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鉄道(その2)(そのLRTは本当に「次世代型」路面電車なのか 新型車両導入より運賃収受方法の改革が必要、「次の新幹線はどこに?」熱を帯びる誘致合戦、エスカレーター「片側空け」奨励する国もある 日本では「歩行は危険」と禁止の方向だが…) [産業動向]

鉄道については、1月20日に取上げた。今日は、(その2)(そのLRTは本当に「次世代型」路面電車なのか 新型車両導入より運賃収受方法の改革が必要、「次の新幹線はどこに?」熱を帯びる誘致合戦、エスカレーター「片側空け」奨励する国もある 日本では「歩行は危険」と禁止の方向だが…)である。

先ずは、元名古屋鉄道副社長の柚原 誠氏が2月8日付け東洋経済オンラインに寄稿した「そのLRTは本当に「次世代型」路面電車なのか 新型車両導入より運賃収受方法の改革が必要」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・LRT(Light Rail Transit)は文字どおりの意味は「軽量軌道交通」であるが、わが国では「次世代型路面電車」と呼ばれることが多い。このLRTを導入して「まちづくり」を計画、あるいは構想している都市がわが国にはいくつもある。その中の、栃木県宇都宮市と芳賀町の「LRTによる未来のモビリティ都市の創造」計画によれば、いよいよ今年度末にLRTが着工される予定だ。わが国初の新設LRTの開業が近づいた。
・宇都宮市で軌道系公共交通導入の検討が始まったのは1993年。当初はモノレールも候補に挙がったが、整備費を勘案してLRTが選択された。宇都宮市長選でLRT導入が争点になり、また、導入に反対する市民団体の活動などもあって、検討を始めてから着工まで25年を要したことになる。
▽ストラスブールは19年がかりで導入
・LRT導入によるまちづくりの成功例としてよく紹介されるフランス・ストラスブール市のトラム(路面電車)復活も、計画から着工までに19年かかった。市長選でトラム復活の是非が争点になるなど、宇都宮市の状況と似ている。
・ストラスブールは戦前から走っていたトラムを1960年に撤去した。その後、街路に自動車があふれるようになり、1973年にトラムを活用した都市計画を策定した。1985年にトラムではなく「ゆりかもめ」のような新交通システム「VAL」に計画が変更されたが、1989年の市長選でトラムかVALかが争点となり、トラム復活派の候補者が当選、1992年に着工して1994年に開業した。
・トラム派は、「トラムでも2分間隔で運転すれば1時間・片方向に1万人の輸送ができる。VALは、その構造から高架線か地下線となるが、トラムなら地平を走るから乗り場へのアクセスが容易だ。都市の景観と利便性でトラムが優れている。1kmあたりの建設費はVALの4分の1。トラムを活用して街中の自動車を減らすまちづくりをおこなう」と訴えた。
・日本とは違い、編成長の大きいヨーロッパの路面電車の実力なら、この程度の輸送力は容易に実現できる。ちなみに、ストラスブールの現用の車両は、長さ40m、定員300(満載375)人であり、2分間隔の場合の輸送力は1万1250人にもなる。
・ストラスブールでは、バイパス道路を建設して通過自動車を迂回させ、都心部へ来る自動車利用者は市街地外縁のLRT停留所で自動車からLRTに乗り継ぐ。いわゆる「パーク・アンド・ライド」を導入した。自動車からの乗り継ぎ旅客を受け入れるためにLRTの車両は大きくした。この結果、都心部へ流入する自動車が減少し、幹線街路はLRTのトランジットモールとなり、一部区間には自動車通行帯を設けたが1車線だけとした。
・トラムかVALかが争点になった市長選の時、すでにフランスではナントとグルノーブルにはトラムが復活しており、市民は新しいトラム、とくに、グルノーブルの部分低床車の利便性、トラムを活かしたまちづくりについて見聞きしていた。こうした状況の中での論争だったから、市民はトラム復活に合点し、市長選後はスムーズに事が運んだ。
・では、宇都宮ではLRT計画は市民に十分に伝わっているのだろうか。LRTで何がしたいのかが見えないとも言われている。「LRTによる未来のモビリティ都市の創造」と言うが、LRTの役目は何か、である。
▽これまでの路面電車と何が違う?
・そもそも、LRTとはどんな乗り物なのか。これについて、宇都宮市のウェブサイトはQ&A形式で説明している。 「LRTってなに?路面電車?」については、「LRTとは、Light Rail Transitの省略です。LRTは、昔ながらの路面電車とは違い、最新の技術が反映された次世代型の路面電車です」と解説している。そして、その特徴として「①騒音振動が少なく快適な乗り心地、②車両の床面とホーム(乗り場)との間に段差や隙間がほとんどない、③専用レールを走るため、時間に正確な運行が可能、④洗練されたデザインは、「まちのシンボル」になる、⑤道路上を走るので、ほかの交通手段との連携がスムーズ」の5つを挙げ、動画(福井鉄道、富山ライトレール、広島電鉄で撮影したもの)でも説明している。
・次に、「乗車方法と支払い」については「LRTは、主に道路上に設置した停留場から乗車・降車し、歩行者信号と横断歩道に従ってアクセスします。運賃の支払いは、ICカードの導入により、スムーズな乗り降りを目指していきます」と説明し、動画(富山ライトレール、広島電鉄で撮影)で、運転士横のカードリードライタに乗客がICカードをタッチする様子を示している。
・しかし、ちょっと待ってほしい。これではわが国ですでに走っている路面電車とまったく同じではないか。「LRTは、昔ながらの路面電車とは違い、最新の技術が反映された次世代型の路面電車です」という前段の記述と矛盾し、「これまでの路面電車と何が違うの?」という質問には全く答えていない。
・LRTという呼び名はアメリカで生まれた。ヨーロッパ諸国の路面電車活用に触発されたアメリカが1970年代の初めに新しい路面電車の開発を始めた。 時代遅れの乗り物とのレッテルが貼られた従来の路面電車やインターアーバン(1910年代を中心に活躍した市街地は路面電車のように併用軌道を走り、市街地を抜けると専用軌道を高速運転する都市間電車。全長15~20mの車両の3~5両連結で輸送力は大きい)の最新版であることを強調するために、それをLight Rail Transit(略してLRT)と呼ぶことにしたのである。
・それゆえに、LRTはインターアーバンを近代化したものと定義されるが、近代化された路面電車もLRTと呼ぶのが一般的である。しかし、近代的な路面電車でも従来どおりにフランスではトラムと呼び、アメリカでもサンディエゴではトロリーと言う。 いずれにしても、LRTとは新しい路面電車のことである。しかし、わが国にとってLRTとは新しい路面電車なのだろうか。
▽運賃収受に時間がかかりすぎ
・わが国の路面電車の利便性と機能は、諸外国で走っている路面電車のそれに遠く及ばない。 第1にバリアフリーではないこと。低床車が投入され、あるいは、ホームがかさ上げされて乗り降りはバリアフリーという例はあるが、乗車扉と降車扉が区分けされているから車内移動が必要であり、全長27mの路面電車もあり最後部に乗車すると降車時には20mあまりも車内を移動する必要がある。ベビーカーや車いす利用者には使い勝手がよくない。これでは、「人にやさしい」とは言えない。
・第2に運賃収受に時間がかかること。運転士の監視のもとに乗客一人ずつ順番に運賃を運賃箱に投入、あるいは、ICカードをタッチするから時間がかかり、停車時分が長くなって表定速度が低い。
・第3にこうした運賃収受方式のために小型車両しか使用できず、バスに代替できる程度の輸送力しか得られない。これでは路面電車を導入する積極的な理由にならない。輸送力が小さいためにパーク・アンド・ライドやバス・アンド・ライドに対応できない。大型車両が必要な場合には車掌の乗務が必要になる。
・「次世代型路面電車でまちづくり」を謳う都市は、その説明にヨーロッパの路面電車の写真を添えている。宇都宮市も同じで、宇都宮駅東口の大看板にも市のウェブサイトにもストラスブールの最新形車両の写真を使っている。 次世代型路面電車とは、こうしたヨーロッパで走っている路面電車を指すのだろうか。確かにわが国の路面電車の現状の水準からすれば、まさに「次世代型」である。ヨーロッパの都市で普通に走っている路面電車を次世代型と呼ばざるを得ないのは情けない話だが。
・しかし、宇都宮市のウェブサイトのLRTの特徴の説明には、ヨーロッパの路面電車の肝心なポイントが抜け落ちている。それは運賃収受方式だ。運賃収受方式は、表定速度、ダイヤ、輸送力、必要車両数に影響する。 ストラスブールの全長40m、定員300人の車両には幅広の扉が片側に8カ所あり、この8カ所で一斉に乗り降りする。乗降に要する時間が短いから表定速度が高い。乗った扉から降車できるから車内移動は不要でベビーカーも車いすも楽に利用できる。まさに「人にやさしい路面電車」である。定員が大きくパーク・アンド・ライドに対応できるから、中心市街地へ流入する自動車を減らすことができる。「環境にやさしい路面電車」である。
・「人と環境にやさしい路面電車」を担保しているのが、「セルフサービス方式(わが国では「信用乗車方式」とも呼ばれる)」の運賃収受である。乗客は、乗車前に停留場等の券売機で乗車券を購入し、停留場または車内に設置の消印機で消印(改札)する方式だ。運転士は運賃収受に関わらない。
・この方式は、1960年代の半ばにスイスで始まり1970年代の初めに西欧各国に普及、その後、アメリカ、東欧、アジア(香港、台湾)にまで普及した。この運賃収受方式の採用で、路面電車は高い利便性と表定速度、大きな輸送力を備えることとなり、今日の地球規模の路面電車大活躍時代が到来したのである。
・わが国は、この方式をいまだに採用していない。低床車がいくら増えても、車内移動というバリアが残ったままだ。「人と環境にやさしい路面電車」でなくては現代の都市交通システムとは言い難い。運賃収受方式の革新は急務だ。
▽必要なのは車両ではなく、サービスの改革だ
・わが国の各都市が導入をもくろむ次世代型路面電車とは、現に今ヨーロッパに走っている路面電車を指している。わが国にとっては次世代型ではあっても、諸外国で当たり前に使われているものを次世代型と呼ぶのは不自然であり、胡散臭さを感じる。
・利便性の高い路面電車の導入とは、次世代型という言葉に象徴される革新的な電車(ハード)を導入することではなくて、グローバルスタンダードの運賃の収受方式(ソフト)の導入なのである。わが国の路面電車が「旧世代型」なのは、このソフトが伴っていないからである。
・宇都宮市はウェブサイトのQ&AのAをもっと詳しくして、利便性の高い路面電車を導入することをハッキリと示すべきである。そのためには、運賃収受にセルフサービス方式の採用が必須であることを説明し、それには市民(乗客)の協力が欠かせないという啓蒙を今から行う必要がある。 セルフサービス方式の採用には、いろいろな抵抗も予想される。それをおそれて次世代型路面電車という「何となくよさそうな電車」と曖昧にしておくのはよくない。物事ははっきりすべきだ。
・宇都宮LRTは今年度末に着工される。わが国にも利便性の高い路面電車が導入されることが、ついに現実となってきた。だからこそ言いたい。ヨーロッパでは当たり前の路面電車を次世代型路面電車と呼ぶのは、もう卒業したいものだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/207133

次に、2月5日付け東洋経済オンライン「「次の新幹線はどこに?」熱を帯びる誘致合戦 四国はJRも前向き、山形はフル規格化狙う」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・発進行!日本全国にはさまざまな種類の新幹線車両が走っているが、そこに新たな仲間が加わった。NHKの大河ドラマ「西郷どん」のラッピング新幹線だ。1月14日、JR博多駅で出発式が行われ、西郷隆盛役の鈴木亮平さんを乗せた列車が、ドラマの舞台である鹿児島方面に向け走り出した。 「テレビで見るだけではなく、旅に出て実際に体験してほしい。日本中の人に新幹線に乗って鹿児島にお越し頂きたい」と、JR九州の青柳俊彦社長は語る。2016年4月の熊本地震、2017年7月の九州北部豪雨で九州の観光業界は甚大な損害を被った。今年こそは年間を通じて九州に観光客を呼び込みたいという思いがにじむ。
▽新幹線が日本各地を結び付ける
・まだ九州に新幹線が走っていなかった時代、博多―西鹿児島(現・鹿児島中央)間は特急「つばめ」で4時間近くかかった。しかし、2011年の九州新幹線全線開通後は最速1時間16分。新幹線のおかげで、九州エリアを一体的に観光することも可能となった。
・新幹線は各地に観光客を呼び込む最強ツールだ。2015年3月に北陸新幹線が金沢まで開業した際の北陸観光ブームは記憶に新しい。首都圏での北陸人気にあおられ、新幹線のない関西圏―金沢の観光流動が増えるというおまけまでついた。2016年3月に開業した北海道新幹線は、道南と東北を結び付ける新たな役割を担う。
・1964年に運行開始した東海道新幹線「0系」は日本の高度成長のシンボルでもあった。「新幹線が走ると日本のように経済が成長する」。高速鉄道導入を検討するアジアの新興国に対し、日本政府はこんなセールストークを展開する。その際に成功モデルとして決まって取り上げられるのが、北陸新幹線の佐久平駅。開業前は何もなかった場所にイオンモールをはじめとした大規模商業施設が集積する。休日には佐久市内だけでなく、周辺の市町村から大勢の買い物客が新幹線に乗ってやってくる。新幹線駅を核としたまちづくりの好例である。
・一方で、同じ北陸新幹線でも長野駅は、東京から日帰り圏となったため、長野市内の事業所数は新幹線開業前に比べ減った。大手企業が長野市内に支店や営業所を置くメリットがなくなったからだ。上越新幹線・越後湯沢駅を抱える新潟県湯沢町は、バブル期に林立したリゾートマンションが空室になるなど負の遺産に苦しむ。新幹線が開通したからといってまちが必ず発展するとは限らない。
・さらに、近年の整備新幹線スキームの下では、JRは新幹線開業時に並行在来線を切り離すことができる。多くの場合、沿線自治体が在来線の経営を引き継ぐが、それは在来線の赤字を自治体が負担することを意味する。そのコストは沿線市民にはね返る。それでも、新幹線を待望する声は各地で根強い。さまざまな矛盾を内包しながら新幹線網はさらに広がっていく。
・整備新幹線計画では、九州新幹線・長崎ルート、北海道新幹線(新函館北斗─札幌間)、北陸新幹線(金沢─敦賀間)の工事が現在進行中だ。さらに2016年暮れ、北陸新幹線の敦賀─新大阪間のルートが決定し、法律で定められた「整備計画」の完了にようやくメドがついた。それと前後して、「次の新幹線」をめぐる動きが各地で勃発している。
・それは1973年に策定された「基本計画線」である。北海道新幹線の札幌─旭川間、山陰新幹線(大阪─鳥取─松江─下関間)など、全国を網羅する。九州、北海道、北陸の整備計画完了後に、こうした基本計画線が整備新幹線への昇格を目指す。
▽四国はJRも新幹線に前向き
・最初のハードルは、国による事業調査費用の予算措置。2018年度予算案には「基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査」とのみ記されている。ここに具体的に明記された路線は、実現に向け大きく前進する。
・新幹線実現に向けて運動する多くの地域の中で、とりわけ熱心なのが四国だ。岡山から瀬戸大橋線を通り、高松経由で徳島、さらに高知、松山の3方面へ向かう「四国新幹線」構想を提唱している。 四国では行政と経済界が一体となって運動しており、行政が主導する他地域と一線を画す。四国新幹線の早期実現を目指す整備促進期成会の会長を四国経済連合会の会長(四国電力の千葉昭会長)が務めるほか、JRが新幹線整備に前向きなのもほかの地域にない特徴だ。JR四国(四国旅客鉄道)は在来線の高速化を進めているが、線形の悪い箇所を造り直すと、「新幹線を造るのと費用的にあまり変わらない」(半井真司社長)。新幹線なら国が負担してくれる。JR四国にとってはありがたい話だ。
・四国新幹線が開業すれば、大阪─四国4県間が約1時間半、東京─四国4県間は4時間程度で結ばれるという。総事業費は1.57兆円。瀬戸大橋は新幹線規格で建設されていることから、その分だけ建設費を抑えられるのが強みだ。 「新幹線のない16県の県庁所在地の人口で見ても、松山市は千葉市に次ぐ2番目の51万人、高松市は4番目の41万人など、四国新幹線は人口が多いエリアを走る。沿線人口は北陸新幹線や北海道・東北新幹線と比較しても遜色がない」と、四国経済連合会の大西玉喜常務理事は説明する。
・だが四国新幹線にはネックがある。主要都市が一直線ではなく3方向に分かれていることだ。同時着工できず後回しになる県が出ると、運動が腰砕けになりかねない。 徳島県では淡路島を通って大阪と結ぶルートを支持する声もある。岡山経由よりも短時間で大阪と行き来できるからだ。「財政負担を考えなければ、できるに越したことはない」(大西常務理事)とはいえ、このルートでは、大阪府、兵庫県にも費用負担が生じる。
・先述の四国新幹線案でも、岡山駅と瀬戸大橋の間に新線を建設するには、岡山県の同意が不可欠。「唯一の新幹線空白地域を解消する」という四国の大義名分を岡山県にどう理解してもらうか、難しい展開が続く。
▽ミニ新幹線のフル規格化を熱望
・東北には2つの基本計画がある。福島─山形─秋田間を結ぶ「奥羽新幹線」と、富山─新潟─秋田─新青森間を結ぶ「羽越新幹線」だ。どちらも音頭を取るのは山形県。「山形新幹線(福島─新庄間)があるのになぜ」と疑問に思う人も少なくないだろう。
・山形新幹線は新幹線と銘打つものの、実際は在来線を走るミニ新幹線。東京から福島までは新幹線として疾走するが、福島で分岐して山形方面に向かうと、在来線区間のため、速度はガクンと落ちる。急カーブや踏切などがあるためだ。新幹線区間は直線がほとんどで、踏切もない。つまり新幹線とミニ新幹線とでは、インフラ構造がまるで違うのだ。
・「フル規格化が実現すれば、最短で2時間26分かかる山形─東京間の所要時間が約2時間へ短縮する」と、山形県総合交通政策課の担当者は意気込む。しかし、切望する理由は時間短縮だけではない。 山形新幹線は輸送トラブルが多いのだ。踏切があるので自動車との衝突事故も起きるし、野生動物も線路内に飛び込む。強風や吹雪も大敵だ。フル規格になれば高速化に加え、安定走行のための風雪対策も講じられるようになる。が、現状の福島─新庄間は在来線並みのレベルにとどまる。
・「走行キロ当たりの輸送障害はフル規格新幹線の33倍に及ぶ。1日平均で0.5?1便が運休・遅延している」(山形県総合交通政策課)。フル規格の新幹線を導入し、定時・安定運行してほしいというのが、県の考えだ。「フル規格化の議論は今をおいてない。この機を逃すと、次にいつチャンスが来るかわからない」。
・問題は県内が一枚岩でまとまっていないことだ。日本海側の庄内地域にある酒田市はフル規格化と併せて、山形新幹線開業時からの悲願だった庄内延伸の実現に奔走する。在来線の陸羽西線・新庄─酒田間にミニ新幹線を走らせようというのだ。フル規格化だけでなく、なぜミニ新幹線を推すのか。
▽庄内地方の都市は上越新幹線を利用する
・その理由は陸羽西線の利用者数が年々低迷していること。「大きな災害に遭ったら復旧されず、そのまま廃線にされかねない」と、市企画振興部の担当者は懸念を示す。陸羽西線にミニ新幹線が走れば、少なくとも廃線の心配はない。 庄内地方は山形新幹線への依存度が小さい。鉄道で酒田─東京間を移動する場合、新潟経由で羽越本線と上越新幹線を乗り継ぐ人もいる。同じく庄内地方にある鶴岡市は、さらに新潟寄りなので上越新幹線への依存度がずっと増す。
・羽越新幹線の実現を目指す新潟─秋田間の沿線自治体は新幹線の実現を最終目標としつつ、実現性の高い取り組みを段階的に求めている。まず、新潟駅では上越新幹線と羽越本線の同一ホームでの乗り換えに向けた工事が今春完了予定。今後は待ち時間を短くするダイヤ改正や、停車駅の少ない速達型特急の新設を求めていく。
・「新幹線は時間もカネもかかる」(酒田市の担当者)。地元にとっては新幹線よりも、現実的な利便性向上のほうが先決のようだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/207148

第三に、在英ジャーナリストのさかい もとみ氏が2月7日付け東洋経済オンラインに寄稿した「エスカレーター「片側空け」奨励する国もある 日本では「歩行は危険」と禁止の方向だが…」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・「あんなにエスカレーターが速いとは!あの上を歩くなんて私にはムリ」 ロンドンへ個人旅行でやってきた都内在住のOLさん、地下鉄駅の様子を思い出しながらこう訴えた。「日本ではエスカレーターの上を歩きますが、とにかく怖くて右側にじっと立っていました……」。
・確かにロンドン地下鉄の駅にあるエスカレーターは速い。しかも「右側立ち、左側空け」が明確に奨励されている。 日本における「エスカレーターの片側空け」は、各鉄道事業者が「手すりにつかまろうキャンペーン」を行うなど、「あまりお勧めできないこと」とされているが、実際には日本国内の多くの地域で「片側空け」の習慣が普及している。
・では、「世界で最初に片側空けをやった」とされるロンドンで今どのようにエスカレーターが使われているのか、改めて観察してみることにした。
▽片側空けは100年前から
・ロンドン地下鉄でエスカレーターが使われるようになったのは1911年のこと。ロンドン西部のアールズコート駅に最初に設置された。 エスカレーターを導入した日の様子を示す模型がロンドン交通博物館の倉庫に保管されている(普段は非公開)。それによると、左足が義足のハリスさんという技術者が杖をついて実際に乗り方を実演。ステップの右側に立ち、「右手でベルトをしっかりつかめば危なくない」と自ら乗ってみせた。  さらに当時の記録を読むと「上りエスカレーターの右側が壁」なので、「左側を空けておけば、急ぐ人がゆっくり上がって来る人の列を横切ることなくスムーズに進める」とある。また、エスカレーター導入当時のポスターからも、エスカレーター上に立つ人はみな、右手で手すりをつかんでいることが読み取れる。
・その後ロンドンでは、これらの「故事」にならい、「立つのは右側、空けるのは左側」というのが定着したようだ。また、エスカレーターの運転では、上りは左側、下りは右側(つまり、左側通行)が基本となっている。 ちなみに、ロンドン地下鉄ではずいぶん昔から、マナー遵守を促すさまざまなポスターを作っている。「エスカレーターでは右に立って!」と訴えるもののうち、筆者が確認できた最も古いものは1944年製だから、遅くとも第二次大戦中にはこのルールの定着を進めていたことになる。
・冒頭で書いたように、ロンドン地下鉄のエスカレーターは日本のものよりはるかに速い。感覚値でしかないが、東急の横浜駅に設置されている「高速」エスカレーターよりも確実に速いので、日本でふだん暮らしている人がロンドンに来てエスカレーターに乗ったら「怖い」と感じるのも無理はない。
・にもかかわらずだ。「追い越し車線」に当たる左側を周りより遅いペースで歩いて上がって行くと、後ろから「よけろ」とか「早く行け」といった声がかかることもある。つまり高速道路で言うところの「アオリ」を食らうわけだ。
▽歩くのに疲れて列を移動する人も
・ロンドン地下鉄で最も長いエスカレーターはノーザン線エンジェル駅にある。全長は60m、エスカレーター両端の標高差は27.5mもある。この勾配、この距離を「追い越し車線」を使って、いつもの調子で空いている左側を歩き出す人がいるものの、あまりの長さでグッタリしてしまい、途中で「歩きながら上りの列」からリタイア、右側の「歩かない人」の列に入り込んでしまう人が結構いる。
・エスカレーターの右立ちが定着しているロンドンでは、「動く歩道」でも左を空ける習慣がある。普通の道路を歩くよりも動く歩道を歩いた方が当然速いので、急ぐ人にはうれしいしきたりとなっている。ヒースロー空港の地下鉄駅とターミナルの間には動く歩道が何本も使われているが、ロンドンに着いたばかりの旅行者が動く歩道の左側にぼんやり立っていると、露骨に「どいてくれ」と声がかかったりするが、これはちょっとかわいそうな仕打ちだなあ、と思ってしまう。
・ロンドンのエスカレーターでは、日本ではあまり見かけない習慣がある。それはカップルがエスカレーターの上で向き合っておしゃべりすることだ。上りエスカレーターなら、ひとつ上の段に乗っている女性が180度回って(つまり後ろ向き)になって、男性と向き合う格好となる。
・ちなみに、前述のロンドン地下鉄最長エスカレーターのエンジェル駅では、実測で上り下りともに片道1分22秒かかる。これだけの時間があればそれなりのおしゃべりもできようというものか。もっとも、おしゃべり以上のことを平気でやっているカップルもいて結構驚くのだが。
▽日本との違いは何か?
・日本では何度となく「エスカレーター上での歩行を認める、認めない」の論議が起こっている。エスカレーター上の歩行は危険だという理由もあれば、「エスカレーターは構造上、その上を歩くように設計されていない」といった理由もある。
・ロンドンでは20世紀の初頭、しかも木製のステップだった時代から「右立ち左空け」を奨励していたのだから、それから考えれば当時より格段に技術や素材が進歩した現在、日本において「エスカレーター上で歩くと機械によくない」という説明はあまり合理性がない。加えて「歩行は危険」という指摘については、日本のエスカレーターの速度はずいぶん遅いので、英国で暮らす身からすると、「そんなに危ないのか?」と思ってしまう。
・ちなみにロンドンでは、「バリアフリー完備」という駅は、列車から地上までどこにも段差がなく、かつエレベーターで結ばれていることを条件にしている。言い換えれば、エスカレーターはあくまで「階段を動かすことで人を短時間に大量に流す」ことを目的としており、交通弱者のためのバリアフリーを目的としたものではない。そう考えると高速でエスカレーターを動かす理由も納得できるわけだ。
・ところがロンドンにも異説がある。「本当に右立ち左空けで人がたくさん運べているのか?」という疑問だ。実験によると、しっかり1段に2人ずつ乗せたほうが単1時間当たりの流動人数は大きいとの結果が得られたという。エスカレーターの上を歩く行為は当人にとっては時間の短縮になるが、立ち止まる場合に比べ前後の間隔が開くため、流動人数はかえって減ってしまうのだ。
・実際に、バーゲンセールで賑わうロンドンのショッピングモールで、「左を空けないでどんどん乗れ!」と叫ぶガードマンの指示に従ってエスカレーターに乗ると、なるほど確かに地下鉄駅よりも大量の人が一気に運ばれているように見える。
・安全と効率の問題から、果たしてどんな結論がもっとも適しているのかわからないエスカレーターの「片方空け習慣」。まずは、エスカレーターの「先進国」であるロンドンで今後どんな方向に向かうのか、事態を見守ることにしたい
http://toyokeizai.net/articles/-/206928

第一の記事で、 『ストラスブールの全長40m、定員300人の車両には幅広の扉が片側に8カ所あり、この8カ所で一斉に乗り降りする。乗降に要する時間が短いから表定速度が高い。乗った扉から降車できるから車内移動は不要でベビーカーも車いすも楽に利用できる。まさに「人にやさしい路面電車」である。定員が大きくパーク・アンド・ライドに対応できるから、中心市街地へ流入する自動車を減らすことができる。「環境にやさしい路面電車」である。 「人と環境にやさしい路面電車」を担保しているのが、「セルフサービス方式(わが国では「信用乗車方式」とも呼ばれる)」の運賃収受である。乗客は、乗車前に停留場等の券売機で乗車券を購入し、停留場または車内に設置の消印機で消印(改札)する方式だ。運転士は運賃収受に関わらない』、というように、低床式の車両を導入するだけでなく、運賃収受方式もセルフサービス方式に変更しなければ、本格的なLRT導入とはいえないようだ。不正乗車防止策が課題になるが、輸送力が飛躍的に増大するメリットは大きい。宇都宮市の場合、ここまでは考えていなさそうなのが残念だ。
第二の記事で、 『四国新幹線にはネックがある。主要都市が一直線ではなく3方向に分かれていることだ。同時着工できず後回しになる県が出ると、運動が腰砕けになりかねない』、というのでは実際には調整に難航しそうだ。 さらに、『新幹線なら国が負担してくれる。JR四国にとってはありがたい話だ』、と国依存の姿勢も問題だ。山形新幹線も、「フル規格化が実現すれば、最短で2時間26分かかる山形─東京間の所要時間が約2時間へ短縮する」、僅か26分の短縮に意味さほど意味があるとは思えない。むしろ、 『フル規格の新幹線を導入し、定時・安定運行してほしい』、の狙いの方が大きそうだ。 冒頭の小見出し 『新幹線が日本各地を結び付ける』、というのは、長野市や新潟県湯沢町のような不振に苦しむ都市があることを度外視した、大げさな「新幹線神話」だ。もっと、新幹線効果を客観的に分析してほしいものだ。
第三の記事で、 『日本における「エスカレーターの片側空け」は、各鉄道事業者が「手すりにつかまろうキャンペーン」を行うなど、「あまりお勧めできないこと」とされている』、のは不合理だと思う。ロンドンのように、急ぐ人とゆっくりいきたい人を左右で明確に分けるのは、心理的にも合理的だ。確かに、 『実験によると、しっかり1段に2人ずつ乗せたほうが単1時間当たりの流動人数は大きいとの結果が得られたという。エスカレーターの上を歩く行為は当人にとっては時間の短縮になるが、立ち止まる場合に比べ前後の間隔が開くため、流動人数はかえって減ってしまうのだ』、という実験結果が正しいとしても、分けないことによるイライラ感は耐え難いものだと思う。無論、これはイラッチの小職に固有のことなのかも知れないが・・・。
タグ:鉄道 バリアフリー 東洋経済オンライン 宇都宮市 山形新幹線 低床車 ロンドン地下鉄 (その2)(そのLRTは本当に「次世代型」路面電車なのか 新型車両導入より運賃収受方法の改革が必要、「次の新幹線はどこに?」熱を帯びる誘致合戦、エスカレーター「片側空け」奨励する国もある 日本では「歩行は危険」と禁止の方向だが…) 柚原 誠 「そのLRTは本当に「次世代型」路面電車なのか 新型車両導入より運賃収受方法の改革が必要」 LRTが選択 ストラスブールは19年がかりで導入 運賃収受方式は、表定速度、ダイヤ、輸送力、必要車両数に影響する ストラスブールの全長40m、定員300人の車両には幅広の扉が片側に8カ所あり、この8カ所で一斉に乗り降りする。乗降に要する時間が短いから表定速度が高い。乗った扉から降車できるから車内移動は不要でベビーカーも車いすも楽に利用できる。まさに「人にやさしい路面電車」 、「セルフサービス方式(わが国では「信用乗車方式」とも呼ばれる)」の運賃収受 必要なのは車両ではなく、サービスの改革だ 「「次の新幹線はどこに?」熱を帯びる誘致合戦 四国はJRも前向き、山形はフル規格化狙う」 長野市内の事業所数は新幹線開業前に比べ減った 四国はJRも新幹線に前向き ミニ新幹線のフル規格化を熱望 さかい もとみ 「エスカレーター「片側空け」奨励する国もある 日本では「歩行は危険」と禁止の方向だが…」 「右側立ち、左側空け」が明確に奨励
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