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災害(その4)(『危機感』は伝わったのか~豪雨のダム大量放流、空白の66時間に「秘密会合」が発覚 被災者から批判高まる、西日本豪雨 不十分な想定で被害拡大か 水害や地震に備え二次被害まで思い巡らそう、「首都水没」著者が提言…行政の指示より前に自主避難を) [社会]

昨日に続いて、災害(その4)(『危機感』は伝わったのか~豪雨のダム大量放流、空白の66時間に「秘密会合」が発覚 被災者から批判高まる、西日本豪雨、不十分な想定で被害拡大か 水害や地震に備え二次被害まで思い巡らそう、「首都水没」著者が提言…行政の指示より前に自主避難を)を取上げよう。

先ずは、7月13日付けNHK時論公論「『危機感』は伝わったのか~豪雨のダム大量放流」を紹介しよう。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/301682.html
・『西日本豪雨災害から1週間がたちましたが、従来の豪雨対策の見直しを迫るような被害が次々と明らかになっています。ダムについても8ヶ所で満杯に近づき大量の放流が行われるという異例の事態になりました。このうち愛媛県西予市のダムでは下流で大規模な氾濫が起こり5人が亡くなりました。ダムの放流は適切だったのか、避難の呼びかけで住民に“危機感”が伝わったのか。情報伝達のあり方を考えます』、確かに人災的色彩もある事件をいち早く検証する意義は大きい。
・『【ダム放流と氾濫】 7日朝、西予市野村町を流れる肱川・・・水位が急激に上昇して堤防を超え、市街地の広範囲が浸水。2階の屋根まで達したところもありました。多くの住民が家の2階などに取り残され、5人が亡くなりました・・・氾濫の原因は大量の雨が降ったことですが、氾濫は満杯になったダムの放流によって始まりました。 今回の雨でダムに流れ込んだ水の量・・・7日の未明から急激に増え始めて午前6時には毎秒1000立方メートルを超えました。 一方、ダムからの放流量は毎秒400立方メートルが続いていましたが、ダムが満杯に近づいたため午前6時20分から大量の放流が始まりました。流れ込んだ量と同じ量が放流され、放流量はいっきに増加し最大で毎秒1800立方メートル近くに達しました。 野村町で氾濫が始まったのはこの大量放流が始まった直後で、住民たちは「浸水はどんどん深くなり、逃げる間もなく、あっという間に2階に達した」と証言しています。 ダムの放流は適切だったのでしょうか。 町で取材をすると多くの住民が「ダムの放流は仕方がないが、いっきに放流するのではなく少しずつ放流量を増やせば、避難の時間を稼げたのではないか」と話していました。大量の水がいっきに押し寄せ、比較的短時間で引いていった実体験からの疑問です。 大雨の時、どの時点でどのくらいの量を放流するかは事前に厳格な基準が決められて、基準には地元自治体の意見も反映されています。ダムを管理する国土交通省は、今回はその基準通りに放流が行われていて対応に問題がなかったと説明しています。 ただ今回の豪雨ではあわせて8つのダムで同様の放流が行われる異例の事態になりました。気象現象が激甚化するなかで、被害を少しでも軽減するために基準や運用はどうあるべきなのかあらためて検証する必要があると思います』、昔に決めた基準や運用は確かに見直すべきだろう。
・『【ダムと市の情報共有は】 次にダムと市の連携はどうだったのでしょうか。 今回、野村ダム管理所長と西予市野村支所長の間の「ホットライン」が機能しました。「ホットライン」というのはダムや気象台など防災機関のトップと市町村長などが日頃から顔の見える関係をつくり、災害時は携帯電話などで緊密に連絡を取りあって防災対応にあたるものです。最近相次いだ豪雨災害の教訓から各機関が今、力を入れています。 災害が起こる2日前、気象庁は緊急の記者会見を開き、集中豪雨としては異例の早いタイミングで厳重な警戒を呼びかけました。 この段階で、ダム管理所長は野村支所長の携帯電話に連絡をし「最悪の事態を想定して対応してほしい」と危機感を伝えました。 そして当日の7日、午前2時半に「放流予定は6時50分で氾濫の恐れが大きいこと」を伝えました。3時37分に支所長が問い合わせたところ「流入量が予想より多く、放流を30分前倒しする」という回答があり、市側に衝撃が走りました。こうしたやりとりがあって市は午前5時10分に、最も強く避難を促す「避難指示」を発表しました。過去の災害で課題になってきた防災機関と市の情報共有はできていたと考えられます』、なるほど。
・『【住民への伝達に見えた課題】 市から住民への情報提供、危機感の共有はできていたのでしょうか。 市はダムとの緊密な情報交換を受けて避難指示を出しましたが、放流まで1時間10分しかありませんでした。「もっと早く避難の呼びかけをできなかったのか」と疑問を持つ住民もいます。市側は避難所の開設や消防団の召集に時間が必要だったなどと説明していますが、最初に「氾濫の恐れが大きい」と伝えられた午前2時半の段階で住民に情報を伝え、避難準備情報や避難勧告を出すという選択肢もありました。今後のダム防災を考えるうえでも検証が求められる点です』、確かに時間がかかる避難所の開設や消防団の召集をする前に、まずは情報を伝えるべきだったろう。
・『もうひとつ、住民への呼びかけの仕方にも大きな課題が見えてきました。 放流の連絡を受けた市の野村支所では幹部が集まり、住民にどういう表現で危機感を伝えるか、緊迫した議論が行われました。 住民に避難してもらうためには「ダムが決壊しそうだ」など大げさでも危機感が伝わる表現が必要だという意見もありました。これには「パニック状態になる」「お年寄りがあわてて逃げようとして怪我をする」という反論が出て激論になりました。 結局、「氾濫する恐れのある水位に達しましたので避難指示を発令しました。直ちに避難を開始してください」という「型どおり」の表現に落ち着きました。 この呼びかけを防災行政無線の街頭スピーカーと各家庭にある個別受信機で流しましたが、呼びかけ続けるのではなく30分おきに3回流しただけでした。「聞こえなかった」「気がつかなかった」とう人も少なくありませんでした。 またダム管理所もスピーカーと広報車であらかじめ録音しておいた音声を流しましたが、「水位が急激に上昇する恐れがあります」というだけで「氾濫」や「浸水」のことばはありませんでした。普段も小規模な放流のたびに似たような音声が流されていて、住民のひとりは「『またいつもの放送が始まった』くらいにしか受け止めなかった。『今回は特別です』とはっきり言ってほしかった」と話していました。 放流量から氾濫が起こるのは確実でダム側も市側も強い危機感を持っていました。にもかかわらず放送では、その “危機感”が十分に伝わりませんでした。 一方で多くの住民が「今回は今までと違う」と危機感を感じとったのは、「消防団員が玄関の扉をドンドンと叩いて避難を促されたときだった」と証言しています。消防団員120人が850世帯ある川沿いの地域をまわって一軒一軒避難を呼びかけ、お年寄りなどは車に乗せて避難させました。団員たちは放流が始まるぎりぎりまで避難の呼びかけを続けました。住民5人が亡くなりましたが、消防団の活動で多くの住民の命が守られました。 避難の呼びかけ方は東日本大震災以降の大きな課題です。震災のとき茨城県大洗町(まち)では、沖合いの津波を目撃した町長が、普通の呼びかけでは危機感が伝わらないと考え、とっさの判断で法律にはない「避難命令」という言葉を使い、「避難せよ」と繰り返し放送しました。大洗町では4メートルの津波が押し寄せましたが津波による犠牲者は出ませんでした。今回の災害を受けて、あらためて、どうすれば危機感を伝えることができるのか考える必要があります』、我が家の近所の防災行政無線の街頭スピーカーは、音が割れてよく聞こえないのに、受け手のことは無視して一方的に流している。この西予市野村町ではパニックを恐れて型通りの放送だったので、多くの住民が危機感を感じとったのは、「消防団員が玄関の扉をドンドンと叩いて避難を促されたときだった」というのは大いに考えさせられる。
・『避難の呼びかけ方は東日本大震災以降の大きな課題です。震災のとき茨城県大洗町(まち)では、沖合いの津波を目撃した町長が、普通の呼びかけでは危機感が伝わらないと考え、とっさの判断で法律にはない「避難命令」という言葉を使い、「避難せよ」と繰り返し放送しました。大洗町では4メートルの津波が押し寄せましたが津波による犠牲者は出ませんでした。今回の災害を受けて、あらためて、どうすれば危機感を伝えることができるのか考える必要があります』、その通りだ。

次に、7月27日付け日刊ゲンダイ「空白の66時間に「秘密会合」が発覚 被災者から批判高まる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/234204/1
・『「空白の66時間」の一部が明らかになった。 西日本豪雨により188万人に避難勧告が出され、すでに多数の死者が出ていた6日の晩。安倍首相が総裁選の地盤固めのために、無派閥議員と「極秘会合」を開いていたことが発覚し、「被災者より総裁選か」と批判が噴出し始めている。24日放送の日本テレビ系のニュース番組「news every.」が「極秘会談」をスクープした。 7月6日の首相動静は、安倍首相が午後8時まで公邸で規制改革推進会議のメンバーと会食したという内容で終わっている。しかし番組では、首相のいる公邸に無派閥議員を乗せた車が入っていく様子を捉えていた。さらに別カメラは、菅官房長官の車からある人物が公邸に入る様子を写している・・・菅長官が安倍首相と無派閥議員の間を取り持って、総裁選への協力を要請していた可能性がある。「news every.」は「無派閥議員の“とりこみ”」と報じている。 しかし、安倍首相は前日の5日に「赤坂自民亭」と称する酒宴で酒盛りし、批判されたばかりだ。その次の日に、また総裁選のために動いていたとしたら、被災者が怒るのも当然だ。 さすがに、ツイッター上では「いくらなんでも酷い」「アベらしいといえばアベらしい、自分のことしか頭にない」「西日本豪雨災害で犠牲者が増えていってるなか、安倍総理は総裁選にむけて、自身の3選のために黙々と動いていたのです。こんな安倍総理に3選を望みますか?」といった投稿が殺到している。 いったい6日夜、何をやっていたのか、安倍自民党は明らかにすべきだ』、5日の酒盛りを批判されたのに、6日も総裁選のための酒盛りとは、開いた口が塞がらない。安倍総理は「被災者に寄り添う」と繰り返し述べているが、全くの空約束だったことがハッキリした。

第三に、精神科医の和田 秀樹氏が7月20日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「西日本豪雨、不十分な想定で被害拡大か 水害や地震に備え二次被害まで思い巡らそう」を紹介しよう。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/122600095/071800034/?P=1
・『西日本豪雨の死者が200人を超え、今なお行方不明者の救助活動が続く。膨大な数の避難者が不自由な生活を送る中で、心身のストレスは大変大きなものとなっていることだろう。私も心の治療を専門とする医師として、また西日本の出身者として非常に心を痛める事態となった。 将来の災害を少しでも減らすためにも、西日本豪雨を踏まえて私なりにサバイバル術を考えた。今回はそれを紹介させていただきたい』、なるほど。
・『災害が起こることを前提で物事を考える 西日本豪雨をきっかけに、豪雨を想定した避難訓練を実施している自治体が少ないという事実が注目されるようになった。地震を想定した訓練に取り組む自治体が多いのとは対照的だ。また過去数十年間に建物の耐震性が飛躍的に向上したのと比べると、水害を防ぐ技術はあまり進歩していないように思える・・・豪雨被害に遭う前提で日ごろから避難訓練を実施し、水害に強い土木や建築技術の研究に一層力を入れるべきだろう。  西日本豪雨では水道が水害に弱いことも露呈した。私も知らなかったが、上下水の施設の多くは河川の近くにある。このため豪雨によって浸水しやすく、断水の原因となる。実際に西日本の各地で「水害下での水不足」というパラドックスが起きている。河川が氾濫するという前提に立って水道施設を整備していれば、このようなことにはならなかっただろう。 自然災害全般について言えることだが、直接的な被害より、その後に想定される二次的な被害の方が大きいことは珍しくない。例えば都市直下の大地震では、地震による揺れや建物の崩壊による死傷者よりも、火事で死傷する人の方が多いと予想される。ところが、以前は火災が発生しにくい「オール電化」の普及が進んでいたのに、東日本大震災後の節電ムードからその流れが止まっている印象だ。また電信柱などが意外に倒れやすいようだが、消防の妨げになる。なのに、電線の地中化がほかの先進国の大都市と比べて日本は遅れているという現状はなかなか改善しない。 災害が起こる前提で物事を考える場合、直接的な災害に対する備えだけでなく、二次被害への備えも忘れてはならない』、その通りだ。
・『1つの対策に頼らない また意外に1つの災害対策で事足れりと考えてしまう人が多い。東日本大震災から何年か経って、福島県いわき市で被害が大きかった海岸地域を訪ねたことがある。新たに造られた10メートルを超える防潮堤が続き、津波対策は万全のように見えた。 しかし、防潮堤の内側の道をクルマで走っていて気になることがあった。内陸の高台に向かう道がほとんど見当たらないのだ。津波警報を受けて数少ない逃げ道にクルマが集中しかねない。渋滞にひっかかっているうちに、堤防を乗り越えてきた津波に飲み込まれてしまうという事態は現実に東日本大震災の際に起きている。立派な防潮堤だけ造って、内陸への逃げ道を十分に造らないという発想に危険を感じるのは私だけではないだろう。 つい最近、最高級マンションのデベロッパーの方と偶然、話をする機会があった。世界の大都市の超高級マンションには核シェルターが標準で装備されているのに、日本の超高級マンションにはそれがないという話だった。 最新鋭のミサイル防衛システムを導入しても、あるいは米国と軍事同盟を結んでいても、確実にミサイル攻撃を阻止できるわけでない。にもかかわらず、核シェルターを用意しないというのはなぜなのか。実際、日本の核シェルターの普及率は先進国で最低レベルだという。 自然災害でも戦争でも、1つの対策だけで備えが完璧にはならないはずだ。1つのことだけに莫大な費用をかけるより、いくつもの対策を用意しておくほうが安全性は高まるのではないだろうか』、「立派な防潮堤だけ造って、内陸への逃げ道を十分に造らないという発想に危険を感じる」というのは同感だ。
・『従来の発想にとらわれない そんな折、ラジオを聞いていたら人気ブロガーの「ちきりん」さんが興味深いことを言っていた。 被災地に避難所を用意するより、被害がほとんどなく、生活物資も充実している場所に避難所を作るほうが現実的だという話だった。水も出ない、物資も足りない被災地に援助物資を運びながら、並行して救出活動やライフラインの復旧に取り組むのではなく、まず人は被災地から離れた場所に避難させる。そのうえで被災地では行方不明者の捜索や復旧に専念した方が合理的という彼女の主張は納得できるものだ。 実際、事前避難では被害が起こらなさそうな地域に避難するのが原則になっている。もちろん、自分の生活拠点から離れるストレスで心身に問題が出る人が増えるようなことがあれば、カウンセラーを派遣するなどして心のケアに取り組む必要がある。あるいは被災地にとどまるという従来の避難方法に戻す必要性が出てくるかもしれない。とはいえまずは、離れた安全な土地に避難するという方法を試してみる価値はあると思う』、確かに合理的な考えだが、カウンセラーの派遣程度で済むような問題ではないのではないか、とも思う。
・『西日本豪雨ではIT(情報技術)の活用の遅れも痛感した。 これもラジオで知った話だが、大雨などに関する警報が出た時点ですでに水浸しになっている家屋がかなりあったという。スマートフォンがこれだけ普及しているのだから、現地の人が察知した危険を投稿できるシステムぐらい用意できるはずだ。 米国を中心に世界に普及している「Waze」というカーナビアプリがある(日本にも上陸しているのだが、イマイチ普及していない印象だ)。これのいいところは、事故や工事があったり、予想外の渋滞が発生したりした際に、スマホからいつでも投稿ができ、その情報がカーナビに反映される点だ。いいか悪いかは別として、交通取り締まりの実施もリアルタイムでわかるし、近所でいちばん安いガソリンスタンドもわかるという優れものだ。 要するにスマホの利用者は情報の受け手であり、送り手にもなれるという発想の転換が活用されている。これは、災害情報をよりリアルタイムにできるということを示唆している。 ITの進歩を少しでも、災害対策に利用しないと、地球温暖化のせいかどうかはわからないが、豪雨災害が増えている現在、同じ悲劇を繰り返すことになるのではないか心配である』、「Waze」がそんなに便利とは知らなかった。試してみたい

第四に、8月27日付け日刊ゲンダイ「「首都水没」著者が提言…行政の指示より前に自主避難を」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236028/1
・『もし東京で河川の氾濫が起きれば、東京23区は4割のエリアが水没。首都機能は完全に麻痺する。「首都水没」(文春新書)の著者で、都庁職員として都市防災を手掛けた専門家、リバーフロント研究所・技術参与の土屋信行氏が水害の危険性を緊急提言する。荒川の堤防が決壊したそのとき、北千住駅の浸水予想は実に7.25メートルに達するという。 荒川氾濫で62兆円の損失を想定・・・荒川の河川敷で行われた「足立の花火」を見物・・・そこでふと思ったのは、「こんな大きな川が氾濫するものだろうか?」という疑問です。なにしろ、北千住側の高さ10メートルの堤防から対岸の小菅側の10メートルの堤防まで優に400メートルの距離がある。とてもあふれるようには思えませんでした。 河川安全の基準の範囲内で雨が降ってくれればいいのですが、自然の雨はそうはなってくれません。想定外のことが起こるから、それに対し準備しなくてはいけないのです。台風の月別の発生頻度は9月をピークに10月、11月初旬に突出し、一般的には北上してくるものでしたが、近年は太平洋側地域で海水温27度以上のゾーンが広がっています。より日本に近いエリアで台風が発生しやすく、発生した台風にエネルギーを供給しながら勢力を高めてしまう。日本はすでに亜熱帯化しており、「過去に起きていないことが起きている」と考えるべきです。実際、西日本豪雨では、積乱雲が連なって猛烈な雨を降らせる「線状降水帯」が多発しました。東京にこれが起こらないとは言えません』、幸い東京がまだ本格的な豪雨に襲われてないが、確かに覚悟しておくべきだろう。
・『内閣府想定では、72時間雨量が550ミリを超えると荒川が氾濫します(西日本豪雨の72時間雨量は最大1319ミリ)。その場合、土木学会は約62兆円の被害を想定しています。 大きな金額と感じるでしょうが、これには地下の被害が算入されていません。日本人の性と言っていいですが、公共交通機関で働く人は最後まで人員を輸送しようと頑張ります。勤勉な鉄道マンの性ですが、あふれた水は地下鉄構内になだれ込み、直結した百貨店や地下街を水没させます。地下からの脱出がどれくらいかかるのかシミュレーションはありません。健康な人は逃げられるでしょうが、車椅子の人やお年寄りもいる。堤防の決壊から3時間で大手町駅、約4時間で東京駅、約7時間で銀座駅まで浸水する。机上の訓練ではダメで、実際にやってみないといけません。2012年10月29日の夜、ハリケーン「サンディ」がニューヨークを直撃しました(死者43人=編集注)。このとき、ニューヨーク都市交通公社(MTA)は、前日の夕方までにすべての地下鉄とバスの運行を中止しました。そのため、地下鉄内での人的被害はゼロでした。 NYが参考にしたのが、台湾・台北市を襲った01年9月の台風16号だった・・・地下鉄が約12キロにわたって水没し、完全復旧までに3カ月を要しました。台湾がすごいのは、これを全世界に公開したこと。台湾を参考にしたニューヨークはハリケーンの前日に地下車両や機器類を移動させ、被害を最小限にとどめました。東京では、地下鉄の運行を止める権限は、東京メトロの管理者にあります。ただ、地下鉄を止めることによる経済被害は計り知れず、果たして重大な決定を企業判断で下せるものか。事前に取り決めがあった方がいいと思います』、東京の地下鉄を止めた場合の損失を考えると、運行管理責任者の手に余る問題で、関係者間の事前の取り決めは是非とも必要だろう。
・『現在の人は、危機感が薄いようにも感じます・・・私が生まれたのは埼玉県の栗橋町(現・久喜市)。まさに利根川右岸堤防が決壊した場所でした。父は当時内務省に勤めていて、河川改修を担当していました・・・昔の人は「あすは我が身」という意識が高かったのですね。 私がまだ幼い頃、お月さまが出ていない日の夜中、母親に「起きろ!」と叩き起こされたものです。東西南北も分からないような真っ暗闇の中、玄関まで感覚で歩いていき、父と母、姉、自分の靴の位置がわかるようにしつけられた。母親の施す避難訓練でした。現在、避難情報は自治体のおのおのの長が発しますが、これが判断の乱れる要因です。行政に言われる前に自主避難する。それも明るいうちに行うのが大事です』、いくら利根川のほとりに住み、父親が河川改修担当だったとはいえ、母親が避難訓練までしたのには、驚かされた。「行政に言われる前に自主避難する」ということは大事だろう。
・『台風に高潮が加わると江東区で最大水深10メートル カスリーン台風規模の台風が来て荒川が決壊すれば、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の江東5区で、人口255万人のうち最大178万人が避難しなくてはいけません。スーパー堤防の建設で防ぐこともできそうですが、民主党政権時の事業仕分けで廃止されました。さすがに総額100兆円と聞くと、今の貧乏な日本では手が出ません。 スーパー堤防は国交省が1980年代に整備を始め、首都圏、近畿圏の6河川で873キロ造る計画でしたが、現在はとくに氾濫危険の高い120キロに計画が縮小されています。私の試算では、これなら全体で7兆円、関東だけなら5兆円の予算で済みます。日本人は何かあると、復旧・復興ばかりに目がいきますが、本来は事前の防災や減災対策の方が重要。もし荒川が決壊すれば、62兆円の被害が出るのです。しかも、日本の中枢である首都機能が麻痺すれば、経済・政治に混乱が起こるし、もっと大事なのは世界の信用を失うことです。海外の人は自分たちの首都さえ守れないのか……と思うでしょう。一方、ハリケーン上陸の前日に公共交通機関を止めたニューヨークは、住民や観光客の安全を必ず守ると世界に宣言したようなものです。 意外に軽視されていますが、高潮被害も怖い。高潮とは台風など発達した低気圧により、海面が吸い上げられて異常に高くなる現象ですが、海水が流入する墨田区や江東区などの一部では、最大水深10メートルにもなる。水泳の高飛び込み競技のプールですら基準が水深5メートル程度ですから、かなりの深さになります。 明治期以降、東京は地盤沈下に合わせて堤防の高さを変えてきました。しかし、東京都の今年3月の予測では、墨田、葛飾、江戸川の3区で9割以上が浸水し、千代田、新宿、港なども含め17区に浸水が想定されます。浸水の想定区域は約212平方キロ、この区域内の昼間人口は約395万人、水深は最大約10メートルに達します。水深10メートルというのは、10メートルの津波が襲ってくるのと一緒。西日本豪雨などの雨と違って、海の水は無尽蔵に流入してきます。また満潮は1日2回ですから、そのたびに入ってくるのです。過去になかったから安全だろうと思ってはいけません』、高潮の場合「海の水は無尽蔵に流入してきます。また満潮は1日2回ですから、そのたびに入ってくるのです」というように豪雨とは違った災害で、確かに要警戒だ。
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