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中国情勢(軍事・外交)(その4)(モンテネグロを悩ませる中国の「行き先のない高速道路」、中国人に乗っ取られたミャンマーの古都マンダレー 人口120万人の半数以上が中国系) [世界情勢]

中国情勢(軍事・外交)については、2016年9月21日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その4)(モンテネグロを悩ませる中国の「行き先のない高速道路」、中国人に乗っ取られたミャンマーの古都マンダレー 人口120万人の半数以上が中国系)である。

先ずは、7月24日付けダイヤモンド・オンラインが転載したロイター「モンテネグロを悩ませる中国の「行き先のない高速道路」」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/china-silkroad-europe-montenegro-idJPKBN1K90L3
・『モンテネグロの景勝地モラカ川渓谷では、コンクリート製の巨大な柱の上にいる数十人の中国人作業員が、南欧でも有数の起伏に富んだ地形に、最先端の高速道路を敷設する工事を行っている。 巨大な橋や深いトンネルを備えた全長165キロに及ぶ高速道路の建設プロジェクトについて、モンテネグロ政府は「世紀の建設工事」であり、「近代世界への入り口」だと位置づけている。  この高速道路は、アドリア海に面したモンテネグロの港町バールと、海を持たない隣国セルビアを結ぶ計画だ。だが、第1区間となる首都ポドゴリツァ北部の山間部を結ぶ41キロの難工事が終わると、政府は難しい選択を迫られることになる。  第1区間に対して提供された中国からの融資により、モンテネグロの債務は急増し、政府は財政規律を取り戻すため増税や公務員の賃上げ凍結、母親向けの給付金廃止を余儀なくされた。 こうした措置にもかかわらず、モンテネグロの債務は今年、国内総生産(GDP)の8割近くに達する見通しで、国際通貨基金(IMF)は、野心的な高速道路プロジェクト完成のために、さらに負債を負う余裕はないと同国に警告している』、一帯一路の東欧版の犠牲者となりそうな雰囲気である。
・『「どうしたら完成できるのか、大きな疑問がある」と欧州連合(EU)の当局者は語る。「モンテネグロの財政余地は大きく縮小している。自らの首を絞めているような状況だ。現段階で、これはどこにも行き先のない高速道路だ」  EU加盟国に加え、モンテネグロやセルビア、マケドニア、アルバニアなどEU加盟を目指す西バルカン諸国では、この高速道路プロジェクトは、中国が欧州に与える影響を巡る活発な議論の中心となっている。 野心的なシルクロード経済圏構想「一帯一路」を掲げた中国が経済的影響力を拡大する中、アジアやアフリカの貧しい国々は、同国が提供する魅力的な融資や、大規模インフラ計画の約束に飛びついてきた。 これにより、中国の巨大な外貨準備へのアクセスなしには不可能だったであろう規模の開発プロジェクトが可能となった。だが、スリランカやジブチ、モンゴルなど、いくつかの国には負債が重くのしかかり、中国依存をより深める結果となっている。  新しい高速道路によって国に明るい未来をもたらそうという夢を追うモンテネグロは、そうした立場に追い込まれた欧州初の国だ。「この高速道路計画は、モンテネグロでは一大事だ。チトーと社会主義時代の大規模開発プロジェクトを国民に思い起こさせるものだ」。研究者のMladen Grgic氏は、旧ユーゴスラビアの共産主義指導者だったチトー大統領に触れながら、そう指摘した。「だがそれは、罠(わな)だ。始まったからには、どれほどの害悪をもたらすものになっても政治家には止められない。また率直に言って、政治家は止めたいと思ってもいない」と、この高速道路についての研究を昨年発表したGragic氏は語った』、開発計画には夢があるとはいえ、罠である場合も多いが、目先しか考えない政治家はとびついてしまうのだろう。
・『さらなる財政悪化も(アドリア海沿岸とセルビアを結ぶ新しい高速道路の建設計画は、モンテネグロが旧ユーゴスラビアから独立した前年の2005年にまでさかのぼる。このプロジェクトは1991年からほぼ間断なく大統領または首相の職にあるジュカノビッチ現大統領が主導した。  高速道路の建設によって、発展が遅れている北部経済を活性化し、セルビアとの貿易を増やして、危険な悪路が多い狭くて曲がりくねった山間部の交通路の安全性を確保することを、政府は狙っている。  これ以上債務を増やす余地が限られているため、高速道路の残る3つの区間完成に向けて、政府の選択肢は限られている。 政府がいま乗り気なのは、官民パートナーシップ(PPP)だ。外部の民間業者が高速道路を建設し、国から営業権を得る「コンセッション方式」で30年間運営して投資を回収する案だ。 第1区間の建設を請け負った大手中国国有企業の中国路橋工程(CRBC)が、残りの工区をPPPで建設する覚書に署名している。 だが欧州の金融関係者は、その計画の実現には、モンテネグロがコストの高い収入保証を強いられ、同国の財政がさらに逼迫(ひっぱく)する可能性があると懸念している。  IMFは5月、大きな追加債務を伴う形でのPPP計画に対してモンテネグロ政府に警告を発した。EUに加盟するまで高速道路の完成を待つべきだと指摘する関係者もいる。 加盟国になれば、モンテネグロはEUの開発基金にアクセスできるようになる。EUは今年、大まかな加盟めどとして2025年を検討しているが、実際には10年以上かかるとの指摘もある』、交通量が少なく採算性が悪いプロジェクトは、執行主体をいくらPPP方式にして、政府からオフバランスにしたところで、解決にはならない。収入保証が嵩むだけだろう。
・『フィージビリティスタディ 高速道路の建設計画を巡る疑念は、2006年と2012年にそれぞれ行われた採算性調査が、どちらも採算性の見込みがないと結論づけたことを受けて浮上した。 フランスの調査会社がモンテネグロ政府のために実施した2006年調査と、米国企業が欧州投資銀行(EIB)の依頼で実施した2012年調査をロイターが確認したところ、どちらもコンセッション方式を成り立たせるには交通量が不十分だと結論づけていた。  しかし、中国輸出入銀行の依頼で、再び新たな採算性調査が、モンテネグロ大の経済学教授たちの手で行われた。 モンテネグロ政府によれば、この調査では高速道路に採算性があるとの結論に至ったという。だが調査結果は公表されておらず、ロイターも確認できなかった。CRBCの親会社である中国交通建設も、調査結果についてコメントの要請に応じなかった。  EUの支援を受けている汚職監視団体MANSは、建設計画が2014年に承認される前に、構想の根拠となるデータを議員に公表するよう迫ったが、政府は拒否した。「高速道路建設計画を正当化するために交通省が使ったデータは、偽造されたものだと確信している」と、MANSの幹部は語った。 政府はデータ改ざんを否定。高速道路は、経済や社会に長期的な恩恵をもたらし、懐疑派が誤っていたことを証明するだろうと主張する。 中国の支援を得て、モンテネグロからつながる高速道路を建設しているセルビアのミハイロビッチ副首相も、同様の見方を示す』、フランスや米国の調査会社が交通量不十分だと結論づけたのを、中国依頼による地元大学の調査で、採算性あると強引に結論づけ、データの公開も拒否するとは、まあ民主主義が根付いてない強権国家だから可能なのだろう。
・『「短期的な視点では経済的に正当化できなくても、戦略的に重要な投資はある」と、ミハイロビッチ副首相はロイターに述べた。 EU加盟国に囲まれた、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニア、モンテネグロとセルビアの西バルカン諸国は、1990年代の独立戦争以降、投資の遅れや統治の不備などに悩まされ、経済的に落ちこぼれている。  この10年、EUが一連の危機対応に追われ、加盟ブロックの拡大が棚上げされていたため、ロシアやトルコなど他の勢力がその隙間に入り込んだ。 特に、中国の動きが活発だ。2012年、東欧や南欧の16カ国と投資機会について話し合う「16+1」の年次対話を始めたことで、中国はEUの怒りを買った。 その1年後、中国はアジアから欧州やアフリカに至る陸路と海路のシルクロード経済圏構想「一帯一路」を打ち出した。  西バルカン諸国は、欧州南部の要衝に位置し、中国にとっては中欧やその先へと至るアクセスを確保するためのカギとなる。  この地域に向けた中国の投資は、高速道路や鉄道、発電所などのプロジェクトを含め、総額で60億ユーロ(約7900億円)を超える。地域最大の経済であり、中国と長年の同盟関係にあるセルビアが、その大半を受け取っている。  モンテネグロが中国の関心を引く理由はいくつかある。アドリア海経由で欧州に入る入り口となるほか、もしモンテネグロがEUに加盟すれば、経済的、政治的結びつきは、より価値のあるものになる』、EUが難民問題で忙殺されている間に、中国にさらわれた形だ。
・『懐疑派 モンテネグロが中国輸出入銀行から受けた8億900万ユーロの融資は、高速道路の第1区間にかかる建設コストの85%をカバーする。 このドル建て融資は利率2%で返済期間20年、そして6年の返済猶予期間が設けられている。魅力的な条件だと言えるが、人口62万人のモンテネグロの財政に長期的に重くのしかかることになる。  法的な争いが起きた場合には契約上、中国の仲裁裁判所が裁判権を持つ。また、CRBCが同国に持ち込む建材や重機などについて、関税と付加価値税の免除を約束されている。建設作業の70%は、中国の労働者に任される。  第1区間の建設現場では、3605人の労働者が忙しく作業を進めている。その3分の2程度が世界最大級の建築会社CRBCの従業員だ。 中国人作業員は、4カ所ある青い屋根の平屋建て宿舎で寝泊りしている。一帯には、中国語と英語で、細部をおろそかにせず、責任を持って作業に取り組むよう呼びかける看板が立てられている』、中国が労働者まで連れてくるのでは、地元に工事のメリットは薄そうだ。裁判権まで中国、というのでは体のいい植民地だ。
・『「CRBCは、ほかの区間の建設も行うことになると考えている」。6月の暑い日の午後、CRBCのKang Shifei副プロジェクト長はロイターにそう語った。頭上には、モラカ渓谷を横断する長さ1キロの橋を支えることになる巨大な柱がそびえている。 モンテネグロ政府は、融資に為替ヘッジを行っておらず、当初計画にあった重要な有料道路も見送ったために、コストは拡大し続けている。現在10億ユーロ近くまで増加しているが、これは同国GDPの4分の1近くに相当する。  ワシントンに拠点を置くシンクタンク世界開発センターは3月、中国の一帯一路に絡む負債リスクを点検した報告書を公表。この中で、モンテネグロを、ジブチやモルジブ、ラオス、モンゴル、タジキスタン、キルギスタン、パキスタンと並び、もっともリスクが高い8カ国の1つに位置づけている。  高速道路計画の残る4分の3は、より平坦な地域を通るもので、IMFは完成までにさらに12億ドル(約1350億円)の建設費が必要になると見積もっている。  モンテネグロのマルコビッチ首相は、どれほど費用がかかっても完成させると述べ、水力発電や観光の分野でも中国と協力を深めると約束している。批判するのは「信じようとしない人たち」だと一蹴した。 だが野党の政治家は、国の財政や中国の役割を懸念している。  野党URAのアバゾビッチ党首は、中国のような経済大国が、EUや米国、ロシアと肩を並べて、この地域での役割を求めるのは普通のことだと指摘する。 だがプロジェクトの巨大さゆえに、中国政府がモンテネグロに対し、さらに大きな影響力を持つ結果になるのではないかと懸念していると同党首は述べた。「中国は、極めて快適な立場を得ることになる」』、野党がどれだけ力があるかは不明だが、批判には危機感が薄いような気がする。

次に、9月7日付けJBPress「中国人に乗っ取られたミャンマーの古都マンダレー 人口120万人の半数以上が中国系、不正・違法に国籍取得疑惑も」を紹介しよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54045
・『「マンダレーの死」――。 ミャンマーのフォークシンガーが歌うその歌は、ユーチューブで公開され、瞬く間に拡散し、おおよそ100万人が怒りと悲しみに包まれた。「異邦人(中国人)にめちゃくちゃにされた」「この都市に住みついたあいつたちは何者」「私たちの愛するマンダレーは死んだ」――。 ミャンマー人が中国人移民に乗っ取られた故郷、マンダレーを嘆くフォークソングだ。 中国人が、地元企業を買い漁り、国民であるミャンマー人が故郷を追われ、異邦人の中国人が我が物顔で自分たちの故郷を占拠したと歌う。 前回、「ついに頓挫か 中国人100万人マレーシア移住計画」・・・で、マレーシア第2の都市、ジョホールバルに移住計画を企ててきた中国が、マハティール首相の誕生で苦境に立たされている様子をお伝えした。 そして8月27日、マハティール首相は「外国投資歓迎・外国人不動産取得認可」の一貫した国の政策変更はないものの、「永住権や市民権を目論んだ」不動産取得は認められないとし、中国人による違法かつ不正な不動産取得の契約合意内容など事実関係の再審査を決定した。 マレーシアの場合、マハティール首相が、先月の訪中で「新たな植民地主義は受け入れられない」と中国を公然と批判・・・一方、東南アジアでは、中国投資により経済では一定の起爆剤になったものの、大量の中国人移民を阻止できず、中国人の大量移住により、すっかり変貌してしまった都市も出てきている。 その一つが、「アジア最後のフロンティア」と言われるミャンマーの中心に位置する第2の都市で最後の王朝の古都、マンダレーだ。 道路が縦横に基盤の目のごとく走り、町の中心に正方形の城壁と濠に囲まれた王宮が鎮座する。その外側を市街地が広がる。まるで、日本の京都のような佇まいだ。 筆者も新聞記者時代から何度か訪れているが、首都・ヤンゴンの喧騒から、ホッと一息できる、昔ながらの歴史的文化都市が醸し出す空間は、ミャンマー人にも人気だった』、第2の都市で最後の王朝の古都まで、中国人に占拠されようとしているとは、中国の近隣進出熱は恐るべきもののようだ。
・『そもそも、マンダレーはコンバウン朝の9代ミンドン王が、都をアマラプラからマンダレーへ遷都。1878年、ミンドン王が逝去し、次のティーボー王時代の1885年、第3次英緬戦争を経て、英国がマンダレーを占領。 インドに王が追放され、コンバウン朝は滅亡。ミャンマーは英国の植民地となり、マンダレーは、ビルマ独立を守った最後の「王都」となった。 美しいフォルムで際立つ東南アジアでは希少の木造建築の「シュエナンドー僧院」、マンダレー最大の仏塔「マハムニ・パゴダ」など、ミンドン王時代に荘厳な仏塔や寺院が多く建立され、マンダレーは国の文化の中心として発展した。 最後の王都では、王様に寵愛される高僧を育てる芸術家が多くいたほか、マンダレー人は最も洗練されたビルマ語を駆使し、独特の具材とレシピでビルマで最高のカレーを作り出した王室料理人も育てたといわれる・・・すなわち、マンダレーはミャンマーの「伝統文化」を育んだ祖国発祥の大地なのだ。 仏教文化の聖地で、絹織物や翡翠、さらには木の彫刻や大理石の仏像製作など特殊伝統工芸の中心集積地で、ミャンマーでのマンダレーの存在意義は別格だ。まさに、日本の京都を髣髴させる』、中国側が反発されるリスクを冒してまで進出する意図は何なのだろう。
・『しかし、1990年代から2010年初頭の軍政時代、欧米が経済制裁を科す一方、中国人がマンダレーの経済を支配し、マンダレーは中国資本の国内最大の拠点となった。 中国のミャンマー輸出(最終財)の約80%が昆明経由といわれている。マンダレーは昆明経由の中国製品の集積地なのだ。 マンダレーを拠点に農村市場に中国の製品がばらまかれる一方、中国人経営のマンダレー市内の縫製工場では、「中国製」のタグを付け香港経由で欧米に輸出しているという。 生産現場を見れば一目瞭然だが、部材から機械設備まで、中国製品に支配されているというのが現状だ。 こうして、中国製品が溢れ、中国人が増えた結果、マンダレーの不動産価格は高騰。 オーストラリアやニュージーランドなどの諸外国でも社会問題化しているが、中国人による投機で、マンダレー市民は地元故郷に住めなくなり、故郷を追いやられている悲惨な状況が続いている。 その結果、かつてのビルマの伝統的な歴史的文化都市を標榜してきたマンダレーは、古き良き伝統を失いつつある。 大陸・中国からの大量移民が、ミャンマーの伝統文化、歴史的価値観を軽視し、中国の文化、伝統を押し付ける事態に発展しているからだ。 今では、毎朝、旧王宮の美しい壮大な堀のある街の中心部で、太極拳の練習をする中国人が大挙し、大音量の中国の音楽が鳴り響く。天空のミンドン王におかれては、さぞかしお悩みのことだろうとお察しする。 結局、古の王都は、現在人口120万人ほどだが、その半数以上に相当する約60万から70万人・・・が占拠する「中国の植民地化」となってしまったのだ』、欧米の経済制裁で、中国からの陸路の交易の中心地となっていたとは、なるほど。
・『ミャンマーの法律では、外国人は土地の所有ができない。 しかし、中国の雲南省との国境沿いで入国管理の役人に賄賂を渡し、偽造文書を作成し、違法な手段でミャンマーの国民証明書を入手する「異邦(違法)ミャンマー人」が急増。 EUや米国が、「ロヒンギャ問題」と呼ばれる人権問題を背景に、ミャンマーへの投資を控えている状況にある中、中国は以前と変わらず、野心的に投資を進める。 中国はミャンマーを、内陸部の雲南省とインド洋を結ぶ一帯一路の要衝と位置づけており、マラッカ海峡が封鎖された場合、ミャンマーを経由地点として、インド洋から直接中国国内に資源を輸送するルートが確保できる。 地政学的にも、安全保障の観点からも重要な国であると認識しているからだ。 昨年4月には、雲南省の昆明とミャンマーのインド洋沿いの港町、チャオピューを結ぶ原油パイプラインも稼働。 90%の原油を中東やアフリカに依存する中国にとって、マラッカ海峡を通過せず、中国国内に運ぶ“代替肢”を確保できたことは大きい。 さらに、今年2月、ミャンマー・中国経済回廊構築に関する政府間合意への署名か゛行われた。 習政権が主導する一帯一路の重要プロジェクトの経済回廊計画には、中国の昆明からミャンマーのマンタ゛レーを経由し、ヤンゴンまて続く道路建設が組み込まれている。 つまり、中国がミャンマーの主要道路を建設し、中国まで繋がっていくということ。マンダレーは中国のライフラインの“心臓部”というわけだ。 欧米がミャンマー政府によるロヒンギャ住民の迫害を糾弾する一方、一貫して中国はミャンマーの立場を支持してきた。 中国は今後も、巨額のチャイナマネーによる経済支援とロヒンギャ問題への支持をしたたかに両秤にかけ、ミャンマーを一層、中国の“陣地”に引き寄せたい思惑がある。 マンダレーは、古くから中国・雲南省との交易・交通の拠点で、密輸ルートでもあった。 麻薬の密輸や翡翠などの宝石の取引に関わる中国人も多く、今でも翡翠の卸売市場の朝市には、大陸から中国人が大挙する。 中国とミャンマーの政府は、両国は「胞派(パウッポー)」の関係だ、という。ビルマ語で「血を分け合った兄弟」という意味で、友好関係を強調する。 しかし、両国の思惑とは裏腹に、マンダレーの人たちは、中国人の大量移住は、マンダレーの植民地化と考えている。 筆者の知人のマンダレー人は「我々は、今やマンダレー人と思っていない。中国人が我が物顔で生粋の住民のように平然と暮らしている。なぜなら、彼らは『お金』があれば、何でもものにできると思っているからだ」と誇り高い王都の子孫らしく、中国人を見下げる。 そして、「宝石の都」(パーリ語)と呼ばれた最後の王朝は、「ミャンマー連邦・中国共和国」に成り果てた、と卑下して止まない――』、中国にとって、内陸部の雲南省とインド洋を結ぶ一帯一路の要衝のようであるが、ミャンマー人の反発を如何に上手く宥めていけるかがカギだろう。
タグ:(軍事・外交) 中国情勢 ダイヤモンド・オンライン (その4)(モンテネグロを悩ませる中国の「行き先のない高速道路」、中国人に乗っ取られたミャンマーの古都マンダレー 人口120万人の半数以上が中国系) モラカ川渓谷 「モンテネグロを悩ませる中国の「行き先のない高速道路」」 全長165キロに及ぶ高速道路の建設プロジェクト ロイター モンテネグロの債務は今年、国内総生産(GDP)の8割近くに達する見通しで、国際通貨基金(IMF)は、野心的な高速道路プロジェクト完成のために、さらに負債を負う余裕はないと同国に警告 第1区間に対して提供された中国からの融資により、モンテネグロの債務は急増し、政府は財政規律を取り戻すため増税や公務員の賃上げ凍結、母親向けの給付金廃止を余儀なくされた 第1区間となる首都ポドゴリツァ北部の山間部を結ぶ41キロの難工事 シルクロード経済圏構想「一帯一路」を掲げた中国 アジアやアフリカの貧しい国々は、同国が提供する魅力的な融資や、大規模インフラ計画の約束に飛びついてきた フランスの調査会社 フィージビリティスタディ 米国企業が欧州投資銀行(EIB)の依頼で実施 政府がいま乗り気なのは、官民パートナーシップ(PPP)だ モンテネグロがコストの高い収入保証を強いられ、同国の財政がさらに逼迫(ひっぱく)する可能性があると懸念 中国輸出入銀行の依頼で、再び新たな採算性調査が、モンテネグロ大の経済学教授たちの手で行われた。 モンテネグロ政府によれば、この調査では高速道路に採算性があるとの結論に至ったという どちらもコンセッション方式を成り立たせるには交通量が不十分だと結論づけていた 建設作業の70%は、中国の労働者に任される 中国の仲裁裁判所が裁判権 そうした立場に追い込まれた欧州初の国 シンクタンク世界開発センター 中国の一帯一路に絡む負債リスクを点検した報告書を公表 モンテネグロを、ジブチやモルジブ、ラオス、モンゴル、タジキスタン、キルギスタン、パキスタンと並び、もっともリスクが高い8カ国の1つに位置づけている JBPRESS 「中国人に乗っ取られたミャンマーの古都マンダレー 人口120万人の半数以上が中国系、不正・違法に国籍取得疑惑も」 マンダレーの死 マレーシアの場合、マハティール首相が、先月の訪中で「新たな植民地主義は受け入れられない」と中国を公然と批 第2の都市で最後の王朝の古都、マンダレー マンダレーはミャンマーの「伝統文化」を育んだ祖国発祥の大地なのだ。 仏教文化の聖地で、絹織物や翡翠、さらには木の彫刻や大理石の仏像製作など特殊伝統工芸の中心集積地で、ミャンマーでのマンダレーの存在意義は別格だ。まさに、日本の京都を髣髴させる 990年代から2010年初頭の軍政時代、欧米が経済制裁を科す一方、中国人がマンダレーの経済を支配し、マンダレーは中国資本の国内最大の拠点となった 昆明経由の中国製品の集積地 現在人口120万人ほどだが、その半数以上に相当する約60万から70万人・・・が占拠する「中国の植民地化」となってしまったのだ マンダレーの人たちは、中国人の大量移住は、マンダレーの植民地化と考えている
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