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医薬品(製薬業)(その2)(「キムリア」の薬価3000万円超でも保険財政は破綻しない、武田薬品「ホワイト企業認定返納」のお粗末な一部始終 内部資料を入手、医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 法制化も罰則もなく自主規制に頼る寒い現状、日本で世界を代表する製薬会社が育ちにくい訳 メディシノバの岩城裕一社長兼CEOに聞く) [産業動向]

医薬品(製薬業)については、3月15日に取上げた。今日は、(その2)(「キムリア」の薬価3000万円超でも保険財政は破綻しない、武田薬品「ホワイト企業認定返納」のお粗末な一部始終 内部資料を入手、医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 法制化も罰則もなく自主規制に頼る寒い現状、日本で世界を代表する製薬会社が育ちにくい訳 メディシノバの岩城裕一社長兼CEOに聞く)である。

先ずは、5月15日付け日経ビジネスオンライン「「キムリア」の薬価3000万円超でも保険財政は破綻しない」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/051500349/?P=1
・『高額医薬品として注目されていたスイス製薬大手ノバルティスの遺伝子治療薬「キムリア」(一般名:チサゲンレクルユーセル)の国内での薬価が1回の投与で3349万3407円に決まった。厚生労働省が5月15日に開催した中央社会保険医療協議会で、原価計算方式に基づいて算出した案が了承された。5月22日に保険適用され、施設基準を満たした医療機関において治療が受けられるようになる。 キムリアは患者の免疫細胞を取り出して、がん細胞に対する攻撃力を高めるために特殊な遺伝子を導入した後、細胞を増やして患者の体に移植するという製品だ。米国で2017年9月に世界で初めて承認され、日本でも2019年3月に厚労省が承認していた。 臨床試験では、通常の治療では治らなかった難治性の白血病やリンパ腫などの血液がんに対して高い有効性が確認されている。ただし、一定の割合で効かない患者がいるほか、非常に重篤な副作用が生じる場合があることが分かっている。 一方、品質や安全性を確保するために、細胞の製造は特殊な施設において様々な先端技術を動員して行わなければならず、薬価はどうしても高くなる。しかも、米ニュージャージー州にある製造施設で製造しているため、薬価を決めるのには運送コストなども考慮する必要がある。 米国ではあるタイプの白血病に対しては、治療1カ月後の効果に基づいて47万5000ドル(約5200万円)を請求するという、成功報酬払いの薬価が設定された。ちなみに、リンパ腫と呼ばれる別の血液がんにも承認されているが、こちらは37万3000ドルの価格設定で、成功報酬方式ではない。こうしたことから日本での薬価がいくらになるかが注目されていた』、興味深そうだ。
・1回の治療で治る人は治る  日本で承認されたのは、米国と同じく、あるタイプの白血病とあるタイプのリンパ腫に対してだが、2つの疾患に対する薬価は同額。成功報酬払いではない。また、治療のためには医療機関で細胞を採取し、製造施設で細胞を加工して製品を製造した後、再び医療機関で細胞を移植する必要がある。このため、医療機関での技術料として、採取については17万4400円(診療報酬としては10円=1点)、移植については30万8500円の技術料が設定された。治療を受けるにはこの技術料以外に、もちろん入院料や検査料などもかかってくる。 キムリアは5月22日に保険適用され、施設基準を満たした医療機関において治療が受けられるようになる さて、この1回3300万円超という高額薬価をどのように考えるべきか。1回のみの治療で治る人は治ってしまうことを考えると、長期間服用し続けなければならない治療薬の場合と経済負担を同列に議論することはできない。 また、日本の健康保険制度には高額療養費制度というものが存在し、世帯ごとのひと月の自己負担の上限額は所得に応じて一定の金額内に抑えられるため、患者自身が数千万円単位の負担をするわけではない。ただ、「治らなかった人まで費用を負担すべきか。米国と同様に成功報酬払いを検討すべきではないか」といった点は議論の余地があるかもしれない。 患者の自己負担に上限が設けられているということは、残りは保険財政が負担することを意味する。そうなると以前、抗がん剤オプジーボの時に議論されたように、保険財政を破綻させかねないという声も上がりそうだが、ノバルティスはキムリアの対象となる患者数をピーク時で年216人、販売金額を72億円と予想している。 しかも、安全性を確保するため、副作用が生じた場合の対応が取れるなど、実施できる医療施設は限定され、相当慎重に市場導入が図られる見通しだ。もちろん今後、他の血液がんに適応を拡大していけば患者数は増えるが、その場合には薬価を見直す仕組みも既に導入されている。「保険財政が破綻する」と身構えるのは正しくない。 もちろん、今後このような高額医薬品が続々と登場してくるとなれば、誰がどのようにして負担していくか、薬価の決め方なども含めて議論していく必要があるだろう。ただ、今回のキムリアに関しては、約3300万円の薬価で保険適用が決まり、日本でも保険診療の中でこの高度な医療を受けられるようになったことを素直に歓迎すべきだと考える』、確かに、「米ニュージャージー州にある製造施設」との間を往復するので、高くなるのはやむを得ない面はあるが、日本でも「成功報酬方式」の導入を真剣に考えるべきだろう。

次に、6月10日付けダイヤモンド・オンライン「武田薬品「ホワイト企業認定返納」のお粗末な一部始終、内部資料を入手」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/205126
・『国内製薬最大手で世界のメガファーマ(巨大製薬会社)の一つに数えられる武田薬品工業が、経済産業省が制度設計する「健康経営優良法人2019大規模法人部門(通称・ホワイト500)」の認定の返納手続きを始めたことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。このまま認定取り消しになる可能性が高く、7月1日付で発表される見通し。 健康経営優良法人(大規模法人部門)は5月1日時点で、820法人もが認定を受けており、認定返納も初めてのケースではない。それでも武田薬品の返納がニュースな点は、判明したそのお粗末な経緯だ。 法人が認定を受けるためには、健康管理に関連する法令について「重大な違反をしていない」ことが必須条件になっていた。具体的には2017年4月から申請日までに「長時間労働等に関する重大な労働基準関係法令の『同一条項』に『複数回』違反していないこと」などが課されていた。ただし自主申告のため、違反の事実を伏せて虚偽申請することも可能だ。 本編集部に6月上旬、現役の武田薬品社員から、「複数の社員が虚偽申請の事実を経産省に内部告発した」「近く認定がはく奪される予定」と憤慨する情報提供があった。本編集部の取材に対し、経産省ヘルスケア産業課は「返納があった」と説明し、経緯は非回答。武田薬品広報担当者は「虚偽申請の事実はない」と明確に否定した。ただそうであっても、後述のように、武田薬品の“残念ぶり”は変わらない』、「内部告発」で発覚したとはお粗末極まる。
・『一時はホワイト企業だとアピール  広報担当者によると、武田薬品は17年4月以降、労働基準監督署から36(サブロク)協定で定めた時間外労働限度時間を超えて労働させたとして、是正勧告を1回受けていた。前出のルール(『同一条項の違反を複数回』)には抵触しないため18年11月に申請し、今年2月に認定を受けた。 武田薬品はニュースリリースを出して、国お墨付きの“ホワイト企業”だと世間にアピールした(写真(2)、現在は削除)。 だが直後に同種の違反事案が発覚。そして4月に是正勧告を受けて『同一条項の違反を複数回』に該当する事態になったため、すぐに経産省に相談。協議の結果、6月5日に認定を自主返納する手続きに入り、同日までに社員向けに経緯を説明したという。 広報担当者は「是正勧告を真摯に受け止める」と強調。“ホワイト企業”認定返納だからといって当然“ブラック企業”に振れるわけではないといい、「コンプライアンス遵守を徹底して参ります」と神妙に話した』、申請した部署が社内の当該部署に確認を取っていなかったのであれば、信じられないような失態だ。
・『実は1年間で是正勧告4件、指導1件  一方、本編集部は武田薬品グローバルHR日本人事室名の内部文書(写真(3)、5月24日付)を入手した。そこには18年9月~19年5月にグローバル本社(東京)、大阪工場、光工場(山口)であった労基署による是正勧告4件、指導1件が記されていた。 36(サブロク)協定の時間外労働限度時間を超えて労働させたケースや、賃金不払いのケースなど。4月の是正勧告(36協定違反)も記載されていたが、加えて5月にも光工場で是正勧告(賃金不払い)があった。つまり“ホワイト企業”認定中も、残念ながら“ブラック企業”な指摘が2回もあったことになる。 武田薬品は近年、激動期にある。子会社や資産の売却、旧湘南研究所(現湘南ヘルスイノベーションパーク)の研究員リストラ、アイルランド製薬大手シャイアー買収など、社員の運命を左右する大イベントが立て続けに発生。一方で経営中枢は元メガファーマの外国人が大半を占めるようになり、年12億円もの報酬を得るクリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)を筆頭に社員との給与格差も大きくなった。 一部社員の間に経営陣への不満がマグマのように沸々と湧いているのは確か。その結果、前出の社員による本編集部への情報提供のような具体的な動きにつながっているのかもしれない。 6月27日にはシャイアー買収完了後初めての定時株主総会がある。財務体質悪化などを理由にシャイアー買収に反対していた一部創業家筋やOBから「クローバック条項」(*将来シャイアー買収による減損などがあった場合、過去に遡って取締役の責任を追及できる条項)の株主提案があり、会社側と提案者の攻防に注目が集まっている。 自業自得とはいえ、その本番を前に会社側に一つミソがついた』、株主総会では「クローバック条項」への賛成は52%になったが、出席株主の3分の2以上の賛成が必要な特別決議のため否決された。しかし、武田のガバナンスに対する投資家の厳しい視線が浮き彫りになったようだ。

第三に、内科医の谷本 哲也氏が7月21日付け東洋経済オンラインに寄稿した「医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 法制化も罰則もなく自主規制に頼る寒い現状」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/292834
・『「大手製薬会社の薬を宣伝する医師たちの“闇営業”を野放しにしたらダメだ!」 灘校(灘中学校・灘高等学校神戸市灘区)で気炎を上げ会場を大いに沸かしたのは、同校卒業生で現役医師でもある、上昌広氏と岡本雅之氏。 上氏は、医療ガバナンス研究所(以下、MEGRI)を主宰し、東日本大震災・原発事故被災地へ若手医師を派遣するなどの医療支援をする一方、医薬業界のさまざまな不正や問題について積極的に発信している。岡本氏も東大阪市で医院を開業するかたわら、Dr. Masaとしてラジオ大阪でパーソナリティー番組を持つという名物医師だ。 言うまでもなく灘校は全国屈指の有名進学校で、受験界で最難関の東大理III(医学部)にも多くの合格者を出すことで知られている。そこでこの6月末に開催されたのが、MEGRIとジャーナリズムNGOワセダクロニクル(以下、ワセクロ)共催による「灘校で語る『医師と製薬マネー』シンポジウム」だ。 折しも、吉本興業所属の芸人たち、なかでも有名お笑いタレントの宮迫博之が振り込め詐欺グループの宴会に出て100万円もらっていたという闇営業(アルバイト)が発覚して大問題になっているが、さて、「医師の“闇営業”とはなんのことだ?」と不思議に思われることだろう。まずそれについて解説しよう』、「灘校で語る『医師と製薬マネー』シンポジウム」、とは正義感が強い医師たちもいるとは、灘校もさすがだ。
・『医師の闇営業=薬の宣伝活動  医師の本来の仕事は、当然ながら患者の診療を行うことだ。医師免許を持つほとんどの医師が、医療機関で働き収入を得ている。これ以外にも大学や研究機関に勤め、研究職に就いている医師もいる。よく大学病院などでは、診療・教育・研究の3本柱が重要と言われるが、それが医師の本来の職務であることに誰も異論はないはずだ。 しかし、この診療・教育・研究活動以外にも、医師の大きな収入源になりうる活動がある。そのことは、これまで世間一般ではあまり知られていなかった。 芸人用語としての闇営業は、「芸人が所属事務所ではなく、個人的なルートを通して芸能活動を行うこと」を指す。実は、医師の世界にも似た構図があり、所属する医療・研究機関以外からもオイシイ仕事が回ってくることがある。 それは、製薬会社や医療機器メーカーから頼まれる講演会活動などだ。場合によっては、診療業務など本来の仕事で得られる収入よりもはるかに時給が高く、年間1000万円以上に及ぶ製薬会社からの副収入を稼ぎ出す著名医師もいる。すなわち、ここで闇営業にたとえられたのは、医師と製薬会社がタッグを組んで行う薬の宣伝活動のことなのだ。 吉本芸人の宮迫らは反社会勢力から金をもらっていたわけだが、こちらの場合、闇営業といえども、税務申告さえきちんと行っておけば何ら違法な活動ではない。大学など所属機関でも当然認められている。 しかし、なかには年間100件以上もこの活動に精を出す医師がいて、こうなると本来の業務(診療)は大丈夫なのか、と患者も心配になるだろう。 その懸念は当然で、国立病院など公的医療機関では年間500万円まで、大学では本給(大学教授では年間1000万円程度)を超えないこと、という内規を設けているところも多い。逆に内規がなければ、この額を超えて副業にいそしむ医師が珍しくないことを意味している』、「内規」は公的医療機関や大学だけでなく、民間医療機関でも設けるべきだろう。
・『影響力を持つ医療界幹部が闇営業で高収入を得ている  2019年6月23日、新聞2紙が一面トップでこの問題を報じた。 毎日新聞は「製薬謝礼一部に集中処方多い学会理事講演・原稿料」、東京新聞は「薬審議委員に製薬マネー医師ら6割講演料など」という大見出しで始まる記事を目にした人も多いだろう。東洋経済新報社が発行する『週刊東洋経済』も、2019年6月1日号で「クスリの大罪」と題した特集を展開した。 これらの記事では、闇営業で高収入を得ているのが、処方薬の評価や値段を決めるなど国の審議委員についている医師や、一般の医師に強い影響力を持つ医学会の幹部であることを問題視した。 「政治家とカネ」については政治資金規正法などができ、世間の目が厳しくなったが、このような“公職”に就く医師と製薬マネーの金脈問題については、これまで「業界タブー」となっていた。この事情は、拙著『知ってはいけない薬のカラクリ』(小学館新書)でも詳しく記している。 シンポジウムで、上氏、岡本氏らはこのようにも述べた。 上:製薬会社から講演料などの名目でお金をもらっていることが、最近になってようやくマスメディアでも報道されるようになりました。それについて、大学教授や学会理事など有名な医師が反論としてよく口にするのが、《産学協同の必要性》という大義名分です。 岡本:しかし、それは本当に産学協同と呼べる活動なんですか?そもそも患者のためになってますかね。本来の仕事をほったらかして、製薬会社の宣伝マンのアルバイトをやっているだけじゃないですか。 上:東大教授を頂点とするような、官尊民卑の大学病院モデルは限界にきている。東大病院も赤字垂れ流しで、今や東大のお荷物になっている。そんな窮状でありながら患者さんをほったらかしにして、大学教授が年間何十回と講演に出かけ、診療では専門病院に実績で圧倒されている。後進の医師を育成すべき大学教授たちにとっていちばん大切な時間を、ムダに使っていると本当に思います。 岡本:産学協同は詭弁以外のなにものでもないですね。 上:患者のために診療するのが、本来の医師の姿。そして研究。研究費だって、やる気さえあれば製薬会社にたかる必要はありません。まじめに診療をやって研究費を捻出することもできるのだから。 シンポジウムの登壇者は、上・岡本両氏のほかに、ノーベル賞を受賞した本庶佑氏の元門下生で幹細胞病理学の第一人者である仲野徹氏(大阪大学医学部教授)、ワセクロ編集長の渡辺周氏やMEGRI関係者である筆者、若手の尾崎章彦氏(乳腺外科医)と山本佳奈氏(内科医)に加え、加藤晴之氏(編集者、加藤企画編集事務所代表)という顔ぶれで、「製薬マネーと医師」に関わる活発な議論が行われた。 そもそも、先の東京、毎日新聞両紙の1面トップの報道や、今回のシンポジウムの発端になったのは、ワセクロとMEGRIが総力を挙げて調査し、ネット上に構築した「マネーデータベース『製薬会社と医師』」が、2019年1月から公開されたのがきっかけだ。検索窓に医師や製薬会社の名前を入れれば、誰でも簡単に無料で製薬マネーの実態について調べることができる』、「闇営業で高収入を得ているのが、処方薬の評価や値段を決めるなど国の審議委員についている医師や、一般の医師に強い影響力を持つ医学会の幹部であることを問題視」、「国の審議委員」には「闇営業」を禁止すべきだ。「マネーデータベース『製薬会社と医師』」はいい試みだ。
http://db.wasedachronicle.org/
・『医療界の産学癒着を断ち切ることができるのか  「この問題は、どこからお金をもらっているか、どんな利害関係に立っているのか、医師がCOI(利益相反)をきちんと明らかにすべきだということじゃないでしょうか。 最近では国からの研究費はどんどん削られています。大学医局など多くの大学院生を抱えている臨床教室が研究費のために、製薬マネーに頼ることはやむをえないという側面もあるのですから」(仲野氏) 「大学病院にいる同級生に聞くと、2日に1回はお昼や晩に製薬会社からの高級弁当が配られるので、食費がずいぶん助かっているそうです。若いうちから製薬会社のお世話になるのが当たり前になっている」(山本氏) 「世界的な製薬会社ノバルティスファーマと千葉大学、京都府立医科大学や慈恵医科大学などの医師たちの研究不正に司直の手が入ったディオバン事件。その後どうなっているのか追跡調査したところ、不正論文に名を連ねた医師たちが、事件後も当然のようにたくさんの製薬マネーをもらっていた。 ノバルティスがディオバンという薬にありもしない薬効をでっちあげて、累計1兆円以上も売り上げ、一般社会に大迷惑をかけた医療界の産学癒着にいまだ何の反省もありません」(尾崎氏) 高額の製薬マネーを受け取るのは、大学教授などに出世したキー・オピニオン・リーダーやエクスターナル・エキスパートと称される影響力の大きい医師だ。 製薬会社と医師の関係性は、健全な産学協同であればいいが、歪んだ処方で医療費のムダ遣いを生み出す癒着ともなりやすく、世界中で頭を悩ませている大きな問題だ。 昨年も、ハーバード大学の有名医師が「産学の癒着関係は全面禁止すべきだ!」とニューヨーク・タイムズ紙に寄稿すると、元大手製薬会社勤務でベンチャー起業に転じた人物が「産学協同はなくてはならない!」と経済誌『フォーブス』で反対の論陣を張るなど、侃々諤々(かんかんがくがく)、さまざまな議論が行われている。 日本においても、著名医師の講演会が薬を宣伝する「闇営業」なのか、それとも、講演料を受け取った側の反論どおり「患者のためになる真の産学協同」なのか、ファクトを積み重ねて見極める必要がある。 そのためには、数々のメディア報道の基礎となったように、「マネーデータベース『製薬会社と医師』」が果たす役割は大きいだろう。アメリカや一部のヨーロッパ諸国など、製薬マネーの公開について罰則規定のある法制化を行う国も増えてきている。 ワセクロ編集長の渡辺氏は、今回のデータ調査報道の苦労話をこう披露している。 「アメリカでは、サンシャイン法という法律ができて、公的機関がネットで公開(オープン・ペイメンツ・データ)しています。誰でも無料でそのデータをチェックできます。 一方の日本では、業界団体の自主ルールに基づき医師への支払い明細を公開しているといいながら、その実情は公開とは程遠い。なかなか全容がわからないような、形だけの公開になっているのです。そのため今回の調査では、われわれは各製薬会社の数字を丹念に集めてまわり、データベース作成に3000時間の作業と労力を費やさざるをえませんでした」』、「「アメリカでは、サンシャイン法という法律ができて、公的機関がネットで公開しています。誰でも無料でそのデータをチェックできます」、というのは日本でも積極的に取り入れるべきだろう。
・『製薬マネー問題の解決への道は  法制化もされず、したがって罰則もなく、製薬業界の自主的な取り組みに任されている日本のお寒い現状。まだまだ見直しの余地が残されており、世論の後押しが大切だ。このワセクロ・MEGRI共同プロジェクトで中心的役割を果たしている若手医師の尾崎氏が、こう述べたのが筆者の印象に残った。 「医師と製薬会社の利益相反の透明化が、一過性の話題で終わったのでは意味がありません。今後もこの取り組みをずっと続けて、医療や政治、つまり、この社会の何がどう変わるのかを見届けなければならないと思います」 少子高齢化と国民医療費の高騰化が進む中で、高度成長期の1961年に開始された国民皆保険制度は危機に瀕している。医療費のムダ遣いを考えるうえで、製薬マネーの問題はますます無視できなくなってくるだろう。 会場となった灘校は、日本酒の名産地として知られる灘五郷の酒造家、嘉納家と山邑家の篤志により1927(昭和2)年に創立されたという歴史がある。そのため、官に頼らない民の力を重視するという校風が今に受け継がれているようだ。 灘校の創始者たちが実現したように、民間の力で社会的に大きな影響力を持つ成果を出すことは、決して不可能ではない。公を担うのは官だけではないことを改めて認識したのが、今回のシンポジウムだった』、「医師と製薬会社の利益相反の透明化」は何としてでも実現させる必要がある。シンポジウム関係者のさらなる努力を期待したい。

第四に、ラジオNIKKEI 解説委員の和島 英樹氏が7月5日付け東洋経済オンラインに寄稿した「日本で世界を代表する製薬会社が育ちにくい訳 メディシノバの岩城裕一社長兼CEOに聞く」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/289744
・『なぜ日本では世界の3本の指に入るような製薬メーカーが生まれないのだろうか。彼我の条件の差なのだろうか。 メディシノバはアメリカのカリフォルニア州に本社を置く創薬ベンチャーで、日本ではジャスダック市場(外国部)、アメリカではナスダックの両市場に上場している。難病など一定以上の市場規模が見込める分野で新薬の開発を進める企業として注目を集めており、岩城裕一社長兼CEOは業界の情報にも精通している。 同社はここにきてALS(筋萎縮性側索硬化症)、「進行型多発性硬化症」などの難病分野で臨床試験が大詰めを迎えつつある。岩城社長に日本と海外の最新動向や、自社医薬品候補の開発状況について話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは岩城社長の回答)』、「岩城社長」はこの問題を聞くには最適任のようだ。
・『日本が逡巡しているうちに、戦略のある欧米は先へ行く  Q:医薬品について、日本と海外の決定的な違いはどこにあるのですか? A:残念ながら、いまだに日本には「ナショナルフラッグ(国を代表する)」となる製薬会社が育っていませんね。武田薬品工業がその役割を果たすべきなのですが、アイルランドの製薬大手シャイアーの買収によって、ようやく「独自路線」から方向が変わった感じです。 では、なぜナショナルフラッグが必要なのでしょうか。かなり極端な例かもしれませんが、万が一、戦争や大災害などが起きた場合に、国内ですべての薬を賄わなくてはならなくなる可能性があるためです。そのためにも国を代表する「国策企業」としての、製薬会社が必要になるわけです。武田はM&Aで大きくなっても世界ではなお10位レベルです。スイスのロシュ、アメリカのファイザー、英国のグラクソ・スミスクラインなどにはまだ遠く及びません。 国策といえば、「遺伝子組み換え」についての対応などはその代表例として挙げられるのではないでしょうか。アメリカでは遺伝子組み換えによる医薬品が早くから台頭し、アムジェンやジェネンテックといった社員数が2万人もの大企業が育ちました。 これに対して、欧州では大腸菌の遺伝子から作る手法を問題視し、遺伝子組み換え技術に対しては反対に回りました。アメリカのほうは、トウモロコシや大豆など食品分野でも遺伝子組み換えで攻勢をかけているのは周知のとおりです。一方、日本では遺伝子組み換え食品にはなお警戒感が強いですね。 しかし、遺伝子組み換え技術を用いた医薬品が安全性などで問題のないことは、専門家なら常識的に知っていることではないでしょうか。一方、アメリカではG・W・ブッシュ大統領時代、再生医療をキリスト教の見地などから反対していました。しかし、その間に英国では初の哺乳類クローンの羊ドリーを誕生させているように、競争は熾烈です』、「ブッシュ大統領時代、再生医療をキリスト教の見地などから反対していました」、アメリカでも宗教の影響を受けることもあるようだ。
・『欧米では「治療医学」の考え方が徹底している  また、日本の医療が主に、何の病気かを調べる「診断医学」なのに対して、欧米では「治療医学」が徹底しています。治療医学とは、患者さんが治らないと意味がないという考えで、医者も薬の開発に一生懸命になります。一方、日本では患者さんは、新薬開発の過程で臨床試験に参加する場合、「モルモットにされるのではないか?」とのマイナスのイメージを持つようですね。理解はできますが、欧米ではまったく違います。「新しいことをやっているのだから、今よりもいい薬に違いない」と、積極的に参加するのです。 今年、私はDCM(変性性頸椎脊椎症)のフェーズ3臨床試験に向けたシンポジウムで英国を訪れたのですが、その際、ミエロパチー患者支援団体の設立パーティーに参加しました。場所は英国議会の貴族院です。そこには車いすの患者さんも数多く参加していました。そして、熱い視線を送ってくれたのです。本当に身が引き締まる思いでした。 また、薬の認可を担う当局も、欧米では患者さんを救うという意識が高い。もちろん決して日本が低いという意味ではありませんが、FDA(アメリカ食品医薬品局)などは薬の開発段階から親身に相談に乗ってくれますし、臨床試験などでの有効なアドバイスももらえるのです。一緒に薬を開発しているという気持ちさえ感じます。 前述のDCMについても、英国の国立疾病研究センター(NIHR)などが積極的に対応してくれました。ひるがえって、日本の医薬品の有効性や安全性について、臨床試験前から承認までを一貫体制で担っているのはPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)です。われわれも一度PMDAと協議したことがありますが、いろいろな意味で、FDAとの温度差を感じました。まあ、私たちが、アメリカ企業だからなのかもしれませんが。 Q:ここへ来てメディシノバの注目度が上がっていますが、どんな要因があるのでしょうか? A:最近の開発では、小社の松田和子CMO(最高医学責任者)の功績が大きいといえます。彼女はもともと小児科の医師をしていたのですが、私の大学の後輩ということもあり、12年ほど前にお願いして、メディシノバに来てもらいました。 今年の1月に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療薬として認可されているリルゾール(サノフィ社)と当社のMS-166の2つの薬を用いる併用療法で、ALS だけではなく、多くの変性神経疾患を対象に用法特許が新たに承認されましたが、これは彼女のアメリカ特許庁との交渉の賜物といっても過言ではありません。 一般の読者のためにわかりやすく言いますと、薬の特許の目的は独占性を得ることなのですが、大雑把に言って「自社の独占性を守る」ために、「将来的にライバルが入ってこられないよう特許申請」する場合もあります。つまり、承認されない可能性が高くとも、隙を与えない最大努力の一環で申請するケースです。 こうした大切な事情のすべてがわかって、審査官などとの交渉にも長けることは、製薬企業にとっては将来の命運を左右する大切な仕事です。特許出願人が特許庁と交渉するというのは、私たちのような小さい会社だからできることですね。特許弁護士に丸投げにすると、経費もかかるし、当事者意識が薄れて熱もわれわれほど入らない。 このように、特許戦略では、小さな会社のため、知財担当が不在で、臨床開発の当事者が対応していることが、かえっていい結果を生んでくれています。 松田氏は札幌医科大学大学院で医学博士号を取得した後に渡米、ハーバード大学で公衆衛生学修士を修了。アメリカでの臨床研修を経て、USC(南カリフォルニア大学)の私の研究ラボでの研究、さらにアメリカ企業との共同研究などを経てメディシノバに参加。昨年は、世界で最も権威のある総合医学雑誌の1つである『THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE』に共著論文が掲載されるという快挙を成し遂げた。 医療テレビドラマでも話題になった「インパクトファクター」というのがありますね。これは研究者にとって大きな意味を持つ、ポイントカードでいうところのポイント(点数)なのですが、この雑誌はインパクトファクターが最も高い雑誌として知られます。 新薬の開発を断念したり、既存の薬の中から、再度有望な治療適応症候補を探って開発するという、いわゆる「薬のリポジショニング」、つまり、別の薬効を探ることの重要性を再認識させたという意味で大きな影響を与えた論文でした。現場の医師の経験が、薬の開発に応用されたということは、多くの現場医師も創薬チームに参加できる可能性を示したということからも意義深いのです』、「FDAなどは薬の開発段階から親身に相談に乗ってくれますし、臨床試験などでの有効なアドバイスももらえるのです。一緒に薬を開発しているという気持ちさえ感じます」、ここまで製薬企業フレンドリーなのかと驚かされた。「特許戦略では、小さな会社のため、知財担当が不在で、臨床開発の当事者が対応していることが、かえっていい結果を生んでくれています」、というのはベンチャーの強みなのだろう。
・『中国当局も認めたMN-001の「用法特許」  特許に話を戻すと、当社は2019年4月には中国でMN-001(開発コード)について、高中性脂肪症、高コレステロール血症などを適応症として、用法特許の承認を取得しました。中国ではこれまで物質特許が重んじられ、特定疾患を適応とした用法特許という概念は認められていませんでした。 中国で用法特許が取れたのは画期的なことで、ほとんどは、この重要性に気づいていないのではないでしょうか。世の中の誰もが中国特許庁がそんな用法特許を認めるわけがないと言っていた中で、当社の松田CMOだけが「答えはわかりません。とにかく申請してみましょう」と。結果は取れました。中国政府が大きく舵を切り出したと感じています。 Q:新薬の開発も進展しているようですね。 A:期待の新薬候補「MN-166(イブジラスト)」がいよいよ臨床最終段階(フェーズ3)に入ってきました。さきほども少し触れましたが、領域は「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」「DCM(変性性頸椎脊椎症)」「進行型多発性硬化症」の3つです。このうち、最も早期に上市(販売開始)できそうなのがALSです。 順を追って説明したいと思います。ALSとは、脳や脊髄の神経細胞にダメージを及ぼす進行性の神経変異疾患。ダメージを受けることで特定の筋肉への指令が届かなくなり、筋肉が萎縮して弱っていきます。徐々に体を動かすことが不自由になり、症状末期には全身麻痺に至り、人工呼吸器などの補助が必要になります。 英国の物理学者スティーブン・ホーキング博士がこの病気だったことで、認知度が急上昇しました。 現在、アメリカでの患者数は約2万5000人で、毎年6000人程度が新規にALSと診断されています。当社では今年4月に、ALSを適応とするフェーズ2b/3臨床試験プロトコル(手順)で、FDAの審査を完了しました。今後はアメリカ内の約150人の患者を対象に二重盲検試験(偽薬とMN-166との効き目の差を見る試験)、安全性の評価を行っていく予定です。 期間は9カ月。そう遠くない時期に患者の登録をスタートさせ、順次試験に入っていきます。ALSでは資金が少なくて済むため、自前で開発していきます。臨床試験が成功した暁には、新医薬品としての承認取得のための申請を行う予定です』、「ホーキング博士」が特効薬完成を待たずに亡くなったのは残念だ。
・『手術だけでは治療できない神経細胞の復活に有望視  2つ目のDCM(変性性頸椎脊椎症)とは、頸椎脊髄圧迫によって引き起こされる麻痺と定義されている病気で、麻痺のほか疼きや痛み、しびれなどの症状につながります。さらにバランスおよび歩行困難、腕や肩、手の筋力低下や筋肉硬直、直腸機能障害などさまざまな症状を引き起こすのです。アメリカ神経学会によると、脊髄または神経根の圧迫を緩和するために、毎年20万件以上の手術が行われています。 神経の穴を広げ、圧迫を軽減させる手術が有効なのです、疾患が長期に及ぶと、圧迫が引き金となり神経に変性が起きているのです。つまり、治療は手術だけではだめで、変性した神経細胞を復活させることが重要になります。残念なことですが、現在、承認・認可されている治療薬はありません。このDCMに、MN-166が有効なのではと期待されています。 当社ではNIHR(注)から数億円の助成を受け、2018年9月からケンブリッジ大学病院およびケンブリッジ大学病院財団とフェーズ2/3共同臨床試験を開始しました。ロンドンでこの薬のフェーズ3臨床試験に関するキックオフミーティングとシンポジウムが開催されたのは前出のとおりです。 また、世界で初めて患者支援のチャリティー団体も設立されました。臨床試験は投薬治療が8カ月間継続され、術後3カ月、6カ月、12カ月に臨床症状の評価を行います。頸椎神経機能の部分的または完全な回復が期待されます。 最後の3つ目が進行型多発性硬化症です。まず、多発性硬化症(MS)とは脳や脊髄、視神経に病巣ができ、脳から全身への指令が適切に伝わらなくなる病気です。歩行や視覚、知力などさまざまな身体機能の障害症状が出ます。原因はよくわかっていません。患者数はアメリカでおよそ40万人、全世界では150万人程度とみられています』、NIHRとは、英国のNational Institute for Health Researchのことで、英国の公的機関からも補助金を受けているとは、国際的だ。
・『「二次進行型」の多発性硬化症をターゲットに  MSには再発寛解型と、進行型があります。再発寛解型は症状が急に出たり治まったり(寛解)を繰り返すタイプです。多くの患者が最初に再発寛解型と診断されますが、繰り返しているうちに徐々に症状が進行するようになります。これを二次進行型といいます。一方、初めから寛解を経ずに時間とともに悪化していく場合があります。これを一次進行型といいます。 進行型の場合、約15%が一次進行型で、残りの85%が二次進行型ですが、二次進行型にも2つのタイプがあります。再発を伴う二次進行型と、再発を伴わない二次進行型で、多くの二次進行型は、この再発を伴わない二次進行型です。 進行型の多発性硬化症の薬は限られています。一次進行型にはロシュ社のオクレリズマブという薬が認可されていました。2019年の3月に、ノバルティス社と ドイツのメルク社の薬が二次進行型の薬として認可されたのですが、“二次進行型のうち、再発のある”患者さんだけを対象として認可されたのです。よって現在、進行型の75%を占める“再発のない二次進行型”の患者さんに効果のある薬剤はありません。 今年4月にMN-166の進行型多発性硬化症を適応とするSPRINT-MS(アメリカ国立衛生研究所=NIH=MS支援団体との共同連携プロジェクト)のフェーズ2b臨床試験サブグループ解析で、再発のない二次進行型MSで最も効果がありそうだと判明しました。つまり、私たちの薬剤は、現在は治療法がない75%の二次性の進行型の患者さんへの初めての治療薬になる可能性があるのです。 現在、フェーズ3臨床試験のデザインをFDAと協議しています。詳細な開発計画について、FDA とは、もっと突っ込んだ話し合いをする予定です。この薬はどこかに売ってもらう必要があり、認可の前に導出することになります。ただ、時間はまだあり、時期を決めるのはこれからとなります。 Q:最後に、5月に株価が急落する場面があり、その際リリースを出されましたね。 A:あるアメリカの法律事務所が、当社の役員および取締役によるフィデューシャリー・デューティ(受託者責任)違反の可能性について「調査を進める」ことや「その調査への賛同者を募る」といったことを公表しました。 これが日本語のネット上に書き込まれ、不安を与えたのか、まず日本の株価が下落しました。アメリカでは、このような訴訟をほのめかして示談金を獲得しようとする案件は、よくあることなので、アメリカ市場では、最初は株価に変化はなかったのですが、日本で下落したせいで翌日はアメリカでも影響がありました。 しかし、本件に関して公式な通知や連絡を受領した事実はありません。当社では役員や取締役がフィデューシャリー・デューティ違反に問われるようなことは一切していません。事実と異なることで株価が下落したのは残念です。 アメリカでは公開会社に対して、とくに株主総会前に、このような悪質な行為が多く認められますが、日本の株主の皆さんにこれ以上ご心配をおかけしないためにも今後の動向次第では法的措置を含めた断固たる対応を検討しているところです』、「あるアメリカの法律事務所が、当社の役員および取締役によるフィデューシャリー・デューティ違反の可能性について「調査を進める」ことや「その調査への賛同者を募る」といったことを公表」、さすが法律事務所だけあって、証券取引法違反にはならないように仕組んだようだ。メディシノバの今後の活躍を期待したい。
タグ:医薬品 製薬業 (その2)(「キムリア」の薬価3000万円超でも保険財政は破綻しない、武田薬品「ホワイト企業認定返納」のお粗末な一部始終 内部資料を入手、医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 法制化も罰則もなく自主規制に頼る寒い現状、日本で世界を代表する製薬会社が育ちにくい訳 メディシノバの岩城裕一社長兼CEOに聞く) 日経ビジネスオンライン 「「キムリア」の薬価3000万円超でも保険財政は破綻しない」 ノバルティスの遺伝子治療薬「キムリア」 薬価が1回の投与で3349万3407円 米ニュージャージー州にある製造施設で製造 1回の治療で治る人は治る 医療機関で細胞を採取し、製造施設で細胞を加工して製品を製造した後、再び医療機関で細胞を移植する必要がある 米国と同様に成功報酬払いを検討すべきではないか キムリアの対象となる患者数をピーク時で年216人、販売金額を72億円と予想 ダイヤモンド・オンライン 「武田薬品「ホワイト企業認定返納」のお粗末な一部始終、内部資料を入手」 「健康経営優良法人2019大規模法人部門(通称・ホワイト500)」の認定の返納手続きを始めた 法人が認定を受けるためには、健康管理に関連する法令について「重大な違反をしていない」ことが必須条件 『同一条項』に『複数回』違反していないこと」 複数の社員が虚偽申請の事実を経産省に内部告発した 一時はホワイト企業だとアピール 実は1年間で是正勧告4件、指導1件 定時株主総会 「クローバック条項」 谷本 哲也 東洋経済オンライン 「医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 法制化も罰則もなく自主規制に頼る寒い現状」 「灘校で語る『医師と製薬マネー』シンポジウム」 医師の闇営業=薬の宣伝活動 年間1000万円以上に及ぶ製薬会社からの副収入を稼ぎ出す著名医師もいる。すなわち、ここで闇営業にたとえられたのは、医師と製薬会社がタッグを組んで行う薬の宣伝活動のことなのだ 国立病院など公的医療機関では年間500万円まで、大学では本給(大学教授では年間1000万円程度)を超えないこと、という内規 影響力を持つ医療界幹部が闇営業で高収入を得ている 闇営業で高収入を得ているのが、処方薬の評価や値段を決めるなど国の審議委員についている医師や、一般の医師に強い影響力を持つ医学会の幹部であることを問題視 《産学協同の必要性》という大義名分 本来の仕事をほったらかして、製薬会社の宣伝マンのアルバイトをやっているだけじゃないですか 「マネーデータベース『製薬会社と医師』」 医療界の産学癒着を断ち切ることができるのか アメリカや一部のヨーロッパ諸国など、製薬マネーの公開について罰則規定のある法制化を行う国も増えてきている 製薬マネー問題の解決への道は 医師と製薬会社の利益相反の透明化 和島 英樹 「日本で世界を代表する製薬会社が育ちにくい訳 メディシノバの岩城裕一社長兼CEOに聞く」 メディシノバ アメリカのカリフォルニア州に本社を置く創薬ベンチャーで、日本ではジャスダック市場(外国部)、アメリカではナスダックの両市場に上場 難病など一定以上の市場規模が見込める分野で新薬の開発を進める企業として注目 岩城裕一社長兼CEOは業界の情報にも精通 日本が逡巡しているうちに、戦略のある欧米は先へ行く 欧米では「治療医学」の考え方が徹底している 中国当局も認めたMN-001の「用法特許」 手術だけでは治療できない神経細胞の復活に有望視
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