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日本の構造問題(その7)(日本人はなぜ「挑戦」しなくなったか~失敗を恐れる脳はこう作られる 日本人の脳にせまる③ 、厚切りジェイソンと東大卒脳外科医社長が語る「減点方式ニッポン」の歩き方、東芝、日大、財務省…トップが「腹を切らない」日本組織の病 無責任体質は信頼崩壊を生む) [社会]

日本の構造問題については、これまで「日本経済の構造問題」として、3月24日に取上げたが、今日は「経済」を外して、(その7)(日本人はなぜ「挑戦」しなくなったか~失敗を恐れる脳はこう作られる 日本人の脳にせまる③ 、厚切りジェイソンと東大卒脳外科医社長が語る「減点方式ニッポン」の歩き方、東芝、日大、財務省…トップが「腹を切らない」日本組織の病 無責任体質は信頼崩壊を生む)である。

先ずは、脳科学者の中野 信子氏が5月25日付け現代ビジネスに寄稿した「日本人はなぜ「挑戦」しなくなったか~失敗を恐れる脳はこう作られる 日本人の脳にせまる③ 」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽「褒めて育てる」は正しいのか
・日本人について、慎重で思慮深く、真面目で、無謀な挑戦をしない、という類型が語られることがあります。私もそのように語ってきたという自覚があります。 ただ、こうした性質は生まれつきのものであると同時に、ある程度は後天的に影響を与える要素があることが知られてもいます。
・たとえば、子育てについて書かれた本などには、「褒めて育てる」「子どもに自信をつけさせるにはとにかく褒める」「それがその子どもの成功を約束する」というような内容が必ずと言っていいほど載っているでしょう。 もしかしたら、すこし年齢が上の世代になると「厳しく躾けることが重要」という考え方をもとに教育された方もいらっしゃるかもしれませんが、最近の教育の基本方針は、そうした厳しい教育とはまったく逆の方向を行っているようです。
・近年刊行されたものを見渡せば、数点、逆張りのような論調のものが見られるほかは、ほとんどが褒めることをベースにした主張の書籍でしょう。 特にここ数年はテレビでもインターネットでも、子どもにネガティブなことを言ってはいけない、何も言わないことで無意識的にネガティブなメッセージを送るのもいけない、叱ったり無視したりせずにポジティブなメッセージを送ろう、子どもを叱ることよりも褒めることのほうがずっと大事だ……、という主旨のコメントがあたかもポリティカリーコレクトであるような扱いをされます。
▽褒め続けた結果…
・年々「子どもには罰よりも報酬を与えることが基本かつ重要」という考え方が正しいとみなされる空気が醸成されてきていると感じる人がほとんどだろうと思います。 例えば、子どもがテストで良い点を取って帰ってきたら「本当に頭がいいね」と褒める、絵画で賞を取ったら「芸術の才能があるね」と褒める、スポーツで結果を出したら「運動能力が抜群ね」と褒める……。
・このやり方は、一見正しいように見えます。 たしかに、いつも「いい子だね」と伝えて育てることで、自信に満ちあふれた幸せな子どもに育ちそうな気がするでしょう。実際、そういう教育を実践している人も多いでしょうし、意識的にそうしようと考えてはいなくとも、なんとなくそういう方向が正しいと感じて無意識的にそうしてしまっている、という人は少なくないだろうと思います。
・でも、このやり方に「一度も違和感を持ったことがない」という方は、意外と少数派なのではないでしょうか? たまにはお小言を言ったほうがいいんじゃないの……? 本当にいつも手放しで褒めてばかりでいいの……? あとになって「本当は褒めるだけの教育はダメでした」っていうことがわかったらどうしたらいいの……?
・実はすでに1990年代の終わりに、次のような実験が行われています。コロンビア大学のミューラーとデュエックによる研究です。 人種や社会経済的地位(Socio-EconomicStatus:SES)の異なる、10歳から12歳までの子どもたち約400人に、知能テストを受けてもらいます。テストの内容は、並べられたいくつかの図形を見て、その続きにはどんな図形がくるのかを答えるというもの。
・おそらくみなさんの多くが子どものころに学校で受けたことがあるテストと近いものです。 完全に同じものではありませんが、このような感じのテストです。(「?」に当てはまる図形を1から6までの中から選びなさい)(図形はリンク先参照)
・すぐわかってしまったと思いますが、答えは2です。 テストのあと、実験者たちは解答を集め、採点を行います。が、子どもたちには実際の成績は秘匿しておきます。その代わり個別に「あなたの成績は100点満点中80点だ」と全員に伝えるのです。
・ちなみに、いつも優秀な成績を取っている子どもの中には「80点で優秀」とはなかなか感じにくい子どももいると思います。そういった例外的な子どもについての記事もいずれ書きたいとは思いますが、まずは平均的な子どもについての分析をご紹介していきます。
・テストを受けた子どもたちは、3つのグループに分けられます。そして、成績以外に子どもたちに伝えるコメントを、次のように変えていきます。
 グループ1:「本当に頭がいいんだね」と褒める
 グループ2:「努力の甲斐があったね」と褒める
 グループ3:何のコメントもしない
・子どもを褒めることが本当に子どもの自信を育て、自己肯定感を高めるのなら、子どもは褒められれば褒められるほど、より難しい課題に挑戦したり、より困難な状況を好んで選んだりしそうなものです。 実験では、子どもたちに知能テストの成績とコメントを伝えたあと、さらに課題を与えます。この場面では、ふたつの課題のうちからひとつを選んでもらいます。
・ひとつは難しく、平均的な子どもたちには問題が解けないかもしれないという水準の難易度です。しかし、やりがいがあり、正解に至らなかったとしても何かしらを学び取ることができるような課題です。 もうひとつはずっとやさしいもので、さくさくと解けてしまいます。ただ、そこから学べるものはあまりない、という課題です。 3つのグループに分けられた子どもたちは、ふたつの課題のうち、一体どちらを選んだでしょうか?
▽褒め過ぎはよくないのかも
・難しい課題を選ばなかった子どもたちの割合を表にして比べてみます。(表はリンク先参照) いかがでしょうか。
・「頭がいいんだね」と褒められたグループ1の子どもたちは、何も言われなかったグループ3の子どもたちよりも、難しい課題を回避した子の割合が高くなりました。褒めることが自尊心を高めると信じてきた人々にとっては、衝撃的な結果であると思います。
・「頭がいいね」と褒めたことによって過半数の65%がやさしいほうの課題を選び、難しい課題を避けたのです。「頭がいいね」と褒めることが、子どもたちから難しい課題をやろうとする気力を奪い、より良い成績を大人たちに確実に見せられる、やさしい課題を選択させるという圧力として働いていたと考えることができます。
・このあと、子どもたちにはもうひとつ課題が与えられました。今回の課題は非常に難しく、大半の子どもができないように作られています。子どもたちにこの非常に難しい課題の感想を聞き、家に持ち帰ってやる気があるかどうかを実験者たちは尋ねました。
・ここでも、グループ間には大きな違いが現れました。「頭がいいね」と褒められたグループでは、他のグループよりも課題が楽しくないと答える子が多く、家で続きをやろうとする子の割合も少なかったのです。
・しかも、さらに衝撃的なことに、この難しい課題での自分の成績をみんなの前で発表させたところ、「頭がいい」と褒められたグループ1の子どもの約40%が、本当の自分の成績より良い点数をみんなの前で報告したのです。つまり、グループ1の4割の子が自分をよく見せようとしてウソをついたということです。 ちなみに、何も言われなかったグループ3では、ウソをついた子の割合は約10%でした。
・さてこの一連の実験の最後として、1回目と同程度の課題が子どもたちに与えられました。1回目の知能テストでは、どのグループも実際の成績にはほとんど差がなかったのですが、最後に行われたこのテストでは、成績に大きな差がついてしまいました。
・「頭がいいね」と褒められたグループ1の子どもたちのほうが、何も言われなかったグループ3の子どもたちより、はるかに成績が悪かったのです。 これは一体どういうことなのでしょうか。
・実験者のミューラーとデュエックは、グループ1の操作を行った子どもたちについて以下のような見解を示しています。
 +「頭がいい」と褒められた子どもは、自分は頑張らなくてもよくできるはずだと思うようになり、必要な努力をしようとしなくなる
 +「本当の自分は『頭がいい』わけではないが、周囲には『頭がいい』と思わせなければならない」と思い込む
 +「頭がいい」という評価から得られるメリットを維持するため、ウソをつくことに抵抗がなくなる
・この研究のことを思うとき、ふと「頭がいい」という褒め言葉に直接的にも間接的にもさらされ続ける環境で教育を受けてきた「優秀」な子どもたちは、日本でいま、どのようなポジションについているのだろうかと考え込んでしまいます。 捏造、改竄、“記録の紛失”、“記憶違い”が頻発するように見える昨今ですが、これらはしばしば安直に指摘されるような、劣化、などという現象ではないのかもしれません。
・例えばもしかしたら、捏造をしたとして多くの人の口の端に上った科学者も、ただ周囲から、「すごいね」「頭がいいね」と褒められ続け、そんなふうに育ってしまっただけなのかもしれないのです。
▽やっぱり注意が必要
・実験者はグループ1の子どもたちについて、さらに次のような見方を示しています。
 +「頭がいい」と褒められた子どもは、実際に悪い成績を取ると、無力感にとらわれやすくなる  +難しい問題に取り組む際、歯が立たないと「頭がいい」という外部からの評価と矛盾する。このとき、やる気をなくしやすい
 +「頭がいい」という評価を失いたくないために、確実に成功できるタスクばかりを選択し、失敗を恐れる気持ちが強くなる
・たしかに褒める教育で育てられたはずの若い世代は、もっと自信をもって積極的に困難に挑戦する人が出てきてもよさそうなものなのに、かえって慎重になり、上のどの世代よりも保守的になっているように見えることすらあります。 海外に出ることを好まず、リスクが高いので恋人もつくらない、経済的な不確実性を抱えることになるので結婚にも消極的である、といった傾向が強まっていることを指摘する声もしばしば耳にします。
・一方で、「努力の成果だね」と褒められたグループ2の子どもたちでは、ふたつの課題を選択させる場面でやさしい課題を選択した子の割合が10%でした。またそれに続く課題でも難しい問題を面白がり、家に持ち帰ってやりたがり、最後の課題では、どのグループの子たちよりも多くの問題を解いたのです。
・褒め方には注意が必要で、その子の元々の性質ではなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することを厭わない心を育て、望ましい結果を引き出す、と研究チームは結論づけています。
・ただし、元々の能力があまりに高くて、平均的な子にとっては難しい問題でも、努力をする必要もなく解けてしまう子もわずかながら存在します。「いつも優秀な成績を取っているために、この実験で言えば80点で『頭がいいね』と褒められても、『80点で優秀』とはなかなか感じにくい」という子どもたちのことです。
・こういった例外的な子を、どう伸ばし、どう育てたらよいのか。安易に褒めて、ウソをつき続けるような人生を送らせてしまうのではなく、どうしたら高い能力を生かすことができるのか。引き続き論じていきたいと思います。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55756

次に、6月7日付けダイヤモンド・オンライン「厚切りジェイソンと東大卒脳外科医社長が語る「減点方式ニッポン」の歩き方」を紹介しよう(▽は小見出し、──は聞き手の質問、両氏の略歴は記事の終わりに)。
・日本の医療とメディア業界。二つの業界は“ガラパゴス化”が進み、その成長や躍進は停滞しているとも言われる。だが、その業界に属しながら、イノベーティブな取り組みをしているのが、お笑い芸人であり企業の役員も務める厚切りジェイソンさん。そして、東京大学医学部出身で、医療ベンチャーの取締役医師を務める豊田剛一郎さんだ。新たな領域にチャレンジしてきた2人に、日本の医療界に対して疑問に思うことから、常識に囚われないキャリアの歩み方について伺った。
▽「一つがダメなら全部ダメ」で革新が起きない医療業界
──昨今、医療界の労働環境・皆保険制度などの改善を求める声が高まっていますが、日本の医療界に対して疑問に思うことはありますか。
・豊田 日本の医療業界は、目の前の大きな課題や、長期的な問題について先送りされているように感じます。医療の現場に立つ人間はみんな、10年、20年後の医療の世界に危機感を抱いている。でも「じゃあどうしたらいいか」と解決策を練って行動するには至っていません。
・ジェイソン なんで変わらないかというと、おそらく、権力を握っている人たちは定年退職まで長くないから、リスクを冒したくないんだと思う。次の世代に引き継いでも、たいてい彼らも数年したら引退だから冒険しない。永遠にその繰り返しだと思います。
・豊田 冒頭から辛口ですね(笑)。医療業界にイノベーションを起こせないかと、メドレーではスマホを利用した遠隔診療システムを構築して、病院に行かなくても治療できる仕組みを広げています。応援してくれる先生はたくさんいますが、「患者に会わないで治療を施すなんて何事だ」という意見もあります。 よく誤解されてしまうのですが、私は対面診療が不要だと言っているわけではないですし、もちろん思ってもいません。患者さんの状況に応じてオンラインでの診療を組み合わせた方が、治療継続のためにいい場合もあると提案しているんです。
・ジェイソン 海外ではリフィル処方箋(一定の期間内であれば複数回使用できる処方箋)も導入されています。
・豊田 そうですね。そういったさまざまな選択肢から、適切かつ患者に寄り添ったものを選べるような土台を作ろうとしていますが、これまで当たり前だったことが変わることにとても慎重な業界ゆえに、いろいろな議論があるのだと思います。
・ジェイソン 否定的な人はやらなきゃいいだけの話なのに。「私は反対だから、あなたにもやらせません」という理屈がわからない。
・豊田 難しいですね。ひとつがダメなら全部やっちゃダメだという方向になってしまうこともありますから。
・ジェイソン その動きからもわかるように、日本の医療は保守的だなと感じます。米国と違って、最新機器や最新医療も使いたがらない。現場での利用までに、安全性の確認に長い時間がかけられる。
・豊田 現状の制度の問題もありますが、そもそも医療はトライアンドエラーができない領域という点も関係していますね。
・ジェイソン リスクは大きいけど、成功すれば急速に進化させられる。けれども、現代は失敗が許されない状況になっていますね。
・豊田 世の中全体として、そういう流れはありますよね。中でも医療は、新しい治療を施して患者に何かあったら、「どうして今までやってきたことと同じことをやらなかったのか」という批判が大きい業界。他の業界に比べて、変化にためらいが生まれやすい状況です。
・ジェイソン そう考えると、医療が一番イノベーションの起こりにくい業界かもしれないね。人体での医療実験ができないと、この状況を打開することはできないかもしれないけど、倫理的な問題があるからね。
・豊田 確かに、医療は戦争で急速に進化してきたとも言われます。もちろん、それを是とするわけではないですが、どう変化を加速させていくかは難しい問題です。ただ、増え続ける医療費の問題などを考えると、医療界は変革を求められていることは間違いありません。
▽「失敗しないことが正解」という風潮がおかしい
──特殊なキャリアを歩まれる中で、周囲からネガティブな意見をもらうことはありましたか。
・豊田 医者を辞めたとき、近しい人からは応援されましたが、一方で批判の声もありましたね。医者を1人育てるのに1億円かかるとも言われます。私は国立大学の出身なので「税金を使って医者になったのに、患者のために現場で働かないとはどういうことか」と言われたことがあって。
・ジェイソン そう言う人は、頭があまりよろしくない(笑)。だって豊田さんは今も、日本の医療をよくするための活動をしている。医師の経験や知識はまったく無駄になっていない。それを理解していない人がどう思うかは、どうでもいいと思いますね。
・豊田 医師免許をとったら、必ず病院で働かなくてはいけない理由はないと思っていて。病院の外で医者が活躍することがあってもいいと思います。
・ジェイソン 僕もそう思います。現場を経験してから他の分野に行って、そこで身につけた知識やスキルを現場に還元することは有益なこと。
── 一方で、キャリアチェンジに抵抗感を持つ人は多いかもしれません。
・豊田 仕事の愚痴を言っている人を見ると、嫌なら転職すればいいのにと思います。現職よりもマッチする仕事があるかもしれないのに、もったいないなと。
──転職して失敗するのが怖いと言う声も聞きます。
・豊田 そもそも何をもって失敗とするか、もっと柔軟に考えてもいいのではないでしょうか。「うまくいかなかった=失敗」ではありません。一生懸命やってうまくいかなくても、その原因がわかれば次はうまくいく確率が高くなります。ただ大企業にいると、失敗しないのが正解だというマインドが根づきやすいのかもしれませんね。
・ジェイソン この前、日本人の友だちに「日本の大手企業での確実な出世の仕方、教えてやろうか」と言われました。「若い時に会社に入って、1回だけ挑戦的なプロジェクトに手を挙げて、それを成功させる。その後は何もしないでOK。年数が経つと周りはどんどん落ちこぼれるけど、自分は昔成功した奴という印象が残っている。消去法で優秀なやつだと思われて出世できるんだよ」と(笑)。
・豊田 それはすごい(笑)。日本は減点方式で出世を決めることが多いのかもしれません。
・ジェイソン 米国では、最近どんな結果を残したのかをすぐ説明できなければ、出世できないどころかクビです。「20年前にあのプロジェクトを成功させましたよ!」と言ってもまったく通じない。それでも出世できてしまう日本社会には疑問を感じます。
▽人生は言ったもん勝ち 所属ではなく個で勝負する時代
・ジェイソン これは日本の社会に限らずですが、僕は、人は大勢集まるとバカになると思っていて。集団になると、意識がネガティブな方向や、ズレた方向にいくことが多いんです。例えばYouTubeのコメントを見ると、感情的に批判しているコメントに他の人も便乗して、投稿者への批判がエスカレートすることがよくある。
・豊田 以前、何の記事か忘れましたけど、とある記事が複数のメディアに掲載されているのをたまたま見つけたときに、Aのメディアでは好意的なコメントが多いのに、Bのメディアではネガティブなコメントばかりがつくことがありました。内容自体はまったく同じ記事なのに。最初のコメントの内容に、後から見た人が左右されていくんです。マイナスな意見が口火を切ると、それが助長される。
・ジェイソン 周りと違う意見を言うより、「僕もそう思う」と言ってしまう。
──日本人はついつい同意しがちですね。
・ジェイソン そうでしょ。僕は空気を読んだり、“忖度”したりしないので、自分の思っていることをどんどん言っていきます。すると半分以上は、僕の望む方向に物事が進んでいきます。
・豊田 逆に言ってしまえば、言ったもん勝ちというか。
・ジェイソン まさにそうです。人生は言ったもん勝ちですよ。僕はそうして歩んできました。
・豊田 大切な考え方ですね。企業が力を持った時代から、個が力を持つ時代に移りつつあります。「医者の豊田」と職業名で自分を語るのではなく、「豊田は医者でもあり、経営者でもある」というように主体を自分に持って行くことが重要な時代です。インターネットやSNSは普及し続けているので、個人の名前を打ちだせる人が活躍する社会に、一層なっていくのではと感じています。
・ジェイソン 日本に来ていろんな人に「何をしているんですか?」と聞くと、「会社員です」と多くの人は答える。結局、何をしているのか分からない。「電通の○○さん」「三菱商事の○○さん」なら代わりはいくらでもいますからね。
・豊田 20~30年後に「ああしておけばよかった」と後悔することは絶対したくありません。そのためにも、自分の名前で意見を発信し続けて、機会や選択肢を得られる努力をし続けたいと思っています。
▽厚切りジェイソン(あつぎりじぇいそん)芸人、米TerraSky Inc.役員/1986年生まれ、米国出身。ワタナベエンターテインメント所属。2015年2月、デビュー4ヵ月にして「R-1ぐらんぷり2015」で決勝進出を果たし注目度が急上昇。芸人とともにテラスカイの米国法人であるTerraSky Inc.の役員としてパラレルに活躍。 2018年4月11日には自身初となる翻訳本「猫CEO(飛鳥新社)」を発売。
▽豊田剛一郎(とよだ・ごういちろう)メドレー代表取締役医師/1984年、東京都出身。東京大学医学部卒業後、脳神経外科医として総合病院に勤務した後、米国へ留学し、日米での脳神経外科医としてのキャリアを歩む。その後、医療を救う医師になろうと、2013年にマッキンゼーアンドカンパニーに転職し、2015年2月よりメドレーの共同代表に就任。オンライン医療事典「MEDLEY」やオンライン通院アプリ「CLINICS」など、患者向けサービスの立ち上げを行う。著書に「ぼくらの未来をつくる仕事」(かんき出版)」。
https://diamond.jp/articles/-/171651

第三に、経済ジャーナリストの磯山 友幸氏が6月7日付け現代ビジネスに寄稿した「東芝、日大、財務省…トップが「腹を切らない」日本組織の病 無責任体質は信頼崩壊を生む」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽国民が納得していない財務省処分
・森友学園問題を巡る財務省の公文書改ざん問題について、当事者である財務省が6月4日、調査結果と省内の処分を公表した。国会審議の紛糾を回避するために公文書を「改ざん」し、交渉記録を破棄したと認めた。 20人を処分したが、“主犯格”の佐川宣寿・元理財局長は「停職3カ月相当」としただけで、国民の目には「軽い処分」に映る。財務省のトップである麻生太郎財務相は、閣僚給与1年分の自主返納を決めたが、引責辞任は否定した。
・あたかも軽微な間違いを犯しただけであるかのような財務省の対応だ。 現役やOBの官僚たちが異口同音に「考えられない」と語る公文書の「改ざん」という前代未聞の重大不正に、自ら身を正す姿勢を示すことができず、当初言われた「解体的出直し」とは程遠いものになった。 公文書の改ざんは、官僚として行ってはならない原理原則だ。それを指示した佐川元局長はまさしく「万死に値する」はずだ。
・その噓に基づいた答弁を繰り返して国会を騙し続けてきたことは、民主主義を破壊する行為である。それが停職3カ月相当。約500万円が退職金から差し引かれるというが、もともと退職金は5000万円を超えるというから、痛くはない。
・麻生財務相は、その佐川氏の所業の監督責任を負うのは当然として、「適材適所だ」として国税庁長官に昇進させた「不明」を恥じなければならない。当然、組織のトップとして全責任を負う立場である。 自主返納する1年分の報酬と言っても「財務大臣」としての手当て分だけで国会議員の歳費を返納するわけではない。金額はわずか170万円。数億円の資産を持つ麻生氏からすれば屁でもないだろう。 大手新聞は、編集局長や社会部長が筆を執り、厳しく批判しているが、麻生財務相を辞任に追い込むところまで徹底追求できるかとなると心もとない。
▽東芝も、日大も同類
・トップが口では申し訳ないと言いながら、自らの責任については頰かぶりする事例が相次いでいる。 巨額の粉飾事件に揺れた東芝が典型だ。歴代3社長は引責辞任したものの、検察の調べではとことん自身の関与を否定し、結果、粉飾についての刑事責任は免れた。
・「組織ぐるみではない」という判断で東芝という組織も上場廃止を免れ、「組織的な犯罪」だったのか、「個人の犯罪」だったのかグレーなまま、組織も個人も責任を取らないという結果になった。
・財務省も20人もの処分者を出しながら、麻生財務相は「組織ぐるみ」を否定した。その一方で、「個人の犯罪」だともしない。個人の犯罪なら、懲戒解雇で退職金など払われないのが民間の常識だ。
・東芝は粉飾決算を「不適切会計」と言い続けてきたが、最後の最後になって「会計不正」という言葉を使った。財務省も「書き換え」と言い続けてきたものを今回の報告で初めて「改ざん」と書いた。 どちらも、犯した罪を世の中に「軽く」感じさせようという意図が働いていたとみていいだろう。
・日本では伝統的に、高位高官の者が地位に恋々とすることを「恥」だと考えられてきた。出処進退に潔いことが高位にふさわしい人格者だというわけだ。 また、サムライ文化では、不名誉を被ることを「恥」とし、自らの行いが「末代までの恥」にならない事を心がけた。吏道ならぬ武士道に背くような不正の疑いをかけられただけでも腹を切った。部下の行いの全責任を負って切腹する侍も少なからずいた。
・開き直って地位にとどまる麻生氏は末代までの恥を背負い込む事になるだろう。恥も外聞も厭わないとなれば、野党やメディアがいくら批判をしても無駄だろう。
・日本大学のアメリカンフットボール部の選手による危険タックル問題では、内田正人前監督が自ら指示した事を認めず、監督は辞めたものの常務理事に留まる姿勢を見せたため、世間の激しい批判を浴びた。外部の関東学生連盟に監督の指示を認定され、しかも永久追放という処分を下されて、初めて大学は常務理事の辞任を受け入れた。
・問題が運動部の問題にとどまらず、大学の経営体制やカルチャーの問題にまで広がったにもかかわらず、田中英壽理事長は記者会見などを行っていない。トップとしての意識の欠如、責任感の欠如が、どうやら企業から大学、中央官庁、政治家にまで広がっているのだ。
・トップが潔く腹を切るのは、組織を守るために他ならない。逆に言えば、潔くないトップが地位に恋々として留まったり、責任を認めずに言い訳に終始していればどうなるか。東芝の例を見れば明らかだ。
・東芝は結局、最後まで決算書の「辻褄合わせ」に奔走し、虎の子だったはずの医療機器部門や半導体部門を切り離していった。 家電部門も中国の大手電機メーカー、美的集団に東芝ブランドごと買収された。最近では、パソコン部門が、台湾の鴻海精密工業の傘下に入ったシャープに買収されることになった。つまり、東芝はバラバラに解体される運命に直面したのだ。
▽誰も官や政を信用しなくなる
・財務省はどうか。国民が今回の調査に納得していないのは明らかだ。これに対して、財務省関係者は「早晩、国民は忘れる」と期待しているに違いない。 仮に忘れたとしても、財務省への不信感は根強く残るだろう。財政再建に向けて増税など国民に負担を求めなければならない局面で、「財務省は嘘をつく」「どうせまた嘘だろう」と国民が思えば、政策実現が困難になる。間違いなく、財務省にとっては大きな負の遺産になる。
・では、財務相はどうか。麻生氏の続投で、麻生氏の首に鈴を付けられない安倍晋三首相への信任は大きく揺らぐだろう。また、麻生氏の残留を批判する声が上がらない自民党にも不信感が募るに違いない。安倍内閣だけでなく自民党という組織にも大きな痛手になるだろう。
・少しぐらい支持率が下がっても、受け皿になる野党がないから大丈夫。そんな風に自民党議員が思っているとすれば、手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。 何よりも大きな問題は、国民が官僚や政治家を信用しなくなることだ。
・欧米では地位の高い者はそれに応じて果たさなければならない社会的責任と義務があるという意味の「ノーブレス・オブリージュ」という言葉がしばしば使われる。 官僚や政治家がそうした精神を忘れれば、国民は誰も官僚や政治家を尊敬せず、信頼も寄せなくなってしまう。そうなれば、優秀な人材は官僚や政治家を目指さなくなり、より社会的な地位が低下する。そんな不毛の時代にならないことを祈るばかりだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55992

第一の記事で、『「褒めて育てる」は正しいのか』、は正しくなく、『褒め方には注意が必要で、その子の元々の性質ではなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することを厭わない心を育て、望ましい結果を引き出す』、というのは、意外だが、説得力のある結論だ。『「頭がいい」という褒め言葉に直接的にも間接的にもさらされ続ける環境で教育を受けてきた「優秀」な子どもたちは、日本でいま、どのようなポジションについているのだろうかと考え込んでしまいます。 捏造、改竄、“記録の紛失”、“記憶違い”が頻発するように見える昨今ですが、これらはしばしば安直に指摘されるような、劣化、などという現象ではないのかもしれません』、というのはその通りなのかも知れない。
第二の記事で、『日本の医療業界は、目の前の大きな課題や、長期的な問題について先送りされているように感じます』、『現状の制度の問題もありますが、そもそも医療はトライアンドエラーができない領域という点も関係していますね』、『どう変化を加速させていくかは難しい問題です。ただ、増え続ける医療費の問題などを考えると、医療界は変革を求められていることは間違いありません』、などの豊田氏の指摘はさすがバランスがとれ、説得力がある。
第三の記事で、『組織ぐるみではない」という判断で東芝という組織も上場廃止を免れ、「組織的な犯罪」だったのか、「個人の犯罪」だったのかグレーなまま、組織も個人も責任を取らないという結果になった。 財務省も20人もの処分者を出しながら、麻生財務相は「組織ぐるみ」を否定した。その一方で、「個人の犯罪」だともしない』、ここまで「典型的な組織ぐるみの問題」を否定した東芝や財務省には、「組織ぐるみ」の定義を聞いてみらいものだ。取材する記者諸君にもそうした鋭いツッコミが求められる。 『欧米では地位の高い者はそれに応じて果たさなければならない社会的責任と義務があるという意味の「ノーブレス・オブリージュ」という言葉がしばしば使われる。 官僚や政治家がそうした精神を忘れれば、国民は誰も官僚や政治家を尊敬せず、信頼も寄せなくなってしまう。そうなれば、優秀な人材は官僚や政治家を目指さなくなり、より社会的な地位が低下する。そんな不毛の時代にならないことを祈るばかりだ』、という結論には全く同感である。
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