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漁業(その4)(ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通 暴力団が深く関与する実態、WTO判決「必死の韓国」に敗北した 日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた、国際感覚から乖離した日本の官僚 大丈夫か?【橘玲の日々刻々】) [外交]

漁業については、昨年1月23日に取上げた。久しぶりの今日は、(その4)(ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通 暴力団が深く関与する実態、WTO判決「必死の韓国」に敗北した 日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた、国際感覚から乖離した日本の官僚 大丈夫か?【橘玲の日々刻々】)である。

先ずは、昨年10月19日付けダイヤモンド・オンライン「ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通、暴力団が深く関与する実態 『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 』」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/182710
・『裏社会のノンフィクションはこれまで何冊も読んできたが、最も面白みを感じるのは無秩序のように思える裏社会が、表社会とシンメトリーな構造を描いていることに気付かされた時だ。 しかしここ数年は暴対法による排除が進み、ヤクザの困窮ぶりを伝える内容のものばかり。相似形どころか、このまま絶滅へ向かっていくのかとばかりに思っていた。だから彼らがこんなにも身近なところで、表社会とがっちりスクラムを組んでいるとは思いもよらなかったのである。 本書『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 』は、これまでに数々の裏社会ノンフィクションを描いてきた鈴木智彦氏が、サカナとヤクザの切っても切れない関係を、足掛け5年に及ぶ現場取材によって描き出した一冊だ。 これまでなぜか語られることのなかった食品業界最大のタブーを真正面から取り上げながら、一ミリの正義感も感じさせないのが、著者の真骨頂である。そして、もはやヤクザの世界に精通していなければ読み解けないほど、サカナの世界では表社会と裏社会が複雑に絡まりあっていた。 まず驚くのは、私達が普段手にする海産物のうち、密漁によって入手されたものの割合がいかに多いかということである。いずれも推計ではあるが、たとえばアワビは日本で取引されるうちの45%、ナマコは北海道の漁獲量の50%、ウナギに至っては絶滅危惧種に指定された今でも、その2/3ほどが密漁・密流通であるという。ニッポンの食卓は、まさに魑魅魍魎の世界によって支えられているのだ』、アワビ、ナマコ、ウナギの密漁・密流通の比重の大きさには、度肝を抜かれた。まさに「サカナの世界では表社会と裏社会が複雑に絡まりあっていた」姿には、恐怖すら感じる。
・『著者が最初に赴くのは、アワビの名産地として知られる三陸海岸。東日本大震災の影響によって監視船や監視カメラが破壊されてしまったこの地区では、密漁団にとって好都合としか言いようのない状況が出来上がっていたのだ。 密漁団と直に接触することで見えてきたのは、実際に密漁を行う人たちは巨悪の一部分に過ぎないという事実だ。当たり前のことだが、買い手がいるから売り手がおり、売り捌くことが出来るからこそ密漁は蔓延る。 欲に目がくらんだ漁業協同組合関係者、漁獲制限を守らない漁師、チームを組んで夜の海に潜る密漁者、元締めとなる暴力団…。まさに表と裏が入り乱れた驚愕のエコシステムが、そこにはあったのだ。 一般的に、密漁アワビは闇ルートで近隣の料理屋や寿司屋にも卸されるが、それだけでは大きな商いにならないため、表の業者の販路に乗せ、近場の市場にも流されていく。むろん移転を間近に控える築地市場だって例外ではない。 密漁品と知りながら正規品のように売りさばく、この行為こそが黒から白へとロンダリングされる決定的瞬間なのだ。ならば著者が次に取る行動は、ただ一つと言えるだろう。築地市場のインサイダーとなることで仲間意識を共有しながら、決定的な証拠を掴む――すなわち築地市場への潜入取材だ』、「三陸海岸。東日本大震災の影響によって監視船や監視カメラが破壊されてしまったこの地区では、密漁団にとって好都合としか言いようのない状況が出来上がっていたのだ」、言われてみれば、その通りだろう。
・『著者が築地で働き始めてすぐに実感したのは、魚河岸がはみ出し者の受け皿になっているという昭和的な世界観であった。意外に思えるかもしれないが、市場とヤクザは歴史的に双子のような存在であったという。いつの時代にも漁業関連業者の生活圏には、近くにヤクザという人種が蠢めいていたし、かつては港町そのものが暴力団に牛耳られていたような事例も本書で紹介されている。 ほどなくして著者は、密漁アワビが堂々と陳列されている姿を目のあたりにする。きっかけは、バッタリ遭遇した知り合いのヤクザからの紹介だ。そこでは、静岡県産のアワビが、「千葉県産」に偽装されていたという。一つの不正は、次の不正を生み出す。密漁品であることは、産地偽装の問題と隣り合わせでもあったのだ』、「市場とヤクザは歴史的に双子のような存在であった」、というのにも驚かされた。
・『そして本書の一番の見どころは、絶滅危惧種に指定されたウナギを取り上げた最終章にある。著者自身、ここまで黒いとは予想外であったと困惑しながらも、知られざる国際密輸シンジケートの正体へと迫っていく。ウナギ業界の病巣は、稚魚であるシラスの漁獲量が減少して価格が高騰したため、密漁と密流通が日常化していることなのだ。 特に悪質なのが密流通の方であるわけだが、輸入国の中で突出している香港にカラクリがある。そもそも香港は土地も狭く、シラスが遡上するような大きな河川もない。要は、シラス輸出が禁じられている台湾から香港を経由し、国内へ輸入されてくるのだ。 ウナギの国際密輸シンジケートを司る要のポジションに「立て場」と呼ばれる存在があるのだが、著者はそこへも赴き、「黒い」シラスが「白く」なる瞬間を目撃する。ウナギとヤクザ――2つの絶滅危惧種の共生関係は、どちらかが絶滅するまで終わらないのだろうか。 この他にも本書では、ナマコの密漁バブルや、東西冷戦をめぐるカニの戦後史といった興味深いテーマが次々に登場する。海を起点に考えると、地図上に別のレイヤーが浮かび上がってくることはよくあるが、海産物を取り巻く日本地図もまた、どちらが主役だか分からぬほど裏社会が大きな存在感を放っていた』、ここまで「裏社会が大きな存在感を放っていた」というのでは、警察など手も足も出ないだろう。
・『多くの人にとって、サカナとは健康的なものであるはずだ。しかしその健康的なものが入手されるまでの経緯はどこまでも不健全なのである。さらに季節のものを旬の時期に食べるという自然な行為の裏側は、どこまでも人工的なのだ。 サカナとヤクザを取り巻く、あまりにも不都合な真実。はたして需要を生み出している私達の欲望や食文化に罪はないのか? そんなモヤモヤした気持ちばかりが残る。だが本書では、この著者でしか書けないテーマが、この著者でしかできない手法で見事にまとまっていた。ある意味ノンフィクションとしての完成度の高さだけが、救いであったと言えるだろう』、「サカナとは健康的なものであるはずだ。しかしその健康的なものが入手されるまでの経緯はどこまでも不健全なのである」、壮大なアイロニーだが、警察はともかく、水産庁などは一体、何をしているのだろう。しかし、次の記事では、水産庁も全く役立たずのようだ。

次に、ジャーナリストの松岡 久蔵氏が4月26日付け現代ビジネスに寄稿した「WTO判決「必死の韓国」に敗北した、日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64330
・『福島第一原発事故後、韓国政府が日本の水産物に対して禁輸措置をとっていることを不当だとして日本政府が世界貿易機関(WTO)に提訴した問題で、WTOの最終審に当たる上級委員会は今月11日、一審での韓国への是正勧告を取り消した。これにより、日本は事実上敗訴した。 「通常、一審の判断が覆ることはありえない」(自民議員)だけに、日本政府にとっては青天の霹靂。事故後8年が経過しても続くアジア諸国などの禁輸措置を解除し、被災地の水産物の輸出を拡大する構想は頓挫した。 背景には日韓ワールドカップ共催や、捕鯨問題とも共通する日本外交の「押しの弱さ」がある』、ここまでくると、「押しの弱さ」というより「お粗末さ」の方が適切だろう。
・『「キツネにつままれたような…」  韓国は2011年3月の原発事故発生以降、福島など8県の水産物を一部禁輸し、さらに事故から2年半後の13年9月、禁輸対象を8県の全ての水産物に拡大して放射性物質検査を強化した。 対する日本は、科学的な安全性と、事故後に時間が経過した後で禁輸措置を強化するのは不当だとして、15年5月にWTOに提訴した。 WTOは紛争処理小委員会を設置し、18年2月、韓国の禁輸措置に対して「恣意的または不当な差別」「必要以上に貿易制限的」と判断し、韓国に是正を勧告した。しかし韓国はこの判断を不服とし、最終審の上級委員会に上訴。その結果、日本が敗訴したというのが今回の経緯となる。 上級委員会の判決文に当たる報告書によると、一審は禁輸が「不当な差別」に当たるかを判断する時、食品自体の放射線量のみを判断基準としたが、将来的に汚染に影響する可能性のある日本周辺の海洋環境などの地理的条件を考慮していなかった。この点で落ち度があるため、一審が下した「韓国の禁輸措置は不当」とする判断は誤りである、との指摘が記されている。 なお、日本食品に含まれる放射線量の水準などの分析は今回の訴訟の対象ではなく、見解を示さない旨も書かれている。 今回の結果について、自民党の水産族議員は「要するに、一審の判断基準が不十分だったので、(判断を)取り消しますということ。その根拠として、実際に韓国に輸出される食品それ自体の安全性に言及するのではなく、外部環境の話を持ち出してきた。キツネにつままれたような気分でした」と話す。 上級委員会の審理は差し戻しが不可能で、今後韓国は禁輸を是正する必要はない。日本が韓国に対して関税引き上げなどの対抗措置をとることもできなくなった』、信じられないようなブザマな失態だ。経緯をもう少し見ていこう。
・『悪しき先例ができた  今回のWTOの判断でまず困るのは、東北の被災県だ。 福島県の内堀雅雄知事は12日、「非常に残念。引き続き、科学的根拠に基づいた正確な情報発信を強化し、輸入規制解除に取り組む」とするコメントを発表した。宮城、岩手の両県知事も同日、判断結果を「残念」と発言している。 宮城県は名産のホヤの8割が韓国向けに輸出されていただけに、今年捕れた分は販路を失い大部分が焼却処分される。全国漁業協同組合連合会(全漁連)みやぎの丹野一雄会長は「ホヤがシーズンを迎える矢先のことなので、非常に落胆している。輸入再開を目指して頑張ってきたので、裏切られた思い」と失望を隠さなかった。 原発事故後、一時は世界で54もの国・地域が日本産食品に対し、禁輸や検査強化などの措置を実施したが、その後、安全性を裏付けるデータが蓄積されたことで規制撤廃の流れができた。ただ、いまだに現在でも23の国・地域が規制を設けている。 そのうち、韓国など8カ国・地域は禁輸を続けている。中国は福島など10都県の食品について輸入を認めていない。台湾は5県からの輸入を停止しており、昨年に行われた住民投票でも、禁輸の継続が支持された。 政府は韓国を「はじめの一歩」として禁輸解除に弾みをつけるはずだったが、「悪い先例を作ってしまった」(自民議員)との声もあがる』、「韓国を「はじめの一歩」として禁輸解除に弾みをつけるはず」というほど、重要な問題であったのに、日本側の取り組みは以下にみるようにおよそ能天気だったようだ。
・『「絶対勝てる」と言ってたのに  今回の上級委の判断は、前評判では日本が勝訴するとみられていたため、日韓両政府にとってサプライズ判決だった。 実際、判断前の8日には、菅義偉官房長官が記者会見で禁輸措置の撤廃について期待感を表明する一方、韓国の文成赫(ムン・ソンヒョク)海洋水産部長官は、就任前に行われた国会の人事聴聞会で「敗訴したとしても最長15カ月間の履行期間がある。この期間を最大限活用し、国民の安全と健康を最優先に、対策を講じる」と敗訴を前提に話している。 日本時間の12日未明に発表された上級委の判断は、予想を裏切る内容だっただけに、日本国内の報道機関を慌てさせた。全国紙記者は「水産庁加工流通課の担当者に取材しても、『普通に勝てるでしょ』という雰囲気でしたから、敗訴で予定稿を準備した社はどこもありませんでした。蜂の巣をつついたような騒ぎでしたよ」と振り返る。 判決に激怒したのが、自民党の水産族議員である。 WTOの判断公表後の17日、自民党は党本部で会合を開いたが、出席した議員からは外務省や水産庁に対する不満が噴出した。被災地・宮城県選出の小野寺五典前防衛相が「完全に外交の敗北だ」と吐き捨てるなど、怒号が飛び交う有様となったのだ。 外務省の山上信吾経済局長は「被災地の関係者の期待に応えられなかったことは遺憾で申し訳ない」と謝罪する一方、「日本産食品は韓国の安全基準を満たしている」との第一審の認定が維持されたことを強調した。 ただ、水産総合調査会長の浜田靖一元防衛相は「この戦いは、負けてはならない戦いであったはず。結果を出せずに言い訳を聞いても意味がない。責任をうやむやにする気はない」と政府に対し、説明と今後の対応の方針を出すよう要求した。 先の水産族の自民議員は内幕をこう明かす。 「今回は、外務省と水産庁から『絶対に勝てますから安心してください』と、山上局長、長谷成人水産庁長官ら両省幹部が直接説明に来ていたので、こちらも安心しきっていました。ですから、余計に期待を裏切られた感が高まっているのです。 しかも、今回は被災地が絡んでいる。外務省の山上局長は、捕鯨問題では二階俊博幹事長からプレッシャーをかけられていたものの、昨年末の国際捕鯨委員会(IWC)脱退を外務省サイドから仕切って首の皮をつなぎました。 しかし、今回の件で進退問題に発展する可能性がある。経済局は国民に身近な食料問題の交渉を仕切るところですから、こういうリスクは常につきまとう。ツイてなかったとしか言いようがありません」』、「IWC脱退を外務省サイドから仕切って首の皮をつなぎました」というのもおかしな話だ。脱退という最後の手段に追い込まれたこと自体が、敗北なのに、「手柄」顔をさせているとは、官邸も甘過ぎる。今回の件は責任を明確化すべきだ。
・『「ファクトがあれば大丈夫」は甘い  IWC脱退といえば、南極海での日本の調査捕鯨が2014年に国際司法裁判所(ICJ)で敗訴している。自民党捕鯨議連幹部は、今回の敗訴と捕鯨問題との類似点をこう指摘する。 「あの時も議連サイドでは『訴えて、本当に勝てるのか』という疑問があったのに対して、当時の外務省幹部が『絶対に勝てます』といって提訴した。それで負けて帰ってきたもんだから、『何やってんだ』という話になった。 外務省の連中が『こちらは科学的データはきちんとしてますから、ご安心を』と言っていたのもあの時と同じ。『お白洲の上に出れば、ファクトに基づいた公正な判断が無条件で下される』と思ってる。ナンセンスですよ。 国際社会というのは、その『公正な判断』を下す人間をいかに抱き込むかが勝負なんですから。何も進歩していない」』、「こちらは科学的データはきちんとしてますから、ご安心を」、水産庁の技官が作ったデータなど「外務省の連中」に理解できる筈はないので、「きちんとしてます」も眉ツバだろう。
・『どこで差がついてしまったのか  別の捕鯨議連幹部は、今回の上級委で判断を下す委員が本来7人いるべきところ、3人しかおらず十分が議論が行われたのか疑われることを指摘した上で、今回の敗訴についてこう分析する。 「そういう条件もあったとはいえ、韓国のロビイングに負けたということでしょう。日本は完全に勝てると油断していましたから、そりゃ負けても仕方ない。 韓国は、2002年のサッカーW杯を強引に日韓共催に持ち込んで『アジア初』の栄誉を勝ち取りました。どうもその辺りから、潘基文(パン・ギムン)国連総長の輩出、米国での慰安婦像の問題など、国際的な人脈作りやロビイングを重視するようになった。ここの違いですね」 韓国の「中央日報」日本語版は4月15日付の記事で、今回のWTOでの韓国勝訴に最も貢献したと評価される、チョン・ハヌル産業通商資源部通商紛争対応課長が「一審の敗訴を覆すために昨年末、ジュネーブのホテルにウォールーム(War Room)を設置し、3週間にわたり約20人がほとんど一日中シミュレーションをしながら対応した」と話したことを報じている。 記事によると、チョン氏は米国通商専門弁護士出身で、韓国屈指のローファームに所属していたが、昨年4月に政府に特別採用された。米ニューヨーク州立大哲学・政治学科を経てイリノイ大で法学を勉強し、法学専門修士(JD)を取得。その後、ワシントンで通商専門弁護士の資格も取得したとされる。 韓国産業部はチョン氏について「専門弁護士を外部から特別採用して今回の訴訟に専門的に対応し、我々の専門的な能力は大きく伸張した」と伝えた。 経済産業省所管の独立行政法人「経済産業研究所」は、日本の敗訴を受けて川瀬剛志・上智大学教授によるレポートを17日に公開している。 川瀬教授は「今回の敗訴が経済分野でのルール外交における日本の敗北だとすれば、中長期では広く貿易・投資の国際ルール、つまり国際経済法に関するリテラシーを底上げする必要がある」と指摘。 「概して韓国の方が通商ルールに関心が高」く、「韓国の方が(加えて言えば、中国、台湾、シンガポールも)通商分野で国際的に活躍する研究者、実務家は多く、また米国のロー・スクール(特にアメリカ人が入る正規のJDコース)に進学する学生も多いように思う」との認識を示した上で、日本の大学でこの分野の教員ポストが法学部の中で削減傾向にあり、人材を育成する体制が整っていないと言及している』、確かに韓国の外交攻勢はすさまじいが、日本側には危機感がないのも問題だ。「チョン・ハヌル通商紛争対応課長が「一審の敗訴を覆すために昨年末、ジュネーブのホテルにウォールーム(War Room)を設置し、3週間にわたり約20人がほとんど一日中シミュレーションをしながら対応」というのは、大変なことなのに、日本側は事前には掴んでいなかったのだろう。川瀬教授によるレポートは、いささか手前味噌の感も受けるが、外務省などが専門家を軽視していることも背景にあるような気もする。
・『国際社会の「野蛮さ」を認識しないと…  アジア経済を専門にする、国内証券アナリストは韓国のロビイング能力の高さについてこう分析する。 「一つの国内でマーケットを完結させるには、最低でも人口が1億人必要です。日本はその基準を超えていますが、韓国はそうではないので、海外に市場を求めざるをえません。東南アジアなどでの韓国企業の躍進も、背景にはこの事情があります。 文在寅政権になってからのナショナリズムの高まりと相まって、今回の勝利をてこに、今後韓国が国際社会での日本叩きを強めてくる可能性は否定できません」 平成のあいだ「アジアナンバーワン」の地位を享受してきた日本は、今回のWTOでの「敗訴」により、外交におけるロビイングの重要性に対する認識の甘さを露わにした。 先に引用した「中央日報」の記事にはこういう記述がある。〈チョン課長は裁判対応過程で目の中に腫瘍ができ、帰国して除去手術を受けなければいけないほど精神的ストレスが激しかったという。特に食の安全に対する韓国国民の大きな関心も負担になっていたと打ち明けた〉 この「必死さ」が、韓国の勝利につながったことに疑いの余地はないだろう。 もちろん、ここまで交渉担当者を追い込むことの是非はある。しかし、「正しいことをしている側が勝てる」「エビデンスがあれば勝てる」という甘い考えは通用しない「野蛮な世界」が国際社会の基本であることを認識して、通商ルールに通暁する専門家や国際機関の人脈・事情に通じた人材の育成を進めるなど、現実を見据えた対策を急ぐべきだ。 高齢化で日本も人口減少が進み、国力の「節目」となる1億人を切る日も遠くはない。敗北を糧として、なりふり構わぬ韓国の戦略に学ぶしたたかさが日本に求められている』、チョン課長が「目の中に腫瘍ができ、帰国して除去手術を受けなければいけないほど精神的ストレスが激しかった」、「この「必死さ」が、韓国の勝利につながったことに疑いの余地はない」というのは、危機感が欠如した日本の官僚も「爪の垢」でも煎じて飲んでほしいくらいだ。説得力の溢れた主張には、大賛成である。

第三に、作家の橘玲氏が5月7日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「国際感覚から乖離した日本の官僚、大丈夫か?【橘玲の日々刻々】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/201616
・『福島原発事故の被災地などからの水産物を韓国が全面禁輸していることについて、世界貿易機関(WTO)上級委員会が日本の逆転敗訴の判決を出しました。韓国に是正を求めた第一審は破棄され、輸入規制の継続が認められたことになります。 この報道を見て、調査捕鯨の是非をめぐってオーストラリアが国際司法裁判所(ICJ)に日本を提訴した裁判を思い出したひとも多いでしょう。「科学的根拠」を盾に日本側は強気で、首相官邸にも楽観的な予想が伝えられていたにもかかわらず、ふたを開けてみれば全面敗訴ともいうべき屈辱的な判決だったため、安倍首相が外務省の担当官を厳しく叱責したと報じられました。今回のWTO上級委員会の審査でも、日本側は第一審の勝訴で安心しきっており、予想外の結果に大きな衝撃を受けたようです。 この二つの失態で誰もが最初に考えるのは、「日本の官僚は大丈夫か?」でしょう。韓国は一審で敗訴したあと、通商の専門家を含む各省庁横断的な紛争対応チームを設置し、「こうした韓国政府の努力が反映された結果だ」とコメントしています。だとしたら日本政府は、「被災地の復興支援」のためにどんな努力をしたのでしょうか』、これは官僚だけでなく、「政治主導で頑張っているふり」をしている首相官邸の政治家も含めた問題だと思う。
・『厚労省の「統計不正」問題で暴露されたように、専門性に関係なく新卒を採用し、さまざまな部署を異動させてゼネラリストを養成するという官庁の人事システムはかんぜんに世界の潮流から取り残されています。 法学部や経済学部卒の「学士」の官僚が国際会議に出ると、そこにいるのは欧米の一流大学で博士号を取得したその分野のスペシャリストばかりです。これでは、アマチュアのスポーツチームがプロを相手に試合するようなもので、最初から勝負は決まっています。 もうひとつの懸念は、日本の政治家・官僚の感覚が国際社会の価値観から大きくずれているのではないかということです。 欧米では狩猟はかつて「紳士のスポーツ」として人気でしたが、いまでは「アフリカに象を撃ちに行く」などといおうものなら、殺人犯のような(あるいはそれ以上の)白い目で見られます。「科学的根拠」があろうがなかろうが、大型動物を殺すことはもはや許容されなくなりました。調査捕鯨を容認する判決を出したときの国際社会からの強烈なバッシングを考えれば、ICJの判断は最初から決まっていたと考えるべきでしょう。 原発被災地の水産物については、日本が生産者の立場、韓国が消費者の立場で互いの主張をたたかわせました。WTOは日本の食品の安全性を認めたとされますが、それでも韓国の禁輸を容認したのは、政府には国民=消費者の不安に対処する裁量権があるとしたためでしょう。いわば「消費者主権」の考え方で、これも世界の趨勢です。 二つの判決は、国際社会の価値観の変化を前提とすれば、じゅうぶん予想されたものでした。だとしたら問題は、そのことにまったく気づかず、唯我独尊のような態度で裁判に臨んだ側にあります。 元徴用工らの訴えに対する韓国大法院の判決に対し、与党内にはICJに訴えるべきだとの強硬論もあるといいます。裁判で決着をつけるのは自由ですが、ますますリベラル化する国際世論を考えれば、けっして楽観できないことを肝に銘じるべきでしょう・・・追記:2019年4月23日朝日新聞は、「政府説明、WTO判断と乖離」として、日本政府が根拠にしている「日本産食品の科学的安全性が認められた」との記載がWTO第一審の判決文にあたる報告書に存在しないことを報じました。国際法の専門家などからの批判を受け、外務省と農水省の担当者は「『日本産食品が国際機関より厳しい基準で出荷されている』との認定をわかりやすく言い換えた」と釈明、外務省経済局長は自民党の会合で政府の公式見解を一部修正したとのことです。ますます、「日本の官僚、大丈夫か?」という気がしてきます』、「政府説明、WTO判断と乖離」というのも驚くべき「捏造」だ。今回の問題はどこに原因があったのかを、自民党や野党は徹底追及すべきだろう。

明日12日から15日まで更新を休むので、16日にご期待を!
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