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英語(楽天は英語公用化でどう変わった?担当者に直撃、厚切りジェイソン「WHY英語を話せない?」 出世のために勉強しても絶対に上達はしない、翻訳AIの進化でこれ以上の英語学習は不要? 専門家NICT隅田氏に聞く) [文化]

今日は、英語(楽天は英語公用化でどう変わった?担当者に直撃、厚切りジェイソン「WHY英語を話せない?」 出世のために勉強しても絶対に上達はしない、翻訳AIの進化でこれ以上の英語学習は不要? 専門家NICT隅田氏に聞く)を取上げよう。出所は日経ビジネスオンラインの特集である。

先ずは、12月4日付け「楽天は英語公用化でどう変わった?担当者に直撃 海外不振は公用語化失敗ではない。今はノウハウ外販も」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問、+は回答内の段落)
・2010年に英語公用語化を宣言し、第一次英語ブームの口火を切った楽天。全社員へTOEIC800点取得を要求し、国内向け部署でも英語会議を義務化するなど、その施策は他の公用語化企業と比べても最も急進的な内容だった。
・あれから7年で社内はどう変わったのか、公用語化の果実は得られたのか。社内の制度設計に関わり、現在は公用語化のノウハウを生かした教育事業などに携わる葛城崇・教育事業部ジェネラルマネージャーと、葛城氏の後任として英語推進を担う周藤俊昭・人材開発課シニアマネージャーに話を聞いた。
Q:2010年から英語公用語化の準備を始め、12年から実施。これまでの成果を聞かせてください。  葛城崇・教育事業部ジェネラルマネージャー(以下、葛城):10〜13年に英語公用語化の推進役を務めました。宣言から7年経って、会社の一番の変化はダイバーシティ(多様性)だと思います。公用語化前は国内の外国人比率が2%。今は20%を超え、エンジニアでは50%近くになります。世界70カ国以上から社員が集まってきていますが、エンジニアでいえばインド、中国が多い。両国の有名大学から優秀な学生を新卒採用できるようになりました。
+個人レベルでの大きな変化は、キャリアの選択肢が広がったということでしょう。現在TOEICの点数は、帰国子女などを除いた平均で830点超。海外の展示会や研修の派遣にほぼ全員が参加できるようになっています。海外赴任も身近になったし、海外子会社の社員も英語で仕事ができるので日本に来やすくなりました。
▽次の一手は異文化理解
Q:どんな課題が残されていますか。
葛城:TOEICはあくまで一つの目安です。基礎力をつける段階が終わり、今後は具体的に全世界でビジネスを加速させていく段階に入っていきます。そのための準備として、異文化理解を深める研修も10月から新たに始めました。
周藤俊昭・人材開発課シニアマネージャー:異文化理解の研修は専門の外国人講師を呼び、ベーシックとアドバンスの2種類の講座を開いています。研修で伝えたいことは、外国人との違いを理解し、受け入れるということです。文化の違いは肌感覚でわかっていることもあるでしょうが、体系だった学問として学んでもらいます。
+ベーシックでは「日本人は行間を読み多くを語らない」といった国毎のコミュニケーションの特徴を学び、自身がどの文化に近いかを考察します。その上で、文化の違いを乗り越えてうまくコミュニケーションをとるアイデアを出し合う。アドバンスでは、ベーシックの内容を踏まえ、実際に業務で抱えている問題の解決方法を議論してもらいます。
Q:英語塾の開講や英語アプリの開発にも取り組んでいます。外部企業へ公用語化のノウハウを伝授するコンサルティング事業も始めていますね。
葛城:ダイハツ工業などにコンサルサービスを導入していただいています。クライアントの数は10社ぐらいですね。公用語化を既に宣言している企業、一部の部署だけで実験的に導入しようという企業、取り組みの方法は様々です。
+英語は学習時間が大事です。毎日15分でもいかにコツコツやるか。いかに全員でやりきるか。英語学習を歯磨きのようにやらなくては気持ち悪い生活習慣にしてしまう。そのノウハウを伝えたり、制度設計のサポートをしたりしています。
Q:楽天流の英語推進のポイントは何でしょうか。
葛城:まず、グローバルな部署はもちろんドメスティックな部署でも関係なく対象にしたこと。社員それぞれの学習量や到達レベルを見える化して、経営陣まで共有したこと。そして、人事部でトレーニングを考案するなど全面的なサポートをしてムーブメントに昇華させたことだと考えます。
Q:全員を巻き込むというのは難しいことですよね。業務に普段から使わなければ、モチベーションも湧かないのではないでしょうか。
葛城:楽天は若い社員が多かったこともあるでしょうが、必要性を理解している人が多かったと思います。少子高齢化の日本だけで勝負し続けるのが限界なのは明らかです。社員も、英語は苦手だけどやらなきゃいけない、という思いを持っていたようです。
Q:楽天は国内でもM&A(合併・買収)を多く手がけています。ドメスティックな文化に馴染んでいた買収企業の社員は辛かったのでは。
葛城:今は英語はいらないかもしれない。でも人事異動でグローバルな部署に行けば、その日から英語が必要になります。また、インターネットで日本語と英語のサイトの数を比較すると、実に10倍にもなります。つまり、英語ができる人はできない人の11倍の情報収集能力を持つことになる。このことは社員もわかっていたんです。英語を学ぶよう納得させたというよりは、社員が思っていたことを改めて伝えたという方が正しいでしょう。
▽「英語の成長は階段状」
Q:そのモチベーションを維持するポイントは何でしょうか。
葛城:スポーツと一緒で、英語の能力は右肩上がりの直線ではなく、階段のように伸びていきます。しばらくは成長の実感がなかなか得られないが、あるとき突然伸びる。この最初の一段を登るまでサポートするのが重要です。そのためにはトップダウンの命令だけでなく、英語の勉強を楽しんでもらう仕掛けも必要。楽天ではゲーム形式で英語を学べるトレーニングを開発しました。
Q:TOEICの目標を達成するまで居残る合宿なども開催していました。これだけ投資をかけて見合う効果はあったのでしょうか。
周藤:英語公用語は企業としての戦略です。通常の人事予算とは違う枠組みで投資をしました。こうした形で組織が活性化することもあります。日本において英語で働ける企業といえば楽天、というイメージもできました。人材獲得にかける広告費を削減できた側面もあります。
Q:英語公用語化のKPI(重要業績評価指標)はどのように設定したのでしょうか。
葛城:最初期はアンケートで会議やメールがどれだけ英語化されているのかをモニタリングしていました。そのあとはTOEICなどのスコアと学習時間で管理しました。人材育成の課題なので、どれだけ投資効果があったのかを厳密に見極める指標を設定するのは難しい。
Q:英語公用語化の目的は事業のグローバル化でした。直接的に海外事業に貢献したとはいえるのでしょうか。特に昨年度は英国など海外事業の撤退が相次ぎました。
葛城:楽天は海外M&Aで手堅い案件には手を出さない。買収企業とシナジー効果を出しながら一緒に成長していくという方針です。だから、苦労する事業も当然出てくる。これは英語公用語とは関係のない話です。
+英語公用語化のメリットを強調する楽天だが、7年前は「日本で働く社員まで英語を話すなんて無駄だ」などと批判の声も多かった。その懸念は一部で現実になっている。英語公用語化による副作用としては、社内の雰囲気の悪化や、外国人技術者の草刈り場になったという声が聞こえてくる。そうした現場の様子は本誌の特集記事の中で詳しく解説している。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/113000186/113000002/?P=1

次に、12月5日付け「厚切りジェイソン「WHY英語を話せない?」 出世のために勉強しても絶対に上達はしない」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問)。
・「Why Japanese People!」という決めセリフで知られる芸人の厚切りジェイソン氏。実は米ゼネラル・エレクトリック(GE)などでの勤務経験があり、現在はITベンチャーの経営にも関わるビジネスマンだ。12年前、旭化成のインターンとして日本に1年間滞在、その後、独学で日本語を習得。今も毎日、日本語の勉強を欠かさないというジェイソンさんに、外国語の学び方について聞いた。
▽出世のための勉強では英語はできるようにならない
Q:日本では管理職になるにはTOEICで700点以上、といったルールを定めている企業も多く、それを目標に多くのビジネスマンが英語を学んでいます。はたして、そのような勉強をしても、英語を話せるようになるのでしょうか。
厚切りジェイソンさん(以下、ジェイソン):それ、おかしいですよね。出世のために勉強するのですか。勉強のインセンティブにはなっても、最終的に、求めた結果にはならないと思いますよ。
Q:実際に、TOEICの点はよくても話せない人という人も少なくありません。
ジェイソン:それはね、話そうと思っていないんです。
Q:いえ、みんな話せるようになりたいとは思っていると思います。
ジェイソン:そうですか? 話せるようになりたいなら、そうなるように勉強すると思いますよ。決して、勉強をしている人を否定するつもりはないのですが。
Q:話せるようにならないとまずい、と思っている人は間違いなく増えています。海外企業に買収されたり、海外に進出したりする日本企業も多いので。
ジェイソン:全員ができるようになる必要はないと思いますが、英語を話せることでチャンスは広がるでしょうね。勉強すると決めたら、やるしかないでしょう。
▽1日5分でいい。楽しめば続けられる
Q:必要な人は覚悟を決めて、やればいいと。
ジェイソン:米国でゼネラル・エレクトリック(GE)に勤めていたとき、ロシア人や中国人、インド人と一緒に働いていましたが、何を言っているか分からないレベルの英語の人もいたんです。でも、その人がスキルを持っているから、誰も気にしませんでした。 だから、英語ができなくても、すごく優秀な人になるか、能力もあって英語も上手になることを目指すか、その人次第ではないですか。
Q:ジェイソンさんも日本語を相当勉強されてこられたのですよね。
ジェイソン:10年間、1日5分でも、毎日欠かさず続けています。 10年勉強すれば、英語は話せるようになりますよ。自分が10年後、どうなりたいか、考えてみてください。
Q:なるほど。10年間、毎日ですか。強い決意が必要ですね。
ジェイソン:強い決意はいらないよ。歯磨きするのに、決意する?
Q:しません。
ジェイソン:ですよね。楽しく続ければいいんですよ。
Q:勉強するときに、終わりを決めていませんか。TOEIC何点が目標だから、それが取れたら終わりとか、取れなかったら、悔しいからもうやめるとか。 ジェイソンさんはどうやって勉強を楽しんでいますか。
ジェイソン:漢字を勉強するとき、日本の人に勉強法を聞いたんです。そうしたら、同じ漢字を繰り返し、何度も書くと言われました。それはあまり楽しそうじゃないし、効率がよくないなと思ったんです。 それで、電車の中で、漢字の部首や意味を考えストーリーを作ったりしながら覚えます。書くのは1回。僕なりに面白おかしく考えてます。ネタの源にもなってるし。逆に、つまらない勉強をすると、英語が嫌いになると思う。
▽言い訳をする人は結局、話せない
Q:英語を話せない日本人に向けて、まずは簡単な単語を使って、話してみるといい、とアドバイスする人もいます。
ジェイソン:話してみるのはいいと思います。 でも、単語を使っているだけでは、英語のニュアンスを理解するのは難しいでしょうね。つまり「お疲れ様」と言っているつもりでも「お前、疲れた顔しているな」と受け取られることもあるかもしれません。
Q:難しいですね。
ジェイソン:3歳の娘がTV番組の「おさるのジョージ」が好きなんですが、日本語版で見ると、黄色い帽子のお兄さんが、少しイヤなヤツに見えるんです。でも、英語版だと何をやっても許す、気のいい人なんです。 ニュアンスが理解できれば、どちらが原作に近いか、分かるでしょう。
Q:どうすれば、そのようになれますかね。
ジェイソン:場数です。日本で生まれた赤ちゃんは日本語が話せるようになるし、アメリカの赤ちゃんは英語が話せるようになります。なぜだと思います? 場数を踏むからですよ。 僕は、日本語の練習をするとき、できるだけ日常生活の中で日本語に触れるようにしました。今の時代、日本にいても、英文はたくさんあふれているし、インターネットで英語のラジオも聴くことができます。
+もし1日10時間英語に触れたら、1年後にはかなり話せるようになりますよ。やらない人は言い訳をしているだけです。
▽ムダが嫌いだから芸人とIT企業の仕事を両立
Q:ジェイソンさんは飛び級で大学に入ったくらい、優秀だったそうですね。
ジェイソン:テレビゲームが大好きで。早くゲームがしたいから、学校が終わると、迎えの車が来る前に、宿題を終わらせて提出していました。
Q:優秀ですね。勉強が好きでしたか?
ジェイソン:嫌いでした。だから早く終わらせたかったのです。それなのに、先生が僕をほめるので、両親は怒っていました。「こんな勉強の仕方でほめられるから、勉強をしなくなる」と言って。  Q:時間を有効に使ってはいますね。
ジェイソン:もともとムダはきらいなんです。だからGEに務めながら、修士号をとり、今もIT企業で働きながら、芸人として働いています。
Q:確かにムダがないですね。
ジェイソン:どういう生き方をしたいか、なんですね。僕は、ある程度、お金を稼いだら後はゆっくりしたいと考えるほうなんです。そのために、今、何をやるべきか、考えます。
Q:いわゆるアーリーリタイアメントという考え方ですね。何かやりたいことがあるんですか。
ジェイソン:娘が3人いるのですが、子どもとゆっくり過ごしたいと思います。
Q:ちなみにお嬢さんたちとは日本語で話すのですか。
ジェイソン:英語です。娘たちは学校では日本語なので、家では英語です。日本語で話すと、英語で何というの?と確認するんです。だから、僕が出ているテレビ番組を見ると、娘たちが「パパ、日本語話せるんだ!」って驚くんですよ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/113000186/113000001/?P=1

第三に、12月11日付け「翻訳AIの進化でこれ以上の英語学習は不要? 専門家NICT隅田氏に聞く、AI時代に必要な英語力」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問、+h回答内の段落)。
・翻訳AI(人工知能)の技術が急速に進化している。ビジネス会議で同時通訳をしてくれる世界が目前に迫っている。英語を話すのが苦手な日本人にとっては朗報だが、そうした世界ではこれまでとは全く異なるコミュニケーションの力も必要になりそうだ。AI時代に必要な英語力や英語学習のやり方はどのように変わるのか。自動翻訳技術の第一人者、情報通信研究機構(NICT)フェローの隅田英一郎氏に話を聞いた。
Q:まず、機械翻訳の研究の世界では、どのようなことが起こっているのか、教えてください。
隅田英一郎・NICTフェロー(以下、隅田):今、AI(人工知能)の時代ということで、自動翻訳の世界でもニューラルネットワークを使うのが主流になっています。人間の脳の働きを機械に置き換える、深層学習とも言われるものですね。例えば、日本語で「あ、い、う」と言ったら、英語で「A、B、C」になりますよといった翻訳例文をどんどん覚えてさせていくと、少しずつ賢くなっていきます(関連記事:深層学習AIで自動翻訳にパラダイムシフト)
Q:覚えさせる例文が多ければ多いほど、正確に訳せるようになるというわけですね。
隅田:そうです。こんな単純な仕組みで、どうして翻訳が上手くいくのか不思議に思われるかもしれませんが、この仕組みで翻訳精度が飛躍的に向上しています。 例えば、次のような日本語の文章を従来の方法で翻訳すると、いかにも機械が翻訳したような感じの、よろしくない文章になるんです。
■日本語(原文)近年のNMTの進展により、従来は自動翻訳が非常に困難だった日本語文章の英語への自動翻訳精度が飛躍的に向上した。
■従来技術(統計翻訳=SMT)で英訳 The Development of NMT in recent years, conventional automatic translation was very difficult to machine translation accuracy of Japanese sentences in English has improved  ところが、これをニューラルで翻訳すると、すごく流暢な訳文になります。
■AI時代の技術(ニューラル翻訳=NMT)で英訳  With the recent development of NMT, the automatic translation accuracy of Japanese sentences that had previously been very difficult to translate has improved significantly.
+ただし、ニューラルによる翻訳にも欠点があって、100%の答えを出せるわけではないんです。この例文では、ニューラルによる翻訳だと「英語への」というフレーズが抜け落ちてしまっています。正確に訳すのなら、「translate into English」といったフレーズが入らないとダメですよね。 これが時々重要な単語が抜け落ちてしまうという、ニューラルの典型な誤りです。それが今、大きな課題になっていて、世界中の研究者がこの問題を解決すべく競争しています。
Q:覚えさせるデータを増やせばいいという問題ではないのですか。
隅田:アルゴリズムをもうちょっと整理していく必要があると思います。覚えさせる量が増えればより流暢になるのですが、たくさん覚えさせても、こういう誤りは起きてしまいます。そこは、アルゴリズムの改良が必要と思われています。
+ただし、それでも非常に良い翻訳ができるようになったことは事実です。NICTの音声翻訳システムもニューラルに移行したことで、タクシーや買い物などで使った時に意味が通じる翻訳をする率が2割くらい向上しました。非常に効果が出ています。
▽米グーグルが変えた自動翻訳の競争環境
Q:NICTは「VoiceTra(ボイストラ)」という自動翻訳のスマートフォンのアプリを提供している。  NICTではニューラルの研究はいつ頃から取り組んできたのですか。
隅田:2013年からずっとやっていたんですが、先ほど申し上げていなかった欠点が実はもう1つありまして、本格的に移行できていませんでした。それは、非常に大きな計算量が必要だということです。  その計算をするには、GPU(画像処理半導体)という計算機を使うわけですが、非常に値段が高い。システムを作るのに大きなコストがかかるだけではなく、それを一般の人に使ってもらうときにも高いサービスになりかねません。そのため、タイミングを迷っていました。
+それなのになぜ、我々もニューラルに移行したかというと、昨年秋に米グーグルがニューラルを使ったサービスを出し、米マイクロソフトもその動きに即座に追随して、我々も負けてはいられないと判断したのです。
+実は、中国の検索大手バイドゥは数年前からニューラルを使った翻訳サービスを出していたんですよ。しかし、日本人の我々にはほとんどインパクトがないので、誰も気にしていませんでした。ところが、グーグルが出すと、みんなその精度の高さにショックを受けたというわけです。
Q:「グーグル翻訳(Google Translate)」ですね。
隅田:はい。それまでグーグルの翻訳は、必ずしも精度の高いものではありませんでした。機械翻訳に典型的な誤訳も多いという印象でした。ところが、ニューラルでやると、これほど翻訳精度が向上するのかと、翻訳関係の人たちはびっくりしたわけです。そこで我々も、最新の技術に取り組んでいるということを皆様にも理解してもらうために、今年6月にニューラルを使った翻訳を出しました。
+我々が独自に技術を開発する意義は、誰もがグーグルのようなクラウドサービスを使うわけにはいかないからです。情報の秘匿性を考えると、ビジネスではグーグルの翻訳サービスを使えないという企業もあるはずです。日本の国立研究所としては、そうしたニーズにもしっかりと対応する必要があります。
Q:日本独自に自動翻訳の技術を向上しておかないと、情報を海外企業に持っていかれるリスクもあるということですね。
隅田:絶対に情報を外に出せないというケースもあります。個人情報の塊である病院のカルテのような情報とか、防衛関連の情報とかはその典型でしょう。特許やIRに関連する情報も、企業の外には出しにくい。秘密を守りながら翻訳しなければならない分野は、数多くあります。
隅田:日本では、自動翻訳の研究を何十年も前からやってきた歴史があります。2014年には、当時の新藤総務大臣が我々の自動翻訳のシステムをご覧になって、これを2020年の東京オリンピックに向けてぜひ多言語化して、海外から来る人たちに使ってもらおうということになりました。それから総務省の予算を集中的に投下してきています。
+NICTの中に先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)を作り、日本の企業から出向で研究員に来ていただいて、40人くらいのチームを作りました。出向元の企業はパナソニックやNEC、富士通、日立製作所、東芝、ソニー、NTT、KDDIなど多岐にわたります。翻訳エンジンはNICTで作り、そのエンジンを企業にいろいろな形で使ってもらうというものです。
+技術の進歩はここに来て急速に速くなっています。自動翻訳は、人間の通訳や翻訳に比べて圧倒的に低コストですし、24時間365日休まず働いてくれます。しかも、多言語対応が容易です。既に、日本人の平均的な語学力は完全に超えているレベルに達しています。
▽TOEIC800点レベルは超えている
Q:TOEICで換算すると、NICTの翻訳エンジンは800点レベルと聞いたこともあります。
隅田:TOEIC800点レベルというのは誰かが想像で言っているのですが、私も800点はいっているだろうと思っています。
Q:800点なら、日本人の平均のかなり上ですよね。
隅田:非常に流暢な英語力ですね。海外駐在に最低限必要な水準も…… 
隅田:超えていると思いますね。 既にご説明したように、データ量が増えれば性能は良くなりますし、アルゴリズムも世界中で開発競争が起きていますので、どんどん進化します。 近い将来、自動翻訳は人間にとってもう手放せないツールになるというか、頼っていくような状況になると思います。
▽会議の同時通訳をAIがやる世界がすぐそこに
Q:ビジネスにおける会議に外国人が入る場合、同時通訳に頼る場合も多いですが、会議の同時通訳を翻訳AIが担うような世界も、身近に来ているのでしょうか。
隅田:自動翻訳の究極のビジネス・アプリケーションは同時通訳だと考えています。会議のような雑音が入りやすい場所は苦手なのですが、一人ひとりマイクを付けるような方法なら、非常に近い将来、十分に実現できるのではないかと思います。
Q:10年後にはもうかなり?
隅田:ええ、もうできているでしょう。 実際、既にそうしたアプリケーションを作る場合のインターフェースはどのようなものがいいのか、実験できる技術レベルには達していると思います。イヤホン内蔵型のマイクでやるのがいいのか、会議の参加者が翻訳された内容を文字でも確認できるように、それぞれの席の前にモニターを置いたほうがいいのかといった、具体的なアプリケーションを考えられる段階に来ています。
Q:インターフェースとしてはまだこなれていませんが、まさに作り始めているといった状況ですね。 音声と文字で同時に確認できるというのは、翻訳AIならではの仕組みですね。
隅田:テレビ会議には、非常に適したツールになるでしょう。アジアに工場を持っている日本企業は多いですよね。これまででは、お互いに第2言語である英語を使ってコミュニケーションする場合がほとんどだったと思いますが、これからは、自動翻訳システムを介してお互いに母国語でコミュニケーションができるようになります。そうなれば、お互いに不得意な英語で会話をするよりも、ずっと効率的なコミュニケーションができると思います。お互い第2言語で話すと、言いたいことが言えない、伝えたいことの何割かしか話せないといったことが起こりますから。
Q:そうした状況になると、TOEIC800点などテストで高得点を取ることを目指して勉強するのが、意味がないようにも思えてきます。むしろ、英語は翻訳AIに任せて、人類は他のスキルを磨いてより高い次元のコミュニケーションを目指した方がいいという考え方もあるかもしれませんね。
隅田:絶対にそうだと思いますね。使える道具が出てきたら、使ったほうがいいでしょう。人類の移動手段が馬車からクルマに移行したのと同じことです。馬車とクルマとでは、生産効率が全く違いますよね。英語も、同じだと思います。
+ビジネスをやるうえで英語はツールです。ビジネスで重要なのは、そのツールに乗せて相手に伝える質のいいコンテンツ、中身でしょう。全てのビジネスパーソンが英語を上手くなる必要は、必ずしもないはずです。
+ビジネスの中心も今後、英語圏から中国圏に移るかもしれない。東南アジアの国々とのビジネスも、これからますます重要になるでしょう。そのたびに、現地の言葉を話せるようになることを目指すよりは、機械に任せるという選択肢もあった方がいいと思うんです。
+もちろん、それぞれの言葉を専門とする通訳者や翻訳者の仕事はなくならないでしょうが、誰もが通訳者や翻訳者を雇えるわけではないですよね。コストを安く抑えるには、自動翻訳・通訳システムを使った方が良いのではないでしょうか。もう、翻訳精度が箸にも棒にもかからなかった時代は終わったのですから。
▽もう「英語ができない」と文句を言わなくて良くなる
Q:近い将来、翻訳AIがビジネスで本格的に使えるようになるということが、よく分かりました。ですが、最低限の英語力というのは、やはり必要なのではないでしょうか。
隅田:ええ、基礎的な英語力はあった方がいいと思います。ただし、その英語力は、現状のままでいいと思います。特に、これまでより高い水準を目指す必要はないでしょう。 日本人の多くは、英語を中学、高校と勉強して、一部の人は大学でも勉強しています。既にかなりの時間を英語学習に割いていますよね。ところが、これまで多くの人が、こんなに勉強したのに英語ができない、話せないと嘆いてきました。これからは、そうした状況に文句を言うのではなくて、それで十分という世界になるのではないでしょうか。
+例えば、文書を翻訳する場合、まず自動翻訳に下訳を作ってもらって、その後に人間が中学や高校、大学で学んだ英語を使って、必要があれば加筆・修正して、さらに良い翻訳を作るということが、当たり前になるのではないでしょうか。冒頭にお話しした通り、機械翻訳は100%正しいわけではありませんから。
+こうすることで、文書が自分の専門外の分野であっても、自動翻訳を使えばどんどん翻訳できるようになります。例えば、医療分野は私の専門外ですが、試しに医療関係の論文を自動翻訳を使って訳してみたんです。そうすると、少し時間はかかっても、全く医療分野の知識がない私でも、難しい論文でもちゃんと翻訳できるんですね。それは、私という人間の能力が、自動翻訳によって拡張したことを意味します。こうしたことが、あらゆる人に起こり得ると考えています。
Q:まあ、英語の場合は多くの日本人が勉強していますが、中国語などそれ以外の言語については、ほとんどの人にとって、自動翻訳に頼り切ってしまう状況になるかとは思いますが。 先ほど、翻訳のアルゴリズムは世界の研究者が開発競争を繰り広げているので、どんどん進化していくとおっしゃられました。一方、翻訳精度を高めるために必要なAIに覚え込ませるデータについては、NICTはどのように集めているのですか。
隅田:「翻訳バンク」という取り組みを2~3年前から始めています。それまでNICTは、ウェブ上にある翻訳を使っていました。例えば、大企業では日本語のページと英語のページがありますよね。しかし、それだけではデータが足りません。
Q:NICTの「翻訳バンク」は民間企業に協力を依頼し、社内にある日本語の文書と、それが英語に翻訳された文書の両方を提供してもらい、それをAIに覚え込ませて翻訳精度の向上を目指している。
隅田:そこで、民間企業に社内にあるデータを提供してくださいとお願いしています。現在は29組織が協力してくれています。NICTはパブリックセクターですから、ライバル関係にある会社でも、翻訳という競争領域ではない分野では協力しやすい。むしろ、協調し合って自動翻訳の精度を高めていきましょうと話をしています。自動翻訳の精度が高まって海外からの情報を得やすくなれば、国全体のためになります。
+現在、日本全体で年間2000億~3000億円が翻訳作業に費やされています。それを、文章の数に換算すると、だいたい5億文くらいに相当します。仮に5億文のデータを学習させることができれば、今と段違いの高精度の自動翻訳ができるようになります。それを10年間継続すれば50億文ですから、さらにもう一段、ジャンプできると思います。
Q:現在、どれくらいの数の文章を覚え込ませているんですか。
隅田:それは言えません。ライバルのグーグルやマイクロソフトも、そこは一切、開示していないですね。
Q:そこが今、競争の肝になっているからですね。
隅田:そうです。
Q:グーグルはウェブ上にサービスとしてグーグル翻訳を提供していて、そこで使ってもらうことで例文を集めているようにも見えます。
隅田:はい。ただ、間違った翻訳結果を、どれくらいのユーザーが正しく直して、グーグルにフィードバックしているでしょうか。逆に言えば、悪意があるユーザーがいれば間違った翻訳をグーグルに覚え込ませることもできるわけです。
+我々は翻訳バンクを通じて、グーグルもマイクロソフトもやっていない手法でデータを集め、精度を高めていきたいと考えています。
▽「中国語・英語」の翻訳精度が最も良くなるかもしれない
Q:AIに覚え込ませるデータ量が精度向上のカギの1つだとすると、例えば、その言語を話す人口が多い国の方が、良い自動翻訳システムを手にできるということにはなりませんか。つまり、例えば、中国語・英語は飛躍的に精度が上がるけれども、日本語・英語の精度はそれに追い付けないということが起き得るのではないでしょうか。
隅田:それは正しい指摘かもしれませんね。翻訳の精度がデータ量に依存するシステムですので、データが集まらない以上、システムの性能は高まりません。そのため、日常的に多くのデータが生産されている国のシステムがどんどん強くなっていくというのは、その通りだと思います。
+実際、中国圏と英語圏の人口が一番多いですし、経済規模も大きいですよね。しかも、中国語と英語は文法が似ていますので、比較的、翻訳するのは簡単なんですよ。 我々のシステムでも、日英、日中、日韓と比べると、実は日韓の性能が一番良くて、日中がその次で、日英が一番、翻訳精度が良くないんです。
Q:英が一番、難しいんですか。
隅田:一番難しい。 その理由は、単語を翻訳する順序に関係があるんです。例えば、英語から日本語に訳すのは、比較的やりやすいんですね。まず英語の音声認識は、ネイティブスピーカーのように、ほぼ100%正しくテキスト化できるようになっていますから。さらに、英語の語順はS(主語)、V(動詞)、O(目的語)ですので、機械も十分に落ち着いて翻訳できます。
+一方、日本語から英語に訳すのは難しい。日本語を聞き取り理解するというのは、十分に高いレベルまで来ていますが、訳すのが難しいのです。語順がSVOの英語に対し、日本語はS、O、VでVが最後に出てきます。つまり、同時通訳をやろうとすると、一番重要な動詞を聞く前に訳し始めなくてはいけないわけです。この、動詞を推測しながら翻訳するのが、すごく難しいんです。
Q:つまり、より高度なアルゴリズムが必要になるということですね。
隅田:そうです。日本語から英語に翻訳するのが難しいというのは、人間でも機械でも一緒なんですね。ある種の真理と言いますか、やっぱりそうかと言う感じですね。
Q:自動翻訳が進化することで、日本人にとっての英語の必要性や、英語学習のやり方も変わってきそうですね。
隅田:これからも、機械を一切使わずに自分ですべてをやるんだという選択肢も、当然あります。その一方で、機械の使い方を習熟して、それをうまく使いこなすという選択肢は確実に重要になってくるでしょう。 例えば、日本人の多くが英語を話せない理由の1つに、「全然、伝えたいことを話せなかった」というような失敗体験が心理的な壁になっているという見方も良く聞きます。しかし、ゼロから外国人と英語で話そうとして失敗して落ち込むより、機械が訳してくれたものをちょっと話してみたり、機械も使って伝えたいことを補足したりして、「外国人と英語で話せた」という成功体験を積み重ねるのも、上達の近道になるかもしれません。
+また、機械が正しく訳してくれるような日本語を話す、書くという訓練を積むのも、これからの語学学習では重要になる可能性もあります。日本語を話す時も、主語をしっかり明確にするとか。そうすれば、論理的に物事を考える訓練にもなりますし、機械だけではなく、自分で英語を話すときも、英語に訳しやすくなります。当然、機械も英語に訳しやすいだけではなく、中国語や韓国語も正確に訳してくれます。
Q:計算するのにも、算盤から電卓、コンピューターへとツールが変わってきました。コミュニケーションも、翻訳AIが出てきたことで、いよいよツールを積極的に活用していく時代に入るということですね。
隅田:算盤を時間かけて覚えるというのも、頭の中でいろいろと計算ができるようになるので、それは素晴らしいことです。しかし、多くの人にとっては、電卓を使って計算した方が早いし、効率的ですよね。
+これからの英語学習も、結局は何のために英語を使えるようになりたいのか、という目的次第だと思います。英語をすべて自分で話すことが必要な人は、そういう勉強をすればいいし、そうでない人は、自動翻訳を積極的に活用して、浮いた時間を別のスキルの習得に回すという発想もあっていいでしょう。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/113000186/120800004/?P=1

第一の記事で、『基礎力をつける段階が終わり、今後は具体的に全世界でビジネスを加速させていく段階に入っていきます。そのための準備として、異文化理解を深める研修も10月から新たに始めました』、『公用語化前は国内の外国人比率が2%。今は20%を超え、エンジニアでは50%近くになります。世界70カ国以上から社員が集まってきていますが、エンジニアでいえばインド、中国が多い。両国の有名大学から優秀な学生を新卒採用できるようになりました』、というのは結構なことだ。他方で、『英語公用語化による副作用としては、社内の雰囲気の悪化や、外国人技術者の草刈り場になったという声が聞こえてくる』というのも、あり得る話だ。
第二の記事で、10年間、毎日ですか。強い決意が必要ですね。との問いかけに対し、『強い決意はいらないよ。歯磨きするのに、決意する?・・・ですよね。楽しく続ければいいんですよ』、『電車の中で、漢字の部首や意味を考えストーリーを作ったりしながら覚えます。書くのは1回。僕なりに面白おかしく考えてます。ネタの源にもなってるし』、などというのは如何にも要領良さそうなジェイソン氏らしい。
第三の記事で、『情報の秘匿性を考えると、ビジネスではグーグルの翻訳サービスを使えないという企業もあるはずです。日本の国立研究所としては、そうしたニーズにもしっかりと対応する必要があります』というので、日本で独自に開発する必要性が理解できた。 『自動翻訳は、人間の通訳や翻訳に比べて圧倒的に低コストですし、24時間365日休まず働いてくれます。しかも、多言語対応が容易です。既に、日本人の平均的な語学力は完全に超えているレベルに達しています(TOEIC800点レベルは超えている)』というのは、頼もしい限りだ。 『機械が正しく訳してくれるような日本語を話す、書くという訓練を積むのも、これからの語学学習では重要になる可能性もあります。日本語を話す時も、主語をしっかり明確にするとか。そうすれば、論理的に物事を考える訓練にもなりますし、機械だけではなく、自分で英語を話すときも、英語に訳しやすくなります』、というのは確かに多くの日本人の悪いクセを指摘している。これが治るきっかけになれば意義は極めて大きい。
タグ:英語 (楽天は英語公用化でどう変わった?担当者に直撃、厚切りジェイソン「WHY英語を話せない?」 出世のために勉強しても絶対に上達はしない、翻訳AIの進化でこれ以上の英語学習は不要? 専門家NICT隅田氏に聞く) 日経ビジネスオンラインの特集 「楽天は英語公用化でどう変わった?担当者に直撃 海外不振は公用語化失敗ではない。今はノウハウ外販も」 7年で社内はどう変わったのか 会社の一番の変化はダイバーシティ(多様性)だと思います。公用語化前は国内の外国人比率が2%。今は20%を超え、エンジニアでは50%近くになります。世界70カ国以上から社員が集まってきていますが、エンジニアでいえばインド、中国が多い。両国の有名大学から優秀な学生を新卒採用できるようになりました キャリアの選択肢が広がった 基礎力をつける段階が終わり、今後は具体的に全世界でビジネスを加速させていく段階に入っていきます 異文化理解を深める研修 異文化理解の研修は専門の外国人講師を呼び 外部企業へ公用語化のノウハウを伝授するコンサルティング事業も始めています クライアントの数は10社ぐらいですね グローバルな部署はもちろんドメスティックな部署でも関係なく対象にしたこと インターネットで日本語と英語のサイトの数を比較すると、実に10倍にもなります。つまり、英語ができる人はできない人の11倍の情報収集能力を持つことにな 「英語の成長は階段状」 人材育成の課題なので、どれだけ投資効果があったのかを厳密に見極める指標を設定するのは難しい 目的は事業のグローバル化 7年前は「日本で働く社員まで英語を話すなんて無駄だ」などと批判の声も多かった 英語公用語化による副作用としては、社内の雰囲気の悪化や、外国人技術者の草刈り場になったという声が聞こえてくる 「厚切りジェイソン「WHY英語を話せない?」 出世のために勉強しても絶対に上達はしない」 厚切りジェイソン ビジネスマン 独学で日本語を習得。今も毎日、日本語の勉強を欠かさない 出世のために勉強するのですか。勉強のインセンティブにはなっても、最終的に、求めた結果にはならないと思いますよ 日本語を相当勉強 10年間、1日5分でも、毎日欠かさず続けています 強い決意はいらないよ。歯磨きするのに、決意する? 楽しく続ければいいんですよ 電車の中で、漢字の部首や意味を考えストーリーを作ったりしながら覚えます。書くのは1回。僕なりに面白おかしく考えてます。ネタの源にもなってるし 1日10時間英語に触れたら、1年後にはかなり話せるようになりますよ。やらない人は言い訳をしているだけです 「翻訳AIの進化でこれ以上の英語学習は不要? 専門家NICT隅田氏に聞く、AI時代に必要な英語力」 自動翻訳の世界でもニューラルネットワークを使うのが主流に 深層学習 ニューラルによる翻訳にも欠点があって、100%の答えを出せるわけではないんです 重要な単語が抜け落ちてしまうという、ニューラルの典型な誤り NICTの音声翻訳システムもニューラルに移行したことで、タクシーや買い物などで使った時に意味が通じる翻訳をする率が2割くらい向上しました 米グーグルが変えた自動翻訳の競争環境 GPU(画像処理半導体)という計算機を使うわけですが、非常に値段が高い 米グーグルがニューラルを使ったサービスを出し、米マイクロソフトもその動きに即座に追随して、我々も負けてはいられないと判断したのです グーグル翻訳(Google Translate) 情報の秘匿性を考えると、ビジネスではグーグルの翻訳サービスを使えないという企業もあるはずです。日本の国立研究所としては、そうしたニーズにもしっかりと対応する必要があります。 先進的音声翻訳研究開発推進センター 自動翻訳は、人間の通訳や翻訳に比べて圧倒的に低コストですし、24時間365日休まず働いてくれます。しかも、多言語対応が容易です。既に、日本人の平均的な語学力は完全に超えているレベルに達しています 自動翻訳の究極のビジネス・アプリケーションは同時通訳 テレビ会議には、非常に適したツールになるでしょう これからは、自動翻訳システムを介してお互いに母国語でコミュニケーションができるようになります。そうなれば、お互いに不得意な英語で会話をするよりも、ずっと効率的なコミュニケーションができると思います 翻訳バンク 中国語・英語は飛躍的に精度が上がるけれども、日本語・英語の精度はそれに追い付けないということが起き得るのではないでしょうか 日本語から英語に訳すのは難しい。日本語を聞き取り理解するというのは、十分に高いレベルまで来ていますが、訳すのが難しいのです。語順がSVOの英語に対し、日本語はS、O、VでVが最後に出てきます。つまり、同時通訳をやろうとすると、一番重要な動詞を聞く前に訳し始めなくてはいけないわけです。この、動詞を推測しながら翻訳するのが、すごく難しいんです 機械が正しく訳してくれるような日本語を話す、書くという訓練を積むのも、これからの語学学習では重要になる可能性もあります。日本語を話す時も、主語をしっかり明確にするとか。そうすれば、論理的に物事を考える訓練にもなりますし、機械だけではなく、自分で英語を話すときも、英語に訳しやすくなります。当然、機械も英語に訳しやすいだけではなく、中国語や韓国語も正確に訳してくれます
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