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日本のスポーツ界(その19)(塚原夫妻は悪者?体操パワハラ問題をめぐる「わかりやすさ」の危険性、パワハラだけではない 重量挙げ三宅会長“独裁体制”の異常、「貴乃花親方の言い分が正しい」と感じさせる 相撲協会“過去の行状”) [社会]

日本のスポーツ界については、9月6日に取上げた。その後も相次いで問題が発覚したことを受けた今日は、(その19)(塚原夫妻は悪者?体操パワハラ問題をめぐる「わかりやすさ」の危険性、パワハラだけではない 重量挙げ三宅会長“独裁体制”の異常、「貴乃花親方の言い分が正しい」と感じさせる 相撲協会“過去の行状”)である。

先ずは、筑波大学教授(臨床心理学、犯罪心理学)の原田 隆之氏が9月6日付け現代ビジネスに寄稿した「塚原夫妻は悪者?体操パワハラ問題をめぐる「わかりやすさ」の危険性 複雑な世界を複雑なままとらえると…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57377
・『けのわからない展開  ここしばらく日本体操協会のゴタゴタがニュースを賑わせている。 昨年あたりから、スポーツの世界では、相撲、レスリング、アメフト、ボクシングと途切れることなく、さまざまな問題が噴出し続けている。次は、あそこだろうと思わせるような競技団体はまだいくつもある。 今回の体操協会の問題がややこしいのは、暴力問題で協会から速見佑斗コーチが無期限登録抹消等の処分をされただけでなく、速見コーチの指導を受けていた宮川紗江選手が、引き続き速見コーチの指導を受けたいと主張していることである。 さらに、コーチを処分した体操協会の幹部こそがハラスメントの元凶であり、暴力の件を使って自分とコーチを引き離そうとしているなどという主張も展開した。 協会幹部を相手に「勇気ある記者会見」をした18歳の宮川選手には大きな称賛が寄せられ、一方の体操協会の塚原光男副会長と塚原光子本部長には嵐のようなバッシングが吹き荒れている』、次々に発覚する不祥事には、正直なところうんざりという気もするが、事実究明は必要だ。
・『塚原夫妻にとっては、良かれと思って暴力追放の狼煙を上げたのに、当の選手が暴力を振るったコーチを擁護したばかりか、逆に自分たちを批判したのだから、とんだ誤算というか、思いがけない展開だっただろう。 あるいは本当に宮川選手の言う通り、選手とコーチを引き離し、自らの所属クラブに引き抜こうとした企みだったのだろうか。 慌てた塚原副会長は、「宮川選手の発言は全部嘘」と、選手の会見を全否定し、それがかえって火に油を注ぐこととなった。 さらに、宮川選手との会話を録音したデータを公開し、自身の「身の潔白」を証明しようとしたが、録音も公開も無断であったことから、これもさらに批判の的となった。 ここに至って、一転「全面降伏」の姿勢を見せようとしたのか、文書で謝罪し、本人にも直接謝罪したい旨申し出たが、時すでに遅しである。対応があまりにもゴタゴタしすぎた。協会に有能な弁護士はいないのだろうか』、どの競技団体も危機管理の初歩で躓くのは、やはり体質なのだろうか。
・『ワイドショーの描く世界  しかし私は、一連の騒動を曇りガラスの向こうから見ているようであった。 最初は、騒動や人間模様が複雑でややこしいから仕方ないと思っていたが、どうやらそれだけではないことに気づいた。 それは、宮川選手の会見直前からずっと海外にいて、ワイドショーやニュース番組を見ていないからだ。 ワイドショーでは、いつも丁寧にわかりやすく、VTRやパネルで人物関係や事の子細を説明してくれる。レポーターや識者が解説もしてくれる。 われわれは、ただテレビの前に座っているだけで、丁寧な「謎解き」をしてもらえて、ややこしい騒動もクリアーに理解できる。 しかし、果たしてそれでよいのだろうか。 今回は、丁寧な案内役のワイドショーを見ることができないため、ネットニュースや新聞記事などを読みながら、断片的なニュースを自分でつなぎ合わせる作業だった。 しかし、それでもわからないことはわからないままだ。だから、先ほど書いたように、曇りガラス越しのような印象を受けているのだ。 でもこれが自然な姿なのではないだろうか。第一に、このような騒動が起きるたびに、微に入り細に入り、どうでもいいような情報、個人をバッシングする声、過去のいきさつ、将来の展望など、ワイドショーはあまりにも多くの情報を伝えすぎる。 私もワイドショーには何度か出演したことがあるが、スタッフは本当に深夜までものすごい働きぶりで、それには感嘆させられる。よその局よりも少しでも多くの情報を、少しでも新しい誰も知らない情報を発掘しようという競争で必死なのだ。 しかし、それには弊害もある。登場人物のプライバシーをこれでもかと白日の下に曝し上げ、次第に問題の本質よりも、個人叩きに躍起になることがある。一方的な正義感ばかりでげんなりしてしまうこともしばしばだ。 さらにもう1つの問題は、ワイドショーの描く世界が「わかりやすすぎる」ということである。 たしかに、込み入った問題を丁寧に説明し、解きほぐしてくれる解説はありがたい。また、複雑で具体的な現実から、問題の本質を抽象する作業は重要であり、それが知恵というものだ。 とはいえ、その一方で、わかりやすくしようとするあまり、極端な方向、シンプルすぎる方向へ話を持っていっているということはないだろうか。 情報は多いが、それは自分たちが描きたい「ストーリー」を補強するための情報であって、それ以外の情報はむしろ切って捨ててはいないだろうか。 ワイドショーの描く世界で一番顕著なのは、「憎らしい悪者」と「かわいそうな被害者」というシンプルな黒と白の構図である。今回で言えば、塚原夫妻という「悪者」がいて、かわいそうな宮川選手にハラスメントをしているというストーリーだ』、確かにワイドショーが描くシンプルな黒と白の構図は、問題をミスリードする可能性がある。
・『例えば、体操協会の具志堅幸司副会長は、「18歳の少女が嘘をつくとは思わない」と述べて、宮川選手を擁護したというが、そんなことはない。18歳だって嘘はつく。 アメリカのとある大学教授の書いた文を読んだことがあるが、そこには期末試験やレポートの締切りが近づくと、祖父や祖母が危篤になったり、亡くなったりする学生が急に増えるということが冗談交じりに書かれていた。 もちろん、宮川選手は彼女なりに、真摯に本当のことを勇気をもって述べたのだと思う。私は何も彼女が嘘を言っていると言いたいのではない。あまりにも単純に、「協会が悪で選手は白」という構図に持ち込むのは危険だということである』、その通りだ。アメリカのとある大学の例は、日本でも私も何回も経験した。さすがに筑波大では、そんな不届きな学生はいないのだろうか。
・『単純化の危険性  実際、宮川選手を擁護しすぎることの危険性は、そもそもの発端であった暴力の問題を覆い隠してしまうことにつながる。 暴力を振るわれた被害者が、いくら暴力を振るった相手を庇っても、それで暴力の問題が帳消しになるわけではない。 2人の関係性がどうであれ、またほかにもハラスメントをしている幹部がいたとしても、暴力を振るったコーチは厳しい処分を受けて当然である。 また、彼がどれだけ熱心で優秀な指導者であったとしても、暴力を振るったというだけで指導者としては失格である。 「塚原夫妻は悪」と決めつけて、その単純な構図の中で、2人だけを叩いて終わりにするのではなく、コーチの暴力問題をはじめ、協会にそのような暴力を生む土壌がなかったのか、どのようにして再発を防ぐのかを真剣に考えていかなければならないだろう。 もちろん、塚原夫妻の問題性も不問に付していいわけではない。塚原夫妻の「全面降伏」は結構だが、謝ったからと言って白紙に戻るわけではない。 自らのハラスメント体質を顧みて、ほかにも謝罪しなければいけない相手もいるだろうし、改めなければならないところもたくさんあるだろう』、まさに正論である。
・『複雑な世界の中で  それにしても、不可解なのは、暴力を振るったコーチを当初から一貫して擁護し続けている宮川選手の姿である。 単純化を避けて、複雑な世界を複雑なままとらえようとするとき、やはり彼女の複雑な心の中が気になってくる。 このような加害者擁護は、ドメスティック・バイオレンス(DV)のケースには、よく見られることだ。被害に遭った女性の多くは、加害者を庇って「普段は優しい人なので」などと言うことがある。 また、虐待を受けた子どもが「ぼくが悪い子だったから。お母さんは悪くない」などと言うこともある。 宮川選手も記者会見で、コーチについて「厳しさの中にも楽しさや優しさがたくさんあった」と述べていた。 また、暴力的な指導を受けたのは、大けがや命にかかわるような場面であり、「そのときはそれくらい怒られても仕方ないことだと理解していました」とも述べている。 両者の関係が密であったり、被害者側に「見捨てられ不安」のようなものがあったりすると、暴力を振るわれても相手をつなぎとめておきたいという心理がはたらく。 さらに、周囲から加害者が責められると、周囲の人々には自分たちのことはわからないとますます頑なになることもある。 今回のケースでも似たようなことが言えるのかもしれない。 宮川選手にとって、そもそも協会は権力を笠に着てハラスメントをする敵であったのだろう。自分を守ってくれ、すがることのできるのは、コーチしかいなかったのかもしれない。 そのコーチが追放されてしまうことを考えると、オリンピックを控えた大事なときに、この先自分はどうなってしまうのだろうという大きな不安を抱いても不思議はない。 暴力を振るったコーチは悪いが、彼女をこのように追い詰めた協会も同じくらい悪い』、さすが心理学者の面目躍如だ。
・『これは、曇りガラスを隔てた私の推測であるので、間違っているところも多分にあるかもしれない。 しかし、協会幹部をはじめ当事者たちは、複雑でわかりにくい問題をいたずらに単純化することなく、謝って終わりとするのでもなく、選手本人の心情に寄り添って、その不安や怒りなどを受け止めつつ、丁寧に問題の解決に当たってほしい。 第一線で闘う選手たちにとって、代表選考やオリンピック出場をめぐる熾烈な争いは、私には想像もできないことだ。 もしその競争が、コーチや協会の一存で決まるのであれば、その嵐のような激しい競争に揉まれているうちに、自分は木の葉のように小さい存在であると感じてしまうことがあるかもしれない。 どんなに不安が大きいことだろう。しかし、それは理不尽な協会や暴力的なコーチに身をゆだねることでは解決しない。 18歳は嘘をつかないというのは嘘であるが、18歳はとても影響されやすい年齢であるというのは本当だ。 「殴るのは愛の鞭だ」と言われると素直に信じてしまうだろうし、「俺についてくれば必ずオリンピックに行かせてやる」などと言われたら「ついて行こう」と素直に信じるだろう。 ここで彼女に1つ大人になってほしいことは、暴力を振るわれてもいい人間などこの世には1人もいないし、暴力を振るってよい理由など1つもないと知ることだ。そして、自分の尊厳を取り戻し、自分の大切さを再確認することだ。 これを教えられることこそが、本当の指導者なのではないだろうか』、大変に説得力がある主張だが、唯一気になるのは、宮川選手が処分を受けたコーチ以外の人物に指導を受けるよう説得できるかだ。カウンセリングには筆者が最適なのではなかろうか。

次に、9月16日付け日刊ゲンダイ「パワハラだけではない 重量挙げ三宅会長“独裁体制”の異常」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/237628/1
・『三宅義行会長兼女子代表監督(72)による選手へのパワハラ問題が明らかになった日本ウエイトリフティング協会。 パワハラだけではない。三宅会長による独裁体制も問題視されている。 同協会では三宅会長が女子代表監督を兼務するだけでなく、男子ナショナルチームの監督も協会の小宮山哲雄専務理事(57)が兼ねている。 各団体の組織の規模や収入、競技人口に差があるとはいえ、他団体で同様の人事はほとんど見られない。五輪競技団体のトップが代表監督を兼任するのは極めて異例のケースだ。 9月1日の常務理事会で、過去の会長のパワハラ行為を明かした協会常務理事で、公益社団法人経済同友会幹事を務める古川令治氏がこう言う。  「コンフリクト・オブ・インタレスト(利益相反)という言葉がありますが、まさにウエイトリフティング協会は矛盾した団体なのです。公益社団法人でありながら、会長とナショナルチームの現場を取り仕切る監督が同一人物というのは認められることではありません。男子監督にしても、予算を管理する立場であるはずの専務理事が、経費を使う側も兼ねるなんて、誰がどう考えてもおかしなことです。会長によるパワハラも含めて、協会は正常な組織からはかけ離れている。伏魔殿といってもいいのではないでしょうか」 協会内で要職を兼務すれば、五輪や世界選手権の代表選考にも影響を及ぼしかねない。協会や幹部のお気に入りの選手の選考が優先され、本来なら実力のある選手が代表から漏れる事態も考えられる。代表選考の不透明さを指摘されても仕方がない。 「国際大会への出場資格が当落線上の選手を、地方の大会に出させることもある。地方大会は審判のジャッジが甘く、記録が出やすいため、協会幹部が自分の息のかかった選手を国際大会に出場させる手段の一つです。これでは、選考基準をお気に入りの選手、特定の選手にだけ漏らして選考されるように誘導し、公平性に欠けると指摘されても文句は言えないのではないか」(競技関係者) 協会は会長人事も含めて、組織の刷新を図る必要があるのは言うまでもない』、協会の利益相反問題は、組織図を見れば一目瞭然なのに、所管のスポーツ庁はこれまで見て見ぬふりをしてきたとすれば、責任は重大だ。同庁の鈴木長官は、これまで問題を起こした団体を呼びつけて叱るだけの無責任な対応では、許されないことを自覚すべきだ。

第三に、ノンフィクションライターの窪田順生氏が9月27日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「「貴乃花親方の言い分が正しい」と感じさせる、相撲協会“過去の行状”」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/180641
・『もはや日本の風物詩 「パワハラ論争」がまたも勃発  またしても、「圧力を感じた」「いや、そんなつもりはありませんでした」の無限ラリーが繰り広げられるのだろうか。 25日に電撃引退(退職)を発表した貴乃花親方。引退の理由は、3月に内閣府に提出した告発状について、日本相撲協会から「事実無根」と認めるように執拗に迫られたからだと会見で明かしたところ、相撲協会側が「圧力をかけた事実はない」と否定。今や日本の風物詩ともなった、やったやらないの「パワハラ論争」が、再び勃発しそうなムードなのだ。 事実についてはこれから明らかになるのかもしれないが、個人的には貴乃花親方の言い分が正しかったとしても、特に驚くような話ではないと思っている。むしろ、相撲協会という組織の性格を考えれば、「ない」という方が不自然である』、またかとうんざりだが、今回のは貴乃花親方の引退という特大のニュースヴァリューだ。
・『レスリングの伊調馨選手とコーチが内閣府に告発状を提出した時、日本レスリング協会幹部らが事実確認をせず、脊髄反射で「事実無根」と顔を真っ赤にして主張したことからもわかるように、公益財団法人にとって告発状というのは、読むだけで100日寿命が縮まる「恐怖新聞」のような存在なのだ。 相撲協会もそれは同様で、貴乃花親方の告発状のせいで、幹部の方たちは3月から枕を高くして寝られない状況が続いている。 貴乃花親方が告発状を取り下げたのは、あくまで弟子の暴力問題があったからであって、告発した内容が間違いだったと認めたからではない。つまり、告発状はいつ爆発するかわからない「不発弾」のような存在となっていたからだ。「あいつは大量破壊兵器を持っているかも」という恐怖が、大国を戦争へ突っ走らせるように、恐怖は人間を攻撃的にする。貴乃花親方が世間に触れまわる「恐怖新聞」、もとい告発状の悪夢に悩まされ続けてきた相撲協会幹部が、恐怖から解放されるため、なりふり構わず、貴乃花親方に「告発状はデタラメでしたと言え」などと迫るというのは、実は極めて人間らしいアクションなのだ』、私自身は貴乃花親方に対しては、日馬富士暴行事件の際の振る舞いなどから、好印象を持ってない。しかし、弟子の所属問題などをネタに恫喝してくる協会のやり方には、心底腹が立つ。
・『組織によって異なる論破の際の「パワーワード」  なんてことを言うと、「立派な元力士ばかりの相撲協会が嘘をつくわけないし、相撲取材歴ウン十年の相撲ジャーナリストの皆さんも誤解だと言っている。すべて貴乃花親方の被害妄想だ」という怒りの声が山ほど寄せられそうなのだが、相撲協会が動いていたのではないかと思わせるような材料は他にもある。 それは、会見で貴乃花親方が幾度となく発したこの表現である。「告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めるようにとの要請を受け続けておりました」 これを耳にした時、いかにも相撲協会らしいと確信をした。「事実無根」というのは、彼らのパワーワードだからだ』、なるほど。
・『「はい、論破」ではないが、皆さんの職場にも、いつも同じようなフレーズで相手を説き伏せようとするおじさんがいるのではないだろうか。人間というのは誰しも、「反論」をする際の“決めゼリフ”を持っているものだ。 実はこれが「法人」にも当てはまるということを、筆者は広報アドバイスの仕事をしているうちに気づいた。マスコミの報道に対して反論をする、抗議文を送るなんて時の表現や言葉のチョイスには、その組織のカルチャーがモロに反映されるのだ。 例えば、一般消費者に近く、日常的にクレームの嵐に晒されているような組織は、「正確な報道ではなくて残念です」「どうも誤解されているようなので、正しい情報を伝えさせていただきます」なんてニュアンスで、やんわりと怒りや不快感を伝える。 それに対して、利権を独占して競合もおらず、常日頃からマスコミにチヤホヤされているような組織の場合、「悪質な虚偽報道で大変遺憾である」なんて感じで、かなり頭が高くなることが多い。この後者の典型が、相撲協会である』、「言葉のチョイスには、その組織のカルチャーがモロに反映される」というのは至言だ。
・『相撲協会が連発してきた マスコミ宛抗議文に見るパターン  こういう人たちの考える「広報」は、「外部とのコミュニケーション」ではなく、「自分たちの正しさを世間に知らしめる手段」なので、勢いどうしても言葉が強くなる。そのため、まるで法廷闘争のように、“100%ノー”という打ち消しになりがちなのだ。 例えば、昨年の元横綱日馬富士の暴行を巡って、相撲協会と貴乃花親方がバトルを繰り広げていた際にもさまざまな報道がなされたが、その度に相撲協会は、マスコミ各社に抗議文を送付している。 その中で使われていた表現をざっと以下に抜き出そう。「明確な誤り」「完全に事実と異なる」「極めて悪質で、背信的」「全くの事実無根の内容」「報道の名に値しないもの」 とにかくやたらと相手の非を強調し、自分たちこそ正義だという主張をする「クセ」が強いのである。 相撲は国技であり、日本人の誇りなんだから、デタラメな放送や報道をされてヘラヘラ笑っていられるかという、相撲ファンのお叱りが飛んできそうだが、筆者は誤報であってもスルーせよなどと言いたいわけではない。 ただ、日馬富士暴行報道に関しては、相撲協会側の対応にも大きな問題があった。貴乃花親方という希代のスターと情報戦を繰り広げている中で、確たる証拠を出すこともなく、ここまで断定的かつ独善的に物事を言い切ってしまうというのは、あまりにも杜撰である。そこにはやはり、相撲協会という組織カルチャーが大きく関係しているということを申し上げたいのである』、その通りだ。
・『実際、この傾向は昨日今日始まったものではない。例えば、2007年に「週刊現代」が八百長疑惑を報じた時にも、「事実無根」の一言をゴリゴリ押して提訴。10年に発行元の講談社から賠償金を勝ち取った際には大ハシャギで、これまた「事実無根」を世にふれまわったものの、翌年にはガチンコの八百長問題が発覚して巡業停止にまで追い込まれ、今でいうところの大ブーメラン状態にもなっている。 いずれにせよ、ロクに事実関係を調査しないまま、「事実無根だと認めよ」とゴリゴリ迫る姿は、これまでの相撲協会という法人のプロファイリングにピタッとマッチするのは事実だ』、確かに八百長問題での相撲協会の対応はとんだお笑い種だった。
・『企業のクーデターでもありがちな「非公式の説得」だった可能性も  仮に「協会」として動いた痕跡がなくとも、裏で非公式に一部役員がプレッシャーをかけていた可能性も十分にありえる。 企業のクーデターや派閥争いでも、敗れた側の社員たちに、新体制への忠誠心があるのかを「査定」する”お目付役”がつくことは決して珍しい話ではない。彼らは時にファイティングポーズを崩さない者に対して、「意地を張らず、こっちのグループにつけ」と説得工作を行う。 一般の日本企業でもいまだに見られる、しょうもないパワーゲームが、企業よりも硬直して流動性のない相撲協会で起きないとする理由が見当たらない。それが、厳密に貴乃花親方が言うような「圧力」だったかどうかはさておき、「相撲協会の平和と安定」のため、「告発状を貴乃花親方に嘘でしたと認めさせる」という特命を帯びて動いた人々がいても、なんら不思議ではないのだ。 そう考えると、今回の貴乃花親方の電撃引退というのは、そんな「特命係」による「あの告発状はデタラメでしたって一言言ってくれれば、弟子のためにもなるし、一門みんな丸く収まるんだから、な、な」という説得工作の失敗かもしれないのだ。 もちろん、一部の方が指摘するように、これが全て貴乃花親方の脳内で繰り広げられている妄想であるという可能性も、現段階では否めない。 果たして、角界を揺るがす大一番の行方はどうなるのか。今後、どんな情報戦が繰り広げられ、事実が暴露されるのか、注目したい』、私も今後の成り行きが楽しみだ。
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