SSブログ

原発輸出(その1)(日立と三菱重工が原発輸出の「底なし沼」から出られない理由、日立、英原発共同事業で米社離脱は「名誉ある撤退」の潮時だ) [企業経営]

今日は、原発輸出(その1)(日立と三菱重工が原発輸出の「底なし沼」から出られない理由、日立、英原発共同事業で米社離脱は「名誉ある撤退」の潮時だ)を取上げよう。

先ずは、朝日新聞経済部記者の内藤尚志氏が7月12日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「日立と三菱重工が原発輸出の「底なし沼」から出られない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/174611
・『日立製作所が英国で、三菱重工業がトルコで計画する「原発輸出」。安倍内閣も「成長戦略」として後押しするが、福島の事故を受けて原発の安全対策費は高騰しており、採算性の不安はぬぐえない。 世界では脱原発のうねりも強まり、成長戦略としての筋の悪さは、もはや明白だ。それでも政権は旗を下ろさず、日立も三菱重工も推進の姿勢を崩していない。両社とも政権との関係が近いだけに、「やめたくても、やめられないのでは」。そんな同情論すら、ささやかれる始末だ』、確かに成長戦略としては筋が悪いが、止めたくても止められないというのは悲惨だ。
・『6月20日、東京・後楽園のホテルで開かれた日立製作所の株主総会。最高益を更新して誇らしげな経営陣に、株主が冷や水を浴びせた。「唯一の心配が原子力。英国はどうなっているのか」「英国子会社への出資比率は下げられるのか」株主らが問いただしたのは、日立が英国で手がける原発の新設計画だ。 東京電力福島第一原発の事故のあと、原発の安全対策費は世界的に高騰している。「思いつく安全対策をすべて施さない限り、どの国でも原発の着工が住民の同意を得られなくなっている」(日本の原子力業界団体幹部)。 日立のライバルだった東芝が経営危機に陥ったのは、米国で着工した原発の建設費が膨らんだためだ。株主が心配するのも、無理はない。 質問に対し日立の原発担当役員は、東芝などの失敗を参照しているため、同じ轍は踏まないと強調。財務担当役員は、英国子会社には他社にも出資してもらい、着工前に日立の出資比率を5割未満まで下げて連結決算の対象から外すと説明した。 続けて東原敏昭社長が「みなさまに迷惑がかからない形で、経済合理性を含めて対応したい」と言葉を継ぎ、その場を収めた。 翌21日、東京・高輪のホテルで開かれた三菱重工業の株主総会でも、原発事業の行く末をめぐる質問が、株主から出た。三菱重工もトルコで原発の新設計画に関わっている。 宮永俊一社長は「日本の技術者は必死で改良する。将来はコストが下がっていく可能性が高い」と説明。設計や工事方法の見直しを積み重ねていけば、建設費を下げられるとの見通しを示した。 株主の心配をよそに、両社とも「原発輸出」へと突き進もうとしている。しかし、どちらも採算性の不安を拭えていないのが実情だ』、三菱重工社長の「「日本の技術者は必死で改良する。将来はコストが下がっていく可能性が高い」との強弁は、豪華客船では大赤字を出しておきながら、よくぞそんなことが言えたものだ。
・『日立の計画は、英国西部のアングルシー島に原発2基を建設するもので、2020年代半ばからの稼働をめざしている。建設費の見込みは公表していないが、関係者によると、当初は「1.5兆~2兆円」だった。それがいまでは「最大3兆円程度」になる可能性があるという。 一方、三菱重工は、トルコ北部の黒海沿岸のシノップ地区に4基をつくる計画だ。フランス企業と共同開発した新型原子炉を採用し、トルコ建国100周年にあたる23年からの稼働を予定している。こちらも建設費が「2.1兆円」から「4兆円強」にふくらむ見通しになっている。 建設コストが上がっても、電力自由化前の日本なら採算は取れたかもしれない。顧客の電力会社が、コストを上回る価格で発注してくれると期待できるからだ。規制に守られた電力会社は、電力料金を高めに設定すれば、費用を回収できたのだ。 だが海外には、こんな都合のよい仕組みはない。海外では、原発の建設と運営がセットで発注されるケースも多く、日立の英国、三菱重工のトルコもこの方式での受注だ。原発メーカーは、投じた建設費を稼働後の売電事業で回収しなければならない。 英国には原発でつくる電気の買い取り価格を政府が保証する制度があり、日立は高値での保証を要請中だ。トルコでは三菱重工が現地政府と見積もった概算の電気料金の見通しがあるが、三菱重工は近く引き上げを要請する方針だ。 交渉はいずれも難航する可能性が高い。 海外特有の課題は、ほかにもある。 商慣習の異なる現地の建設会社を、きちんと使いこなせるのか。日本と遜色ない質のよい労働力を、現地で集められるのか。事故時の賠償ルールも国ごとに違うため、メーカー側がどこまで責任を負うのかを見極めておく必要もある。 このように低くはないハードルが、いくつも待ち受けている。それでもメーカーが原発輸出に挑む目的は、いったい何なのか』、日立、三菱重工とも建設リスクだけでなく、その後の事業リスクまで負うとは無謀そのものだ。
・『もともと原発輸出は、メーカー側から出てきた構想ではない。 発端は、2009年に政権交代を果たした民主党・鳩山内閣による成長戦略だ。政権をとったものの「成長戦略がない」と、野党や経済界からの批判を受けて急きょ、方針が作られ、そこに「官民一体でのインフラ輸出」が盛り込まれた。原発は新幹線とともに中核に据えられたのだ。 人口減が進む国内にとどまっていては、インフラメーカーも成長できない。だから、海外に出ていく。受注に向け、首相や大臣がトップセールスで支援する。メーカーからすれば、「もうかるから、やる」という話だった。 11年に福島原発事故が起きたが、それでも翌年に政権を奪還した自民党の安倍内閣は、原発輸出の構想を引き継ぎ、改めて成長戦略の柱にした。「原子力ムラ」を守りたい経済産業省関係者からの働きかけもあったとみられる。 しかし、「ノーモア・フクシマ」のうねりは、原子力ムラの想定を超えて世界に広がり、状況を大きく変えた。 安全対策費の高騰だけではない。脱原発へとエネルギー政策を転換する国が相次ぎ、原発の需要そのものがしぼみ始めた。 代わって欧州を中心に、風力や太陽光といった再生可能エネルギーの普及が加速。原発はクリーンエネルギーの主役ではなくなり、各国は再エネの導入を競い合うようになっている。 原発輸出の成長戦略としての筋の悪さは、もはや明白だ。日立も三菱重工も、それは十分、わかっている。原発輸出で「成長する」とは言わず、強調するのは「技術の継承」だ』、民主党がもともと原発輸出の旗を振ったのもお粗末だが。原発事故後、環境が激変したにも関わらず、安倍政権がそれを受け継いだというのは罪が深い。
・『国内に54基あった原発の多くは、日立、三菱重工、東芝の3社がつくった。今後も原発をつくり続けていかなければ、技術者は育たず、原発をつくる技術は継承されない。国内でその機会を得るのは極めて難しく、海外に出て機会を確保する、というわけだ。 ただ、技術力の維持なら、ほかにもやりようはある。日立も三菱重工も、海外で原発をつくった経験はないが、発電用タービンなどの機器を海外の原発向けに納入した実績はある。いわば「原発機器輸出」。これを続けるだけでも、技術力は磨ける。 実際、米国での失敗に懲りて原発輸出から手を引いた東芝は、今後は原発機器の輸出に力を入れると表明した。東芝幹部は「原発を丸ごとつくるよりも、リスクはかなり小さくなる」と話す』、発電機などの原発機器輸出では、肝心の原子炉技術は磨けない筈で、随分、荒っぽい主張だ。
・『なぜ、原発輸出に挑むのか。こうして見てくると、メーカーにとっての意義が大きく揺らいでいることがわかる。 「やめたくても、やめられない。それが本音だろう」。大手素材メーカーの首脳は、原発輸出に取り組む日立と三菱重工に、そんな同情を寄せる。 両社とも着工を正式に決めたわけではない。日立は英国子会社への出資金の集まり具合を見て、来年中に判断するという。三菱重工は今月にも採算性の調査を終え、その結果をもとにトルコ政府側と話し合う方針だ。つまり、「逃げ道」も用意はしている。 ただ、実際に「逃げ道」を選択すれば、日本政府から猛反発を受けるのは必至だ。 ベトナムとリトアニアでも日本からの原発輸出が内定していたが、現地の国民投票などを受け、いずれも暗礁に乗り上げた。 輸出が実現する可能性が残っているのは、いまや日立の英国と三菱重工のトルコぐらい。それだけに日本政府関係者のこだわりも強い。 日立は5月から中西宏明会長を経団連会長に送り出している。三菱重工は自衛隊向けの防衛事業も手がける。両社とも政権との距離は極めて近く、蜜月関係の維持は最重要課題だ。原発輸出の断念で、長年の関係を壊すわけにはいかない。 また、三菱重工のトルコの計画は、13年に安倍首相自らがトルコでエルドアン首相(現大統領)とトップ会談して動き出した経緯もある。三菱重工幹部は「うちからやめるとは言いだせない」とこぼす。 日立にとっては、英国政府との関係も気がかりだ。英国で鉄道車両事業を展開しており、関係にひびが入れば悪影響が出かねない。抜け出そうとしてもますます深みにはまる。日立と三菱重工は、そんな「底なし沼」にはまりこんだようにも見える』、「底なし沼」とは言い得て妙だ。

次に、デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員の山田厚史氏が8月29日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「日立、英原発共同事業で米社離脱は「名誉ある撤退」の潮時だ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/178456
・『日立製作所が英国中部アングルシ―島に計画している原子力事業に「撤退はもはや時間の問題」との見方が強まっている。日立は2012年に英国のホライズン・ニュークリア・パワー社を買収、2020年代の早い時期に沸騰水型の原発2基を完成させる予定だった。ところが計画は大きく狂った。 3・11福島の教訓から安全基準が強化されて建設コストが暴騰 日立が悩んでいる間に世界のエネルギー情勢は「ゲームチェンジ」という言葉が広がるほど、再生可能エネルギーへのシフトが進んだ。「原発は過去の遺物」とされ撤退する企業が続出。日立社内からも「無理な原発にこだわる必要があるのか」という声が上がっている』、確かに建設コスト高騰だけでなく、再生可能エネルギーへのシフトも考慮すれば、「原発は過去の遺物」となったのだろう。
・『ここにきて、「名誉ある撤退」の判断を迫るまた一つの要因が加わった・・・8月22日、日立は「ホライズン社が英国原子力建設プロジェクト推進に向け、ベクテル社をPMC(プロジェクトマネジメント受託会社)に任命」と題するプレスリリースを、発表した。 ホライズンは英国で原発事業を担う日立の100%子会社。配布された文書には「ベクテル社とワンチーム体制を構築することでプロジェクト全体のマネジメント力を強化し、ホライズンプロジェクトの成功に向け、引き続き、強力に推進していきます」とある。 ベクテルは150件の以上の原子力プラントに関与した実績があり、この技術が日立の英国プロジェクトに活かされ、推進体制が強化される、と強調されている。 このリリース、実は上層部の叱咤によって急遽作られたものだった。 発端は18日の朝日新聞の一面に載った「日立の英国原発 米大手が外れる方向」という記事だ。「日本政府が後押しするプロジェックとの行方が一段と不透明になった」と書かれていた。 直後、株価の下落を招くマイナスイメージを直ちに修正しろ、という指示が広報に飛び、4日がかりで纏めたものだった。「ベクテルとはしっかり連携している」と、朝日の報道を否定する内容だ。 だが文面を追うと、末尾に「日立、ベクテル社、日揮で構成するコンソーシアム『メンターニューウッド』を発展的に解消」と書かれている。ことの本質はこの「解消」にある。 「三社連合」と呼ばれる共同企業体メンターニューウッドは、発電所の建設を一括して請け負う母体になるはずだった。 原発事業の施主はホライズン。三社連合は建設業者として発電所の設計、機器の調達、土木建設、工期管理などを請け負い、建設に関わる全責任を負う。業界で「フルターンキー」と呼ばれる仕事だ。 キーを回せばエンジンが掛かって自動車が動き出すように、一括請負業者は、受注したプロジェクトを、キーを回せばすぐ動くように完成させ、施主に引き渡す。リスクの高いビジネスだが、順調にこなせば大儲けできる。 ところが原発工事は、キーを回すまでにおびただしいリスクと直面するようになった。 安全審査が厳重になった。設計変更が必要になり、工事が止まることもしばしば。工期は長期化し、人件費や金利に跳ね返る。膨れ上がったコストを電気料金に転嫁するのは難しい。建設費の膨張を施主と一括請負業者のどちらが負担するか、裁判で争われることもしばしばだ。 「兆円単位の工事をフルターンキーで受注すれば大きな利益を得る可能性があるが、今では想定外の出費がかさむことを恐れ、受注に二の足を踏む企業が増えています」。プラントビジネスに関わる技術者の川井康郎氏は指摘する』、ベクテル社をPMCに任命との日経新聞の報道は意味が分からなかったが、三社連合解消のスッパ抜きに対抗したドロ縄の発表だったとは・・・。
・『ベクテルが外れ、フルターンキーで受注するはずだった三社連合が解散したのも同じ構図だ。 三社連合の内部を見ると、日立は原発やタービンなど主要機器のメーカー。日揮は配管などのエンジニアリングを担当。建設の総合調整、つまり土木・建設から工期、安全基準の適合など中核を担うのはベクテルだ。「三社連合の解散」はベクテルがリスクの高い仕事から降りた、つまり建設コスト膨張の責任を負わされる立場から離脱した、ということでもある。 この点を日立に質すと、「ベクテルはホライゾンと一体となってプロジェクトの全体を管理する。むしろ関与を強めた、と見ていただきたい」という。 だがプロジェクトマネジメントの受託は、施主であるホライゾンを補佐する仕事だ。工費膨張のリスクを正面から受ける一括請負業者とは立ち位置が異なる。「想定外に工費が膨らんだ場合にはベクテルにペナルティーを科すなどの条項を契約に盛り込みたい」と日立は言うが、契約の中味はこれから詰めるという。ベクテルが抜ければ、事業は成り立たない。日立は弱い立場だ。 海外で原発事業の経験がない日立が、業界事情を知り尽くしたベクテルに太刀打ちできるだろうか。 リスクを回避し、マネジメントの助言料として安定した利益を吸い取る。それが、方針転換したベクテルの戦略だろう。その結果、英国プロジェクトは、事業リスクを引き受ける一括請負業者がいなくなった。 原発事業は、今やリスクの押し付け合いになった。アメリカの原発事業で生じた損害を東芝が背負い込まされたことが業界の現状を象徴している』、ベクテルは関与を強めたという日立の強弁は、見え透いた嘘だ。
・『トルコでフランスのアレバと組んで原発建設を計画していた三菱重工のグループからは伊藤忠が離脱した。「採算が取れない」と事業リスクに巻き込まれることを回避した。 東芝はウエスティングハウスから出資を引き揚げることでこれ以上損害を被ることを避けた。危ない事業からは撤退する。企業経営の鉄則である。ベクテルも危ない事業から足を抜き、立ち位置を変えた。 日立にとって、英国事業は大きな冒険である。発電機メーカーなのに、英国で電力会社を経営しようというのである。 国内でもやったことがない業務を、勝手がちがう海外で挑戦する。しかも採算に合わない原子力事業をだ。 取り巻く環境は、原子力ムラでもたれ合う国内のように甘くはない。まともな経営者ならとても踏み切れない案件だが、日立は成り行きに任せここまで来てしまった』、日立の「野武士」らしさはどこへ行ったのだろう。
・『世界の見直しの動きに逆行 「原発ルネッサンス」に色めき立つ 始まりは、米国のブッシュ政権が掲げた「原発ルネッサンス」だった。 スリーマイル島の事故で途絶えていた原発を、温暖化対策と絡めて「クリーンなエネルギー」として復活させる政策だった。途上国の台頭も重なり、世界の原発需要は拡大するという絵が描かれ、日本の原子力業界は色めき立った。東芝がウエスティングハウスを買収したのもその流れである。そこに福島事故が起きた。 国内で新規原発の建造は事実上、不可能。海外に活路を求めるしかない。業界の面倒を見る経済産業省と輸出企業にカネを貸す国際協力銀行(JBIC)が音頭を取り、民主党政権を巻き込んで「海外に日本の原発を」と煽った。これを成長戦略に掲げたのが安倍政権だ。 日立がホライズンを買収したのは福島事故の翌年。原子炉やタービンを作り続け、原子力技術を絶さないことに力点を置いた。だがすでに世界は原発を見直す方向に動いていた。 原子力の先駆けであるGEでは、イメルト会長が「原発を事業的に正当化するのは非常に難しい」と語り、ドイツではシーメンスが原発から撤退を表明した。 ホライズンが売りに出されたのは株主であるドイツ企業が、原発は採算に合わないと判断し、撤退を決めたからだ。日立の登場は、英国にとって渡りに舟。温暖化対策と電力不足を乗り越えるために英政府は、ホライズンの発電事業を継続することを買収の条件にした。 日立は原子炉を売るつもりで買った会社で売電事業まで背負い込むことになる。 1兆円で済むと思っていた事業費が3兆円に膨らみ、日立は原発がただならぬ状況に陥っていることを思い知った。「今や原子力事業は民間企業だけで継続できる事業ではない」。中西会長はことあるごとに強調する。 遅まきながら日立は「採算に合わない」と日本や英国の政府に泣きついている』、ホライズン買収の経緯は初めてしったが、「日立は原子炉を売るつもりで買った会社で売電事業まで背負い込むことになる」とは、いくら安倍政権からたきつけられたとはいえ、経営判断が甘かったことになる。
・『中西会長は6月、英国を訪れエネルギー産業相のジョージ・クラーク氏らと会談。事業推進に向けて支援条件の交渉に入ることで合意した。 焦点は二つ、英政府による電力の買取価格と投融資の額である。英国メディアによると、英政府は1メガワット時あたり77.5ポンド(約1万1700円)を打診したという。英国では電気料金は自由化され、1メガワット時40ポンド程度だ。英政府は長期にわたり市場価格の2倍で買い上げ、総額で2兆円超の支援を行う準備があるという。 同様の支援策は一足先に動き出したフランス・中国の共同プロジェクトでも約束されている。こちらは1メガ92.5ポンド(1万4000円)だった。ところが英国会計検査院が「消費者をリスクの高い高額な計画に縛り付けようとしている」と指摘し税金投入が問題化している。 英国でも反原発の動きが高まり、財政資金の投入が安定的に続くか、危ぶまれている。 仮に高額の買い取りで2兆円超の事業資金が捻出されても、日立の事業にはあと1兆円の調達が欠かせない。そこで日立、日本の金融機関、英国の政府・銀行の3者が3000億円ずつを負担する案が取りざたされている。 日本側では政策投資銀行による出資やメガバンクの融資が検討されている。採算が危うい事業にメガバンクの腰は引けている。そこで経産省が所管する貿易保険が債務保証することで融資させる方向で調整が進んでいるという。国の保証がなければ融資できない事業なのだ。 政府系金融機関や貿易保険には税金が投入されている。損害が出れば国民に負担が回る。そこまでして外国で原子力発電する意味とは何だろう』、英国会計検査院の勇気ある指摘は大したものだ。日本も爪の垢でも煎じて飲ませたいほどだ。
・『「採算に合わない高い電気」となった原発事業は血税の投入なしには動けない。一方、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる電力は劇的に安くなった。 「ゲームチェンジ」は自然の流れだろう。 事故が起きたら制御不能な原発による、採算の合わない電力ビジネスを海外でやる。英国プロジェクトは日立にとっても危険極まりない事業だ。中西会長はじめとする経営陣も、本音では「撤退したい」と思っているのではないか。 日立の原子力事業の売り上げは2017年で1875億円、日立全体の売り上げ9兆3000億円の50分の1程度。しかも英国事業に限定すれば日立全体から見れば微々たるものだ。その事業に足を取られ、撤退すれば現時点ですでに2700億円の損失が出る、という。 ホライズン買収にかかった900億円の他に6年間の運営費が詰みあがっている。このまま続ければ撤退時の損失は更に大きくなる。 株価は年初、900円を上回っていたが今では700円近くまで下落した。不透明な英国プロジェクトが足を引っ張っている。 英国事業に踏み切るか、否か。日立は2019年までに結論を出すという。 推進の条件は二つ。採算が取れるような支援を日英政府から引き出せるか。もう一つは子会社のホライズンを決算の連結対象から外すことだ。事業が失敗した時、日立本体に損失が及ばないように日立の持ち株を50%未満まで下げるという。だがそのためには損を覚悟でホライズンの増資に応ずる投資家を探す必要がある。 そんなことまでして日立は危ない橋を渡るのか。 世界の重電メーカーが次々と撤退するには理由がある。製造業の技術革新は激しい。新時代のビジネスを育てることが経営の課題だ。従業員は「東芝の轍」を踏むことを心配している。日立は「東芝」になる前に引き返すことができるだろうか。賢明な経営者なら社内の「声なき声」に耳を傾ける時だ』、まさに正論だ。それにしても、日立と三菱重工がこのまま突っ走り、東芝の二の舞になったら、破局的なダメージを日本経済に及ぼす懸念が強い。政治は一体どんな責任が取れるのだろうか。さらに、一旦原発輸出を決めたら、途中で環境の激変があろうと、突っ走るというのは、第二次大戦時の日本と瓜二つな気もする。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 原発輸出 山田厚史 (その1)(日立と三菱重工が原発輸出の「底なし沼」から出られない理由、日立、英原発共同事業で米社離脱は「名誉ある撤退」の潮時だ) 内藤尚志 「日立と三菱重工が原発輸出の「底なし沼」から出られない理由」 世界では脱原発のうねりも強まり、成長戦略としての筋の悪さは、もはや明白 それでも政権は旗を下ろさず、日立も三菱重工も推進の姿勢を崩していない。両社とも政権との関係が近いだけに、「やめたくても、やめられないのでは」 日立の計画 英国西部のアングルシー島に原発2基を建設 当初は「1.5兆~2兆円」だった。それがいまでは「最大3兆円程度」になる可能性 三菱重工は、トルコ北部の黒海沿岸のシノップ地区に4基をつくる計画 建設費が「2.1兆円」から「4兆円強」にふくらむ見通し 海外では、原発の建設と運営がセットで発注されるケースも多く、日立の英国、三菱重工のトルコもこの方式での受注だ。原発メーカーは、投じた建設費を稼働後の売電事業で回収しなければならない 商慣習の異なる現地の建設会社を、きちんと使いこなせるのか 日本と遜色ない質のよい労働力を、現地で集められるのか。 故時の賠償ルールも国ごとに違うため、メーカー側がどこまで責任を負うのかを見極めておく必要も もともと原発輸出は、メーカー側から出てきた構想ではない 民主党・鳩山内閣による成長戦略 「官民一体でのインフラ輸出」が の安倍内閣は、原発輸出の構想を引き継ぎ、改めて成長戦略の柱にした 「ノーモア・フクシマ」のうねりは、原子力ムラの想定を超えて世界に広がり、状況を大きく変えた 安全対策費の高騰だけではない。脱原発へとエネルギー政策を転換する国が相次ぎ、原発の需要そのものがしぼみ始めた 原発輸出の成長戦略としての筋の悪さは、もはや明白 原発輸出で「成長する」とは言わず、強調するのは「技術の継承」 やめたくても、やめられない。それが本音だろう 輸出が実現する可能性が残っているのは、いまや日立の英国と三菱重工のトルコぐらい。それだけに日本政府関係者のこだわりも強い 両社とも政権との距離は極めて近く、蜜月関係の維持は最重要課題だ 三菱重工のトルコの計画は、13年に安倍首相自らがトルコでエルドアン首相(現大統領)とトップ会談して動き出した経緯もある 「日立、英原発共同事業で米社離脱は「名誉ある撤退」の潮時だ」 日立は2012年に英国のホライズン・ニュークリア・パワー社を買収 福島の教訓から安全基準が強化されて建設コストが暴騰 日立が悩んでいる間に世界のエネルギー情勢は「ゲームチェンジ」という言葉が広がるほど、再生可能エネルギーへのシフトが進んだ 原発は過去の遺物 撤退する企業が続出 ベクテル社をPMC(プロジェクトマネジメント受託会社)に任命 このリリース、実は上層部の叱咤によって急遽作られたものだった 朝日新聞の一面に載った「日立の英国原発 米大手が外れる方向」という記事 4日がかりで纏めたものだった。「ベクテルとはしっかり連携している」と、朝日の報道を否定する内容だ との本質はこの「解消」にある 三社連合 「三社連合の解散」はベクテルがリスクの高い仕事から降りた、つまり建設コスト膨張の責任を負わされる立場から離脱した ベクテルが抜ければ、事業は成り立たない。日立は弱い立場だ リスクを回避し、マネジメントの助言料として安定した利益を吸い取る。それが、方針転換したベクテルの戦略 トルコでフランスのアレバと組んで原発建設を計画していた三菱重工のグループからは伊藤忠が離脱 日立にとって、英国事業は大きな冒険である。発電機メーカーなのに、英国で電力会社を経営しようというのである。 国内でもやったことがない業務を、勝手がちがう海外で挑戦する。しかも採算に合わない原子力事業をだ 世界の見直しの動きに逆行 「原発ルネッサンス」に色めき立つ ブッシュ政権が掲げた「原発ルネッサンス」 日立がホライズンを買収したのは福島事故の翌年 ドイツではシーメンスが原発から撤退を表明 日立は原子炉を売るつもりで買った会社で売電事業まで背負い込むことになる 遅まきながら日立は「採算に合わない」と日本や英国の政府に泣きついている 英政府は1メガワット時あたり77.5ポンド(約1万1700円)を打診 フランス・中国の共同プロジェクトでも約束されている。こちらは1メガ92.5ポンド(1万4000円)だった。ところが英国会計検査院が「消費者をリスクの高い高額な計画に縛り付けようとしている」と指摘し税金投入が問題化している 経産省が所管する貿易保険が債務保証することで融資させる方向で調整が 国の保証がなければ融資できない事業 政府系金融機関や貿易保険には税金が投入されている。損害が出れば国民に負担が回る そこまでして外国で原子力発電する意味とは何だろう 撤退すれば現時点ですでに2700億円の損失
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。