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沖縄問題(その9)(普天間基地 辺野古への移設が「唯一の解決策」ではない理由、沖縄米軍基地問題が「対岸の火事」ではないことのこれだけの根拠 沖縄の海兵隊は内地からの押しつけ) [国内政治]

沖縄問題については、昨年10月7日に取上げた。県民投票も終わった今日は、(その9)(普天間基地 辺野古への移設が「唯一の解決策」ではない理由、沖縄米軍基地問題が「対岸の火事」ではないことのこれだけの根拠 沖縄の海兵隊は内地からの押しつけ)である。

先ずは、室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏が10月31日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「普天間基地、辺野古への移設が「唯一の解決策」ではない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/183823
・『普天間基地の辺野古への移転問題は、非常に複雑で分かりにくい。そこで、これまでの経緯を含めて、「問題の本質」を解説する。 普天間基地の辺野古への移転 政府の姿勢は変わらず  普天間基地(正確には普天間飛行場であるが、公文書等の表現をそのまま使用する場合を除き、本稿においては普天間基地と表記する)の辺野古移転の是非が争点の一つであった沖縄県知事選挙が9月30日に投開票が行われ、辺野古移設反対を訴えた玉城デニー候補が圧勝した。 しかし、政府、安倍政権は辺野古移設推進の姿勢を変えることなく、予定通りに移設手続きを進めていくようだ。 新たに就任した岩屋防衛大臣は、早速、沖縄県による普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋め立て承認の取り消しについて、行政不服審査法に基づく執行停止の申し立てと取り消し処分の取り消しを求める審査請求を行った。 これに対して沖縄県の玉城知事は「民意を踏みにじるもの」と反発、今後さらにエスカレートしていきそうな様相を呈している。 この普天間基地の辺野古への移転、住宅街に隣接する同基地の危険除去がその大きな理由として挙げられており、それをもって一刻も早い移転が必要であると繰り返し説明されてきた』、政府のご都合主義的な説明の嘘を暴くことには大きな意味がある。
・『実態は米軍「海外部隊の再編」の一環  まるで、日本政府が米軍に粘り強くお願いして米軍が同意してくれたかのようにも聞こえるが、在日米軍はあくまでも自分たちの戦略的な都合で、日米安全保障条約と日米地位協定という枠組みを作って、日本に基地を確保して駐留しているというのが実情である。 お願いしたからどうこうなるものではない。 要は米国側の理由で、少なくとも普天間基地から出ていくことになったということであり、実態としては米軍の「海外部隊の再編」の一環として進められてきたものだ(詳細は後述)。 しかし、あくまでも日本政府が「沖縄県民のために頑張りました」「頑張っています」ということにしておきたいのか、そんなことは一言も安倍政権関係者から公には語られることはなかったように思う。 ところが、10月7日のNHKの番組で、菅義偉官房長官が、普天間基地の辺野古移設が実現することで、在沖縄の米海兵隊約9000人がグアム等の海外の基地に移転することになると述べたようだ。 これまで、先述の通り、危険除去のための普天間基地の辺野古移転としか言ってこなかったようなものであるから、多くの反響を呼んだようだ。 これだけ聞くと、日本政府、現政権が頑張ってお願いし、交渉して、基地の移転のみならず海兵隊の移転まで確約してくれたかのようである。 まるで「辺野古に移転させれば、在沖縄の海兵隊員の数も大幅に削減される」「(海兵隊員削減により)墜落事故の危険性だけではなく、米兵による犯罪の数も激減する」といった期待まで抱かせる。結果的に「だから即刻辺野古移転を実現すべきだ」といった、もっともらしい意見も出てきそうである』、菅義偉官房長官のNHKでの説明には、安倍政権の手柄を増やすために、ここまでよくぞ嘘をつくものだとあきれた。
・『正確には米海兵隊の移転に伴う普天間基地の全面返還  しかし、普天間基地の辺野古への移転とは、正確には、一義的には在沖縄の米海兵隊のグアム等への移転に伴う「普天間基地の全面返還」であり、「普天間基地がそっくりそのまま辺野古に移転する」という話ではない。 しかも、これは10年以上前に正式に決まった話であって、現政権がどうこうしたという話ではない。 従って、菅官房長官の発言のうち、米海兵隊員のうち約9000人が沖縄から出て行くことになっているというところは、「米海兵隊員の多くが出て行く」という点についてはその通りであるが、「辺野古に移転すれば、出て行く」という話ではない。 ただし、普天間基地の全面返還と在沖縄の米海兵隊員の大規模なグアム等への移転と引き換えに、「代替施設の整備が行われること」とされており、その整備地区が辺野古周辺ということになっている。 この基地返還・米海兵隊員海外移転と代替施設の整備の関係性が「くせもの」で、本件の根幹部分に横たわってきたわけであるが、ご都合主義的に解釈・説明されることが多かった。 それがために「問題の本質」がどんどん分かりにくくなり、一般国民、特に沖縄県民の間には誤解が誤解を生んで事態を複雑化させていってしまったように思われる。 そこで、以下、直近の関連の公文書を参照しつつ、時系列的にことの本質について整理・考察してみたい。 本件は、当然のことながら、昨日今日始まった話ではなく息の長い話である。移転等の具体的な工程が正式に決まった、平成18年5月1日の「再編実施のための日米のロードマップ」(以下、「ロードマップ」という)からひもといていくこととしたい。 ロードマップが決定したのは小泉政権下(ロードマップが決定したのは小泉政権下で、日本側の担当者は麻生外務大臣および額賀防衛庁長官、米国側はライス国務長官およびラムズフェルド国防長官(いずれも当時)である。 この段階で既に「普天間飛行場代替施設」が「辺野古岬とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置」され、工法は埋め立てによることとされている(過去には沖縄県外も検討の対象とされていたようであるが、本稿の関心は代替施設の整備・運用開始と在沖縄の米海兵隊員の海外移転の関係性であり、なぜ辺野古となったのかについては立ち入らない)。 一方、この段階では「辺野古が唯一の~」といった表現は見当たらず、「この施設は、合意された運用上の能力を確保するとともに、安全性、騒音及び環境への影響という問題に対処するものである」という記載が見られるだけである(英文でも “This facility ensures agreed operational capabilities while addressing issues of safety, noise, and environmental impacts.” とされ、ある種非常にドライな表現になっている)。 また、「普天間飛行場代替施設への移設は、同施設が完全に運用上の能力を備えた時に実施される」とされ、同時に、「米国政府は、この施設から戦闘機を運用する計画を有していない」とされている。 では、海兵隊員のグアム等への移転についてはどうなっていたかというと、「約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する」と明記され、具体的に移転する部隊(第3海兵機動展開部隊の指揮部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵後方群(戦務支援群から改称)司令部、第1海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部)も記載されている。 なお、第3海兵機動展開部隊とは、米国側の略称ではIIIMEF、正式名称は3rd Marine Expeditionary Forceであり、在日海兵隊のウェッブサイトの表現を用いれば、第3海兵遠征軍である。なぜか外務省も防衛省もこの原意に即した表現を用いないのは、何か特別の理由があるのだろうか』、10年以上前の小泉政権下の「再編実施のための日米のロードマップ」に遡るというのは、すっかり忘れていたのを思い起こしてくれた。
・『関係性をより明確にしたい 強調したい意図の表れ  肝心のこれらの関係性については、「普天間飛行場代替施設への移転、普天間飛行場の返還及びグアムへの第3海兵機動展開部隊要員の移転に続いて、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となる」とされている。 「再編案間の関係」についての項では、「全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている」と明記、「特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている」「沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、(1)普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、(2)グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている」とされている。 「相互に結びついている」とされ、「懸かっている」と繰り返し記載されていると、さも普天間基地の辺野古への移転が全ての条件のように見えてしまうかもしれない。 確かに、普天間基地等の土地の返還は海兵隊員のグアム移転に「懸かって」おり、海兵隊員のグアム移転は普天間代替施設の「完成に向けた具体的進展」と移転先であるグアムにおける施設等の整備への日本政府の「資金的貢献」に「懸かっている」と、わざわざ関係性を分けて二段構えで記載しているのは、関係性をより明確にしたい、強調したい意図の表れであると考えることもできよう。 ただし、問題は「懸かっている」の意味するところである』、なるほど。
・『米国は自らの海外部隊の再編を日本政府の負担で行おうとしている?  英文のロードマップでは、「懸かっている」は “depend on”と “dependent on”という言葉が使われている。その語源等も含めて考えると、その意味するところは、端的に言えば、「日本政府の対応次第」ということであり、前提条件ではなく、ある程度突き放して「どうするか自分たち(日本政府)で考えろ」と暗に言っているか、半ば「脅し」のようなものであると考えた方がいいのではないか。 ただ、その「自分たちで考えろ」や「脅し」の対象は普天間代替施設の整備ではなく、グアムへの移転や、移転先の施設・インフラの整備等に係る巨額の費用なのではないかと思われてならない。 実際、このロードマップの段階で、総額102.7億ドルのうち、60.9億ドル(当時のレートで約7000億円)を支出することとされている。 しかも、「日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう」( “to enable the III MEF relocation, recognizing the strong desire of Okinawa residents that such force relocation be realized rapidly” )と、さも一義的には日本の問題であり、日本のための措置であるかのような、日本のための措置に米国が協力してあげているかのような大義名分まで記載されている。 つまり、米国は自らの海外部隊の再編を、沖縄問題にかこつけて日本政府の負担で行おうとしているだけなのではないか、ということである』、グアムへの移転関連費用「総額102.7億ドルのうち、(日本側が)60.9億ドルを支出」するとは、米国にとっては恩を売るだけでなく、財政的にも好都合極まりない話だ。
・『大きな変化が見られるのは特に野田政権になってから  もしそうであれば、体のいい(か悪いかは分からないが)ゆすりたかりの類と変わらないということだろう。 こうした方向性は、在沖縄米海兵隊のグアム移転に関して取り決めた、「第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(平成21年5月19日効力発生、麻生政権)においても確認されている。 これに大きな変化が見られるのは、旧民主党を中心とする連立政権に交替して以降、特に野田政権なってからである。 平成24年2月8日の「在日米軍再編に関する日米共同報道発表」では、普天間代替施設の設置場所を辺野古とすることについて、公表されている文書では初めて「唯一の有効な進め方であると信じている」とされた他、「両国政府は、再編のロードマップに示されている現行の態勢に関する計画の調整について、特に、海兵隊のグアムへの移転及びその結果として生ずる嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した」とされ、普天間代替施設の辺野古への整備をなんと独立の事象とする方向性が示された(この他、グアムに移転する海兵隊の部隊構成及び人数についても見直しが行われている)。 そして、同年4月27日の日米安全保障協議委員会共同発表(結果発表)においては、「閣僚は、~(中略)~第3海兵機動 展開部隊(IIIMEF)の要員の沖縄からグアムへの移転及びその結果として生ずる嘉手納飛行場以南の土地の返還の双方を、普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すこと」が決定され、普天間代替施設の辺野古への整備だけが独立して進められることになった。 要するに普天間代替施設の整備だけをとりあえず行うことにしたということであり、先のロードマップからすれば、(ロードマップ自体は形式上は存在していたとしても)全く別物になってしまったと言ってもいいような話なのである。 これでは何ための代替施設の整備なのか訳が分からない』、野田政権下で「唯一の有効な進め方」が入り、海兵隊のグアムへの移転も不明確になったとは、何たる弱腰外交だろう。
・『そもそも再編自体は米国側の都合での話  そもそも再編自体は米国側の都合での話なのであるし、(背景はどうあれ)日本が財政負担をするのであるから、仮に切り離すにしても、例えばまずは在沖縄海兵隊のグアム移転を求めるといった交渉は十分可能であったであろう。 それとも、それほど在沖縄米海兵隊を引き止めたいと懇願したということなのだろうか。 また、改めて、「閣僚は、キャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に建設することが計画されている普天間飛行場の代替施設が、引き続き、これまでに特定された唯一の有効な解決策であるとの認識を再確認した」と当然のごとく記載された(なお、移転する米海兵隊員の数も、それまでの約8000人から約1000人増えて約9000人とされた)。 こうした旧民主党野田政権の外交力のなさというか、外交交渉における胆力のなさが導いたある意味の負の遺産を、政権交替後の自民党安倍政権はまさか引き継ぐまいと思いきや、平成27年12月4日の「日米共同報道発表「沖縄における在日米軍施設・区域の統合のための日米両国の計画の実施」」では、普天間代替施設の辺野古への設置が、「運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念に対処し、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である」との表現が登場した。 米軍の再編話とは別物であるばかりか、まるで日本政府がお願いして普天間基地を移設してもらうかのような話に堕してしまったと言っていいだろう』、尖閣問題もあるので、「在沖縄米海兵隊を引き止めたいと懇願」したとのシナリオもありそうな話だ。
・『これでは政府に対する不信が高まっていくのも無理はない  在沖縄米海兵隊員の移転人数も、安倍政権になってからは人数が削除されて単に「第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族」(“the III MEF personnel and their dependents” )に改められている。 どの程度の規模で移転し、再編されるのかが不透明になったということである。 こうなると、本当は何のために普天間代替施設の辺野古への整備を進めようとしているのか、沖縄県民にしても分からなくなってしまうのは当然である。 政府の説明がこれだけ変わってしまっているのであれば、政府に対する不信が高まっていくのも無理はない。 こうした不信を取り除きたいのであれば、なぜ野田政権で方針が大きく変更されたのか、安倍政権に替わってからもそれが堅持され推し進められようとしてきているのか。 経緯や背景等を包み隠さず国民に、渦中の沖縄県民に説明することだろう。 その上で、わが国を取り巻く安全保障環境の変化も踏まえつつ、ロードマップに立ち返って再度整理し、本件はまき直す必要があるのではないか。 少なくとも辺野古への移設は「唯一の解決策」などではないはずなのであるから』、説得力溢れる主張で、全面的に賛成だ。

次に、作家の松永 多佳倫氏が2月25日付け現代ビジネスに寄稿した「沖縄米軍基地問題が「対岸の火事」ではないことのこれだけの根拠 沖縄の海兵隊は内地からの押しつけ」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60049
・『誤情報から生まれる基地問題への偏見  新聞で“沖縄”の活字を見れば、たいていの人が「また基地問題か」と容易にうんざりするかもしれない。正直、沖縄に関心ない人にとって、基地問題は対岸の火事にしか思えないのだろう。 戦後74年経った今も、解決策の糸口さえ見出せない沖縄基地問題だが、ネット社会の隆盛により誤情報があまりにたくさん出回っている。明らかな誤情報と判別できるものもあれば、それなりの知識がなければ簡単に鵜呑みにしてしまう巧妙なものもある。 「普天間基地が返還されると、沖縄の基地の3割が減る」「さらなる振興予算をもらうために辺野古新基地建設に反対している」「沖縄は基地経済で潤っている」こういった情報は、一般的な常識とさえなっている。ネットには、日本の国土の0.6%しかない沖縄に在日米軍専用施設区域が70.6%も集中しているという事実に対し、23%、39%という不可思議な数字がみられる。23%というのは、米軍が一時的に使う自衛隊の基地の面積を含んだ上での数字であり、39%というのは、区域面積ではなく、施設数の割合を示している。沖縄の基地負担を数字のマジックで軽減させようとする魂胆が見え見えだ。 ネットでは、相変わらず「普天間基地が沖縄からなくなると中国が攻めてくる」といった類の書き込みが目立つが、沖縄県の14.7%に相当する駐留米軍基地の面積は18822.2ヘクタールあり、480.6ヘクタールの普天間基地は、基地面積全体の約2.5%にすぎないということをどれだけの人が知っているだろうか。 普天間基地を東京ドームに換算すると102個分となり、知らない人にとってはかなりの巨大基地に思えるのかもしれない。だが、普天間基地がなくなっても、3.5キロ強の滑走路2本と羽田空港の2倍の面積を誇る極東最大の空軍基地の嘉手納基地(ちなみに嘉手納飛行場と嘉手納弾薬庫は、岩国、三沢、佐世保、横田、横須賀、厚木の6主要米軍専用施設の合計面積より大きい)と、原子力潜水艦の補給基地となっている海軍ホワイトビーチ、米国外で唯一のジャングル訓練施設の米軍北部訓練場など32施設が残り、東京ドーム3903個分という未曾有の広さの基地が残っているのだ。普天間基地が返還されても米軍にとって痛くも痒くもないはずだ。 中国からの脅威についても、通常、海上保安庁や海上・航空自衛隊が、中国の戦艦や航空機の監視警戒にあたっており、米軍の場合だと、嘉手納空軍基地の電子偵察機や対潜哨戒機などが任務遂行となるため、普天間基地がなくなっても何の支障もない。普天間基地という単語がメディアに大きく取り上げられすぎて、嘉手納基地と普天間基地が混同、もしくは嘉手納基地自体を忘れ去られているのか』、普通の人にとっては、沖縄への旅行は1,2回程度で、心理的にも「遠い」印象があるため、誤解も多い。それを解きほぐそうとの本稿は興味深い。
・『普天間基地の土地に関する誤情報  「普天間基地は、もともと田んぼの中にあり、周りは何もなかった」「商売になるとわかると、みんな何十年もかかって基地の周りに住みだした」 2015年6月25日、ベストセラー作家の百田尚樹氏が自民党若手国会議員の勉強会でこのように発言したことは大きな波紋を広げ、宜野湾市の住民が烈火のごとく怒りを示したのはまだ記憶に新しい。真意はどうであれ、有識者でありながら公式の場でなぜこのような発言をするのだろうか。 普天間飛行場の土地は元々92%が民有地であり、戦前、村役場や宜野湾国民学校や、南北に渡って宜野湾並松という街道が走る生活の中心地だった。1944年、宜野湾村には22の字があり、人口は1万3,635人。1945年上陸した米軍が、「銃とブルドーザー」で住民を収容所に入れて強制隔離して土地を接収し、家々をブチ壊し、田畑を潰して、14の字にまたがる宜野湾村の中心地に基地を造り始めた。 その14の字には8,880人の人々が住んでいた。先祖代々の土地を否応なしに奪われた住民は、基地の周辺に住むほかなかった。先祖崇拝の意識が強い沖縄の人々にとって、理不尽なやり方で先祖代々の土地を奪われることは身を切られる思いだったに違いない。住民の先祖が眠る墓や御願所は基地内にあり、今でも許可なしでは入ることができない不条理がまかり通っているのだ』、百田尚樹は、普天間基地について、よくぞこんなデマを恥ずかし気もなくついたものだ。作家であれば歴史を勉強してから発言すべきだろう。
・『「基地に反対するのは中央から金をせしめるためだ」といった声が内地から聞こえてくる。だが、彼らが基地返還を望む一番の理由は、無理矢理奪われた先祖代々の土地を返してほしいからだ、自由に先祖の墓に参りたいからだ。当然だろう。そして、飛び交う米軍機による騒音や事故、米兵による犯罪に怯えることなく安全に暮らしたいと思っている。普天間が返還されても、辺野古に新基地ができたら、その負担と危険性を押し付けてしまうことに憂いている。だから、反対するのだ。何よりも未来の子どもたちが安心して暮らせる沖縄にしたい思いが根底に宿っている。 普天間基地は74年前に沖縄戦で軍事占領され、今も奪われたままの土地なのだ。 「奪った土地に基地を造り、そこが老朽化したから新しい土地をよこせ。嫌なら代わりの案を出せ、というのは理不尽で、政治の堕落だ」翁長元知事はこう叫んだ』、翁長元知事の主張は正論だ。
・『地上戦部隊“海兵隊”の押し付けこそが元凶  海兵隊とは、いわゆる地上戦部隊であり、最前線で戦う最も危険な任務を遂行する部隊だ。 沖縄に在沖米軍の施設が32ある中で海兵隊の施設は11、面積は全体の66.9%を占め、軍人数は15,356人で全体の57,2%を占めている。この海兵隊は戦時中からずっと沖縄に駐留しているわけではない。 1950年に勃発した朝鮮戦争の休戦を機に、米軍海兵隊約16,000人をキャンプ岐阜(現・航空自衛隊岐阜基地)、山梨県と静岡県にまたがるキャンプ・マックネア、キャンプ富士(現・陸上自衛隊北富士演習場周辺)に配備するが、度重なる海兵隊員の不祥事(殺人や暴行、強姦、発砲事件など)によって住民の基地反対運動が起こり、ちょうどその時期に内地の米軍基地の整理縮小の流れを受けて、1956年2月、内地から沖縄に海兵隊の移駐が始まったことが起源となっている。 「名古屋に住んでいるとき、岐阜の各務ヶ原飛行場にブルーインパルスを見に観光バスで行ったんですが、バスガイドさんが『もともとは米軍の海兵隊が駐留しておりましたが、住民運動によって移設されました』と誇らし気に言うのには驚きました。 住民運動で米軍基地を追い出したことを誇りに思うのはいいですが、その基地がアメリカ本土に帰ったんじゃなくて、沖縄に押し付けられたことにはまったく配慮がないんです。他の県では住民運動で基地が撤廃されるのに、なぜ沖縄にはそれが許されないのか、憤りを覚えます」(沖縄出身の元大学准教授) 1970年代初頭に内地で基地を大幅に縮小される代わりに、沖縄では基地の固定化が進み、特に内地に散らばっていた海兵隊を沖縄に統合したような形となった。それから約半世紀、内地の人たちはその事実を忘れ去り、また若い世代はその事実まったく知らず、米軍基地のほとんどは最初から沖縄に集中していたと思っている。内地の人々は、過去に厄介ごとを沖縄に押し付けた歴史があることを、もう一度認識すべきだろう』、私も恥ずかしながら、「内地に散らばっていた海兵隊を沖縄に統合したような形となった」というのは知らなかった。これでは、沖縄の人々が怒るのも当然だ。こうした歴史的経緯はマスコミももっと取上げるべきだろう。
・『なぜ、沖縄に基地を置かなくてはならないのか? その根拠をきちんと説明できた政治家、官僚など誰一人としていない。 2005年3月18日、大野功統防衛庁長官は民放テレビで「歴史的にあそこ(沖縄)にいるからだ」と、つい本音が出してしまった。言い換えれば、ただ長年駐留しているのだから居続けてもらうのも仕方がないじゃないかということだ。 2012年12月25日には、森本敏防衛大臣が閣議後の会見で、普天間飛行場の移設先について、「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ」と、辺野古沖に移設案は政治的な状況によるものだと発言したり、また、2014年3月には、中谷元防衛大臣が、大学生のインタビューの中で、沖縄への米軍基地集中について「分散しようと思えば九州でも分散できるが、(県外の)抵抗が大きくてなかなかできない」と答えている。 さらに、2018年9月13日沖縄タイムスの一面に、『石破氏 政治的理由を認める』という記事が掲載された。自民党の石破茂が自身の公式サイトに、沖縄に基地が集中した経緯について、「1950年代、反米基地闘争が燃えさかることを恐れた日本とアメリカが、当時まだアメリカの施政下にあった沖縄に多くの海兵隊の部隊を移したからだと聞いている」として政治的要因を認める発言をしたが、9月16日までにその部分は削除された。この発言は、内地の新聞、テレビではほとんど報道されなかった。 これらの閣僚の発言は「海兵隊というお荷物を沖縄にならまとめて置いておける」と言っているのと同じことで、沖縄の中で、米軍関係者による殺人や暴行、強姦といった事件や事故が多発していて、何が“抑止力”だと言いたい!』、石破茂が、「1950年代、反米基地闘争が燃えさかることを恐れた日本とアメリカが、当時まだアメリカの施政下にあった沖縄に多くの海兵隊の部隊を移したからだと聞いている」、との発言はさすがに削除されたようだが、真実を突いているのかも知れない。
・『日米地位協定は、法治国家であることの放棄  米兵が事件事故を起こすと、必ず議論となるのが、“日米地位協定”である。この協定の何が問題なのか? 琉球大学人文社会学部の星野英一教授に聞いた。「地位協定の中で一番問題となるのは、裁判権と原状回復義務ですが、地位協定の中で検討すべきことの一つは刑事裁判権の問題です。特に、裁判権において公務執行中の作為または不作為から生じる罪においては、軍隊の構成員または軍属に対して米軍が優先的に裁判権を有するとされ、つまり日本国内でありながら日本の法令は適用されず、外交官以上の治外法権が保証されていると言えます。 日本側が裁判権を行使する場合でも、被疑者の身柄が米国側にあるときは、起訴までの期間、身柄が引き渡されないため十分な捜査ができないという問題点が生じます。1995年の沖縄米兵少女暴行事件の後、運用についての改善が検討されましたが、結局52年間、日米地位協定自体の改定は一度も行われていません」 よく知られていることだが、基地内は治外法権、公務中での事件事故に関して第一次裁判権はアメリカにあるということだ。米軍内の無法者にとって沖縄の基地勤務はバカンス気分であり、犯罪を犯しても基地に逃げ込めば何とかなると思っている有象無象の輩がたくさんいる。 「犯罪を犯した米兵は、なぜ彼らは基地へ逃げるのか。それは身柄を日本の警察に引き渡されることはないからです。自分の命を捧げるため軍に入ったのに、その軍がわざわざ差し出すはずがない。彼らがどんな犯罪を犯そうと“地位協定”に守られてしまうということなんです。在日米軍は“日本を守る”と言っても、“日本人を守る”とは言ってないですから」(大手新聞沖縄支局記者)。 沖縄の歴代知事はずっと地位協定の改善を求めてきたが、日米政府は“運用改善”という曖昧な言葉でやり過ごしてきた。 同じように米軍が駐留するドイツやイタリアでは、基地内でも国内法が適用され、主権がきちんと認められているのに、日本では、捜査権にひとつとってみても、アメリカの同意がなければ、何も手も足も出せない状態となっている。勘違いしないでほしいのは、これは、沖縄県内だけのことではなく、日本中どこでも同じ。平成に入ってから横須賀や佐世保で米兵が強姦事件を起こしたときも、犯人はまんまと逃げきっている。 中学、高校で習う日本史では、1894年、日本に在住する列強の外国人に認められていた治外法権が、睦奥宗光外相によって撤廃されたと教えられるが、そこは、1945年以降、現在でも、米軍関係者には治外法権が認められていると、正しく教えるべきではないのか。 ここ10年間に地位協定に関して、ドイツでは三度、韓国は二度、そしてイタリアも改定してきた経緯があるのに、日本はいまだ52年間一度も改定されていない。政府関係者は、「環境に関してや軍属の定義についても補足協定しており、他国に比べて根本を改定する必要がない」との見解を出している。 1995年、北谷で起きた米兵3人による少女暴行事件で反基地感情が一気に高まり、沖縄県民が一体となって改定を強く求めたが、日米政府は「殺人と強姦」については、起訴前の身柄引き渡しに「好意的配慮を払う」という誤魔化しの表現を使って、“協定の運用改善”とお決まりの言葉で濁し、改定までは至らなかった。 森本敏元防衛大臣が正月のテレビ番組でこんなことを言っていた。「一番沖縄が強く主張するのは、たとえば米軍用機で事故があったとき、アメリカに第一次裁判権かつ第一次捜査権もあるため日本の警察は現場に入れないというのはおかしいと。そこで地位協定には書かれてないんですが、沖縄国際大学にヘリが落ちて以来、新しいルールを作って、ある一定の区域に内周境界線を設けて米軍が第一次に捜査できる以外にも日本の捜査当局もアメリカの許可を得て入ることができるようになった」 さも、日本は日米地位協定の改定に真剣に対応しているように聞こえたが、実際に改定されてない以上、すべて米軍に裁量がある。米軍が「NO!」と言えば何もできない。これではまったく意味を要さない。 本当に、日本は独立した主権国家なのだろうか。対等な主権国家という矜持があるならば、声を大にして要求しなければ不備も不平等も改善されるはずがないのに、なぜか黙っている。 アメリカも命を懸けて働く軍人、軍属を守らなければならないお家事情があり、地位協定に簡単に触れられないのもわかる。でも、同じ敗戦国のイタリア、ドイツができて、なぜ日本はできないのか。 「沖縄に基地があるのは仕方がない」という観念が人間の身体に病巣のように蝕むことが一番の危険なことであり、ますます混迷する事態を生ずる。まず人の痛みを感じることから平和が生まれるのではないだろうか。日米地位協定、ひいては沖縄基地問題は決して対岸の火事ではないことを、内地の人々にもぜひわかってほしい』、同じ敗戦国のイタリア、ドイツでは、米軍「基地内でも国内法が適用され、主権がきちんと認められている」のに、日本では「治外法権」状態にある。「ここ10年間に地位協定に関して、ドイツでは三度、韓国は二度、そしてイタリアも改定してきた経緯があるのに、日本はいまだ52年間一度も改定されていない」、などというのでは、日本は主権国家とはいえない。対米配慮もここまでくると、完全な行き過ぎだ。主張すべきは主張する姿勢が大切だ。ただ、トランプ大統領出現の前に、問題提起をしておくべきで、現在はタイミングが悪過ぎるのかも知れない。
タグ:石破茂 百田尚樹 沖縄問題 ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス 菅義偉官房長官 室伏謙一 (その9)(普天間基地 辺野古への移設が「唯一の解決策」ではない理由、沖縄米軍基地問題が「対岸の火事」ではないことのこれだけの根拠 沖縄の海兵隊は内地からの押しつけ) 「普天間基地、辺野古への移設が「唯一の解決策」ではない理由」 実態は米軍「海外部隊の再編」の一環 在日米軍はあくまでも自分たちの戦略的な都合で、日米安全保障条約と日米地位協定という枠組みを作って、日本に基地を確保して駐留しているというのが実情 米軍の「海外部隊の再編」の一環 日本政府が「沖縄県民のために頑張りました」「頑張っています」ということにしておきたいのか、そんなことは一言も安倍政権関係者から公には語られることはなかったように思う NHKの番組 普天間基地の辺野古移設が実現することで、在沖縄の米海兵隊約9000人がグアム等の海外の基地に移転することになると述べた 正確には米海兵隊の移転に伴う普天間基地の全面返還 普天間基地の全面返還と在沖縄の米海兵隊員の大規模なグアム等への移転と引き換えに、「代替施設の整備が行われること」 その整備地区が辺野古周辺ということになっている 「再編実施のための日米のロードマップ」 小泉政権下 米国は自らの海外部隊の再編を日本政府の負担で行おうとしている 総額102.7億ドルのうち、60.9億ドル(当時のレートで約7000億円)を支出する 米国は自らの海外部隊の再編を、沖縄問題にかこつけて日本政府の負担で行おうとしているだけなのではないか 大きな変化が見られるのは特に野田政権になってから そもそも再編自体は米国側の都合での話 普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である」との表現が登場 政府の説明がこれだけ変わってしまっている 松永 多佳倫 「沖縄米軍基地問題が「対岸の火事」ではないことのこれだけの根拠 沖縄の海兵隊は内地からの押しつけ」 誤情報から生まれる基地問題への偏見 「沖縄は基地経済で潤っている」 日本の国土の0.6%しかない沖縄に在日米軍専用施設区域が70.6%も集中 23%、39%という不可思議な数字がみられる。23%というのは、米軍が一時的に使う自衛隊の基地の面積を含んだ上での数字であり、39%というのは、区域面積ではなく、施設数の割合を示している。沖縄の基地負担を数字のマジックで軽減させようとする魂胆が見え見え 沖縄県の14.7%に相当する駐留米軍基地の面積は18822.2ヘクタールあり、480.6ヘクタールの普天間基地は、基地面積全体の約2.5%にすぎない 米軍の場合だと、嘉手納空軍基地の電子偵察機や対潜哨戒機などが任務遂行となるため、普天間基地がなくなっても何の支障もない 普天間基地の土地に関する誤情報 普天間基地は、もともと田んぼの中にあり、周りは何もなかった 商売になるとわかると、みんな何十年もかかって基地の周りに住みだした 1944年、宜野湾村には22の字があり、人口は1万3,635人。1945年上陸した米軍が、「銃とブルドーザー」で住民を収容所に入れて強制隔離して土地を接収し、家々をブチ壊し、田畑を潰して、14の字にまたがる宜野湾村の中心地に基地を造り始めた 奪った土地に基地を造り、そこが老朽化したから新しい土地をよこせ。嫌なら代わりの案を出せ、というのは理不尽で、政治の堕落だ 地上戦部隊“海兵隊”の押し付けこそが元凶 沖縄に在沖米軍の施設が32ある中で海兵隊の施設は11、面積は全体の66.9%を占め、軍人数は15,356人で全体の57,2% キャンプ・マックネア、キャンプ富士 度重なる海兵隊員の不祥事(殺人や暴行、強姦、発砲事件など)によって住民の基地反対運動が起こり、ちょうどその時期に内地の米軍基地の整理縮小の流れを受けて、1956年2月、内地から沖縄に海兵隊の移駐が始まったことが起源 地の人々は、過去に厄介ごとを沖縄に押し付けた歴史があることを、もう一度認識すべきだろう 「1950年代、反米基地闘争が燃えさかることを恐れた日本とアメリカが、当時まだアメリカの施政下にあった沖縄に多くの海兵隊の部隊を移したからだと聞いている」 日米地位協定は、法治国家であることの放棄 裁判権において公務執行中の作為または不作為から生じる罪においては、軍隊の構成員または軍属に対して米軍が優先的に裁判権を有す 基地内は治外法権、公務中での事件事故に関して第一次裁判権はアメリカにある 同じように米軍が駐留するドイツやイタリアでは、基地内でも国内法が適用され、主権がきちんと認められている ここ10年間に地位協定に関して、ドイツでは三度、韓国は二度、そしてイタリアも改定してきた経緯があるのに、日本はいまだ52年間一度も改定されていない
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