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日本のスポーツ界(その13)(決勝Tベルギー戦惜敗が覆い隠す 日本サッカーの深層と今後、イニエスタの年俸32億円超を赤字のヴィッセル神戸が払える理由、米国NCAAは日本の「体育会系」を変えることができるのか? 日米「大学スポーツ」こんなに違う) [社会]

日本のスポーツ界については、6月22日に取上げた。今日は、(その13)(決勝Tベルギー戦惜敗が覆い隠す 日本サッカーの深層と今後、イニエスタの年俸32億円超を赤字のヴィッセル神戸が払える理由、米国NCAAは日本の「体育会系」を変えることができるのか? 日米「大学スポーツ」こんなに違う)である。

先ずは、7月4日付け日刊ゲンダイ「決勝Tベルギー戦惜敗が覆い隠す 日本サッカーの深層と今後」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/232523/1
・『スポーツマスコミは日本代表の決勝T進出、16強入りを「快挙」「快進撃」と、しきりにヨイショしている。 が、本当にそうか。ほとんどすべてのマスコミが大騒ぎするほどの「快挙」で「快進撃」か』、私も日本のマスコミの報道ぶるには、いささか辟易しており、同感である。
・『16強に進出した過去2大会は、いずれも1次リーグで2勝しているが、今回は1勝(1分け1敗)しただけだ。「日本の戦いぶりを見れば、決勝T進出は単なる僥倖、運に恵まれただけじゃないですか。快挙でも快進撃でもないと思いますね」とスポーツライターの工藤健策氏がこう言った』、というのも同感だ。
・『ハリルホジッチ前監督の解任からしておかしかった・・・最大の理由はハリルホジッチ体制では日本国内で人気も知名度もある「ビッグ3」、本田、香川、岡崎の落選が濃厚になったからだといわれる。それではマズいとサッカー協会がスポンサー筋の意をくんだ。要するに忖度によって誕生したのが今回の西野朗監督率いる日本代表なのだ』、ハリルホジッチ前監督解任には釈然としなかったが、なるほどである。
・『これまでのサッカーでは世界で通用しない、戦術やスタンスを変える必要があると判断したからこそハリルにチームづくりを託したはずなのに、その成否を確かめる以前にクビを切ったのだ。 「要するにサッカー協会はスポンサーへの忖度を優先して、これまでの3年間を丸ごと捨ててしまったわけです。いかに確固たる信念も長期的なビジョンもないかという何よりの証左ですよ」とは前出の工藤氏だ・・・日本の場合はひとまず来てくれる人に任せ、あとは丸投げ。協会にビジョンがないのは昔からで、今に始まったことではありません。けれども、今回決勝Tに出たことで、そういったことまでうやむやになるのが懸念されます。そこが一番の問題です』、何とも情けない話だ。
・『日本サッカー界はまだまだ、成熟しているとは言い難い。スポンサーの顔色をうかがい、波風が立たないからと日本人指揮官を据えているうちは、チームは退化するばかり。よくやったと、はしゃいでいる場合ではないのだ』、全く同感である。
・なお、7月6日の報道では、「西野監督退任 後任にクリンスマン氏や森保氏の名も」ということらしい。これでは、退化するだけだろう。

次に、ノンフィクション・ライターの藤江直人氏が5月29日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「イニエスタの年俸32億円超を赤字のヴィッセル神戸が払える理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/171099
・『MFアンドレス・イニエスタ(34)が、J1のヴィッセル神戸へ完全移籍で加入・・・Jリーグでも最大級のビッグネームは、日本円にして年俸32億5000万円の3年契約(いずれも推定)と条件面でも桁がひとつ違う』、『ヴィッセルの「チーム人件費」は20億6800万円だった。2017年度になって約50%も高騰した背景は昨夏にガラタサライ(トルコ)から加入した、元ドイツ代表FWルーカス・ポドイニエスタルスキの存在を抜きには語れない』、2人も超大物を招聘するとは、さすが三木谷氏だ。
・『2004年1月・・・約42億円もの累計赤字を計上し、東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請していたヴィッセルの運営会社から、三木谷氏が設立した株式会社クリムゾンフットボールクラブが経営権を譲り受けた』、『「純資産」だ。ヴィッセルのそれはJ1では最少となる800万円で、2016年度の1億6300万円から大きく目減りさせている』、どう考えてもヴィッセルには支払い能力はない。
・『32億5000万円は三木谷氏のポケットマネーから?  楽天の世界進出を拡大させるイニエスタの露出効果』、『イニエスタの入団会見には海外メディア14社を含む211社、総勢348人の報道陣もの報道陣が殺到。世界の舞台を含めて、計り知れないほど大きな露出効果がすでに出ている』、どういう実際的な効果が出てくるのか注目点だ。
・より長期的には、『アンドレス・イニエスタという世界で最も美しいプレーをするだけでなく、世界で最も尊敬されているプレーヤーがJリーグでプレーをするということは、単に1プレーヤーが入るということだけではなくて、イニエスタという一滴がJリーグ全体に大きな影響を与える、それが翻って日本のサッカーに大きな影響を与えるのではないかと思っています』、との三木谷氏の言葉に期待したい。

第三に、米国スポーツ教育機関であるIMGアカデミーでフロリダ現地の日本地区代表の田丸 尚稔氏が6月19日付け現代ビジネスに寄稿した「米国NCAAは日本の「体育会系」を変えることができるのか? 日米「大学スポーツ」こんなに違う」を紹介しよう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56161
・『日本版NCAAがあれば、今回のような件も起こりにくいのではないか、という議論もたくさん出た。結論を言えば、NCAAのような組織を作ったところで根本的な解決は難しいだろう。 大学スポーツの歴史も違えば、スポーツに対するお金のかけ方も異なるし、参考にできることもあれば日本独自の道を探さなければならない点も多々ある・・・今回の議論で一つだけ間違いなく良かった点は、今年度を目処に設立を目指している日本版NCAAが、大学スポーツの観戦チケット販売やテレビの放映権など商業的な側面に注目が集まっていた中、NCAAが本来の役割として”Academics”、”Well-Being”、”Fairness”という3つの柱を掲げ大学アスリートの勉学や安全性、スポーツマンシップなどを統括する組織であるという事実に目が向けられたことだろう』、なるほど即効薬的な考え方は禁物のようだ。
・『NCAAがスタートしたのは20世紀初頭・・・課題になったのは競技や大会運営のルール管理などで、特にコンタクトスポーツであるアメリカンフットボールでは怪我人も続出した。1905年には競技中の事故で少なくとも3人が死亡、168人が深刻な怪我を負ったと記録されており、大学間を超えた第三者機関が求められ・・・当時はテレビがそもそもなかったし、試合の観戦料を取ったのは1915年にピッツバーグ大学が行ったものが初めてで、ナンバー入りのユニフォームを作りたいから、という商業的とは呼べないなんとも可愛らしい理由からで、現在日本で言われるように当時は「NCAA=金になる」という考え方は皆無だった・・・NCAAが組織としてテレビ放映権をコントロールし始めたのが1950年代・・・当初の契約は観客が会場から遠のくとの懸念などもあり放映する試合数も限られ、金額も年間で1億円を超える程度だった』、こうした歴史的経緯を抜きにした議論は危険だ。
・『CBSが2010年から2022年まで契約した放映権料はトータルで$10.8 billionと1兆円を超え、1年あたり1000億円近くにも及ぶ。 この数字を見れば、確かにNCAAの存在は大学スポーツが特大の経済効果を上げる印象を持つのは理解できるが、そもそもの意義は大学スポーツを健全化することにあり、100年を超える歴史の中で魅力が醸成され、テレビ放映されるだけのコンテンツとして育った背景を理解すれば“組織を作ればお金を生み出す”という短絡的な発想はいかに現実味がないか分かるだろう』、日本の一部にある安易な発想に対する鉄槌である。
・『日本の大学スポーツにおいておそらく最も重要で、最も参考にすべき組織が各大学に設置されているAthletic Department(スポーツ部を統括する独立部署)だ。 今回の日大アメフト部に関する一連の報道で大学の対応が後手に回り、運動部のガバナンスが不十分であることが多く指摘され、統括組織として日本版NCAAの創設が一つの解になるような意見が出ているが、いやいや、まずは大学自身の運動部を統制が先だろう。米国の大学スポーツを見ても、NCAAのルールを守り、カンファレンスと連携し、実際に学生たちが健全にスポーツに取り組むことができるように大学の現場で機能しているのがAthletic Departmentだ』、との指摘には説得力がある。
・『米国では大学のスポーツ特待生をStudent-Athleteと呼んでいる。Athlete-Studentの順でもないし、Athleteでもない。つまり、生徒であることが最も重要で文武両道が当然求められるのがスポーツ特待生ということになる。  その考え方に基づき、NCAAはスポーツ特待生になる生徒には様々な条件(NCAA Eligibility)を設定し、管理している。たとえばどんなに競技力が高くても、然るべき成績を出せなかった場合は練習や遠征に参加できなくなるので、大学はスポーツ特待生の勉強をサポートする専門のチームを持っているところも少なくない・・・大学のトップアスリートを目指すなら、中学3年生の時点でスポーツだけでなく勉学についても高い意識を持たなければ遅れをとる、というわけだ』、米国では「スポーツ馬鹿」にさせない姿勢には、大いに学ぶべきだろう。
・なお、本文にはNCAAについて、詳しく解説しているので、リンク先を参照されたい。
タグ:「決勝Tベルギー戦惜敗が覆い隠す 日本サッカーの深層と今後」 ヴィッセルの「チーム人件費」 1905年には競技中の事故で少なくとも3人が死亡、168人が深刻な怪我を負ったと記録されており、大学間を超えた第三者機関が求められ 「イニエスタの年俸32億円超を赤字のヴィッセル神戸が払える理由」 NCAAがスタートしたのは20世紀初頭 純資産」だ。ヴィッセルのそれはJ1では最少となる800万円 20億6800万円だった。2017年度になって約50%も高騰した背景は昨夏にガラタサライ(トルコ)から加入した、元ドイツ代表FWルーカス・ポドイニエスタルスキの存在を抜きには語れない ダイヤモンド・オンライン 藤江直人 田丸 尚稔 協会にビジョンがないのは昔からで、今に始まったことではありません。けれども、今回決勝Tに出たことで、そういったことまでうやむやになるのが懸念されます。そこが一番の問題です CBSが2010年から2022年まで契約した放映権料はトータルで$10.8 billionと1兆円を超え、1年あたり1000億円近くにも及ぶ 要するにサッカー協会はスポンサーへの忖度を優先して、これまでの3年間を丸ごと捨ててしまったわけです。いかに確固たる信念も長期的なビジョンもないかという何よりの証左ですよ 楽天の世界進出を拡大させるイニエスタの露出効果 32億5000万円は三木谷氏のポケットマネーから? ハリルホジッチ前監督の解任からしておかしかった・・・最大の理由はハリルホジッチ体制では日本国内で人気も知名度もある「ビッグ3」、本田、香川、岡崎の落選が濃厚になったからだといわれる。それではマズいとサッカー協会がスポンサー筋の意をくんだ。要するに忖度によって誕生したのが今回の西野朗監督率いる日本代表なのだ 日本版NCAAがあれば、今回のような件も起こりにくいのではないか、という議論もたくさん出た。結論を言えば、NCAAのような組織を作ったところで根本的な解決は難しいだろう 大学のトップアスリートを目指すなら、中学3年生の時点でスポーツだけでなく勉学についても高い意識を持たなければ遅れをとる、というわけだ 。「日本の戦いぶりを見れば、決勝T進出は単なる僥倖、運に恵まれただけじゃないですか。快挙でも快進撃でもないと思いますね」 16強に進出した過去2大会は、いずれも1次リーグで2勝しているが、今回は1勝(1分け1敗)しただけだ 日刊ゲンダイ 米国では大学のスポーツ特待生をStudent-Athleteと呼んでいる。Athlete-Studentの順でもないし、Athleteでもない。つまり、生徒であることが最も重要で文武両道が当然求められるのがスポーツ特待生ということになる まずは大学自身の運動部を統制が先だろう。米国の大学スポーツを見ても、NCAAのルールを守り、カンファレンスと連携し、実際に学生たちが健全にスポーツに取り組むことができるように大学の現場で機能しているのがAthletic Departmentだ (その13)(決勝Tベルギー戦惜敗が覆い隠す 日本サッカーの深層と今後、イニエスタの年俸32億円超を赤字のヴィッセル神戸が払える理由、米国NCAAは日本の「体育会系」を変えることができるのか? 日米「大学スポーツ」こんなに違う) 今回の議論で一つだけ間違いなく良かった点は、今年度を目処に設立を目指している日本版NCAAが、大学スポーツの観戦チケット販売やテレビの放映権など商業的な側面に注目が集まっていた中、NCAAが本来の役割として”Academics”、”Well-Being”、”Fairness”という3つの柱を掲げ大学アスリートの勉学や安全性、スポーツマンシップなどを統括する組織であるという事実に目が向けられたことだろう 「米国NCAAは日本の「体育会系」を変えることができるのか? 日米「大学スポーツ」こんなに違う」 最も重要で、最も参考にすべき組織が各大学に設置されているAthletic Department(スポーツ部を統括する独立部署)だ 日本のスポーツ界 現代ビジネス
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