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トランプ大統領(その36)(冷泉氏:中間選挙直前、激しい動きの中で) [世界情勢]

昨日につづいて、トランプ大統領(その36)(冷泉氏:中間選挙直前、激しい動きの中で)を取上げよう。来週に中間選挙の投票日が迫っており、内容的にも極めて興味深いので、あえて続けたものである。

在米作家の冷泉彰彦氏が10月27日付けメールマガジンJMMに掲載した「「中間選挙直前、激しい動きの中で」 from911/USAレポート」を紹介しよう。
・『今回11月6日(火)に投票日の迫るアメリカの中間選挙ですが、現時点までの状況は簡単に整理すると次の通りです。
 1)現有議席は上下両院ともに共和党が過半数。当初、つまり今年2018年の春頃までは、逆転は難しいと言われていた。
 2)だが、トランプ大統領をめぐる「ロシア疑惑」「不倫もみ消し疑惑」などにより、ジリジリと民主党が党勢を拡大、夏場までに下院の形勢を逆転。現時点での焦点は上院過半数の行方に。
 3)ちなみに、下院を民主党が制すると下院議長や各委員会の委員長が民主党に行くので、ホワイトハウスとの関係は「ねじれ議会」になる。それどころか弾劾の発議が可能になる。
 4)7月までは、共和党内で各予備選における「主流派」と「トランプ派」の激しい泥仕合が続いていた。
 5)形勢が激しく動き出したのは9月に入ってから。予備選が終わり、共和党内が落ち着いたところへ加えて、最高裁判事カバナー指名から承認へというプロセスで、「トランプと福音派」「トランプと共和党主流派」という水と油の関係が「結束」に向かうと同時に、大統領の支持率が上昇。
 6)こうした動きを受けても、下院の情勢は民主党優位で変わらず。一方の上院は、ジリジリと共和党有利という展開に』、なるほど。
・『というのがこの10月20日頃までの状況でした。ところで、アメリカの国政選挙というのは、ごく一部の補選を除いて、必ず11月の第一火曜日に行うと決められています。その場合に、大統領選を含む総選挙にしても、中間選挙にしても、だいたい10月の末ギリギリに「何か」が起きるわけです。 過去の選挙についても、2004年のブッシュとケリーの対決では、10月末のギリギリにの時点で「ほとんどデマ」と言ってもいい、ケリー氏のベトナム戦争当時の悪評が飛び出して(「スイフト・ボート事件」)選挙戦を左右したと言われています。 また、2012年の場合は、ハリケーン「サンディ」が10月末に大きな被害を出した際に、現職のオバマが復興支援に動けたのに対して、挑戦者のロムニーは何も出来なかったことが勝敗に影響したと言われています。 そうした「魔の10月末」ということでは、何と言っても記憶に残るのが2016年の場合です。この時はまずトランプの「わいせつ発言疑惑」つまり「自分はミスコンの主催者だから楽屋は覗き放題」だとか「女性に触り放題」などという会話のビデオが出て、これで彼も「終わり」と思われたのですが、その後に「ヒラリーの第二次メール疑惑」というのが飛び出して、こちらの方が大きな影響を持ったと言われています。 その「魔の10月末」が今回の中間選挙でも起きつつあるようです』、「魔の10月末」があるというのでは、米国の選挙は最後まで目が離せないようだ。
・『まず先週末から今週の初頭にかけての「1つ目」は、中部アメリカのホンジュラスから出発した「移民キャラバン」という問題です。ホンジュラスでは、経済の低迷と、麻薬ギャングの暴力が深刻化しており、多くの国民が「生命の危険」を避けるために、難民として国外脱出を続けています。 そんな中で、登場したのが「中米移民キャラバン」という市民団体でした。彼らはSNSを通じて「キャラバン隊」を編成して、メキシコ経由でアメリカを目指す運動を行っています。この団体が有名になったのは、今年、2018年の3月から4月にかけてでした。この際の「キャラバン隊」は、メキシコ移動中はそれほど大きなニュースにはならなかったのですが、4月にアメリカとの国境の町であるティファナに着いて、難民申請を出すことになって大きなニュースになっています。国境の状況が連日報道された中で、トランプ政権は越境を拒否しており、難民や支援者の中には逮捕者も出ています。 半年後のこの10月、第二回の「移民キャラバン」が企画されました。今回は、第一回とは様子が違いました。まず規模が大きく、ホンジュラスから途中のグアテマラに入った後には4000人に膨れ上がっていたのです。メキシコへの国境を越えた頃には、5000名ということになっていました。 それとともに、前回とは全く違う大規模な報道がされていたのです。アメリカのケーブルTVや三大ネットワークは、徒歩移動するキャラバン隊に同行取材の体制を組んで、連日報道したのでした。先週末から今週の初頭には、連日トップ扱いになっていました。 キャラバン隊や多くのメディアの思いは単純なものだと思います。つまり「アメリカの中間選挙に合わせて行動を起こすことで、アメリカの世論に人道危機を知ってもらいたい。トランプの移民政策にストップをかけて欲しい」という思いです。選挙のタイミングに合わせた行動には批判もありますが、少なくとも主催者の思いは分からないでもありません。 ところが、今週の半ば、23日の火曜日から24日の水曜日ぐらいまでは、全く逆の効果、まさに政治的には逆効果としか言いようのない現象がアメリカでは起きていました。そもそも、トランプ政権のこの「キャラバン」への対応は一貫していました。 これまでの発言などを確認しておきますと、「(移民の送出国である)ホンジュラス、エル・サルバドル、ニカラグアの3カ国の政府には援助を停止する」「民主党はこうした移民を歓迎しているので許せない」「アメリカには絶対に入国させない。入国阻止のために軍を出動させる」「キャラバンにはアラブのテロリストが入っていて危険」というのがその主張です。これはデマの類と思いますが、この「移民キャラバン」に資金提供をしているとして、投資家のジョージ・ソロス氏へは「小包爆弾」が送られたなどという物騒な話もあったぐらいです』、確かに、第二回の「移民キャラバン」は規模が大きく、ジョージ・ソロスが資金提供したのではとの噂もうなずける。しかし、明らかに逆効果で馬鹿なことをしたものだ。
・『更に、これは25日の時点ですが、トランプ政権の閣僚であるキルステン・ニールセン国土保安長官は、FOXニュースのインタビューに対して、「軍が国境を警備する中で、キャラバン隊への発砲を行う可能性」について問われたところ、「移民が暴徒化した場合など、正当な理由があれば(発砲する)」という示唆もしています。 とにかく、この24日の時点までは、トランプ大統領とトランプ派の候補たちは「移民キャラバンを絶対に許さない。絶対に国内に入れない。これに反対している民主党は許せない」というキャンペーンを「一方的に盛り上げ」ていたのでした。 ところが、24日から25日にかけて状況に変化が生まれます。まず、キャラバン隊の方ですが、アメリカから駆けつけたボランティアなどが「時期が悪い。難民を救えないどころか政治的には逆効果になっている」として、解散する方向に説得を開始したようなのです。その結果として、5000人のキャラバンが、一部報道では1000人まで減ったという説も出てきています』、難民への食事提供などは沿道の住民たちがしているのかと思っていたが、「アメリカから駆けつけたボランティア」がやっていたとは・・・。しかも、政治的に逆効果として解散させようとしているとは無責任で、難民たちこそ道具に使われた被害者だ。とんでもない愚行である。
・『更に、この週には、前述のソロス氏だけでなく、NY市内のコロンバス・サークルにあるCNNのビルをはじめ、オバマ夫妻、クリントン夫妻、バイデン夫妻など名だたる民主党の政治家たち、そしてトランプ批判を続けている俳優のロバート・デ・ニーロなど著名な「アンチ・トランプ」の人々に対して、小包爆弾が送りつけられるという事件が多発していました。 CNNのビルでは、全員を避難させて爆発物取締班が処理活動を行うというようなことが、一週間に2回も起きるという事態になっています。これを受けて、25日ごろからトランプ大統領は、急に「国内融和」ということを言い出したのです。 そんな中で、26日(金)フロリダ州メルボーンで、一人の男が逮捕されました。 名前は、シーザー・サヨックという56歳の男性で、大学に二回入学したものの結局は卒業できずに、親元で暮らし、最後は両親からキックアウト(日本でいう勘当というところでしょうか)されて白い自動車(バン)を寝場所にしていたという人物でした。 報道によれば、生活の糧を得ていたのは男性ストリッパーの仕事で、ボディビルを続けており、プロレスラーを志望しているものの、年齢を重ねる中でその可能性が薄くなっていたのを悩んでいたそうです。そして、このサヨックという男は、熱心な「トランパー(トランプ派)」でした。 まず、寝泊りしていたバンには、「トランプ礼賛」のステッカーや写真がベタベタ貼ってあり、また「CNN批判」のスローガンもあり、異様な状態になっていました。FBIは、車両を証拠として押収してレッカー移動する際には、ブルーシートをかけていましたが、その前に各メディアはこの「異様なステッカーだらけの状態」を撮影していますから、今となっては隠しようもありません。 また、2017年に大統領が来て行われた政治集会には、「CNNを潰せ」という大きなプラカードを持って参加している写真があります。更には、ツイッターには、トランプを礼賛し、今回の一連の事件でターゲットになっていた人々への批判を繰り返していたのでした。 移民キャラバンがトランプ派の「ヤラセ」という噂があったように、今回の小包爆弾騒動も、一部にはリベラル派のヤラセという噂もありました。ですが、これでトランプ派の犯行ということは明らかとなりました』、「移民キャラバンがトランプ派の「ヤラセ」という噂」まであるとは、真相は完全に闇のようだ。
・『興味深かったのは、26日のFBIの記者会見です。本来であればFBIの会見でいいものを、セッションズ司法長官がわざわざ出てきて「これは政治的、党派的動機の犯罪」と断言したのです。また、FBIのレイ長官は「ニセの爆弾ではない」と明言していました。司法省は「正直ベース」で深刻視することにしたようです。 このFBIの会見の際には、ケーブル・ニュース局だけでなく、三大ネットワークも午後の通常番組を中断して特番を組んでいました。中でもCNNは自分たちがターゲットになっていたこともあり、強い批判報道を続けています。 さて、これは複雑な状況となってきました。この「トランプ派による小包爆弾事件」は政治的なモメンタムの転換になるのでしょうか? とりあえず、投票日までは「週末が2回」あります。近所の人や家族との雑談のネタになるチャンスは2回ありますし、日曜の政治討論番組や、新聞の週末特集もまだ2回あります。こうした事件を契機として、投票行動が動くだけの時間はあります』、よくぞ次々と事件が起こるものだ。
・『1つの可能性は、共和党には不利に働くという流れのシナリオです。例えば、これで極端なトランプ派候補は中道票を取り逃すという可能性は否定できません。流石にエキセントリックな右派ポピュリストは危険だとして敬遠される、そんな可能性です。 例えばですが、犯人の地元フロリダの知事選と上院選には影響はあると思います。 また、トランプ大統領は、これから先は「過激な政敵叩き」は封印せざるを得ないでしょう。「感情論を煽る手法が爆弾テロ事件を生んだ」という批判を浴び、自身が「世論の和解を」などと言った以上は、この手は当分使えません。そうなると、残り10日間の遊説効果などは変わってくると思います。 決定的なのは、「移民キャラバンがトランプの追い風」という現象が「このニュースで上書きされた」ということです。キャラバンそのものが解散へ向かっているという要素もあると思いますが、一旦は「反移民モメンタム」で盛り上がっていた流れには完全に水がさされました。 もう1つの可能性は、影響は意外に限定的というシナリオです。例えば、トランプ大統領自身が「分断ではなく、国民の和解を」などと言っても、そんなに説得力は持たないわけです。それは説得力がないから信用されないのではなく、支持派にしてみれば「事件の余波でイヤイヤ言っているだけ」ということになり、別に失望も反省もしないし、影響は少ないという可能性です。 興味深いのは、サヨック容疑者の「家族の弁護人」が出した声明です。その声明によれば、「容疑者は、(破綻した親子関係、破綻した人生の帰結として)ドナルド・トランプに父性を見出し、狂信的になっていった」という説明がされています。現在の世相、そして、この人物の何とも言えない経歴を考えると、不思議に納得させられてしまう説明です。勿論、罪は許せないにしても、こうした説明をされると、中道から右の人には「爆弾テロ未遂」という凶悪事件でありながら、元凶とも言えるトランプへの憎しみは感じない、そんなことになるかもしれません』、爆弾テロ事件の見方がこれだけ分散しているとは、難しいものだ。
・『反対に民主党の方は「激怒モード」でトランプ批判を加速するかもしれませんが、それはそれで「分裂の片棒を担ぐ」ことになるわけで、中道派、つまりトランプへの消極的批判票などを取れるかというと、投票行動への影響は限定的という可能性もあります。いずれにしても、犯人逮捕というドラマが、どのような政治的リアクションを生むのかは、週明けの29日以降の動向にかかって行くことになります』、投票日前にこれだけ波乱があるとは、いくら「魔の10月末」とはいえ、なかなか興味深いことだ。投票結果が楽しみだ。
タグ:冷泉彰彦 アメリカの中間選挙 トランプ大統領 JMM (その36)(冷泉氏:中間選挙直前、激しい動きの中で) 「「中間選挙直前、激しい動きの中で」 from911/USAレポート」 夏場までに下院の形勢を逆転。現時点での焦点は上院過半数の行方に 下院を民主党が制すると下院議長や各委員会の委員長が民主党に行くので、ホワイトハウスとの関係は「ねじれ議会」になる それどころか弾劾の発議が可能になる 9月に入ってから 、「トランプと福音派」「トランプと共和党主流派」という水と油の関係が「結束」に向かうと同時に、大統領の支持率が上昇 下院の情勢は民主党優位で変わらず。一方の上院は、ジリジリと共和党有利という展開に 10月20日頃までの状況 「魔の10月末」 だいたい10月の末ギリギリに「何か」が起きるわけです 「移民キャラバン」 第二回の「移民キャラバン」 5000名 ケーブルTVや三大ネットワークは、徒歩移動するキャラバン隊に同行取材の体制を組んで、連日報道 キャラバン隊や多くのメディアの思いは単純 中間選挙に合わせて行動を起こすことで、アメリカの世論に人道危機を知ってもらいたい。トランプの移民政策にストップをかけて欲しい 今週の半ば、23日の火曜日から24日の水曜日ぐらいまでは、全く逆の効果、まさに政治的には逆効果としか言いようのない現象がアメリカでは起きていました 「移民キャラバン」に資金提供をしているとして、投資家のジョージ・ソロス氏へは「小包爆弾」が送られた トランプ大統領とトランプ派の候補たちは「移民キャラバンを絶対に許さない。絶対に国内に入れない。これに反対している民主党は許せない」というキャンペーンを「一方的に盛り上げ」ていたのでした アメリカから駆けつけたボランティアなどが 解散する方向に説得を開始したようなのです 5000人のキャラバンが、一部報道では1000人まで減ったという説も出てきています 名だたる民主党の政治家たち、そしてトランプ批判を続けている俳優のロバート・デ・ニーロなど著名な「アンチ・トランプ」の人々に対して、小包爆弾が送りつけられるという事件が多発 サヨックという男は、熱心な「トランパー(トランプ派)」 移民キャラバンがトランプ派の「ヤラセ」という噂があったように、今回の小包爆弾騒動も、一部にはリベラル派のヤラセという噂もありました FBIのレイ長官は「ニセの爆弾ではない」と明言 1つの可能性は、共和党には不利に働くという流れのシナリオ 流石にエキセントリックな右派ポピュリストは危険だとして敬遠される、そんな可能性 決定的なのは、「移民キャラバンがトランプの追い風」という現象が「このニュースで上書きされた」ということです もう1つの可能性は、影響は意外に限定的というシナリオ 「家族の弁護人」が出した声明 ドナルド・トランプに父性を見出し、狂信的になっていった 犯人逮捕というドラマが、どのような政治的リアクションを生むのかは、週明けの29日以降の動向にかかって行くことになります
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