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ドイツ(その2)(メルケル独首相の窮地で揺らぐ欧州と世界、「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる) [世界情勢]

ドイツについては、昨年5月1日に取上げた。今日は、(その2)(メルケル独首相の窮地で揺らぐ欧州と世界、「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる)である。

先ずは、元日経新聞論説主幹の岡部 直明氏が昨年11月22日付け日経ビジネスオンラインに掲載した「メルケル独首相の窮地で揺らぐ欧州と世界 ジャマイカ連立協議決裂」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・ドイツの総選挙を受けた与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)と緑の党による連立協議は決裂し、4選をめざすアンゲラ・メルケル首相は窮地に追い込まれた。社会民主党(SPD)を含め連立協議を再開するか、少数与党で政権を運営するか、再選挙を実施するか選択を迫られるが、欧州連合(EU)の盟主であるドイツの政治空白が長期化するのは避けられない。それはマクロン仏大統領と組んだ独仏連携による欧州統合に響くだろう。英国のEU離脱交渉にも影響は必至である。さらに、トランプ米大統領による「米国第一主義」で揺らぐ世界を一層、混迷させる恐れがある。
▽予想くつがえす決裂
・環境政策や難民問題、EUへの姿勢で食い違いが大きい3党の「ジャマイカ連立」(注)は当然、難航は予想された。しかし、多少時間はかかっても、妥協が成立するはずだというのが大方の見方だった。「政治巧者」のメルケル首相ならうまくやれるはずという見方が専門家の間では有力だった。「ジャマイカ連立のドイツはむしろ欧州にとっていいことだ」(ブリューゲルのガントラム・ウルフ所長)という見方もあったほどだ。EUの盟主であるドイツ「独り勝ち」ではなく、柔軟なドイツへの期待がそこにはあった。
 (注)3党のシンボルカラー(黒、黄、緑)がジャマイカの国旗の色使いに似ていることから、ジャマイカ連立と呼ばれるようになった。
・ところが、現実はそうはいかなかった。環境政党の緑の党と経済界寄りの自民党の差はあまりに大きかった。石炭火力の廃止を求める緑の党に、企業の競争力低下を懸念する自民党は対立した。難民受け入れでも、難民家族の受け入れを主張する緑の党と、それに慎重な与党キリスト教民主・社会同盟と自民党のズレは大きかった。メルケル首相にすれば、寛大すぎる難民受け入れ方針が総選挙での事実上の「敗北」につながったという思いがあるだけに、受け入れを制限する方針は譲れなかった。
・マクロン仏大統領が提案するユーロ共通予算、ユーロ財務省などユーロ改革での食い違いは鮮明だった。とくに自民党はマクロン流の財政統合に強く反発した。EU統合を推し進める立場の緑の党との差はぬぐいがたいものがあった。しびれを切らした自民党のリントナー党首が「誤った統治をするくらいなら統治しない方がよい」と連立協議からの離脱を表明して「ジャマイカ連立」協議は決裂した。メルケル首相も科学者らしく「共通の解」はみつけられなかったと決裂を認めざるをえなかった。
▽避けられぬドイツの政治空白
・連立協議の決裂を受けて、ドイツの政治は連立の再協議か少数与党か再選挙かの選択を迫られることになるが、どのシナリオになるにしろ政治空白の長期化は避けられない。 社民党出身のシュタインマイヤー大統領は、各党に連立協議を呼び掛けたが、連立の再協議は極めてむずかしいだろう。まず、総選挙で台頭した極右「ドイツのための選択肢」(AfD)と旧東独共産党の流れをくむ左派党は連立相手にはなりえない。これまでの大連立の結果、支持を大幅に失った社民党のシュルツ党首は改めて「大連立はありえない」と強調している。いったん決裂したジャマイカ連立協議を再びテーブルにのせるのも不可能だろう。
・そこで、少数与党による政権運営が浮上することになる。それは安定した戦後のドイツ政治では経験したことのない道である。重要政策の決定は、野党の手に握られ、政権の基盤は大幅に弱体化することになる。  メルケル首相自身、「少数与党になるくらいなら、再選挙を」と述べているが、再選挙しても、メルケル陣営が勝利する保証はない。それどころか極右勢力のさらなる伸長に手を貸す結果にもなりかねない。だいいち、再選挙という事態になれば、メルケル首相に変わる「選挙の顔」を求める政治的動きが表面化し、突如、メルケル時代に終止符が打たれる恐れもある。
・メルケル首相はまさに「袋小路」に追い込まれたわけだが、数々の修羅場を経験してきた「政治巧者」が危機打開への切り札を打ち出せるかが試される。
▽独仏主導のEU再生に影
・ドイツのジャマイカ連立協議の決裂に、真っ先に懸念を表明したのは、マクロン仏大統領だった。EUの若き指導者は、外交を中心に存在感を発揮しているが、財政赤字削減や労働市場改革など痛みを伴う改革で内政では支持を弱めつつある。こうした改革を進めるためにも、メルケル首相との独仏連携は重要になる。それだけに、ドイツ政治の混迷はマクロン大統領にとっても大きな痛手である。
・とくに、マクロン大統領が当初から掲げてきた財政統合などユーロ改革が身動きを取れなくなる事態も予想される。ドイツの連立協議を自民党が離脱した背景には、マクロン大統領のユーロ改革路線への反発があったとみられるだけに、ドイツ政治混迷の影響は避けられないだろう。
・ユンケル欧州委員会委員長はマクロン仏大統領の登場で「EUに追い風が吹いている」と楽観論を展開したが、ドイツの政治空白が長引き、肝心の独仏連携に支障が生じれば、EU統合は再び「逆風」に見舞われることになりかねない。
▽欧州に亀裂は広がるか
・メルケル与党が事実上「敗北」した総選挙を分析すれば、そこには欧州に広がる亀裂がみてとれる。メルケル首相自身が育った旧東独で極右の台頭を許したのは、かならずしも経済からではない。ドイツ経済を筆頭にユーロ経済は好調を持続している。そこにあったのは、何とはなしの疎外感や「昔はよかった」という感情だったと専門家はみる。「そうした感情が高齢化社会でさらに広がった」とドイツ銀行のチーフ・エコノミスト、ステファン・シュナイダー氏は分析する。
・そうした「感情」がEU内の旧東側諸国に広がれば、まさに冷戦時代への逆戻りである。EUはユーロ危機で「南北対立」が鮮明になったが、難民危機などをめぐって、こんどは「東西対立」が鮮明になる恐れがある。それは、EUの「小さな亀裂」にとどまるか「深い分断」につながるか注視しなければならないだろう。
▽BREXIT交渉に影響必至
・メルケル独首相が窮地に陥ったことは、ただでさえ国内基盤が弱いメイ英政権のEU離脱交渉にも大きな影響を与えるだろう。EU離脱交渉は英国の「清算金」など入口で話し合いは頓挫し、移行期間の設定や離脱後の通商協定などの協議に入れない状況だ。メイ政権は、政権内で強硬派のジョンソン外相とソフト離脱派のハモンド財務相の不一致があるうえに、相次ぐ閣僚辞任で政治基盤の劣化が目立っている。このままでは、英政権としての提案を固め切れず、2019年3月の交渉期限には、何も決まらない「サドンデス離脱」さえ予想されている。
・メイ首相の唯一の「救い」は、表向きは「英国の良いとこ取りは許さない」と言いながら、経済関係への配慮から柔軟姿勢ものぞかせるメルケル首相だったといえる。メイ首相にすれば、12月のEU首脳会議で打開の道をみつけ出したいところだったが、肝心のメルケル首相が窮地に陥っているなかでは、頼みにはしにくだろう。英国の将来を決めるBREXITはドイツ政治の空白に揺さぶられることになりかねない。
▽混迷世界に波紋
・メルケル独首相が窮地に陥ったことは、「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領の登場で混迷する世界に、さらなる波乱をもたらしかねない。トランプ大統領以外にも世界には、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領、エルドアン・トルコ大統領ら強権政治家が目立つなかで、メルケル首相は自由と民主主義という基本理念とともに持ち前の寛大な思想にもとづいて「世界のアンカー役」として長く国際社会の信認を集めてきた。
・自由貿易の推進や地球温暖化防止など、国際システムの再構築が求められているだけに、その役割はさらに高まるとみられてきた。マクロン仏大統領との連携による独仏連携はEU再生だけでなく、国際システムの再建に主導的役割を期待されてきた。それだけに、メルケル首相が窮地を脱することができなければ、その痛手は大きい。 「鉄の女」を超えたメルケル首相の土壇場での底力と、それを受け入れるドイツ政治の成熟度に期待するしかない。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/071400054/112100045/?P=1

次に、在ドイツのジャーナリストの熊谷 徹氏が1月26日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・ドイツでは2017年9月の連邦議会選挙以来、政府が存在しない異例の空白状態が4カ月間も続いているが、ようやく混乱が収まる兆しが現れた。
▽SPD、大連立本格交渉への参加を決定
・1月21日に社会民主党(SPD)がボンで開いた臨時党大会で、代議員の過半数が、キリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)との大連立をめざし本格交渉に入ることを承認した。党大会で厳しい表情を崩さなかったマルティン・シュルツ党首は、投票結果が明らかになると、隣に座っていた、アンドレア・ナーレス連邦議会・院内総務と抱き合って、喜びを全身で表現した。
・この決議によって、CDU・CSUとSPDは連立協定書の調印をめざして本格的な交渉に入る。今年春にメルケル氏が率いる大連立政権が再び誕生することは、ほぼ確実になった。
▽SPDを分断する大きな亀裂
・だがシュルツ党首は、極めて薄い氷の上を歩いていた。SPDの見解は一枚岩ではなく、大きく二分されている。そのことは、大連立への交渉入りに賛成した代議員の比率が56%にとどまり、44%が反対したことに表われている。SPDが割れている原因は、シュルツ党首自身にある。彼は、ドイツの政治史上でも珍しい右往左往を演じたために、党内で批判の矢面に立たされている。
・2017年9月の連邦議会選挙で、彼が率いるSPDの得票率は、約20%という史上最低の水準に落ち込んだ。このためシュルツ党首は、開票結果が判明した直後に「SPDは野党席に戻り、党を改革する。政権に加わることはない」と宣言した。 彼は、SPDが大連立政権に参加しCDU・CSUと政策が似通ってしまったことが、選挙の敗因と考えたのだ。彼は野党席に戻り、党を改革し、CDU・CSUとの違いを際立たせることをめざした。だが多くの政治家は、「この発言は時期尚早ではないか」と感じていた。
・SPDの下野宣言によってメルケル首相は、自由民主党(FDP)、緑の党と連立しなくては議会で過半数を確保できなくなった。だがFDPと緑の党はエネルギー政策や増税をめぐって鋭く対立。FDPは「メルケル首相は緑の党の肩を持ちすぎる」と不満を爆発させて、連立交渉から離脱してしまった。メルケル首相が「FDPと緑の党が激しく対立しても、最後は国益を考えて折り合うだろう」と考えたのは、大きな誤算だった。連邦議会選挙後に、各党が連立に失敗したのは初めてのことである。
▽シュルツ党首の朝令暮改
・フランスなど周辺諸国では、EUのリーダー的な立場にあるドイツで政府不在状態が長期化することについて、不満の声が高まった。このためSPDに属するフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー連邦大統領が、シュルツ党首に翻意を促した。シュルツ党首は、4党連立交渉が決裂した直後にも「政権に加わることはない」と発言していたにもかかわらず、大統領との会談後に「下野宣言」を撤回して、CDU・CSUとの大連立に前向きな姿勢を打ち出した。
・この方向転換は、SPDの改革をめざしていた党員たちを唖然とさせた。シュルツ党首の翻意について、SPDの若い党員たちは「度重なる路線の転換は、SPDの信用をさらに落とす」として強い反対意見を表明した。特にSPDの地方支部では、大連立を拒絶する声が強まった。
・もしも臨時党大会で代議員たちの過半数が大連立への交渉入りを拒否していたら、ドイツは再び連邦議会選挙をやり直すしかなかった。メルケル首相は、「少数与党政権は機能しない」という立場を取っているからだ。大連立が否決された場合、シュルツ党首も辞任せざるを得ず、SPDは新たな党首を選ばなくてはならない。
・再選挙となると、ドイツの政治空白はさらに長期化する。新政権が誕生するのは、今年の夏以降になっていたかもしれない。また、再選挙を行った場合、SPDの優柔不断な態度に失望する有権者が増えて、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の得票率がさらに増えるかもしれない。多くの報道関係者は、「再選挙を行ったら、SPDの得票率は20%台を割る」と予想していた。
・大連立への交渉入りに賛成した党員たちは、「再選挙を行って国民からさらに厳しい審判を受けるよりは、シュルツ党首の右往左往に目をつむって、一刻も早く新政府を樹立させよう」と考えたのだ。
▽メルケル首相に「子ども扱い」されるSPD
・SPDの党大会に先立つ1月12日、CDU・CSUとSPDの代表たちは、大連立政権に向けて、政策のアウトラインに合意し、全28ページの概要を発表した。だがSPDは、この準備交渉の中でも大幅な譲歩を余儀なくされていた。 たとえばSPDは、準備交渉に入る前に「民間健康保険を廃止して、全ての市民が加入する『市民保険』を創設することによって、医療サービスの平等化をめざす」と要求していたが、合意書には「市民保険」の言葉はなく、企業と被雇用者の公的健康保険の保険料負担を同じにするという変更案に留まった。
・またSPDは、所得格差を小さくするために、富裕層の所得税負担増と、低所得層に対する減税をめざしていたが、「好景気で税収が増え、財政黒字が拡大している時期に、増税を実施するのはおかしい」とするCDU・CSUに押し切られた。つまり、メルケル首相はすでに、SPDを「子ども扱い」し始めているのだ。
・今後CDU・CSUとSPDは、連立協定書を作るための本格交渉を開始する。連立協定書には、準備交渉の合意書には盛り込まれなかったディテールが加えられるので、その分量は通常180ページ前後になる。  SPDの代議員たちは、党大会で交渉入りを決議する際に、執行部に対して「連立協定書に関する本格交渉では、①民間健保と公的健保の間の医療サービスの格差是正、②期限付きの雇用契約書の制限(ドイツの雇用契約書は通常、無期限だが、一部の企業が期限付きの雇用契約書を使っている。SPDはこうした動きを法的に制限することをめざしている)、③難民がドイツに家族を呼び寄せる際の条件緩和の3点について、我が党の主張を認めさせる」ことを義務付けた。
・シュルツ党首は、「大連立政権の政策内容についての本格的な討議はこれからだ」と息巻いているが、CDU・CSU側は、「準備交渉での合意内容を超える内容は受け入れられない」と釘を刺している。 メルケル首相は、SPD党大会という重要なハードルを乗り越えた今、「一刻も早く、正式に機能する政府を作る」ことを最大の目標として交渉に臨むだろう。SPD執行部は、連立協定書をめぐる交渉で、「CDU・CSUと激しく戦っている」ふりはするだろうが、FDPのように連立交渉から撤退する可能性は低い。いくつかの譲歩をCDU・CSUから引き出せれば、連立協定書に調印し、3月には新政府誕生という運びになるだろう。
・だが、有権者から見れば「難民政策などに対する不満から厳しく罰したCDU・CSUとSPDが、またもや政権に返り咲く」ことになる。有権者は、政治不信を深めるに違いない。
▽AfDがSPDに肉迫
・実際、多くの国民がSPDに見切りをつけ始めている。1月23日にドイツの世論調査機関Insaが発表したアンケート結果によると、SPDへの支持率は、昨年9月の連邦議会選挙での得票率よりも2ポイント下がり、18%になった。逆に極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持率は、2ポイント増えて14%に達し、SPDとの差は4%に縮まった。
・ドイツの報道機関は、AfD幹部らによる人種差別的な発言や、ネオナチを思わせる失言の数々について毎週のように報じているのだが、同党への支持率にはほとんど影響を及ぼしていない。これは、AfD幹部の過激な発言について、有権者が不感症になりつつあることを示している。
・大連立政権が誕生し、SPDが野党席に戻らないことが決まると、AfDは連邦議会で「筆頭野党」の座を占める。1月23日には、AfDの議員が、連邦議会の予算委員会と法務委員会の委員長に就任することが決まった。このようにして、極右政党が着々と中央政界に根を下ろしていく。ドイツに外国人として住んでいる筆者にとっては、気味の悪い傾向だ。
・今年3月に新しい大連立政権が誕生しても、伝統的な政党が有権者の信頼を回復するのは極めて困難であろう。筆者は、昨年9月から続く政局の迷走が、有権者の不満を高める方向に作用し、AfDへの支持率を今後さらに押し上げると予想している。フランスの国民戦線(FN)のように、20%前後に到達するかもしれない。ドイツの民主的勢力にとっては、厳しい時代が訪れた。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/219486/012400037/?P=1

第一の記事で、 『社民党のシュルツ党首は改めて「大連立はありえない」と強調している。いったん決裂したジャマイカ連立協議を再びテーブルにのせるのも不可能だろう』、については、その後、連立協議入りを党大会で決議し、現在、協議中である(第二の記事)。 『メルケル首相自身が育った旧東独で極右の台頭を許したのは、かならずしも経済からではない。ドイツ経済を筆頭にユーロ経済は好調を持続している。そこにあったのは、何とはなしの疎外感や「昔はよかった」という感情だったと専門家はみる』、というのは、政治は一筋縄ではいかないことを物語っている。 ドイツ政治の混乱で、 『独仏主導のEU再生に影』、 『EUはユーロ危機で「南北対立」が鮮明になったが、難民危機などをめぐって、こんどは「東西対立」が鮮明になる恐れがある』、  『BREXIT交渉に影響必至』、 『混迷世界に波紋』、など影響は全世界的で深刻なようだ。
第二の記事で、SPDについて、 『シュルツ党首の朝令暮改』、 『メルケル首相に「子ども扱い」されるSPD』、など何とも頼りない限りだ。 『今年3月に新しい大連立政権が誕生しても、伝統的な政党が有権者の信頼を回復するのは極めて困難であろう。筆者は、昨年9月から続く政局の迷走が、有権者の不満を高める方向に作用し、AfDへの支持率を今後さらに押し上げると予想している。フランスの国民戦線(FN)のように、20%前後に到達するかもしれない。ドイツの民主的勢力にとっては、厳しい時代が訪れた』、というのは本当に困った事態だ。
タグ:岡部 直明 (その2)(メルケル独首相の窮地で揺らぐ欧州と世界、「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる) ドイツ メルケル首相自身が育った旧東独で極右の台頭を許したのは、かならずしも経済からではない。ドイツ経済を筆頭にユーロ経済は好調を持続している。そこにあったのは、何とはなしの疎外感や「昔はよかった」という感情だったと専門家はみる SPDを分断する大きな亀裂 SPD、大連立本格交渉への参加を決定 独仏主導のEU再生に影 「「敗者の大連立政権」は有権者をさらに失望させる」 「ジャマイカ連立」協議は決裂 熊谷 徹 避けられぬドイツの政治空白 メルケル首相は自由と民主主義という基本理念とともに持ち前の寛大な思想にもとづいて「世界のアンカー役」として長く国際社会の信認を集めてきた ドイツの政治空白が長期化するのは避けられない メルケル首相に「子ども扱い」されるSPD 今年3月に新しい大連立政権が誕生しても、伝統的な政党が有権者の信頼を回復するのは極めて困難であろう。筆者は、昨年9月から続く政局の迷走が、有権者の不満を高める方向に作用し、AfDへの支持率を今後さらに押し上げると予想している AfDがSPDに肉迫 BREXIT交渉に影響必至 シュルツ党首の朝令暮改 混迷世界に波紋 与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)と緑の党による連立協議は決裂 ・ドイツの総選挙 「メルケル独首相の窮地で揺らぐ欧州と世界 ジャマイカ連立協議決裂」 日経ビジネスオンライン
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