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ハラスメント(セクハラ・パワハラ・アカハラ)(怒るのはサムイ?卑劣なハラスメントに女子が声を上げられない理由、学生に暴行で停職 「科学界のインディ」の酒癖とパワハラ、下ネタギャグで笑いをとるオジさんの共通点 ご本人が思いもしないセクハラ被害を生むワケ) [社会]

今日は、ハラスメント(セクハラ・パワハラ・アカハラ)(怒るのはサムイ?卑劣なハラスメントに女子が声を上げられない理由、学生に暴行で停職 「科学界のインディ」の酒癖とパワハラ、下ネタギャグで笑いをとるオジさんの共通点 ご本人が思いもしないセクハラ被害を生むワケ)を取上げよう。

先ずは、ジャーナリストの中野 円佳氏が9月26日付け現代ビジネスに寄稿した「怒るのはサムイ?卑劣なハラスメントに女子が声を上げられない理由 「自分が悪いかも」という刷り込み」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽触られるだけでもありがたいと思え
・仕事をしに来ているはずの職場で、美しさや家庭的な側面を求められ、その方向に進めなければ、いじられる。時代錯誤のハラスメントが蔓延する日本の職場。どうして女性たちは声を上げないのだろうか。
・3回目の記事で書いたアキラさん(20代)の場合、このようなふるまいを求められていたと感じるのは社会人になってからに限らない。話は大学時代までさかのぼる。 「学生の時からそうだったんですよ。1~2年の時は男の子みたいな扱いされていて……まぁアキラは男だからみたいかな感じで言われて、化粧したりスカート履いたりすると笑われるみたいな。先輩たちから、そういうこと言われて怒ったり悲しんだりするのは大人じゃないとかサムイって言われて」
・「3~4年になってから女としては扱われるようになったんですけど、何をしてもいい女の子、何をしても気にしない子みたいなかんじになっちゃって。ある男の先輩が胸とかお尻とかを触ってきて『ほんとやめてください』とか言うと、怒るのがお前サムイぞみたいなこと言われました」「触られるだけでありがたいと思えみたいな感じ。こういうときにアハハって笑って受け流すのがいい女だぞ、って思ってるんですよね、そういう人たちは」
・どこの昭和のセクハラオヤジかと思うが、これはたかが3~4年前の話。相手の男性も当時大学生だ。このような中で、アキラさんは可愛げのある女の子路線に進む同期などを横目に、「コイツには何言ってもいい系女子」路線に突き進む。
・「正直、こっちのほうが向いているというか。楽かなって思ってしまっていた部分があるかもしれないですね。女として努力すればするほど笑われちゃう、勝ててないって思われるんじゃないかっていうのがあって。大学1~2年の時の経験から、私ブスな子なんだっていうのが自分の中にしみついてるんですよ」
・取材を始める前、「コイツには何言ってもいい系女子」はむしろアイドル扱いされる女の子たちのように男に媚びるまいと“名誉男性”的なふるまいに走っていて、それにより仲間に入れてもらえるなどのメリットも享受しているのではないかと考えていた。 しかし、アキラさんは「どうなんだろうな。3分の1は他の女の子といるよりも気が楽と言われることもあったので、それはそれで嬉しかったですけど、3分の2はやっぱり嫌でした」と語る。
▽自分のせい?
・「ハラスメントは受け手の感じ方次第」というセクハラに対する認識も、かえって被害者の声を上げにくくしているかもしれない。私が実施したハラスメント認識調査でも、何人もの女性から「自分は気にしないが、後輩の女性がされたこととして相談を受けたらどうかという視点で見るとまた変わってくる」という回答が寄せられた。
・厚生労働省の基準では被害者の主観を重視しつつも、一定程度の客観性が必要とされており、牟田和恵氏は『部長、その恋愛はセクハラです!』の中で主に男性に対して「まったく客観性もないのに、相手の変な受け止め方のせいでセクハラにされてしまうという心配は不要」と述べている。
・しかし、牟田氏も、実際は真っ黒なセクハラは少なく、女性が相手を配慮してやんわり事をおさめようとする態度や、場合によっては喜んでいるように見せるなどの相互関係の中で複雑に起こるグレーゾーンが大半だとしている。
・コンサル会社に勤めるマリナさん(仮名、30代前半)は、新卒で入社後、スーツを着ていても「顔の作りのせいで化粧が濃く見られがち」であるためか、「元キャバ嬢」「今も夜の副業してるんでしょ」などと言われた。それと前後して「自分から世間知らずキャラ、おばかキャラをして媚びを売っていた面はある」と言い、「コイツには何言ってもいい」状態は次第にエスカレートしていく。
・「人の3倍くらい怒られたり、わからないところを質問すると本を投げつけられたり、外見のこともよく言われて、自分のことが大嫌いになりました……」。黒くて長かった髪は短くするなど工夫はしたが、それでも外見について言われることが多く「整形しようかとシミュレーションしてもらった」「女だからこんなに目立ってしまうのであれば、男になりたい」と思い詰めるようになった。
・入社9ヵ月で眠れなくなり、どうやって笑顔を作るのかわからなくなった。今日こそ休もうと毎日思いながら、ようやく病院にいったときのこと。医師に「過労だから休むように」「薬で持たせても、2~3ヵ月後にあなた電車に飛び込みますよ」と言われ休職することになった。
・しかし、休職時の窓口になった人事担当には、「また戻ってチャラチャラやりたいわけ?」「暇だから余計なこと考えたくなるんだよ」などと言われることあった。ただでさえ自分にも悪いところがあったかもしれないと弱っているところに、追い打ちをかけるように責められる――。
・痴漢や強姦などの性犯罪でもよく引き合いに出される「被害者側にも隙があったのでは」という論理。ハラスメントの場合は、定義の曖昧さと発生するメカニズムの複雑さによって、当事者もセクハラと言えるのかどうかわからないことが多い。 状況と受け手にもよるという認識は被害者を救うこともあるだろうが、一方で「自分の態度が悪かったのではないか」「そんなことで不快に感じるなんて自意識過剰なんじゃないか」といった疑念が上司や人事、そして時に被害者本人の自問として浮かび上がってきてしまうことがある。
▽声を上げず、離職する女性たち
・職場で声を上げた女性の前例を見て、口をつぐむケースもある。チナツさん(仮名、30代前半)は最近まで働いていた大手マスコミで、飲み会で手を握られる、妻子持ちの先輩に迫られる、上司に「どこが感じるの」などと聞かれる……など数々のハラスメントを経験したというが、表立って声を上げなかった理由について次のように語る。
・「入社したての頃、ちょうど4つくらい先輩の女性たちがセクハラを訴えたのが話題になっていたのですが、どちらかというと女性のほうが騒ぎ過ぎみたいな噂の回りかたになっていて。そういう風に擦り込まれていたので、先輩に相談しただけで、部長や人事には言いませんでした。訴えた女性の先輩たちについては、直接知り合う前に『あの人はヒステリックな人』と色々な男性の先輩から聞いていたので、かなり先入観が入ってしまいましたね」
・新卒の若者を採用し、“白紙”の状態から教育していくのが良しとされてきた日本企業。若手女性のいる前で、先輩女性のふるまいについてつべこべ言うことは、「お前はそのようになるなよ」という暗黙的なメッセージになる。勇気を出して声を上げたところで、加害者に対しては大したお咎めなく、声を上げた側が非難されるような噂を流すような環境が、女性を沈黙させる。
・結局、声を上げずに、静かに女性たちは会社に失望し、職場に幻滅し、仕事を辞めていく。その実態は、決して「ダイバーシティ推進」を掲げる上層部には届かない。 チナツさんが辞めた会社では、女性が転職や留学などで会社を辞めるときですら、表向きは「寿退社」ということにされたという。そうすれば、上司は自分にはどうにもできなかったということにできるからだ。結婚の予定がない場合、「転職先のベンチャー企業の社長の愛人らしい」と噂を流された女性もいる。
・チナツさんは「結婚を考えている人は確かにいましたけど、結婚くらいで会社辞めるような覚悟で仕事してないのにそういうことにされて。そのときにもう本当にこの会社辞めることにしてよかったと思いましたよね」と憤る。
・ここ数年で、改善してきたM字カーブ。しかし、企業ごとに見れば転職者等も含め「女は結婚、出産、配偶者の転勤で辞めやすい」という認識はいまだにある。表向きはライフイベントを理由にしつつも、本当の退職理由は、職場の中、そして社会にすら根深く埋め込まれているのではないか。待機児童対策、育休等の両立支援策、働き方改革――どれも必要ではあるが、根底に流れる女性蔑視やハラスメントへの認識を広めることも重要だ。
・いじられることを苦痛に覚えている男性は、ライフイベントを表立った理由にしたかったとしてもできず、もっと声を上げていないのかもしれない。きちんと声を上げる手段があり、それが組織で適切に受け止められ、改善される環境があること、それが難しければ旧態依然とした雰囲気の会社から逃れても働ける様々な選択肢は男女ともにあることが望まれる。
*中野円佳さん「『コイツには何言ってもいい系女子』が密かに我が身を切り刻んでいる件」シリーズバックナンバーはこちら
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52968

次に、11/月10日付け日刊ゲンダイ「学生に暴行で停職 「科学界のインディ」の酒癖とパワハラ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・生物学者として知られる広島大の長沼毅教授(56)が学生に暴行し、ケガをさせたして傷害罪で起訴され、今月1日に東広島簡裁から罰金30万円の略式命令を受けていた一件。 長沼教授は微生物の研究で世界各地を飛び回ることから、「科学界のインディ・ジョーンズ」と呼ばれ、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」をはじめ、テレビ番組に多数出演する有名人だけに、ネット住民も大騒ぎしている。
・関係者によると、長沼教授は今年3月、硫黄島での研究室の実習中、停泊中の船内のトイレで20代の指導学生と口論になった。長沼教授は足払いをかけて学生を転倒させると、馬乗りになって首を絞め、「死ね」と言って顔につばを吐きかけたという。長沼教授は高校時代に柔道部で主将を務めた“猛者”で、暴行時には酒を飲んでいたというから、相当な恐怖だったはずだ。学生は腰の骨を折るなど、全治3週間のケガを負った。 学生は鹿児島中央署に被害届を提出。4月に学生から大学に相談があり、同大は7月、諭旨免職に次ぐ停職6カ月の懲戒処分とした。
▽ホームページで「酒好き」を自称
・長沼教授は昨年11~12月にかけても、この学生を「クビにするぞ」などと何度も叱責。研究室のミーティングでは、他の指導学生に対しても「このバカ」とか「研究室から出ていけ」などと、暴言を繰り返していたという。
・「教授は異議申し立てもせず、内容についても認め、処分を受け入れています。本人は『高いレベルを求めた結果、それに応えられない学生に対し、感情的になってしまった。被害者とその家族に対しては深く反省している』と話していて、謝罪もしています。これまで酒にまつわるトラブルや、学生からの苦情はありませんでした」(同大広報グループ)
・もっとも、本人のHPには「酒ビン片手に南極・北極から火山、砂漠、深海・地底など、地球の辺境を放浪する吟遊科学者」とあるぐらいで、「酒好き」を自称していた。ネット上には広島大OBとおぼしき、<いつかやりかねないと思っていた><酒癖もいいとは言えないレベル>なんて書き込みも。
・「長沼教授の講義は、科学や生物学が苦手な人でも分かりやすいと評判でした。34歳の時、宇宙飛行士の採用試験を受けて最終選考で不合格になるなど経歴もユニークで、イケメンでしゃべりもうまく、頭の回転も速い。一時は『ポスト林修(注)』として名前が挙がったこともあります」(テレビ局関係者) これですべてがパーだ。
(注)予備校講師、タレント、東進ハイスクールのテレビコマーシャル「いつやるか? 今でしょ!」が話題。(Wikipedia))
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/217416/1

第三に、健康社会学者の河合 薫氏が12月19日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「下ネタギャグで笑いをとるオジさんの共通点 ご本人が思いもしないセクハラ被害を生むワケ」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・今回は「飲み会とセクハラ」について、アレコレ考えてみる。 ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑報道を皮切りに、連日連夜、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本で、「んったく…」とうんざりするほどセクハラ報道が続いている。 いや、曝露、と言った方が正確かもしれない。
・#me too のもと、これまで表沙汰にならなかった“事件”が次々と報告されているのだ。 先月末には、英労働党元職員の女性がハリウッド女優らによる相次ぐ告発に「勇気が出た」と、自らも党幹部によるセクハラ被害にあったことを告白……、 ファロン国防相は、女性ジャーナリストのひざを触った疑惑で12月1日に辞任 グリーン筆頭国務相は、運動員へのセクハラとパソコンにポルノ画像が保存されているとの疑惑が浮上したが本人は否定  ウェールズ自治政府のサージェント議員が相次ぐセクハラ疑惑で更迭。サージェント氏は閣僚辞任の際、「私の潔白を証明する調査を望む」とコメントし、7日に自宅で死亡しているのが見つかった。
・スウェーデンでは、政界で働く1300人以上の女性がセクハラ・性被害を連名で告発。中には、250件ほどの性暴力事件もあり、地元警察も動き出した。 また、米国ではトランプ大統領にセクハラされたと訴える女性3人が、連邦議会に調査を請求。 トランプ氏は否定しているが、 飛行機の中で女性の胸をつかみ、手をスカートの中に入れようとした 同意なしにキスをした と、女性たちは主張している。
・日本ではワイドショーのネタ化しているけど… 日本は日本で「なにやってんだか…」と、これまた呆れるような報道が相次いでいる。 立憲民主党の青山雅幸衆議院議員のセクハラ疑惑  初鹿明博衆院議員の強制わいせつ疑惑  福井県あわら市の橋本達也市長のセクハラ疑惑  兵庫県川西市の本荘重弘副市長のセクハラ疑惑  岩手県岩泉町の伊達勝身町長のセクハラ疑惑  暁星国際高校硬式野球部の男性監督のセクハラ疑惑 
・単に“セクハラ”といっても、性的暴行から、身体への接触、性的な言動、「自分に気がある」という勘違いに基づく行動まで、被害は相当に広い。 被害を受けるのも、女性とは限らず、男性もいる。  行為者は映画界、メディア界、政界、スポーツ界、教育界など、至る所にいて、権力者の立場が顕著に強く、男性の多い業界ほどセクハラが横行しているのは、万国共通である。
・ただ、欧米のセクハラ問題が「男女差別」という視点から語られるのに対し、日本は「スケベなジジイ」といったワイドショー的な受け止め方が強い。あくまでも個人的な感想だが。 たとえば米国では、2017年の「今年の言葉」として「フェミニズム」が選ばれた(あのウェブスター辞典を出している「メリアム・ウェブスター」が選んでいます)。
・これは、前の年と比べて検索された件数が急上昇した言葉に対して贈られるもので、「フェミニズム」の検索件数は、2016年から70%上昇。年間を通じて検索上位だった。 まずはトランプ大統領の就任翌日、全米各地で開催されたウィメンズ・マーチで検索件数が増え、映画「ワンダーウーマン」でも注目され、ハリウッドのセクハラ疑惑と続いたことで爆発的に増えた。
・セクハラ問題が「フェミニズム」に繋がるということ自体、日本人には「???」なのだが、実は「フェミニズム」の解釈が、日本は世界と異なる。 日本での「フェミニズム」は、「女性の社会的・政治的・法律的・性的な自己決定権を主張し、男性支配的な文明と社会を批判し組み替えようとする思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」(広辞苑)と説明され、「男女平等」の文字は見当たらない。
・一方、欧米では「性別(男女)平等」の意味が入ってるのが一般的。岩波書店に書き換えを申し入れる署名運動が広がり、2018年1月発行予定の広辞苑の改訂版で説明文を書き換えることになった。 また、昨年、日本人女性へのセクハラに関する厚生労働省(労働政策研究・研修機構が実施、「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査結果」)の調査で、全体のおよそ3分の1に相当する女性が職場でセクハラ被害に遭っていることが明らかになったときも、日本では結果が報じられただけで、男女平等に言及するメディアはなかったし、調査結果をセンセーショナルに取り上げることもなかった。
・しかしながら、数多くの海外メディアはこぞってこの問題を「男女差別」として報道。「3分の1がセクハラされたって、すごくね?」とばかりに、“Shocking Number(ショッキングな数値)”というタイトルで紹介し、「こんなに多いのは日本の女性が、差別されているからだ!」と、働く女性の男女格差を賃金や雇用形態、管理職の数字などから説明し、「日本には男性のセクハラに耐える女性が多い」といった論調で展開したのだ(「フォーチュン」)(ウォールストリート・ジャーナル)。
・セクハラ=男女差別という視点で捉えれば、ゴシップから社会問題に広がっていくだけに、日本メディアの取り上げ方は少々残念に思う。
▽仕事関係絡みのセクハラ、後を絶たず
・いずれにせよ、セクハラ問題に悩んでいる女性は相当に多い。 そのほとんどは「職場での性的な発言、執拗な食事の誘い」と「飲み会での性的な発言、おさわり」。 年齢により受け止め方は若干異なり、 20代、30代の若い女性は「会社のオジさんどうにかなりませんかっ!」という怒り、「上司(=オジさん)にセクハラされて…困っています」という困惑や恐怖を、 40代以上の女性は「下手に拒絶すると、“自意識過剰”とか思われそうだからやり過ごしているけど……キモい」と不快感を抱いている。
・特に仕事関係者の飲み会が増えるこの季節は、不愉快な思いをしつつ、「サラリと流さないと大人気ないと言われる」と、我慢しているのである。 同じように悩む男性もいて、私自身、同世代の女性が男性部下に性的な発言をしているのを何度か目撃し、「ああ、やだやだ。自分もあんな“セクハラオバさん”にならないように気をつけなきゃ」と自戒するわけだが、被害者は「女性」が圧倒的多数で、深刻度、量ともに「オジさん加害者」が大半を占める(だから無視していいと言ってるわけではなく、今回は女性問題を扱う、ということですので、あしからず)。
・「職場では真面目なのに、酒が入るとただのスケベなジジイです。大口契約取ってきた女性部下に『○○さんは色気があるから、ハニートラップで落とした』とか言うんですよ。 言われた方は笑い飛ばすしかないし、周りもとりあえず笑う。 そうすると“ウケた”って勘違いするんです。
・それで終われば、まだ許せる。でも、ウケると調子に乗る。 自慢なのか悲哀を誘っているのかわかりませんけど、自分の性的な話をして、『○○はどうしてるんだ?』とか聞いてくるんですよ。 そういうときは決まって、私のような“オバさん”に聞くから気持ち悪い。 適当に流してますけど、昔は我慢してたことでも、今は許せなくなってきてることもあるんですよね。かといって上に報告するほどでもない気がして、イヤだけど我慢するしかないんですよね。
・どうしたらああいうセクハラ発言って、なくせるんですかね」(51歳 女性) 「なんでああなるのかちっともわからないんです。私は色目を使ったわけでもないし、好意があるような態度を取ったこともない。なのになんか“勘違い”してるみたいで。食事に執拗に誘うんです。仕事上ではイヤな面は一切ありませんし、3、4人で食事に行くこともあります。でも、さすがに2人は……。
・以前は連れていってもらっていたんです。ただの上司と部下ですから。それがいけなかったのか。適当に躱してるので、やがて気付いてくれるとは思うんですけど、あんまり無碍に扱うと、左遷とかされそうで……恐いです。 でも、まだ自分はイケるって思ってるってことですよね?(笑) たぶん55くらいだと思うんですけど……絵文字付きのメールとかくるし…。バブル世代ってやっぱパワフルですね~」(33歳 女性) 前者は商社、後者はメーカーに勤務する女性だ。
▽いました、枕営業と勘違いするオヤジ
・こうやって文字にすると「たいしたことないじゃん」「大して悩んでるようにみえない」と言われそうだが、れっきとした「セクハラ」である。 つまり、セクハラの最大の問題は「これ」。 やるほうとされるほうの意識のギャップが大き過ぎるのだ。だから、いつまでたってもなくならない。
・一般的にはセクハラはダメ、女性が不快に思うことをしてはダメ、って分かっているはずなのに、下ネタで笑ってくれる人が1人でもいたら「ウケた」と勘違いし、「エッチな話は誰も傷つけない」だの「セクハラになるのは相手が若い女性だけだ」と、本気で思っているおバカさんもいる。←前者のパターン。
・「自分に気がある」と思い込むオジさんもいるけど、さらに踏み込んで「自分と個人的な関係を結びたがっている(いわゆる枕営業です)」と勘違いする権力者や社会的地位の高いオジさんは想像以上に多い。←後者のパターン。
・既に時効なんで告白するけど、食事に誘われ、断ることもできずに出かけたところ、「○○は俺と寝てくれって、札束もってきたぞ」 などと自慢げに語り(何が自慢なのかわからないけど)、足をスリスリしてくるジジイがいたし、 ただ、仕事でお世話になっているから食事に何度かお付き合いしだけなのに(2人きりではない)、「今から出てこれる? 銀座の▲△で寿司でも食べよう」と、夜中に電話してきたジジイもいた(そもそも私は寿司はNGです)。
・どちらもその業界ではいわゆる“権力者”だった。 「だったら最初から勘違いさせる行動は慎めばいい」と第三者は言うけど、当時は30代。20歳以上年上の男性、しかも“偉い人”に「ノー」とは言えなかった。なので、誰に言うこともできず、必死で忘れようと記憶の奥底に押し込み、「たいしたことじゃない。ちゃんとあしらえたんだから」と自分を納得させた。
・40過ぎてからは「なんでアンタの性的な話を聞かなきゃいけなんだよ」といった場面に出くわすことが増え、今思い返すだけで、キモい。マジでキモい。 とにもかくにも女性たちの話や私の個人的な経験から感じるのは、「オジさんたちのコミュニケーション力」の低さだ(すみません)。
・職場では、パワハラ、セクハラ、モラハラ、など、ハラハラだらけで部下とのコミュニケーションにビビっているオジさんが、自分のコンフォートゾーンである「飲み屋」に踏み入れた途端、職場でクローズしていたコミュニケーションの扉を全開する。が、何を話していいのかわからない。 そこで、つい「彼氏はいるのか?」というセクハラになりかねない発言をしてしまったり、下品なネタで笑いを取ろうとしてしまったり、カワイイ女性部下が素直に自分の話を聞いてくれると、「ん? ひょっとして……」などと“勘違い”してしまったり…。
▽結局、女子への免疫不足じゃない?
・要するに「女性社員」への免疫の低さが、セクハラにつながっているように思えてならないのである。 中にはしょーもないスケベジジイもいるのかもしれないけど、「そ、そんなつもりなかったんだけど……」とする男性側の言い分と、「ありえない」と口を揃える女性側の相談から考察すると、飲み会のセクハラの原因はオジさんの「コミュニケーション力」という仮説に行き着くのである(女性の方も同じだろ! とここで怒らないでくださいね。今回はオジサン側の話、ですので)。
・実は先の海外でも話題になった“Shocking Number”が明らかになった調査(「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査結果」)には、それを裏付ける結果が報告されている。 まず、セクハラの態様のトップ3は、 容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた  不必要に身体を触られた  性的な話や質問をされた(性生活を聞かれた、卑猥な冗談を聞かされた)
・で、これらのセクハラの経験率と職場環境との関連を調べたところ……、【セクハラ経験者が多い職場トップ3】(多かった順) 職場の特定の人や係に仕事量が集中している  職場の特定の人しかできない業務が多い  恒常的に残業や休日出勤が多い 
・【セクハラ経験者が少ない職場トップ3】(少なかった順)  職場にはお互いを助け合おうという風土がある  職場は意見が言いやすく風通しがいい  職場のリーダーは社員間の業務分担等を良くマネジメントしている  (※「第2-3-2 表 職場の状況別セクシュアルハラスメント経験率(個人調査)」より。表現は調査から一部アレンジしています)
・ご覧の通り、常日頃からコミュニケーションが取れている職場では、セクハラが少ないことがわかったのである。 一方、互いにサポートする環境が希薄な“孤立した職場”では、セクハラが多い。
▽最初に職場の環境ありき
・こういった結果を見ると、「ストレスがたまっていて、セクハラに走るのではないか?」 とすぐにストレスを原因にする人がいるけど、私はそれはナイと思う。 イライラして不寛容になり、攻撃性が増すことはある。なのでちょっとした性的な意地悪というケースが増える可能性は否定できない。 だが、セクハラの経験が少ない職場に共通する、「日常的にコミュニケーションが成立している」ってことをもっと落とし込めば、わざわざ“セクハラになりそうな”きわどい話をしなくとも、共通の話題が存在しているってこと。そして、おそらくそういった職場では、男女差別もない。 互いに敬意を示し、ひとりひとりが能力を発揮する土壌が出来上がっているのである。
・さて、と。忘年会シーズン真っ最中。 まずは「自分の職場環境」を上記の質問でチェックし、自分がセクハラしやすい環境いるかどうか確かめてから、「とりあえずビール」してください。……ん? 最近はこれも言わないんだっけ?
・『他人をバカにしたがる男たち』 なんとおかげさまで五刷出来!あれよあれよの3万部! ジワジワ話題の「ジジイの壁」『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)
・《今週のイチ推し(アサヒ芸能)》江上剛氏 本書は日本の希望となる「ジジイ」になるにはどうすればよいか、を多くの事例を交えながら指南してくれる。組織の「ジジイ」化に悩む人は本書を読めば、目からうろこが落ちること請け合いだ。
・特に〈女をバカにする男たち〉の章は本書の白眉ではないか。「組織内で女性が活躍できないのは、男性がエンビー型嫉妬に囚われているから」と説く。これは男対女に限ったことではない。社内いじめ、ヘイトスピーチ、格差社会や貧困問題なども、多くの人がエンビー型嫉妬のワナに落ちてるからではないかと考え込んでしまった。 気軽に読めるが、学術書並みに深い内容を秘めている。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/121800136/?P=1

第一の記事で、『可愛げのある女の子路線・・・「コイツには何言ってもいい系女子」路線』、というのには笑ってしまった。確かに、昔もそういった2つの路線があったようだ。 『実際は真っ黒なセクハラは少なく、女性が相手を配慮してやんわり事をおさめようとする態度や、場合によっては喜んでいるように見せるなどの相互関係の中で複雑に起こるグレーゾーンが大半だとしている』、『ハラスメントの場合は、定義の曖昧さと発生するメカニズムの複雑さによって、当事者もセクハラと言えるのかどうかわからないことが多い。状況と受け手にもよるという認識は被害者を救うこともあるだろうが、一方で「自分の態度が悪かったのではないか」「そんなことで不快に感じるなんて自意識過剰なんじゃないか」といった疑念が上司や人事、そして時に被害者本人の自問として浮かび上がってきてしまうことがある』、『結局、声を上げずに、静かに女性たちは会社に失望し、職場に幻滅し、仕事を辞めていく。その実態は、決して「ダイバーシティ推進」を掲げる上層部には届かない』、などは、この問題の複雑さを示唆している。
第二の記事で、『長沼教授は高校時代に柔道部で主将を務めた“猛者”で、・・・学生は腰の骨を折るなど、全治3週間のケガを負った』、というのは柔道家にあるまじき行為だ。しかし、教育者・研究者としては優れた人物のようなので、今回の反省を糧に教育・研究で業績を上げてくれることを期待したい。
第三の記事で、男女同権では日本のはるか先を行っている欧米でも、『#me too のもと、これまで表沙汰にならなかった“事件”が次々と報告されている』、というのには驚いた。 『ウェールズ自治政府のサージェント議員が相次ぐセクハラ疑惑で更迭。サージェント氏は閣僚辞任の際、「私の潔白を証明する調査を望む」とコメントし、7日に自宅で死亡しているのが見つかった』、という悲劇は、日本的な抗議行動を取る人間が英国にもいることを知って、驚かされた。「フェミニズム」に、『欧米では「性別(男女)平等」の意味が入ってるのが一般的』、というのは初めて知った。『飲み会のセクハラの原因はオジさんの「コミュニケーション力」という仮説に行き着くのである』、というのは、その通りなのかも知れない。 海外での調査で、『常日頃からコミュニケーションが取れている職場では、セクハラが少ないことがわかったのである。 一方、互いにサポートする環境が希薄な“孤立した職場”では、セクハラが多い』、との結果にはなるほどと納得させられた。
タグ:可愛げのある女の子路線 「被害者側にも隙があったのでは」という論理 休職時の窓口になった人事担当には、「また戻ってチャラチャラやりたいわけ?」「暇だから余計なこと考えたくなるんだよ」などと言われることあった グリーン筆頭国務相は、運動員へのセクハラとパソコンにポルノ画像が保存されているとの疑惑が浮上したが本人は否定 中野 円佳 ファロン国防相は、女性ジャーナリストのひざを触った疑惑で12月1日に辞任 長沼教授は高校時代に柔道部で主将を務めた“猛者” 医師に「過労だから休むように」「薬で持たせても、2~3ヵ月後にあなた電車に飛び込みますよ」と言われ休職することになった 「コイツには何言ってもいい系女子」路線 英労働党元職員の女性 (怒るのはサムイ?卑劣なハラスメントに女子が声を上げられない理由、学生に暴行で停職 「科学界のインディ」の酒癖とパワハラ、下ネタギャグで笑いをとるオジさんの共通点 ご本人が思いもしないセクハラ被害を生むワケ) 実際は真っ黒なセクハラは少なく、女性が相手を配慮してやんわり事をおさめようとする態度や、場合によっては喜んでいるように見せるなどの相互関係の中で複雑に起こるグレーゾーンが大半だ (セクハラ・パワハラ・アカハラ) 学生は腰の骨を折るなど、全治3週間のケガを負った 「下ネタギャグで笑いをとるオジさんの共通点 ご本人が思いもしないセクハラ被害を生むワケ」 ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑報道 ハラスメント 「怒るのはサムイ?卑劣なハラスメントに女子が声を上げられない理由 「自分が悪いかも」という刷り込み」 科学界のインディ・ジョーンズ 被害者の主観を重視しつつも、一定程度の客観性が必要とされており 「ハラスメントは受け手の感じ方次第」というセクハラに対する認識も、かえって被害者の声を上げにくくしているかもしれない 「学生に暴行で停職 「科学界のインディ」の酒癖とパワハラ」 結局、声を上げずに、静かに女性たちは会社に失望し、職場に幻滅し、仕事を辞めていく。その実態は、決して「ダイバーシティ推進」を掲げる上層部には届かない 20代の指導学生と口論になった。長沼教授は足払いをかけて学生を転倒させると、馬乗りになって首を絞め、「死ね」と言って顔につばを吐きかけたという 日経ビジネスオンライン 同大は7月、諭旨免職に次ぐ停職6カ月の懲戒処分 東広島簡裁から罰金30万円の略式命令 M字カーブ ポスト林修 ハラスメントの場合は、定義の曖昧さと発生するメカニズムの複雑さによって、当事者もセクハラと言えるのかどうかわからないことが多い いつやるか? 今でしょ! 河合 薫 長沼毅教授 現代ビジネス 東進ハイスクール 声を上げず、離職する女性たち これまで表沙汰にならなかった“事件”が次々と報告 #me too 厚生労働省の基準 日刊ゲンダイ ウェールズ自治政府のサージェント議員が相次ぐセクハラ疑惑で更迭。サージェント氏は閣僚辞任の際、「私の潔白を証明する調査を望む」とコメントし、7日に自宅で死亡しているのが見つかった スウェーデンでは、政界で働く1300人以上の女性がセクハラ・性被害を連名で告発 トランプ大統領にセクハラされたと訴える女性3人が、連邦議会に調査を請求 立憲民主党の青山雅幸衆議院議員のセクハラ疑惑 初鹿明博衆院議員の強制わいせつ疑惑 福井県あわら市の橋本達也市長のセクハラ疑惑 権力者の立場が顕著に強く、男性の多い業界ほどセクハラが横行しているのは、万国共通 欧米のセクハラ問題が「男女差別」という視点から語られ 日本は「スケベなジジイ」といったワイドショー的な受け止め方が強い 2017年の「今年の言葉」として「フェミニズム」が選ばれた 欧米では「性別(男女)平等」の意味が入ってるのが一般的 「職場での性的な発言、執拗な食事の誘い」と「飲み会での性的な発言、おさわり」 セクハラの最大の問題は「これ」。 やるほうとされるほうの意識のギャップが大き過ぎるのだ。だから、いつまでたってもなくならない とにもかくにも女性たちの話や私の個人的な経験から感じるのは、「オジさんたちのコミュニケーション力」の低さだ 飲み会のセクハラの原因はオジさんの「コミュニケーション力」という仮説に行き着くのである 「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査結果」 常日頃からコミュニケーションが取れている職場では、セクハラが少ないことがわかったのである。 一方、互いにサポートする環境が希薄な“孤立した職場”では、セクハラが多い
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