」
・まるで外交のあらゆるエネルギーを米国との良好な関係維持と北朝鮮問題への対応だけに注入しているかのような単線的外交になっているのだ。 安倍政権は外交面で今、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を看板にしている。その中核は、自由や民主主義、市場経済、人権、法の支配など「普遍的価値」を共有する国々との連携である。また、国会演説などでは機会あるごとに「積極的平和主義」や「地球儀を俯瞰する外交」という言葉を多用している。
・今回のトランプ大統領の決定のように「普遍的価値」に反する政策や出来事に対して政府として明確な評価を示すべきであろう。そうした行動が伴わなければ、「インド太平洋戦略」を信じる者はいなくなるだろう。
・世界の政治や経済がグローバル化した時代に、自国の利益実現のためだけに奔走する狭い外交は、結果的に他国から信頼されず軽蔑さえ受けかねない。「普遍的価値」「地球儀を俯瞰する外交」を掲げるのであれば、それを踏まえた「徳のある外交」が世界から信頼を得るためには不可欠だ。
・残念ながら安倍政権からはそのような発想を感じられない。このままでは日本は引き続き「外交小国」であり続けることになる。
http://toyokeizai.net/articles/-/200802

第一の記事で、日本の財界人による訪中団については、11月22日付けの産経新聞では、『経団連の榊原定征会長は「中国が再び日本経済から環境や企業管理などを学ぼうとする姿勢が出てきたことを歓迎する」と評価。中国側には、習近平国家主席が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」に日本企業の協力を得たいとの思惑があるが、透明性があやふやな事業も多く、日本企業には慎重論も根強い』、と「一帯一路」については、日刊ゲンダイの記事はやや先走り過ぎのようだ。
http://www.sankei.com/politics/news/171122/plt1711220034-n1.html
第二の記事で、横田空域返還問題については、一時は決まった既定路線であるかのような報道も出たが、結局、 『日本政府は米国の大きな壁の前に横田空域の返還交渉求めても応じてもらえなかった、だから断念せざるを得なかった』、というのは誠に残念である。 『この主権放棄は、たんに日本国民の生命と安全を犠牲にするだけでなく、東京五輪に参加する世界中の選手や、東京五輪を見に来る世界中の国民の生命と安全を危険にさらすことになる』、との指摘はその通りだ。ただ、『東京新聞のスクープ記事は、他のメディアが後追い記事を書いて、ひろく国民の知るところになって、世論を気にする対米従属の安倍首相を追い込む事になるだろうか』、というのは、他のメディアが黙殺したため、多くの国民は知らないままとなった。メディアの安部政権に対する「忖度」のあまり、国民の知る権利は無視されたようだ。
第三の記事で、 『世界第3の経済大国であることを誇り、トランプ大統領との緊密な関係を自慢している日本が、この問題に対して黙り込んでいる異常な光景だ』、 『先進国首脳が非難、行動的だったマクロン大統領』、とは好対照だ。 『政府の反応に合わせてか、欧米に比べ日本のメディアの報道ぶりは極端に少ない』、というのは第二の記事と同様に、残念なことだ。 『戦後歴代政権の中で、最も米国への従属に徹した政権だろう」』との外務省幹部の発言は、確かにその通りだ。 『対北朝鮮以外は視野にない「外交小国」』、というのも残念ながら、その通りだ。カンボジアやミャンマー問題でも、沈黙を続けるのは、日本外交の世界の中での地位をますます貶める愚策だろう。
タグ:ミャンマー カンボジア トランプが嫌がりそうなことは一切、言わないしやらない。戦後歴代政権の中で、最も米国への従属に徹した政権だろう 自由で開かれたインド太平洋戦略 安倍首相が作り上げてきたトランプ大統領との信頼関係を疑ってみたくもなる 北朝鮮の核ミサイル問題に直面している今、トランプ大統領の対応を批判することでこれまで築き上げてきた信頼関係を崩すわけにはいかないというのが最大の理由だろう 政府の反応に合わせてか、欧米に比べ日本のメディアの報道ぶりは極端に少ない 先進国首脳が非難、行動的だったマクロン大統領 同時にこの決定は中東に新たな悲劇を生み出す。ガザ地区を実効支配するハマスの指導者は「インティファーダ―」(住民蜂起)を呼び掛け、すでに多くの死傷者が出ている 歴代の米大統領はイスラエルとパレスチナのトップ会談を設定するなど、和平実現に汗をかいてきた。トランプ大統領の決定はこうした努力を否定する自己中心的なものである 世界第3の経済大国であることを誇り、トランプ大統領との緊密な関係を自慢している日本が、この問題に対して黙り込んでいる異常な光景だ 「エルサレム首都宣言でも「物言わぬ」日本外交 安倍政権の「普遍的価値」は看板倒れ」 東洋経済オンライン 薬師寺 克行 唯一の被爆国でありながら、米国の核の傘に守られているからといって、核兵器廃絶に反対して世界に恥をさらした この主権放棄は、たんに日本国民の生命と安全を犠牲にするだけでなく、東京五輪に参加する世界中の選手や、東京五輪を見に来る世界中の国民の生命と安全を危険にさらすことになる このような主権放棄を許しているのは、世界広しといえども日本しかない 日本政府は横田空域の返還交渉を米国に求めない方針 「横田空域返還交渉を断念した日本は世界の笑いものになる」 天木直人 どうせ一帯一路に参加するなら、もっと早く動くべきでした トランプ大統領も強い関心 「一帯一路」のフォーラムには、130カ国以上が代表を送っている 経団連の榊原定征会長など250人の財界人が、20日から中国を訪問し、「一帯一路」に対する日本企業の取り組みについて話し合う予定 「一帯一路」について、「世界経済にメリットがある」と講演で明言 河野太郎外相 「一帯一路」 「安倍外交のツケ 今ごろ慌てて中国「一帯一路」参加の大恥」 日刊ゲンダイ (その2)(今ごろ慌てて中国「一帯一路」参加の大恥、横田空域返還交渉を断念した日本は世界の笑いものになる、エルサレム首都宣言でも「物言わぬ」日本外交 安倍政権の「普遍的価値」は看板倒れ) 安倍外交
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